JP3014289B2 - 硬質カーボン膜の形成方法 - Google Patents

硬質カーボン膜の形成方法

Info

Publication number
JP3014289B2
JP3014289B2 JP7032068A JP3206895A JP3014289B2 JP 3014289 B2 JP3014289 B2 JP 3014289B2 JP 7032068 A JP7032068 A JP 7032068A JP 3206895 A JP3206895 A JP 3206895A JP 3014289 B2 JP3014289 B2 JP 3014289B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
carbon film
hard carbon
opening
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7032068A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08225944A (ja
Inventor
杉山  修
宮  行男
孝志 戸井田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Citizen Watch Co Ltd filed Critical Citizen Watch Co Ltd
Priority to JP7032068A priority Critical patent/JP3014289B2/ja
Publication of JPH08225944A publication Critical patent/JPH08225944A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3014289B2 publication Critical patent/JP3014289B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硬質カーボン膜の形成方
法に関し、とくに開口部を有する試料に硬質カーボン膜
を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】硬質カーボン膜は黒色を有し、ダイヤモ
ンドによく似た性質をもつ。すなわち硬質カーボン膜
は、高い機械的硬度や低い摩擦係数や良好な電気的絶縁
性や高い熱伝導率や高い耐腐食性をもつ。そのため装飾
品や医療機器や磁気ヘッドや工具などに硬質カーボン膜
を被覆することが提案されている。
【0003】プラスマ化学気相成長法を用いた従来の硬
質カーボン膜の形成方法を、図4を用いて説明する。図
4は従来技術における硬質カーボン膜の形成方法を示す
断面図である。
【0004】図4に示すように、ガス導入口15と排気
口17とを有する真空槽13内に、硬質カーボン膜を形
成する試料11を配置する。
【0005】そしてこの試料11には、直流電源25か
ら直流電圧を印加する。さらにアノード31にはアノー
ド電源27から直流電圧を印加し、さらにフィラメント
33にはフィラメント電源29から交流電圧を印加す
る。
【0006】そして排気口17から真空槽13内を真空
排気後、ガス導入口15から炭素を含むガスを真空槽1
3内に導入し、真空槽13内にプラズマを発生させて、
試料11に硬質カーボン膜を形成している。
【0007】この図4に示す硬質カーボン膜の被膜形成
方法においては、試料11に印加する直流電圧により発
生するプラズマと、交流電圧を印加するフィラメント3
3と直流電圧を印加するアノード31で発生するプラズ
マとが発生する。
【0008】そして硬質カーボン膜を形成するときの真
空槽13内の圧力により、試料11周囲のプラズマか、
フィラメント33とアノード31近傍のプラズマかが主
になって、硬質カーボン膜を形成している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図4を用いて説明した
硬質カーボン膜の形成方法においては、真空槽13内の
圧力が3×10-3torr以上のときは、試料11の周
囲に発生するプラズマが主になって、炭素を含むガスを
分解して硬質カーボン膜を形成する。
【0010】このとき試料11の外周部には硬質カーボ
ン膜を均一性よく形成することができるが、試料11の
開口内面に形成する硬質カーボン膜は密着性が悪く、さ
らに硬度などの膜質が劣る。
【0011】これは、試料11には同じ電位が印加され
ており、開口内面は同電位の電極どうしが対向している
空間となり、その開口内面でのプラズマはホロー放電と
呼ばれる異常放電を発生する。
【0012】このホロー放電によって形成される硬質カ
ーボン膜は、ポリマーライクな密着性の悪い被膜であ
り、試料11から剥離しやすく、硬度も低い。
【0013】これに対して真空槽13内の圧力が3×1
-3torrより低いときは、試料11周囲のプラズマ
より、硬質カーボン膜の形成はフィラメント33とアノ
ード31近傍に発生するプラズマがおもに寄与する。
【0014】このとき試料11の外周部には硬質カーボ
ン膜を均一性よく形成することができるが、試料11の
開口内面に形成する硬質カーボン膜は試料11の長手方
向で膜厚を均一に形成することができない。
【0015】ここで、フィラメント33とアノード31
近傍に発生するプラズマでイオン化された炭素イオン
は、試料11に印加する直流負電位に引っ張られて堆積
し、試料11に硬質カーボン膜の被膜形成を行ってい
る。
【0016】前述の真空槽13内の圧力が3×10-3
orrより高いときは、硬質カーボン膜が化学気相成長
的に形成されるのに対して、圧力が3×10-3torr
より低いときは、硬質カーボン膜が物理気相成長的に形
成される。
【0017】このためにフィラメント33とアノード3
1近傍に発生するプラズマがおもに寄与する硬質カーボ
ン膜形成のときは、真空蒸着法などの物理気相成長法と
同様に、試料11の開口内面には開口端面から開口奥側
に向かう従って、硬質カーボン膜の膜厚が薄くなる。こ
の結果、試料11の開口内面に形成する硬質カーボン膜
は試料11の長手方向で膜厚を均一に形成することがで
きない。
【0018】本発明の目的は、上記課題を解決して、開
口内面に密着性よくしかも均一な膜厚で硬質カーボン膜
を形成することが可能な硬質カーボン膜の形成方法を提
供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の硬質カーボン膜の形成方法においては、下記
記載の手段を採用する。
【0020】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽内に配置し、真空槽内を排気後、ガ
ス導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料
に直流電圧を印加しアノードに直流電圧を印加しフィラ
メントに交流電圧を印加してプラズマを発生させて試料
に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする。
【0021】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽内に配置し、真空
槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽
内に導入し、試料に直流電圧を印加しアノードに直流電
圧を印加しフィラメントに交流電圧を印加してプラズマ
を発生させて試料に硬質カーボン膜を形成することを特
徴とする。
【0022】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽内に配置し、真空槽内を排気後、ガ
ス導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料
に高周波電圧を印加し、プラズマを発生させて試料に硬
質カーボン膜を形成することを特徴とする。
【0023】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽内に配置し、真空
槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽
内に導入し、試料に高周波電圧を印加し、プラズマを発
生させて試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴と
する。
【0024】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽内に配置し、真空槽内を排気後、ガ
ス導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料
に直流電圧を印加し、プラズマを発生させて試料に硬質
カーボン膜を形成することを特徴とする。
【0025】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽内に配置し、真空
槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽
内に導入し、試料に直流電圧を印加し、プラズマを発生
させて試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とす
る。
【0026】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽内に配置し、真空槽内を排気後、ガ
ス導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料
に直流電圧を印加しアノードに直流電圧を印加しフィラ
メントに交流電圧を印加してプラズマを発生させて試料
の外周部を被覆して開口内面に硬質カーボン膜を形成す
ることを特徴とする。
【0027】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽内に配置し、真空
槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽
内に導入し、試料に直流電圧を印加しアノードに直流電
圧を印加しフィラメントに交流電圧を印加してプラズマ
を発生させて試料の外周部を被覆して開口内面に硬質カ
ーボン膜を形成することを特徴とする。
【0028】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽内に配置し、真空槽内を排気後、ガ
ス導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料
に高周波電圧を印加し、プラズマを発生させて試料の外
周部を被覆して開口内面に硬質カーボン膜を形成するこ
とを特徴とする。
【0029】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽内に配置し、真空
槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽
内に導入し、試料に高周波電圧を印加し、プラズマを発
生させて試料の外周部を被覆して開口内面に硬質カーボ
ン膜を形成することを特徴とする。
【0030】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽内に配置し、真空槽内を排気後、ガ
ス導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料
に直流電圧を印加し、プラズマを発生させて試料の外周
部を被覆して開口内面に硬質カーボン膜を形成すること
を特徴とする。
【0031】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽内に配置し、真空
槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽
内に導入し、試料に直流電圧を印加し、プラズマを発生
させて試料の外周部を被覆して開口内面に硬質カーボン
膜を形成することを特徴とする。
【0032】
【作用】本発明の硬質カーボン膜の形成方法において
は、試料の開口内面の開口の中央部にに、接地電位に接
続する補助電極を配置して硬質カーボン膜を形成する。
そして試料には、負の直流電圧あるいは高周波電圧を印
加する。
【0033】その結果、同電位の電極どうしが対向して
いる開口内面に、接地電位に接続する補助電極を設ける
こととなり、同電位同士が対向することがなくなる。
【0034】このような電位状態は、プラスマ化学気相
成長法にとって最も望ましい状態であり、ホロー放電は
発生しない。そのため、密着の良好な硬質カーボン膜を
試料に形成することができる。
【0035】さらに本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、試料の長手方向の開口内面で、電位特性が
均一になる。
【0036】この結果、開口内面に形成する硬質カーボ
ン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開口奥側とで
均一な膜厚を形成することができるという効果ももつ。
【0037】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例における
硬質カーボン膜の形成方法を説明する。図1は本発明の
実施例における硬質カーボン膜の形成方法を示す断面図
である。
【0038】図1に示すように、ガス導入口15と排気
口17とを有する真空槽13内に、硬質カーボン膜を形
成する試料11を配置する。そしてこの試料11の開口
内面には、接地電位に接続する補助電極23を挿入する
ように設ける。このとき補助電極23が試料11の開口
中央部になるようにする。
【0039】そしてこの試料11には、直流電源25か
ら直流電圧を印加し、さらにアノード31にはアノード
電源27から直流電圧を印加し、さらにフィラメント3
3にはフィラメント電源29から交流電圧を印加する。
【0040】このとき、直流電源25から試料11に印
加する直流電圧はマイナス3kVを印加し、さらにアノ
ード電源27からアノード31に印加する直流電圧はプ
ラス50Vを印加する。さらにフィラメント電源29か
らフィラメント33に印加する電圧は30Aの電流が流
れるように10Vの交流電圧を印加する。
【0041】そして真空槽13内を真空度が3×10-5
torrになるように排気口17から真空排気する。
【0042】その後、ガス導入口15から炭素を含むガ
スとしてベンゼンを真空槽13内に導入して、真空槽1
3内の圧力を5×10-3torrになるように制御す
る。
【0043】真空槽13内の試料11の周囲領域にプラ
ズマを発生させて、試料11に硬質カーボン膜を形成し
ている。
【0044】この図1に示す硬質カーボン膜の被膜形成
方法においては、試料11の開口内面に挿入するように
設ける補助電極23により、試料11の外周部だけでな
く、試料11開口内面にもプラズマを形成することがで
きる。
【0045】この試料11の開口内面に挿入する補助電
極23により、異常放電であるホロー放電の発生はな
く、硬質カーボン膜の密着性が向上する。
【0046】さらに試料11の長手方向の開口内面で、
電位特性が均一になり、開口内面に形成する硬質カーボ
ン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開口奥側とで
均一な膜厚を形成することができる。
【0047】この補助電極23は、試料11の開口大き
さより小さければよく、好ましくは5mm程度の隙間、
すなわちプラズマ形成領域を設けるようにする。
【0048】そしてこの補助電極23は、ステンレスの
ような金属材料で形成すればよい。
【0049】さらに補助電極23の断面形状は円形と
し、試料11に補助電極23を挿入したとき開口長さと
ほぼ同じにするか、あるいは試料より補助電極23を突
出するように構成する。
【0050】ここで補助電極23の断面形状は、試料1
1の開口の断面形状に合わせてもよい。すなわち試料1
1の断面形状が四角形であれば補助電極23の断面形状
は四角形とし、試料11の断面形状が円形であれば補助
電極23の断面形状は円形とする。
【0051】つぎに以上の説明と異なる実施例における
硬質カーボン膜の形成方法を説明する。図2は本発明の
実施例における硬質カーボン膜の形成方法を示す断面図
である。
【0052】図2に示すように、ガス導入口15と排気
口17とを有する真空槽13内に、硬質カーボン膜を形
成する試料11を配置する。
【0053】そしてこの試料11には、マッチング回路
19を介して13.56MHzの発振周波数を有する高
周波電源21から高周波電圧を印加する。
【0054】そして排気口17から真空槽13内を真空
排気後、ガス導入口15から炭素を含むガスとしてメタ
ンガスを真空槽13内に導入し、真空度を0.1tor
rになるように調整する。
【0055】さらに試料11の開口内面でしかも開口中
央部には、接地電位に接続する補助電極23を挿入する
ように配置して、プラズマを発生させる。このときプラ
ズマは、試料11の外周部だけでなく、試料11の開口
内面にもプラズマは発生し、試料11に硬質カーボン膜
を形成している。
【0056】このときプラズマは、試料11の外周部だ
けでなく、試料11の開口内面にもプラズマは発生して
いるので、試料11の開口内面にも硬質カーボン膜を形
成することができる。そして硬質カーボン膜は、外周部
と開口内面とではその膜質に差は発生していない。
【0057】試料11の開口内面に補助電極23を設け
ているため、異常放電であるホロー放電は発生せず。開
口内面にも密着性よく、均一な硬質カーボン膜を形成す
ることができる。
【0058】さらに本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、試料11の開口内面に補助電極23を設け
ているので、試料11の長手方向の開口内面で、電位特
性が均一になる。
【0059】この結果、試料11の開口内面に形成する
硬質カーボン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開
口奥側とで均一な膜厚を形成することができる。
【0060】この補助電極23は、試料11の開口大き
さより小さければよく、好ましくは5mm程度の隙間、
すなわちプラズマ形成領域を設けるようにする。そして
この補助電極23は、ステンレスのような金属材料で形
成すればよい。
【0061】さらに補助電極23の断面形状は円形と
し、試料11に補助電極23を挿入したとき開口長さと
ほぼ同じにするか、あるいは試料11の開口から補助電
極23が突出するように構成してもよい。
【0062】つぎに以上の説明と異なる実施例における
硬質カーボン膜の形成方法を説明する。図3は本発明の
実施例における硬質カーボン膜の形成方法を示す断面図
である。
【0063】図3に示すように、ガス導入口15と排気
口17とを有する真空槽13内に、硬質カーボン膜を形
成する試料11を配置する。
【0064】そしてこの試料11には、直流電源25か
らマイナス600Vの直流電圧を印加する。
【0065】そして排気口17から真空槽13内を真空
排気後、ガス導入口15から炭素を含むガスとしてメタ
ンガスを真空槽13内に導入し、真空度を0.1tor
rになるように調整する。
【0066】さらに試料11の開口内面でしかも開口中
央部には、接地電位に接続する補助電極23を挿入する
ように配置して、プラズマを発生させる。このときプラ
ズマは、試料11の外周部だけでなく、試料11の開口
内面にもプラズマは発生し、試料11に硬質カーボン膜
を形成している。
【0067】このときプラズマは、試料11の外周部だ
けでなく、試料11の開口内面にもプラズマは発生して
いるので、試料11の開口内面にも硬質カーボン膜を形
成することができる。そして硬質カーボン膜は、外周部
と開口内面とではその膜質に差は発生していない。
【0068】試料11の開口内面に補助電極23を設け
ているため、異常放電であるホロー放電は発生せず。開
口内面にも密着性よく、均一な硬質カーボン膜を形成す
ることができる。
【0069】さらに本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、試料11の開口内面に補助電極23を設け
ているので、試料11の長手方向の開口内面で、電位特
性が均一になる。
【0070】この結果、試料11の開口内面に形成する
硬質カーボン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開
口奥側とで均一な膜厚を形成することができる。
【0071】この補助電極23は、試料11の開口大き
さより小さければよく、好ましくは5mm程度の隙間、
すなわちプラズマ形成領域を設けるようにする。そして
この補助電極23は、ステンレスのような金属材料で形
成すればよい。
【0072】さらに以上の説明においては、試料11の
外周部と開口内面とに硬質カーボン膜を形成する実施例
で説明したが、開口内面にのみに硬質カーボン膜を形成
するすることができる。
【0073】そのときは、試料11の外周部に被覆部材
を配置する方法や、簡易的にはアルミニウム箔を試料1
1の外周部に巻き付けるように形成してもよい。
【0074】さらに以上の説明においては、試料11に
直接硬質カーボン膜を形成する実施例で説明したが、中
間層を介して硬質カーボン膜を形成してもよい。
【0075】そのときは、この中間層としては、周期律
表第IV族のシリコンやゲルマニウムや、あるいはシリ
コンやゲルマニウムの化合物でもよい。あるいはこの中
間層としては、シリコンカーバイト(SiC)やチタン
カーバイト(TiC)のような炭素を含む化合物でもよ
い。
【0076】そしてこの中間層の形成方法としては、ス
パッタリング法やイオンプレーティング法や化学気相成
長(CVD)法や溶射法を適用すればよい。
【0077】さらに以上の本発明の硬質カーボン膜の形
成方法の説明においては、炭素を含むガスとしてメタン
ガスやベンゼンガスを用いる実施例で説明したが、メタ
ン以外にエチレンなどの炭素を含むガスや、あるいはヘ
キサンなどの炭素を含む液体の蒸発蒸気も使用すること
ができる。
【0078】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
硬質カーボン膜の形成方法では、試料の開口内面に、接
地電位に接続する補助電極を配置して硬質カーボン膜を
形成している。そして試料には、高周波電圧あるいは負
の直流電圧を印加する。
【0079】このため、同電位の電極どうしが対向して
いる開口内面に、接地電位に接続する補助電極を設ける
こととなり、同電位どうしが対向することがなくなり、
異常放電であるホロー放電は発生しない。そのため、密
着の良好な硬質カーボン膜を試料に形成することができ
る。
【0080】さらに本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、試料の長手方向の開口内面で、電位特性を
均一にすることができる。
【0081】この結果、開口内面に形成する硬質カーボ
ン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開口中側とで
均一な膜厚を形成することができるという効果ももつ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における硬質カーボン膜の形成
方法を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例における硬質カーボン膜の形成
方法を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例における硬質カーボン膜の形成
方法を示す断面図である。
【図4】従来例における硬質カーボン膜の形成方法を示
す断面図である。
【符号の説明】
11 試料 13 真空槽 15 ガス導入口 17 排気口 21 高周波電源 23 補助電極 25 直流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−182278(JP,A) 特開 平6−305886(JP,A) 特開 平5−230658(JP,A) 特開 平2−54768(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 16/00 - 16/56 C01B 31/02 C23C 14/00 - 14/58

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心開口を有する試料の開口内面に、硬
    質カーボン膜を形成する硬質カーボン膜の形成方法であ
    って、 上記試料を、ガス導入口、排気口、アノード、およびフ
    ィラメントを備える真空槽内に配置し、 上記試料の中心開口内に、補助電極を挿入し、その補助
    電極を接地電位に接続し、 上記真空槽内を上記排気口から排気したのち、上記ガス
    導入口から炭素を含むガスを上記真空槽内に導入し、 上記試料に負の直流電圧を印加し、上記アノードに直流
    電圧を印加し、上記フィラメントに交流電圧を印加し
    て、上記中心開口を含む上記真空槽内にプラズマを発生
    させ、上記試料の開口内面に硬質カーボン膜を形成する
    ことを特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
JP7032068A 1995-02-21 1995-02-21 硬質カーボン膜の形成方法 Expired - Fee Related JP3014289B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7032068A JP3014289B2 (ja) 1995-02-21 1995-02-21 硬質カーボン膜の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7032068A JP3014289B2 (ja) 1995-02-21 1995-02-21 硬質カーボン膜の形成方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11267221A Division JP2000119853A (ja) 1999-09-21 1999-09-21 硬質カ―ボン膜の形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08225944A JPH08225944A (ja) 1996-09-03
JP3014289B2 true JP3014289B2 (ja) 2000-02-28

Family

ID=12348568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7032068A Expired - Fee Related JP3014289B2 (ja) 1995-02-21 1995-02-21 硬質カーボン膜の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3014289B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3224134B2 (ja) * 1996-08-15 2001-10-29 シチズン時計株式会社 ガイドブッシュの内周面に形成された硬質カーボン膜の剥離方法
JP5930783B2 (ja) 2012-03-19 2016-06-08 シチズンホールディングス株式会社 有色硬質装飾部材

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08225944A (ja) 1996-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5653812A (en) Method and apparatus for deposition of diamond-like carbon coatings on drills
US6033533A (en) Method of forming films over inner surface of cylindrical member
US4619748A (en) Method and apparatus for the reactive vapor deposition of layers of oxides, nitrides, oxynitrides and carbides on a substrate
JPS58221271A (ja) イオンプレ−テイング法による被膜形成方法
JPH10500391A (ja) ダイヤモンド状炭素フィルムの大型で低圧力のプラズマイオン付着
US6001432A (en) Apparatus for forming films on a substrate
JPS62290866A (ja) 薄膜形成装置
US5965217A (en) Method of forming DLC films over inner surface of cylindrical member
JPH07100857B2 (ja) 炭素皮膜形成方法及び装置
JP3014289B2 (ja) 硬質カーボン膜の形成方法
JP3224488B2 (ja) 硬質カーボン膜の形成方法
JP2997215B2 (ja) 円筒状部材の内周面への被膜形成方法
JPH0931655A (ja) 硬質カーボン膜の形成方法
JP2000119853A (ja) 硬質カ―ボン膜の形成方法
JP3083008B2 (ja) 被膜形成装置および被膜形成方法
JPH0953178A (ja) 硬質カーボン膜の形成方法
JP3304320B2 (ja) 円筒状部材の内周面への被膜形成方法
JPH11152568A (ja) 円筒状部材の内周面への硬質カーボン膜形成方法
JPH09110585A (ja) 硬質カーボン膜の形成方法
JPH04228566A (ja) スパッターイオンめっきによる導電性繊維被覆方法および装置
JPH10168582A (ja) 円筒状部材の内周面への被膜形成方法
JPH10195635A (ja) 円筒状部材の内周面への硬質カーボン膜形成方法
JPS62180077A (ja) 管内面の被覆方法
JPH10280155A (ja) 円筒状部材内周面への硬質カーボン膜の形成方法
JP3172384B2 (ja) 硬質炭素被膜形成装置及びこれを用いた被膜形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101217

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101217

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121217

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141217

Year of fee payment: 15

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees