JP3356774B2 - ページ替え装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、冊子類のページ替え装置に係り、特に銀行
端末装置の通帳プリンタにおける好適な冊子類のページ
替え装置に関する。

〔従来の技術〕

従来の装置は、特開昭58−163696号公報に記載のよう
に、連れページ替え現象を防止する手段として座屈長さ
が可変できるガイドを何らかの制御、たとえば、ソレノ
イドによって可動させる必要があった。また、制御を必
要とすることより決められたページで可動ガイドを動作
させるという方式であり、冊子類の種類により可動ガイ
ドを動作させる制御を決めてやる必要があった。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記従来技術では、連れページ替えを防止するために
は、何らかの制御、たとえば、ソレノイドのON,OFFの制
御を必要とし、また、可動ガイドを動作させる手段、た
とえば、ソレノイドの実装スペースを必要とするという
問題があった。また、冊子類の決められたページのみ前
記可動ガイドが動作せず、冊子類のページの途中ページ
に他のページよりも座屈抵抗の大きいページがありこの
ページをページ替えする場合、ページ替え装置に紙の座
屈抵抗の大きさを判断する手段をもたない限り、ノンピ
ックというページ替えミスを起こし易いという問題があ
った。

本発明の目的は、ページ替え装置において、連れペー
ジ替えを防止する手段としてのある制御を必要とする機
構、たとえばソレノイドにて動作させる機構、また、前
記制御を必要とせず、更に、冊子類の種類にかかわらず
好適なページ替えが行うことのできる、小型、低原価の
ページ替え装置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、座屈長さが可変できる可
動ガイドを動作させる手段として、ページ替えされる時
のページのめくれ上がる力を利用し座屈長さが短くなる
位置にて初期的な力を可動ガイドに与えておき、ページ
のめくり上がる力の大きさにて動作させる方式をページ
替え装置に採用したものである。

〔作用〕

冊子類のページがめくり上がる力は、そのページの紙
の座屈抵抗により変化し、座屈抵抗とはほぼ比例する関
係がある。本装置によれば、座屈抵抗の小さい紙をペー
ジ替えする場合、座屈長さが短くなる位置にある可動ガ
イドに、めくれ上がるページは押え込まれ、結果的に、
連れページめくりを防止することになる。これとは逆
に、座屈抵抗の大きい紙をページ替えする場合、めくれ
上がるページは、前記可動ガイドをめくれ上がる力によ
り押し上げ、結果的に、従来のページ替え装置の座屈長
さになる。以上のように、連れページ替えを防止する手
段を制御する必要がない機構とすることにより、小型化
・低原価のページ装置が実現する。

〔実施例〕

以下、本発明を第１図より説明する。第１図は本発明
の一実施例のページ替え装置の側面図、第２図および第
３図は動作図、第４図・第５図・第６図は本発明の他の
実施例を示す図である。

本発明のページ替え装置は、第１図に示すように、摩
擦部1aがあり、シャフト２を中心に回転するページ替え
ローラ１、冊子類を搬送する駆動ローラ3,4、従動ロー
ラ５、上下に可動する従動ローラ６、冊子類の搬送路７
を形成するペーパーガイド８、ペーパーパン９、シャッ
タ10、ページ替え時に座屈長さを短くすることのできる
可動ガイド11、可動ガイドに取り付くスプリング12によ
り構成されている。

第２図および第３図を用いて、本発明の動作を説明す
る。搬送路７内を通帳13がＡ方向に搬送され
（（イ））、所定の位置で停止する（（ロ））。次に、
ページがめくれ上がれるように搬送路の上側を無くす
為、従動ローラ６を上げ、シャッタ10を開ける
（（ハ））。この際、ページ替えすべきページ上に搬送
ローラ４・５が位置することで、前記通帳は搬送ローラ
４・５によりはさまれ、ページ同志の密着性がよくな
り、ページ替えメカニズムにとって、重要な紙間の摩擦
力を充分に利用できる。ページ替えローラ１がＢ方向に
回転し、前記ローラの摩擦部1aがページ替えすべきペー
ジに接触し始め、ページがめくれ上がり始める。この
時、ページの変形においての力学的境界は、可動ガイド
11の位置によって決められ、また、可動ガイド11の位置
はめくり上がるページ13aの可動ガイド11との接触点14
での押し上げ力F1によって決められる。ここで、可動ガ
イド11に初期的な荷重F2を前記接触点14にスプリング12
によって作用させておくと、以下の関係の時、可動ガイ
ド11の先端11aが前記力学的境界となる。

F1＜F2 これにより、ページ替え時の座屈長さが従来のページ替
え装置よりも短くなり、連れページ替えが防止できる
（（ニ））。さらに、ページ替えローラ１が回転する
と、ページ13aは、はね上げられ（（ホ））、従動ロー
ラ６を下げ通帳13をＣ方向へ搬送すると、所定のページ
となり（（ヘ））さらに搬送し、シャッタ10を閉じるこ
とにより、ページ替え動作は終了する（（ト））。これ
に対し、前記接触点14において、以下の関係となる時、 F1＞F2 可動ガイド11はめくれ上がるページ13aの押し上げ力F1
によって上方へ持ち上げられ、力学的境界はペーパーガ
イド８の8a点となる。この結果、ページ替え時の座屈長
さは従来のページ替え装置と同じとなる（第３図
（イ））。これは、座屈抵抗が比較的大きい冊子類の表
紙をページ替えする時に有効である（第３図（ロ））。

第４図は、可動ガイド11に荷重を与える手段、スプリ
ング12の代わりに板バネを用いたものであり、板バネが
可動ガイド自身となっているものである。

第５図は、第４図と同様に荷重を与える手段としてゴ
ムの弾性変形を用いたものであり、ペーパーガイド８の
一部としたものである。

第６図は、前記接触点14においての初期的な荷重F2の
代わりに、可動ガイドの自重Ｗを用いたものである。

〔発明の効果〕

本発明によれば、連れページ替えを防止するのに制
御、及び、可動ガイドを動作させる手段を必要としない
簡単な機構で目的を達成できるので、小型・低原価なペ
ージ替え装置を提供できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のページ替え装置の側面図、
第２図（イ）〜（ト）、第３図（イ）（ロ）は第１図の
ページ替え装置の動作図、第４図・第５図・第６図は本
発明の他の実施例の側面図である。 １……ページ替えローラ,1a……摩擦部,2……シャフト,
3・４……駆動ローラ,5……従動ローラ,6……上下に可
動する従動ローラ,7……搬送路,8……ペーパーガイド,9
……ペーパーパン,10……シャッタ,11……可動ガイド,1
2……スプリング,13……通帳。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 明 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (72)発明者 河内 政隆 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−253495（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B42D 9/04

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】第１の座屈抵抗のページと前記第１の座屈
   抵抗よりも大きい第２の座屈抵抗のページを有する冊子
   類を第１のガイド上において所定の方向に搬送するため
   の搬送手段と、 該搬送手段によって搬送される冊子類の所定の頁をめく
   り上げるローラと、 前記第１のガイドとともに搬送路を形成し第１の座屈長
   さで前記第２の座屈抵抗のページをおさえる第２のガイ
   ドと、 前記第１の座屈抵抗のページを前記第１の座屈長さより
   も短い第２の座屈長さで前記第１の座屈抵抗のページを
   抑えページ替え対象のページの押し上げ力に応じて上方
   に回動可能な第３のガイドと、 前記第３のガイドに対して前記第１の座屈抵抗のページ
   の押し上げ力より大きく前記第２の座屈抵抗のページの
   押し上げ力よりも小さい荷重を与える手段を備えること
   を特徴とするページ替え装置。