JP3021481U - ガス器具用レバー式コック開閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のガス器具を基本的構造を変えることな
く上面のレバーで操作可能にする。 【構成】 ガス流路の開閉及び流量の調整を行なうコッ
ク１１の操作軸１２と回転方向に係合可能な軸受部材１
３を器具本体１０の側面に軸回りに回転可能に設ける。
前記操作軸１２を操作する操作レバー１５の一端を軸受
部材１３を操作可能に取り付け、操作レバー１５の他の
一端は器具本体１０の上面に配置する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案が属する技術分野】

本考案は、ガス器具の本体に内蔵され、ガス流路の開閉及び流量の調整を行な うコックを操作するため、ほぼ水平に配置された操作軸を有するレバー式コック 開閉装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

燃焼部へ供給するガスの開閉及び流量調整を行なうコック（器具栓とも称する 。）は、器具栓軸と称する操作軸を器具本体に配置した摘みの回転によって操作 する構造を有する。したがって摘みを取り付ける器具栓やそれと一体の減圧弁及 びそれに接続する小型ガス容器など、各部品の配置及び構造は器具正面に位置す る摘みを基準に決められているといっても良い。このため本体上面に摘みを配置 するという要求があっても、それに応じることは従来のガス器具では非常に困難 である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は前記の点に鑑みなされたもので、その課題は側面に摘みを有する従来 のガス器具の基本構造を変更することなく、ガス器具の上面においてコックを操 作できるようにすることである。また本考案は、例えば車両に搭載するキッチン ユニットなどの一部として使用する上面操作型のガス器具に適したコック開閉装 置を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記の課題を解決するため本考案は、コック１１の操作軸１２と回転方向に係 合可能な軸受部材１３を器具本体１０の側面に軸回りに回転可能に設け、器具本 体１０の上面に配置し、そこにおいて前記操作軸１２を操作するための操作レバ ー１５を前記軸受部材１３に取り付けたものである。

【０００５】 コック１１の操作軸１２は、器具本体１０に回転可能に設けられた軸受部材１ ３を介して支持されているので端部にて操作力を加えても安定に回転する。

【０００６】 操作レバー１５は器具本体１０の上面に配置され、そこにおいて操作軸１２を 操作するために前記軸受部１３に取り付けてある。このため操作レバー１５に加 えた操作力は軸受部材１３を介して操作軸１２に伝わり、コック１１を操作でき ることになる。

【０００７】

【考案の実施の形態】

この考案のガス器具は、ガス流路の開閉及び流量の調整を行なうコック１１を 器具本体１０内に有している。コック１１は、小型ガス器具Ｃから吐出したガス をほぼ一定の圧力に調整する減圧弁１４（ガバナとも称する。）と一体に設けら れており、ガスは調整された圧力及び流量で燃焼部Ｂへ配管Ｄを通じて送給され る。

【０００８】 コック１１はほぼ水平方向に突出した操作軸１２（器具栓軸とも称する。）を 有し、操作軸１２は、通常、コックに遮ぎられるガス流路の開閉と、開度即ちガ ス流量の調整のために回転操作される。この操作軸１２は、器具本体１０の四周 を囲んでいる側面１６に向かって配置されている。以上のような構造は従来のガ ス器具に共通したものである。

【０００９】 その操作軸１２と回転方向に係合可能な軸受部材１３を用意し、それを器具本 体１０の上記側面１６に形成した軸受部１７に回転可能に取り付ける。この軸受 部１７は軸受部材１３を器具本体１０に軸承する手段であり、故に操作軸１２を 端部で支える手材である。また軸受部材１３と軸受部１７は操作軸１２の心ずれ を吸収する手段を設けると良い。

【００１０】 操作軸１２を、器具本体１０の上面方向から操作するために、操作レバー１５ の下端部１５ｂを軸受部材１３に直接又は間接的に取り付け、操作レバー１５の 上端部１５ａは器具本体１０の上面に配置する。この操作レバー１５の回転の中 心は操作軸１２のそれと一致し、故に該レバーは側面から見て円弧状の軌跡を描 く。

【００１１】 さらに図示の実施例について説明する。実施例のガス器具は車載用のもので、 長方形状の平面形を有し、その上面に燃焼部Ｂを有し、片側に小型ガス容器Ｃの 収容部Ｅを有する。収容部Ｅは開閉蓋Ｆによって開閉され、その一側に寄って減 圧弁１４と、この考案のコック１１の開閉装置を設けている。

【００１２】 実施例の操作軸１２は器具本体１０の側面１６にほぼ達しており、そこに軸受 部１７として開口した円形開口の中心に位置する。該開口からなる軸受部１７に は、軸受部材１３が外側から回転可能に嵌まり込む。１８はその軸受部材１３の 内側に設けた軸受周面であり、軸受部１７の開口内周に軸承される。

【００１３】 軸受部材１３は中心に孔１９を有するが、そこには操作軸１２とその回転方向 に係合可能な接手部材２０を取り付けている。接手部材２０は軸受部材１３との 取り付け上融通のきく緩みを持っていて、前述したような心ずれを吸収する。前 記緩みはコック１１に過度の外力を加えないためにも作用し、それによってガス 漏れを防ぐようになっている。

【００１４】 軸受部材１３と操作レバー１５とは、実施例の場合、リング状の中間部材２１ を介して結合している。中間部材２１は、軸受部材１３の軸筒部２３に嵌まる中 心孔２２を有し、器具本体１０の側面１６の板の内側に配置され、軸受部材１３ との間でその側面１６の板を挾んで一体に結合される。２４はその結合手段であ り、例えばセルフタッピングねじなどである。

【００１５】 操作レバー１５は中間部材２１の中心から放射方向へ突出するように下端部１ ５６で取り付けてあり、その上端部１５ａは器具本体１０の上面に取り付けたガ イド溝２５を有するカバー手段２６から上方へ突出する。カバー手段２６は操作 軸１２を中心とするレバー上端部１５ａの軌跡と相似の円弧状側面形を有してレ バー上部まで覆っており、前記開閉蓋Ｆで覆われない器具本体１０の隅に固定さ れる。なお、軸受部材１３へ直かに操作レバー１５を取り付けることも可能であ る。

【００１６】 この操作レバー１５はばね性を有する例えば金属材料によって、予め軸方向の 一方へ傾斜した形状に形成し、その器具本体１０への取り付け時に前記傾斜に基 づく反力がガイド溝２５の溝壁に作用し、それによって適度の摺動トルク感を得 るとともに、操作レバー１５を例えば消火の定位置に拘束できるようになってい る。２５ａはその拘束用凹部であり、操作レバー１５がばね力によってそこに入 り込む。

【００１７】 なお、このような凹部２５ａを消火位置に設けたのは意図せずに操作レバー１ ５が動いてガス洩れが発生するのを防ぐためであるが、それ以外の目的、例えば 弱火等調整し難い位置にレバーを保持しておく場合にも利用することができる。 また前記中間部材２１はその回転途中で着火装置２７と接触し、それを作動させ るための係合子２８を有し（図３、図４参照）、また、消火位置では本体側に設 けた係止手段２９に接して停止する。

【００１８】 このような構成を有するガス器具Ａは器具本体１０の上面から操作するレバー １５を有するので、図１に示す縦長の状態でも或いはそれから９０度回転させた 横長の状態でも自由な配置を取ることができ、かつ左右に別の設備が隣接してい ても操作に支承は生じない。操作レバー１５は消火位置では拘束用凹部２５ａに あり、点火のためばね力に抗して凹部２５ａから脱し、ガイド溝２５を他端へ向 けて移動させて行くと、その途上でコック１１が開となり（「開」位置で全開） 、さらに移動させると圧電素子などからなる着火装置２７を作動させることとな る（図５）。

【００１９】

【考案の効果】 本考案は以上の如く構成されかつ作用するものであるから、側面に摘みを有す る従来のガス器具の基本構造を変更することなく、そのコック１１を器具本体１ ０の上面に配置した操作レバー１５によって操作することができるという効果を 奏する。このため、車載キッチンユニットの一部として隙間なく配置されるガス 器具のコック開閉装置としても好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るレバー式コック開閉装置を組み込
んだガス器具の実施例に関する平面図。

【図２】図１のものの左側面図。

【図３】本案装置の実施例に関する分解斜視図。

【図４】同上装置の消火状態の側面説明図。

【図５】同じく点火状態の側面説明図。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガス器具の本体に内蔵され、ガス流路の
   開閉及び流量の調整を行なうコックを操作するため、ほ
   ぼ水平に配置された操作軸を有するレバー式コック開閉
   装置であって、前記コック１１の操作軸１２と回転方向
   に係合可能な軸受部材１３を器具本体１０の側面に軸回
   りに回転可能に設け、器具本体１０の上面に配置し、そ
   こにおいて前記操作軸１２を操作するための操作レバー
   １５を前記軸受部材１３に取り付けたことを特徴とする
   ガス器具用レバー式コック開閉装置。
2. 【請求項２】 軸受部材１３は、器具本体１０の側面に
   形成した軸受部１７の外側に配置し、かつ器具本体１０
   の側面１６の板材を挾んで内側に配置した中間部材２１
   と一体に回転可能になっており、該中間部材２１に操作
   レバー１５の下端部を取り付け、操作軸１２を操作する
   ようにした構成を有する請求項第１項記載のガス器具用
   レバー式コック開閉装置。
3. 【請求項３】 軸受部材１３は、操作軸１２とその回転
   方向に係合可能な接手部材２０を中心の孔１９の部分に
   有し、軸受部材１３と操作軸１２との心ずれ吸収のため
   の緩みをもって接手部材２０を軸受部材１３に取り付け
   た構成を有する請求項第１項記載のガス器具用レバー式
   コック開閉装置。
4. 【請求項４】 操作レバー１５は、ばね性を有する例え
   ば金属材料によって、予め軸方向の一方へ傾斜した形状
   に形成し、その器具本体１０への取り付け時に前記傾斜
   に基づく反力がガイド溝２５の溝壁に作用し、それによ
   って適度の摺動トルク感を得るとともに、操作レバー１
   ５を例えば消火の定位置に拘束できるように構成されて
   いる請求項第１項記載のガス器具用レバー式コック開閉
   装置。