JP2004081945A - 顔料分散体の製造方法 - Google Patents

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Takayuki Nogami
野上 孝幸
Katsuhiko Sawamura
澤村 勝彦
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Abstract

【課題】オフッセトインキ、グラビアインキ、塗料、インキジェットインキ、カラーフィルター、電気泳動型電子ペーパー等に適する非集合性、流動性、光沢に優れた安定な顔料分散体を製造する方法の提供。
【解決手段】粒径が0.3mmφ以下のメディアを用い、ロータピンを備えた湿式分散機に、顔料、顔料誘導体、および液状媒体を含む顔料組成物を供給して分散することを特徴とする顔料分散体の製造方法。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用適性、特に非集合性、流動性、光沢に優れた顔料分散体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、顔料の微細な粒子をオフセットインキ、グラビアインキおよび塗料のようなビヒクルに分散する場合、安定な分散体を得ることが難しく、製造作業上および得られる製品の価値に種々の問題を引き起こすことが知られている。
顔料の微分散は一般に、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、パールミル等と呼ばれる分散機において、撹拌機構でメディアを激しく撹拌することによって得られる衝撃力、せん断力、摩擦力により、顔料組成物を処理することによって行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年は、顔料を1μm以下のサブミクロン領域まで微分散することが求められている。しかし、顔料の微分散に有効と考えられている微小メディアを用いて分散すると、サブミクロン領域にまで分散された粒子により高粘度化が起こる。また、顔料の再凝集により光沢の向上につながらない。
【0004】
さらに、顔料分散体の展色物の塗膜表面に、光沢の低下、レベリング不良等の状態不良を生じることがあった。また、異種の顔料を混合して使用する場合、凝集による色別れや、沈降などの現象により展色物に色むらや著しい着色力の低下が現れることがあった。
そこで、本発明は、オフッセトインキ、グラビアインキ、塗料、インキジェットインキ、カラーフィルター、電気泳動型電子ペーパー等に適する非集合性、流動性、光沢に優れた安定な顔料分散体を製造する方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の顔料分散体の製造方法は、粒径が0.3mmφ以下のメディアを用い、且つロータピンを備えた湿式分散機を使用し、且つ顔料誘導体を使用する、という3つの用件を同時に満たすことにより、粘度、塗膜光沢等が非常に優れ、顔料分散性が飛躍的に改善された顔料分散体を製造するもの、すなわち、粒径が0.3mmφ以下のメディアを用い、ロータピンを備えた湿式分散機に、顔料、顔料誘導体、および液状媒体を含む顔料組成物を供給して分散することにより顔料分散体を製造するものである。
そして、本発明の顔料分散体の製造方法において、顔料として有機顔料を用いることが好ましい。また、湿式分散機に供給される顔料組成物は、さらに樹脂を含むことが好ましい。さらに、湿式分散機は、遠心分離によるメディア分離機構を備えていることとが好ましい。
【0006】
湿式分散機に供給される顔料組成物に用いられる顔料は、有機または無機顔料、カーボンブラック等であるが、有機顔料を用いる場合には、特に顔料分散性の改善効果が高く、本発明の効果がよく発揮される。
有機顔料として具体的には、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等が挙げられる。
【0007】
無機顔料として具体的には、バライト粉、炭酸バリウム、炭酸石灰粉、沈降性炭酸カルシウム、シリカ粉、微粉ケイ酸、珪藻土、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、サチン白、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、黒色酸化鉄、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、モリブデートオレンジ、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等が挙げられる。
また、カーボンブラックとして具体的には、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等が挙げられる。
【0008】
湿式分散機に供給される顔料組成物に用いられる顔料誘導体は、下記一般式(1)で示される化合物であり、塩基性置換基を有するものと酸性置換基を有するものとがある。
式(1)    A−B
A:有機顔料残基
B:塩基性置換基または酸性置換基
【0009】
式(1)中、Aの有機顔料残基を構成する有機顔料としては、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等が挙げられる。
【0010】
式(1)中、Bの塩基性置換基としては、下記式(2)、式(3)、式(4)、および式(5)で示される置換基が挙げられ、酸性置換基としては、式(6)および式(7)で示される置換基が挙げられる。
式(2)
【化1】
Figure 2004081945
式(3)
【化2】
Figure 2004081945
式(4)
【化3】
Figure 2004081945
式(5)
【化4】
Figure 2004081945
式(6)
【化5】
Figure 2004081945
式(7)
【化6】
Figure 2004081945
【0011】
X:−SO−、−CO−、−CHNHCOCH−、−CH−または直接結合を表す。
n:1〜10の整数を表す。
、R:それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR1 とR2 とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。
:置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
【0012】
、R、R、R:それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Y:−NR−Z−NR−または直接結合を表す。
、R:それぞれ独立に水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Z:置換されていてもよいアルキレン基、置換されていてもよいアルケニレン基、または置換されていてもよいフェニレン基を表す。
P:式(8)で示される置換基または式(9)で示される置換基を表す。
Q:水酸基、アルコキシル基、式(8)で示される置換基または式(9)で示される置換基を表す。
【0013】
式(8)
【化7】
Figure 2004081945
式(9)
【化8】
Figure 2004081945
M:水素原子、カルシウム原子、バリウム原子、ストロンチウム原子、マンガン原子またはアルミニウム原子を表す。
i:Mの価数を表す。
10、R11、R12、R13 :それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基またはポリオキシアルキレン基を表す。
【0014】
式(2)〜式(5)および式(8)、式(9)で示される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジーsec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
【0015】
式(7)のスルホン酸アミン塩を形成するために使用されるアミン成分は1級、2級、3級、4級のいずれのアミンでもよく、例えば、1級アミンとしては、側鎖を有していてもよいへキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、エオコシルアミン等のアミン、もしくはそれぞれの炭素数に対応する不飽和アミンが挙げられる。
【0016】
2級、3級および4級アミンとしては、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、トリオクチルアミン、ジメチルジドデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロリド、ジメチルジデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジオクチルアンモニウムクロリド、トリメチルステアリルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、トリメチルデシルアンモニウムクロリド、トリメチルヘキサデシルアンモニウムクロリド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロリド、ジメチルドデシルテトラデシルアンモニウムクロリド、ジメチルヘキサデシルオクタデシルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
また、式(7)におけるR10、R11、R12、R13のいずれかがポリオキシアルキレン基を表す場合、その例としてはポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等が挙げられる。
【0017】
顔料誘導体の具体例を化合物番号を付して以下に示す。
化合物1
【化9】
Figure 2004081945
CuPcは、銅フタロシアニン残基を表す。
化合物2
【化10】
Figure 2004081945
【0018】
化合物3
【化11】
Figure 2004081945
化合物4
【化12】
Figure 2004081945
【0019】
化合物5
【化13】
Figure 2004081945
化合物6
【化14】
Figure 2004081945
【0020】
化合物7
【化15】
Figure 2004081945
化合物8
【化16】
Figure 2004081945
化合物9
【化17】
Figure 2004081945
【0021】
顔料組成物中の顔料誘導体の配合量は、顔料100重量部に対し好ましくは1〜20重量部、更に好ましくは1〜15重量部である。粒径が0.3mmφ以下のメディアを用い、且つロータピンを備えた湿式分散機を使用する本発明の顔料分散体の製造方法においては、顔料を良好に分散することができるため、他の分散機を用いる場合と比べて顔料誘導体の配合量を低減することができる。
【0022】
また、湿式分散機に供給される顔料組成物に用いられる液状媒体としては、特に限定されるものではないが、例えば、トルエン、キシレン、メトキシプロピルアセテート、メタノール、エタノール、シクロヘキサノン、イソプロピルアルコール等の有機溶剤、水が挙げられる。
【0023】
湿式分散機に供給される顔料組成物には、顔料の分散性を向上させるため、樹脂を含有させることができる。樹脂は特に限定されるものではなく、例えば、石油樹脂、カゼイン、セラック、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、酸化ゴム、塩酸ゴム、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂(リン酸基含有アクリル樹脂、スルホン基含有アクリル樹脂、芳香環含有アクリル樹脂)メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、乾性油、合成乾性油、スチレン変性マレイン酸、ポリアミド樹脂、塩素化ポリプロピレン、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、得られる顔料分散体に配合することもできる。
【0024】
また、顔料組成物には、市販の分散剤、界面活性剤等の各種添加剤を含有させることができる。添加剤として具体的には、ビックケミー社製のDisperbykまたはDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001またはAnti−Terra−U、203、204またはBYK−P104、P104S、220SまたはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、アビシア社製のSOLSPERSE−3000、9000、13240、13650、13940、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32600、34750、36600、38500、41000、41090、53095等、エフカケミカルズ社製のEFKA−46、47、48、452、LP4008、4009、LP4010、LP4050、LP4055、400、401、402、403、450、451、453、4540、4550、LP4560、120、150、1501、1502、1503等が挙げられる。
【0025】
顔料分散体は、粒径が0.3mmφ以下の微小メディアを用い、顔料、顔料誘導体、液状媒体、および必要により樹脂、分散剤、添加剤等を混合してなる顔料組成物をロータピンを備えた湿式分散機に供給して分散することにより製造することができる。
微小メディアを用いる湿式分散機の種類としては、円筒型分散機の横型、縦型、さらには環状型(アニュラータイプ)等がある。
【0026】
また、微小メディアの分離機構としては、遠心分離方式、スリット方式、スクリーン方式等があるが、遠心分離によるものが好ましい。粒径が0.3mmφ以下の微小メディアを分離できるスリットまたはスクリーンの製作は、機械加工精度の関係上非常に難しく、顔料組成物を供給する場合、目詰まりするという可能性があるからである。また、粒径が0.3mmφ以下、特に0.1〜0.2mmφ程度の微小メディアを用いる場合には、スリットまたはスクリーン方式で微小メディアを分離すると濾過速度が非常に遅くなるため、顔料組成物の供給量を多くすることが困難なためである。
【0027】
ロータピンおよび遠心分離によるメディア分離機構を備えた湿式分散機としては、例えばスーパーアペックスミル(コトブキ技研工業社製)、DCP型パールミル(アイリッヒ社製)などがある。
ロータピンおよび遠心分離によるメディア分離機構を備えた湿式分散機に顔料組成物を供給して、粒径が0.3mmφ以下の微小メディアを用いて顔料分散体を製造する場合には、顔料組成物の供給量は、メディアの分離のしやすさから10〜30
kg/hであることが好ましい。
【0028】
また、分散効率の良い分散機内のメディア充填率は、好ましくは50〜100%、更に好ましくは60〜80%である。
微小メディアの材質は、剛体であれば特に限定されるものでなく、一般に用いられているガラス、スチール、ステンレス、陶磁器、ジルコン、ジルコニア等が挙げられる。また、微小メディアの粒径は、微分散、整粒効果、高光沢を達成するために0.3mmφ以下でなければならない。微小メディアの好ましい粒径は、0.2〜0.05mmφである。
本発明の方法で製造される顔料分散体は、非水系または水系のオフッセトインキ、グラビアインキ、塗料、インキジェットインキ、プラスチック着色、カラーフィルター、電気泳動型電子ペーパー等に利用できる。
【0029】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例中、「部」とは「重量部」を表す。
[実施例1]
有機顔料(C.I. Pigment Blue 15:3 )13部 、顔料誘導体(化合物1)2部、アクリル樹脂 15部、シクロヘキサノン 70部を原料タンクに仕込み、ディスパーで2時間撹拌後、粒径0.2mmφのジルコニアビーズを使用し、遠心分離によるメディア分離機構およびロータピンを備えた湿式分散機(コトブキ技研工業社製「スーパーアペックスミル」)に供給し、循環分散させて顔料分散体を得た。
【0030】
[実施例2]
有機顔料(C.I. Pigment Red 254)13.5部 、顔料誘導体(化合物3) 1.5部、アクリル樹脂 15部、シクロヘキサノン 70部を原料タンクに仕込み、ディスパーで2時間撹拌後、粒径0.1mmφのジルコニアビーズを使用し、遠心分離によるメディア分離機構およびロータピンを備えた湿式分散機(コトブキ技研工業社製「スーパーアペックスミル」)に供給し、循環分散させて顔料分散体を得た。
【0031】
[実施例3]
有機顔料(C.I. Pigment Red 122)13.25部 、顔料誘導体(化合物5)1.75部、アクリル樹脂 15部、シクロヘキサノン 70部を原料タンクに仕込み、ディスパーで2時間撹拌後、粒径0.1mmφのジルコニアビーズを使用し、遠心分離によるメディア分離機構およびロータピンを備えた湿式分散機(コトブキ技研工業社製「スーパーアペックスミル」)に供給し、循環分散させて顔料分散体を得た。
【0032】
[比較例1]
有機顔料(C.I. Pigment Blue 15:3)11部 、顔料誘導体(化合物1)4部、アクリル樹脂 15部、シクロヘキサノン 70部を原料タンクに仕込み、ディスパーで2時間撹拌後、粒径0.5mmφのジルコニアビーズを使用したアイガーミルに供給し、分散させて顔料分散体を得た。
[比較例2]
有機顔料(C.I. Pigment Blue 15:3)11部 、顔料誘導体(化合物1)4部、アクリル樹脂 15部、シクロヘキサノン 70部を原料タンクに仕込み、ディスパーで2時間撹拌後、粒径0.5mmφのジルコニアビーズを使用したダイノーミルに供給し、分散させて顔料分散体を得た。
【0033】
[比較例3]
有機顔料(C.I. Pigment Blue 15:3)15部 、アクリル樹脂 15部、シクロヘキサノン 70部を原料タンクに仕込み、ディスパーで2時間撹拌後、粒径0.2mmφのジルコニアビーズを使用し、遠心分離によるメディア分離機構およびロータピンを備えた湿式分散機(コトブキ技研工業社製「スーパーアペックスミル」)に供給し、循環分散させて、顔料分散体を得た。
[比較例4]
有機顔料(C.I. Pigment Red 254)12部 、顔料誘導体(化合物3)3部、アクリル樹脂 15部、シクロヘキサノン 70部を原料タンクに仕込み、ディスパーで2時間撹拌後、粒径0.5mmφのジルコニアビーズを使用したアイガーミルに供給し、分散させて顔料分散体を得た。
【0034】
[比較例5]
有機顔料(C.I. Pigment Red 254)12部 、顔料誘導体(化合物3)3部、アクリル樹脂 15部、シクロヘキサノン 70部を原料タンクに仕込み、ディスパーで2時間撹拌後、粒径0.5mmφのジルコニアビーズを使用したダイノーミルに供給し、分散させて顔料分散体を得た。
[比較例6]
有機顔料(C.I. Pigment Red 254)15部 、アクリル樹脂 15部、シクロヘキサノン 70部を原料タンクに仕込み、ディスパーで2時間撹拌後、粒径0.1mmφのジルコニアビーズを使用し、遠心分離によるメディア分離機構およびロータピンを備えた湿式分散機(コトブキ技研工業社製「スーパーアペックスミル」)に供給し、循環分散させて、顔料分散体を得た。
【0035】
[比較例7]
有機顔料(C.I. Pigment Red 122)11部 、顔料誘導体(化合物5)4部、アクリル樹脂 15部、シクロヘキサノン 70部を原料タンクに仕込み、ディスパーで2時間撹拌後、粒径0.5mmφのジルコニアビーズを使用したアイガーミルに供給し、分散させて顔料分散体を得た。
[比較例8]
有機顔料(C.I. Pigment Red 122)11部 、顔料誘導体(化合物5)4部、アクリル樹脂 15部、シクロヘキサノン 70部を原料タンクに仕込み、ディスパーで2時間撹拌後、粒径0.5mmφのジルコニアビーズを使用したダイノーミルに供給し、分散させて顔料分散体を得た。
[比較例9]
有機顔料(C.I. Pigment Red 122)15部 、アクリル樹脂 15部、シクロヘキサノン 70部を原料タンクに仕込み、ディスパーで2時間撹拌後、粒径0.2mmφのジルコニアビーズを使用し、遠心分離によるメディア分離機構およびロータピンを備えた湿式分散機(コトブキ技研工業社製「スーパーアペックスミル」)に供給し、循環分散させて、顔料分散体を得た。
【0036】
実施例および比較例で得られた顔料分散体の粘度およびTI値を測定し、性能を評価した(粘度は低いほど良好。TI値は1に近いほど良好。)。なお、粘度はB型粘度計で測定し、TI値は粘度データから算出した。また、得られた顔料分散体をポリエチレンテレフタレートフィルムに展色し、グロスメーターにて60°光沢を測定した(光沢は高いほど良好)。結果を 表1 に示す。
実施例で得られた顔料分散体は、比較例で得られたものに比べ、良好な粘度、TI値、光沢値を示した。
【0037】
【表1】
Figure 2004081945
【0038】
【発明の効果】
粒径3mmφ以下のメディアを用い、ロータピンを備えた湿式分散機を用いて顔料分散体を製造する方法において、分散機に供給する顔料組成物に顔料誘導体を含有させることで顔料分散性が飛躍的に改善され、高光沢で常に安定な顔料分散体を製造することができる。

Claims (4)

  1. 粒径が0.3mmφ以下のメディアを用い、ロータピンを備えた湿式分散機に、顔料、顔料誘導体、および液状媒体を含む顔料組成物を供給して分散することを特徴とする顔料分散体の製造方法。
  2. 顔料が有機顔料であることを特徴とする請求項1記載の顔料分散体の製造方法。
  3. 顔料組成物が、さらに樹脂を含むことを特徴とする請求項1または2記載の顔料分散体の製造方法。
  4. 湿式分散機が、遠心分離によるメディア分離機構を備えていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項に記載の顔料分散体の製造方法。
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