JP2018141107A - 油性顔料分散体及びその製造方法、並びに油性顔料インク組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】微細に分散が可能で、高濃度の状態で保存しても安定性に優れた油性マゼンタ顔料分散体を提供する。【解決手段】本発明の実施形態の油性顔料分散体は、マゼンタ顔料と、顔料分散剤と、有機溶媒とを含み、前記マゼンタ顔料は、マゼンタ顔料誘導体を含み、前記有機溶媒は、溶解度パラメータが7.5以上9.0以下である(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル化合物を含み、前記マゼンタ顔料の濃度が、油性顔料分散体全量に対し、10質量%以上50質量%以下である。【選択図】なし
Description
本発明は、油性顔料分散体及びその製造方法、並びにその油性顔料分散体を用いた油性顔料インク組成物に関する。
インクジェット記録方式は、圧力、熱、電界等を駆動源として用いることにより、液状のインクをノズルから記録媒体に向けて吐出させて印刷する方式である。このような記録方式は、ランニングコストが低く、高画質化が可能であり、また水性インク、油性インク等の各種のインクを印字できることから、市場を拡大している。
従来、インクジェット記録方式に適用されるインクジェット用インクとして、顔料と水性溶媒とを含む水性インクや、顔料と有機溶媒とを含む油性インクが用いられてきた。そして、近年では、屋外サイン用途等に用いられるノンコートのポリ塩化ビニルフィルム等の樹脂フィルムに直接印字できる油性顔料インクが、耐水性や耐候性に優れている点で主流となっている。
通常、油性顔料インクは、有機溶媒中で顔料を分散機を用いて分散させて得られた油性顔料分散体に、更に有機溶媒、樹脂化合物、添加剤等を添加し製造される。そのため、油性顔料インクのベースとなる油性顔料分散体の顔料濃度は、最終的に得られる油性顔料インクと比べて、高濃度な状態にあり、高濃度な状態で保存されることが多い。また、上記油性顔料分散体がインクジェット用途に用いられる場合、鮮明な画像表示を可能にするために、顔料粒子の分散粒子径をより小さくする必要性が高まっている。
ここで、インクジェット記録方式に用いられるインクセットとして、ブラック色、及びカラー画像を形成するためにシアン色、マゼンタ色、イエロー色の4色のインクが少なくとも求められる。
特許文献1では、微細に分散が可能で、高濃度の状態で保存しても安定性に優れた油性顔料分散体が提案されている。また、特許文献2では、保存安定性に優れた油性顔料インク組成物が提案されている。
また、特許文献3では、印刷面がビニル系重合体等からなる被印刷物に対して、高速印字を行った際においても、濡れ性、定着性に優れ、且つ吐出安定性にも優れる非水性インクジェット用インク組成物が提案されている。
インクジェット用によく用いられるマゼンタ顔料の一つであるキナクリドン顔料は、他の顔料と比べて構造的に顔料が分散時にダメージを受けやすく、顔料を微細な状態まで分散を行うほど分散した顔料同士が再凝集しやすくなる傾向がある。このため、キナクリドン顔料を含む油性顔料分散体を保存すると、分散体の粘度の増大や、顔料粒子の粒子径の増大等が発生し、安定な状態で保存することは非常に困難であった。
特許文献1では、有機溶媒として(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエステル化合物を用いることで、高濃度の顔料分散体を保存しても安定な状態を維持できるとあるが、特にマゼンタ顔料の分散については未だ十分とは言えず、マゼンタ顔料分散体の保存安定性については改善すべき課題が残っている。
また、特許文献2では、キナクリドン系顔料に由来する析出物の発生の少ない油性顔料インク組成物を提供し、その油性顔料インクを長期間保存した場合でも、ノズル目詰まりが少なく、安定な吐出が可能であるとあるが、析出物の発生に関する保存性については着目しているが高濃度のキナクリドン系顔料分散体において顔料の分散状態に関して粘度変化といった保存安定性については何ら検討されていない。
また、特許文献3では、その実施例において、キナクリドン顔料(ピグメントレッド122)とジエチレングリコールエチルメチルエーテルとを含む非水性インクジェット用ベースマゼンタインクを作製した後、そのベースインクにその他の材料を加えて非水性インクジェット用インク組成物を作製したとあるが、油性マゼンタ顔料分散体である上記ベースマゼンタインクの保存安定性については何ら検討されていない。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであり、微細に分散が可能で、高濃度の状態で保存しても安定性に優れた油性マゼンタ顔料分散体を提供する。
本発明の油性顔料分散体は、マゼンタ顔料と、顔料分散剤と、有機溶媒とを含む油性顔料分散体であって、前記マゼンタ顔料は、マゼンタ顔料誘導体を含み、前記有機溶媒は、溶解度パラメータが7.5以上9.0以下である(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル化合物を含み、前記マゼンタ顔料の濃度が、油性顔料分散体全量に対し、10質量%以上50質量%以下であることを特徴とする。
また、本発明の油性顔料分散体の製造方法は、上記本発明の油性顔料分散体を製造する方法であって、マゼンタ顔料と、顔料分散剤と、有機溶媒とを含む混合液を作製する工程と、前記混合液を分散機で分散処理して油性顔料分散体を作製する工程と、を含み、前記マゼンタ顔料は、マゼンタ顔料誘導体を含み、前記有機溶媒は、溶解度パラメータが7.5以上9.0以下である(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル化合物を含み、前記油性顔料分散体全量に対する前記マゼンタ顔料の濃度が、10質量%以上50質量%以下であることを特徴とする。
また、本発明の油性顔料インク組成物は、上記本発明の油性顔料分散体と、定着性樹脂とを含む油性顔料インク組成物であって、マゼンタ顔料の濃度が、油性顔料インク組成物全量に対し、0.1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、インクジェット記録方式に用いることができ、微細に分散が可能で、高濃度の状態で保存しても安定性に優れた油性マゼンタ顔料分散体を提供できる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
(油性顔料分散体)
先ず、本発明の油性顔料分散体の実施形態について説明する。本発明者らは、前述の問題を解決するために鋭意検討した結果、分散時に、マゼンタ顔料と、顔料分散剤と、有機溶媒とを少なくとも含む油性顔料分散体において、上記有機溶媒として特定の溶解度パラメータ(以下、SP値とも言う。)を有する(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエ−テル化合物を用いることで、高濃度で保存しても安定な状態を維持できる保存安定性に優れた油性顔料分散体が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
先ず、本発明の油性顔料分散体の実施形態について説明する。本発明者らは、前述の問題を解決するために鋭意検討した結果、分散時に、マゼンタ顔料と、顔料分散剤と、有機溶媒とを少なくとも含む油性顔料分散体において、上記有機溶媒として特定の溶解度パラメータ(以下、SP値とも言う。)を有する(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエ−テル化合物を用いることで、高濃度で保存しても安定な状態を維持できる保存安定性に優れた油性顔料分散体が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本実施形態の油性顔料分散体は、マゼンタ顔料と、顔料分散剤と、有機溶媒とを含み、上記マゼンタ顔料は、マゼンタ顔料誘導体を含み、上記有機溶媒は、溶解度パラメータが7.5以上9.0以下である(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル化合物を含み、上記マゼンタ顔料の濃度が、油性顔料分散体全量に対し、10質量%以上50質量%以下である。
本実施形態の油性顔料分散体とは、色材となる顔料が分散された油性顔料インク組成物を作製するための元となる高濃度で顔料が分散された状態の分散体であり、上記油性顔料分散体が、適宜溶媒で希釈され、インク組成物が作製される。
本実施形態の油性顔料分散体は、有機溶媒として(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル化合物を含んでいるため、保存安定性に優れる。即ち、上記(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル化合物は、分子内の両末端にエーテル基を有しており、構造的に決定されるSP値が7.5以上9.0以下であるため、マゼンタ顔料に対して適度な濡れ性と分散剤の溶解性とを付与でき、また、マゼンタ顔料に吸着された分散剤が脱離しにくいことから、マゼンタ顔料の濃度が10質量%以上50質量%以下の高濃度の油性顔料分散体であっても、高い保存安定性を維持できる。
上記(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル化合物としては、例えば、(ポリ)エチレングリコールジアルキルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジアルキルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、(ポリ)プロピレングリコールジアルキルエーテルが好ましい。
上記(ポリ)プロピレングリコールジアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールプロピルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、ジプロピレングリコールジメチルエーテルが好ましい。
上記(ポリ)エチレングリコールジアルキルエーテルとしては、上記(ポリ)プロピレングリコールジアルキルエーテルのプロピレン基をエチレン基に置換した化合物、例えば、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
上記(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル化合物のSP値は、マゼンタ顔料への適度な濡れ性と、顔料分散状態でのマゼンタ顔料への吸着性の観点から、7.5以上9.0以下の範囲であることが必要であり、7.6以上8.8以下の範囲がより好ましく、7.7以上8.6以下の範囲が更に好ましい。これにより、顔料分散体では、顔料同士の再凝集を起こさず、長期間の保存において粘度変化を起こしにくい。SP値が7.5を下回ると、マゼンタ顔料への濡れ性が十分に得られず、マゼンタ顔料周囲へ十分に溶媒が濡れ渡らず分散性が低下するだけでなく、マゼンタ顔料に吸着した分散剤が十分溶媒中に鎖状に広がり切らず、マゼンタ顔料間の立体障害効果が低下するためである。また、SP値が9.0を上回ると、一般的に使用される分散剤の溶解性が高くなり、マゼンタ顔料に吸着した分散剤が溶媒中へ脱離し、顔料同士の再凝集を起こし粘度上昇といった長期間の分散体での保存安定性が低下する傾向にある。
ここで、本明細書における上記SP値は、Fedorの式から計算されるSP値のことを言う。
上記有機溶媒の含有量は、顔料濃度及び顔料分散剤の量で決定されるが、油性顔料分散体全量に対し、30〜90質量%の範囲であることが好ましい。
更に、本実施形態の油性顔料分散体は、マゼンタ顔料としてマゼンタ顔料誘導体を含んでいる。上記マゼンタ顔料誘導体は、スルホン酸基、カルボキシル基、水酸基等の官能基を多く含むため、マゼンタ顔料の吸着サイトが多く、顔料分散剤の吸着量が増加して、マゼンタ顔料の分散性が向上して、高い保存安定性を維持できる。
上記マゼンタ顔料誘導体としては、発色性、耐光性及び安全性等の観点から、キナクリドン顔料誘導体であることが好ましく、加えて分散性の観点から、特にスルホン酸基を有するキナクリドン顔料誘導体が好ましい。
上記マゼンタ顔料に含まれるスルホン酸基を有するマゼンタ顔料誘導体が、どの程度顔料に含まれているかについては、上記マゼンタ顔料を硝酸に溶解させた溶液をICP−質量分析法にて元素分析することにより確認できる。即ち、上記マゼンタ顔料を硝酸に溶解させた溶液の、ICP−質量分析法にて元素分析した硫黄(S)元素の含有量が、1000ppm以上であると、上記マゼンタ顔料が、スルホン酸基を有するマゼンタ顔料誘導体を含むと判断できる。
上記キナクリドン顔料誘導体のベースとなる、キナクリドン骨格を有するキナクリドン系顔料としては、例えば、ピグメントレッド122、202、206、207、209、ピグメントバイオレット19、42等が挙げられ、ピグメントレッド122、202、ピグメントバイオレット19の単体、及びそれらの固溶体が特に好ましい。
上記マゼンタ顔料の平均粒子径は、70nm以上であることが好ましい。上記マゼンタ顔料の平均粒子径が70nmよりも小さくなると、逆に分散した顔料同士が再凝集しやすくなる傾向があるからである。また、上記平均粒子径は、鮮明な画像表示を可能にするために150nm以下であることが好ましい。上記平均粒子径は、マゼンタ顔料粒子を電子顕微鏡で観察した画像中の100個の粒子の長軸径を算術平均した値である。
上記顔料の粒子径に関し、分散処理前の顔料粒子径と分散処理後の顔料粒子径は、下記式(1)の関係となることが好ましい。下記式(1)の範囲であれば、顔料の状態での粒子径分布の標準偏差が顔料分散後もあまり変化していない、即ち顔料の分散工程において一次粒子より微小な粒子が過剰に生成されていない均一な二次粒子の解砕が期待できるからである。
式(1):分散処理前の顔料粒子径の標準偏差/分散処理後の顔料粒子径の標準偏差=1.0〜2.5
分散処理前と分散処理後の顔料粒子径の標準偏差は、処理前の顔料及び分散処理後の顔料分散体の状態を電子顕微鏡で確認した画像中の100個の粒子の長軸径を粒子径とした場合の平均値と各顔料粒子径の偏差とを数学的に解析した下記式(2)で求めた値となる。
上記式(2)において、nは解析母数、Daveは平均粒子径、Diは個々の顔料粒子径を表す。
上記マゼンタ顔料であるキナクリドン顔料の製造工程において、先ず粗製キナクリドン系顔料が合成されるが、この合成時に原料由来あるいは副生成物由来の塩素イオン、硝酸イオン等の陰イオンが粗製キナクリドン系顔料に不可避的に混入する。また、合成された粗製キナクリドン系顔料は一般に塊状物であり、顔料として用いるのに適さない結晶として生成される。このため、粗製キナクリドン系顔料を更に処理加工して粒子径、結晶構造、色相等を整える顔料化が行われている。この顔料化の工業的方法としては、粗製キナクリドン系顔料を無機塩とともに粉砕し、次いで生成したキナクリドン系顔料を酸抽出するソルトミリング法が一般に行われている。従って、ソルトミリング法により製造されたキナクリドン系顔料には、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩やカルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属の塩等のイオン性不純物が含まれている。
このようなイオン性不純物を含有するキナクリドン系顔料を分散体やインクの状態で長期保存すると、有機溶媒等に含まれていた微量の水分により上記のようなイオン性不純物がインク中に溶解して塩を形成し、それによって析出物が発生する可能性がある。そのため、顔料製造時に洗浄工程等によりイオン性不純物を除去することが好ましく、上記イオン性不純物の含有量が少ない顔料が好ましい。
上記キナクリドン系顔料に含まれるイオン性不純物の含有量については、例えば顔料中の不純物を水に抽出した際の抽出水の比伝導度によって管理できる。顔料中の不純物を抽出した水相の比伝導度は、好ましくは150μS/m以下であり、より好ましくは100μS/m以下である。上記比伝導度以下であれば析出物の発生が抑えられるため好ましい。
また、本実施形態の油性顔料分散体は、顔料分散剤を含み、上記顔料分散剤としては、マゼンタ顔料との親和性に優れ、マゼンタ顔料を分散安定化させる働きを持つものが好ましく、具体的には、イオン性又は非イオン性の界面活性剤や、アニオン性、カチオン性又はノニオン性の高分子化合物が用いられている。これらの中で、分散安定性、耐水性の面で高分子化合物が好ましく、特にカチオン性基又は/及びアニオン性基を含む高分子化合物が好ましい。上記顔料分散剤は、有機溶媒中で顔料と分散剤との酸塩基相互作用にて、顔料を分散安定化しているため、顔料吸着サイトとしてカチオン性基又はアニオン性基の少なくとも一方を含むことが必須であり、顔料の種類等により分散剤中のカチオン性基やアニオン性基の種類と量をコントロールすることが重要である。
上記高分子化合物である顔料分散剤としては、例えば、ルーブリゾール社製の“Solsperse32000”、“Solsperse33000”、“Solsperse39000”、“Solsperse41000”、“Solsperse71000”、ビックケミー社製の“DisperBYK168”、“DisperBYK180”、“DisperBYK2013”、“DisperBYK2055”、“BYKJET−9150”、“BYKJET−9151”、“BYKJET−9152”、BASF社製の“EFKA4050”、“EFKA4055”、“EFKA4060”等が挙げられる。これらの顔料分散剤をマゼンタ顔料、有機溶媒の種類に合わせて用いることにより、顔料分散剤としての効果が発揮される。
上記高分子化合物からなる顔料分散剤を使用する場合、この顔料分散剤の使用量としては、マゼンタ顔料の種類や分散に用いる有機溶媒、分散条件等により異なるが、通常は、マゼンタ顔料100質量部に対して、5〜150質量部使用することが好ましく、20〜100質量部使用することがより好ましく、更に好ましくは30〜80質量部である。上記使用量が5質量部を下回ると、顔料分散体及びインクの保存時に安定性が十分に発揮されない傾向があり、100質量部を超えると、インク化した際にインクの粘度が高くなり、粘度調整が困難になる傾向があるためである。
本実施形態の油性顔料分散体は、更に必要に応じて、界面活性剤、表面調整剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、pH調整剤、電荷付与剤、殺菌剤、防腐剤、防臭剤、電荷調整剤、湿潤剤、皮はり防止剤、紫外線吸収剤、香料、顔料誘導体等の添加剤を含んでいてもよい。
上記油性顔料分散体中に多量の水分が含まれると、粘度の増大、顔料粒子の粒子径の増大等により分散体の保存性に悪影響を及ぼすことがある。そのため、上記油性顔料分散体中の水分量については、全分散体中で2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることが更に好ましい。上記水分量が2質量%を超えると分散体の粘度や粒子径が増大する傾向がある。
(油性顔料分散体の製造方法)
次に、本発明の油性顔料分散体の製造方法の実施形態について説明する。本実施形態の油性顔料分散体の製造方法は、前述の実施形態の油性顔料分散体を製造する方法であって、マゼンタ顔料と、顔料分散剤と、有機溶媒とを含む混合液を作製する工程と、上記混合液を分散機で分散処理して油性顔料分散体を作製する工程とを備え、上記マゼンタ顔料は、マゼンタ顔料誘導体を含み、上記有機溶媒は、溶解度パラメータが7.5以上9.0以下である(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル化合物を含み、上記油性顔料分散体全量に対する上記マゼンタ顔料の濃度が、10質量%以上50質量%以下である。
次に、本発明の油性顔料分散体の製造方法の実施形態について説明する。本実施形態の油性顔料分散体の製造方法は、前述の実施形態の油性顔料分散体を製造する方法であって、マゼンタ顔料と、顔料分散剤と、有機溶媒とを含む混合液を作製する工程と、上記混合液を分散機で分散処理して油性顔料分散体を作製する工程とを備え、上記マゼンタ顔料は、マゼンタ顔料誘導体を含み、上記有機溶媒は、溶解度パラメータが7.5以上9.0以下である(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル化合物を含み、上記油性顔料分散体全量に対する上記マゼンタ顔料の濃度が、10質量%以上50質量%以下である。
本実施形態の油性顔料分散体の製造方法は、上記マゼンタ顔料と、上記顔料分散剤と、上記有機溶媒とを含む混合液を作製する工程と、上記混合液を分散機で分散処理して油性顔料分散体を作製する工程とを備えているため、インクジェット記録方式に用いることができ、微細に分散され、高濃度の状態で保存しても安定性に優れた油性マゼンタ顔料分散体を製造することができる
ている。
ている。
上記混合液を作製する工程では、スリーワンモーター、マグネチックスターラー、ディスパー、ホモミキサー、ホモジナイザー等の簡単な攪拌機に各成分を投入して、均一に混合すればよい。また、上記攪拌機に代えて、ラインミキサー等の混合機を用いて混合してもよい。
また、上記油性顔料分散体を作製する工程では、上記分散機としては、ボールミル、遠心ミル、遊星ボールミル等の容器駆動媒体ミル;サンドミル等の高速回転ミル;攪拌槽型ミル等の媒体攪拌ミル;等を用いることができるが、顔料粒子をより微細化するためには、ビーズミル、高圧噴射ミル等を用いて分散を行うことが好ましく、生産性の観点からビーズミルによって分散させることがより好ましい。
上記ビーズミルは、ミルの中に充填された微小なビーズと呼ばれる分散メディアによる磨砕によって顔料等の分散処理を行う装置である。そのタイプとしては、撹拌層型、流通管型、アニュラー型等があり、更にベッセルと呼ばれる容器の配置方向として縦型と横型とがあり、分散の目的に応じて選択される。これらの中でもインクジェット用顔料分散に用いるビーズミルとしては、流通管型ビーズミルやアニュラー型ビーズミルが、微細な粒子が得られやすい点から選択されることが多いが、特にアニュラー型ビーズミルを用いることが好ましい。アニュラー型とはベッセル容器と回転するローターからなる2重円筒式のミルであり、ベッセルとローターの部分に分散を行うビーズが充填されており、その部分を分散されるスラリーが通過する際に分散が行われる機構となっている。他の方式に比べて比較的狭い領域で分散及びスラリーが通過することから、ビーズの偏りやショートパスが少なくスラリーへの分散効率が均一であり、均一な分散体作製が可能となる。
(油性顔料インク組成物)
次に、本発明の油性顔料インク組成物の実施形態について説明する。本実施形態の油性顔料インク組成物は、前述の実施形態の油性顔料分散体と、定着性樹脂とを含み、マゼンタ顔料の濃度が、油性顔料インク組成物全量に対し、0.1質量%以上10質量%以下である。
次に、本発明の油性顔料インク組成物の実施形態について説明する。本実施形態の油性顔料インク組成物は、前述の実施形態の油性顔料分散体と、定着性樹脂とを含み、マゼンタ顔料の濃度が、油性顔料インク組成物全量に対し、0.1質量%以上10質量%以下である。
本実施形態の油性顔料インク組成物は、前述の実施形態の油性顔料分散体を含んでいるため、保存安定性及び吐出安定性に優れ、インクジェット記録方式においてポリ塩化ビニルフィルム等の樹脂フィルムに鮮明な画像表示が可能である。
本実施形態の油性顔料インク組成物は、上記油性顔料分散体と、上記定着性樹脂と、更に粘度調整用の有機溶媒と、必要に応じて他の成分とを混合することにより製造することができる。上記有機溶媒及び上記他の成分としては、前述した実施形態の油性顔料分散体の製造に用いた有機溶媒及び必要に応じて使用される添加剤と同じものが使用できる。
上記定着性樹脂としては特に限定はされないが、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂、及びポリエステル樹脂から選ばれる樹脂が好ましい。
また、本実施形態の油性顔料インク組成物は、マゼンタ色インクとして用いられ、他のブラック色インク、シアン色インク、イエロー色インクとを組み合わせてインクジェット記録用インクセットとすることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例中の「部」は「質量部」を示す。
(実施例1)
マゼンタ顔料としてDIC社製の“Fastogen Super Magenta RGT”(Color Index Pigment Red 122)150部と、顔料分散剤としてルーブリゾール社製のポリエステルアミン系高分子分散剤“Solsperse33000”60部と、有機溶媒としてジプロピレングリコールジメチルエーテル(SP値:8.2)790部とをステンレス容器に測り取り、ディスパーにて1時間予備撹拌を行って混合液を作製した。その後、分散機として直径0.3mmのジルコニアビーズを充填率85体積%で充填したアニュラー型ビーズミル(ビューラー社製、“Super Flow4”、ベッセル容積:0.275L)を用い、上記分散機に上記混合液を流量1L/minで供給して分散処理を行った。分散時の周速は7.3m/sに設定し、1時間循環運転を行い、本実施例の油性顔料分散体Aを作製した。
マゼンタ顔料としてDIC社製の“Fastogen Super Magenta RGT”(Color Index Pigment Red 122)150部と、顔料分散剤としてルーブリゾール社製のポリエステルアミン系高分子分散剤“Solsperse33000”60部と、有機溶媒としてジプロピレングリコールジメチルエーテル(SP値:8.2)790部とをステンレス容器に測り取り、ディスパーにて1時間予備撹拌を行って混合液を作製した。その後、分散機として直径0.3mmのジルコニアビーズを充填率85体積%で充填したアニュラー型ビーズミル(ビューラー社製、“Super Flow4”、ベッセル容積:0.275L)を用い、上記分散機に上記混合液を流量1L/minで供給して分散処理を行った。分散時の周速は7.3m/sに設定し、1時間循環運転を行い、本実施例の油性顔料分散体Aを作製した。
(実施例2)
マゼンタ顔料として、“Fastogen Super Magenta RGT”に代えて、DIC社製の“Fastgen Super Red BRZ”(Color Index Pigment Violet 19)を使用した以外は、実施例1と同様に分散処理を行い、油性顔料分散体Bを作製した。
マゼンタ顔料として、“Fastogen Super Magenta RGT”に代えて、DIC社製の“Fastgen Super Red BRZ”(Color Index Pigment Violet 19)を使用した以外は、実施例1と同様に分散処理を行い、油性顔料分散体Bを作製した。
(実施例3)
マゼンタ顔料として、“Fastogen Super Magenta RGT”に代えて、BASF社製の“Cinquasia Magenta RT−355D”(Color Index Pigment Red 202とPigment Violet 19との固溶体)を使用した以外は、実施例1と同様に分散処理を行い、油性顔料分散体Cを作製した。
マゼンタ顔料として、“Fastogen Super Magenta RGT”に代えて、BASF社製の“Cinquasia Magenta RT−355D”(Color Index Pigment Red 202とPigment Violet 19との固溶体)を使用した以外は、実施例1と同様に分散処理を行い、油性顔料分散体Cを作製した。
(実施例4)
有機溶媒として、ジプロピレングリコールジメチルエーテルに代えて、ジエチレングリコールジエチルエーテル(SP値:8.6)を同量使用した以外は、実施例1と同様に分散処理を行い、油性顔料分散体Dを作製した。
有機溶媒として、ジプロピレングリコールジメチルエーテルに代えて、ジエチレングリコールジエチルエーテル(SP値:8.6)を同量使用した以外は、実施例1と同様に分散処理を行い、油性顔料分散体Dを作製した。
(実施例5)
分散機として、横型流通管型(ディスク式)ビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、“ダイノーミル KDL−A”、ベッセル容積:0.6L)を用いて、周速を6.8m/sに設定とした以外は、実施例1と同様に分散処理を行い、油性顔料分散体Eを作製した。
分散機として、横型流通管型(ディスク式)ビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、“ダイノーミル KDL−A”、ベッセル容積:0.6L)を用いて、周速を6.8m/sに設定とした以外は、実施例1と同様に分散処理を行い、油性顔料分散体Eを作製した。
(比較例1)
有機溶媒として、ジプロピレングリコールジメチルエーテルに代えて、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(SP値:9.2)を同量使用した以外は、実施例1と同様に分散処理を行い、油性顔料分散体Fを作製した。
有機溶媒として、ジプロピレングリコールジメチルエーテルに代えて、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(SP値:9.2)を同量使用した以外は、実施例1と同様に分散処理を行い、油性顔料分散体Fを作製した。
(比較例2)
有機溶媒として、ジプロピレングリコールジメチルエーテルに代えて、エチレングリコールモノメチルエーテル(SP値:11.6)を同量使用した以外は、実施例1と同様に分散処理して、油性顔料分散体Gを作製した。
有機溶媒として、ジプロピレングリコールジメチルエーテルに代えて、エチレングリコールモノメチルエーテル(SP値:11.6)を同量使用した以外は、実施例1と同様に分散処理して、油性顔料分散体Gを作製した。
次に、実施例1〜5及び比較例1〜2で使用したマゼンタ顔料について、下記のように硫黄(S)の元素分析と平均粒子径の測定を行った。
<元素分析>
先ず、前処理として、マゼンタ顔料0.5gを硝酸10mLに加えた混合液について、マイクロウエーブ処理を行い、マゼンタ顔料を硝酸に溶解させて顔料溶液とした。上記マイクロウエーブ処理は、上記混合液を500Wの出力で25分間かけて温度220℃まで昇温し、220℃にて15分間保持して行った。次に、上記顔料溶液を室温まで放冷させた後、ろ紙にてろ過し、試料溶液とした。続いて、上記試料溶液について、ICP−MS分析装置“Agilent 7700x”(アジレントテクノロジー社製)を使用し、半定量モードにてICP−質量分析法により解析を行い、マゼンタ顔料のS元素の定量を行った。
先ず、前処理として、マゼンタ顔料0.5gを硝酸10mLに加えた混合液について、マイクロウエーブ処理を行い、マゼンタ顔料を硝酸に溶解させて顔料溶液とした。上記マイクロウエーブ処理は、上記混合液を500Wの出力で25分間かけて温度220℃まで昇温し、220℃にて15分間保持して行った。次に、上記顔料溶液を室温まで放冷させた後、ろ紙にてろ過し、試料溶液とした。続いて、上記試料溶液について、ICP−MS分析装置“Agilent 7700x”(アジレントテクノロジー社製)を使用し、半定量モードにてICP−質量分析法により解析を行い、マゼンタ顔料のS元素の定量を行った。
<平均粒子径の測定>
マゼンタ顔料について、電子顕微鏡で観察し、電子顕微鏡画像中の100個の粒子の長軸径を算術平均して、マゼンタ顔料の平均粒子径を測定した。
マゼンタ顔料について、電子顕微鏡で観察し、電子顕微鏡画像中の100個の粒子の長軸径を算術平均して、マゼンタ顔料の平均粒子径を測定した。
上記結果を表1に示す。また、表1では、油性顔料分散体の種類、使用した有機溶媒及び分散機についても表示した。表1では、マゼンタ顔料の種類及び有機溶媒の種類を下記のように表示した。
[マゼンタ顔料の種類]
顔料A:Fastogen Super Magenta RGT(Pigment Red122)
顔料B:Fastogen Super Red BRZ(Pigment Violet19)
顔料C:Cinquasia Magenta RT−355D(Pigment Red202/Pigment Violet19固溶体)
顔料A:Fastogen Super Magenta RGT(Pigment Red122)
顔料B:Fastogen Super Red BRZ(Pigment Violet19)
顔料C:Cinquasia Magenta RT−355D(Pigment Red202/Pigment Violet19固溶体)
[有機溶媒の種類]
溶媒A:ジプロピレングリコールジメチルエーテル
溶媒B:ジエチレングリコールジエチルエーテル
溶媒C:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶媒D:エチレングリコールモノメチルエーテル
溶媒A:ジプロピレングリコールジメチルエーテル
溶媒B:ジエチレングリコールジエチルエーテル
溶媒C:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶媒D:エチレングリコールモノメチルエーテル
続いて、実施例1〜5及び比較例1〜2で作製した油性顔料分散体について、下記のように粘度及び粘度変化率を測定した。
<粘度>
油性顔料分散体の粘度は、E型粘度計(東機産業社製、“TVE−22型”)を用いて25℃環境下で測定し、初期粘度とした。
油性顔料分散体の粘度は、E型粘度計(東機産業社製、“TVE−22型”)を用いて25℃環境下で測定し、初期粘度とした。
<粘度変化率>
作製した油性顔料分散体をガラス瓶に入れ、60℃の環境下で2週間保存した後、上記と同様にして粘度を測定し、保存後粘度とした。次に、先の初期粘度に対する粘度変化率を下記式で求めた。
粘度変化率(%)=〔(保存後粘度−初期粘度)/初期粘度〕×100
作製した油性顔料分散体をガラス瓶に入れ、60℃の環境下で2週間保存した後、上記と同様にして粘度を測定し、保存後粘度とした。次に、先の初期粘度に対する粘度変化率を下記式で求めた。
粘度変化率(%)=〔(保存後粘度−初期粘度)/初期粘度〕×100
<保存安定性の評価>
上記粘度変化率の測定結果から、下記基準で油性顔料分散体の保存安定性を評価した。
(1)粘度変化率が10%を下回った場合を保存安定性が「良好」と判断
(2)粘度変化率が10〜30%の場合を保存安定性が「良」と判断
(3)粘度変化率が30%を超えた場合を保存安定性が「不良」と判断
上記粘度変化率の測定結果から、下記基準で油性顔料分散体の保存安定性を評価した。
(1)粘度変化率が10%を下回った場合を保存安定性が「良好」と判断
(2)粘度変化率が10〜30%の場合を保存安定性が「良」と判断
(3)粘度変化率が30%を超えた場合を保存安定性が「不良」と判断
以上の結果を表2に示す。
表2から、実施例1及び実施例2の油性顔料分散体については、60℃での分散体の保存後もほぼ粘度変化が見られず、良好な保存安定性を維持できたことが分かる。
実施例3の油性顔料分散体については、顔料成分中のS元素量が実施例1及び2に比べて少ないため、即ち顔料誘導体の含有量が少ない顔料を用いたと考えられるため、顔料に吸着する分散剤がやや不足したためか、保存後にやや粘度の上昇が見られた。
実施例4の油性顔料分散体については、有機溶媒としてジエチレングリコールジエチルエーテルを用いたため、やや溶媒のSP値が高くなり、分散剤に対して良溶媒となるため保存時に分散剤の顔料からの脱離が若干発生したためか、保存後にやや粘度の上昇が見られた。
実施例5の油性顔料分散体については、分散に使用した分散機がアニュラー型でなくディスク回転による横型流通管型ビーズミルを使用したため、ベッセル内で分散体への処理時にビーズの偏りが生じることで、分散性に偏差が発生したためか、保存安定性が若干低下した。
一方、比較例1及び比較例2の油性顔料分散体については、分散に使用している有機溶媒のSP値が9.0以上のものを使用したため、分散剤に対して溶媒が良溶媒となりすぎたため、保存時に顔料に吸着していた分散剤が脱離を起こしたためか、保存安定性が悪化した。
本発明によれば、インクジェット記録方式に用いることができ、微細に分散が可能で、高濃度の状態で保存しても安定性に優れた油性マゼンタ顔料分散体を提供でき、この油性マゼンタ顔料分散体を用いて油性マゼンタインクを製造できる。
Claims (10)
- マゼンタ顔料と、顔料分散剤と、有機溶媒とを含む油性顔料分散体であって、
前記マゼンタ顔料は、マゼンタ顔料誘導体を含み、
前記有機溶媒は、溶解度パラメータが7.5以上9.0以下である(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル化合物を含み、
前記マゼンタ顔料の濃度が、油性顔料分散体全量に対し、10質量%以上50質量%以下であることを特徴とする油性顔料分散体。 - 前記(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル化合物が、(ポリ)プロピレングリコールジアルキルエーテルである請求項1に記載の油性顔料分散体。
- 前記マゼンタ顔料誘導体が、キナクリドン顔料誘導体である請求項1又は2に記載の油性顔料分散体。
- 前記キナクリドン顔料誘導体が、スルホン酸基を含む請求項3に記載の油性顔料分散体。
- 前記マゼンタ顔料を硝酸に溶解させた溶液の、ICP−質量分析法にて元素分析した硫黄(S)元素の含有量が、1000ppm以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の油性顔料分散体。
- 前記マゼンタ顔料の平均粒子径が、70nm以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の油性顔料分散体。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の油性顔料分散体を製造する方法であって、
マゼンタ顔料と、顔料分散剤と、有機溶媒とを含む混合液を作製する工程と、
前記混合液を分散機で分散処理して油性顔料分散体を作製する工程と、を含み、
前記マゼンタ顔料は、マゼンタ顔料誘導体を含み、
前記有機溶媒は、溶解度パラメータが7.5以上9.0以下である(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル化合物を含み、
前記油性顔料分散体全量に対する前記マゼンタ顔料の濃度が、10質量%以上50質量%以下であることを特徴とする油性顔料分散体の製造方法。 - 前記分散機が、アニュラー型ビーズミルである請求項7に記載の油性顔料分散体の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の油性顔料分散体と、定着性樹脂とを含む油性顔料インク組成物であって、
マゼンタ顔料の濃度が、油性顔料インク組成物全量に対し、0.1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする油性顔料インク組成物。 - 前記定着性樹脂が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項9に記載の油性顔料インク組成物。
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