JP5220987B2 - 油性顔料分散体 - Google Patents

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Description

本発明は、顔料、顔料分散剤および有機溶媒を含む油性顔料分散体に関し、特にインクジェット記録方式用の油性顔料インクとして有用な上記油性顔料分散体に関する。

インクジェット記録方式は、圧力、熱、電界等を駆動源として、液状のインクをノズルから記録媒体に向けて吐出させ、印刷するものである。このような記録方式は、ランニングコストが低く、高画質化が可能であり、また水性や油性等の各種のインクを印字できることから、近年、市場を拡大している。

中でも、屋外サイン用途等に用いられるノンコートのポリ塩化ビニル(以下、単に塩ビという)等のフィルムに直接印字でき、また耐水性や耐候性に優れている油性顔料インクの市場が拡大している。油性顔料インクは、水性顔料インクに比べて、溶媒に有機溶媒を使用しているため、紙がコックリングすることなく、受容層を用いたフィルムに印刷後、ラミネート処理することも不要であり、低コストで印刷可能である。

通常、油性顔料インクは、有機溶媒中に顔料を分散機を用いて分散させ、この油性顔料分散体に他の有機溶媒、樹脂化合物、添加剤等を添加し加工して、得られる(特許文献1参照) 。そのため、油性顔料分散体は高濃度な状態で分散されることが多い。

しかし、顔料濃度が高くなると、分散の安定性に問題があることがこれまでに知られている。また、分散溶媒中に水分が含まれると、油性顔料分散体の安定性が著しく悪くなることが知られており、製造工程において綿密な管理が必要である。

さらに、油性顔料分散体をインクジェット用途に用いる場合、鮮明な画像表示を可能にするには、微細な粒子径まで分散させることが求められることが多い。しかし、顔料を微細な状態まで分散させると、一度分散した顔料同士が再凝集しやすくなり、粘度の増大や粒径が大きくなる等、安定な状態で保存することが非常に困難である。
特開平10−77432号公報
本発明は、このような事情に照らし、微細に分散が可能で、高濃度の状態で保存しても安定性に優れた油性顔料分散体を提供することを課題とする。

本発明者らは、上記課題を克服するため、鋭意検討した結果、有機溶媒として(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエステル化合物を使用することにより、微細な分散が可能であり、高濃度で保存しても安定な状態を維持でき、水分を吸収しにくい油性顔料分散体が得られることを見出し、本発明を完成した。

すなわち、本発明は、顔料、顔料分散剤および有機溶媒を含む油性顔料分散体において、有機溶媒として(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエステル化合物を含有し、顔料濃度が10〜50重量%であり、動的光散乱法によって測定される粒度分布における散乱強度の累積50%粒径が200nm以下であり、かつ散乱強度の累積90%粒径が400nm以下であり、水分量が、油性顔料分散体の全体中、2重量%以下であことを特徴とする、インクジェット記録方式用の油性顔料インクとして利用するための油性顔料分散体であって、上記の利用にあたり、この油性顔料分散体にさらに少なくとも有機溶媒を添加し加工してインクジェット記録方式用の油性顔料インクとする油性顔料分散体に係るものである。

また、本発明は、(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエステル化合物が、エチレングリコールジアルキルエステル、ジエチレングリコールジアルキルエステル、トリエチレングリコールジアルキルエステル、プロピレングリコールジアルキルエステル、ジプロピレングリコールジアルキルエステル、トリプロピレングリコールジアルキルエステル中から選ばれる少なくとも1種である上記構成の油性顔料分散体に係るものである。
このように、本発明は、有機溶媒として(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエステル化合物を使用したことにより、微細な分散状態でかつ高濃度で保存しても安定な状態を維持でき、さらに水分を吸収しにくい油性顔料分散体、特にインクジェット記録方式用の油性顔料インクとして有用な油性顔料分散体を提供できる。

本発明においては、有機溶媒として(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエステル化合物を使用するが、その量は、有機溶媒全体の40重量%以上とするのが好ましく、より好ましくは60重量以上、さらに好ましくは80重量%以上とするのがよい。

上記の(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエステル化合物は、分子内の両末端にエステル基を有し、さらに疎水性のアルキル基をを併せ持つものであり、疎水性の溶媒である。これを有機溶媒として使用すると、吸水性が低いため、分散体製造中や保管中に水分が含まれにくく、保存安定性に悪影響を及ぼしにくい。

このような(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエステル化合物は、安全性や臭気の点から、引火点が55〜120℃の範囲、特に70〜100℃の範囲にあるのが望ましく、また沸点が170〜250℃の範囲にあるのが望ましい。

このような(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエステル化合物を使用することにより、油性顔料分散体を調製した際の、特にインクジェット記録方式用の油性顔料インクを調製した際の引火点を61℃以上に設定することが容易となり、上記油性顔料分散体の輸送時の安全性等において、非常に優れたものとなる。

このような(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエステル化合物としては、エチレングリコールジアルキルエステル、ジエチレングリコールジアルキルエステル、トリエチレングリコールジアルキルエステル、プロピレングリコールジアルキルエステル、ジプロピレングリコールジアルキルエステル、トリプロピレングリコールジアルキルエステル等が挙げられる。これらの化合物の中でも、エチレングリコールジアルキルエステルまたはプロピレングリコールジアルキルエステルは、低粘度のものが多く、望ましい。特に、エチレングリコールジメチルエステルまたはプロピレングリコールジメチルエステルは、比較的低臭でかつ低粘度であり、分散体溶媒として最も適している。

本発明の油性顔料分散体において、色材には、耐光性の点より、顔料が用いられるが、この顔料には、無機顔料や有機顔料等がある。

本発明では、有機溶媒として(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエステル化合物を使用したことにより、上記の顔料を、油性顔料分散体の全体中、顔料濃度が10〜50重量%、特に好ましくは15〜40重量%となる高濃度で使用することを特徴としている。このような高濃度で用いても、微細な分散状態とすることが可能であり、またこの高濃度で保存しても安定な状態を維持させることができる。

無機顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、酸化亜鉛、トリポン、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、クロムバーミリオン、モリブデートオレンジ、黄鉛、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ピリジアン、コバルトグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、群青、ウルトラマリンブルー、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、マイカ等が挙げられる。

有機顔料としては、アゾ系、アゾメチン系、ポリアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、ベンツイミダゾロン系、イソインドリン系、イソインドリノン系の顔料等が挙げられる。有機顔料には、酸性、中性または塩基性カーボンからなるカーボンブラックも用いられる。また、アクリル樹脂等から形成される中空粒子を顔料として用いてもよい。

本発明の油性顔料分散体を、油性顔料インクとして特にシアンインク組成物に適用する場合、このシアンインク組成物における顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、15:34、16、22、60等が挙げられる。

これらの中でも、耐候性、着色力等の点から、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4から選択される1種または2種以上の混合物が好ましい。

本発明の油性顔料分散体を、油性顔料インクとして特にマゼンタインク組成物に適用する場合、このマゼンタインク組成物における顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112,122,123,168,184、202、209、254、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。

これらの中でも、耐候性、着色力等の点から、C.I.ピグメントレッド122、202、209、254、C.I.ピグメントバイオレット19から選択される1種または2種以上の混合物が好ましい。

本発明の油性顔料分散体を、油性顔料インクとして特にイエローインク組成物に適用する場合、このイエローインク組成物における顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14C、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、130、138、139、147、150、151、154、155、180、185、213、214等が挙げられる。

これらの中でも、耐候性等の点から、C.I.ピグメントイエロー74、83、109、110、120、128、138、139、150、151、154、155、213、214から選択される1種または2種以上の混合物が好ましい。

本発明の油性顔料分散体を、油性顔料インクとして特にブラックインク組成物に適用する場合、このブラックインク組成物における顔料としては、三菱化学社製のHCF、MCF、RCF、LFF、SCF、キャボット社製のモナーク、リーガル、デグサ・ヒュルス社製のカラーブラック、スペシャルブラック、プリンテックス、東海カーボン社製のトーカブラック、コロンビア社製のラヴェン等が挙げられる。

これらの中でも、三菱化学社製のHCF#2650、#2600、#2350、#2300、MCF#1000、#980、#970、#960、MCF88、LFFMA7、MA8、MA11、MA77、MA100、デグサ・ヒュルス社製のプリンテックス95、85、75、55、45等から選択される1種または2種以上の混合物が好ましい。

本発明の油性顔料分散体において、顔料分散剤は、顔料との親和性に優れ、分散安定化させる働きを持つものである。

このような顔料分散剤には、イオン性または非イオン性の界面活性剤や、アニオン性、カチオン性またはノニオン性の高分子化合物が用いられているが、分散安定性、耐水性の面で、高分子化合物を使用するのが好ましく、特にカチオン性基またはアニオン性基を含む高分子化合物が好ましい。顔料分散剤は、有機溶媒中で顔料と分散剤との酸塩基相互作用にて分散安定化しているため、顔料吸着サイトであるカチオン性基かアニオン性基の少なくとも一方を含むことが必須であり、顔料の種類等により分散剤中のカチオン性基やアニオン性基の種類と量をコントロールすることが重要である。

高分子化合物である顔料分散剤としては、ゼネカ社製の「SOLSPERSE」、ビックケミー社製の「DISPERBYK」、エフカアディティブズ社製の「EFKA」、コグニス社製の「TEXAPHOR」の名称で市販されているものが好ましい。

これらの中でも、「DISPERBYK161、162、163、168」、「EFKA4050、4055、4060」、「TEXAPHOR P60、P61、P63、SF73」が特に好ましい。これらを顔料、溶媒の種類にあわせて用いることにより、油性顔料分散体として効果が発揮される場合が多い。

これらの顔料分散剤は、臭気、安全性等に影響を及ぼすおそれのある低沸点溶媒を含まないものが好ましい。しかし、顔料分散剤の中には、溶媒としてトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン等の低沸点溶媒を用いている場合があり、これらの低沸点溶媒は、あらかじめ取り除くことが必要である。

低沸点溶媒を取り除く方法としては、減圧蒸留法、再沈法等が用いられる。これらの方法を用いて、顔料分散剤中の沸点が170℃未満の成分を1重量%未満、特に好ましくは0.5重量%未満、さらに好ましくは0.1重量%未満にすることにより、油性顔料分散体を調製した際の臭いを制御することができる。

本発明において、高分子化合物からなる顔料分散剤を使用する場合、この顔料分散剤の使用量としては、顔料の種類や分散に用いる溶媒、分散条件等により異なるが、通常は、顔料に対して、5〜150重量%とするのが好ましい。

特に有機顔料を使用する場合は、高分子化合物からなる顔料分散剤は、顔料に対して、40〜120重量%とするのが好ましい。無機顔料を使用する場合は、高分子化合物からなる顔料分散剤は、顔料に対して、5〜60重量%とするのが好ましい。

本発明の油性顔料分散体は、顔料、顔料分散剤である高分子化合物および有機溶媒としての(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエステル化合物を、プレミックス後、均一に分散させることにより、調製することができる。

上記分散体を得る際には、上記の各成分を、ボールミル、遠心ミル、遊星ボールミル等の容器駆動媒体ミル、サンドミル等の高速回転ミル、攪拌槽型ミル等の媒体攪拌ミル、ディスパー等の簡単な分散機により、よく撹拌混合し、分散させればよい。

また、この分散体に上記の各成分を添加したのち、スリーワンモーター、マグネチックスターラー、ディスパー、ホモミキサー、ホモジナイザー等の簡単な攪拌機により均一に混合する。ラインミキサー等の混合機により混合してもよい。析出粒子をより微細化する目的で、ビーズミルや高圧噴射ミル等の分散機により混合してもよい。

本発明においては、このような油性顔料分散体の調製にあたり、顔料、顔料分散剤である高分子化合物および有機溶媒のほかに、必要により、任意成分として、界面活性剤、表面調整剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、pH調整剤、電荷付与剤、殺菌剤、防腐剤、防臭剤、電荷調整剤、湿潤剤、皮はり防止剤、紫外線吸収剤、香料、顔料誘導体等、公知の一般的な添加剤を、配合するようにしてもよい。

このように調製される本発明の油性顔料分散体は、動的光散乱法によって測定される粒度分布における散乱強度の累積50%粒径が200nm以下であり、かつ散乱強度の累積90%粒径が400nm以下であることを特徴としている。すなわち、この粒度分布からわかるように、顔料の分散が微細かつ粒度分布がシャープとなっている。

なお、本明細書における上記の「累積50%粒径」および「累積90%粒径」とは測定される散乱強度分布の小粒径から散乱強度を累積した際の50%と90%のときの粒子径から求められる値を意味するものである。

また、本発明の油性顔料分散体は、これに多量の水分が含まれると、分散体の保存時に粘度や粒径の増大等の悪影響を及ぼすことがある。油性顔料分散体中の水分量は、油性顔料分散体の全体中、2重量%以下であるのが好ましく、1重量%以下であるのがより好ましく、0.5%重量以下であるのがさらに好ましい。油性顔料分散体の全体中、水分量が2重量%を超えると、分散体の粘度や粒径が増大する場合がある。

本発明の油性顔料分散体は、有機溶媒、樹脂化合物、添加剤を調整することで、臭気や安全性に優れかつ受容層のない塩ビ等の低コストフィルム等の印字媒体に対して印字可能なインクジェット記録方式用の油性顔料インクとして利用できる。

このような油性顔料インクを用いて画像形成する場合、例えば、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックを少なくとも含む4色以上の油性顔料インクを同時に用いて画像形成する等の使用形態を任意にとることもできる。

以下に、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。

100ccのプラスチック製ビンに、顔料として「FASTOGEN BLUE 5430SD」(大日本インキ化学工業社製の銅フタロシアニンブルー顔料)4部、顔料分散剤としてビックケミー社のアミン系高分子分散剤である「BYK168」7部、有機溶媒としてプロピレングリコールジメチルエステル(引火点93℃、沸点190℃)9部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散し、油性顔料分散体Aを調製した。

顔料として「FASTOGEN BLUE 5430SD」4部に代えて、「MA8」(三菱化学社製のカーボンブラック顔料)4部を使用した以外は、実施例1と同様に分散を行い、油性顔料分散体Bを調製した。

100ccのプラスチック製ビンに、顔料として「クロモファインマゼンタ6887」(大日学工業社製のキナクリドン顔料)4部、顔料分散剤としてビックケミー社のアミン系高分子分散剤である「BYK168」10.7部、有機溶媒としてプロピレングリコールジメチルエステル(引火点93℃、沸点190℃)5.3部、直径0.3mmのジルコニアビーズ100部を計り取り、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)により、2時間分散し、油性顔料分散体Cを調製した。

顔料として「クロモファインマゼンタ6887」4部に代えて、「NOVOPERM Yellow H2G」(クラリアント社製のアゾ顔料)4部を使用した以外は、実施例3と同様に分散を行い、油性顔料分散体Dを調製した。

顔料としての「MA8」の使用量を6部に、顔料分散剤としての「BYK168」の使用量を10部に、有機溶媒としてのプロピレングリコールジメチルエステルの使用量を4部に、それぞれ変更した以外は、実施例2と同様に分散を行い、油性顔料分散体Eを調製した。

顔料としての「NOVOPERM Yellow H2G」の使用量を3部に、顔料分散剤としての「BYK168」の使用量を8部に、有機溶媒としてのプロピレングリコールジメチルエステルの使用量を9部に、それぞれ変更した以外は、実施例4と同様に分散を行い、油性顔料分散体Fを調製した。

有機溶媒としてプロピレングリコージメチルエステル9部に代えて、エチレングリコールジメチルエステル(引火点82℃、沸点186℃)9部を使用した以外は、実施例1と同様に分散を行い、油性顔料分散体Gを調製した。

比較例1
<(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエステル化合物以外の有機溶媒を使用した 油性顔料分散体>

有機溶媒としてプロピレングリコールジメチルエステル9部に代えて、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(引火点60℃、沸点175℃)9部を使用した以外は、実施例1と同様に分散を行い、油性顔料分散体Hを調製した。

比較例2
<吸水性の高い有機溶媒を使用した油性顔料分散体>

有機溶媒としてプロピレングリコールジメチルエステル9部に代えて、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(引火点79℃、沸点190℃)9部を使用した以外は、実施例1と同様に分散を行い、油性顔料分散体Iを調製した。

比較例3
<粒度分布の広い油性顔料分散体>

ペイントコンディショナーによる分散時間を、2時間から15分に変更した以外は、実施例2と同様にして、油性顔料分散体Jを調製した。

比較例4
<顔料濃度が低い油性顔料分散体>

顔料としての「MA8」の使用量を1部に、顔料分散剤としての「BYK168」の使用量を1.7部に、有機溶媒としてのプロピレングリコールジメチルエステルの使用量を17.3部に、それぞれ変更した以外は、実施例2と同様に分散を行い、油性顔料分散体Kを調製した。

上記の実施例1〜7の各油性顔料分散体A〜G、比較例1〜4の各油性顔料分散体H〜Kについて、下記の方法により、粘度、累積50%粒径、累積90%粒径および水分量を測定した。これらの結果は、表1に示されるとおりであった。

<粘度>
油性顔料分散体の粘度は、R100型粘度計(東機産業社製)により、25℃、コーンの回転数5rpmの条件により、測定した。

<累積50%粒径、累積90%粒径>
油性顔料分散体の累積50%粒径、累積90%粒径は、濃厚系粒径アナライザー(大塚電子社製、FPAR−1000)により、測定した。

<水分量>
油性顔料分散体中の水分量については、カールフィッシャー水分計(京都電子工業社製、MKC210)により、測定した。


表1

┌────┬─────┬──────┬─────┬─────┬─────┐
│ │油性顔料分│ 粘 度 │累積50%│累積90%│ 水分量 │
│ │散体の番号│(mN/m)│粒径(nm)│粒径(nm)│(重量%)│
├────┼─────┼──────┼─────┼─────┼─────┤
│ │ │ │ │ │ │
│実施例1│ A │ 42.1 │ 132 │ 223 │ 0.32│
│ │ │ │ │ │ │
│実施例2│ B │ 35.6 │ 102 │ 245 │ 0.43│
│ │ │ │ │ │ │
│実施例3│ C │ 64.7 │ 165 │ 244 │ 0.46│
│ │ │ │ │ │ │
│実施例4│ D │ 59.2 │ 162 │ 281 │ 0.45│
│ │ │ │ │ │ │
│実施例5│ E │221.1 │ 107 │ 256 │ 0.42│
│ │ │ │ │ │ │
│実施例6│ F │ 47.4 │ 151 │ 268 │ 0.44│
│ │ │ │ │ │ │
│実施例7│ G │ 37.8 │ 129 │ 228 │ 0.37│
│ │ │ │ │ │ │
├────┼─────┼──────┼─────┼─────┼─────┤
│ │ │ │ │ │ │
│比較例1│ H │ 42.7 │ 220 │ 581 │ 0.61│
│ │ │ │ │ │ │
│比較例2│ I │ 87.3 │ 187 │ 310 │ 0.67│
│ │ │ │ │ │ │
│比較例3│ J │ 37.9 │ 158 │ 520 │ 0.41│
│ │ │ │ │ │ │
│比較例4│ K │ 3.9 │ 149 │ 442 │ 0.47│
│ │ │ │ │ │ │
└────┴─────┴──────┴─────┴─────┴─────┘

上記の表1の結果から明らかなように、実施例1〜7の各油性顔料分散体A〜Gは、いずれも、累積50%粒径および90%粒径の値から、顔料の分散が微細かつ粒度分布がシャープになっていることがわかる。

これに対し、比較例1の油性顔料分散体Hは、累積50%粒径および累積90%粒径の値がいずれも高くなっており、微細な顔料分散が得られなかった。また、比較例3,4の油性顔料分散体J,Kは、累積50%粒径は200nm以下であったが、累積90%粒径が400nm以上であり、粒度分布の広い分散体であった。

つぎに、上記の実施例1〜7の各油性顔料分散体A〜G、比較例1〜4の各油性顔料分散体H〜Kについて、下記の方法により、高湿下での保存試験を行い、この保存試験後の粘度および水分量の測定を行い、さらに沈降物の有無を確認した。これらの測定結果は、表2に示されるとおりであった。

<高湿下での保存試験>
各油性顔料分散体を、20ccのガラス瓶に10cc採取し、キャップをすることなく温度25℃、湿度60%に保たれた恒温槽に1週間放置した。この放置後に、前記と同様にして、粘度および水分量を測定した。また、目視により、ガラス瓶の底に沈降物があるかどうかを確認した。

























表2
┌────┬─────┬───────┬─────┬──────┐
│ │油性顔料分│ 粘度 │ 水分量 │ 沈降物 │
│ │散体の番号│ (mN/m)│(重量%)│ の有無 │
├────┼─────┼───────┼─────┼──────┤
│ │ │ │ │ │
│実施例1│ A │ 44.2 │ 0.46│ なし │
│ │ │ │ │ │
│実施例2│ B │ 36.7 │ 0.54│ なし │
│ │ │ │ │ │
│実施例3│ C │ 65.1 │ 0.62│ なし │
│ │ │ │ │ │
│実施例4│ D │ 60.1 │ 0.58│ なし │
│ │ │ │ │ │
│実施例5│ E │ 223.7 │ 0.45│ なし │
│ │ │ │ │ │
│実施例6│ F │ 48.7 │ 0.49│ なし │
│ │ │ │ │ │
│実施例7│ G │ 38.3 │ 0.51│ なし │
│ │ │ │ │ │
├────┼─────┼───────┼─────┼──────┤
│ │ │ │ │ │
│比較例1│ H │ 83.1 │ 1.21│ なし │
│ │ │ │ │ │
│比較例2│ I │ 166.3 │ 2.29│ なし │
│ │ │ │ │ │
│比較例3│ J │ 38.4 │ 0.57│ あり │
│ │ │ │ │ │
│比較例4│ K │ 4.2 │ 0.49│ あり │
│ │ │ │ │ │
└────┴─────┴───────┴─────┴──────┘

上記の表2の結果から明らかなように、有機溶媒として(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエステル化合物を主溶媒として使用した実施例1〜7の各油性顔料分散体A〜G、比較例3,4の油性顔料分散体J,Kは、いずれも、粘度の大きな変化がみられず、また分散体中の水分量もほとんど変化しなかった。

これに対し、(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエステル化合物以外の有機溶媒を主溶媒とした比較例1,2の油性顔料分散体H,Iは、粘度の増大がみられ、保存性がよくなかった。また、油性顔料分散体H,Iは、分散体中の水分量の値が増大しており、中でも、比較例2の油性顔料分散体Iは、水分量が2重量%以上になっており、これは主溶媒の構造中に水酸基を有するため、水分の吸収が起こりやすかったためと思われる。

一方、比較例3の油性顔料分散体Jは、保存試験後に沈降物が確認された。これは、顔料を分散する際の時間が短く、分散体中に粗大粒子が多数存在して、それらが沈降してきたためと考えられる。

また、比較例4の油性顔料分散体Kについても、保存試験後に沈降物が確認された。これは、顔料を分散する際の顔料濃度が低いため分散効率が低下し、分散体中に粗大粒子が多数存在して、それらが沈降してきたためと考えられる。

このため、これらの油性顔料分散体J,Kを、例えばインクジェット記録方式用の油性顔料インクに適用すると、インクジェットプリンターのヘッドをつまらせるおそれがあり、上記適用が難しくなる。

また、比較例4の油性顔料分散体Kは、顔料濃度が5重量%と低いため、この油性顔料分散体Kを用いて、例えばインクジェット記録方式用の油性顔料インクを調製する際に、任意の添加剤を配合すると、所望の顔料濃度を保持することが難しくなる。

Claims (2)

  1. 顔料、顔料分散剤および有機溶媒を含む油性顔料分散体において、有機溶媒として(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエステル化合物を含有し、顔料濃度が10〜50重量%であり、動的光散乱法によって測定される粒度分布における散乱強度の累積50%粒径が200nm以下であり、かつ散乱強度の累積90%粒径が400nm以下であり、水分量が、油性顔料分散体の全体中、2重量%以下であことを特徴とする、インクジェット記録方式用の油性顔料インクとして利用するための油性顔料分散体であって、上記の利用にあたり、この油性顔料分散体にさらに少なくとも有機溶媒を添加し加工してインクジェット記録方式用の油性顔料インクとする油性顔料分散体
  2. (ポリ)アルキレングリコールジアルキルエステル化合物は、エチレングリコールジアルキルエステル、ジエチレングリコールジアルキルエステル、トリエチレングリコールジアルキルエステル、プロピレングリコールジアルキルエステル、ジプロピレングリコールジアルキルエステル、トリプロピレングリコールジアルキルエステル中から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の油性顔料分散体。

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