JP2002295581A - ダンパ、及び真空ポンプ - Google Patents

ダンパ、及び真空ポンプ

Info

Publication number
JP2002295581A
JP2002295581A JP2001093191A JP2001093191A JP2002295581A JP 2002295581 A JP2002295581 A JP 2002295581A JP 2001093191 A JP2001093191 A JP 2001093191A JP 2001093191 A JP2001093191 A JP 2001093191A JP 2002295581 A JP2002295581 A JP 2002295581A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
damper
vacuum pump
bellows
flange
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001093191A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyoshi Namiki
啓能 並木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Edwards Japan Ltd
Original Assignee
BOC Edwards Technologies Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BOC Edwards Technologies Ltd filed Critical BOC Edwards Technologies Ltd
Priority to JP2001093191A priority Critical patent/JP2002295581A/ja
Publication of JP2002295581A publication Critical patent/JP2002295581A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 設置スペースが小さくてコストが安く、かつ
振動減衰能力が高いダンパ及び真空ポンプを提供するこ
とである 【解決手段】 真空ポンプと前記真空ポンプにより排気
される装置の間に設置されるダンパであって、このダン
パは、真空ポンプの吸気口に接続するためのフランジと
真空ポンプによって排気される真空装置と接続するため
のフランジを有している。この2つのフランジは筒形に
形成された振動吸収部と、該振動吸収部の筒内に設置さ
れたベローズによって接続されている。振動吸収部は筒
形の弾性体を金属などで形成した筒形の質量部を介して
複数段直列に接合して構成されている。この複数段に弾
性体を直列に接続することにより、単一のダンパで複数
段のダンパを直列に接続した場合と同等の効果を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダンパ及びダンパ
を備えた真空ポンプに関し、例えば、電子顕微鏡装置の
チャンバに使用されるダンパ及びダンパを備えた真空ポ
ンプに関する。
【0002】
【従来の技術】真空ポンプを電気顕微鏡装置のチャンバ
などの振動の伝達が問題となる真空装置に接続する場
合、真空ポンプと真空装置の間に真空ポンプで発生した
振動を吸収するためのダンパを接続することが行われて
いる。この際に、振動の吸収を効果的に行うためにダン
パを複数個直列に接続して使用する場合がある。
【0003】図2は、ターボ分子ポンプ61と真空装置
60が、従来のダンパ部70により接続されている所を
示した図である。なお、図2では、ダンパ部70の部分
は断面図となっている。真空装置60は、例えば半導体
製造装置のチャンバや、電子顕微鏡の試料を設置するた
めのチャンバなど、排気や高真空を要すると共に、接続
された真空ポンプからの振動の伝播を抑制する必要のあ
る装置である。なお、図2では、波線により真空装置6
0の下部の一部を示してある。
【0004】ターボ分子ポンプ61は、ダンパ部70を
介して真空装置60に接続されており、真空装置60内
のガスを排気する。ターボ分子ポンプ61は、内部に磁
気軸受によって支持されたロータを有している。ロータ
からはロータ翼がロータの軸線から放射状に複数枚及び
複数段取り付けられている。また、これらのロータ翼
は、ロータの軸線に垂直な平面から所定の傾斜角をもっ
ている。ケーシングからは、ケーシング内部に向かって
放射状にステータ翼が、複数段に渡って取り付けられて
いる。これらのステータ翼は、ロータの軸線に垂直な平
面から所定の角度をもって、ロータ翼と互い違いになる
ように設置されている。
【0005】ロータには、軸線方向の中程にモータ部が
設けられている。モータ部では、ロータに永久磁石が固
着してあり、その周囲に該永久磁石から所定のクリアラ
ンスを隔てて電磁石が複数個設置されている。このよう
にしてモータ部はDCブラシレスモータを形成してい
る。ロータは、機種やポンプサイズによって異なるが、
該DCブラシレスモータにより毎分4万回転程度の高速
回転を行うことができるようになっている。ロータが回
転すると、これに伴ってロータに固定されたロータ翼が
回転し、ロータ翼とステータ翼の作用により、吸気口6
6からガスが吸引され、排気口62から排出されるよう
になっている。
【0006】ダンパ部70は、2つのダンパ68、69
が直列に接続されている。これは、ダンパが1つではタ
ーボ分子ポンプ61で発生する振動の吸収が十分でない
ために、ダンパを2つ直列に接続して振動の吸収機能を
高めたものである。ダンパ69は、ゴム55、フランジ
56、54、及びベローズ58から構成されている。フ
ランジ54、56は、鉄やステンレスなどの金属で形成
されている。フランジ56は、ターボ分子ポンプ61の
フランジとボルトやクランパによって取り付けられてい
る。フランジ56とターボ分子ポンプ61のフランジの
間にはOリング(オーリング)やガスケットがはさんで
ある。ボルトを締め付けるとOリングがフランジ56と
ターボ分子ポンプ61のフランジに密着するので、Oリ
ングにより、ダンパ69とターボ分子ポンプ61の連接
部は真空シールされる。
【0007】ゴム55は、円筒状の形状を有しており、
フランジ56とフランジ54にはさまれている。ゴム5
5はターボ分子ポンプ61にで生じた振動を吸収すると
共にターボ分子ポンプ61による真空引きの力に耐える
のに十分な強度を備えている。
【0008】ベローズ58は、ステンレスなどによって
形成された、ひだ状の連続断面を有した肉薄の管であ
る。また、ベローズ58は、ゴム55と同心状にゴム5
5の内側に挿入されている。ベローズ58は、山形に形
成された側面が伸び縮みすることにより弾力性を発揮
し、ターボ分子ポンプ61で生じた振動を吸収して減衰
させる。また、ベローズ58とフランジ56及びベロー
ズ58とフランジ54は、例えばろう付け又は溶接され
ており、ベローズ58とフランジ56及びベローズ58
とフランジ54の連接部から外気が進入しないようにな
っている。
【0009】ダンパ69のばね定数はベローズ58とゴ
ム55のばね定数が合成されたものである。通常、ゴム
のばね定数は、ベローズのばね定数より大きく設定され
ている。そのため、ダンパ69の気密性はベローズ58
により実現され、振動の吸収は主にゴム55により行わ
れる構成になっている。
【0010】ダンパ68は、ゴム52、フランジ51、
53及びベローズ57から構成され、ダンパ69と同じ
構造をしている。フランジ53は、フランジ54とOリ
ングやガスケットをはさんでボルトやクランパによって
固定されている。このようにして、フランジ53とフラ
ンジ54の連接部から外気が進入しないようになってい
ると共にターボ分子ポンプ61の振動に対して十分な強
度を保つようになっている。フランジ51は真空装置6
0の排気口65に接続されている。この接続は、真空装
置60とフランジ51の間にOリングをはさんで、フラ
ンジ51を真空装置60にボルトやクランパによって固
定することによりなされている。この連接部は、外気に
対して気密性を保つと共にターボ分子ポンプ61の振動
に対して十分な強度を備えている。この従来例では、ダ
ンパを2個直列に接続しているが、更に多くのダンパを
直列に接続する場合もある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように、
ダンパを複数段重ねて用いると、設置スペースが大きく
なると共に製造コストが高くなるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、設置スペースが小さくてコス
トが安く、かつ振動減衰能力が高いダンパ及び該ダンパ
を備えた真空ポンプを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、真空ポンプと連接する第1の取り付け部
材と、前記第1の取り付け部材と連接する第1の弾性部
材と、前記真空ポンプにより排気される装置と連接する
第2の取り付け部材と、前記第2の取り付け部材と連接
する第2の弾性部材と、前記第1の弾性部材と前記第2
の弾性部材よりも剛性の高い中継部材と、を具備してな
り、前記第1の取り付け部材が、少なくとも前記第1の
弾性部材とを介して前記中継部材の一端に連接し、前記
第2の取り付け部材が少なくとも前記第2の弾性部材と
を介して前記中継部材の他端に連接することを特徴とす
るダンパを提供する(第1の構成)。ここで、第1の構
成のダンパの前記第1の取り付け部材と前記第2の取り
付け部材は、ベローズを介して連接するように構成する
ことができる(第2の構成)。更に、第1の構成又は第
2の構成の内の何れかの1の構成において、前記第1の
弾性部材と前記第2の弾性部材の内、少なくとも一方が
ゴムにより形成されるように構成することができる(第
3の構成)。加えて、第1の構成から第3の構成の内の
何れかの構成は、前記中継部材が少なくとも金属により
構成されているように構成することができる(第4の構
成)また、本発明は、前記目的を達成するために、第1
の構成から第4の構成の何れかの1の構成に係るダンパ
を具備してなり、前記第1の取り付け部材を吸気口に連
接したことを特徴とする真空ポンプを提供する(第5の
構成)。更に、第5の構成に係る真空ポンプは、一端の
側に吸気口及が形成され、他端の側に排気口が形成され
た外装体と、前記外装体の内側に回転自在に軸支された
ロータと、前記ロータを回転させるモータと、前記ロー
タの周囲に配設されたステータと、を更に具備するよう
に構成することができる(第6の構成)。また、第5の
構成、又は第6の構成の前記真空ポンプは、ターボ分子
ポンプにより構成することができる(第7の構成)。更
に、本発明は、前記目的を達成するために、真空ポンプ
と前記真空ポンプにより排気される装置の間に設置され
るダンパであって、前記ダンパは、前記真空ポンプとの
連接を行う第1の取り付け部材と、前記装置との連接を
行う第2の取り付け部材と、前記第1の取り付け部材と
前記第2の取り付け部材とを連接する振動吸収部と、か
らなり、前記振動吸収部は、弾性体が前記弾性体より剛
性の大きい中継部材を介して複数段直列に接続された振
動吸収部材によって構成されていることを特徴とするダ
ンパを提供する(第1の構成の変形)。これにより、単
一のダンパで複数のダンパを直列接続したのと同等の効
果が得られる。また、第1の構成の変形において、前記
弾性体と前記中継部材は筒状の形状を有しており、前記
弾性体と前記中継部材を直列に接続することによって筒
状に形成された前記振動吸収部材の内側に、ベローズを
更に備えるように構成することができる。これによって
弾性体が複数段であるのに対しベローズは一体ものとす
ることができるので、従来のベローズより長さが長くな
り、ばね定数を小さくすることができる。更に、第1の
構成の変形における前記弾性体は少なくともゴムで、質
量部は少なくとも金属でそれぞれ構成することができ
る。また、本発明は、前記目的を達成するために、吸気
口に第1の構成の変形における前記ダンパを備えた真空
ポンプを提供する。また、この真空ポンプはターボ分子
ポンプとすることができる。このように、構成すること
により真空ポンプの設置が容易になる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図1を参照して詳細に説明する。図1は、本
実施の形態に係る一例のダンパ部19を備えたターボ分
子ポンプ18を示した図であり、ターボ分子ポンプ18
のロータ軸線方向の断面を示している。なお、図1は模
式図であり、断面より紙面裏側にあって本来見える線、
例えば吸気口6の縁の線などは記していない。また、図
1には、ターボ分子ポンプ18に接続された真空装置5
の一部も示してある。
【0014】ターボ分子ポンプ18は、例えば半導体製
造装置からプロセスガスを排気したり、その他高真空を
要する真空装置に用いられる。ターボ分子ポンプ18の
外筐を形成するケーシング16は円筒状の形状をしてお
り、その中心にロータ11が設置されている。
【0015】ロータ11の軸線方向の上部と下部及び底
部には、それぞれ磁気軸受部8、12、20が設けられ
ている。ロータ11は、磁気軸受部8、12によってラ
ジアル方向(ロータ11の径方向)に非接触で支持さ
れ、磁気軸受部20によってスラスト方向(ロータ11
の軸方向)に非接触で支持されている。これらの磁気軸
受部は、いわゆる5軸制御型の磁気軸受を構成してお
り、ロータ11はロータ11の軸線周りに回転するよう
になっている。
【0016】磁気軸受部8では、4つの電磁石がロータ
11の周囲に、90°ごとに対向するように配置されて
いる。ロータ11は、高透磁率材(鉄など)などにより
形成され、これらの電磁石の磁力により吸引されるよう
になっている。変位センサ9は、ロータ11のラジアル
方向の変位を検出する。図示しない制御部は、変位セン
サ9からの変位信号によってロータ11がラジアル方向
に所定の位置から変位したことを検出すると、各電磁石
の磁力を調節してロータ11を所定の位置に戻すように
動作する。この電磁石の磁力の調節は、各電磁石の励磁
電流をフィードバック制御することにより行われる。
【0017】制御部は、変位センサ9の信号に基づいて
磁気軸受部8をフィードバック制御し、これによってロ
ータ11は、磁気軸受部8において電磁石から所定のク
リアランスを隔ててラジアル方向に磁気浮上し、空間中
に非接触で保持される。磁気軸受部12の構成と作用
は、磁気軸受部8と同様である。磁気軸受部12では、
ロータ11の周囲に、90°ごとに電磁石が4つ配置さ
れており、これらの電磁石の磁力の吸引力により、ロー
タ11は、磁気軸受部12でラジアル方向に非接触で保
持される。
【0018】変位センサ13は、ロータ11のラジアル
方向の変位を検出する。図示しない制御部は、変位セン
サ13からロータ11のラジアル方向の変位信号を受け
ると、この変位を修正してロータ11を所定の位置に保
持するように電磁石の励磁電流をフィードバック制御す
る。制御部は、変位センサ13の信号に基づいて磁気軸
受部13をフィードバック制御し、これによってロータ
11は、磁気軸受部12でラジアル方向に磁気浮上し、
空間中に非接触で保持される。このように、ロータ11
は、磁気軸受部8、12の2カ所でラジアル方向に保持
されるので、ロータ11はラジアル方向に所定の位置で
保持される。
【0019】ロータ11の下端に設けられた磁気軸受部
20は、円板状の金属ディスク31、電磁石14、1
5、変位センサ17によって構成され、ロータ11をス
ラスト方向に保持する金属ディスク31は、鉄などの高
透磁率材で構成されており、その中心においてロータ1
1に垂直に固定されている。金属ディスク31の上には
電磁石14が設置され、下には電磁石15が設置されて
いる。電磁石14は、磁力により金属ディスク31を上
方に吸引し、電磁石15は、金属ディスク31を下方に
吸引する。制御部は、この電磁石14、15が金属ディ
スク31に及ぼす磁力を適当に調節し、ロータ11をス
ラスト方向に磁気浮上させ、空間に非接触で保持するよ
うになっている。
【0020】変位センサ17は、ロータ11のスラスト
方向の変位を検出する。制御部は、変位センサ13から
の変位検出信号によりロータ11のスラスト方向の変位
を検出する。ロータ11がスラスト方向のどちらかに移
動して所定の位置から変位した場合、制御部は、この変
位を修正すように電磁石14、15の励磁電流をフィー
ドバック制御して磁力を調節し、ロータ11を所定の位
置に戻すように動作する。制御部によるこのフィードバ
ック制御により、ロータ11はスラスト方向に所定の位
置で磁気浮上し、保持される。以上に説明したように、
ロータ11は、磁気軸受部8、12によりラジアル方向
に保持され、磁気軸受部20によりスラスト方向に保持
されるため、ロータ11の軸線周りに回転するようにな
っている。
【0021】ロータ11には、磁気軸受部8、12の間
にモータ部10が設けてある。本実施の形態では、一例
としてモータ部10は以下のように構成されたDCブラ
シレスモータであるとする。モータ部10では、ロータ
11の周囲に永久磁石が固着してある。この永久磁石
は、例えばロータ11の周りにN極とS極が180°ご
とに配置されるように固定されている。この永久磁石の
周囲には、ロータ11から所定のクリアランスを経て、
例えば6個の電磁石が60°ごとにロータ11の軸線に
対して対称的に対向するように配置されている。
【0022】また、ロータ軸11の下端には、回転数セ
ンサが取り付けられている。制御部は、回転数センサの
検出信号によりロータ軸11の回転数を検出することが
できるようになっている。また、例えば変位センサ13
近傍に、ロータ軸11の回転の位相を検出する図示しな
いセンサが取り付けてあり、制御装置は、該センサと回
転数センサの検出信号を共に用いて永久磁石の位置を検
出するようになっている。制御部は、検出した磁極の位
置に従って、ロータの回転が持続するように電磁石の電
流を次々に切り替える。即ち、制御部は、6つの電磁石
の励磁電流を切り替えることによりロータ11に固定さ
れた永久磁石の周りに回転磁界を生成し、永久磁石をこ
の回転磁界に追従させることによりロータ11を回転さ
せる。
【0023】ロータ11には、ロータ翼21が、ロータ
11の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して、
ロータ11から放射状に複数段取り付けてある。ロータ
翼21は、ロータ11に固着されており、ロータ11と
共に高速回転するようになっている。また、ケーシング
16には、ステータ翼22が、ロータ11の軸線に垂直
な平面から所定の角度だけ傾斜して、ケーシング16の
内側に向けて、ロータ翼21の段と互い違いに固定され
てる。ロータ11がモータ部10により駆動されて回転
すると、ロータ翼21はロータ11と共に回転する。す
ると、ロータ翼21とステータ翼22の作用により、ガ
スが吸気口6から吸引され、排気口29から排気される
ようになっている。
【0024】真空装置5は、例えば電子顕微鏡の観察試
料を設置するチャンバなどの高真空を要するものであ
り、ターボ分子ポンプ18で発生した振動の伝播が好ま
しくない真空装置である。ターボ分子ポンプ18は、ダ
ンパ部19を介して真空装置5に接続されている。ダン
パ部19は、ターボ分子ポンプ18で発生した振動を吸
収する目的で設置されている。ターボ分子ポンプ18を
直接真空装置5に接続すると、ターボ分子ポンプ18で
発生した振動が真空装置5に伝播してしまい、真空装置
5での、例えば電子顕微鏡での観察などの作業に支障を
与えることがある。ダンパ部19は、ターボ分子ポンプ
18と真空装置5の間に設置されることにより、この振
動の伝播を緩和することができる。
【0025】ダンパ部19は、フランジ24、25、ゴ
ム2、3、質量部1及びベローズ4から構成されてい
る。フランジ25は、ステンレスなどの金属により形成
され、ガスを通過させるための穴を中央に明けた円板状
の形状をしている。フランジ25は、ターボ分子ポンプ
18の開口部6に設けられたフランジ26とボルト27
により結合されている。フランジ25とフランジ26の
連接した面の片方には円形の溝が形成してあり、その溝
にOリングがはさんである。このOリングは、ボルト2
7の締め付けにより、フランジ25、26に密着し、フ
ランジ25とフランジ26の連接部の気密性を確保す
る。なお、この連接部の接続は溶接など、他の方法によ
り行うこともできる。
【0026】フランジ24は、ステンレスなどの金属に
より形成され、ガスを通過させるための穴を中央に明け
た円板状の形状をしている。フランジ24は、真空装置
5の開口部7にボルト28やクランパなどにより結合さ
れている。フランジ24と真空装置5の接合面の片方に
は円形の溝が形成してあり、その溝にOリングがはさん
である。このOリングは、ボルト28の締め付けによ
り、フランジ24と真空装置5に密着し、フランジ24
と真空装置5の接合部の気密性を確保する。なお、この
接合部も、溶接など、他の方法により行うこともでき
る。
【0027】ベローズ4は、ステンレスなどによって形
成された、ひだ状のなめらかな山形の連続断面を有した
肉薄の管である。ベローズ4は、山形に形成された側面
が伸び縮みすることにより弾力性を発揮し、ターボ分子
ポンプ18で生じた振動を吸収して減衰させる。また、
ベローズ4とフランジ25及びベローズ4とフランジ2
4は、例えばろう付け又は溶接されており、ベローズ4
とフランジ25及びベローズ4とフランジ24の接合部
から外気が進入しないようになっている。またこれらの
接合部はターボ分子ポンプ18の振動に対して十分な強
度を保つようになっている。
【0028】ゴム2、3及び質量部1は、それぞれ円筒
形の形状を有しており、質量部1の内径はベローズ4の
外径より大きくなっている。質量部1は、例えば鉄やス
テンレスなどの剛性がありかつ密度がゴム2、3に比べ
て大きい物質によって構成されている。質量部1の質量
は大きいほどダンパ部19の振動吸収能力は大きくな
る。ゴム2、3は、質量部1を介して直列に連接され、
振動吸収部30を構成している。ゴム2、3と質量部1
の接合は、はさむだけでも良いし、接着剤や専用の金具
などを用いて行っても良い。
【0029】振動吸収部30は、ベローズ4の外側に同
心状に配置され、その両端はそれぞれフランジ24、2
5に固定ないしははさまれている。ゴム2、3とフラン
ジ24、25との接合ははさむだけでも良いし、接着剤
や専用の取り付け具によって固定しても良い。ゴム2、
3、質量部1、フランジ24、25を接合した各接合部
は、ターボ分子ポンプ18の振動に対して十分な強度を
持つようになっている。また、ダンパ部19の気密性は
ベローズ4によって確保されているので、振動吸収部3
0の接合部は気密にする必要はない。
【0030】以上のように構成されたターボ分子ポンプ
18が作動すると、ロータ11は、磁気軸受部8、1
2、20により、所定位置に浮上する。次いでモータ部
10により、ロータ11が駆動されて、ロータ軸線の周
りに回転する。ロータ翼21は、ロータ11に固定され
ているため、ロータ11と共に回転し、ロータ翼21と
ステータ翼22の作用により、真空装置5内のガスが開
口部7からダンパ部19を経て吸気口6に吸引される。
吸気口6から吸引されたガスは排気口29から排出され
る。ターボ分子ポンプ18で発生した振動は、以下のよ
うにしてダンパ部19で吸収される。
【0031】ダンパ部19は、ベローズ4は一体もので
あるのに対して振動吸収部30は、ゴム2、3が質量部
1をはさんで2段に連接された構成となっている。この
ような構成をとると、質量部1とゴム3で従来のダンパ
1個分程度の振動低減を達成する。更に、質量1とゴム
3で小さくなった振動がゴム2で減衰される。このよう
にして、ダンパ部19は、ダンパを2段直列に接続した
場合と同程度の振動減衰効果がある。
【0032】また、従来のダンパを直列に接続した場
合、ベローズもダンパの数だけ分割されていた。即ち、
例えばダンパを2つ直列に接続した場合、短いベローズ
が2つ直列接続されていた。ベローズは短くなるほどば
ね定数が大きくなり、振動減衰に不利であった。しか
し、ダンパ部19では、ゴムが2段であるのに対しベロ
ーズは従来のベローズより長いベローズ4を1つだけ設
置すれば良い。このように、1つのベローズの長さが長
くなるため、ベローズのばね定数が小さくなり、ベロー
ズを伝わって真空装置に伝播する振動が小さくなる。な
お、本実施の形態では、ばね定数を、ばねに限らずゴム
2、3やベローズ4などの弾性体に応力が作用した場合
に、該弾性体に生じるひずみと該応力との比例定数(弾
性係数)をも意味するものとする。
【0033】以上に説明したように、本実施の形態で
は、単一のダンパ部19により、2つのダンパを直列接
続したのと同程度の減衰効果が得られる。また、ベロー
ズ4のばね定数が従来のダンパのベローズのばね定数よ
り小さくなるため、2つのダンパを直列に接続した場合
と同等のばね定数で良い場合は、ベローズを短くできる
ので、ダンパ部19の長さを短くすることができる。こ
のため、ダンパ部19の設置スペースの縮小及び製造コ
ストの低減を図ることができる。
【0034】ベローズ4のばね定数が従来のダンパのベ
ローズより小さくなるため、ダンパ部19のばね定数は
主に振動吸収部30に依存するようになり、振動解析等
を用いた設計が容易になる。即ちベローズ4の振動減衰
効果に対する寄与は相対的に小さくなるため、ダンパ部
19の振動を解析する際に主に振動吸収部30を用いて
解析すれば良い。
【0035】更に、質量部1の質量、大きさ、またゴム
2、3の堅さや大きさを様々に組み合わせることができ
るので、振動減衰能力及びサイズを最適化するこれらの
組み合わせを得ることができる。加えて、従来は2本の
ベローズの両端の合計4箇所の溶接部があったが、これ
を2箇所に減らせるため、製造コストの低減を図ること
ができる。
【0036】本実施の形態では、真空ポンプとしてター
ボ分子ポンプ18を用いたが、これに限定するものでは
なく、例えばロータリーポンプやクライオポンプなどの
振動を伴うポンプに適用できる。また、質量部1は、金
属の他に樹脂や石材又はこれらの組み合わせを用いるこ
とができる。また、質量部1は、円筒状の形状に限定す
るものではなく、質量部をはさんだ弾性体を複数個用意
し、ベローズ4の周りの所定の位置に配置した構成にし
ても良い。また、減衰効果を更に高めたい場合は、ゴム
及び質量部の段数を増やせば良い。
【0037】更に、ゴム2、3の他にバネやダッシュポ
ットなどの他の弾性体や減衰装置を使用しても良い。ま
た、ベローズ2の代わりに他の材料を用いて真空の保持
及び振動の吸収を行っても良い。本実施の形態では、タ
ーボ分子ポンプ18とダンパ部19は組立式としたがこ
れに限定するものではなく、ターボ分子ポンプ18とダ
ンパ部19を一体物として形成しても良い。また、本実
施の形態では、一例として5軸制御型磁気軸受式ターボ
分子ポンプについて説明したが、これは真空ポンプの軸
受方式や電流制御方式、モータ方式などを限定するもの
ではない。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、ダンパは、質量部をは
さんで弾性体を複数段直列に接続するので、単一のダン
パで複数個のダンパを直列に接続した場合と同程度の振
動減衰効果が得られる。また、筒状に形成した弾性体の
内側にベローズを設けることにより、ベローズの長さを
従来のダンパのベローズより長くでき、ベローズを伝わ
る振動が小さくなる。或いは、従来と同等の振動減衰効
果で良ければ、ベローズを従来より短くし、更に小型に
できる。また、弾性体としてゴムを使用し、質量部とし
て金属を使用することにより、安価なで効果的、しかも
制作が容易なダンパを提供することができる。また、当
該ダンパをターボ分子ポンプなどの真空ポンプと一体も
のとすることにより、現場での当該真空ポンプの取り付
けが容易になる。また、ダンパの設置スペースを小さく
することができると共に、製造コストを下げることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施の形態に係る一例のダンパ部を
備えたターボ分子ポンプを示した図である。
【図2】ターボ分子ポンプと真空装置が、従来のダンパ
により接続されている所を示した図である。
【符号の説明】
1 質量部 2 ゴム 3 ゴム 4 ベローズ 5 真空装置 6 吸気口 7 開口部 8 磁気軸受部 9 変位センサ 10 モータ部 11 ロータ 12 磁気軸受部 13 変位センサ 14 電磁石 15 電磁石 16 ケーシング 17 変位センサ 18 ターボ分子ポンプ 19 ダンパ部 21 ロータ翼 22 ステータ翼 24 フランジ 25 フランジ 26 フランジ 27 ボルト 28 ボルト 29 排気口 30 振動吸収部 31 金属ディスク

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空ポンプと連接する第1の取り付け部
    材と、 前記第1の取り付け部材と連接する第1の弾性部材と、 前記真空ポンプにより排気される装置と連接する第2の
    取り付け部材と、 前記第2の取り付け部材と連接する第2の弾性部材と、 前記第1の弾性部材と前記第2の弾性部材よりも剛性の
    高い中継部材と、 を具備してなり、 前記第1の取り付け部材が、少なくとも前記第1の弾性
    部材とを介して前記中継部材の一端に連接し、前記第2
    の取り付け部材が少なくとも前記第2の弾性部材とを介
    して前記中継部材の他端に連接することを特徴とするダ
    ンパ。
  2. 【請求項2】 前記第1の取り付け部材と前記第2の取
    り付け部材は、ベローズを介して連接したことを特徴と
    する請求項1に記載のダンパ。
  3. 【請求項3】 前記第1の弾性部材と前記第2の弾性部
    材の内、少なくとも一方がゴムにより形成されたことを
    特徴とする請求項1又は請求項2の内の何れかの1の請
    求項に記載のダンパ。
  4. 【請求項4】 前記中継部材が少なくとも金属により構
    成されていることを特徴とする請求項1、請求項2又は
    請求項3の内の何れかの1の請求項に記載のダンパ。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までの内の何れか
    の1の請求項に記載のダンパを具備してなり、前記第1
    の取り付け部材を吸気口に連接したことを特徴とする真
    空ポンプ。
  6. 【請求項6】 一端の側に吸気口及が形成され、他端の
    側に排気口が形成された外装体と、 前記外装体の内側に回転自在に軸支されたロータと、 前記ロータを回転させるモータと、 前記ロータの周囲に配設されたステータと、 を更に具備したことを特徴とする請求項5に記載の真空
    ポンプ。
  7. 【請求項7】 前記真空ポンプは、ターボ分子ポンプに
    より構成されていることを特徴とする請求項5、又は請
    求項6の内の何れかの1の請求項に記載の真空ポンプ。
JP2001093191A 2001-03-28 2001-03-28 ダンパ、及び真空ポンプ Pending JP2002295581A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001093191A JP2002295581A (ja) 2001-03-28 2001-03-28 ダンパ、及び真空ポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001093191A JP2002295581A (ja) 2001-03-28 2001-03-28 ダンパ、及び真空ポンプ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002295581A true JP2002295581A (ja) 2002-10-09

Family

ID=18947554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001093191A Pending JP2002295581A (ja) 2001-03-28 2001-03-28 ダンパ、及び真空ポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002295581A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6814550B1 (en) * 2000-01-15 2004-11-09 Leybold Vakuum Gmbh Vacuum pump with vibration absorber
WO2005119060A1 (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Boc Edwards Japan Limited 真空排気装置
JP2006077714A (ja) * 2004-09-10 2006-03-23 Boc Edwards Kk ダンパ及び真空ポンプ
WO2006041113A1 (ja) 2004-10-15 2006-04-20 Boc Edwards Japan Limited ダンパおよび真空ポンプ
WO2008111335A1 (ja) * 2007-03-13 2008-09-18 Edwards Japan Limited 真空ポンプ防振構造とその構造を備えた真空ポンプ
WO2009011042A1 (ja) * 2007-07-18 2009-01-22 Edwards Japan Limited 防振ダンパ
JP2011012777A (ja) * 2009-07-03 2011-01-20 Kurashiki Kako Co Ltd 防振継手
CN102818587A (zh) * 2012-07-27 2012-12-12 北京中科科仪股份有限公司 一种带有减振机构的真空操作平台
KR101467012B1 (ko) * 2010-09-01 2014-12-01 현대중공업 주식회사 탄성마운트를 이용한 펌프용 동흡진기
US9431208B2 (en) 2014-08-21 2016-08-30 Nuflare Technology, Inc. Charged-particle beam drawing apparatus and vibration damping mechanism
CN112146324A (zh) * 2020-09-22 2020-12-29 海信容声(广东)冷柜有限公司 一种冷藏装置

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6814550B1 (en) * 2000-01-15 2004-11-09 Leybold Vakuum Gmbh Vacuum pump with vibration absorber
WO2005119060A1 (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Boc Edwards Japan Limited 真空排気装置
JP2006077714A (ja) * 2004-09-10 2006-03-23 Boc Edwards Kk ダンパ及び真空ポンプ
WO2006041113A1 (ja) 2004-10-15 2006-04-20 Boc Edwards Japan Limited ダンパおよび真空ポンプ
EP1811175A1 (en) * 2004-10-15 2007-07-25 BOC Edwards Japan Limited Damper and vacuum pump
EP1811175A4 (en) * 2004-10-15 2008-12-31 Edwards Japan Ltd DAMPER AND VACUUM PUMP
US7993113B2 (en) 2004-10-15 2011-08-09 Boc Edwards Japan Limited Damper and vacuum pump
WO2008111335A1 (ja) * 2007-03-13 2008-09-18 Edwards Japan Limited 真空ポンプ防振構造とその構造を備えた真空ポンプ
JPWO2009011042A1 (ja) * 2007-07-18 2010-09-09 エドワーズ株式会社 防振ダンパ
WO2009011042A1 (ja) * 2007-07-18 2009-01-22 Edwards Japan Limited 防振ダンパ
JP2011012777A (ja) * 2009-07-03 2011-01-20 Kurashiki Kako Co Ltd 防振継手
KR101467012B1 (ko) * 2010-09-01 2014-12-01 현대중공업 주식회사 탄성마운트를 이용한 펌프용 동흡진기
CN102818587A (zh) * 2012-07-27 2012-12-12 北京中科科仪股份有限公司 一种带有减振机构的真空操作平台
CN102818587B (zh) * 2012-07-27 2014-08-20 北京中科科仪股份有限公司 一种带有减振机构的真空操作平台
US9431208B2 (en) 2014-08-21 2016-08-30 Nuflare Technology, Inc. Charged-particle beam drawing apparatus and vibration damping mechanism
CN112146324A (zh) * 2020-09-22 2020-12-29 海信容声(广东)冷柜有限公司 一种冷藏装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5046647B2 (ja) ダンパおよび真空ポンプ
JP3013083B2 (ja) ターボ分子ポンプ
US20010012488A1 (en) Vaccum pump
JP2003003988A (ja) 真空ポンプ
JP2002295581A (ja) ダンパ、及び真空ポンプ
JP2003532838A (ja) 減衰部を有するマグネットベアリング
JP2012112255A (ja) ターボ分子ポンプの接続装置及びターボ分子ポンプ
US11976663B2 (en) Vacuum pump, rotor, and rotor body with rupture location control means on the rotor
US8403652B2 (en) Molecular pump and flange having shock absorbing member
JPWO2009011042A1 (ja) 防振ダンパ
JP2003049772A (ja) 真空ポンプの接続構造
CN110520627B (zh) 真空泵、磁轴承装置及转子
JPH11247790A (ja) 真空ポンプ
EP1293682A2 (en) Vacuum pump support
JP2003172291A (ja) 真空ポンプ
JP3038432B2 (ja) 真空ポンプ及び真空装置
JPH0868388A (ja) ターボ分子真空ポンプ
JP6271852B2 (ja) 電子線応用装置の鏡筒部へ真空ポンプを接続する真空ポンプ用接続装置、及び該接続装置の設置方法
JP2002295372A (ja) ダンパ装置、及び真空ポンプ
EP1811176A1 (en) Vacuum exhaust device
JP2002303294A (ja) 真空ポンプ
JP2002295396A (ja) 真空ポンプ、及びダンパ
JP4672204B2 (ja) 真空ポンプの接続構造及び真空ポンプ
JP2008232029A (ja) ポンプ装置
JP2002295399A (ja) ダンパを備えた真空ポンプ

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20040108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040301