JPH09110585A - 硬質カーボン膜の形成方法 - Google Patents

硬質カーボン膜の形成方法

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JPH09110585A
JPH09110585A JP7263817A JP26381795A JPH09110585A JP H09110585 A JPH09110585 A JP H09110585A JP 7263817 A JP7263817 A JP 7263817A JP 26381795 A JP26381795 A JP 26381795A JP H09110585 A JPH09110585 A JP H09110585A
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JP
Japan
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sample
vacuum chamber
hard carbon
carbon film
auxiliary electrode
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Application number
JP7263817A
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English (en)
Inventor
Osamu Sugiyama
杉山  修
Yukio Miya
宮  行男
Ryuta Koike
▲龍▼太 小池
Takashi Toida
孝志 戸井田
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開口内面で同電位同士が対向することがなく
なり、異常放電であるホロー放電は発生しない。そのた
め、密着の良好な硬質カーボン膜を試料に形成すること
ができる。開口内面に形成する硬質カーボン膜の膜厚分
布の発生がなく、開口端面と開口中側とで均一な膜厚を
形成することができるという効果ももつ。さらに硬質カ
ーボン膜の膜形成速度は、補助電極を磁石で構成しない
ときに比らべて高くなる。 【解決手段】 試料11の開口内面に、接地電位に接続
し磁石からなる補助電極23を挿入するように試料を真
空槽13の中に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口
15から炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に直
流電圧を印加しアノード31に直流電圧を印加しフィラ
メント33に交流電圧を印加してプラズマを発生させて
試料に硬質カーボン膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硬質カーボン膜の形
成方法に関し、とくに開口部を有する試料に硬質カーボ
ン膜を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】硬質カーボン膜は黒色を有し、ダイヤモ
ンドによく似た性質をもつ。すなわち硬質カーボン膜
は、高い機械的硬度や低い摩擦係数や良好な電気的絶縁
性や高い熱伝導率や高い耐腐食性をもつ。そのため装飾
品や医療機器や磁気ヘッドや工具などに硬質カーボン膜
を被覆することが提案されている。
【0003】プラスマ化学気相成長法を用いた従来技術
における硬質カーボン膜の形成方法を、図8を用いて説
明する。図8は従来の技術における硬質カーボン膜の形
成方法を示す断面図である。
【0004】図8に示すように、ガス導入口15と排気
口17とを有する真空槽13内に、硬質カーボン膜を形
成する試料11を配置する。この試料11には開口部を
有する。
【0005】そして排気口17から真空槽13内を真空
排気した後、この試料11には、直流電源25から直流
電圧を印加する。さらにアノード31にはアノード電源
27から直流電圧を印加し、さらにフィラメント33に
はフィラメント電源29から交流電圧を印加する。
【0006】その後、ガス導入口15から炭素を含むガ
スを真空槽13内に導入し、真空槽13内にプラズマを
発生させて、試料11に硬質カーボン膜を形成してい
る。
【0007】この図8に示す硬質カーボン膜の被膜形成
方法においては、試料11に印加する直流電圧により発
生するプラズマと、交流電圧を印加するフィラメント3
3と直流電圧を印加するアノード31で発生するプラズ
マとが発生する。
【0008】そして硬質カーボン膜を形成するときの真
空槽13内の圧力により、試料11周囲のプラズマか、
フィラメント33とアノード31近傍のプラズマかが主
になって、硬質カーボン膜を形成している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図8を用いて説明した
硬質カーボン膜の形成方法においては、真空槽13内の
圧力が3×10-3torr以上のときは、試料11の周
囲に発生するプラズマが主になって、炭素を含むガスを
分解して硬質カーボン膜を形成する。
【0010】このとき試料11の外周部には硬質カーボ
ン膜を均一性よく形成することができるが、試料11の
開口内面に形成する硬質カーボン膜は密着性が悪く、さ
らに硬度などの膜質が劣る。
【0011】これは、試料11には同じ電圧が印加され
ており、開口内面は同電位の電極どうしが対向している
空間となり、その開口内面でのプラズマはホロー放電と
呼ばれる異常放電を発生する。
【0012】このホロー放電によって形成される硬質カ
ーボン膜は、ポリマーライクな密着性の悪い被膜であ
り、試料11から剥離しやすく、その硬度も低い。
【0013】これに対して真空槽13内の圧力が3×1
-3torrより低いときは、試料11周囲のプラズマ
より、硬質カーボン膜の形成はフィラメント33とアノ
ード31近傍に発生するプラズマがおもに寄与する。
【0014】このとき試料11の外周部には硬質カーボ
ン膜を均一性よく形成することができるが、試料11の
開口内面に形成する硬質カーボン膜は試料11の長手方
向で膜厚を均一に形成することができない。
【0015】ここで、フィラメント33とアノード31
近傍に発生するプラズマでイオン化された炭素イオン
は、試料11に印加する直流負電位に引っ張られて堆積
し、試料11に硬質カーボン膜の被膜形成を行ってい
る。
【0016】前述の真空槽13内の圧力が3×10-3
orrより高いときは、硬質カーボン膜が化学気相成長
的に形成されるのに対して、圧力が3×10-3torr
より低いときは、硬質カーボン膜が物理気相成長的に形
成される。
【0017】このためにフィラメント33とアノード3
1近傍に発生するプラズマがおもに寄与する硬質カーボ
ン膜形成のときは、真空蒸着法などの物理気相成長法と
同様に、試料11の開口内面には開口端面から開口奥側
に向かう従って、硬質カーボン膜の膜厚が薄くなる。こ
の結果、試料11の開口内面に形成する硬質カーボン膜
は試料11の長手方向で膜厚を均一に形成することがで
きない。
【0018】本発明の目的は、上記課題を解決して、開
口内面に密着性よくしかも均一な膜厚で硬質カーボン膜
を形成することが可能な硬質カーボン膜の形成方法を提
供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の硬質カーボン膜の形成方法においては、下記
記載の手段を採用する。
【0020】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続し磁石からなる補助電極
を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真空槽内
を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽内に
導入し、試料に直流電圧を印加しアノードに直流電圧を
印加しフィラメントに交流電圧を印加してプラズマを発
生させて試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴と
する。
【0021】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続し磁石
からなる補助電極を挿入するように試料を真空槽の中に
配置し、真空槽内を排気した後、ガス導入口から炭素を
含むガスを真空槽内に導入して、試料に直流電圧を印加
しアノードに直流電圧を印加しフィラメントに交流電圧
を印加してプラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜
を形成することを特徴とする。
【0022】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続し帯磁した磁性体からな
る補助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置
し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガス
を真空槽内に導入し、試料に直流電圧を印加しアノード
に直流電圧を印加しフィラメントに交流電圧を印加して
プラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を形成する
ことを特徴とする。
【0023】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続し帯磁
した磁性体からなる補助電極を挿入するように試料を真
空槽内に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭
素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に直流電圧を印
加しアノードに直流電圧を印加しフィラメントに交流電
圧を印加してプラズマを発生させて試料に硬質カーボン
膜を形成することを特徴とする。
【0024】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続し磁石からなる補助電極
を挿入するように試料を真空槽内に配置し、真空槽内を
排気した後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽内
に導入し、試料に高周波電力を印加し、プラズマを発生
させて試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とす
る。
【0025】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続し磁石
からなる補助電極を挿入するように試料を真空槽の中に
配置し、真空槽内を排気した後、ガス導入口から炭素を
含むガスを真空槽内に導入して、試料に高周波電力を印
加し、プラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を形
成することを特徴とする。
【0026】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続し帯磁した磁性体からな
る補助電極を挿入するように試料を真空槽内に配置し、
真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真
空槽内に導入し、試料に高周波電力を印加し、プラズマ
を発生させて試料に硬質カーボン膜を形成することを特
徴とする。
【0027】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続し帯磁
した磁性体からなる補助電極を挿入するように試料を真
空槽内に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭
素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に高周波電力を
印加し、プラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を
形成することを特徴とする。
【0028】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続し磁石からなる補助電極
を挿入するように試料を真空槽内に配置し、真空槽内を
排気した後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽内
に導入し、試料に直流電圧を印加し、プラズマを発生さ
せて試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とす
る。
【0029】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続し磁石
からなる補助電極を挿入するように試料を真空槽の中に
配置し、真空槽内を排気した後、ガス導入口から炭素を
含むガスを真空槽内に導入して、試料に直流電圧を印加
し、プラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を形成
することを特徴とする。
【0030】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続し帯磁した磁性体からな
る補助電極を挿入するように試料を真空槽内に配置し、
真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真
空槽内に導入し、試料に直流電圧を印加し、プラズマを
発生させて試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴
とする。
【0031】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続し帯磁
した磁性体からなる補助電極を挿入するように試料を真
空槽内に配置し、真空槽内を排気した後、ガス導入口か
ら炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に直流電圧
を印加し、プラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜
を形成することを特徴とする。
【0032】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続し磁石からなる補助電極
を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真空槽内
を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽内に
導入し、試料に直流電圧を印加しアノードに直流電圧を
印加しフィラメントに交流電圧を印加してプラズマを発
生させて試料の外周部を被覆して開口内面に硬質カーボ
ン膜を形成することを特徴とする。
【0033】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続し磁石
からなる補助電極を挿入するように試料を真空槽の中に
配置し、真空槽内を排気した後、ガス導入口から炭素を
含むガスを真空槽内に導入して、試料に直流電圧を印加
しアノードに直流電圧を印加しフィラメントに交流電圧
を印加してプラズマを発生させて試料の外周部を被覆し
て開口内面に硬質カーボン膜を形成することを特徴とす
る。
【0034】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続し帯磁した磁性体からな
る補助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置
し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガス
を真空槽内に導入し、試料に直流電圧を印加しアノード
に直流電圧を印加しフィラメントに交流電圧を印加して
プラズマを発生させて試料の外周部を被覆して開口内面
に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする。
【0035】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続し帯磁
した磁性体からなる補助電極を挿入するように試料を真
空槽内に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭
素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に直流電圧を印
加しアノードに直流電圧を印加しフィラメントに交流電
圧を印加してプラズマを発生させて試料の外周部を被覆
して開口内面に硬質カーボン膜を形成することを特徴と
する。
【0036】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続し磁石からなる補助電極
を挿入するように試料を真空槽内に配置し、真空槽内を
排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導
入し、試料に高周波電力を印加し、プラズマを発生させ
て試料の外周部を被覆して開口内面に硬質カーボン膜を
形成することを特徴とする。
【0037】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続し磁石
からなる補助電極を挿入するように試料を真空槽の中に
配置し、真空槽内を排気した後、ガス導入口から炭素を
含むガスを真空槽内に導入して、試料に高周波電力を印
加し、プラズマを発生させて試料の外周部を被覆して開
口内面に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする。
【0038】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続し帯磁した磁性体からな
る補助電極を挿入するように試料を真空槽内に配置し、
真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真
空槽内に導入し、試料に高周波電力を印加し、プラズマ
を発生させて試料の外周部を被覆して開口内面に硬質カ
ーボン膜を形成することを特徴とする。
【0039】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続し帯磁
した磁性体からなる補助電極を挿入するように試料を真
空槽内に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭
素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に高周波電力を
印加し、プラズマを発生させて試料の外周部を被覆して
開口内面に硬質カーボン膜を形成することを特徴とす
る。
【0040】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続し磁石からなる補助電極
を挿入するように試料を真空槽内に配置し、真空槽内を
排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導
入し、試料に直流電圧を印加し、プラズマを発生させて
試料の外周部を被覆して開口内面に硬質カーボン膜を形
成することを特徴とする。
【0041】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続し磁石
からなる補助電極を挿入するように試料を真空槽の中に
配置し、真空槽内を排気した後、ガス導入口から炭素を
含むガスを真空槽内に導入して、試料に直流電圧を印加
し、プラズマを発生させて試料の外周部を被覆して開口
内面に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする。
【0042】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続し帯磁した磁性体からな
る補助電極を挿入するように試料を真空槽内に配置し、
真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真
空槽内に導入し、試料に直流電圧を印加し、プラズマを
発生させて試料の外周部を被覆して開口内面に硬質カー
ボン膜を形成することを特徴とする。
【0043】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続し帯磁
した磁性体からなる補助電極を挿入するように試料を真
空槽内に配置し、真空槽内を排気した後、ガス導入口か
ら炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に直流電圧
を印加し、プラズマを発生させて試料の外周部を被覆し
て開口内面に硬質カーボン膜を形成することを特徴とす
る。
【0044】本発明の硬質カーボン膜の被膜形成方法に
おいては、試料の開口内面の開口の中央部に、接地電位
に接続する補助電極を配置して硬質カーボン膜を形成す
る。そして硬質カーボン膜を形成する試料には、負の直
流電圧あるいは高周波電力を印加する。
【0045】その結果、同電位の電極どうしが対向して
いる開口内面に、接地電位に接続する補助電極を設ける
こととなり、同電位どうしが対向することがなくなる。
【0046】このような電位状態は、プラスマ化学気相
成長法にとってもっとも望ましい状態であり、異常放電
であるホロー放電は発生しない。そのため、密着性の良
好な硬質カーボン膜を試料に形成することができる。
【0047】さらに本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、接地電位に接続する補助電極を試料の開口
内面に配置しており、試料の長手方向の開口内面の全域
で電位特性が均一になる。
【0048】この結果、開口内面に形成する硬質カーボ
ン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開口奥側との
全域にわたって均一な膜厚で形成することができるとい
う効果ももつ。
【0049】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、試料の開口内面の中央部に設ける補助
電極は、磁石あるいは帯磁した磁性体で構成して硬質カ
ーボン膜を形成している。
【0050】このため試料開口内の電子は磁界の影響を
受けて、電子の運動が激しくなる。この電子の運動が激
しくなると、必然的に炭素を含むガス分子と電子との衝
突確率が増え、ガス分子のイオン化が促進されて、この
補助電極の周囲領域はプラズマ強度が高くなる。
【0051】このために磁石あるいは帯磁した磁性体で
構成する補助電極を試料開口内に配置して硬質カーボン
膜を形成する本発明においては、硬質カーボン膜の膜形
成速度は、補助電極を磁石あるいは帯磁した磁性体で構
成しないときと比らべて高くすることができる。
【0052】さらに試料の開口大きさが小さくなって、
開口内面と補助電極との間の隙間寸法が小さくなると、
補助電極を補助電極を磁石あるいは帯磁した磁性体で構
成しないで硬質カーボン膜を形成すると、試料の開口内
面にはプラズマが発生せず、被膜形成ができない。
【0053】これに対して本発明の硬質カーボン膜の形
成方法においては、開口内面に配置する補助電極を磁石
あるいは帯磁した磁性体で構成している。このため試料
開口内の電子の運動を激しくすることができるので、試
料開口内面と補助電極との間の隙間寸法が小さい場合で
も、その領域にプラズマを発生させることができる。
【0054】したがって、磁石あるいは帯磁した磁性体
で構成しない補助電極を用いた硬質カーボン膜の形成方
法では被膜形成ができない開口大きさが小さい試料に
も、磁石あるいは帯磁した磁性体で構成した補助電極を
用いる本発明の硬質カーボン膜の形成方法を適用すれば
被膜形成が可能となる。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明を実施
するための最良の形態における硬質カーボン膜の形成方
法を説明する。図1は本発明の実施形態における硬質カ
ーボン膜の形成方法を示す断面図である。
【0056】図1に示すように、ガス導入口15と排気
口17とを有する真空槽13内に、硬質カーボン膜を形
成する試料11を配置する。そしてこの試料11の開口
内面には、接地電位に接続する補助電極23を挿入する
ように設ける。このとき補助電極23が試料11の開口
中央部になるように配置する。
【0057】この試料11の開口中央に配置する補助電
極23は磁石からなり、サマリウムコバルト(SmC
o)磁石で構成する。
【0058】そして真空槽13内を真空度が3×10-5
torrになるように排気口17から、図示しない排気
手段によって真空排気する。
【0059】その後、ガス導入口15から炭素を含むガ
スとしてベンゼン(C6 H6 )を真空槽13内に導入し
て、真空槽13内の圧力を5×10-3torrになるよ
うに制御する。
【0060】そして試料11には直流電源25から直流
電圧を印加し、さらにアノード31にはアノード電源2
7から直流電圧を印加し、さらにフィラメント33には
フィラメント電源29から交流電圧を印加する。
【0061】このとき、直流電源25から試料11に印
加する直流電圧はマイナス3kVを印加し、さらにアノ
ード電源27からアノード31に印加する直流電圧はプ
ラス10Vを印加する。さらにまたフィラメント電源2
9からフィラメント33に印加する電圧は30Aの電流
が流れるように10Vの交流電圧を印加する。
【0062】そして真空槽13内の試料11の周囲領域
と試料11開口内で補助電極23の周囲とにプラズマを
発生させて、試料11に硬質カーボン膜を形成してい
る。
【0063】このときの磁石からなる補助電極23の磁
力の大きさと、試料11開口内面に形成する硬質カーボ
ン膜厚との関係を、図5のグラフに示す。
【0064】図5のグラフにおいては、磁石からなる補
助電極23の磁力をゼロガウスから40ガウスまで変化
させ、さらに試料11の開口内面と補助電極23との間
の隙間寸法が3mmと5mmのときの硬質カーボン膜の
膜厚を示す。なお曲線51が試料11の開口内面と補助
電極23との間の隙間が3mmのときの特性を示し、曲
線53が試料11の開口内面と補助電極23との間の隙
間が5mmのときの特性を示す。
【0065】図5の曲線51、53に示すように、補助
電極23の磁力が大きくなるにつれて、硬質カーボン膜
の膜形成速度は向上している。さらにまた試料11の開
口内面と補助電極23との間の隙間寸法が大きいほど、
硬質カーボン膜の膜形成速度は向上している。
【0066】そして曲線51、すなわち試料11の開口
内面と補助電極23との間の隙間寸法が3mmのとき
は、補助電極23の磁力の大きさがゼロガウス、すなわ
ち補助電極23を磁石で構成していないときは、試料1
1の開口内面にプラズマが発生せず、硬質カーボン膜は
形成できない。
【0067】しかしながら試料11の開口内面と補助電
極23との間の隙間寸法が3mmのときでも、補助電極
23を磁石で構成して、その磁力を高くしていくと、補
助電極23周囲の開口内面領域にプラズマが発生し、硬
質カーボン膜を形成することができる。
【0068】この図1を用いて説明する硬質カーボン膜
の形成方法においては、試料11の開口内に挿入するよ
うに配置し、しかも磁石で構成する補助電極23によっ
て、試料11の外周部だけでなく、試料11の開口内面
にもプラズマ領域を形成することができる。
【0069】この試料11の開口内面に挿入し接地電位
に接続する補助電極23によって、本発明の硬質カーボ
ン膜の形成方法においては、異常放電であるホロー放電
の発生はなく、硬質カーボン膜の密着性が向上する。
【0070】さらに試料11の長手方向の開口内面の全
域で、その電位特性が均一になり、開口内面に形成する
硬質カーボン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開
口奥側との全域にわたって均一な膜厚で形成することが
できる。
【0071】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、試料11の開口内面の中央部に設ける
補助電極23は磁石で構成して、硬質カーボン膜を形成
している。このため補助電極23の周囲領域は磁界の影
響を受け、電子の運動が激しくなる。この電子の運動が
激しくなると、ガス分子と電子との衝突確率が高くな
り、炭素を含むガス分子のイオン化が促進されて、この
補助電極23の周囲領域のプラズマ強度を向上させるこ
とができる。
【0072】このため磁石から構成する補助電極23を
試料11開口内に配置して硬質カーボン膜を形成する本
発明の被膜形成方法においては、この硬質カーボン膜の
膜形成速度は、補助電極23を磁石で構成していないと
きと比らべて高くすることができる。
【0073】さらに試料11の開口大きさが小さくな
り、開口内面と補助電極23との隙間寸法が小さくなる
と、補助電極23を磁石で構成しないで硬質カーボン膜
を形成すると、開口内面にはプラズマが発生せず、被膜
形成ができない。
【0074】これに対して本発明の硬質カーボン膜の被
膜形成方法においては、試料11開口内面に配置する補
助電極23を磁石で構成している。このため試料11開
口内の電子の運動が激しくなり、電子とガス分子との衝
突確率が高くなって、補助電極23の周囲領域の試料1
1開口内面にプラズマを発生させることができる。
【0075】したがって、補助電極23を磁石で構成し
ないで硬質カーボン膜を形成すると被膜形成ができない
開口大きさが小さい試料にも、補助電極23を磁石で構
成する本発明の硬質カーボン膜の形成方法を適用すれば
被膜形成が可能となる。
【0076】この補助電極23は、試料11の開口大き
さより小さければよく、好ましくは4mm程度の隙間、
すなわちプラズマ形成領域を設けるようにする。さらに
補助電極23の断面形状は円形状あるいは多角形状と
し、試料11に補助電極23を挿入したとき開口長さと
ほぼ同じにするか、あるいは試料11より補助電極23
を突出するように構成する。
【0077】つぎに以上の説明と異なる実施形態におけ
る硬質カーボン膜の形成方法を、図2を用いて説明す
る。図2は本発明の実施形態における硬質カーボン膜の
形成方法を示す断面図である。
【0078】図2に示すように、ガス導入口15と排気
口17とを有する真空槽13内に、硬質カーボン膜を形
成する試料11を配置する。この試料11には開口部を
有する。
【0079】そして排気口17から真空槽13内を図示
しない排気手段により真空排気後、ガス導入口15から
炭素を含むガスとしてメタン(CH4 )ガスを真空槽1
3内に導入し、この真空槽13内の真空度を0.1to
rrになるように調整する。
【0080】そして試料11には、マッチング回路19
を介して13.56MHzの発振周波数を有する高周波
電源21から400Wの高周波電力を印加する。
【0081】さらに試料11の開口内面で、しかも開口
中央部には、磁石からなる補助電極23を挿入するよう
に配置して、プラズマを発生させる。この磁石からなる
補助電極23は、サマリウムコバルト(SmCo)磁石
で構成する。
【0082】このときプラズマは、試料11の外周部だ
けでなく、試料11の開口内面にもプラズマは発生して
いるので、試料11の開口内面にも硬質カーボン膜を形
成することができる。そして硬質カーボン膜は、試料1
1の外周部と開口内面とではその膜質に差は発生してい
ない。
【0083】このときの磁石からなる補助電極23の磁
力の大きさと、試料11開口内面に形成する硬質カーボ
ン膜厚との関係を、図6のグラフに示す。
【0084】図6のグラフにおいては、磁石からなる補
助電極23の磁力をゼロガウスから40ガウスまで変化
させ、さらに試料11の開口内面と補助電極23との間
の隙間寸法が3mmと5mmのときの硬質カーボン膜の
膜厚を示す。なお曲線55が試料11の開口内面と補助
電極23との間の隙間が3mmのときの特性を示し、曲
線57が試料11の開口内面と補助電極23との間の隙
間が5mmのときの特性を示す。
【0085】図6の曲線55、57に示すように、補助
電極23の磁力が大きくなるにつれて、硬質カーボン膜
の膜形成速度は向上している。さらにまた試料11の開
口内面と補助電極23との間の隙間寸法が大ききなるほ
ど、硬質カーボン膜の膜形成速度は向上している。
【0086】そして曲線55、すなわち試料11の開口
内面と補助電極23との間の隙間寸法が3mmのとき
は、補助電極23の磁力の大きさがゼロガウス、すなわ
ち補助電極23を磁石で構成していないときは、試料1
1の開口内面にプラズマが発生せず、硬質カーボン膜は
形成できない。
【0087】しかしながら試料11の開口内面と補助電
極23との間の隙間寸法が3mmのときでも、補助電極
23を磁石で構成して、その磁力を高くしていくと、補
助電極23周囲の開口内面にプラズマが発生し、硬質カ
ーボン膜を形成することができる。
【0088】この図2を使用して説明する硬質カーボン
膜の被膜形成方法においては、試料11の開口内に挿入
するように配置し、しかも磁石で構成する補助電極23
によって、試料11の外周部だけでなく、試料11の開
口内面にもプラズマ領域を形成することができる。
【0089】この試料11の開口内面に挿入するように
配置し、接地電位に接続する補助電極23により、本発
明の硬質カーボン膜の形成方法においては、異常放電で
あるホロー放電の発生はなく、硬質カーボン膜の密着性
が向上する。
【0090】さらに試料11の長手方向の開口内面の全
域で、その電位特性が均一になり、開口内面に形成する
硬質カーボン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開
口奥側との全域にわたって均一な膜厚で形成することが
できる。
【0091】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、試料11の開口内面の中央部に設ける
補助電極23は磁石で構成して、硬質カーボン膜を形成
している。このため補助電極23の周囲領域は磁界の影
響を受け、電子の運動が激しくなる。この電子の運動が
激しくなると、炭素を含むガス分子と電子との衝突確率
が高くなり、ガス分子のイオン化が促進されて、この補
助電極23の周囲領域のプラズマ強度が上がる。
【0092】このため磁石からなる補助電極23を試料
11開口内に配置して硬質カーボン膜を形成する本発明
の被膜形成方法においては、この硬質カーボン膜の膜形
成速度は、補助電極23を磁石で構成していないときと
比らべて高くすることができる。
【0093】さらに試料11の開口大きさが小さくな
り、開口内面と補助電極23との隙間寸法が小さくなる
と、補助電極23を磁石で構成しないで硬質カーボン膜
を形成すると、開口内面にはプラズマが発生せず、被膜
形成ができない。
【0094】これに対して本発明の硬質カーボン膜の被
膜形成方法においては、試料11開口内面に配置する補
助電極23を磁石で構成しているので、試料11開口内
の電子の運動が激しくなって、電子とガス分子との衝突
確率が高くなり、試料11の開口内の補助電極23の周
囲領域にプラズマを発生させることができる。
【0095】したがって、補助電極23を磁石で構成し
ないで硬質カーボン膜を形成すると被膜形成ができない
開口大きさが小さい試料にも、補助電極23を磁石で構
成する本発明の硬質カーボン膜の形成方法を適用すれば
被膜形成が可能となる。
【0096】この補助電極23は、試料11の開口大き
さより小さければよく、好ましくは4mm程度の隙間、
すなわちプラズマ形成領域を設けるようにする。さらに
補助電極23の断面形状は円形状あるいは多角形状と
し、試料11に補助電極23を挿入したとき開口長さと
ほぼ同じにするか、あるいは試料11より補助電極23
を突出するように構成する。
【0097】つぎに以上の説明と異なる実施形態におけ
る硬質カーボン膜の形成方法を、図3を使用して説明す
る。図3は本発明の実施形態における硬質カーボン膜の
形成方法を示す断面図である。
【0098】図3に示すように、ガス導入口15と排気
口17とを有する真空槽13内に、硬質カーボン膜を形
成する試料11を配置する。この試料11には開口部を
有する。
【0099】そして排気口17から真空槽13内を図示
しない排気手段により真空排気後、ガス導入口15から
炭素を含むガスとしてメタン(CH4 )ガスを真空槽1
3内に導入し、真空度を0.1torrになるように調
整する。
【0100】その後、この試料11には、直流電源25
からマイナス600Vの直流電圧を印加する。
【0101】さらに試料11の開口内面で、しかも開口
中央部には、磁石からなる補助電極23を挿入するよう
に配置し、プラズマを発生させる。この磁石からなる補
助電極23は、サマリウムコバルト(SmCo)磁石で
構成する。
【0102】このときプラズマは、試料11の外周部だ
けでなく、試料11の開口内面にもプラズマは発生して
いるので、試料11の開口内面にも硬質カーボン膜を形
成することができる。そして硬質カーボン膜は、試料1
1の外周部と開口内面とではその膜質に差は発生してい
ない。
【0103】このときの磁石からなる補助電極23の磁
力の大きさと、試料11開口内面に形成する硬質カーボ
ン膜厚との関係を、図7のグラフに示す。
【0104】図7のグラフにおいては、磁石からなる補
助電極23の磁力をゼロガウスから40ガウスまで変化
させ、さらに試料11の開口内面と補助電極23との間
の隙間寸法が3mmと5mmのときの硬質カーボン膜の
膜厚を示す。なお曲線59が試料11の開口内面と補助
電極23との間の隙間が3mmのときの特性を示し、曲
線61が試料11の開口内面と補助電極23との間の隙
間が5mmのときの特性を示す。
【0105】図7の曲線59、61に示すように、補助
電極23の磁力が大きくなるにつれて、硬質カーボン膜
の膜形成速度は向上している。さらにまた試料11の開
口内面と補助電極23との間の隙間寸法が大きいほど、
硬質カーボン膜の膜形成速度は向上している。
【0106】そして曲線59、すなわち試料11の開口
内面と補助電極23との間の隙間寸法が3mmのとき
は、補助電極23の磁力の大きさがゼロガウス、すなわ
ち補助電極23を磁石で構成していないときは、試料1
1の開口内面にプラズマが発生せず、硬質カーボン膜は
形成できない。
【0107】しかしながら試料11の開口内面と補助電
極23との間の隙間寸法が3mmのときでも、補助電極
23を磁石で構成して、その磁力を高くしていくと、補
助電極23周囲の開口内面にプラズマが発生し、硬質カ
ーボン膜を形成することができる。
【0108】この図3を使用して説明する硬質カーボン
膜の被膜形成方法においては、試料11の開口内に挿入
するように配置し、しかも磁石で構成する補助電極23
によって、試料11の外周部だけでなく、試料11の開
口内面にもプラズマ領域を形成することができる。
【0109】この試料11の開口内面に挿入するように
配置し、接地電位に接続する補助電極23により、本発
明の硬質カーボン膜の形成方法においては、異常放電で
あるホロー放電の発生はなく、硬質カーボン膜の密着性
が向上する。
【0110】さらに試料11の長手方向の開口内面の全
域で、その電位特性が均一になり、開口内面に形成する
硬質カーボン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開
口奥側との全域にわたって均一な膜厚を形成することが
できる。
【0111】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、試料11の開口内面の中央部に設ける
補助電極23は磁石で構成して、硬質カーボン膜を形成
している。このため補助電極23の周囲領域は磁界の影
響を受け、電子の運動が激しくなる。この電子の運動が
激しくなると、ガス分子と電子との衝突確率が高くな
り、炭素を含むガス分子のイオン化が促進されて、この
補助電極23の周囲領域はプラズマ強度を向上させるこ
とができる。
【0112】このために、磁石からなる補助電極23を
試料11開口内に配置して硬質カーボン膜を形成する本
発明の被膜形成方法においては、この硬質カーボン膜の
膜形成速度は、補助電極23を磁石で構成していないと
きと比らべて高くすることができる。
【0113】さらに試料11の開口大きさが小さくな
り、開口内面と補助電極23との隙間寸法が小さくなる
と、補助電極23を磁石で構成しないで硬質カーボン膜
を形成すると、開口内面にはプラズマが発生せず、被膜
形成ができない。
【0114】これに対して本発明の硬質カーボン膜の被
膜形成方法においては、試料11開口内面に配置する補
助電極23を、前述のように磁石で構成している。この
ために、試料11の開口内における電子の運動が激しく
なり、電子とガス分子との衝突確率が高くなって、補助
電極23の周囲領域にプラズマを発生させることができ
る。
【0115】したがって、補助電極23を磁石で構成し
ないで硬質カーボン膜を形成すると被膜形成ができない
開口大きさが小さい試料にも、補助電極23を磁石で構
成する本発明の硬質カーボン膜の形成方法を適用すれば
被膜形成が可能となる。
【0116】この補助電極23は、試料11の開口大き
さより小さければよく、好ましくは4mm程度の隙間、
すなわちプラズマ形成領域を設けるようにする。さらに
補助電極23の断面形状は円形状あるいは多角形状と
し、試料11に補助電極23を挿入したとき開口長さと
ほぼ同じにするか、あるいは試料11より補助電極23
を突出するように構成する。
【0117】図1から図3を用いて説明した本発明の硬
質カーボン膜の形成方法における以上の説明において
は、補助電極23は磁石から構成する実施形態で説明し
たが、補助電極23は帯磁した磁性体で構成してもよ
い。この実施形態を図4の断面図を用いて説明する。
【0118】図4に示すように、ガス導入口15と排気
口17とを有する真空槽13内に、硬質カーボン膜を形
成する試料11を配置する。そしてこの試料11の開口
内面には、接地電位に接続する補助電極23を挿入する
ように設ける。このとき補助電極23が試料11の開口
中央部になるように配置する。
【0119】この試料11の開口中央に配置する補助電
極23は磁性体材料から構成し、さらに真空槽13の外
側にコイル35を設け、このコイル35に電流を流すこ
とによって、補助電極23を磁石とする。
【0120】そして真空槽13内を真空度が3×10-5
torrになるように排気口17から、図示しない排気
手段によって真空排気する。
【0121】その後、ガス導入口15から炭素を含むガ
スとしてベンゼン(C6 H6 )を真空槽13内に導入し
て、この真空槽13内の圧力を5×10-3torrにな
るように制御する。
【0122】そして試料11には直流電源25から直流
電圧を印加し、さらにアノード31にはアノード電源2
7から直流電圧を印加し、さらにフィラメント33には
フィラメント電源29から交流電圧を印加する。
【0123】このとき、直流電源25から試料11に印
加する直流電圧はマイナス3kVを印加し、さらにアノ
ード電源27からアノード31に印加する直流電圧はプ
ラス10Vを印加する。さらにまたフィラメント電源2
9からフィラメント33に印加する電圧は30Aの電流
が流れるように10Vの交流電圧を印加する。
【0124】そして真空槽13内の試料11の周囲領域
と試料11の開口内の補助電極23の周囲領域とにプラ
ズマを発生させて、試料11に硬質カーボン膜を形成し
ている。
【0125】このときのコイル35と磁性体材料からな
る補助電極23の磁力の大きさと、試料開口内面に形成
する硬質カーボン膜厚との関係を、図5のグラフに示
す。
【0126】図5のグラフにおいては、コイル35と磁
性体材料からなる補助電極23の磁力を、コイル35に
流す電流を変えてゼロガウスから40ガウスまで変化さ
せ、さらに試料11の開口内面と補助電極23との間の
隙間寸法が3mmと5mmのときの硬質カーボン膜の膜
厚を示す。なお曲線51が試料11の開口内面と補助電
極23との間の隙間が3mmのときの特性を示し、曲線
53が試料11の開口内面と補助電極23との間の隙間
が5mmのときの特性を示す。
【0127】図5の曲線51、53に示すように、補助
電極23の磁力が大きくなるにつれて、硬質カーボン膜
の膜形成速度は向上する。さらにまた試料11の開口内
面と補助電極23との間の隙間寸法が大きいほど、硬質
カーボン膜の膜形成速度は向上している。
【0128】そして曲線51、すなわち試料11の開口
内面と補助電極23との間の隙間寸法が3mmのとき
は、補助電極23の磁力の大きさがゼロガウス、すなわ
ち補助電極23をコイル35と磁性体で構成していない
ときは、試料11の開口内面にプラズマが発生せず、硬
質カーボン膜は形成できない。
【0129】しかしながら試料11の開口内面と補助電
極23との間の隙間寸法が3mmのときでも、補助電極
23をコイル35と磁性体で構成し、コイル35に流す
電流を増加させその磁力を高くしていくと、補助電極2
3周囲の開口内面にプラズマが発生し、硬質カーボン膜
を形成することができる。
【0130】この図4を使用して説明する硬質カーボン
膜の被膜形成方法においては、試料11の開口内に挿入
するように配置し、しかも磁性体で構成する補助電極2
3によって、試料11の外周部だけでなく、試料11開
口内面にもプラズマ領域を形成することができる。
【0131】この試料11の開口内面に挿入するように
配置し接地電位に接続する補助電極23により、本発明
の被膜形成方法においては、異常放電であるホロー放電
の発生はなく、硬質カーボン膜の密着性が向上する。
【0132】さらに試料11の長手方向の開口内面の全
域で、その電位特性が均一になり、開口内面に形成する
硬質カーボン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開
口奥側との試料11開口の全域にわたって均一な膜厚で
形成することができる。
【0133】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、試料11の開口内面の中央部に設ける
補助電極23はコイル35と磁性体材料で構成し、硬質
カーボン膜を形成している。このため補助電極23の周
囲領域は磁界の影響を受け、電子の運動が激しくなる。
この電子の運動が激しくなると、ガス分子と電子との衝
突確率が高くなり、炭素を含むガス分子のイオン化が促
進されて、この補助電極23の周囲領域はプラズマ強度
が上がる。
【0134】このため磁石から構成する補助電極23を
試料11開口内に配置して硬質カーボン膜を形成する本
発明の被膜形成方法においては、この硬質カーボン膜の
膜形成速度は、補助電極23を磁石で構成していないと
きと比らべて高くすることができる。
【0135】さらに試料11の開口大きさが小さくな
り、開口内面と補助電極23との隙間寸法が小さくなる
と、補助電極23を磁石で構成しないで硬質カーボン膜
を形成すると、開口内面にはプラズマが発生せず、被膜
形成ができない。
【0136】これに対して本発明の硬質カーボン膜の被
膜形成方法においては、試料11開口内面に配置する補
助電極23を磁性体とコイル35で構成している。この
ために試料11開口内の電子の運動が激しくなり、電子
とガス分子との衝突確率が高くなって、補助電極23の
周囲領域の試料11開口内にプラズマを発生させること
ができる。
【0137】したがって、補助電極23を磁石で構成し
ないで硬質カーボン膜を形成すると被膜形成ができない
開口大きさが小さい試料にも、補助電極23を磁性体と
コイル35で構成する本発明の硬質カーボン膜の形成方
法を適用すれば被膜形成が可能となる。
【0138】この補助電極23は、試料11の開口大き
さより小さければよく、好ましくは4mm程度の隙間、
すなわちプラズマ形成領域を設けるようにする。さらに
補助電極23の断面形状は円形状あるいは多角形状と
し、試料11に補助電極23を挿入したとき開口長さと
ほぼ同じにするか、あるいは試料11より補助電極23
を突出するように構成する。
【0139】さらに図4を用いて説明した実施形態にお
いては、補助電極23をコイル35と磁性体材料で構成
する例で説明したが、図2と図3とを用いて説明した実
施形態に、コイルと磁性体材料で構成する補助電極を用
いて硬質カーボン膜を形成しても、以上の説明と同じ効
果が得られる。
【0140】図1から図4を用いて説明した本発明の硬
質カーボン膜の形成方法における以上の説明において
は、試料11の外周部と開口内面とに硬質カーボン膜を
形成する実施形態で説明したが、開口内面にのみに硬質
カーボン膜を形成するすることができる。
【0141】そのときは、試料11の外周部に被覆部材
を配置する方法や、簡易的にはアルミニウム箔を試料1
1の外周部に巻き付けるように形成してもよい。
【0142】さらに図1から図4を用いて説明した本発
明の硬質カーボン膜の形成方法における以上の説明にお
いては、試料11に直接硬質カーボン膜を形成する実施
形態で説明したが、中間層を介して硬質カーボン膜を形
成してもよい。
【0143】そのときは、この中間層としては、周期律
表第IV族のシリコン(Si)やゲルマニウム(Ge)
や、あるいはシリコンやゲルマニウムの化合物でもよ
い。あるいはこの中間層としては、シリコンカーバイト
(SiC)やチタンカーバイト(TiC)のような炭素
を含む化合物でもよい。
【0144】さらに中間層としては、チタン(Ti)や
クロム(Cr)と、シリコンやゲルマニウムとの2層膜
でもよい。このとき中間層の下層のチタンやクロムは試
料との密着性を保つ役割をもち、中間層の上層のシリコ
ンやゲルマニウムは硬質カーボン膜と共有結合して、こ
の硬質カーボン膜と強く結合する役割をもつ。
【0145】さらにまた中間層としては、チタン化合物
やクロム化合物とシリコン化合物やゲルマニウム化合物
との2層膜でもよく、あるいはチタンやクロムとシリコ
ン化合物やゲルマニウム化合物との2層膜でもよく、あ
るいはチタン化合物やクロム化合物とシリコンやゲルマ
ニウムとの2層膜としてもよい。
【0146】そしてこの中間層の形成方法としては、ス
パッタリング法やイオンプレーティング法や化学気相成
長(CVD)法や溶射法を適用すればよい。
【0147】さらにまた図1から図4を用いて説明した
本発明の硬質カーボン膜の形成方法における以上の本発
明の硬質カーボン膜の形成方法の説明においては、炭素
を含むガスとしてメタンガスやベンゼンガスを用いる実
施形態で説明したが、メタンやベンゼン以外にエチレン
などの炭素を含むガスや、あるいはヘキサンなどの炭素
を含む液体の蒸発蒸気も使用することができる。
【0148】さらに試料11が鉄合金などの磁性体材料
であるときは、試料11自身を帯磁させて硬質カーボン
膜形成を行っても、以上の説明と同じ効果が得られる。
【0149】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
硬質カーボン膜の被膜形成方法では、試料の開口内面
に、磁石あるいはコイルと磁性体材料からなり、しかも
接地電位に接続する補助電極を配置して硬質カーボン膜
を形成している。そして試料には高周波電力あるいは負
の直流電圧を印加する。
【0150】このため、同電位の電極どうしが対向して
いる開口内面に、接地電位に接続する補助電極を設ける
こととなり、同電位どうしが対向することがなくなり、
異常放電であるホロー放電は発生しない。そのため、密
着性が良好な硬質カーボン膜を試料に形成することがで
きる。
【0151】さらに本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、接地電位に接続する補助電極を試料の開口
内面に配置して被膜形成しており、試料の長手方向の開
口内面の全域で、電位特性を均一にすることができる。
この結果、開口内面に形成する硬質カーボン膜の膜厚分
布の発生がなく、試料の開口端面と開口中側との全域に
わたって均一な膜厚を形成することができるという効果
ももつ。
【0152】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、試料の開口内面の中央部に設ける補助
電極は、磁石あるいはコイルと磁性体材料からなる帯磁
した磁性体で構成し、硬質カーボン膜を形成している。
【0153】このため試料開口内の電子は磁界の影響を
受けて、電子の運動が激しくなる。この電子の運動が激
しくなると、必然的に炭素を含むガス分子と電子との衝
突確率が増え、ガス分子のイオン化が促進されて、この
補助電極の周囲領域はプラズマ強度が高くなる。
【0154】このために磁石あるいは帯磁した磁性体で
構成する補助電極を試料開口内に配置して硬質カーボン
膜を形成する本発明においては、硬質カーボン膜の膜形
成速度は、補助電極を磁石あるいは帯磁した磁性体で構
成しないときと比らべて高くすることができる。
【0155】さらに試料の開口大きさが小さくなって、
開口内面と補助電極との間の隙間寸法が小さくなると、
補助電極を補助電極を磁石あるいは帯磁した磁性体で構
成しないで硬質カーボン膜を形成すると、試料の開口内
面にはプラズマが発生せず、被膜形成ができない。
【0156】これに対して本発明の硬質カーボン膜の形
成方法においては、開口内面に配置する補助電極を磁石
あるいは帯磁した磁性体で構成しており、試料開口内の
電子の運動を激しくさせることができる。このことによ
り試料開口内面の補助電極との間の隙間寸法が小さい場
合でも、プラズマを発生させることができる。
【0157】したがって、磁石あるいは帯磁した磁性体
で構成しない補助電極を用いた硬質カーボン膜の形成方
法では被膜形成ができない開口大きさが小さい試料に
も、磁石あるいは帯磁した磁性体で構成する補助電極を
用いる本発明の硬質カーボン膜の形成方法を適用すれば
被膜形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における硬質カーボン膜の形
成方法を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態における硬質カーボン膜の形
成方法を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態における硬質カーボン膜の形
成方法を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態における硬質カーボン膜の形
成方法を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態における硬質カーボン膜の形
成方法の補助電極の磁力と硬質カーボン膜の膜形成速度
との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の実施形態における硬質カーボン膜の形
成方法の補助電極の磁力と硬質カーボン膜の膜形成速度
との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の実施形態における硬質カーボン膜の形
成方法の補助電極の磁力と硬質カーボン膜の膜形成速度
との関係を示すグラフである。
【図8】従来技術における硬質カーボン膜の形成方法を
示す断面図である。
【符号の説明】
11 試料 13 真空槽 15 ガス導入口 17 排気口 21 高周波電源 23 補助電極 25 直流電源 35 コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸井田 孝志 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料の開口内面に接地電位に接続し磁石
    からなる補助電極を挿入するように試料を真空槽の中に
    配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含む
    ガスを真空槽内に導入し、試料に直流電圧を印加しアノ
    ードに直流電圧を印加しフィラメントに交流電圧を印加
    してプラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を形成
    することを特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 中間層を形成した試料の開口内面に接地
    電位に接続し磁石からなる補助電極を挿入するように試
    料を真空槽内に配置し、真空槽内を排気した後、ガス導
    入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に直
    流電圧を印加しアノードに直流電圧を印加しフィラメン
    トに交流電圧を印加してプラズマを発生させて試料に硬
    質カーボン膜を形成することを特徴とする硬質カーボン
    膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 試料の開口内面に接地電位に接続し帯磁
    した磁性体からなる補助電極を挿入するように試料を真
    空槽の中に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から
    炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に直流電圧を
    印加しアノードに直流電圧を印加しフィラメントに交流
    電圧を印加してプラズマを発生させて試料に硬質カーボ
    ン膜を形成することを特徴とする硬質カーボン膜の形成
    方法。
  4. 【請求項4】 中間層を形成した試料の開口内面に接地
    電位に接続し帯磁した磁性体からなる補助電極を挿入す
    るように試料を真空槽内に配置し、真空槽内を排気後、
    ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試
    料に直流電圧を印加しアノードに直流電圧を印加しフィ
    ラメントに交流電圧を印加してプラズマを発生させて試
    料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする硬質カ
    ーボン膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 試料の開口内面に接地電位に接続し磁石
    からなる補助電極を挿入するように試料を真空槽内に配
    置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガ
    スを真空槽内に導入し、試料に高周波電力を印加し、プ
    ラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を形成するこ
    とを特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 中間層を形成した試料の開口内面に接地
    電位に接続し磁石からなる補助電極を挿入するように試
    料を真空槽内に配置し、真空槽内を排気した後、ガス導
    入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に高
    周波電力を印加し、プラズマを発生させて試料に硬質カ
    ーボン膜を形成することを特徴とする硬質カーボン膜の
    形成方法。
  7. 【請求項7】 試料の開口内面に接地電位に接続し帯磁
    した磁性体からなる補助電極を挿入するように試料を真
    空槽内に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭
    素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に高周波電力を
    印加し、プラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を
    形成することを特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 中間層を形成した試料の開口内面に接地
    電位に接続し帯磁した磁性体からなる補助電極を挿入す
    るように試料を真空槽内に配置し、真空槽内を排気後、
    ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試
    料に高周波電力を印加し、プラズマを発生させて試料に
    硬質カーボン膜を形成することを特徴とする硬質カーボ
    ン膜の形成方法。
  9. 【請求項9】 試料の開口内面に接地電位に接続し磁石
    からなる補助電極を挿入するように試料を真空槽内に配
    置し、真空槽内を排気した後、ガス導入口から炭素を含
    むガスを真空槽内に導入し、試料に直流電圧を印加し、
    プラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を形成する
    ことを特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 中間層を形成した試料の開口内面に接
    地電位に接続し磁石からなる補助電極を挿入するように
    試料を真空槽内に配置し、真空槽内を排気した後、ガス
    導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に
    直流電圧を印加し、プラズマを発生させて試料に硬質カ
    ーボン膜を形成することを特徴とする硬質カーボン膜の
    形成方法。
  11. 【請求項11】 試料の開口内面に接地電位に接続し帯
    磁した磁性体からなる補助電極を挿入するように試料を
    真空槽内に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から
    炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に直流電圧を
    印加し、プラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を
    形成することを特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  12. 【請求項12】 中間層を形成した試料の開口内面に接
    地電位に接続し帯磁した磁性体からなる補助電極を挿入
    するように試料を真空槽内に配置し、真空槽内を排気し
    た後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入
    し、試料に直流電圧を印加し、プラズマを発生させて試
    料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする硬質カ
    ーボン膜の形成方法。
  13. 【請求項13】 試料の開口内面に接地電位に接続し磁
    石からなる補助電極を挿入するように試料を真空槽の中
    に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含
    むガスを真空槽内に導入し、試料に直流電圧を印加しア
    ノードに直流電圧を印加しフィラメントに交流電圧を印
    加してプラズマを発生させて試料の外周部を被覆して開
    口内面に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする硬
    質カーボン膜の形成方法。
  14. 【請求項14】 中間層を形成した試料の開口内面に接
    地電位に接続し磁石からなる補助電極を挿入するように
    試料を真空槽内に配置し、真空槽内を排気した後、ガス
    導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に
    直流電圧を印加しアノードに直流電圧を印加しフィラメ
    ントに交流電圧を印加してプラズマを発生させて試料の
    外周部を被覆して開口内面に硬質カーボン膜を形成する
    ことを特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  15. 【請求項15】 試料の開口内面に接地電位に接続し帯
    磁した磁性体からなる補助電極を挿入するように試料を
    真空槽の中に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口か
    ら炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に直流電圧
    を印加しアノードに直流電圧を印加しフィラメントに交
    流電圧を印加してプラズマを発生させて試料の外周部を
    被覆して開口内面に硬質カーボン膜を形成することを特
    徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  16. 【請求項16】 中間層を形成した試料の開口内面に接
    地電位に接続し帯磁した磁性体からなる補助電極を挿入
    するように試料を真空槽内に配置し、真空槽内を排気
    後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入
    し、試料に直流電圧を印加しアノードに直流電圧を印加
    しフィラメントに交流電圧を印加してプラズマを発生さ
    せて試料の外周部を被覆して開口内面に硬質カーボン膜
    を形成することを特徴とする硬質カーボン膜の形成方
    法。
  17. 【請求項17】 試料の開口内面に接地電位に接続し磁
    石からなる補助電極を挿入するように試料を真空槽内に
    配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含む
    ガスを真空槽内に導入し、試料に高周波電力を印加し、
    プラズマを発生させて試料の外周部を被覆して開口内面
    に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする硬質カー
    ボン膜の形成方法。
  18. 【請求項18】 中間層を形成した試料の開口内面に接
    地電位に接続し磁石からなる補助電極を挿入するように
    試料を真空槽内に配置し、真空槽内を排気した後、ガス
    導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に
    高周波電力を印加し、プラズマを発生させて試料の外周
    部を被覆して開口内面に硬質カーボン膜を形成すること
    を特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  19. 【請求項19】 試料の開口内面に接地電位に接続し帯
    磁した磁性体からなる補助電極を挿入するように試料を
    真空槽内に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から
    炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に高周波電力
    を印加し、プラズマを発生させて試料の外周部を被覆し
    て開口内面に硬質カーボン膜を形成することを特徴とす
    る硬質カーボン膜の形成方法。
  20. 【請求項20】 中間層を形成した試料の開口内面に接
    地電位に接続し帯磁した磁性体からなる補助電極を挿入
    するように試料を真空槽内に配置し、真空槽内を排気
    後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入
    し、試料に高周波電力を印加し、プラズマを発生させて
    試料の外周部を被覆して開口内面に硬質カーボン膜を形
    成することを特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  21. 【請求項21】 試料の開口内面に接地電位に接続し磁
    石からなる補助電極を挿入するように試料を真空槽内に
    配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含む
    ガスを真空槽内に導入し、試料に直流電圧を印加し、プ
    ラズマを発生させて試料の外周部を被覆して開口内面に
    硬質カーボン膜を形成することを特徴とする硬質カーボ
    ン膜の形成方法。
  22. 【請求項22】 中間層を形成した試料の開口内面に接
    地電位に接続し磁石からなる補助電極を挿入するように
    試料を真空槽内に配置し、真空槽内を排気した後、ガス
    導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に
    直流電圧を印加し、プラズマを発生させて試料の外周部
    を被覆して開口内面に硬質カーボン膜を形成することを
    特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  23. 【請求項23】 試料の開口内面に接地電位に接続し帯
    磁した磁性体からなる補助電極を挿入するように試料を
    真空槽内に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から
    炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に直流電圧を
    印加し、プラズマを発生させて試料の外周部を被覆して
    開口内面に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする
    硬質カーボン膜の形成方法。
  24. 【請求項24】 中間層を形成した試料の開口内面に接
    地電位に接続し帯磁した磁性体からなる補助電極を挿入
    するように試料を真空槽内に配置し、真空槽内を排気し
    た後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入
    し、試料に直流電圧を印加し、プラズマを発生させて試
    料の外周部を被覆して開口内面に硬質カーボン膜を形成
    することを特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
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