JP3021862B2

JP3021862B2 - 内燃式ガスライター

Info

Publication number: JP3021862B2
Application number: JP3293800A
Authority: JP
Inventors: 良平廣田
Original assignee: 株式會社廣田
Priority date: 1991-10-15
Filing date: 1991-10-15
Publication date: 2000-03-15
Anticipated expiration: 2015-03-15
Also published as: JPH05106837A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ライター本体内で混合
ガスの着火、燃焼が行われる、所謂、内燃式ガスライタ
ーの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ガスライターは、着火操作子の
押し下げ操作によってガス噴出ノズルが操作されてガス
の噴出が始まると共に、着火手段が操作されて火花が発
生し、ガス着火が行われるようになっている。斯かるガ
スライターには、大別して、発火石をヤスリで擦り、そ
の際の火花で着火させるヤスリ式ライター（所謂、フリ
ント式ライター）や、圧電素子を打撃機構で打撃して高
電圧を生じさせる圧電ユニットを使用し、火花放電で着
火させる圧電着火式ライター（所謂、ピエゾライター）
があり、また、斯かるピエゾライターの頂部に蓋体を開
閉自在に被冠させ、斯かる蓋体の開閉操作で前記圧電ユ
ニットを動作させる蓋付内燃式ガスライター等々があ
る。

【０００３】而して、これらガスライターのうち、殊に
昨今の圧電着火式ガスライターにあっては、ライター本
体内に燃焼筒等が内蔵されてライターの本体内で空気と
混合されたガスの着火、燃焼が行われる、所謂、内燃式
ガスライターと称される耐風性（ＷＩＮＤ−ＰＲＯＯ
Ｆ）ガスライターが既に種々と案出されている。

【０００４】従来、斯かる内燃式ガスライターとして
は、例えば、図７に示すように、燃料ガスが充填される
ガスタンクと、該ガスタンクからの燃料ガスを流速を強
めて噴出させることにより生ずる負圧によって空気を吸
い込ませる吸気孔を有し、燃料ガスと空気との混合を促
進させる混合管と、この混合ガスの流速を減速し拡散さ
せるために前記混合管と連設させた拡散器と、該拡散器
により空気と混合されたガス（混合ガス）を更に減速と
拡散をさせて点火と燃焼に充分な流速の空気との混合ガ
スにするための前記拡散器に連設させた燃焼筒と、該燃
焼筒内の可燃焼ガスに点火する点火手段とを備えること
により、ライター本体内で着火燃焼が行なわれるガスラ
イターがあった（特開昭６３−９１４３１号公報参
照）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開昭６３−９１４３１号公報に開示された内燃式ガ
スライターにあっては、ジェット噴流で醸し出す混合ガ
スが燃焼されてバーナー状に着火するため、強風下でも
問題なく使用できるといった利点を有する反面、通常の
ライターの如く火炎が風防頂端の炎口から外方に向けて
大きく膨出することがなく、また、斯かる火炎が淡色で
目に見えにくいことも相俟って、前記炎口部分に着火を
確認させる熱線を設けなければ、未着火として誤認した
り、或は時として火傷を負うことも危惧されていた。

【０００６】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、簡単にしてバーナー着火或は常套の可
視炎着火に切り換えられて使用する場所や気候等の環境
に応じた使い分けができる内燃式ガスライターの提供を
目的としたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上述の如き従来の問題点
を解決し、所期の目的を達成するため本発明の要旨とす
る構成は、ライター本体内に形成されたガスタンクと、
該ガスタンクの上方開口部へ気密に一体化されたタンク
上蓋と、該タンク上蓋内に一体成形された上方開口の嵌
合凹部と、該嵌合凹部の底面中央に開口され前記ガスタ
ンク内に通じる透孔と、前記嵌合凹部に組み込まれ上端
にガス噴出ノズルを引出自在に突出させたバルブ機構
と、前記ガス噴出ノズルの上端に連通された内燃機構と
を備えてなる内燃式ガスライターにおいて、前記内燃機
構は、前記ガス噴出ノズルの噴出口に封緘され中央に穿
孔を備えたノズルプレートと、前記ガス噴出ノズルの上
端に連結され半径方向に吸気孔を備えた混合管と、該混
合管の上部に連設された燃焼筒と、該燃焼筒に絶縁子を
介して固定された放電端子と、前記混合管と燃焼筒との
間に内設され上下方向に貫通した噴出路を有する拡散器
とを具備してなり、かつ、少なくとも前記混合管の吸気
孔が開閉自在に操作されてバーナー着火から常套の可視
炎着火に変換せしめる切換機構を設けてなる内燃式ガス
ライターに存し、延いては前記切換機構がライター本体
の所望位置にスリットを介してライター表面へ一端を膨
出させた操作体を備え、該操作体の操作で少なくとも前
記吸気孔の開口面積を変化せしめる内燃式ガスライター
に存する。

【０００８】また、前記拡散器は中空の筒状体を呈して
前記燃焼筒に支持させると共に、その中空内に前記混合
管を摺動自在に組み付け、該混合管の摺動操作により前
記吸気孔の開閉操作をなすように構成するのが好まし
い。

【０００９】例えば、前記混合管の吸気孔は、同混合管
を一定方向に摺動させた際に前記拡散器の側壁面で閉塞
させるのが好ましく、更には前記拡散器の半径方向に形
成された少なくとも一以上の拡散孔が、前記混合管を所
望方向に摺動した際に同混合管の側壁面で閉塞されるよ
うに組み付けるのが良い。

【００１０】

【作用】このように構成される本発明の内燃式ガスライ
ターは、ガス噴出ノズルから噴出された気化ガスは、ノ
ズルプーレートの封緘により更に流速を強めて噴出さ
れ、かつ、同時に斯かる負圧を利用して混合管の吸気孔
から空気を吸い込みながら拡散器内へと噴入されること
となる。そして噴射されたガスと空気の混合ガスは、拡
散器内にて燃焼効率を向上すべく更に混合されながら燃
焼筒内へと拡散されることとなり、次いでこの拡散され
た混合ガスに火花放電が引火してバーナー状に着火され
ることとなる（バーナー着火）。

【００１１】また、前記混合管の吸気孔が開閉自在に操
作されてバーナー着火から常套の可視炎着火に変換せし
める切換機構を設けたことによって、使用する場所や気
候等に応じて、耐風性に優れた無炎式ガスライター或は
火炎が膨出する常套の有炎式ガスライターに使い分けら
れることとなる。

【００１２】また、前記切換機構がライター本体の所望
位置にスリットを介してライター表面へ一端を膨出させ
た操作体を備え、該操作体の操作で少なくとも前記吸気
孔の開口面積を変化せしめるように構成すれば、ガスタ
ンクからの燃料ガスが流速を強めて噴出されることによ
って生ずる、所謂、負圧を利用した空気の吸込作用を消
失させることが可能となり、そのまま燃料ガスが空気と
混合されることなくして、換言すれば、混合ガスを生成
することなくしてそのまま燃料ガスが拡散器内に流入さ
れることになる。その際、前記拡散器は、中空の筒状体
を呈して前記燃焼筒に支持させると共に、その中空内に
前記混合管を摺動自在に組み付け、該混合管を前記操作
体で変位せしめて前記吸気孔の開閉操作をなすように組
み付けるのが好ましい。

【００１３】更に、前記混合管を一定方向に摺動させた
際に、同混合管の吸気孔が、前記拡散器の側壁面で閉塞
されるようにすれば、部品点数を増加させることなくし
て、上掲した所謂、負圧を利用した空気の吸込作用の消
失が可能となり、しかも、前記拡散器の半径方向に形成
された少なくとも一以上の拡散孔が、前記混合管を所望
方向に摺動した際に同混合管の側壁面で閉塞されるよう
に組み付けることによって、拡散孔の開閉如何によりす
なわち拡散孔の開口時は、混合管から流入してきた燃料
ガスが拡散器内にて燃焼効率を向上すべく更に混合され
ながら噴出路並びに複数の拡散孔を介して燃焼筒内に拡
散されることとなるが、拡散孔の閉塞時にはガス噴出ノ
ズルから噴出した燃料ガスが拡散されることなくしてそ
のまま頂天の噴出路から外方へと噴出されることとな
り、結果として斯かる内燃機構の各筒体が一本のガス噴
出ノズルの如くつながって常套のガスライターと同じく
火炎を膨出すべく着火されるものである（可視炎着
火）。

【００１４】

【実施例】次に本発明の実施の一例を図面を参照しなが
ら説明する。図中Ａは、本発明に係る内燃式ガスライタ
ーであり、この内燃式ガスライターＡは、図１に示すよ
うに、ライター本体１内に形成されたガスタンク２の上
方に一体成形されたタンク上蓋３を備えている。

【００１５】タンク上蓋３内には、上方が開口された有
底筒状の嵌合凹部３ａが一体成形されており、該嵌合凹
部３ａの底面中央に開口された前記ガスタンク２と通じ
る透孔３ｂを介してバルブ５が気密に圧入されている。

【００１６】このバルブ機構５は、頂部端面に開口（図
示せず）を有する筒蓋状のノズル螺旋５ａと、該ノズル
螺旋５ｂの下方開口部に嵌合された有底筒状のノズル底
栓体５ｂとで内部に弁室（図示せず）を形成しているも
ので、この弁室内には、Ｏリング、スプリングを介して
ガス噴出ノズル５ｃが上端を前記ノズル螺旋５ａの開口
より外方へ突出すべく装着されている（図１参照）。

【００１７】また、前記ガス噴出ノズル５ｃの頸部に
は、図２に拡大して示すように、上下に揺動自在に支持
された後述の弁操作レバー１３（図１参照）の一方端が
係合されているもので、該弁操作レバー１３の持ち上げ
操作により前記ガス噴出ノズル５ｃの頸部が引出方向に
動作されて弁が開きガスの噴出が始まるように組み付け
られている。

【００１８】また、ノズル底栓体５ｂｃの底面には、モ
ルト等のフィルター５ｄ並びに釘状固定子５ｅを介して
液化ガス吸上部材５ｆが装着されている。この液化ガス
吸上部材５ｆは、上端が前記釘状固定子５ｅに接触し下
端が前記ガスタンク２内に延出すべく組み付けられた筒
体を呈しているもので、中に焼結芯Ｓが充填されてい
る。また、この液化ガス吸上部材５ｆの上端近傍の外周
面には環状溝を介してＯリング５ｇが嵌合されており、
外接する透孔３ｂの内周面とのシールド性を保持してい
る。更に、同吸上部材５ｆの下端近傍の外周面にはガス
タンク２内の液化ガスと接触すべく切欠孔５ｈが開口さ
れている。

【００１９】一方、前記ガス噴出ノズル５ｃの上には、
内燃機構６が組み付けされている。内燃機構６は、図２
に拡大して示すように、前記ガス噴出ノズル５ｃの噴出
口に封緘されたノズルプレート６ａと、該ノズルプレー
ト６ａを内設すべく前記ガス噴出ノズル５ｃの上端に被
冠された混合管６ｂと、該混合管６ｂの上部に連結され
た拡散器６ｃと、該拡散器６ｃを内装すべく接合された
燃焼筒６ｄとを備えている。前記ノズルプレート６ａ
は、中央に穿孔６ａ₁ を有した筒蓋状を呈しており、ガ
ス噴出ノズル５ｃから噴出される気化ガスの流速を更に
加速せしめるもので、必要により前記穿孔６ａ₁ の下面
側に微孔径のフィルター（図示せず）が装着されるもの
である。

【００２０】また、前記混合管６ｂは、少なくとも内周
面が上方に行くに従って段々と狭くなるように形成され
た断面ロケット状の筒体に成形されており、下端開口を
前記ノズルプレート６ａの外周に遊嵌させることにより
立設支持されている。更に、混合管６ｂの大径部の外周
側面には張出辺６ｂ₂ が周設されており、該張出辺６ｂ
₂ が後述する昇降手段１２と連動すべく組み付けられて
いる。また、この混合管６ｂの中径部側面の半径方向に
は、複数の吸気孔６ｂ₁ ，６ｂ₁ が開口されている。こ
の吸気孔６ｂ₁ ，６ｂ₁ は、前記ノズルプレート６ａの
穿孔６ａ₁を通過する燃料ガスが流速を強めて噴出され
ることによって生ずる負圧を利用して空気を吸い込むも
ので、燃料ガスと空気との混合を促進せしめるものであ
る。

【００２１】更に、該混合管６ｂの上には後述する拡散
器６ｃを介して燃焼筒６ｄが配設されている。この燃焼
筒６ｄは、上端を中間ホルダー４の嵌合孔４Ａに、下端
をバーナーホルダー１０に（別体の連結部材９を介し
て）嵌合させることによりライター本体１内（詳しくは
中間ホルダー４内）に立設されているもので、内方には
絶縁子７を介して突出された放電端子８が装着されてい
る。また、斯かる燃焼筒６ｄの下端に装着された前記連
結部材９の下には、上端が同連結部材９の下端面に当接
し下端が前記混合管６ｂの張出辺６ｂ₂ の頂面に当接し
た圧縮スプリング１１が装着されており、該スプリング
１１内に下端を突出すべく拡散器６ｃが配設されてい
る。

【００２２】拡散器６ｃは、上下方向（同軸方向）に貫
通した噴出路６ｃ₁ を有した、前記混合管６ｂと同様な
断面ロケット形状を呈しており、前記噴出路６ｃ₁ が形
成された小径部と、複数の拡散孔６ｃ₂，６ｃ₂ …が開
口された中径部とが前記燃焼筒６ｄ内に介在するよう
に、下方の大径部外周を前記連結部材９内に圧着嵌合し
ている。また、混合管６ｂ側から流入してくる混合ガス
が、拡散器６ｃ内の天頂面に当接して逆噴流を惹起せし
めるように前記噴出路６ｃ₁ の入口側（下端側）を小孔
に縮径させており、ガスの混合を更に促進させながら効
果的に混合ガスを拡散せしめるものである。

【００２３】他方、ライター本体１内には、少なくとも
前記混合管６ｂの吸気孔６ｂ₁ を開閉自在に操作してバ
ーナー着火から常套の可視炎着火に変換せしめる切換機
構１２を備えている。この切換機構１２は、ライター本
体１の側面所望位置にスリット１ａを介してライター表
面へ一端を膨出させた円盤状の回転螺子１２ａと、該回
転螺子１２ａの中心を貫通した回転軸１２ｂとからなる
操作体を備えている。前記回転軸１２ｂは、上端を前記
バーナーホルダー１０に、下端をタンク上蓋３の頂面凹
孔３ｃにそれぞれ遊嵌支持させることにより、前記回転
螺子１２ａが回転自在になるように軸着されている。

【００２４】また、この回転螺子１２ａの頂面には、前
記混合管６ｂの摺動ストロークを決定する傾斜面１２ａ
₁ が凹設されており、回転螺子１２ａを回転させること
により、前記傾斜面１２ａ₁ 上に当接された前記混合管
６ｂの張出辺６ｂ₂ が傾斜面１２ａ₁ に沿って、換言す
れば、傾斜面１２ａ₁ の最低位（図２参照）から最高位
（図５参照）まで変位摺動するものである。而して、斯
かる回転螺子１２ａの傾斜面１２ａ₁ は、図２に示すよ
うに、最低位近傍で前記混合管６ｂの吸気孔６ｂ₁ 及び
前記拡散器６ｃの拡散孔６ｃ₂ を全開状態に開口し、最
高位近傍ですなわち図５に示すように、混合管６ｂを上
方に摺動させた時にのみ前記吸気孔６ｂ₁ が前記拡散器
６ｃの側壁面内に重畳して完全に閉塞すると共に、前記
拡散器６ｃに形成された複数の拡散孔６ｃ₂ ，６ｃ₂ が
前記混合管６ｂの小径部側壁面で閉塞されるように整合
されている。このように斯かる切換機構１２は、吸気孔
６ｂ₁ の開口面積を自在に変化せしめることにより空気
との混合割合を調整し、全開時のバーナー着火から閉塞
時の可視炎着火に変換するのである。

【００２５】一方、この内燃式ガスライターＡの着火機
構は、図１に示すように、前述したガス噴出ノズル５ｃ
の頸部に一端が係合された弁操作レバー１３と、該弁操
作レバー１３の他端側に局部レバー１４ａが連動すべく
ライターの頂部に被冠された蓋体兼用の着火操作子１４
と、該着火操作子１４の押し込み操作により動作させる
圧電ユニット１５から構成されている。

【００２６】前記弁操作レバー１３は、タンク上蓋３の
頂面に突設された軸受け３ｄを支点として上下方向に揺
動すべく一方端を前記ガス噴出ノズル５ｃの頸部に嵌合
支持されており、他方端が押し下げ操作されることによ
り該弁操作レバー１３が前記支点を中心として揺動し前
記ガス噴出ノズル５ｃの頸部を引出方向に動作させるも
のである。

【００２７】また、前記圧電ユニット１５は、上下方向
に伸縮するように相互に嵌め合わされた外箱１５ａと内
箱１５ｂとを有し、内箱１５ｂの中には、図示はしない
が、圧電素子、ハンマー、復帰バネ等が組み込まれてい
る。また、斯かる圧電ユニット１５には、該圧電ユニッ
ト１５の一方の電極に接続された導電線１５ｃが上方に
向けて延出されており、その遊端側が前述した絶縁子７
を介して装着された放電端子８と接続されている。

【００２８】このように構成される本発明の内燃式ガス
ライターＡは、ライター本体１を握持した手の親指で着
火操作子１４を押し下げ操作することにより（図３参
照）、局部レバー１４ａが圧電ユニット１５を押圧動作
して前記放電端子８に火花放電が発生すると共に、ガス
噴出ノズル５ｃの頸部が弁操作レバー１３により引出方
向に動作されて弁が開き、かつ、前記液化ガス吸上部材
５ｆを介して吸い上げられたガスタンク２内の燃料ガス
が釘状固定子５ｅの周面を経てフィルター５ｄに達し気
化する。また、気化したガスはフィルター５ｄを透過し
てノズル底栓体５ｂの弁孔を抜け更に前記ガス噴出ノズ
ル５ｃの半径方向に開口された穿孔（図示せず）を通っ
てガス噴出路５ｃ₁ 内に達し（図２参照）上端の噴出口
から外方へと噴出される。そして、斯かるガス噴出ノズ
ル５ｃから噴出された気化ガスは、ノズルプーレート６
ａ₁ の封緘により更に流速を強めて噴出され、同時に斯
かる流速で生ずる負圧作用を利用して混合管６ｂの吸気
孔６ｂ₁ から空気を吸い込み拡散器６ｃへと噴射され
る。而して、噴射されたガスと空気の混合ガスは、拡散
器６ｃ内の天頂面に当接して逆噴流を惹起せしめ、燃焼
効率を向上すべく更に混合されながら天頂の前記噴出路
６ｃ₁ 並びに側面に開口された複数の拡散孔６ｃ₂ ，６
ｃ₂ …を介して燃焼筒６ｄ内へと拡散されることとな
り、その瞬間に前記火花放電が引火してバーナー状に着
火するものである（バーナー着火）。

【００２９】また、切換機構１２の回転螺子１２ａを回
転させれば、回転螺子１２ａ（詳しくは傾斜面１２ａ
₁ ）上に当接した前記混合管６ｂの張出辺６ｂ₂ が傾斜
面１２ａ₁ に沿って変位移動し斯かる混合管６ｂを昇降
自在になるものであるが、図５に示すように、混合管６
ｂを上方に摺動させた最高位近傍で、混合管６ｂの吸気
孔６ｂ₁ が前記拡散器６ｃの側壁面内に重畳して閉塞さ
れると共に、前記拡散器６ｃに形成された複数の拡散孔
６ｃ₂ ，６ｃ₂ が前記混合管６ｂの小径部側壁面で同様
に閉塞されるため、通常の火炎式ガスライターに変換さ
れるものである。すなわち、前記混合管６ｂの吸気孔６
ｂ₁ が前記拡散器６ｃの側壁面で閉塞されることから、
ガス噴出ノズル５ｃから噴出される気化ガスがいくら流
速を強めて噴出されても、斯かる負圧を利用した空気の
吸込作用が起こらずして、換言すれば、混合ガスが生成
されずしてそのまま気化ガスが拡散器６ｃ内に流入され
ることになる。しかも拡散器６ｃ内に流入してきた気化
ガスは拡散孔６ｃ₂ ，６ｃ₂が閉塞されていることか
ら、そのまま天頂の前記噴出路６ｃ₁ から噴出されるこ
ととなり、結果として斯かる内燃機構の各筒体が一本の
ガス噴出ノズル５ｃの如くつながって頂端よりガスを噴
出させるもので、常套のガスライターのように火炎を膨
出すべく着火されるものである（可視炎着火）。また、
図中１６は、着火時にすなわちガス噴出ノズル５ｃが弁
操作レバー１３で引き上げられた時に前記混合管６ｂの
下端開口を気密状態に閉塞させる尻栓であり（図４、図
６参照）、また、図中１７はスポンジ等の発泡材からな
るシールド兼用の緩衝部材、図中１８は着火時に赤熱さ
れる熱線である。

【００３０】尚、本発明の内燃式ガスライターＡは本実
施例に限定されることなく、本発明の目的の範囲内で自
由に設計変更し得るものであり、本発明はそれらの全て
を包摂するものである。例えば、本実施例にあっては、
前記吸気孔６ｂ₁ 並びに前記拡散孔６ｃ₂ の開口面積を
変化させるべく切換機構１２を介して混合管６を昇降自
在に組み付けてあるが、これに限定されることなく、拡
散器６ｃ若しくは燃焼筒６ｄの何れか又は両方を摺動自
在に組み付けて前記開口面積を変化せしめても良く、更
には前記吸気孔６ｂ₁ 及び拡散孔６ｃ₂ にそれぞれ板状
若しくは環状等の開閉部材（図示せず）を回動自在に設
けて任意に開口調整ができるようにしても良いものであ
る。また、切換機構１２の操作体として、本実施例では
頂面に傾斜面１２ａ₁ を凹設した回転螺子１２ａを使用
しているが、これに限定されることなく、例えばライタ
ー本体１の側面に開口させた縦型の鈎状スリット（図示
せず）に、前記混合管６ｂの連結レバー（図示せず）を
摺動自在に突出させてそれを指腹で上下方向に摺動させ
るような操作体にしても良いものであり、あらゆる切換
機構を採用できることは云うまでもない。更に、混合管
６ｂの外周にはスプリング１１を装着させて同混合管６
ｂの摺動操作を容易ならしめているが、斯かる混合管６
ｂの自重だけても容易に下降でき得ることから、必ずし
もスプリング１１を必要とするものではない。また、本
実施例では燃焼筒６ｄの下に別体の連結部材９を介して
拡散器６ｃを組み付けているが、連結部材９を省略すべ
く燃焼筒６ｄと拡散器６ｃとを直結させても良いもので
あり、本発明はこれらの全て包摂するものである。

【００３１】

【発明の効果】本発明は上述のように構成され、ガス噴
出ノズルから噴出された気化ガスが、ノズルプーレート
の封緘により更に流速を強めて噴出されることにより生
ずる負圧を利用して混合管の吸気孔から空気を吸い込み
ながら拡散器内へ向けて勢い良く噴出され、かつ、噴出
された気化ガスと空気とが、拡散器内にて燃焼効率を向
上すべく更に混合されながら燃焼筒内へと拡散されるた
め、この拡散された混合ガスに火花放電が引火してバー
ナー状に着火されるが（バーナー着火）、前記混合管の
吸気孔が開閉自在に操作されてバーナー着火から常套の
可視炎着火に変換せしめる切換機構を設けたことによっ
て、簡単にして、火炎が膨出する常套のガスライターに
使い分けできる内燃式ガスライターを提供できることと
なった。

【００３２】また、前記切換機構がライター本体の所望
位置にスリットを介してライター表面へ一端を膨出させ
た操作体を備え、該操作体の操作で少なくとも前記吸気
孔の開口面積を変化せしめるように、具体的には、前記
拡散器を中空の筒状体に成形して前記燃焼筒に支持させ
ると共に、その中空内に前記混合管を摺動自在に組み付
け、前記操作体を介して前記混合管を変位摺動せしめて
前記吸気孔の開閉操作をなすように組み付ければ、ガス
タンクからの燃料ガスが流速を強めて噴出されることに
よって生ずる、所謂、負圧を利用した空気の吸込作用を
消失させることが可能となり、そのまま燃料ガスが空気
と混合されることなくして、換言すれば混合ガスを生成
することなくしてそのまま燃料ガスが拡散器内に流入さ
れ、更には前記混合管を一定方向に摺動させた際に、同
混合管の吸気孔が、前記拡散器の側壁面で閉塞されるよ
うに構成することによって、部品点数を増加させること
なくして、上掲した所謂、負圧を利用した空気の吸込作
用の消失が可能となり、しかも、前記拡散器の半径方向
に形成された少なくとも一以上の拡散孔が、前記混合管
を所望方向に摺動した際に同混合管の側壁面で閉塞され
るように組み付けることによって、拡散孔の閉塞時には
ガス噴出ノズルから噴出した燃料ガスが拡散されること
なくしてそのまま頂天の噴出路から外方へと噴出される
ため、結果として斯かる内燃機構の各筒体が一本のガス
噴出ノズルの如くつながって全く通常のガスライターと
同様に炎を膨出すべく着火できるものである（可視炎着
火）。

【００３３】このように本発明の内燃式ガスライター
は、少なくとも前記混合管の吸気孔が開閉自在に操作さ
れてバーナー着火若しくは常套の可視炎着火に切り換え
られることによって、使用する場所や気候等に応じて、
耐風性に優れた無炎式ガスライター或は火炎が膨出する
常套のガスライターに使い分けできるものであり、例え
ば、強風下で煙草に火を付ける時はバーナー着火で、花
火やコンロ等への引火器として使用する時は常套の可視
炎着火でと使用目的等に応じて任意な使い分けができる
もので、本発明を実施することはその実益的価値が甚だ
大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施の一例を示すもので、

【図１】本発明に係る内燃式ガスライターの縦断面図で
ある。

【図２】本発明に係る内燃式ガスライターの要部を示す
拡大縦断面図である。

【図３】本発明に係る内燃式ガスライターの着火時を示
す縦断面図である。

【図４】同状態の要部を示す拡大縦断面図である。

【図５】回転螺子を回動させて混合管を最上位に摺動さ
せた状態を示す要部拡大縦断面図である。

【図６】同状態の着火時を示す要部拡大縦断面図であ
る。

【図７】従来の内燃式ガスライターの内燃機構を示す要
部縦断面図である。

【符号の説明】

１ライター本体２ガスタンク３タンク上蓋３ａ嵌合凹部３ｂ透孔３ｃ頂面凹孔３ｄ軸受け４中間ケース４ａ嵌合孔５バルブ５ａノズル螺旋５ｂノズル底栓体５ｃガス噴出ノズル５ｄフィルター５ｅ釘状固定子５ｆ液化ガス吸上部材５ｇＯリング５ｈ切欠孔６内燃機構６ａノズルプレート６ｂ混合管６ｃ拡散器６ｄ燃焼筒７絶縁子８放電端子９連結部材１０バーナーホルダー１１スプリング１２切換機構１２ａ回転螺子１２ｂ回転軸１３弁操作レバー１４着火操作子１５圧電ユニット１６尻栓１７緩衝部材１８熱線Ｓ焼結芯

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F23Q 2/16 101 F23Q 2/34

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】ライター本体内に形成されたガスタンク
と、該ガスタンクの上方開口部へ気密に一体化されたタ
ンク上蓋と、該タンク上蓋内に一体成形された上方開口
の嵌合凹部と、該嵌合凹部の底面中央に開口され前記ガ
スタンク内に通じる透孔と、前記嵌合凹部に組み込まれ
上端にガス噴出ノズルを引出自在に突出させたバルブ機
構と、前記ガス噴出ノズルの上端に連通された内燃機構
とを備えてなる内燃式ガスライターにおいて、前記内燃
機構は、前記ガス噴出ノズルの噴出口に封緘され中央に
穿孔を備えたノズルプレートと、前記ガス噴出ノズルの
上端に連結され半径方向に吸気孔を備えた混合管と、該
混合管の上部に連設された燃焼筒と、該燃焼筒に絶縁子
を介して固定された放電端子と、前記混合管と燃焼筒と
の間に内設され上下方向に貫通した噴出路を有する拡散
器とを具備してなり、かつ、少なくとも前記混合管の吸
気孔が開閉自在に操作されてバーナー着火から常套の可
視炎着火に変換せしめる切換機構を設けたことを特徴と
する内燃式ガスライター。
【請求項２】前記切換機構はライター本体の所望位置に
スリットを介してライター表面へ一端を膨出させた操作
体を備え、該操作体の操作で少なくとも前記吸気孔の開
口面積を変化せしめることを特徴とする請求項１に記載
の内燃式ガスライター。
【請求項３】前記拡散器は中空の筒状体を呈して前記燃
焼筒に支持されると共に、その中空内に前記混合管を摺
動自在に組み付けてなり、該混合管の摺動操作により前
記吸気孔の開閉操作がなされることを特徴とする請求項
１に記載の内燃式ガスライター。
【請求項４】前記混合管の吸気孔は、同混合管を一定方
向に摺動させた際に前記拡散器の側壁面で閉塞されるこ
とを特徴とする請求項１又は３に記載の内燃式ガスライ
ター。
【請求項５】前記拡散器の半径方向に形成された少なく
とも一以上の拡散孔が、前記混合管を所望方向に摺動し
た際に同混合管の側壁面で閉塞されることを特徴とする
請求項１、３又は４に記載の内燃式ガスライター。