JP6926466B2 - 樹脂組成物および成形体 - Google Patents
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樹脂組成物は、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸をモノマー単位として含む、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体と、アスペクト比が3以上である無機粒子と、を含む。これにより、得られる成形体は、高い強度および高い透明性を有する。
スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体は、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸をモノマー単位として含む。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートおよび/またはアクリレートを意味する。また、「(メタ)アクリル」とは、メタクリルおよび/またはアクリルを意味する。さらに、「(メタ)アクリロイル」とは、メタクリロイルおよび/またはアクリロイルを意味する。
スチレン系モノマーとしては、特に制限されないが、スチレン、スチレン誘導体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸は、メタクリル酸および/またはアクリル酸を意味する。
スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体は、多分岐状マクロモノマーをモノマー単位として含んでいてもよい。多分岐状マクロモノマーをモノマー単位として含むことにより、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を高分子量化することができ、得られる成形体の機械的強度が向上しうる。なお、本明細書において、「多分岐状マクロモノマー」とは、分岐構造を有し、かつ、2以上の重合性官能基を含む高分子量モノマーを意味する。また、前記「高分子量モノマー」とは、重合平均分子量が、1000以上、好ましくは1000〜15000、より好ましくは3000〜8000であるモノマーを意味する。
第1の反応生成物は、前駆体マクロモノマーと、モノ重合性官能基含有化合物との反応生成物である。
第1の化合物は、2以上の第1の官能基と1以上の第2の官能基とを有する化合物が自己重合することにより得られる化合物である。
第2の化合物は、1以上の第1の官能基を有する化合物に対して反応により2以上の第1の官能基を生じさせる化合物を繰り返し反応することにより得られる化合物である。
第2の反応生成物は、ポリ重合性官能基含有化合物とモノ重合性官能基含有化合物との反応生成物である。
スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体は、スチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸、および多分岐状マクロモノマー以外の他のモノマーをモノマー単位として含んでいてもよい。
スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の重合平均分子量は、15万〜40万であることが好ましく、20万〜30万であることがより好ましい。スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の重量平均分子量が15万以上であると、得られる成形体の強度が高くなることから好ましい。一方、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の重量平均分子量が40万以下であると、溶融時に好適な流動性が得られうるため、成形加工性が良好となることから好ましい。
スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体は、特に制限されず、公知の方法により製造することができる。一実施形態おいて、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体は、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸を共重合する工程(1)と、前記工程(1)で得られる反応物を脱揮する工程(2)とを含む。
工程(1)は、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸を共重合する工程である。この際、多分岐状マクロモノマー、他のモノマーを併用してもよい。
共重合により得られる反応物の粘性を低下させる等の目的で、有機溶剤を添加して共重合を行ってもよい。
共重合にはラジカル重合開始剤を使用することができる。
共重合には連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤を使用することで、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の分子量を制御することができる。
共重合にはゲル化防止剤を使用することができる。ゲル化防止剤を使用することで、ゲル状物質の生成を防止または抑制することができる。
共重合の方法としては、特に制限されないが、塊状重合、溶液重合、懸濁重合等が挙げられる。これらのうち、製造コストの観点から塊状重合であることが好ましい。
工程(2)は、上述の工程(1)で得られる反応物を脱揮する工程である。なお、本明細書において、「脱揮」とは、高温、高真空下で未反応の単量体等の有機揮発分、重合溶剤等を分離することを意味する。この際、前記「高温」とは通常、240〜280℃であり、好ましくは250〜270℃である。また、前記「高真空」とは、通常、10.0kPa以下であり、好ましくは4.0kPa以下である。
無機粒子は、アスペクト比が3以上であり、好ましくは3〜300、より好ましくは5〜100、さらに好ましくは7.5〜80である。アスペクト比が3以上である無機粒子を使用することにより得られる成形体が高い強度および高い透明性を有する。
樹脂組成物は添加物を含んでいてもよい。
樹脂組成物は、その他、製造工程由来成分を含んでいてもよい。当該製造工程由来成分としては、有機溶剤、ラジカル重合開始剤、連鎖移動剤、ゲル化防止剤等が挙げられる。
樹脂組成物の製造方法は、特に制限されず、公知の方法により製造することができる。例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を製造後、無機粒子、添加剤等を添加してもよいし、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合前または共重合中に無機粒子、添加剤等を添加してもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
本発明の一形態によれば、成形体が提供される。前記成形体は、上述の樹脂組成物を成形してなる。
一実施形態において、一次成形体は、樹脂組成物をシート状に成形したものである。
(スチレン−メタクリル酸共重合体の製造)
スチレン92部およびメタクリル酸8部をトルエン15部に混合し、次いで、有機過酸化物であるt−ブチルペルオキシベンゾエート、連鎖移動剤であるα−メチルスチレンダイマー、およびゲル化防止剤であるポリオキシエチレンオレイルエーテルを、スチレンおよびメタクリル酸の合計質量に対して、それぞれ150ppm、1000ppm、および0.2%添加して混合溶液を調製した。
製造したスチレン−メタクリル酸共重合体に、無機粒子としてアスペクト比が10であるDragonite HP(ハロイサイト、短径:0.05μm、長径:0.5μm、形状:中空状、Applied Minerals社製)を、スチレン−メタクリル酸共重合体:無機粒子=97.5:2.5の比率(質量比)で混合し、二軸押出機を用いて250℃で溶融混練を行い、マスターバッチを作製した。次いで、スチレン−メタクリル酸共重合体に、作製したマスターバッチを、スチレン−メタクリル酸共重合体:マスターバッチ=98.0:2.0の比率(質量比)で混合して樹脂組成物を製造した。
無機粒子として、アスペクト比が20である板状硫酸バリウムA(硫酸バリウム、短径:0.5μm、長径:10μm、形状:板状、堺化学工業株式会社製)を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で樹脂組成物および成形体を製造した。
無機粒子として、アスペクト比が67であるHG−LFP(硫酸バリウム、短径:0.3μm、長径:20μm、形状:板状、堺化学工業株式会社製)を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で樹脂組成物および成形体を製造した。
無機粒子として、アスペクト比が4であるXZ−3000F−LP(酸化亜鉛、短径:0.075μm、長径:0.3μm、形状:板状、堺化学工業株式会社製)を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で樹脂組成物および成形体を製造した。
無機粒子として、アスペクト比が200であるミクロマイカMK−300(マイカ、短径:0.1μm、長径:20μm、形状:板状、片倉コープアグリ株式会社製)を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で樹脂組成物および成形体を製造した。
無機粒子を添加しなかったことを除いては、実施例1と同様の方法で樹脂組成物および成形体を製造した。
無機粒子として、アスペクト比が1であるSCS−M5(炭酸カルシウム、粒径:5μm、形状:球状、堺化学工業株式会社製)を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法で樹脂組成物および成形体を製造した。
成形体(二軸延伸シート)について、MIT耐折疲労試験機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて、耐折強度の測定を行った。具体的には、試験速度175cpm、折り曲げ角度135度、荷重1.0kgfとした。なお、破断するまでの往復折り曲げ回数を測定値とした。なお、測定は縦方向(MD方向)および横方向(TD方向)のそれぞれについて行った。得られた結果を下記表2に示す。
成形体(二軸延伸シート)について、JIS K7105:1981に準拠してヘーズ(濁度)を測定した。得られた結果を下記表2に示す。
4、5、6、7、8、9 反応器、
I 撹拌式反応器、
II 循環重合ライン、
III 非循環重合ライン。
Claims (3)
- スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸をモノマー単位として含む、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体と、
アスペクト比が3以上である無機粒子と、
を含む、樹脂組成物であって、
前記アスペクト比が、無機粒子の短径に対する長径の値であり、
前記短径及び前記長径が、走査型電子顕微鏡により観察される任意の無機粒子10個の短径及び長径のそれぞれの平均値であり、
前記無機粒子の含有量が、前記樹脂組成物の全質量に対して、0.01〜1.0質量%であり、
前記無機粒子が、ハロイサイトを含むものである、樹脂組成物。 - 前記無機粒子のアスペクト比が、5〜100である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載の樹脂組成物を成形してなる、成形体。
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