JP3013083B2 - ターボ分子ポンプ - Google Patents
ターボ分子ポンプInfo
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- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
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Description
に係り、詳細には、ステータ翼を改良したターボ分子ポ
ンプに関する。
ーボ分子ポンプが広く使用されている。このターボ分子
ポンプは、ステータ部とロータ部にステータ翼とロータ
翼を軸方向に多段配置し、モータによりロータ部を高速
回転することで、真空(排気)処理を行うものである。
図11は、このようなターボ分子ポンプのロータ翼とス
テータ翼の構成を表したものである。図11(a)は、
ロータ翼とステータ翼の配置関係を表した断面図で、
(b)は、ロータをロータ翼の上下面に沿って切断した
場合の断面斜視図で、(c)はステータ翼の一部を表し
た斜視図である。
ポンプは、高速回転するロータ軸に固定配置されたロー
タ60とステータ70とで構成されている。ロータ60
は、モータや磁気軸受を内側に収容するロータ本体61
と、このロータ本体61の外周に配設されたロータ円環
部64と、このロータ円環部64に径方向放射状に回転
軸に対して所定角度傾斜して設けられた複数のロータブ
レード63とから構成されてる。
このスペーサ71、71間に外周側が支持されることで
ロータ翼62の各段の間に配置されるステータ翼72と
から構成される。スペーサ71は段部を有する円筒状で
あり、内側に位置する段部の軸方向の長さはロータ翼6
2における各段の間隔に応じた長さになっている。
サ71によって周方向に挟持される外側円環部73と、
内側円環部74と、外側円環部73と内側円環部74と
により両端が放射状に所定角度で支持された複数のステ
ータブレード75とから構成されている。内側円環部7
4の内径は、ロータ本体61の外径よりも大きく形成さ
れ、内側円環部74の内周面77とロータ本体61の外
周面65とが接触しないようになっている。このステー
タ翼72は、各段のロータ翼62間に配置するために、
円周2分割されている。ステータ翼72は、この2分割
された例えばステンレス製鋼又はアルミニウム製の薄肉
の板から、エッチング法等により半円環状の外形部分と
ステータブレード75の部分を切り出し、ステータブレ
ード75の部分をプレス加工により所定角度に曲げるこ
とで図11(c)に示す形状に形成される。
おいて、ロータ60がモータにより数万rpmで回転駆
動されると、図面上側から下側に向かって排気作用が行
われるようになっている。
ボ分子ポンプでは、スペーサ71による支持が片持ち構
造であり、かつ、ステータ翼72が円周2つ割であるた
め、ステータ翼72に過大な負荷がかかったときに大き
なたわみを生ずる場合があった。特に、プレス成形によ
るステータ翼72の成形品では、板厚が薄いために開放
端となっている中心側が2つ割部分で大きくたわむ場合
があった。このため、真空チャンバーに取り付けられた
バルブの誤動作などにより、大きなガス負荷の変動があ
った場合に、ステータ翼が大きくたわみ、最悪の場合、
ロータブレード63に、ステータブレード75が接触し
て破損する場合があった。また、ロータ軸を磁気軸受装
置で軸受する構成の場合、磁気軸受装置の故障や停電時
等において保護ベアリングにタッチダウンした際に発生
する振動などによっても、ステータ翼72がロータ翼6
2と接触し破損する場合があった。
解決するためになされたもので、強い振動等によっても
比較的たわみにくい構造のステータ翼を有するターボ分
子ポンプを提供することを第1の目的とする。また、本
発明はたわみによってロータ翼に接触したとしても破損
しにくい構造のステータ翼を有するターボ分子ポンプを
提供ずることを第2の目的とする。
めに、請求項1記載の発明では、前記ステータ翼の、内
周側円環部の少なくとも一部に周方向に沿った補強部を
配設する。更に、請求項2記載の発明では、各段のステ
ータ翼を、複数対のステータ翼を重ね合わせた複数層構
成とし、各層における2分割位置の位相をずらす。ま
た、請求項3記載の発明では、前記ステータ翼の、内側
円環部の分割端部に、この分割端部と対向する他の内側
円環部の分割端部が係止される係止手段を配設する。
載の発明では、各段におけるロータ翼部の各ブレード
を、当該段に対応してロータに設けられたロータ円環部
に設け、ステータブレードの内径側端部をロータ円環部
の外周面よりも内側に配置する。また、請求項5記載の
発明では、各段におけるロータ翼部の各ブレードを、当
該段に対応してロータに設けられたロータ円環部に設
け、ステータ翼がたわんだ場合にロータ円環部に接触す
る当接部材を内側円環部に配設する。また、請求項6に
記載の発明では、ロータブレードがたわんだ場合に外側
円環部に接触するように、外側円環部に段差を設ける。
について、図1から図10を参照して詳細に説明する。 (1)実施形態の概要 まず第1の実施形態では、ステータ翼72の内側円環部
74にリブ構造を採用する。具体的なリブ構造として
は、径方向断面を半円形状、半長円形状、コ字形状、又
は逆V字形状等の各種形状とし、プレス加工により形成
し、又は溶接等により取り付ける。また、第2の実施形
態では、2分割されているステータ翼72の接合部に、
互いに噛み合うようなツメを折り曲げ加工や溶接等によ
り設けることで、ステータ翼72が互いに対向する2分
割部分での剛性が向上し、たわみにくくなる。第3の実
施形態では、各段に対して、2対のステータ翼72を重
ね合わせて2層構成とする。そして、各層における2分
割位置の位相を90度ずらすようにする。
ータ翼62とが接触した場合であっても、不連続面であ
り構造的に弱も弱いステータブレード75とロータブレ
ード63とが接触しない構造とする。具体的には、ステ
ータブレード75の径方向の長さを内側方向に伸ばす
(延長する)ことで、ステータ翼72がたわんだ場合に
中心側上端部76がロータ翼62の連続面であるロータ
円環部64と接触し、ロータブレード63に接触しない
ようにする。また、ステータ翼72の内側円環部74に
当接部(脚部)を配設することで、ステータ翼72が大
きくたわんだ場合であっても、脚部がロータ円環部64
に接触する構成とする。このような構成とすることで、
不連続面同士(ステータブレード75とロータブレード
63)が直接接触することが防止され、ステータ翼72
およびロータ翼62が破損しにくくなる。
10を参照して詳細に説明する。なお、図11で示した
従来のターボ分子ポンプの構成と同一構成部分には同一
の符号を付して適宜その説明を省略すると共に、従来の
構成に相当する本実施形態の構成部分には同一の符号を
付し相違する箇所について説明することとする。
面を表わしたものである。このターボ分子ポンプ1は、
例えば半導体製造装置内等に設置され、チャンバ等から
プロセスガスの排出を行うものである。この例では、円
筒状に形成された外装体10の上端部にフランジ11が
形成され、ボルト等によって半導体製造装置等に接続さ
れるようになっている。
は、略円筒形状の外装体10の中心部に配置される略円
柱形状のロータ軸18を備えており、このロータ軸18
の外周には断面略逆U字状のロータ本体61が配置され
てロータ軸18の上部にボルト19で取り付けられてい
る。このロータ本体61の外周には、ロータ円環部64
が多段に配設され、各ロータ円環部64にはロータ翼6
2が配設されている。各段のロータ翼62はその外側が
開放された複数のロータブレード(羽根)63を有して
いる。
とステータ70を備えている。ステータ70は、複数の
ステータ翼72と、段部を有する円筒状のスペーサ71
とから構成されている。各段のステータ翼72は後述す
るように2分割されており、各段のロータ翼62間に外
側から挿入して組み立てるようになっている。各段のス
テータ翼72は、それぞれスペーサ71とスペーサ71
との段部により、外側円環部73が周方向に挟持される
ことで、ロータ翼62間に保持される。このステータ7
0は、外装体10の内周に固定配置されている。
2とは、上流側から、排気段、中間段、圧縮段を形成し
ている。なお、本発明では排気、中間、圧縮の3段構成
に制限されるものではなく、排気段、圧縮段の2段構成
としたり、各段が他の機能分担をする2段構成とした
り、各段を特に区別しない構成とすることが可能であ
る。
8を磁力により支持する磁気軸受20と、ロータ軸18
にトルクを発生させるモータ30とを備えている。磁気
軸受20は、ロータ軸18に対して半径方向の磁力を発
生させる半径方向電磁石21、24と、ロータ軸18の
半径方向の位置を検出する半径方向センサ22、26
と、ロータ軸18に対して軸方向の磁力を発生させる軸
方向電磁石32、34と、軸方向電磁石32、34によ
る軸方向の力が作用する金属ディスク31、ロータ軸1
8の軸方向の位置を検出する軸方向センサ36とを備え
ている。
うに配置された2対の電磁石で構成されている。各対の
電磁石は、ロータ軸18のモータ30よりも上部の位置
に、ロータ軸18を挟んで対向配置されている。この半
径方向電磁石21とモータ30との間には、半径方向電
磁石21側に隣接し、ロータ軸18を挟んで対向する半
径方向センサ22が2対設けられている。2対の半径方
向センサ22は、2対の半径方向電磁石21に対応し
て、互いに直交するように配置されている。さらに、ロ
ータ軸18のモータ30よりも下部の位置には、同様に
2対の半径方向電磁石24が互いに直交するように配置
されている。この半径方向電磁石24とモータ30との
間にも、同様に半径方向電磁石24に隣接して半径方向
センサ26が2対設けられている。
流が供給されることによって、ロータ軸18が磁気浮上
される。この励磁電流は、磁気浮上時に、半径方向セン
サ22、26からの位置検知信号に応じて制御され、こ
れによってロータ軸18が半径方向の所定位置に保持さ
れるようになっている。
れた円盤状の金属ディスク31が固定されており、この
金属ディスク31を挟み、且つ対向した一対ずつの軸方
向電磁石32、34が配置されている。さらにロータ軸
18の下端部に対向して軸方向センサ36が配置されて
いる。この軸方向電磁石32、34の励磁電流は、軸方
向センサ36からの位置検知信号に応じて制御され、こ
れによりロータ軸18が軸方向の所定位置に保持される
ようになっている
2、26、および軸方向センサ36の検出信号を基に、
半径方向電磁石21、24および軸方向電磁石32、3
4などの励磁電流をそれぞれフィードバック制御するこ
とでロータ軸18を磁気浮上させる磁気軸受制御部を制
御系45内に備えている。
ベアリング38、39が配置されている。通常、ロータ
軸18及びこれに取り付けられている各部からなるロー
タ部は、モータ30により回転している間、磁気軸受2
0により非接触状態で軸支される。保護用ベアリング3
8、39は、タッチダウンが発生した場合に磁気軸受2
0に代わってロータ部を軸支することで装置全体を保護
するためのベアリングである。従って保護ベアリング3
8、39は、内輪がロータ軸18には非接触状態になる
ように配置されている。
向センサ22と半径方向センサ26との間で、ロータ軸
18の軸方向ほぼ中心位置に配置されている。このモー
タ30に通電することによって、ロータ軸18および、
これに固定されたロータ60、ロータ翼62が回転する
ようになっている。
は、半導体製造装置からのプロセスガス等を排出する排
気口52が配置されている。また、ターボ分子ポンプ
は、コネクタ44およびケーブルを介して制御系45に
接続されている。
翼72の構成を表したものである。この図2に示される
ように、ステータ翼72は、外周側の一部がスペーサ7
1によって周方向に挟持される外側円環部73と、内側
円環部74と、外側円環部73と内側円環部74とによ
り両端が放射状に所定角度で支持された複数のステータ
ブレード75とから構成されている。内側円環部74の
内径は、ロータ本体61の外径よりも大きく形成され、
内側円環部74の内周面77とロータ本体61の外周面
65(図11参照)とが接触しないようになっている。
するリブ構造部80が形成されている。このリブ構造部
80は、円周2分割された内側円環部74の2分割端面
78から他方の2分割端面78まで周方向に形成されて
いる。このリブ構造部80を設けることにより、内側円
環部74のたわみに対する剛性を向上させることができ
る。このステータ翼72は、例えばステンレス製鋼又は
アルミニウム製の薄肉の板から、エッチング法等により
半円環状の外形部分とステータブレード75の部分を切
り出し、ステータブレード75の部分をプレス加工によ
り所定角度に曲げる。そしてリブ構造部80をプレス加
工することで、図2(a)に示す形状のステータ翼72
を形成する。
断面形状)としては、任意であるが、例えば、半径Rの
半円形状(図2(b))、径方向に長さbの平面部を有
し半径Rの面取りをした半長円形状(c)、径方向の長
さbで高さhのコ字形状(d)、高さhで幅bの逆V字
形状(e)などの各種形状を採用することが可能であ
る。また、図2(b)〜(e)では、リブ構造部80と
して、図面上方向に凸出するようにプレス加工した形状
について示したが、図面下方向に凸出するようにプレス
加工するようにしてもよい。
2では、軸方向のたわみ量を少なくするために補強部と
してリブ構造80を内側円環部74にプレス形成した場
合について説明したが、補強部としては他の構成を採用
することも可能である。例えば、円周2分割された内側
円環部74の2分割端面78から他方の2分割端面78
まで補強部材を周方向に溶接等により固着するようにし
てもよい。補強部材の長手方向と直交する方向の断面形
状としては、四角形状、三角形状、半円形状、半楕円形
状、半長円形状等の各種形状とすることが可能である。
における、内側円環部同士が対向する両端部を表したも
のである。この図3において、円周2分割された1対の
内側円環部74のうちの一方を符号74aで表し、他方
を符号74bで表している。そして、両内側円環部74
a、74bをロータ軸18側からみた右側端部を一端部
とし、左側端部を他端部とした場合、内側円環部74a
の一端部、他端部の形状と、内側円環部74bの一端
部、他端部の形状と同一に形成されている。図3(a)
には、内側円環部74aの一端部と、内側円環部74b
の他端部が表示されている。なお、以上の内側円環部7
4a、74bにおける一端部、他端部の関係は図4、図
5に示す変形例においても同様である。
態では、2分割されたステータ翼72の剛性を向上させ
るために、内側円環部74の一方の2分割端面78aに
2つの係止部材としての係止ツメ81aと81bとが配
設されている。また、内側円環部他方の2分割端面78
bには係止部材としての係止ツメ81cが配設されてい
る。各係止ツメ81a、81b、81cの径方向の幅b
1、b3、b2は任意であるが、その合計値(b1+b
2+b3)は内側円環部74の径方向の幅以下であるこ
とが必要である。また、係止ツメ81aと係止ツメ81
bとの間は、係止ツメ81cの幅b2以上であることが
必要である。また、係止ツメ81aと81bの長さl
1、および、係止ツメ81cの長さl2も任意である。
以上の関係は、図4、図5に示す各変形例においても同
様である。
示されるように、内側円環部74aとの接合部が内側円
環部74の厚さ分だけ上方に屈曲している。同様に係止
ツメ81cは、内側円環部74bとの接合部が内側円環
部74の厚さ分だけ上方に屈曲している。本実施形態に
おける係止ツメ81a、81b、81cは、一体形成し
た係止ツメ部分を折り曲げ加工するが、屈曲した各係止
ツメ81を内側円環部74に溶接等により固着するよう
にしてもよい。なお、係止ツメ81を溶接等する場合に
は、係止ツメ81を屈曲させることなく、内側円環部7
4上に重ね合わせた状態で溶接等するようにしてもよ
い。以上の係止ツメの配設方法については、図4、図5
に示す各変形例においても同様である。
2の一対を組み合わせた場合の内側円環部74aと74
bの係合状態を表したものである。この図に示されるよ
うに、2分割された一対の内側円環74aと74bとが
係止ツメ81によって係止され、図面上側から下側方向
のたわみに対する剛性が向上する。なお、係止ツメが内
側円環74の下側にくるように配置することで、図面下
側から上側方向へのたわみに対する剛性を向上させるこ
とができる。
る、内側円環部の当接部分を表したものである。この変
形例では、図4(a)に示されるように、内側円環部7
4aの一端部に、接合部が内側円環部74の厚さ分だけ
下方に屈曲した係止ツメ82a、82cが配設され、こ
れらの間に接合部が内側円環部74の厚さ分だけ上方に
屈曲した係止ツメ82bが配設されている。そして、内
側円環部74bの他端部は係止ツメが配設されていない
平板状で、図4(b)に示すように、内側円環部74b
の下側に係止ツメ82a、82cが係止され、上側に係
止ツメ82bが係止される。
部74aと74bの一端部が、係止ツメ82a、82
b、82cにより他端部の上下両面に係止されているの
で、図面上方向からのたわみ、及び、下方向からのたわ
みの両者に対する剛性を向上させることができる。
る、内側円環部の当接部分を表したものである。この変
形例では、図5に示されるように、内側円環部74aの
一端部に挟持ツメ83aが配設され、内側円環部74b
の他端部に接合部が内側円環部74の厚さ分だけ上方に
屈曲した係止ツメ83bが配設されている。挟持ツメ8
3aは、断面L字状の部材で形成されており、そのL字
の下横棒部の開放端側が内側円環部74aのロータ対向
面に77aに取り付けられ、下横棒が軸方向上方に内側
円環部74の厚さ分だけ延び、更に、L字の縦棒部が半
径方向に延びるように構成されている。この変形例で
は、内側円環部74aと挟持ツメ83aとにより、係止
ツメ83bが挟持されることで、図面上方向からのたわ
み、及び、下方向からのたわみの両者に対する剛性を向
上させることができる。
形部分を内側円環部74aと一体に切り出し、この長方
形部分を軸方向及び軸心と反対方向にプレス加工により
曲げることで形成する。なお、挟持ツメ83aの断面形
状としては、L字状以外に断面コ字状であってもよい。
この場合の挟持ツメは、図5の挟持ツメ83aにおける
L字縦棒部の長さl1を係止ツメ83bの幅b2よりも
長くし、その先端を更に内側円環部74aに向かって曲
げた形状となる。また、挟持ツメ83aは内側円環部7
4aとは別体として形成し、溶接等により内側円環部7
4aに固着するようにしてもよい。挟持ツメを内側円環
部74aに溶接等する場合には、ロータ対向面77aで
はなく、ロータ翼62に対向した面上に溶接するように
してもよい。この場合挟持ツメ83の溶接位置に応じ
て、係止ツメ83bの径方向の配設位置を調節する。こ
のように挟持ツメ83をロータ翼対向面上に配設するこ
とでロータ本体61の外周面との間隔が狭くなることが
防止される。
翼72の配置構成を概念的に表したものである。第3の
実施形態では、2分割されたステータ翼72a、72b
とステータ翼72c、72dの2対を重ね合わせて格段
のステータ翼72を構成する。そして、図6(a)に示
されるように、1対のステータ翼72a、72bによる
2分割位置と、他の一対のステータ翼72c、72dに
よる2分割位置との位相を90度ずらして重ね合わせる
ようにする。なお、各対の分割位置の位相が一致しなけ
れば、位相のずれを90度にする必要はなく、例えば3
0度、45度、60度等の任意角度だけ位相をずらすよ
うにしてもよい。
における、2対のステータ翼72の重ね合わせ方を例示
したものである。第1の方法としては、図6(b)に示
されるように、上側のステータ翼72a、72bと下側
のステータ翼72c、72dの外側円環部73同士、内
側円環部74同士を当接させ、ステータブレード75
a、75bが上側に、ステータブレード75c、75d
が下側に配置されるようにする。第2の方法としては、
図6(c)に示されるように、上側のステータ翼72
a、72bと、下側のステータ翼72c、72dとを、
所定間隔をおいて配置し、ステータブレード75a、7
5bとステータブレード75c、75dとが対向配置さ
れるようにする。上下両ステータ翼72間の所定間隔
は、上下いずれか一方のステータ翼72の外側円環部7
3と内側円環部74にスペーサを配置することによる。
第3の方法としては、図6(d)に示されるように、上
側のステータ翼72a、72bとして図11(c)に示
した従来のステータ翼を使用する。そして、下側ステー
タ翼72c、72dには、ステータブレード75がな
く、ステータブレード75の部分を打ち抜くことで形成
した通気孔が設けられている。なお、図6(b)、
(c)に示した第1、第2の方法による場合のステータ
ブレード75a、75b、75c、75dの長さは、従
来の1/2の長さが採用され、上下2層分の長さが従来
の長さと同一になるようにする。
形態及びその変形例によれば、ステータ翼の剛性を向上
させることができる。このため、ステータ翼72とロー
タ翼62間の間隔を従来よりも狭くすることができ、装
置の小型化、及び排気性能の向上が図られる。
子ポンプのロータ翼とステータ翼を表した断面図であ
る。この第4の実施形態では、不連続面であり構造的に
弱も弱い、ステータブレード75とロータブレード63
とが接触しない構造とすることで、ステータ翼72、ロ
ータ翼62の破損を防止するようにしたものである。具
体的には、ステータブレード75の中心側上端76がロ
ータ円環部64、64間に配置されるようにロータブレ
ード63の径方向の長さを軸心方向に延長する。このよ
うにステータブレード75の中心側上端76がロータ円
環部64、64間に配置されることで、ステータ翼72
が大きくたわんだ場合に中心側上端部76がロータ円環
部64に接触するが、このロータ円環部64は回転方向
に連続面を形成しているので、ステータブレード75の
破損が抑止される。
ける、ロータ翼とステータ翼を表した断面図である。こ
の変形例では、ステータ翼72の内側円環部74に、ロ
ータ円環部64と当接する当接部材85を配設すること
で、ステータブレード75がロータブレード63に接触
することを防止するようにしたものである。この当接部
材85は、図8に示されるように、断面略U字状であ
り、軸心と反対方向に折り返した構造となっている。そ
して、当接部85は、その軸方向の最上端面85aとそ
の上部に対向するロータ円環部64との間隔をδ2と
し、ステータブレード75の上側端面とロータブレード
63の下側端面との間隔をδ1とした場合、δ1≦δ2
<Xの関係を満足するようにする。ここでXは、ステー
タ翼72がたわんだときに、当接部85の軸方向の最上
端面85aとステータブレード75の中心側上端部76
とが同時にロータ翼62に接する場合の当接部85の軸
方向の最上端面85aとその上部に対向するロータ円環
部64との間隔である。この図8に示す第1の変形例で
は、当接部85に軸心と反対方向に折り返した断面U字
状としたので、当接部85がバネとして機能して最上端
面85がロータ円環部64に接触した際の衝撃を吸収す
ることが可能になる。
る、ロータ翼とステータ翼を表したものである。この変
形例では第1変形例と同様にステータ翼72の内側円環
部74に、ロータ円環部64と当接する当接部材を配設
するが、この第2変形例では断面矩形の当接部材86を
配置するようにしている。この当接部材86の上端面8
6aとその上部に対向するロータ円環部64との間隔δ
2に関する条件は、第1の変形例と同様である。
ける、ロータ翼とステータ翼を表したものである。この
第3変形例では、内側円環部74に第2変形例による当
接部材86が配置されている。ステータブレード75の
径方向スペーサ側71端部とスペーサ71との間隔が、
ロータブレード63の先端側端部とスペーサとの間隔よ
りも広くすることで、ステータブレード75の径方向の
長さをロータブレード63aの長さよりも短くする。そ
して、外側円環部73を、スペーサ71に挟持される側
の第1円環部87aとステータブレード75を支持する
第2円環部87bとで段差を設けた形状とし、この段差
を周方向全体にわたって設ける。第1円環部87aの軸
方向長さは、その上側面がロータブレード63a、63
b間にも位置する長さとする。なお、スペーサ71によ
る第1円環部87aの軸方向位置が、従来よりも上方に
移動するため、スペーサ71の軸方向長さ等も外側円環
部73の形状に合わせて調整する。
aの上面とロータブレード63との間隔をδ3とした場
合、0<δ3<Pとする。ここでPの値は、ロータ62
が下方向にたわんだときに、ロータブレード63が第1
円環部87aとステータブレード75とに同時に接触場
合の、第1円環部87aとロータブレード63との間隔
の値である。
ステータ翼73がたわんだ場合には当接部86がロータ
円環部64に接触してステータブレード75の破損が防
止される。一方、ロータ翼62が下方向に大きくたわん
だ場合にはステータ翼73の上側に位置するロータブレ
ード63aが外側円環部73の第1円環部87aに接触
し、ロータブレード62が上方向に大きくたわんだ場合
にはステータ翼73の下側に位置するロータブレード6
3が第2円環部87bに接触する。第1、第2円環部8
7a、87bは周方向に連続面を形成しているため、ロ
ータブレード63が接触した場合であってもロータブレ
ード63の破損が防止される。
第1変形例、第2変形例、第3変形例における当接部材
85、86については、内側円環部74の一端部から他
端部までの周方向全体に配設する。または、所定幅の当
接部材85、86を内側円環部74の一端部と他端部の
双方に配設するようにしてもよい。後者の場合、さらに
一端部と他端部との間に更に1つ以上の当接部材85、
86を配設してもよい。
形例について説明したが、本発明では、これらの実施形
態、変形例に限定されるものではなく、各請求項に記載
された範囲において種々の変形が可能である。例えば、
第1の実施形態、第2の実施形態、及び第3の実施形態
で説明した各ロータ翼72のうち、少なくとも2つの組
み合わせによりロータ翼を構成するようにしてもよい。
例えば、第1及び第2の実施形態を組み合わせること
で、内側円環部74には、周方向に沿ったリブ構造(補
強部)を配設すると共に、一端部と他端部係止ツメを配
設する。
して、内側円環部74aの一端部の2分割端面78aに
径方向の凹部を設け、この凹部と係合する凸部を内側円
環部74bの他端部の2分割端面78bに設けるように
してもよい。
施形態によれば、誤動作などにより、大きなガス負荷の
変動があった場合にも、ステータ翼72の剛性が向上さ
れているので、ステータ翼72のたわみが抑制され、ス
テータ翼72とロータ翼62同士が接触しにくくなる。
さらに、第4の実施形態によれば、ステータ翼72とロ
ータ翼62同士が接触した場合にも、構造的に弱い部分
同士(ステータブレード75とロータブレード73)が
接触する前に、他の部分が接触することにより致命的な
破壊に至ることを防ぐことができる。磁気軸受20が保
護ベアリングにタッチダウンした場合も同様に、第1か
ら第3実施形態の場合にたわみが抑制され、第4実施形
態の場合にブレード同士の接触が防止される。
2、および、請求項3に記載した発明によれば、強い振
動等によっても比較的たわみにくい構造のステータ翼を
有したターボ分子ポンプを提供することができる。ステ
ータ翼がたわみにくいため、ステータ翼とロータ翼との
間隔を狭くすることが可能になり、この間隔を狭くした
場合にはターボ分子ポンプを小型化することができると
共に、排気性能を向上させることができる。請求項4か
ら請求項6に記載した発明によれば、ステータ翼がたわ
んだ場合であっても、ステータブレードとロータブレー
ドとの接触が避けられるため、破損しにくいステータ翼
とすることができる。
の全体構成の断面図である。
構成を表した斜視図である。
る、内側円環部同士が対向する両端部を表した斜視図で
ある。
内側円環部の当接部分を表し斜視図である。
内側円環部の当接部分を表した斜視図である。
置構成を表した概念図である。
ンプのロータ翼とステータ翼を表した断面図である。
ロータ翼とステータ翼を表した断面図である。
ータ翼とステータ翼を表したものである。
ロータ翼とステータ翼を表したものである。
分の構成を表した説明図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 モータにより回転されるロータ本体と、 このロータ本体の回転軸方向に複数段配設され、前記ロ
ータ本体の回転軸に対して所定角度で傾斜させて放射状
に複数のロータブレードが設けられたロータ翼と、 この複数段のロータ翼の間に配置され、外周部が固定保
持される少なくとも2分割された外側円環部と、内径が
前記ロータ本体の外径よりも大きく、前記外側円環部の
分割に対応して分割された内側円環部と、前記外側円環
部と前記内側円環部とにより両端が放射状に支持された
複数のステータブレードからなる、複数段のステータ翼
と、 を備えたターボ分子ポンプであって、 前記ステータ翼の、内側円環部の少なくとも一部に周方
向に沿った補強部を配設したことを特徴とするターボ分
子ポンプ。 - 【請求項2】 モータにより回転されるロータ本体と、 このロータ本体の回転軸方向に複数段配設され、前記ロ
ータ本体の回転軸に対して所定角度で傾斜させて放射状
に複数のロータブレードが設けられたロータ翼と、 この複数段のロータ翼の間に配置され、外周部が固定保
持される少なくとも2分割された外側円環部と、内径が
前記ロータ本体の外径よりも大きく、前記外側円環部の
分割に対応して分割された内側円環部と、前記外側円環
部と前記内側円環部とにより両端が放射状に支持された
複数のステータブレードからなる、複数段のステータ翼
と、 を備えたターボ分子ポンプであって、 前記各段のステータ翼を、複数対のステータ翼を重ね合
わせた複数層構成とし、各層における2分割位置の位相
をずらしたことを特徴とするターボ分子ポンプ。 - 【請求項3】 前記ステータ翼の、内側円環部の分割端
部に、この分割端部と対向する他の内側円環部の分割端
部が係止される係止手段を配設したことを特徴とする請
求項1、又は請求項2に記載のターボ分子ポンプ。 - 【請求項4】 前記各段におけるロータ翼部の前記各ブ
レードは、当該段に対応して前記ロータに設けられたロ
ータ円環部に設けられ、 前記ステータブレードは、その内径側端部が前記ロータ
円環部の外周面よりも内側に配置されていることを特徴
とする請求項1又は請求項2に記載のターボ分子ポン
プ。 - 【請求項5】 前記各段におけるロータ翼部の前記各ブ
レードは、当該段に対応して前記ロータに設けられたロ
ータ円環部に設けられ、 前記ステータ翼は、たわんだ場合に前記ロータ円環部に
接触する当接部材を前記内側円環部に配設することを特
徴とする請求項1又は請求項2に記載のターボ分子ポン
プ。 - 【請求項6】 前記ステータ翼は、前記ロータブレード
がたわんだ場合に前記外側円環部に接触するように、前
記外側円環部に段差を設けたことを特徴とする請求項1
又は請求項2に記載のターボ分子ポンプ。
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