JP2555094B2 - ページ替え装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は冊子類のページ替え装置に係り、特に、銀行
端末装置の通帳プリンタにおける好適な冊子類のページ
替え装置に関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種の装置は、特公昭61−14957号公報に記
載のように、冊子類のページ替えすべきページ上に搬送
ローラを配置してあつた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記従来技術では、冊子類を搬送する際、搬送ローラ
がかえつて搬送ジヤムの原因になる可能性が高いという
問題があつた。

本発明の目的は、搬送ジヤムを防止すると共に、紙の
抵抗を最大限に利用し、搬送とページ替えの両者に関し
て信頼性の高いページ替え装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的は、開帳された冊子類を挟持して搬送路を形
成し、この冊子類のページ替えされるページが露出する
ような開口部を有するガイドと、前記開口部において前
記冊子類のページ替えを行なうページ替え手段と、前記
ガイドに沿って前記冊子類をページ替え手段まで搬送す
る搬送手段とを備えたページ替え装置において、前記開
口部より搬送方向上流側に設けられ、ページ替え時に前
記冊子類を押圧する押圧手段を備え、前記搬送手段は、
前記冊子類の綴目部が前記押圧手段の搬送方向上流側と
なり、前記冊子類のページ返すべきページが前記開口部
から露出する位置に、前記冊子類を停止させることによ
り達成される。

〔作用〕

本装置によれば、第２のガイドは、搬送する際は冊子
類の先端を搬送路に導くことにより搬送ジヤムを防止
し、ページ替えをする際はページ替えすべきページを保
持し、紙の最大抵抗力である座屈力を引き出すための境
界条件を形成する。これによつて、搬送ジヤムが無く、
確実にページ替えを行うことが可能と成る。

〔実施例〕

以下、本発明を第１図より説明する。第１図は、本発
明の一実施例のページ替え装置の斜視図、第２図及び第
７図は動作図、第８図は座屈力と長さの関係を示した図
である。この実施例のページ替え装置は、高摩擦部1aの
あるページ替えローラ１と、図示はされていないが駆動
ローラに対向して配設された従動ローラ２と、第１のガ
イドであるペーパパン５と、第２のガイドであるペーパ
ガイド６と、押圧部10を備えている。

前記ペーパガイド６は、ペーパパン５に平行な平行部
と、この平行部からページ替えローラ１側へ伸長し前記
ペーパパン５に非平行な非平行部からなる。そして、こ
れらペーパパン５と、ペーパガイド６とは冊子類である
通帳８の搬送路を形成している。前記従動ローラ２は、
通帳８のページ替え時、通帳８の綴目とページ替えロー
ラ１との間に位置するように前記ペーパガイド６の平行
部から搬送路側に突出した状態で駆動ローラと対向して
いる。

これによって、通帳８のページ替え時、ページ替えさ
れるページは、ペーパガイド６の平行部と非平行部の境
界部によって変位を拘束される状態となる。

次に第２図から第７図を用いて、本発明の動作を説明
する。搬送路７内を通帳８がＡ方向に搬送され（第２図
参照）、所定の位置で停止する（第３図参照）。この
際、ページ替えすべきページ上に搬送ローラが位置する
ことで、前記冊子は搬送ローラではさまれ、ページ同志
の密着性がよくなり、ページ替えメカニズムにとつて、
重要な紙間の摩擦力を充分利用できる。ページ替えロー
ラ１が方向Ｂに回転し、これに前後して押圧部10が前記
冊子を押し上げる（第４図参照）。前記ローラの高摩擦
部1aがページ替えすべきページに接触し始め、前記ペー
パガイドの前記境界部９が弾性力学的に言うところの力
学的境界をなし、前記ページが前記境界部で変位拘束さ
れる（第５図参照）。さらに回転すると、前記ページ8a
の紙が大変形する（第６図参照）。ページ替えローラが
停止し、通帳をＡ方向に搬送すると、前記ページ8aがそ
の粘弾性的性質により大きくはじけ、さらに、搬送を続
けると、ページ替えすべきページがめくられ、結果的に
所定のページとなる（第７図参照）。

第８図は、前記境界部と前記ページ替えローラが紙に
最初に接触する点の間の距離をＬと、座屈力Ｐとの関係
を示した図である。本図に示すように、座屈力Ｐは、長
さＬを短くしていくと二次曲線的に増えていく。一枚確
実にめくる条件は、紙間に生ずる摩擦関係のバラツキに
よる二枚目の紙をめくろうとする力が紙の座屈抵抗以下
であることである。したがつて、本図に示したように、
座屈抵抗が大きい方が二枚以上の紙をめくりにくく、本
図中の長さは、短いほうが、都合がよいが、搬送ローラ
のスパンを短くすることは、すなわち、搬送ローラの紙
を増やす結果になりやすく、コスト等より考えて実用的
ではない。また、最適な長さは、紙の挙動が複雑である
ため、実験的に決定する方が容易であり、そのために
は、長さをパラメータにふる必要がある。こういつた、
実験上のパラメータ操作を考えても、ペーパガイドを座
屈抵抗の拘束部材となるように構成することは実用的で
ある。

〔発明の効果〕

本発明によれば、冊子類のページ替え装置において、
紙間の摩擦を利用でき、かつ、紙の座屈抵抗を発生させ
るための拘束手段として、ガイドを利用できるので、搬
送ジヤムの発生しにくく、高い信頼性のページ替えを行
うという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を説明する斜視図、第２図〜
第７図は本発明の装置の動作を説明する図、第８図は第
１図に示す装置における座屈力と長さの関係を示す図で
ある。 １……ページ替えローラ、２……従動ローラ、５……ペ
ーパパン、６……ペーパガイド、７……搬送路。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】開帳された冊子類を挟持して搬送路を形成
   し、この冊子類のページ替えされるページが露出するよ
   うな開口部を有するガイドと、前記開口部において前記
   冊子類のページ替えを行なうページ替え手段と、前記ガ
   イドに沿って前記冊子類をページ替え手段まで搬送する
   搬送手段とを備えたページ替え装置において、前記開口
   部より搬送方向上流側に設けられ、ページ替え時に前記
   冊子類を押圧する押圧手段を備え、前記搬送手段は、前
   記冊子類の綴目部が前記押圧手段の搬送方向上流側とな
   り、前記冊子類のページ返すべきページが前記開口部か
   ら露出する位置に、前記冊子類を停止させるものである
   ページ替え装置。
2. 【請求項２】特許請求の範囲第１項において、前記押圧
   手段は、前記搬送手段を構成する搬送ローラに押圧機能
   を持たせたものであるページ替え装置。