JP6536873B2 - 積層体及びこれを用いる成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、スチレン系樹脂シートを用いた積層体に関するものであり、詳しくは、スチレン系樹脂の有する成形性を損なわず、耐熱耐油性を付与したスチレン系樹脂シート及びこれから得られる成形体に関するものである。
ポリスチレンから得られるシートは、透明性や剛性が優れ、また成形性に優れているため、主に食品包装用容器として使用されている。しかし、このポリスチレンから得られるシート製の容器は一般的な食品包装容器としては適しているものの、コンビニエンスストア等における、高出力の電子レンジで加熱する用途においては、その耐熱耐油性に不足することがあり、改良が求められていた。
耐熱性を改善する手段として、例えば、スチレン系樹脂シートに用いる樹脂として、スチレン系モノマーと不飽和カルボン酸系モノマーとを併用してなる共重合体を使用し、特定の厚みと配向緩和応力に調整した二軸延伸シートが提供されている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、耐熱性については一定の効果を上げているが、食品包装容器において求められる高度な成形性に不足することがあり、さらなる改良が求められている。
また、前記特許文献1で提供された二軸延伸シートは、その厚みと配向緩和応力を高度に制御しなければならず、汎用性にも劣るものであった。
特開2005−330299号公報
これらの事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、スチレン系樹脂シートが本来有する高度な成形性を損なわずに耐熱耐油性を向上させ、食品包装容器として好適に用いることができるスチレン系樹脂シートを含有する積層体及びこれを用いて得られる成形体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、スチレン系モノマーとメタクリル酸とを特定比率で共重合してなる共重合体を用いたスチレン系樹脂シートに、親水性のコーティング剤を塗布することで、得られる積層体に成形性と耐熱耐油性とをバランスよく兼備させ、食品包装材として好適に用いることができる積層体が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、メタクリル酸含有率が1質量%以上4質量%未満の、スチレン系モノマーとメタクリル酸との単量体混合物を重合してなるスチレン−メタクリル酸共重合体(A)を用いた樹脂シートの少なくとも片面に、親水性コート剤(B)を用いて形成された被覆層を有することを特徴とする積層体及びそれを二次成形してなる成形体を提供するものである。
本発明の積層体は、二次成形する際の成形性(型再現性)を高度に有すると共に、加熱時の耐油性を有する。このため、スチレン系樹脂シートが本来有する成形性を損なわずに、成形体の耐熱耐油性が向上し、食品用途等の包装材として好適に用いることができる。
以下に本発明の積層体について詳細に説明する。
<樹脂シート>
本発明で用いる樹脂シートは、メタクリル酸含有率が1質量%以上4質量%未満の、スチレン系モノマーとメタクリル酸との単量体混合物を重合してなるスチレン−メタクリル酸共重合体(A)をシート状に成形したものであり、その厚みや成形方法等には特に限定されるものではない。
前記スチレン系モノマーとしては、例えば以下の物が挙げられる。スチレン及びその誘導体;例えばスチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレンの如きアルキルスチレン、フルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレンの如きハロゲン化スチレン、更にニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシスチレン等があり、これを単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記スチレン−メタクリル酸共重合体(A)を得るための単量体混合物には、スチレン系モノマーとメタクリル酸とを必須とし、メタクリル酸含有率がその混合物全量に対して1質量%以上4質量%未満であることを必須とする。メタクリル酸含有率が1質量%未満では、得られる積層体の耐熱性向上の効果が発現されず、4質量%以上では得られる積層体の二次成形性が不足することがある。なお、スチレン系モノマーとメタクリル酸以外の単量体、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチルなどのエステル誘導体などのビニルモノマー、無水マレイン酸、マレイミド、核置換マレイミドなどを、本発明の効果を阻害しない範囲で併用することもできるが、この場合は、単量体混合物中におけるメタクリル酸含有率を本発明の範囲で用いることが必須である。
<スチレン−メタクリル酸共重合体の製造方法>
樹脂シートの原料となるスチレン−メタクリル酸共重合体(A)を製造する方法としては、種々の汎用されているスチレン系モノマーの重合方法を応用することができる。重合方式には特に限定はないが、塊状重合、懸濁重合、あるいは溶液重合が好ましい。中でも生産効率の点で特に連続塊状重合が好ましく、例えば一個以上の攪拌式反応器と可動部分の無い複数のミキシングエレメントが内部に固定されている管状反応器を組み込んだ連続塊状重合を行うことにより、優れた樹脂を得ることができる。重合開始剤を使用せずに熱重合させることもできるが、種々のラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。また、重合に必要な懸濁剤や乳化剤などのような重合助剤は、通常のポリスチレンの製造に使用されるものを使用できる。
重合反応での反応物の粘性を低下させるために、反応系に有機溶剤を添加してもよく、その有機溶剤としては、例えば、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、アセトニトリル、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール、シアノベンゼン、ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン等が挙げられる。特にゲル化を抑制する観点からは有機溶剤を使用することが好ましい。
前記ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール類、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイド、ジシナモイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシイシプロピルモノカーボネート等のパーオキシエステル類、N,N’−アゾビスイソブチルニトリル、N,N’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、N,N’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、N,N’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、N,N’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等が挙げられ、これらの1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
更に、得られる共重合体の分子量が過度に大きくなりすぎないように連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤としては、連鎖移動基を1つ有する単官能連鎖移動剤でも連鎖移動基を複数有する多官能連鎖移動剤でも使用できる。単官能連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン類、チオグリコール酸エステル類等が挙げられる。多官能連鎖移動剤としては、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール中のヒドロキシ基をチオグリコール酸または3−メルカプトプロピオン酸でエステル化したもの等が挙げられる。
また、得られる共重合体のゲル発生抑制のために、長鎖アルコールやポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル等も使用することが可能である。
また、得られる共重合体及びシートの物性を損なわない範囲で、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、染料、可塑剤等も使用することが可能である。
<重合工程・脱揮工程>
重合工程では、単量体混合物を共重合させることによって、樹脂シートの材料となる共重合体を得ることができる。重合装置の反応容器については特に限定されるものではない。重合工程の後に、未反応モノマーや溶剤分を揮発するための、好ましくは減圧下状態に調整した脱揮槽を通過させる。その後ペレット化され、本発明で用いる樹脂シートの材料となるスチレン−メタクリル酸共重合体(A)を得ることができる。
本発明で用いる樹脂シートの材料となるスチレン−メタクリル酸共重合体(A)は、前述のように製造してなるものを用いることができるが、市販されているものを用いてもよい。例えば、メタクリル酸の使用割合が高いスチレン−メタクリル酸共重合体を使用する場合は、この共重合体とポリスチレンとを混合し、メタクリル酸含有率が本発明で規定する範囲に調整したものであってもよい。
<無延伸シート>
無延伸シートは、上記で得られたスチレン−メタクリル酸共重合体(A)のペレットを押出機で溶融押出後、T−ダイによりシート状に溶融押出した後、冷却ロール等により冷却し作製できる。冷却温度としては、70〜90℃が好ましい。
<二軸延伸シート>
二軸延伸シートは、押出機での溶融押出後、延伸機で縦横ニ軸に延伸することで得られる。例えば、まず、押出機にスチレン−メタクリル酸共重合体(A)を供給し、T−ダイよりシート状に溶融押出する。その際、延伸前のシートが所定厚みになるようにキャスティングする。その後、二軸延伸可能な温度、例えば110〜145℃にシートを冷却して、縦方向(流れ方向)及び横方向(流れ方向に対するクロス方向)に延伸することで得られる。
延伸方法は、上記スチレン−メタクリル酸共重合体(A)を溶融押出してシート状にした後、同時ニ軸延伸あるいは逐次ニ軸延伸を行うことができる。逐次ニ軸延伸の場合は、はじめに縦延伸処理を行い、次に横延伸を行うことが一般的である。特にニ軸延伸スチレン系シートでは、ロールを用いた縦延伸後、テンターを用いた横延伸を行なわれる。テンター法は広幅な製品がとれ、生産性が高いことがメリットである。
ロールを用いた縦延伸方法としては、低速ロールと高速ロールを同方向に回転させて樹脂をフラットに通紙し、延伸する方法と、低速ロールと高速ロールを逆回転させて樹脂をクロスに通紙し、延伸する方法とがあり、1段あるいは多段、フラットあるいはクロスの任意の組み合わせとすることができる。
具体的な延伸条件として、延伸倍率は目的に応じ異なるが、通常面倍率で1.5〜15倍、より好ましくは4〜10倍である。逐次延伸の場合の流れ方向の延伸倍率は1.2〜5倍で、好ましくは1.5〜3.0倍であり、流れ方向に対しそのクロス方向の延伸倍率は1.2〜5倍で、好ましくは1.5〜3.0倍である。同時ニ軸延伸の各方向の延伸倍率は1.5〜5倍である。また、この際の温度条件は、ASTMD−1504に準拠し測定される配向緩和応力が0.2〜2.0MPa、より好ましくは0.4〜1.0MPaとなるように行うのが良い。配向緩和応力が0.2MPa未満では、シートの耐衝撃性が不十分なものとなりやすく、2.0MPaを超える場合、シートが延伸切れを起こし易く、また二次成形性の悪いものとなる可能性があるためである。一方、0.4〜1.0MPaの範囲であると、得られたシートの折り割れ性が良好であるばかりでなく、シートの成形性自体も極めて良好となるのでより好ましい。
また、この際、例えば、延伸前の原反シートを延伸温度110〜145℃で縦方向に上記の倍率で延伸し、次いで、延伸温度110〜145℃で上記縦方向に対してクロスする横方向に上記倍率で延伸が行われる。
スチレン−メタクリル酸共重合体(A)からなるニ軸延伸シートの厚さは、0.1〜0.5mmであることが好ましい。このような二軸延伸シートはその強度の観点より、本発明で用いる樹脂シートとして好適に用いることができる。
<親水性コート剤(B)>
本発明では、前記の樹脂シートの少なくとも片面に、親水性コート剤(B)を塗布し、当該コート剤(B)からなる被覆層を形成させる。なお、本発明において親水性とは、水溶性、水分散性のいずれであってもよいことを示す。
前記親水性コート剤(B)としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の糖由来の脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド等のノニオン界面活性剤、レシチン等の両性界面活性剤や、樹脂中に親水性基を有するポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、SMレジン、EVA樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、SBR、セルロース系樹脂、フェノール樹脂、ロジンエステル、ビニル樹脂、フッ素系樹脂、ポリグリコール、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、その他天然物由来の樹脂、親水性基を有するアクリル系樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂等の水溶性又は水分散体が挙げられる。また樹脂自体は親水性を有さないものであっても、これを界面活性剤等を用いて水中に分散させてなるものであってもよい。
これらの中でも、樹脂シート(A)への塗布性に優れ、また得られる積層体における耐熱耐油性を容易に向上させることができる点、並びに食品包装材としての使用が可能である点より、ショ糖脂肪酸エステルコート剤、アクリル系樹脂の水溶液あるいは水分散液であるアクリル系親水性コート剤を用いることが好ましく、中鎖脂肪酸油等の強い浸食性を示す油に対しての高い耐油性を示すことからアクリル系樹脂の水溶液あるいは水分散液であるアクリル系親水性コート剤が特に好ましい。
<ショ糖脂肪酸系コート剤>
前記ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖と、脂肪酸メチルエステル等のような脂肪酸の低級アルコールエステルとをエステル交換して得られるものが挙げられ、具体的には、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、および、これらの混合物等が挙げられる。また、ショ糖脂肪酸エステルには、モノエステル、ジエステルおよびトリエステルが存在するが、防曇性を併せ持つことが出来るため、ショ糖脂肪酸モノエステルの含有率が50モル%以上で、HLB値が13〜18であるものがより好ましい。
また、ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート等が挙げられ、単独でも2種以上を併用してもよい。
<アクリル系親水性コート剤>
前記アクリル系樹脂は、アクリロイル基を有する単量体の重合体であって、親水性を示すものであれば良く、例えば、カルボキシ基、ヒドロキシ基等を有するアクリル系単量体を用いて得られる重合体が挙げられる。また、これらのアクリル系単量体と共重合可能なその他のビニル系単量体を、本発明の効果を損なわない範囲で用いてなる共重合体であってもよい。
前記親水性を有するアクリル系単量体としては、ヒドロキシ基を有する単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙げられ、単独でも、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水酸基価が高い重合体が得られ、アクリル系樹脂に親水性を付与しやすい点で、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートを用いることが好ましい。
また、カルボキシ基を有するアクリル系単量体としては、例えば、メタアクリル酸、(アクリロイルオキシ)酢酸、アクリル酸2−カルボキシエチル、アクリル酸3−カルボキシプロピル、コハク酸1−[2−(アクリロイルオキシ)エチル]、フタル酸1−(2−アクリロイルオキシエチル)、ヘキサヒドロフタル酸水素2−(アクリロイルオキシ)エチル及びこれらのラクトン変性物等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸;無水コハク酸や無水マレイン酸等の酸無水酸と、ペンタエリスリトールトリアクリレート等の水酸基含有多官能(メタ)アクリレートモノマーとを反応させて得られるカルボキシル基含有多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。これらの中でも、得られるアクリル系樹脂に親水性を容易に付与できる観点より、メタアクリル酸、(アクリロイルオキシ)酢酸、アクリル酸2−カルボキシエチル、アクリル酸3−カルボキシプロピルが好ましく、メタアクリル酸が特に好ましい。
前記その他のビニル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系単量体が挙げられる。具体的には、(メタ)アクリルメチルメタアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、β−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、N−モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、1種または2種以上の混合物として用いることができる。
更に一般にラジカル重合反応に用いることができるものであってもよく、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチラート、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有エチレン性不飽和単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルアニソール、α−ハロスチレン、ビニルナフタリン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等の芳香族環を有するビニル化合物等が挙げられる。これらは、1種または2種以上の混合物として用いることができる。特にスチレン等の芳香族環を有するビニル化合物は、耐黄変性、耐水性等を向上できる事から好ましく用いる事が出来る。
更に、官能基を有するエチレン性不飽和単量体も用いることが可能で、例としては、N−メチロールメタアクリルアミド、N−イソプロポキシメチルメタアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタアクリルアミド、N−イソブトキシメチルメタアクリルアミド等のメチロールアミド基またはそのアルコキシ化物含有重合性単量体;ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩等のシリル基含有重合性単量体;(メタ)アクリロイルイソシアナート、(メタ)アクリロイルイソシアナートエチルのフェノール或いはメチルエチルケトオキシム付加物等のイソシアナート基及び/またはブロック化イソシアナート基含有重合性単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有重合性単量体;メタアクリルアミド、N−モノアルキルメタアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタアクリルアミド等のアミド基含有重合性単量体;アクロレイン、ジアセトンメタアクリルアミド等のカルボニル基含有重合性単量体等が挙げられる。
その他のビニル単量体としては、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、エチレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン等を使用することができる。
これらのその他のビニル系単量体を併用する場合、耐熱耐油性の付与が容易である観点よりメタクリル酸エステル系単量体を用いることが好ましく、特に、メタクリル酸メチルを用いることが好ましい。
前記アクリル系樹脂は、前述の単量体、又はその混合物を従来知られている乳化重合法、溶液重合法等のラジカル重合によって合成することができる。
具体的には、溶液重合法の場合、溶剤の存在下、例えば、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル系単量体、又は単量体混合物と重合開始剤とを、好ましくは40℃〜160℃の温度下で混合、攪拌し、ラジカル重合を進行させる方法が挙げられる。その後、塩基性化合物によりカルボキシル基を中和し、水を添加することによって水溶化することができる。その際、中和率は40〜100%、特には、50〜100%であることが好ましい。また場合に応じて水溶化後に脱溶剤をすることで、含有溶剤量を低減できる。
乳化重合法の場合は、乳化剤を含有する水性媒体中に、単量体あるいは単量体混合物を添加、攪拌しながら乳化分散させ、重合反応させる方法である。具体的には、水又は必要に応じてアルコールのような有機溶剤を含む水性媒体中に乳化剤を添加し、40℃〜100℃の加熱攪拌の下、前記単量体あるいは単量体混合物及びラジカル重合開始剤を一括仕込み、連続滴下又は分割添加し、重合する方法である。このとき、乳化剤と水とで単量体混合物を予め乳化させて得られる水分散液又は水溶液を、同様に滴下しても良い。
前記乳化重合法で使用できる乳化剤としては、一般的な乳化重合法に使用できるものであれば、アニオン性、カチオン性及びノニオン性いずれの乳化剤でも特に制限なく使用することができる。
アニオン性乳化剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル硫酸エステル、ジアルキルサクシネートスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩等が挙げられる。
カチオン性乳化剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
ノニオン性乳化剤としては、例えばポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を混合して使用することができる。
前記重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド、商品名「ナイパーBMT−K40」(日油株式会社製;m−トルオイルパーオキサイドとベンゾイルパーオキサイドの混合物)等の有機過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル、商品名「ABN−E」[株式会社日本ファインケム製;2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)]等のアゾ系化合物等を使用することができる。
また、前記アクリル系樹脂を製造する際に使用可能な溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテルなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチル等を使用することができる。
中和剤としては、各種塩基化合物を使用する事が出来る。例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのような各種の無機塩基;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、イソブチルアミン、またはジプロピルアミンのような各種のアルキルアミンなどをはじめ、さらには、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンのような各種のアミノアルコール類、またはモルホリンなどのような各種の有機アミン類;あるいはアンモニアなどが挙げられ、これらを単独又は2種以上併用して使用できる。
前記アクリル系樹脂としては、その重量平均分子量(Mw)が、1,000〜200,000の範囲であることが好ましく、積層体としての耐熱耐油性及び樹脂生産性の観点から10,000〜120,000の範囲がより好ましい。
前記アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、30〜130℃の範囲が好ましく、積層体としての耐熱性及び成形性の観点から60〜100℃の範囲がより好ましい。
前記アクリル系樹脂の酸価としては、20〜280mgKOHの範囲が好ましく、水溶性及び耐水性の観点から60〜270mgKOHの範囲がより好ましい。
なお、本発明で用いるアクリル系樹脂の分子量は、中和前の重合体を用い、以下の方法により、測定した。
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC−8220GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSK−GUARDCOLUMN SuperHZ−L
+東ソー株式会社製 TSK−GEL SuperHZM−M×4
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC−8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
また、親水性コート剤(B)の不揮発分としては、塗布量の調整が容易である観点より、1〜40質量%の範囲に調整することが好ましい。
更にまた、本発明で用いる親水性コート剤(B)には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の添加剤等を併用してもよい。
<積層体の製造方法>
本発明の積層体は、前述の樹脂シートに前記親水性コート剤(B)を塗布し、乾燥させることで得ることができる。乾燥方法としては特に限定されるものではなく、例えば、樹脂シートの温度がTgを超えない様に制御された乾燥装置を用い0.1〜30分程度の加熱乾燥にて親水性コート剤(B)からなる被覆層を樹脂シート上に形成させることができる。
親水性コート剤(B)の塗布方法としても、特に限定されるものではなく、例えば、スプレーコーター、ロールコーター、グラビアロールコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーター、ローターダンプニング、アプリケーター方式等が挙げられる。
親水性コート剤(B)の塗布量としては、本発明の効果が十分に発揮され、且つコスト面での折り合いがつく限りにおいて、種々選択されるものであるが、耐熱耐油性と成形性とのバランスに優れる観点から、10〜8000mg/mの範囲であるであることが好ましく、200〜1500mg/mの範囲であることが特に好ましく、更に好ましくは200〜1000mg/mである。
また、親水性コート剤(B)の塗布前に、樹脂シートの塗布面を予め親水化処理しておくことが好ましい。
前記親水化処理としては、例えば、酸処理、火炎処理、コロナ処理等が挙げられる。これらの親水化処理を施した樹脂シート表面のぬれ係数は、38mN/m以上であることが好ましく、該親水性コート剤(B)を均一に塗布し、十分な効果を得るためには45〜60mN/mの範囲内であることが特に好ましい。ここで、ぬれ係数は、JIS K−6786に記載された方法により測定される値である。
<成形体の製造方法>
前記で得られた積層体は、これを直接加熱方式または間接加熱方式によって加熱され、成形されて、本発明の成形体とすることができる。加熱成形の方法は、特に限定されるものではなく、真空成形機、熱板圧空成形機、真空圧空成形機等を用いて行うことができるが、なかでも温度制御が良好で、短時間加熱が可能なことから、熱板圧空成形機を用いての加熱成形が好適である。
<成形体の使用>
前記で得られた本発明の成形体は、特に食品包装容器として好適に用いることができ、その耐油性、及びスチレン系樹脂シートが本来有する透明性、及び成形性の観点から、蓋材として使用することが最も好ましい。この時、本発明の積層体における被覆層が内容物側になるように成形されていることが好ましい使用方法である。
以下に実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。本発明はもとより、これらの実施例の範囲に限定されるべきものではない。以下、「部」「%」は特に断りのない限り、質量基準である。
合成例1:アクリル系親水性コート剤(B1)の合成
還流冷却器、撹拌機および窒素導入管を具備した反応容器に、n−ブタノール136.8部を仕込んで撹拌を開始し、100℃まで昇温した。ここに窒素気流下で、メタクリル酸メチル29.3部、アクリル酸エチル29.3部、スチレン29.3部、メタクリル酸58.5部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2部、n−ブタノール24.6部からなる反応開始剤混合物とを2時間かけて連続滴下した。同温度で2時間撹拌後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.6部、n−ブタノール16.6部からなる反応開始剤混合物を2時間かけて連続滴下した。同温度で1時間撹拌後、95℃に降温し、ジメチルエタノールアミン57.6部により中和を行い、イオン交換水738.7部を用いて水溶化を行い、水溶性アクリル樹脂を得た。その際の重量平均分子量は12万であった。水溶性アクリル樹脂は、不揮発分18%であった。更に蒸留水により希釈を行い不揮発分10%のアクリル系親水性コート剤(B1)を調整した。
合成例2:アクリル系親水性コート剤(B2)の合成
還流冷却器、撹拌機および窒素導入管を具備した反応容器に、n−ブタノール186.5部を仕込んで撹拌を開始し、100℃まで昇温した。ここに窒素気流下で、メタクリル酸メチル115.8部、アクリル酸エチル94.2部、メタクリル酸140.0部からなる単量体混合物と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート3.5部、n−ブタノール163.5部からなる反応開始剤混合物とを4時間かけて連続滴下した。同温度で3時間撹拌後、40℃に降温し、ジメチルエタノールアミン137.6部により中和を行い、イオン交換水1025.0部を用いて水溶化を行い、アクリル樹脂水溶液としてアクリル系親水性コート剤(B2)を得た。不揮発分は19%であった。
実施例1〜13、及び比較例1〜5
表1〜3に示すモノマー組成比(MAA:メタクリル酸)を用い、連続塊状重合により共重合体を合成し、押出機にて1000μmの無延伸シートとした後、単発延伸機により縦方向(MD)2倍、横方向(CD)2倍に延伸を施した二軸延伸スチレン系樹脂シートを得た。
得られたシートに、表1〜3で示したコート剤をバーコーターを用いて塗工後、80℃に調節された恒温槽にて30分乾燥させ積層体を得た。
得られた積層体を用いて真空圧空成形機を使用して容器状の成形体を製造した。容器形状は、深さ20mm、開口部84mm×84mm、絞り比0.24である。成形条件はスチレン100%延伸シート(BOPS)が偏肉不良を起こさず、良好な型再現性となる、間接加熱ヒーター温度350℃、シート加熱時間9秒とした。
得られた成形体を用い、耐油性、耐熱性及び成形性の評価を行った。
耐油性評価:成形体の内側にサラダ油(日清オイリオグループ株式会社製食品調合油)を刷毛で塗布後、90℃で5分及び30分暴露を行い、外観を目視にて評価した。
30分で白化が発生しなかったもの:5、
30分で僅かに白化が発生したが5分までは白化の発生しなかったもの:4、
30分で明らかに白化が発生したが5分までは白化の発生しなかったもの:3、
5分で僅かに白化が発生したもの:2、
5分で明らかに白化が発生したもの:1
耐熱性評価:耐油性試験後の成形体の4隅の高さ変化率を測定することで評価した。
高さ保持率が98%以上のもの:○、
高さ保持率が90%以上98%未満のもの:△、
高さ保持率が90%未満のもの:×
成形性評価:成形体の底コーナー部のR(mm)をRゲージを用いて測定することで評価した。
3mm未満のもの:○、
3mm以上のもの:×
Figure 0006536873
Figure 0006536873
Figure 0006536873
使用したコート剤の詳細は以下の通りである。
B3:ポリエステル樹脂水分散体:ユニチカ株式会社製エリーテルKT−9204(固形分23%)
B4:変性エポキシ樹脂水分散体:DIC株式会社製9152(固形分23%)
B5:フッ素系撥水撥油樹脂水分散体:旭硝子株式会社製AG−60E(固形分23%)
B6:ヒドロキシセルロース水溶液:フジケミカル株式会社製HEC AG−15F(3%水溶液)
B7:ポリビニルアルコール水溶液:電気化学工業株式会社製ポバールB−17(3%水溶液)
B8:ショ糖ラウリン酸エステル水溶液:理研ビタミン株式会社製リケマールA(HLB=15、固形分41%)
B9:ポリグリセリン脂肪酸エステル水溶液:理研ビタミン株式会社製ポエム−0021(HLB=15.5、固形分40%)
B’:ジメチルシリコン:東レダウコーニング株式会社製

Claims (8)

  1. メタクリル酸含有率が1質量%以上4質量%未満の、スチレン系モノマーとメタクリル酸との単量体混合物を重合してなるスチレン−メタクリル酸共重合体(A)を用いた樹脂シートの少なくとも片面に、アクリル系親水性コート剤である親水性コート剤(B)を用いて形成された被覆層を有することを特徴とする積層体。
  2. 前記アクリル系親水性コート剤がアクリル系樹脂の水溶液である請求項記載の積層体。
  3. 前記アクリル系親水性コート剤中のアクリル系樹脂が、メタアクリル酸とメタクリル酸メチルとを単量体成分として含有するものである請求項又は記載の積層体。
  4. 前記アクリル系親水性コート剤中のアクリル系樹脂の重量平均分子量が1,000〜200,000の範囲である請求項1〜3の何れか1項記載の積層体。
  5. 前記アクリル系親水性コート剤である親水性コート剤(B)の樹脂シートへの塗布量が10〜8000mg/mの範囲である請求項1〜の何れか1項記載の積層体。
  6. 前記樹脂シートが二軸延伸された樹脂シートである請求項1〜の何れか1項記載の積層体。
  7. 請求項1〜の何れか1項記載の積層体を成形してなることを特徴とする成形体。
  8. 前記親水性コート剤(B)からなる被覆層が内容物側になるように成形され、且つ内容物が食品である請求項記載の成形体。
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