JPH0953178A - 硬質カーボン膜の形成方法 - Google Patents

硬質カーボン膜の形成方法

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JPH0953178A
JPH0953178A JP7208800A JP20880095A JPH0953178A JP H0953178 A JPH0953178 A JP H0953178A JP 7208800 A JP7208800 A JP 7208800A JP 20880095 A JP20880095 A JP 20880095A JP H0953178 A JPH0953178 A JP H0953178A
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JP
Japan
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sample
vacuum chamber
carbon film
hard carbon
voltage
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JP7208800A
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English (en)
Inventor
Osamu Sugiyama
杉山  修
Ryuta Koike
▲龍▼太 小池
Yukio Miya
宮  行男
Takashi Toida
孝志 戸井田
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 試料11の開口内面に接地電位に接続する補
助電極23を挿入するように試料を真空槽13の中に配
置し、真空槽内を排気後、ガス導入口15から炭素を含
むガスを真空槽内に導入し、試料に印加する直流電圧を
徐々に増加させて設定直流電圧を印加し、アノード31
に直流電圧を印加しフィラメント33に交流電圧を印加
してプラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を形成
する。 【効果】 開口内面で同電位同士が対向することがなく
ホロー放電は発生せず、さらに被膜形成の放電初期にお
いて異常放電であるアーク放電は発生しない。そのた
め、密着性の良好な硬質カーボン膜を試料に形成するこ
とができる。そのうえ開口内面に形成する硬質カーボン
膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開口中側とで均
一な膜厚を形成することができるという効果ももつ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硬質カーボン膜の形成方
法に関し、とくに開口部を有する試料に硬質カーボン膜
を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】硬質カーボン膜は黒色を有し、ダイヤモ
ンドによく似た性質をもつ。すなわち硬質カーボン膜
は、高い機械的硬度や低い摩擦係数や良好な電気的絶縁
性や高い熱伝導率や高い耐腐食性をもつ。そのため装飾
品や医療機器や磁気ヘッドや工具などに硬質カーボン膜
を被覆することが提案されている。
【0003】プラズマ化学気相成長法を用いる従来技術
における硬質カーボン膜の形成方法を、図4を用いて説
明する。図4は従来技術における硬質カーボン膜の形成
方法を示す断面図である。
【0004】図4に示すように、ガス導入口15と排気
口17とを有する真空槽13内に、硬質カーボン膜を形
成する試料11を配置する。
【0005】そして排気口17から真空槽13内を真空
排気する。その後、ガス導入口15から炭素を含むガス
を真空槽13内に導入し、設定圧力になるようにガス流
量を調整する。
【0006】その後、フィラメント33にはフィラメン
ト電源29から交流電圧を印加し、アノード31にはア
ノード電源27から直流電圧を印加する。さらに試料1
1には、直流電源25から直流電圧を印加する。そし
て、真空槽13内にプラズマを発生させて、試料11に
硬質カーボン膜を形成している。
【0007】この図4に示す硬質カーボン膜の被膜形成
方法においては、試料11に印加する直流電圧により発
生するプラズマと、交流電圧を印加するフィラメント3
3と直流電圧を印加するアノード31で発生するプラズ
マとが発生する。
【0008】そして硬質カーボン膜を形成するときの真
空槽13内の圧力により、試料11周囲のプラズマか、
フィラメント33とアノード31近傍のプラズマかが主
になって、硬質カーボン膜を形成している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図4を用いて説明した
硬質カーボン膜の形成方法においては、真空槽13内の
圧力が3×10-3torr以上のときは、試料11の周
囲に発生するプラズマが主になって、炭素を含むガスを
分解して硬質カーボン膜を形成する。
【0010】このとき試料11の外周部には硬質カーボ
ン膜を均一性よく形成することができるが、試料11の
開口内面に形成する硬質カーボン膜は密着性が悪く、さ
らに硬度などの膜質が劣る。
【0011】これは、試料11には同じ電圧が印加され
ており、開口内面は同電位の電極どうしが対向している
空間となり、その開口内面でのプラズマはホロー放電と
呼ばれる異常放電を発生する。
【0012】このホロー放電によって形成される硬質カ
ーボン膜は、ポリマーライクな密着性の悪い被膜であ
り、試料11から剥離しやすく、その硬度も低い。
【0013】これに対して真空槽13内の圧力が3×1
-3torrより低いときは、試料11周囲のプラズマ
より、硬質カーボン膜の形成はフィラメント33とアノ
ード31近傍に発生するプラズマがおもに寄与する。
【0014】このとき試料11の外周部には硬質カーボ
ン膜を均一性よく形成することができるが、試料11の
開口内面に形成する硬質カーボン膜は試料11の長手方
向で膜厚を均一に形成することができない。
【0015】ここで、フィラメント33とアノード31
近傍に発生するプラズマでイオン化された炭素イオン
は、試料11に印加する直流負電位に引っ張られて堆積
し、試料11に硬質カーボン膜の被膜形成を行ってい
る。
【0016】前述の真空槽13内の圧力が3×10-3
orrより高いときは、硬質カーボン膜が化学気相成長
的に形成されるのに対して、圧力が3×10-3torr
より低いときは、硬質カーボン膜が物理気相成長的に形
成される。
【0017】このためにフィラメント33とアノード3
1近傍に発生するプラズマがおもに寄与する硬質カーボ
ン膜形成のときは、真空蒸着法などの物理気相成長法と
同様に、試料11の開口内面には開口端面から開口奥側
に向かう従って、硬質カーボン膜の膜厚が薄くなる。こ
の結果、試料11の開口内面に形成する硬質カーボン膜
は試料11の長手方向で膜厚を均一に形成することがで
きない。
【0018】本発明の目的は、上記課題を解決して、開
口内面に密着性よくしかも均一な膜厚で硬質カーボン膜
を形成することが可能な硬質カーボン膜の形成方法を提
供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の硬質カーボン膜の形成方法においては、下記
記載の手段を採用する。
【0020】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽の中に配置し、真空槽内を排気後、
ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試
料に印加する直流電圧を徐々に増加させて設定直流電圧
を印加し、アノードに直流電圧を印加しフィラメントに
交流電圧を印加してプラズマを発生させて試料に硬質カ
ーボン膜を形成することを特徴とする。
【0021】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽の中に配置し、真空槽内を排気後、
ガス導入口から炭素を含むガスを徐々に導入し真空槽内
の圧力を徐々に増加させて設定圧力とし、試料に直流電
圧を印加し、アノードに直流電圧を印加しフィラメント
に交流電圧を印加してプラズマを発生させて試料に硬質
カーボン膜を形成することを特徴とする。
【0022】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽の中に配置し、真空槽内を排気後、
ガス導入口から炭素を含むガスを徐々に導入して真空槽
内の圧力を徐々に増加させて設定圧力とし、さらに試料
に印加する直流電圧を徐々に増加させて設定直流電圧を
印加し、アノードに直流電圧を印加しフィラメントに交
流電圧を印加してプラズマを発生させて試料に硬質カー
ボン膜を形成することを特徴とする。
【0023】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽の中に配置し、真空槽内を排気後、
試料に印加する直流電圧を徐々に増加させて設定直流電
圧を印加し、さらにガス導入口から炭素を含むガスを徐
々に導入して真空槽内の圧力を徐々に増加させて設定圧
力とし、アノードに直流電圧を印加しフィラメントに交
流電圧を印加してプラズマを発生させて試料に硬質カー
ボン膜を形成することを特徴とする。
【0024】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽の中に配置し、真空槽内を排気後、
ガス導入口から炭素を含むガスを徐々に導入し真空槽内
の圧力を徐々に増加させると同時に試料に印加する直流
電圧を徐々に増加させ、真空槽内を設定圧力と試料に印
加する直流電圧を設定直流電圧とし、アノードに直流電
圧を印加しフィラメントに交流電圧を印加してプラズマ
を発生させて試料に硬質カーボン膜を形成することを特
徴とする。
【0025】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空
槽内に導入し、試料に印加する直流電圧を徐々に増加さ
せて設定直流電圧を印加し、アノードに直流電圧を印加
しフィラメントに交流電圧を印加してプラズマを発生さ
せて試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とす
る。
【0026】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを徐々
に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加させて設定圧力と
し、試料に直流電圧を印加し、アノードに直流電圧を印
加しフィラメントに交流電圧を印加してプラズマを発生
させて試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とす
る。
【0027】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを徐々
に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加させて設定圧力と
し、さらに試料に印加する直流電圧を徐々に増加させて
設定直流電圧を印加し、アノードに直流電圧を印加しフ
ィラメントに交流電圧を印加してプラズマを発生させて
試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする。
【0028】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
空槽内を排気後、試料に印加する直流電圧を徐々に増加
させ設定直流電圧を印加し、さらにガス導入口から炭素
を含むガスを徐々に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加
させて設定圧力とし、アノードに直流電圧を印加しフィ
ラメントに交流電圧を印加してプラズマを発生させて試
料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする。
【0029】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを徐々
に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加させると同時に試
料に印加する直流電圧を徐々に増加させ、真空槽内を設
定圧力と試料に印加する直流電圧を設定直流電圧とし、
アノードに直流電圧を印加しフィラメントに交流電圧を
印加してプラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を
形成することを特徴とする。
【0030】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽の中に配置し、真空槽内を排気後、
ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試
料に印加する高周波電力を徐々に増加させて設定高周波
電力を印加してプラズマを発生させて試料に硬質カーボ
ン膜を形成することを特徴とする。
【0031】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽の中に配置し、真空槽内を排気後、
ガス導入口から炭素を含むガスを徐々に導入し真空槽内
の圧力を徐々に増加させて設定圧力とし、試料に高周波
電力を印加してプラズマを発生させて試料に硬質カーボ
ン膜を形成することを特徴とする。
【0032】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽の中に配置し、真空槽内を排気後、
ガス導入口から炭素を含むガスを徐々に導入して真空槽
内の圧力を徐々に増加させて設定圧力とし、さらに試料
に印加する高周波電力を徐々に増加させて設定高周波電
力を印加してプラズマを発生させて試料に硬質カーボン
膜を形成することを特徴とする。
【0033】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽の中に配置し、真空槽内を排気後、
試料に印加する高周波電力を徐々に増加させて設定高周
波電力を印加し、さらにガス導入口から炭素を含むガス
を徐々に導入して真空槽内の圧力を徐々に増加させて設
定圧力としてプラズマを発生させて試料に硬質カーボン
膜を形成することを特徴とする。
【0034】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽の中に配置し、真空槽内を排気後、
ガス導入口から炭素を含むガスを徐々に導入し真空槽内
の圧力を徐々に増加させると同時に試料に印加する高周
波電力を徐々に増加させ、真空槽内を設定圧力と試料に
印加する高周波電力を設定高周波電力としてプラズマを
発生させて試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴
とする。
【0035】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空
槽内に導入し、試料に印加する高周波電力を徐々に増加
させて設定高周波電力を印加してプラズマを発生させて
試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする。
【0036】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを徐々
に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加させて設定圧力と
し、試料に高周波電力を印加してプラズマを発生させて
試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする。
【0037】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを徐々
に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加させて設定圧力と
し、さらに試料に印加する高周波電力を徐々に増加させ
て設定高周波電力を印加してプラズマを発生させて試料
に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする。
【0038】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
空槽内を排気後、試料に印加する高周波電力を徐々に増
加させて設定高周波電力を印加し、さらにガス導入口か
ら炭素を含むガスを徐々に導入し真空槽内の圧力を徐々
に増加させて設定圧力としてプラズマを発生させて試料
に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする。
【0039】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを徐々
に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加させると同時に試
料に印加する高周波電力を徐々に増加させ、真空槽内を
設定圧力と試料に印加する高周波電力を設定高周波電力
としてプラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を形
成することを特徴とする。
【0040】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽の中に配置し、真空槽内を排気後、
ガス導入口から炭素を含むガスを真空槽内に導入し、試
料に印加する直流電圧を徐々に増加させて設定直流電圧
を印加してプラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜
を形成することを特徴とする。
【0041】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽の中に配置し、真空槽内を排気後、
ガス導入口から炭素を含むガスを徐々に導入し真空槽内
の圧力を徐々に増加させて設定圧力とし、試料に直流電
圧を印加してプラズマを発生させて試料に硬質カーボン
膜を形成することを特徴とする。
【0042】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽の中に配置し、真空槽内を排気後、
ガス導入口から炭素を含むガスを徐々に導入し真空槽内
の圧力を徐々に増加させて設定圧力とし、さらに試料に
印加する直流電圧を徐々に増加させて設定直流電圧を印
加してプラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を形
成することを特徴とする。
【0043】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽の中に配置し、真空槽内を排気後、
試料に印加する直流電圧を徐々に増加させて設定直流電
圧を印加し、さらにガス導入口から炭素を含むガスを徐
々に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加させて設定圧力
としてプラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を形
成することを特徴とする。
【0044】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、試
料の開口内面に接地電位に接続する補助電極を挿入する
ように試料を真空槽の中に配置し、真空槽内を排気後、
ガス導入口から炭素を含むガスを徐々に導入し真空槽内
の圧力を徐々に増加させると同時に試料に印加する直流
電圧を徐々に増加させ、真空槽内を設定圧力と試料に印
加する直流電圧を設定直流電圧としてプラズマを発生さ
せて試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とす
る。
【0045】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空
槽内に導入し、試料に印加する直流電圧を徐々に増加さ
せて設定直流電圧を印加してプラズマを発生させて試料
に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする。
【0046】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを徐々
に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加させて設定圧力と
し、試料に直流電圧を印加してプラズマを発生させて試
料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする。
【0047】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを徐々
に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加させて設定圧力と
し、さらに試料に印加する直流電圧を徐々に増加させて
設定直流電圧を印加してプラズマを発生させて試料に硬
質カーボン膜を形成することを特徴とする。
【0048】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
空槽内を排気後、試料に印加する直流電圧を徐々に増加
させ設定直流電圧を印加し、さらにガス導入口から炭素
を含むガスを徐々に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加
させて設定圧力としてプラズマを発生させて試料に硬質
カーボン膜を形成することを特徴とする。
【0049】本発明の硬質カーボン膜の形成方法は、中
間層を形成した試料の開口内面に接地電位に接続する補
助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを徐々
に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加させると同時に試
料に印加する直流電圧を徐々に増加させ、真空槽内を設
定圧力と試料に印加する直流電圧を設定直流電圧として
プラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を形成する
ことを特徴とする。
【0050】
【作用】本発明の硬質カーボン膜の形成方法において
は、試料の開口内面の開口の中央部に、接地電位に接続
する補助電極を配置して硬質カーボン膜を形成する。そ
して硬質カーボン膜を形成する試料には、負の直流電圧
あるいは高周波電力を印加する。
【0051】その結果、同電位の電極どうしが対向して
いる試料開口内面に、接地電位に接続する補助電極を設
けることとなり、同電位同士が対向することがなくな
る。
【0052】このような電位状態は、プラスマ化学気相
成長法にとってもっとも望ましい状態であり、異常放電
であるホロー放電は発生しない。そのため、密着性の良
好な硬質カーボン膜を試料に形成することができる。
【0053】さらに本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、接地電位に接続する補助電極を試料の開口
内面に配置しており、試料の長手方向の開口内面で電位
特性が均一になる。
【0054】この結果、開口内面に形成する硬質カーボ
ン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開口奥側とで
均一な膜厚を形成することができるという効果ももつ。
【0055】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、試料に印加する直流電圧あるいは高周
波電力を徐々に増加させて、設定直流電圧あるいは設定
高周波電力を試料に印加している。
【0056】直流電圧あるいは高周波電力を試料に印加
する初期状態である放電初期は、放電が不安定になる。
そしてこのとき設定電圧や設定高周波電力を短時間のう
ちに印加すると、試料表面の微小な汚れや付着したちり
などが引き金となり、アーク放電が発生する。とくにこ
のアーク放電は、電位の集中する試料のエッジ領域で発
生しやすい。
【0057】この放電初期は硬質カーボン膜の形成初期
であり、この形成初期に形成される膜質で硬質カーボン
膜の密着性が決定される重要な期間である。したがっ
て、放電初期にアーク放電の異常放電が発生すると、試
料に対する硬質カーボン膜の密着性が低下して、硬質カ
ーボン膜は試料から剥離する。
【0058】そこで本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、放電初期の試料に印加する電圧を低くし、
さらに試料に印加する直流電圧あるいは高周波電力を徐
々に増加させている。この結果、異常放電であるアーク
放電が発生せず、さらに試料エッジ領域の電位の集中を
低減することができる。
【0059】このような理由によって本発明の硬質カー
ボン膜の形成方法においては、試料に対する硬質カーボ
ン膜の密着性が良好となる。
【0060】そのうえ本発明の硬質カーボン膜の形成方
法においては、真空槽内を高真空状態に真空排気したの
ち、ガス導入口から炭素を含むガスを徐々に導入して、
真空槽内の圧力を徐々に増加させて、設定圧力としてい
る。
【0061】試料に電圧を印加する初期状態である放電
初期は、放電が不安定になる。そして真空槽内の圧力が
高い状態は、真空槽内に電子などの電荷が多い状態であ
り、空間インピーダンスが低く、異常放電が発生しやす
い。
【0062】この放電初期は硬質カーボン膜の形成初期
であり、この形成初期に形成される膜質で硬質カーボン
膜の密着性が左右される重要な期間である。したがっ
て、放電初期に異常放電が発生すると、試料に対する硬
質カーボン膜の密着性が低下して、硬質カーボン膜は試
料から剥離してしまう。
【0063】そこで本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、放電初期の真空槽内の圧力を低くし、その
後ガス導入口から炭素を含むガスを徐々に導入して、真
空槽内の圧力を徐々に増加させている。
【0064】この結果、異常放電の発生を抑制すること
ができる。このような理由によって本発明の硬質カーボ
ン膜の形成方法においては、試料に対する硬質カーボン
膜の密着性が良好となる。
【0065】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例における
硬質カーボン膜の形成方法を説明する。図1は本発明の
実施例における硬質カーボン膜の形成方法を示す断面図
である。
【0066】図1に示すように、ガス導入口15と排気
口17とを有する真空槽13内に、硬質カーボン膜を形
成する試料11を配置する。そしてこの試料11の開口
内面には、接地電位に接続する補助電極23を挿入する
ように設ける。このとき補助電極23が試料11の開口
中央部になるように配置する。
【0067】そして真空槽13内を真空度が3×10-5
torrになるように排気口17から、図示しない排気
手段によって真空排気する。
【0068】その後、ガス導入口15から炭素を含むガ
スとしてベンゼン(C6 H6 )を真空槽13内に導入し
て、真空槽13内の圧力を5×10-3torrになるよ
うに制御する。
【0069】そしてアノード31にはアノード電源27
から直流電圧を印加し、さらにフィラメント33にはフ
ィラメント電源29から交流電圧を印加する。このとき
アノード電源27からアノード31に印加する直流電圧
はプラス10Vを印加する。さらにまたフィラメント電
源29からフィラメント33に印加する電圧は30Aの
電流が流れるように10Vの交流電圧を印加する。
【0070】そして試料11には直流電源25から直流
電圧を印加する。このとき試料11には直流電源25か
らマイナス3kVを印加する。
【0071】本発明の硬質カーボン膜の形成方法におい
ては、試料11に印加する直流負電圧は、図5のグラフ
に示すように、徐々に高くしながら試料11に印加す
る。この図5のグラフは、横軸は時間を示し、縦軸は試
料11に印加する直流負電圧を示す。
【0072】すなわち本発明の硬質カーボン膜の形成方
法においては、試料11に印加する直流電圧を、ゼロV
から設定電圧であるマイナス3kVまで徐々に昇圧させ
る。そして、この昇圧時間としては2分とする。
【0073】そして真空槽13内に配置する試料11の
周囲領域にプラズマを発生させ、試料11に硬質カーボ
ン膜を形成している。
【0074】この図1に示す硬質カーボン膜の被膜形成
方法においては、試料11の開口内面に挿入するように
配置し、接地電圧に接続する補助電極23により、試料
11の外周部だけでなく、試料11開口内面にもプラズ
マを形成することができる。
【0075】この試料11の開口内面に挿入する補助電
極23により、異常放電であるホロー放電の発生はな
く、硬質カーボン膜の密着性が向上する。
【0076】さらに試料11の長手方向の開口内面で、
その電位特性が均一になり、開口内面に形成する硬質カ
ーボン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開口奥側
とで均一な膜厚を形成することができる。
【0077】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、直流電源25から試料11に印加する
直流電圧を徐々に増加させて、設定直流電圧であるマイ
ナス3kVを試料11に印加している。
【0078】直流電圧を試料11に印加する初期状態で
ある放電初期は、放電が不安定になる。そしてこのとき
設定直流負電圧を短時間のうちに印加すると、試料11
表面の微小な汚れや付着したちりなどが引き金となり、
アーク放電が発生する。とくにこのアーク放電は、電位
の集中する試料11のエッジ領域で発生しやすい。
【0079】この放電初期は硬質カーボン膜の形成初期
であり、この形成初期に形成される膜質で硬質カーボン
膜の密着性が決定される重要な期間である。したがっ
て、放電初期にアーク放電の異常放電が発生すると、試
料11に対する硬質カーボン膜の密着性が低下して、硬
質カーボン膜は試料から剥離することになる。
【0080】そこで本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、放電初期の試料11に印加する電圧を低く
し、さらに試料11に印加する直流負電圧を徐々に増加
させている。この結果、異常放電であるアーク放電が発
生せず、さらに試料11のエッジ領域の電位の集中を低
減することができる。
【0081】このような理由によって本発明の硬質カー
ボン膜の形成方法においては、試料11に対する硬質カ
ーボン膜の密着性が良好となる。
【0082】この補助電極23は、試料11の開口大き
さより小さければよく、好ましくは4mm程度の隙間、
すなわちプラズマ形成領域を設けるようにする。そして
この補助電極23は、ステンレスのような金属材料で形
成すればよい。
【0083】さらに補助電極23の断面形状は円形と
し、試料11に補助電極23を挿入したとき開口長さと
ほぼ同じにするか、あるいは試料より補助電極23を突
出するように構成する。
【0084】ここで補助電極23の断面形状は、試料1
1の開口の断面形状に合わせてもよい。すなわち試料1
1開口の断面形状が四角形であれば補助電極23の断面
形状は四角形とし、試料11開口の断面形状が円形であ
れば補助電極23の断面形状は円形とする。
【0085】つぎに以上の説明と異なる実施例における
硬質カーボン膜の形成方法を、図1を用いて説明する。
【0086】図1に示すように、ガス導入口15と排気
口17とを有する真空槽13内に、硬質カーボン膜を形
成する試料11を配置する。そしてこの試料11の開口
内面には、接地電位に接続する補助電極23を挿入する
ように設ける。このとき補助電極23が試料11の開口
中央部になるように配置する。
【0087】そして真空槽13内を真空度が3×10-5
torrになるように排気口17から、図示しない排気
手段によって真空排気する。
【0088】そして試料11には、直流電源25から直
流負電圧であるマイナス3kVを印加する。そしてアノ
ード31には、アノード電源27から直流正電圧である
プラス10Vを印加し、さらにフィラメント33にはフ
ィラメント電源29から交流電圧を印加する。このとき
フィラメント電源29からフィラメント33に印加する
電圧は、30Aの電流が流れるように10Vの交流電圧
を印加する。
【0089】その後、ガス導入口15から炭素を含むガ
スとしてベンゼン(C6 H6 )を真空槽13内に徐々に
導入して、真空槽13内の圧力を5×10-3torrに
なるように制御する。
【0090】本発明の硬質カーボン膜の形成方法におい
ては、真空槽13内の圧力を図6のグラフに示すよう
に、徐々に高くするように、ガス導入口15から炭素を
含むガスを徐々に真空槽13に導入する。この図6のグ
ラフは、横軸は時間を示し、縦軸は真空槽13内の圧力
を示す。
【0091】すなわち本発明の硬質カーボン膜の形成方
法においては、真空槽13内の圧力を、3×10-5to
rrから設定圧力である5×10-3torrまで徐々に
昇圧させる。そして、この昇圧時間としては5分とす
る。
【0092】そして真空槽13内に配置する試料11の
周囲領域にプラズマを発生させ、試料11に硬質カーボ
ン膜を形成している。
【0093】この図1に示す硬質カーボン膜の被膜形成
方法においては、試料11の開口内面に挿入するように
配置し、接地電圧に接続する補助電極23により、試料
11の外周部だけでなく、試料11開口内面にもプラズ
マを形成することができる。
【0094】この試料11の開口内面に挿入する補助電
極23により、異常放電であるホロー放電の発生はな
く、硬質カーボン膜の密着性が向上する。
【0095】さらに試料11の長手方向の開口内面で、
その電位特性が均一になり、開口内面に形成する硬質カ
ーボン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開口奥側
とで均一な膜厚を形成することができる。
【0096】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、真空槽13内の圧力が徐々に増加する
ように、ガス導入口15から導入するベンゼン(C6 H
6 )を徐々に導入して、設定圧力である5×10-3to
rrになるまで時間5分を要するように昇圧している。
【0097】試料11に直流負電圧を印加する初期状態
である放電初期は、放電が不安定になる。そして真空槽
13内の圧力が高い状態は、真空槽13内に電子などの
電荷が多い状態であり、空間インピーダンスが低く、異
常放電が発生しやすい。
【0098】この放電初期は硬質カーボン膜の形成初期
であり、この形成初期に形成される膜質で硬質カーボン
膜の密着性が左右される重要な期間である。したがっ
て、放電初期に異常放電が発生すると、試料11に対す
る硬質カーボン膜の密着性が低下して、硬質カーボン膜
は試料11から剥離してしまう。
【0099】そこで本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、放電初期の真空槽13内の圧力を低くし、
その後ガス導入口15からベンゼン(C6 H6 )を徐々
に導入して、真空槽13内の圧力を徐々に増加させてい
る。
【0100】この結果、硬質カーボン膜の被膜形成の初
期における異常放電の発生を抑制することができる。こ
のような理由によって本発明の硬質カーボン膜の形成方
法においては、試料11に対する硬質カーボン膜の密着
性が良好となる。
【0101】この補助電極23は、試料11の開口大き
さより小さければよく、好ましくは4mm程度の隙間、
すなわちプラズマ形成領域を設けるようにする。そして
この補助電極23は、ステンレスのような金属材料で形
成すればよい。
【0102】さらに補助電極23の断面形状は円形と
し、試料11に補助電極23を挿入したとき開口長さと
ほぼ同じにするか、あるいは試料より補助電極23を突
出するように構成する。
【0103】ここで補助電極23の断面形状は、試料1
1の開口の断面形状に合わせてもよい。すなわち試料1
1開口の断面形状が四角形であれば補助電極23の断面
形状は四角形とし、試料11開口の断面形状が円形であ
れば補助電極23の断面形状は円形とする。
【0104】つぎに以上の説明と異なる実施例における
硬質カーボン膜の形成方法を、図1を用いて説明する。
【0105】図1に示すように、ガス導入口15と排気
口17とを有する真空槽13内に、硬質カーボン膜を形
成する試料11を配置する。そしてこの試料11の開口
内面には、接地電位に接続する補助電極23を挿入する
ように設ける。このとき補助電極23が試料11の開口
中央部になるように配置する。
【0106】そして真空槽13内を真空度が3×10-5
torrになるように排気口17から、図示しない排気
手段によって真空排気する。
【0107】そしてアノード31にはアノード電源27
から直流電圧を印加し、さらにフィラメント33にはフ
ィラメント電源29から交流電圧を印加する。このとき
アノード電源27からアノード31に印加する直流電圧
はプラス10Vを印加する。さらにまたフィラメント電
源29からフィラメント33に印加する電圧は30Aの
電流が流れるように10Vの交流電圧を印加する。
【0108】そして試料11は直流電源25から直流電
圧を印加する。このとき試料11には直流電源25から
マイナス3kVを印加する。
【0109】本発明の硬質カーボン膜の形成方法におい
ては、試料11に印加する直流負電圧と、真空槽13内
の圧力とは、同時に徐々に増加させて、それぞれ設定電
圧と設定圧力とにする。
【0110】すなわち試料11に印加する直流負電圧
は、図5のグラフに示すように、徐々に高くしながら試
料11に印加する。この図5のグラフは、横軸は時間を
示し、縦軸は試料11に印加する直流負電圧を示す。
【0111】図5のグラフに示すように、試料11に印
加する直流電圧を、ゼロVから設定電圧であるマイナス
3kVまで徐々に昇圧させる。そして、この昇圧時間と
しては2分とする。
【0112】さらに図6のグラフに示すように、真空槽
13内圧力を、3×10-5torrから設定圧力である
5×10-3torrまで徐々に昇圧させるように、ガス
導入口15から炭素を含むガスであるベンゼン(C6 H
6 )を徐々に導入する。そして、この昇圧時間としては
5分とする。
【0113】そして真空槽13内に配置する試料11の
周囲領域にプラズマを発生させ、試料11に硬質カーボ
ン膜を形成している。
【0114】この図1に示す硬質カーボン膜の被膜形成
方法においては、試料11の開口内面に挿入するように
配置し、接地電圧に接続する補助電極23により、試料
11の外周部だけでなく、試料11開口内面にもプラズ
マを形成することができる。
【0115】この試料11の開口内面に挿入する補助電
極23により、異常放電であるホロー放電の発生はな
く、硬質カーボン膜の密着性が向上する。
【0116】さらに試料11の長手方向の開口内面で、
その電位特性が均一になり、開口内面に形成する硬質カ
ーボン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開口奥側
とで均一な膜厚を形成することができる。
【0117】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、真空槽13内の圧力が徐々に増加する
ように、ガス導入口15から導入するベンゼン(C6 H
6 )を徐々に導入して、設定圧力である5×10-3to
rrになるまで時間5分を要するように昇圧している。
【0118】試料11に直流負電圧を印加する初期状態
である放電初期は、放電が不安定になる。そして真空槽
13内の圧力が高い状態は、真空槽13内に電子などの
電荷が多い状態であり、空間インピーダンスが低く、異
常放電が発生しやすい。
【0119】この放電初期は硬質カーボン膜の形成初期
であり、この形成初期に形成される膜質で硬質カーボン
膜の密着性が左右される重要な期間である。したがっ
て、放電初期に異常放電が発生すると、試料11に対す
る硬質カーボン膜の密着性が低下して、硬質カーボン膜
は試料11から剥離してしまう。
【0120】そこで本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、放電初期の真空槽13内の圧力を低くし、
その後ガス導入口15からベンゼン(C6 H6 )を徐々
に導入して、真空槽13内の圧力を徐々に増加させてい
る。
【0121】この結果、硬質カーボン膜の被膜形成の初
期における異常放電の発生を抑制することができる。こ
のような理由によって本発明の硬質カーボン膜の形成方
法においては、試料11に対する硬質カーボン膜の密着
性が良好となる。
【0122】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、真空槽13内の圧力を徐々に増加させ
ると同時に、直流電源25から試料11に印加する直流
電圧を徐々に増加させて、設定直流電圧であるマイナス
3kVを試料11に印加している。
【0123】直流電圧を試料11に印加する初期状態で
ある放電初期は、放電が不安定になる。そしてこのとき
設定直流負電圧を短時間のうちに印加すると、試料11
表面の微小な汚れや付着したちりなどが引き金となり、
アーク放電が発生する。とくにこのアーク放電は、電位
の集中する試料11のエッジ領域で発生しやすい。
【0124】この放電初期は硬質カーボン膜の形成初期
であり、この形成初期に形成される膜質で硬質カーボン
膜の密着性が決定される重要な期間である。したがっ
て、放電初期にアーク放電の異常放電が発生すると、試
料11に対する硬質カーボン膜の密着性が低下して、硬
質カーボン膜は試料から剥離することになる。
【0125】そこで本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、放電初期の試料11に印加する電圧を低く
し、さらに試料11に印加する直流負電圧を徐々に増加
させている。この結果、異常放電であるアーク放電が発
生せず、さらに試料11のエッジ領域の電位の集中を低
減することができる。
【0126】このような理由によって本発明の硬質カー
ボン膜の形成方法においては、試料11に対する硬質カ
ーボン膜の密着性が良好となる。
【0127】試料11の開口内に配置する補助電極23
は、試料11の開口大きさより小さければよく、好まし
くは4mm程度の隙間、すなわちプラズマ形成領域を設
けるようにする。そしてこの補助電極23は、ステンレ
スのような金属材料で形成すればよい。
【0128】さらに補助電極23の断面形状は円形と
し、試料11に補助電極23を挿入したとき開口長さと
ほぼ同じにするか、あるいは試料より補助電極23を突
出するように構成する。
【0129】ここで補助電極23の断面形状は、試料1
1の開口の断面形状に合わせてもよい。すなわち試料1
1開口の断面形状が四角形であれば補助電極23の断面
形状は四角形とし、試料11開口の断面形状が円形であ
れば補助電極23の断面形状は円形とする。
【0130】この図1を用いて説明した本発明の実施例
における硬質カーボン膜の被膜形成方法においては、試
料11に印加する直流負電圧と真空槽13内の圧力とを
同時に増加させて、それぞれ設定電圧と設定圧力として
いる。
【0131】しかしながら、試料11に印加する直流負
電圧と真空槽13内の圧力とを同時に増加させるのでは
なく、試料11に印加する直流負電圧を設定電圧とした
のちに、真空槽13内の圧力を設定圧力としてもよい。
【0132】さらに本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、これとは逆の順序である、真空槽13内の
圧力を設定圧力としたのちに、試料11に印加する直流
負電圧を設定電圧とする方法を採用してもよい。
【0133】つぎに以上の説明と異なる実施例における
硬質カーボン膜の形成方法を説明する。図2は本発明の
実施例における硬質カーボン膜の形成方法を示す断面図
である。
【0134】図2に示すように、ガス導入口15と排気
口17とを有する真空槽13内に、硬質カーボン膜を形
成する試料11を配置する。
【0135】そして排気口17から真空槽13内を図示
しない排気手段により、その真空度が3×10-5tor
rになるように真空排気する。
【0136】その後、ガス導入口15から炭素を含むガ
スとしてメタン(CH4 )を真空槽13内に導入し、真
空度を0.1torrになるように調整する。
【0137】そして試料11には、マッチング回路19
を介して13.56MHzの発振周波数を有する高周波
電源21から高周波電力を400W印加する。
【0138】さらに試料11の開口内面で、しかも開口
中央部には、接地電圧を接続する補助電極23を挿入す
るように配置して、プラズマを発生させる。
【0139】本発明の硬質カーボン膜の形成方法におい
ては、試料11に印加する高周波電力は、図5のグラフ
に示すように、徐々に高くしながら試料11に印加す
る。この図5のグラフは、横軸は時間を示し、縦軸は試
料11に印加する高周波電力を示す。
【0140】すなわち本発明の硬質カーボン膜の形成方
法においては、試料11に印加する高周波電力を、ゼロ
Wから設定電力である400Wまで徐々に高くしてい
る。そして、このゼロWから設定電力までの所用時間と
しては2分とする。
【0141】そして真空槽13内に配置する試料11の
周囲領域にプラズマを発生させ、試料11に硬質カーボ
ン膜を形成している。
【0142】この図2に示す硬質カーボン膜の被膜形成
方法においては、試料11の開口内面に挿入するように
配置し、接地電圧に接続する補助電極23により、試料
11の外周部だけでなく、試料11開口内面にもプラズ
マを形成することができる。
【0143】この試料11の開口内面に挿入する補助電
極23により、異常放電であるホロー放電の発生はな
く、硬質カーボン膜の密着性が向上する。
【0144】さらに試料11の長手方向の開口内面で、
その電位特性が均一になり、開口内面に形成する硬質カ
ーボン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開口奥側
とで均一な膜厚を形成することができる。
【0145】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、高周波電源21から試料11に印加す
る高周波電力を徐々に増加させて、印加開始から2分間
要して設定高周波電力である400Wを試料11に印加
している。
【0146】高周波電力を試料11に印加する初期状態
である放電初期は、放電が不安定になる。そしてこのと
き設定高周波負電力を短時間のうちに印加すると、試料
11表面の微小な汚れや付着したちりやほこりなどが引
き金となり、アーク放電が発生する。とくにこのアーク
放電は、電位の集中する試料11のエッジ領域で発生し
やすい。
【0147】この放電初期は硬質カーボン膜の形成初期
であり、この形成初期に形成される膜質で硬質カーボン
膜の密着性が決定される重要な期間である。したがっ
て、放電初期にアーク放電の異常放電が発生すると、試
料11に対する硬質カーボン膜の密着性が低下して、硬
質カーボン膜は試料から剥離することになる。
【0148】そこで本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、放電初期の試料11に印加する電力を低く
し、さらに試料11に印加する高周波電力を徐々に増加
させている。この結果、異常放電であるアーク放電が発
生せず、さらに試料11のエッジ領域の電位の集中を低
減することができる。
【0149】このような理由によって本発明の硬質カー
ボン膜の形成方法においては、試料11に対する硬質カ
ーボン膜の密着性が良好となる。
【0150】試料11の開口内に配置する補助電極23
は、試料11の開口大きさより小さければよく、好まし
くは4mm程度の隙間、すなわちプラズマ形成領域を設
けるようにする。そしてこの補助電極23は、ステンレ
スのような金属材料で形成すればよい。
【0151】さらに補助電極23の断面形状は円形と
し、試料11に補助電極23を挿入したとき開口長さと
ほぼ同じにするか、あるいは試料より補助電極23を突
出するように構成する。
【0152】ここで補助電極23の断面形状は、試料1
1の開口の断面形状に合わせてもよい。すなわち試料1
1開口の断面形状が四角形であれば補助電極23の断面
形状は四角形とし、試料11開口の断面形状が円形であ
れば補助電極23の断面形状は円形とする。
【0153】つぎに以上の説明と異なる実施例における
硬質カーボン膜の形成方法を、図2を用いて説明する。
【0154】図2に示すように、ガス導入口15と排気
口17とを有する真空槽13内に、硬質カーボン膜を形
成する試料11を配置する。
【0155】そして排気口17から真空槽13内を図示
しない排気手段により、その真空度が3×10-5tor
rになるように真空排気する。
【0156】そして試料11には、マッチング回路19
を介して13.56MHzの発振周波数を有する高周波
電源21から高周波電力を400W印加する。
【0157】その後、ガス導入口15から炭素を含むガ
スとしてメタン(CH4 )を真空槽13内に徐々に導入
して、真空度を0.1torrになるように調整する。
【0158】さらに試料11の開口内面で、しかも開口
中央部には、接地電圧を接続する補助電極23を挿入す
るように配置して、プラズマを発生させる。
【0159】本発明の硬質カーボン膜の形成方法におい
ては、真空槽13内の圧力を図6のグラフに示すよう
に、徐々に高くするように、ガス導入口15から炭素を
含むガスであるメタン(CH4 )を徐々に真空槽13に
導入する。この図6のグラフにおいては、横軸は時間を
示し、縦軸は真空槽13内の圧力を示す。
【0160】すなわち本発明の硬質カーボン膜の形成方
法においては、真空槽13内の圧力を、3×10-5to
rrから設定圧力である0.1torrまで徐々に昇圧
させる。そして、この昇圧時間としては5分とする。
【0161】そして真空槽13内に配置する試料11の
周囲領域にプラズマを発生させ、試料11に硬質カーボ
ン膜を形成している。
【0162】この図2に示す硬質カーボン膜の被膜形成
方法においては、試料11の開口内面に挿入するように
配置し、接地電圧に接続する補助電極23により、試料
11の外周部だけでなく、試料11開口内面にもプラズ
マを形成することができる。
【0163】この試料11の開口内面に挿入する補助電
極23により、異常放電であるホロー放電の発生はな
く、硬質カーボン膜の密着性が向上する。
【0164】さらに試料11の長手方向の開口内面で、
その電位特性が均一になり、開口内面に形成する硬質カ
ーボン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開口奥側
とで均一な膜厚を形成することができる。
【0165】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、真空槽13内の圧力が徐々に増加する
ように、ガス導入口15から導入するメタン(CH4 )
を徐々に導入して、設定圧力である0.1torrにな
るまで時間5分を要するように昇圧している。
【0166】試料11に高周波電力を印加する初期状態
である放電初期は、放電が不安定になる。そして真空槽
13内の圧力が高い状態は、真空槽13内に電子などの
電荷が多い状態であり、空間インピーダンスが低く、異
常放電が発生しやすい。
【0167】この放電初期は硬質カーボン膜の形成初期
であり、この形成初期に形成される膜質で硬質カーボン
膜の密着性が左右される重要な期間である。したがっ
て、放電初期に異常放電が発生すると、試料11に対す
る硬質カーボン膜の密着性が低下して、硬質カーボン膜
は試料11から剥離してしまう。
【0168】そこで本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、放電初期の真空槽13内の圧力を低くし、
その後ガス導入口15からメタン(CH4 )を徐々に導
入して、真空槽13内の圧力を徐々に増加させている。
【0169】この結果、硬質カーボン膜の被膜形成の初
期における異常放電の発生を抑制することができる。こ
のような理由によって本発明の硬質カーボン膜の形成方
法においては、試料11に対する硬質カーボン膜の密着
性が良好となる。
【0170】この補助電極23は、試料11の開口大き
さより小さければよく、好ましくは4mm程度の隙間、
すなわちプラズマ形成領域を設けるようにする。そして
この補助電極23は、ステンレスのような金属材料で形
成すればよい。
【0171】さらに補助電極23の断面形状は円形と
し、試料11に補助電極23を挿入したとき開口長さと
ほぼ同じにするか、あるいは試料より補助電極23を突
出するように構成する。
【0172】ここで補助電極23の断面形状は、試料1
1の開口の断面形状に合わせてもよい。すなわち試料1
1開口の断面形状が四角形であれば補助電極23の断面
形状は四角形とし、試料11開口の断面形状が円形であ
れば補助電極23の断面形状は円形とする。
【0173】つぎに以上の説明と異なる実施例における
硬質カーボン膜の形成方法を、図2を用いて説明する。
【0174】図2に示すように、ガス導入口15と排気
口17とを有する真空槽13内に、硬質カーボン膜を形
成する試料11を配置する。そしてこの試料11の開口
内面には、接地電位に接続する補助電極23を挿入する
ように設ける。このとき補助電極23が試料11の開口
中央部になるように配置する。
【0175】そして真空槽13内を真空度が3×10-5
torrになるように排気口17から、図示しない排気
手段によって真空排気する。
【0176】そして試料11には高周波電源19から高
周波電力を印加する。このとき試料11には高周波電源
21から400Wを印加する。
【0177】本発明の硬質カーボン膜の形成方法におい
ては、試料11に印加する高周波電力と、真空槽13内
の圧力とは、同時に徐々に増加させて、それぞれ設定高
周波電力と設定圧力とにする。
【0178】すなわち試料11に印加する高周波電力
は、図5のグラフに示すように、徐々に高くしながら試
料11に印加する。この図5のグラフは、横軸は時間を
示し、縦軸は試料11に印加する高周波電力を示す。
【0179】図5のグラフに示すように、試料11に印
加する高周波電力を、ゼロWから設定高周波電力である
400Wまで徐々に昇圧させる。そして、この昇圧時間
としては2分とする。
【0180】さらに図6のグラフに示すように、真空槽
13内圧力を、3×10-5torrから設定圧力である
0.1torrまで徐々に昇圧するように、ガス導入口
15から炭素を含むガスであるメタン(CH4 )を徐々
に導入する。そして、この昇圧時間としては5分とす
る。
【0181】そして真空槽13内に配置する試料11の
周囲領域にプラズマを発生させ、試料11に硬質カーボ
ン膜を形成している。
【0182】この図1に示す硬質カーボン膜の被膜形成
方法においては、試料11の開口内面に挿入するように
配置し、接地電圧に接続する補助電極23により、試料
11の外周部だけでなく、試料11開口内面にもプラズ
マを形成することができる。
【0183】この試料11の開口内面に挿入する補助電
極23により、異常放電であるホロー放電の発生はな
く、硬質カーボン膜の密着性が向上する。
【0184】さらに試料11の長手方向の開口内面で、
その電位特性が均一になり、開口内面に形成する硬質カ
ーボン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開口奥側
とで均一な膜厚を形成することができる。
【0185】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、真空槽13内の圧力が徐々に増加する
ように、ガス導入口15から導入するメタン(CH4 )
を徐々に導入して、設定圧力である0.1torrにな
るまで時間5分を要するように昇圧している。
【0186】試料11に高周波電力を印加する初期状態
である放電初期は、放電が不安定になる。そして真空槽
13内の圧力が高い状態は、真空槽13内に電子などの
電荷が多い状態であり、空間インピーダンスが低く、異
常放電が発生しやすい。
【0187】この放電初期は硬質カーボン膜の形成初期
であり、この形成初期に形成される膜質で硬質カーボン
膜の密着性が左右される重要な期間である。したがっ
て、放電初期に異常放電が発生すると、試料11に対す
る硬質カーボン膜の密着性が低下して、硬質カーボン膜
は試料11から剥離してしまう。
【0188】そこで本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、放電初期の真空槽13内の圧力を低くし、
その後ガス導入口15からメタン(CH4 )を徐々に導
入して、真空槽13内の圧力を徐々に増加させている。
【0189】この結果、硬質カーボン膜の被膜形成の初
期における異常放電の発生を抑制することができる。こ
のような理由によって本発明の硬質カーボン膜の形成方
法においては、試料11に対する硬質カーボン膜の密着
性が良好となる。
【0190】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、真空槽13内の圧力を徐々に増加させ
ると同時に、高周波電源19から試料11に印加する高
周波電力を徐々に増加させて、設定高周波電力である4
00Wを試料11に印加している。
【0191】高周波電力を試料11に印加する初期状態
である放電初期は、放電が不安定になる。そしてこのと
き設定高周波電力を短時間のうちに印加すると、試料1
1表面の微小な汚れや付着したちりやほこりなどが引き
金となり、アーク放電が発生する。とくにこのアーク放
電は、電位の集中する試料11のエッジ領域で発生しや
すい。
【0192】この放電初期は硬質カーボン膜の形成初期
であり、この形成初期に形成される膜質で硬質カーボン
膜の密着性が決定される重要な期間である。したがっ
て、放電初期にアーク放電の異常放電が発生すると、試
料11に対する硬質カーボン膜の密着性が低下して、硬
質カーボン膜は試料から剥離することになる。
【0193】そこで本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、放電初期の試料11に印加する電力を低く
し、さらに試料11に印加する高周波電力を徐々に増加
させている。この結果、異常放電であるアーク放電が発
生せず、さらに試料11のエッジ領域の電位の集中を低
減することができる。
【0194】このような理由によって本発明の硬質カー
ボン膜の形成方法においては、試料11に対する硬質カ
ーボン膜の密着性が良好となる。
【0195】試料11の開口内に配置する補助電極23
は、試料11の開口大きさより小さければよく、好まし
くは4mm程度の隙間、すなわちプラズマ形成領域を設
けるようにする。そしてこの補助電極23は、ステンレ
スのような金属材料で形成すればよい。
【0196】さらに補助電極23の断面形状は円形と
し、試料11に補助電極23を挿入したとき開口長さと
ほぼ同じにするか、あるいは試料より補助電極23を突
出するように構成する。
【0197】ここで補助電極23の断面形状は、試料1
1の開口の断面形状に合わせてもよい。すなわち試料1
1開口の断面形状が四角形であれば補助電極23の断面
形状は四角形とし、試料11開口の断面形状が円形であ
れば補助電極23の断面形状は円形とする。
【0198】この図2を用いて説明した本発明の実施例
における硬質カーボン膜の被膜形成方法においては、試
料11に印加する高周波電力と真空槽13内の圧力とを
同時に増加させて、それぞれ設定高周波電力と設定圧力
としている。
【0199】しかしながら、試料11に印加する高周波
電力と真空槽13内の圧力とを同時に増加させるのでは
なく、試料11に印加する高周波電力を設定電力とした
のちに、真空槽13内の圧力を設定圧力としてもよい。
【0200】さらに本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、これとは逆の順序である、真空槽13内の
圧力を設定圧力としたのちに、試料11に印加する高周
波電力を設定電力とする方法を採用してもよい。
【0201】つぎに以上の説明と異なる実施例における
硬質カーボン膜の形成方法を、図面を用いて説明する。
図3は本発明の実施例における硬質カーボン膜の形成方
法を示す断面図である。
【0202】図3に示すように、ガス導入口15と排気
口17とを有する真空槽13内に、硬質カーボン膜を形
成する試料11を配置する。そしてこの試料11の開口
内面には、接地電位に接続する補助電極23を挿入する
ように設ける。このとき補助電極23が試料11の開口
中央部になるように配置する。
【0203】そして真空槽13内を真空度が3×10-5
torrになるように排気口17から、図示しない排気
手段によって真空排気する。
【0204】その後、ガス導入口15から炭素を含むガ
スとしてメタン(CH4 )を真空槽13内に導入して、
真空槽13内の真空度が0.1torrになるように制
御する。
【0205】そして試料11には直流電源25から直流
電圧を印加する。このとき試料11には直流電源25か
らマイナス600Vを印加する。
【0206】本発明の硬質カーボン膜の形成方法におい
ては、試料11に印加する直流負電圧は、図5のグラフ
に示すように、徐々に高くしながら試料11に印加す
る。この図5のグラフは、横軸は時間を示し、縦軸は試
料11に印加する直流負電圧を示す。
【0207】すなわち本発明の硬質カーボン膜の被膜形
成方法においては、試料11に印加する直流電圧を、ゼ
ロVから設定電圧であるマイナス600Vまで徐々に昇
圧させる。そして、この昇圧時間としては2分とする。
【0208】そして真空槽13内に配置する試料11の
周囲領域にプラズマを発生させ、試料11に硬質カーボ
ン膜を形成している。
【0209】この図3に示す硬質カーボン膜の被膜形成
方法においては、試料11の開口内面に挿入するように
配置し、接地電圧に接続する補助電極23により、試料
11の外周部だけでなく、試料11開口内面にもプラズ
マを形成することができる。
【0210】この試料11の開口内面に挿入する補助電
極23により、異常放電であるホロー放電の発生はな
く、硬質カーボン膜の密着性が向上する。
【0211】さらに試料11の長手方向の開口内面で、
その電位特性が均一になり、開口内面に形成する硬質カ
ーボン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開口奥側
とで均一な膜厚を形成することができる。
【0212】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、直流電源25から試料11に印加する
直流電圧を徐々に増加させて、設定直流電圧であるマイ
ナス600Vを試料11に印加している。
【0213】直流電圧を試料11に印加する初期状態で
ある放電初期は、放電が不安定になる。そしてこのとき
設定直流負電圧を短時間のうちに印加すると、試料11
表面の微小な汚れや付着したちりなどが引き金となり、
アーク放電が発生する。とくにこのアーク放電は、電位
の集中する試料11のエッジ領域で発生しやすい。
【0214】この放電初期は硬質カーボン膜の形成初期
であり、この形成初期に形成される膜質で硬質カーボン
膜の密着性が決定される重要な期間である。したがっ
て、放電初期にアーク放電の異常放電が発生すると、試
料11に対する硬質カーボン膜の密着性が低下して、硬
質カーボン膜は試料から剥離することになる。
【0215】そこで本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、放電初期の試料11に印加する電圧を低く
し、さらに試料11に印加する直流負電圧を徐々に増加
させている。この結果、異常放電であるアーク放電が発
生せず、さらに試料11のエッジ領域の電位の集中を低
減することができる。
【0216】このような理由によって本発明の硬質カー
ボン膜の形成方法においては、試料11に対する硬質カ
ーボン膜の密着性が良好となる。
【0217】この補助電極23は、試料11の開口大き
さより小さければよく、好ましくは4mm程度の隙間、
すなわちプラズマ形成領域を設けるようにする。そして
この補助電極23は、ステンレスのような金属材料で形
成すればよい。
【0218】さらに補助電極23の断面形状は円形と
し、試料11に補助電極23を挿入したとき開口長さと
ほぼ同じにするか、あるいは試料より補助電極23を突
出するように構成する。
【0219】ここで補助電極23の断面形状は、試料1
1の開口の断面形状に合わせてもよい。すなわち試料1
1開口の断面形状が四角形であれば補助電極23の断面
形状は四角形とし、試料11開口の断面形状が円形であ
れば補助電極23の断面形状は円形とする。
【0220】つぎに以上の説明と異なる実施例における
硬質カーボン膜の形成方法を、図3を用いて説明する。
【0221】図3に示すように、ガス導入口15と排気
口17とを有する真空槽13内に、硬質カーボン膜を形
成する試料11を配置する。そしてこの試料11の開口
内面には、接地電位に接続する補助電極23を挿入する
ように設ける。このとき補助電極23が試料11の開口
中央部になるように配置する。
【0222】そして真空槽13内を真空度が3×10-5
torrになるように排気口17から、図示しない排気
手段によって真空排気する。
【0223】そして試料11には、直流電源25から直
流負電圧であるマイナス600Vを印加する。
【0224】その後、ガス導入口15から炭素を含むガ
スとしてメタン(CH4 )を真空槽13内に徐々に導入
して、真空槽13内の圧力を0.1torrになるよう
に制御する。
【0225】本発明の硬質カーボン膜の形成方法におい
ては、真空槽13内の圧力を図6のグラフに示すよう
に、徐々に高くするように、ガス導入口15から炭素を
含むガスを徐々に真空槽13に導入する。この図6のグ
ラフは、横軸は時間を示し、縦軸は真空槽13内の圧力
を示す。
【0226】すなわち本発明の硬質カーボン膜の形成方
法においては、真空槽13内の圧力を、3×10-5to
rrから設定圧力である0.1torrまで徐々に昇圧
させる。そして、この昇圧時間としては5分とする。
【0227】そして真空槽13内に配置する試料11の
周囲領域にプラズマを発生させ、試料11に硬質カーボ
ン膜を形成している。
【0228】この図3に示す硬質カーボン膜の被膜形成
方法においては、試料11の開口内面に挿入するように
配置し、接地電圧に接続する補助電極23により、試料
11の外周部だけでなく、試料11開口内面にもプラズ
マを形成することができる。
【0229】この試料11の開口内面に挿入する補助電
極23により、異常放電であるホロー放電の発生はな
く、硬質カーボン膜の密着性が向上する。
【0230】さらに試料11の長手方向の開口内面で、
その電位特性が均一になり、開口内面に形成する硬質カ
ーボン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開口奥側
とで均一な膜厚を形成することができる。
【0231】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、真空槽13内の圧力が徐々に増加する
ように、ガス導入口15から導入するメタン(CH4 )
を徐々に導入して、設定圧力である0.1torrにな
るまで時間5分を要するように昇圧している。
【0232】試料11に直流負電圧を印加する初期状態
である放電初期は、放電が不安定になる。そして真空槽
13内の圧力が高い状態は、真空槽13内に電子などの
電荷が多い状態であり、空間インピーダンスが低く、異
常放電が発生しやすい。
【0233】この放電初期は硬質カーボン膜の形成初期
であり、この形成初期に形成される膜質で硬質カーボン
膜の密着性が左右される重要な期間である。したがっ
て、放電初期に異常放電が発生すると、試料11に対す
る硬質カーボン膜の密着性が低下して、硬質カーボン膜
は試料11から剥離してしまう。
【0234】そこで本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、放電初期の真空槽13内の圧力を低くし、
その後ガス導入口15からメタン(CH4 )を徐々に導
入して、真空槽13内の圧力を徐々に増加させている。
【0235】この結果、硬質カーボン膜の被膜形成の初
期における異常放電の発生を抑制することができる。こ
のような理由によって本発明の硬質カーボン膜の形成方
法においては、試料11に対する硬質カーボン膜の密着
性が良好となる。
【0236】この補助電極23は、試料11の開口大き
さより小さければよく、好ましくは4mm程度の隙間、
すなわちプラズマ形成領域を設けるようにする。そして
この補助電極23は、ステンレスのような金属材料で形
成すればよい。
【0237】さらに補助電極23の断面形状は円形と
し、試料11に補助電極23を挿入したとき開口長さと
ほぼ同じにするか、あるいは試料より補助電極23を突
出するように構成する。
【0238】ここで補助電極23の断面形状は、試料1
1の開口の断面形状に合わせてもよい。すなわち試料1
1開口の断面形状が四角形であれば補助電極23の断面
形状は四角形とし、試料11開口の断面形状が円形であ
れば補助電極23の断面形状は円形とする。
【0239】つぎに以上の説明と異なる実施例における
硬質カーボン膜の形成方法を、図3を用いて説明する。
【0240】図3に示すように、ガス導入口15と排気
口17とを有する真空槽13内に、硬質カーボン膜を形
成する試料11を配置する。そしてこの試料11の開口
内面には、接地電位に接続する補助電極23を挿入する
ように設ける。このとき補助電極23が試料11の開口
中央部になるように配置する。
【0241】そして真空槽13内を真空度が3×10-5
torrになるように排気口17から、図示しない排気
手段によって真空排気する。
【0242】そして試料11は直流電源25から直流電
圧を印加する。このとき試料11には直流電源25から
マイナス600Vを印加する。
【0243】本発明の硬質カーボン膜の形成方法におい
ては、試料11に印加する直流負電圧と、真空槽13内
の圧力とは、同時に徐々に増加させて、それぞれ設定電
圧と設定圧力とにする。
【0244】すなわち試料11に印加する直流負電圧
は、図5のグラフに示すように、徐々に高くしながら試
料11に印加する。この図5のグラフは、横軸は時間を
示し、縦軸は試料11に印加する直流負電圧を示す。
【0245】図5のグラフに示すように、試料11に印
加する直流電圧を、ゼロVから設定電圧であるマイナス
600Vまで徐々に昇圧させる。そして、この昇圧時間
としては2分とする。
【0246】さらに図6のグラフに示すように、真空槽
13内圧力を、3×10-5torrから設定圧力である
0.1torrまで徐々に昇圧するように、ガス導入口
15から炭素を含むガスであるメタン(CH4 )を徐々
に導入する。そして、この昇圧時間としては5分とす
る。
【0247】そして真空槽13内に配置する試料11の
周囲領域にプラズマを発生させ、試料11に硬質カーボ
ン膜を形成している。
【0248】この図3に示す硬質カーボン膜の被膜形成
方法においては、試料11の開口内面に挿入するように
配置し、接地電圧に接続する補助電極23により、試料
11の外周部だけでなく、試料11開口内面にもプラズ
マを形成することができる。
【0249】この試料11の開口内面に挿入する補助電
極23により、異常放電であるホロー放電の発生はな
く、硬質カーボン膜の密着性が向上する。
【0250】さらに試料11の長手方向の開口内面で、
その電位特性が均一になり、開口内面に形成する硬質カ
ーボン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開口奥側
とで均一な膜厚を形成することができる。
【0251】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、真空槽13内の圧力が徐々に増加する
ように、ガス導入口15から導入するメタン(CH4 )
を徐々に導入して、設定圧力である5×10-3torr
になるまで時間5分を要するように昇圧している。
【0252】試料11に直流負電圧を印加する初期状態
である放電初期は、放電が不安定になる。そして真空槽
13内の圧力が高い状態は、真空槽13内に電子などの
電荷が多い状態であり、空間インピーダンスが低く、異
常放電が発生しやすい。
【0253】この放電初期は硬質カーボン膜の形成初期
であり、この形成初期に形成される膜質で硬質カーボン
膜の密着性が左右される重要な期間である。したがっ
て、放電初期に異常放電が発生すると、試料11に対す
る硬質カーボン膜の密着性が低下して、硬質カーボン膜
は試料11から剥離してしまう。
【0254】そこで本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、放電初期の真空槽13内の圧力を低くし、
その後ガス導入口15からメタン(CH4 )を徐々に導
入して、真空槽13内の圧力を徐々に増加させている。
【0255】この結果、硬質カーボン膜の被膜形成の初
期における異常放電の発生を抑制することができる。こ
のような理由によって本発明の硬質カーボン膜の形成方
法においては、試料11に対する硬質カーボン膜の密着
性が良好となる。
【0256】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、真空槽13内の圧力を徐々に増加させ
ると同時に、直流電源25から試料11に印加する直流
電圧を徐々に増加させて、設定直流電圧であるマイナス
600Vを試料11に印加している。
【0257】直流電圧を試料11に印加する初期状態で
ある放電初期は、放電が不安定になる。そしてこのとき
設定直流負電圧を短時間のうちに印加すると、試料11
表面の微小な汚れや付着したちりなどが引き金となり、
アーク放電が発生する。とくにこのアーク放電は、電位
の集中する試料11のエッジ領域で発生しやすい。
【0258】この放電初期は硬質カーボン膜の形成初期
であり、この形成初期に形成される膜質で硬質カーボン
膜の密着性が決定される重要な期間である。したがっ
て、放電初期にアーク放電の異常放電が発生すると、試
料11に対する硬質カーボン膜の密着性が低下して、硬
質カーボン膜は試料から剥離することになる。
【0259】そこで本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、放電初期の試料11に印加する電圧を低く
し、さらに試料11に印加する直流負電圧を徐々に増加
させている。この結果、異常放電であるアーク放電が発
生せず、さらに試料11のエッジ領域の電位の集中を低
減することができる。
【0260】このような理由によって本発明の硬質カー
ボン膜の形成方法においては、試料11に対する硬質カ
ーボン膜の密着性が良好となる。
【0261】試料11の開口内に配置する補助電極23
は、試料11の開口大きさより小さければよく、好まし
くは4mm程度の隙間、すなわちプラズマ形成領域を設
けるようにする。そしてこの補助電極23は、ステンレ
スのような金属材料で形成すればよい。
【0262】さらに補助電極23の断面形状は円形と
し、試料11に補助電極23を挿入したとき開口長さと
ほぼ同じにするか、あるいは試料より補助電極23を突
出するように構成する。
【0263】ここで補助電極23の断面形状は、試料1
1の開口の断面形状に合わせてもよい。すなわち試料1
1開口の断面形状が四角形であれば補助電極23の断面
形状は四角形とし、試料11開口の断面形状が円形であ
れば補助電極23の断面形状は円形とする。
【0264】この図3を用いて説明した本発明の実施例
における硬質カーボン膜の被膜形成方法においては、試
料11に印加する直流負電圧と真空槽13内の圧力とを
同時に増加させて、それぞれ設定電圧と設定圧力として
いる。
【0265】しかしながら、試料11に印加する直流負
電圧と真空槽13内の圧力とを同時に増加させるのでは
なく、試料11に印加する直流負電圧を設定電圧とした
のちに、真空槽13内の圧力を設定圧力としてもよい。
【0266】さらに本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、これとは逆の順序である、真空槽13内の
圧力を設定圧力としたのちに、試料11に印加する直流
負電圧を設定電圧とする方法を採用してもよい。
【0267】図1から図3を用いて説明した本発明の硬
質カーボン膜の形成方法における以上の説明において
は、試料11の外周部と開口内面とに硬質カーボン膜を
形成する実施例で説明したが、開口内面にのみに硬質カ
ーボン膜を形成するすることができる。
【0268】そのときは、試料11の外周部に被覆部材
を配置する方法や、簡易的にはアルミニウム箔を試料1
1の外周部に巻き付けるように形成してもよい。
【0269】さらに図1から図3を用いて説明した本発
明の硬質カーボン膜の形成方法における以上の説明にお
いては、試料11に直接硬質カーボン膜を形成する実施
例で説明したが、中間層を介して硬質カーボン膜を形成
してもよい。
【0270】そのときは、この中間層としては、周期律
表第IV族のシリコン(Si)やゲルマニウム(Ge)
や、あるいはシリコンやゲルマニウムの化合物でもよ
い。あるいはこの中間層としては、シリコンカーバイト
(SiC)やチタンカーバイト(TiC)のような炭素
を含む化合物でもよい。
【0271】さらに中間層としては、チタン(Ti)や
クロム(Cr)と、シリコンやゲルマニウムとの2層膜
でもよい。このとき中間層の下層のチタンやクロムは試
料との密着性を保つ役割をもち、中間層の上層のシリコ
ンやゲルマニウムは硬質カーボン膜と共有結合して、こ
の硬質カーボン膜と強く結合する役割をもつ。
【0272】さらにまた中間層としては、チタン化合物
やクロム化合物とシリコン化合物やゲルマニウム化合物
との2層膜でもよく、あるいはチタンやクロムとシリコ
ン化合物やゲルマニウム化合物との2層膜でもよく、あ
るいはチタン化合物やクロム化合物とシリコンやゲルマ
ニウムとの2層膜としてもよい。
【0273】そしてこの中間層の形成方法としては、ス
パッタリング法やイオンプレーティング法や化学気相成
長(CVD)法や溶射法を適用すればよい。
【0274】さらにまた図1から図3を用いて説明した
本発明の硬質カーボン膜の形成方法における以上の実施
例の説明においては、炭素を含むガスとしてメタンガス
やベンゼンガスを用いる実施例で説明したが、メタン以
外にエチレンなどの炭素を含むガスや、あるいはヘキサ
ンなどの炭素を含む液体の蒸発蒸気も使用することがで
きる。
【0275】さらに図1から図3を用いて説明した本発
明の硬質カーボン膜の形成方法における以上の説明にお
いては、試料11に印加する直流負電圧あるいは高周波
電力をゼロVあるいはゼロWから徐々に高くなるように
印加しているが、初期の電圧あるいは電力は、設定電圧
あるいは設定電力よりひくい値であればゼロでなくても
よい。
【0276】さらに図1から図3を用いて説明した本発
明の硬質カーボン膜の形成方法における以上の説明にお
いては、試料11に印加する直流負電圧あるいは高周波
電力は、図5のグラフに示す時間に対するなめらかな直
流負電圧あるいは高周波電力の変化だけでなく、階段状
に変化するようにしてもよい。
【0277】さらに図1から図3を用いて説明した本発
明の硬質カーボン膜の形成方法における以上の説明にお
いては、真空槽13内の圧力は、図6のグラフに示す時
間に対するなめらかな圧力の変化だけでなく、階段状に
変化するようにしてもよい。
【0278】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
硬質カーボン膜の形成方法では、試料の開口内面の開口
の中央部に、接地電位に接続する補助電極を配置して硬
質カーボン膜を形成する。そして硬質カーボン膜を形成
する試料には、負の直流電圧あるいは高周波電力を印加
する。
【0279】その結果、同電位の電極どうしが対向して
いる開口内面に、接地電位に接続する補助電極を設ける
こととなり、同電位同士が対向することがなくなる。
【0280】このような電位状態は、プラスマ化学気相
成長法にとってもっとも望ましい状態であり、異常放電
であるホロー放電は発生しない。そのため、密着性の良
好な硬質カーボン膜を試料に形成することができる。
【0281】さらに本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、接地電位に接続する補助電極を試料の開口
内面に配置しており、試料の長手方向の開口内面で電位
特性が均一になる。
【0282】この結果、開口内面に形成する硬質カーボ
ン膜の膜厚分布の発生がなく、開口端面と開口奥側とで
均一な膜厚を形成することができるという効果ももつ。
【0283】さらにまた本発明の硬質カーボン膜の形成
方法においては、試料に印加する直流電圧あるいは高周
波電力を徐々に増加させて、設定直流電圧あるいは設定
高周波電力を試料に印加している。
【0284】直流電圧あるいは高周波電力を試料に印加
する初期状態である放電初期は、放電が不安定になる。
そしてこのとき設定電圧や設定高周波電力を短時間のう
ちに印加すると、試料表面の微小な汚れや付着したちり
などが引き金となり、アーク放電が発生する。とくにこ
のアーク放電は、電位の集中する試料のエッジ領域で発
生しやすい。
【0285】この放電初期は硬質カーボン膜の形成初期
であり、この形成初期に形成される膜質で硬質カーボン
膜の密着性が決定される重要な期間である。したがっ
て、放電初期にアーク放電の異常放電が発生すると、試
料に対する硬質カーボン膜の密着性が低下して、硬質カ
ーボン膜は試料から剥離する。
【0286】そこで本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、放電初期の試料に印加する電圧を低くし、
さらに試料に印加する直流電圧あるいは高周波電力を徐
々に増加させている。この結果、異常放電であるアーク
放電が発生せず、さらに試料エッジ領域の電位の集中を
低減することができる。
【0287】このような理由によって本発明の硬質カー
ボン膜の形成方法においては、試料に対する硬質カーボ
ン膜の密着性が良好となる。
【0288】そのうえ本発明の硬質カーボン膜の形成方
法においては、真空槽内を高真空状態に真空排気したの
ち、ガス導入口から炭素を含むガスを徐々に導入して、
真空槽内の圧力を徐々に増加させて、設定圧力としてい
る。
【0289】試料に電圧を印加する初期状態である放電
初期は、放電が不安定になる。そして真空槽内の圧力が
高い状態は、真空槽内に電子などの電荷が多い状態であ
り、空間インピーダンスが低く、異常放電が発生しやす
い。
【0290】この放電初期は硬質カーボン膜の形成初期
であり、この形成初期に形成される膜質で硬質カーボン
膜の密着性が左右される重要な期間である。したがっ
て、放電初期に異常放電が発生すると、試料に対する硬
質カーボン膜の密着性が低下して、硬質カーボン膜は試
料から剥離してしまう。
【0291】そこで本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、放電初期の真空槽内の圧力を低くし、その
後ガス導入口から炭素を含むガスを徐々に導入して、真
空槽内の圧力を徐々に増加させている。
【0292】この結果、異常放電の発生を抑制すること
ができる。このような理由によって本発明の硬質カーボ
ン膜の形成方法においては、試料に対する硬質カーボン
膜の密着性が良好となる。
【0293】さらに本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、試料に印加する直流負電圧あるいは高周波
電力と、真空槽内の圧力とを同時に増加させて、それぞ
れ設定電圧あるいは設定電力と設定圧力としている。
【0294】このような方法によっても、以上の説明と
同じような効果である、試料に対する硬質カーボン膜の
密着性が良好となる効果が得られる。
【0295】さらに本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、試料に印加する直流負電圧あるいは高周波
電力と、真空槽内の圧力とを同時に増加させるのではな
く、試料に印加する直流負電圧あるいは高周波電力を設
定電圧あるいは設定電力としたのちに、真空槽内の圧力
を設定圧力としている。
【0296】さらに本発明の硬質カーボン膜の形成方法
においては、これとは逆の順序である、真空槽内の圧力
を設定圧力としたのちに、試料に印加する直流負電圧あ
るいは高周波電力を設定電圧あるいは設定電力とする方
法を採用している。
【0297】このように設定圧力と、設定電圧あるいは
設定電力となる時間をずらしても、以上の説明と同じよ
うな効果である、試料に対する硬質カーボン膜の密着性
が良好となる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における硬質カーボン膜の形成
方法を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例における硬質カーボン膜の形成
方法を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例における硬質カーボン膜の形成
方法を示す断面図である。
【図4】従来技術における硬質カーボン膜の形成方法を
示す断面図である。
【図5】本発明の実施例の硬質カーボン膜の形成方法に
おける試料に印加する直流電圧あるいは高周波電力と時
間との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例の硬質カーボン膜の形成方法に
おける真空槽内の圧力と時間との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
11 試料 13 真空槽 15 ガス導入口 17 排気口 21 高周波電源 23 補助電極 25 直流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸井田 孝志 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料の開口内面に接地電位に接続する補
    助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
    空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真空
    槽内に導入し、試料に印加する直流電圧を徐々に増加さ
    せて設定直流電圧を印加し、アノードに直流電圧を印加
    しフィラメントに交流電圧を印加してプラズマを発生さ
    せて試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする
    硬質カーボン膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 試料の開口内面に接地電位に接続する補
    助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
    空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを徐々
    に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加させて設定圧力と
    し、試料に直流電圧を印加し、アノードに直流電圧を印
    加しフィラメントに交流電圧を印加してプラズマを発生
    させて試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とす
    る硬質カーボン膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 試料の開口内面に接地電位に接続する補
    助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
    空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを徐々
    に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加させて設定圧力と
    し、試料に印加する直流電圧を徐々に増加させて設定直
    流電圧を印加し、さらにアノードに直流電圧を印加しフ
    ィラメントに交流電圧を印加してプラズマを発生させて
    試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする硬質
    カーボン膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 試料の開口内面に接地電位に接続する補
    助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
    空槽内を排気後、試料に印加する直流電圧を徐々に増加
    させて設定直流電圧を印加し、さらにガス導入口から炭
    素を含むガスを徐々に導入し真空槽内の圧力を徐々に増
    加させて設定圧力とし、アノードに直流電圧を印加しフ
    ィラメントに交流電圧を印加してプラズマを発生させて
    試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする硬質
    カーボン膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 試料の開口内面に接地電位に接続する補
    助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、真
    空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを徐々
    に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加させると同時に試
    料に印加する直流電圧を徐々に増加させ、真空槽内を設
    定圧力と試料に印加する直流電圧を設定直流電圧とし、
    アノードに直流電圧を印加しフィラメントに交流電圧を
    印加してプラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を
    形成することを特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 中間層を形成した試料の開口内面に接地
    電位に接続する補助電極を挿入するように試料を真空槽
    の中に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素
    を含むガスを真空槽内に導入し、試料に印加する直流電
    圧を徐々に増加させて設定直流電圧を印加し、アノード
    に直流電圧を印加しフィラメントに交流電圧を印加して
    プラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を形成する
    ことを特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 中間層を形成した試料の開口内面に接地
    電位に接続する補助電極を挿入するように試料を真空槽
    の中に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素
    を含むガスを徐々に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加
    させて設定圧力とし、試料に直流電圧を印加し、アノー
    ドに直流電圧を印加しフィラメントに交流電圧を印加し
    てプラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を形成す
    ることを特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 中間層を形成した試料の開口内面に接地
    電位に接続する補助電極を挿入するように試料を真空槽
    の中に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素
    を含むガスを徐々に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加
    させて設定圧力とし、さらに試料に印加する直流電圧を
    徐々に増加させて設定直流電圧を印加し、アノードに直
    流電圧を印加しフィラメントに交流電圧を印加してプラ
    ズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を形成すること
    を特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  9. 【請求項9】 中間層を形成した試料の開口内面に接地
    電位に接続する補助電極を挿入するように試料を真空槽
    の中に配置し、真空槽内を排気後、試料に印加する直流
    電圧を徐々に増加させて設定直流電圧を印加し、さらに
    ガス導入口から炭素を含むガスを徐々に導入し真空槽内
    の圧力を徐々に増加させて設定圧力とし、アノードに直
    流電圧を印加しフィラメントに交流電圧を印加してプラ
    ズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を形成すること
    を特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 中間層を形成した試料の開口内面に接
    地電位に接続する補助電極を挿入するように試料を真空
    槽の中に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭
    素を含むガスを徐々に導入し真空槽内の圧力を徐々に増
    加させると同時に試料に印加する直流電圧を徐々に増加
    させ、真空槽内を設定圧力と試料に印加する直流電圧を
    設定直流電圧とし、アノードに直流電圧を印加しフィラ
    メントに交流電圧を印加してプラズマを発生させて試料
    に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする硬質カー
    ボン膜の形成方法。
  11. 【請求項11】 試料の開口内面に接地電位に接続する
    補助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、
    真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真
    空槽内に導入し、試料に印加する高周波電力を徐々に増
    加させて設定高周波電力を印加してプラズマを発生させ
    て試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする硬
    質カーボン膜の形成方法。
  12. 【請求項12】 試料の開口内面に接地電位に接続する
    補助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、
    真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを徐
    々に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加させて設定圧力
    とし、試料に高周波電力を印加してプラズマを発生させ
    て試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする硬
    質カーボン膜の形成方法。
  13. 【請求項13】 試料の開口内面に接地電位に接続する
    補助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、
    真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを徐
    々に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加させて設定圧力
    とし、さらに試料に印加する高周波電力を徐々に増加さ
    せて設定高周波電力を印加してプラズマを発生させて試
    料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする硬質カ
    ーボン膜の形成方法。
  14. 【請求項14】 試料の開口内面に接地電位に接続する
    補助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、
    真空槽内を排気後、試料に印加する高周波電力を徐々に
    増加させて設定高周波電力を印加し、さらにガス導入口
    から炭素を含むガスを徐々に導入し真空槽内の圧力を徐
    々に増加させて設定圧力としてプラズマを発生させて試
    料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする硬質カ
    ーボン膜の形成方法。
  15. 【請求項15】 試料の開口内面に接地電位に接続する
    補助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、
    真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを徐
    々に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加させると同時に
    試料に印加する高周波電力を徐々に増加させ、真空槽内
    を設定圧力と試料に印加する高周波電力を設定高周波電
    力としてプラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を
    形成することを特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  16. 【請求項16】 中間層を形成した試料の開口内面に接
    地電位に接続する補助電極を挿入するように試料を真空
    槽の中に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭
    素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に印加する高周
    波電力を徐々に増加させて設定高周波電力を印加してプ
    ラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を形成するこ
    とを特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  17. 【請求項17】 中間層を形成した試料の開口内面に接
    地電位に接続する補助電極を挿入するように試料を真空
    槽の中に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭
    素を含むガスを徐々に導入し真空槽内の圧力を徐々に増
    加させて設定圧力とし、試料に高周波電力を印加してプ
    ラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を形成するこ
    とを特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  18. 【請求項18】 中間層を形成した試料の開口内面に接
    地電位に接続する補助電極を挿入するように試料を真空
    槽の中に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭
    素を含むガスを徐々に導入し真空槽内の圧力を徐々に増
    加させて設定圧力とし、さらに試料に印加する高周波電
    力を徐々に増加させて設定高周波電力を印加してプラズ
    マを発生させて試料に硬質カーボン膜を形成することを
    特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  19. 【請求項19】 中間層を形成した試料の開口内面に接
    地電位に接続する補助電極を挿入するように試料を真空
    槽の中に配置し、真空槽内を排気後、試料に印加する高
    周波電力を徐々に増加させて設定高周波電力を印加し、
    さらにガス導入口から炭素を含むガスを徐々に導入し真
    空槽内の圧力を徐々に増加させて設定圧力としてプラズ
    マを発生させて試料に硬質カーボン膜を形成することを
    特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  20. 【請求項20】 中間層を形成した試料の開口内面に接
    地電位に接続する補助電極を挿入するように試料を真空
    槽の中に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭
    素を含むガスを徐々に導入し真空槽内の圧力を徐々に増
    加させると同時に試料に印加する高周波電力を徐々に増
    加させ、真空槽内を設定圧力と試料に印加する高周波電
    力を設定高周波電力としてプラズマを発生させて試料に
    硬質カーボン膜を形成することを特徴とする硬質カーボ
    ン膜の形成方法。
  21. 【請求項21】 試料の開口内面に接地電位に接続する
    補助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、
    真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを真
    空槽内に導入し、試料に印加する直流電圧を徐々に増加
    させて設定直流電圧を印加してプラズマを発生させて試
    料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする硬質カ
    ーボン膜の形成方法。
  22. 【請求項22】 試料の開口内面に接地電位に接続する
    補助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、
    真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを徐
    々に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加させて設定圧力
    とし、試料に直流電圧を印加してプラズマを発生させて
    試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴とする硬質
    カーボン膜の形成方法。
  23. 【請求項23】 試料の開口内面に接地電位に接続する
    補助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、
    真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを徐
    々に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加させて設定圧力
    とし、さらに試料に印加する直流電圧を徐々に増加させ
    て設定直流電圧を印加してプラズマを発生させて試料に
    硬質カーボン膜を形成することを特徴とする硬質カーボ
    ン膜の形成方法。
  24. 【請求項24】 試料の開口内面に接地電位に接続する
    補助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、
    真空槽内を排気後、試料に印加する直流電圧を徐々に増
    加させて設定直流電圧を印加し、さらにガス導入口から
    炭素を含むガスを徐々に導入し真空槽内の圧力を徐々に
    増加させて設定圧力としてプラズマを発生させて試料に
    硬質カーボン膜を形成することを特徴とする硬質カーボ
    ン膜の形成方法。
  25. 【請求項25】 試料の開口内面に接地電位に接続する
    補助電極を挿入するように試料を真空槽の中に配置し、
    真空槽内を排気後、ガス導入口から炭素を含むガスを徐
    々に導入し真空槽内の圧力を徐々に増加させると同時に
    試料に印加する直流電圧を徐々に増加させ、真空槽内を
    設定圧力と試料に印加する直流電圧を設定直流電圧とし
    てプラズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を形成す
    ることを特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  26. 【請求項26】 中間層を形成した試料の開口内面に接
    地電位に接続する補助電極を挿入するように試料を真空
    槽の中に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭
    素を含むガスを真空槽内に導入し、試料に印加する直流
    電圧を徐々に増加させて設定直流電圧を印加してプラズ
    マを発生させて試料に硬質カーボン膜を形成することを
    特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  27. 【請求項27】 中間層を形成した試料の開口内面に接
    地電位に接続する補助電極を挿入するように試料を真空
    槽の中に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭
    素を含むガスを徐々に導入し真空槽内の圧力を徐々に増
    加させて設定圧力とし、試料に直流電圧を印加してプラ
    ズマを発生させて試料に硬質カーボン膜を形成すること
    を特徴とする硬質カーボン膜の形成方法。
  28. 【請求項28】 中間層を形成した試料の開口内面に接
    地電位に接続する補助電極を挿入するように試料を真空
    槽の中に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭
    素を含むガスを徐々に導入し真空槽内の圧力を徐々に増
    加させて設定圧力とし、さらに試料に印加する直流電圧
    を徐々に増加させて設定直流電圧を印加してプラズマを
    発生させて試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴
    とする硬質カーボン膜の形成方法。
  29. 【請求項29】 中間層を形成した試料の開口内面に接
    地電位に接続する補助電極を挿入するように試料を真空
    槽の中に配置し、真空槽内を排気後、試料に印加する直
    流電圧を徐々に増加させて設定直流電圧を印加し、さら
    にガス導入口から炭素を含むガスを徐々に導入し真空槽
    内の圧力を徐々に増加させて設定圧力としてプラズマを
    発生させて試料に硬質カーボン膜を形成することを特徴
    とする硬質カーボン膜の形成方法。
  30. 【請求項30】 中間層を形成した試料の開口内面に接
    地電位に接続する補助電極を挿入するように試料を真空
    槽の中に配置し、真空槽内を排気後、ガス導入口から炭
    素を含むガスを徐々に導入し真空槽内の圧力を徐々に増
    加させると同時に試料に印加する直流電圧を徐々に増加
    させ、真空槽内を設定圧力と試料に印加する直流電圧を
    設定直流電圧としてプラズマを発生させて試料に硬質カ
    ーボン膜を形成することを特徴とする硬質カーボン膜の
    形成方法。
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