JPH0311561Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は燃焼状態が異なる２つの火焔を発生
させることができるバーナー兼用のガスライター
に関するものである。

［従来の技術］ 通常のガスライターは２次空気の下において液
化ガスを燃焼する構造よりなる。また一部では燃
焼バルブの上方に火口部材を配設し、火口部材の
下側にて空気を１次的に取入れて、液化ガスと空
気との混合を行い、青い火焔（バーナー焔）を発
生させている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、１つのガスライターによつて燃
焼状態が異なる複数の火焔を発生させるまでには
至らず、そのため用途はたばこなどの着火に限ら
れていた。

この考案は、上記従来のガスライターにおける
問題点を解決するために考えられたものであつ
て、その目的はきわめて簡単な操作によつて燃焼
状態が異なつた２つの火焔を発生させることがで
き、１つのガスライターを着火用以外にも、金属
加工などに用いられるバーナー装置として使用可
能なガスライターを提供しようとするものであ
る。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的によるこの考案は、燃焼バルブを上部
に有する燃料タンクの側部に、縦方向に作動する
圧電点火装置を備え、燃焼バルブの上方に設けた
カバー部材の内部に、空気孔を下側に有する火口
部材を設け、その火口部材の下部内にノズル部材
を上下動自在に嵌挿し、該ノズル部材と上記圧電
点火装置の押手とにわたりストツパーを有するバ
ルブ開閉部材を設けるとともに、圧電点火装置と
接続した放電電極を火口部材の上方に配設したガ
スライターにおいて、火口部材の下部周囲にハン
ドルを一体に有する空気孔開閉部材をばね部材に
より常時上方に押圧して昇降自在に嵌挿し、その
空気孔開閉部材と上記圧電点火装置の可動部材と
にわたりアース板を設け、かつ上記カバー部材の
側部にハンドル係止部を形成してなることを要旨
とするものである。

［作用］ 上記構造において押手を押下げると、まずアー
ス板が押手と共に下方へ移動して、空気孔開閉部
材をばね部材に抗して下方へ押下げるとともに、
バルブ開閉部材の先端が上方へ回動してノズル部
材を押上げる。

これにより空気孔が開放され、また燃焼バルブ
が開弁して、火口部材内に液化ガス燃料が一次的
に噴出する。こを噴出により火口部材内が空気が
取入れられ、火口部材の開口から外部に噴出する
間に燃料と空気とが混合する。

更に押手と共に可動部材が押下げられると、圧
電点火装置が作動して、放電電極から火口部材の
火口縁に放電火花が生じ、これにより燃料が着火
されて青い焔が発生する。

またバルブ開閉部材の先端が上昇すると、スト
ツパーが働いて、バルブ開閉部材は押手に対する
圧力を除いても元に戻らず、燃焼バルブは開弁し
たまま燃焼が続けられる。

このとき空気孔開閉部材を元の位置にばね圧に
より戻すと、空気孔が閉鎖されて、火焔は赤い焔
に変化する。

更にこの考案を図示の実施例により詳細に説明
する。

［実施例］ １は燃料タンクで上部に燃焼バルブ２を有し、
側部に圧電点火装置３が縦に設けてある。燃焼バ
ルブ２の周囲には上方に及ぶカバー部材４が取付
けてあり、そのカバー部材４の内部に火口部材５
が固定してある。

火口部材５の下部側壁には空気孔６が穿設して
あり、また下部内には上記燃焼バルブ２のノズル
部材７が上下動自在に嵌挿してある。

このノズル部材７の頸部７ａには圧電点火装置
３の可動部材３ａに取付けた把手８の下側に、後
端部を位置させた挺状のバルブ開閉部材９の先端
９ａ嵌合してあり、かつその先端９ａの内側面に
は、第２図に示すように、ばね部材１０により外
方へ弾圧されたストツパー１１の爪片１２が縦に
当接してある。

上記火口部材５の下記周囲には、カバー部材４
の側部に施した開口１３に位置するハンドル１４
を一体に有する空気孔開閉部材１５が、下端を支
持板１６に接地させて設けたばね部材１７により
常時上方へ弾圧して昇降自在に嵌挿してある。

この空気孔開閉部材１５と上記可動部材３ａと
にはアース板１８が配設され、このアース板１８
によつて圧電点火装置３と火口部材５とが電気的
に接続されるとともに、押手８と同時に空気孔開
閉部材１５を上下動するようになつている。

また火口部材５の上方には、圧電点火装置３と
リード線１９を介して接続された放電電極２０
が、カバー部材内の電極台２１に固定して設けて
ある。

なお１３ａは上記開口１３の側部に形成した係
止段部である。

上記構造のガスライターでは、把手８の押圧操
作により、まずアース板１８により空気孔開閉部
材１５が押下げられ、またバルブ開閉部材９によ
り燃焼バルブ２が開弁されて、火口部材５内に燃
料が噴出すると同時に空気と混合され、更に圧電
点火装置が作動して、火口部材５の開口縁と放電
電極２０との間に放電火花が生じ、開口部から噴
出する空気混合ガスが着火して、そこに青い火焔
を発生する。

またバルブ開閉部材９の先端下側には、上記ス
トツパー１１の爪片１２が、第３図に示すように
入り込み、バルブ開閉部材９の戻りが阻止され
て、押手８を元に戻つてもストツパー１１を外方
へ押圧して爪片１２を横にずらせぬ限り開弁状態
が維持され、燃焼が保たれる。

またその状態でハンドル１４を横方向に回動
し、側部開口１３の上側の係止段部１３ａに係止
して空気孔６の開放を保てば、青い火焔のまま燃
焼が続くが、係止を行わずして押手８に対する押
圧力を除くと、押手８と共に空気孔開閉部材１５
も戻つて空気孔が閉鎖され、燃料状態も変化して
赤い火焔となる。したがつて空気孔開閉部材１５
の操作により燃焼状態が異なる２つの火焔を発生
させることができる。

［考案の効果］ この考案は上述のように、１次的に空気を混合
した燃料の燃焼と、２次空気の下にての燃焼との
両方を１つのガスライターにより行い得るので、
たばこなどの着火の外、金属加工に用いられるバ
ーナーとしても使用出来る便利さがあり、また燃
焼の切換は空気孔開閉部材の操作のみでよいから
簡単で、誤操作による危険性もなく、構造も火口
部材に空気孔開閉部材を昇降自在に弾設して、そ
れを把手と連動させるだけでよいから特に複雑と
なるようなこともないなどの特長を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案に係るバーナー兼用のガスライ
ターを例示するもので、第１図は要部縦断正面
図、第２図は燃焼バルブ上部における横断平面
図、第３図は燃焼時の要部縦断正面図である。 １……燃料タンク、２……燃焼バルブ、３……
圧電点火装置、３ａ……可動部材、４……カバー
部材、５……火口部材、６……空気孔、７……ノ
ズル部材、８……押手、９……バルブ開閉部材、
１１……ストツパー、１２……爪片、１３……側
部開口、１３ａ……係止段部、１４……ハンド
ル、１５……空気孔開閉部材、１７……ばね部
材、１８……アース板、２０……放電電極。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃焼バルブを上部に有する燃料タンクの側部
   に、縦方向に作動する圧電点火装置を備え、燃焼
   バルブの上方に設けたカバー部材の内部に、空気
   孔を下側に有する火口部材を設け、その火口部材
   の下部内にノズル部材を上下動自在に嵌挿し、該
   ノズル部材と上記圧電点火装置の押手とにわたり
   ストツパーを有するバルブ開閉部材を設けるとと
   もに、圧電点火装置と接続した放電電極を火口部
   材の上方に配設したガスライターにおいて、火口
   部材の下部周囲にハンドルを一体に有する空気孔
   開閉部材をばね部材により常時上方に押圧して昇
   降自在に嵌挿し、その空気孔開閉部材と上記圧電
   点火装置の可動部材とにわたりアース板を設け、
   かつ上記カバー部材の側部にハンドル係止部を形
   成してなることを特徴とするバーナー兼用のガス
   ライター。