JP3009440U - 懸吊支持金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】相対峙する上板２と下板３とが側板４を介して
連続形成され、上下板２，３の間に所定の造営材Ｑを挟
み、この造営材Ｑに圧着する止着ネジ６を上板２に設け
る。下板３に支持孔７を貫通し、この支持孔７に着脱自
在に装着する連結具８を設ける。挿入孔９を側板４に設
ける。底部が曲面状に突出する摺動ナット１０をネジ止
めした吊りボルトＰの先端部を挿入孔９から挿入する。
この挿入孔９から長孔状の移動孔８を連設し、この移動
孔８に連続する支持孔７を移動孔８の長手左右に延長形
成する。支持孔７を開穿した面を凹状に湾曲形成する。 【効果】造営材に装着した支持金具に、後付けで連結具
を装着して装着作業を簡略化する。長孔状の支持孔に沿
って吊りボルトを角度調整自在に支持できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、型鋼等の造営材に吊りボルト等を懸吊支持する際に用いる懸吊支 持金具の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、型鋼等の造営材に吊りボルトを支持するには、当出願人が先に提案した 側面略コ字状の支持金具（登録商標パイラック）を使用している。この支持金具 は、支持金具の開口部を造営材に装着し、支持金具上端から締め付ける締め付け ボルトで支持金具を造営材に固定するもので、吊りボルトは、この支持金具の下 部に取り付けた連結具に吊りボルトの上端部を止着ネジでネジ止めするものであ る（実開平1-129408号等参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、このような連結具を設けた支持金具には、次の如き課題が残されて いた。すなわち、連結具は、支持金具の下部と造営材との間に装着するものであ るから、造営材に支持金具を装着固定する前に、連結具を支持金具に装着する必 要がある。したがって、支持金具の固定は、この連結具を支持金具の下部に載置 した状態で行われるから、支持金具の固定作業が面倒なものになっていた。

【０００４】 そこでこの考案は、上述の課題を解消すべく創出されたもので、造営材に装着 した支持金具に、後付けで連結具を装着することができ、装着作業を簡略化する ことが可能な懸吊支持金具の提供を目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上述の目的を達成するため、この考案の第１の手段によると、相対峙する上板 ２と下板３とが側板４を介して連続形成され、上下板２，３の間に所定の造営材 Ｑを挟み、この造営材Ｑに圧着する止着ネジ６を上板２に設け、吊りボルトＰを 挿通する支持孔７を下板３に貫通した懸吊支持金具であって、底部が曲面状に突 出する摺動ナット１０をネジ止めした吊りボルトＰの先端部を側面から挿入する 挿入孔９を側板４に設け、この挿入孔９から下板３にかけて吊りボルトＰを移動 せしめる長孔状の移動孔８を連設し、この移動孔８に連続する長孔状の支持孔７ を移動孔８の長手左右に延長形成すると共に、支持孔７を開穿した面を凹状に湾 曲形成する。

【０００６】 更に、第２の手段の摺動ナット１０は、下板３の湾曲面形状に沿って湾曲した 板体状を成すように形成したことを課題解消のための手段とする。

【０００７】

【作用】

この考案の第１の手段によると、金具本体１を造営材Ｑに装着固定してから、 金具本体１の支持孔７に連結具８を装着する。このとき、側板４の挿入孔９から 摺動ナット１０付の吊りボルトＰを金具本体１内部に挿入する。そして、移動孔 ８から支持孔７に移動した吊りボルトＰは、移動孔８の左右に揺動自在に支持さ れる。

【０００８】 第２の手段では、湾曲した板体状を成す摺動ナット１０が、下板３の湾曲面に 沿って摺動する。

【０００９】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１０】 金具本体１は、相対峙する上板２と下板３とが側板４を介して連続形成されて いる。そして、上下板２，３の間に所定の造営材Ｑを挟着し、この造営材Ｑに圧 着する止着ネジ６を上板２に設けてある（図１参照）。

【００１１】 側板４は、挿入孔９を設けてあり、この挿入孔９から、底部が曲面状に突出す る摺動ナット１０をネジ止めした吊りボルトＰの先端部を側面から挿入するもの である。図示例の挿入孔９は、略十字形状を成しているが、この形状に限定され るものではなく、摺動ナット１０をネジ止めした吊りボルトＰの先端部が挿入で きるものであればよい。更に、この挿入孔９から下板３にかけて吊りボルトＰを 移動せしめる長孔状の移動孔８を連設している。

【００１２】 下板３は、移動孔８に連続する長孔状の支持孔７を移動孔８の長手左右に延長 形成する。また、この支持孔７を開穿した面を凹状に湾曲形成している。図示で は、下板３全体を湾曲形成してあり、この支持孔７に沿って吊りボルトＰを揺動 せしめる外、下板３の移動孔８部分に沿って吊りボルトＰを揺動させることも可 能にしている。

【００１３】 摺動ナット１０は、底部が曲面状に突出したナットを使用するもので、図１及 び図２に示す摺動ナット１０は、六角ナットの底部を曲面状に形成したものを使 用している。また、図３に示す摺動ナット１０は、下板３の湾曲面形状に沿って 湾曲した板体状を成している。このような摺動ナット１０を使用することで、下 板３の下方から固定ナット１１を締め付けた際に、摺動ナット１０が空回りしな いものとなる。

【００１４】

【考案の効果】

この考案は、上述の如く構成したことにより、造営材Ｑに装着した支持金具１ に、後付けで吊りボルトＰを懸吊することができるようになった。

【００１５】 また、請求項１によると、金具本体１に懸吊した吊りボルトＰは、長孔状の支 持孔７に沿って角度調整自在に支持できる。したがって、あらゆる状況に対応し た使用が可能である。

【００１６】 更に、請求項２により、吊りボルトＰ固定時に摺動ナット１０を空回りさせず に固定できるから、装着作業を更に容易にすることができる。

【００１７】 このようにこの考案によると、造営材に装着した支持金具に、後付けで連結具 を装着することができ、装着作業を簡略化し、あらゆる状況に対応した使用が可 能であるなどといった実用上有益な種々の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の使用状態を示す斜視図。

【図２】この考案を示す斜視図。

【図３】摺動ナットの他の実施例を使用した状態を示す
斜視図。

【符号の説明】

Ｐ 吊りボルト Ｑ 造営材 １ 金具本体 ２ 上板 ３ 下板 ４ 側板 ５ ネジ孔 ６ 止着ネジ ７ 支持孔 ８ 移動孔 ９ 挿入孔 １０ 摺動ナット １１ 固定ナット

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 相対峙する上板と下板とが側板を介して
   連続形成され、上下板の間に所定の造営材を挟み、この
   造営材に圧着する止着ネジを上板に設け、吊りボルトを
   挿通する支持孔を下板に貫通した懸吊支持金具であっ
   て、底部が曲面状に突出する摺動ナットをネジ止めした
   吊りボルトの先端部を側面から挿入する挿入孔を側板に
   設け、この挿入孔から下板にかけて吊りボルトを移動せ
   しめる長孔状の移動孔を連設し、この移動孔に連続する
   長孔状の支持孔を移動孔の長手左右に延長形成すると共
   に、支持孔を開穿した面を凹状に湾曲形成したことを特
   徴とする懸吊支持金具。
2. 【請求項２】 摺動ナットは、下板の湾曲面形状に沿っ
   て湾曲した板体状を成す請求項１記載の懸吊支持金具。