JP3009374B2 - トランス−4−アルキルシクロヘキサンカルボン酸エステル類の製法 - Google Patents
トランス−4−アルキルシクロヘキサンカルボン酸エステル類の製法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、香料化合物及び医
薬並びに農薬の中間体として有用な下記式(1)
薬並びに農薬の中間体として有用な下記式(1)
【化4】 [式中、R1はC1〜C4のアルキル基、R2はC1〜C2の
アルキル基を示し、点線はトランス異性体示す]で表さ
れるトランス−4−アルキルシクロヘキサンカルボン酸
エステル類の製法に関する。更に詳しくは、後記式
(3)の4−アルキル安息香酸エステル類を触媒の存在
下に接触還元して後記式(2)の4−アルキルシクロヘ
キサンカルボン酸エステル類を形成し、該形成物をアル
カリ金属アルコキシドの存在下に異性化する前記式
(1)で表されるトランス−4−アルキルシクロヘキサ
ンカルボン酸エステル類の新規な製法に関する。
アルキル基を示し、点線はトランス異性体示す]で表さ
れるトランス−4−アルキルシクロヘキサンカルボン酸
エステル類の製法に関する。更に詳しくは、後記式
(3)の4−アルキル安息香酸エステル類を触媒の存在
下に接触還元して後記式(2)の4−アルキルシクロヘ
キサンカルボン酸エステル類を形成し、該形成物をアル
カリ金属アルコキシドの存在下に異性化する前記式
(1)で表されるトランス−4−アルキルシクロヘキサ
ンカルボン酸エステル類の新規な製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、4−アルキルシクロヘキサンカル
ボン酸のエステル類を合成する方法としては、一般的に
は対応する4−アルキルシクロヘキサンカルボン酸とア
ルコール類とを常法によってエステル化反応するか、又
は該カルボン酸類のアルカリ金属塩とハロゲン化アルキ
ルとの脱塩反応によってエステルを合成する方法などが
採用されている。
ボン酸のエステル類を合成する方法としては、一般的に
は対応する4−アルキルシクロヘキサンカルボン酸とア
ルコール類とを常法によってエステル化反応するか、又
は該カルボン酸類のアルカリ金属塩とハロゲン化アルキ
ルとの脱塩反応によってエステルを合成する方法などが
採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ごとき従来提案の方法においては、エステル製造に利用
する4−アルキル置換シクロヘキサンカルボン酸類の合
成法自体に解決しなければならない課題がある。例え
ば、対応する4−アルキル安息香酸をアルカリ性条件下
に水素添加する方法が開示されているが[Proc.K.Ned.A
kad.Westensch.ser.B.62(3)147(1959);特開昭56−6
8612号公報]、この方法によれば高温、高圧で且つ
長時間を要するという問題がある。
ごとき従来提案の方法においては、エステル製造に利用
する4−アルキル置換シクロヘキサンカルボン酸類の合
成法自体に解決しなければならない課題がある。例え
ば、対応する4−アルキル安息香酸をアルカリ性条件下
に水素添加する方法が開示されているが[Proc.K.Ned.A
kad.Westensch.ser.B.62(3)147(1959);特開昭56−6
8612号公報]、この方法によれば高温、高圧で且つ
長時間を要するという問題がある。
【0004】また、例えばクミン酸の水素添加による製
法(特公平4−15221号公報)によれば、水素添加
反応の際に、クミン酸の結晶を溶解する溶媒(酢酸)が
必要であり、更に、反応終了後には溶媒(酢酸)を除去
しなければならない。上記公報によれば酢酸は蒸発乾固
することによって除去されているが、この方法は実験室
的には可能であっても工業的な製法とは言いがたい。ま
た、高価な酸化白金を触媒として使用する必要がある。
更に、該公報にはエステル類の異性化触媒として水素化
ナトリウムが提示されているが、この触媒は取り扱いに
注意が必要で且つ反応も高い温度を要するなどの欠点が
あり、必ずしも満足できるものではなく、式(1)の化
合物の改善された製法の開発が強く望まれていた。
法(特公平4−15221号公報)によれば、水素添加
反応の際に、クミン酸の結晶を溶解する溶媒(酢酸)が
必要であり、更に、反応終了後には溶媒(酢酸)を除去
しなければならない。上記公報によれば酢酸は蒸発乾固
することによって除去されているが、この方法は実験室
的には可能であっても工業的な製法とは言いがたい。ま
た、高価な酸化白金を触媒として使用する必要がある。
更に、該公報にはエステル類の異性化触媒として水素化
ナトリウムが提示されているが、この触媒は取り扱いに
注意が必要で且つ反応も高い温度を要するなどの欠点が
あり、必ずしも満足できるものではなく、式(1)の化
合物の改善された製法の開発が強く望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のご
とき従来の方法の欠点を解決すべく鋭意研究した。その
結果、今回、後記式(3)の4−アルキル安息香酸エス
テル類をルテニウムーカーボン(Ru−C)触媒の存在
下に接触還元して後記式(2)の4−アルキルシクロヘ
キサンカルボン酸エステル類を形成し、該形成物を式
(2)のエステル類1重量部に対し約0.001〜約
0.1重量部のアルカリ金属アルコキシドの存在下に異
性化反応させることにより、反応操作上、不利益を有す
る水素化ナトリウム触媒を使用することなく、比較的低
温、低圧で副反応を伴うことなく且つ、高純度、高収率
をもって前記式(1)で表されるトランス−4−アルキ
ルシクロヘキサンカルボン酸エステル類が容易に製造で
きることを見いだし本発明を完成した。
とき従来の方法の欠点を解決すべく鋭意研究した。その
結果、今回、後記式(3)の4−アルキル安息香酸エス
テル類をルテニウムーカーボン(Ru−C)触媒の存在
下に接触還元して後記式(2)の4−アルキルシクロヘ
キサンカルボン酸エステル類を形成し、該形成物を式
(2)のエステル類1重量部に対し約0.001〜約
0.1重量部のアルカリ金属アルコキシドの存在下に異
性化反応させることにより、反応操作上、不利益を有す
る水素化ナトリウム触媒を使用することなく、比較的低
温、低圧で副反応を伴うことなく且つ、高純度、高収率
をもって前記式(1)で表されるトランス−4−アルキ
ルシクロヘキサンカルボン酸エステル類が容易に製造で
きることを見いだし本発明を完成した。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法を反応工程図で
示すと以下のように表すことができる。
示すと以下のように表すことができる。
【化5】 [式中、R1はC1〜C4のアルキル基、R2はC1〜C2の
アルキル基を示し、波線はシス及びトランス異性体の混
合物を示し、点線はトランス異性体示す]。
アルキル基を示し、波線はシス及びトランス異性体の混
合物を示し、点線はトランス異性体示す]。
【0007】上記工程図に従って、本発明を詳細に説明
する。本発明において原料として使用される前記式
(3)の4−アルキル安息香酸エステル類は、市場で容
易に入手することもできるが、例えば、対応するアルコ
ール類と4−アルキル安息香酸類を触媒の存在下に反応
させることにより容易に合成することができる。
する。本発明において原料として使用される前記式
(3)の4−アルキル安息香酸エステル類は、市場で容
易に入手することもできるが、例えば、対応するアルコ
ール類と4−アルキル安息香酸類を触媒の存在下に反応
させることにより容易に合成することができる。
【0008】本発明によれば、前記式(2)の4−アル
キルシクロヘキサンカルボン酸エステル類は前記式
(3)の4−アルキル安息香酸エステル類を触媒の存在
下に接触還元することにより、容易に製造できる。
キルシクロヘキサンカルボン酸エステル類は前記式
(3)の4−アルキル安息香酸エステル類を触媒の存在
下に接触還元することにより、容易に製造できる。
【0009】上記式(3)化合物の芳香環の接触還元、
すなわち環内二重結合の水素添加反応には特別の制約は
なく、それ自体既知の方法に従って行うことができる。
該水素添加反応は、通常、溶媒を使用することなく、比
較的低温低圧で行うことができる。例えば、オートクレ
ーブに式(3)の4−アルキル安息香酸エステル類を仕
込み、Pd−C、Ru−C、Raney−Ni、Rh−
Cなどの水添用触媒を加えて、温度約50〜約200
℃、水素圧約5〜約50kg/cm2で約5〜約15時
間程度の条件で反応を進行させる。これによって、副反
応なしにほぼ定量的に式(2)の4−アルキルシクロヘ
キシルカルボン酸エステル類に導くことができる。反応
終了後は、常法にしたがって触媒を濾別後、精留するこ
とにより高純度の式(2)の化合物を得ることができ
る。本発明の製造方法において使用される水添用触媒と
しては、Ru−C、Pd−Cが好ましく、中でも特に好
ましい触媒としてRu−Cが挙げられる。Ru−Cは、
Pd−Cに比して低温で反応が進行し、副生成物が少な
く、収率が高いという利点を有する。Ru−Cを使用し
た場合には、Pd−Cの130℃以上に対し80℃以上
で反応が進行する。また収率は、Pd−Cの91重量%
に対しRu−Cではほぼ定量的であった。
すなわち環内二重結合の水素添加反応には特別の制約は
なく、それ自体既知の方法に従って行うことができる。
該水素添加反応は、通常、溶媒を使用することなく、比
較的低温低圧で行うことができる。例えば、オートクレ
ーブに式(3)の4−アルキル安息香酸エステル類を仕
込み、Pd−C、Ru−C、Raney−Ni、Rh−
Cなどの水添用触媒を加えて、温度約50〜約200
℃、水素圧約5〜約50kg/cm2で約5〜約15時
間程度の条件で反応を進行させる。これによって、副反
応なしにほぼ定量的に式(2)の4−アルキルシクロヘ
キシルカルボン酸エステル類に導くことができる。反応
終了後は、常法にしたがって触媒を濾別後、精留するこ
とにより高純度の式(2)の化合物を得ることができ
る。本発明の製造方法において使用される水添用触媒と
しては、Ru−C、Pd−Cが好ましく、中でも特に好
ましい触媒としてRu−Cが挙げられる。Ru−Cは、
Pd−Cに比して低温で反応が進行し、副生成物が少な
く、収率が高いという利点を有する。Ru−Cを使用し
た場合には、Pd−Cの130℃以上に対し80℃以上
で反応が進行する。また収率は、Pd−Cの91重量%
に対しRu−Cではほぼ定量的であった。
【0010】このようにして得られる4−アルキルシク
ロヘキサンカルボン酸エステル類のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピ
ル基、イソブチル基、n−ブチル基等を例示でき、より
好ましくはイソプロピル基を挙げることができる。ま
た、エステル類の例としては、4−アルキルシクロヘキ
サンカルボン酸のメチル又はエチルアルコールのエステ
ルを示すことができる。
ロヘキサンカルボン酸エステル類のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピ
ル基、イソブチル基、n−ブチル基等を例示でき、より
好ましくはイソプロピル基を挙げることができる。ま
た、エステル類の例としては、4−アルキルシクロヘキ
サンカルボン酸のメチル又はエチルアルコールのエステ
ルを示すことができる。
【0011】上述のようにして得られる式(2)の化合
物は、トランス及びシス異性体の混合物として製造され
る。その混合割合は、反応温度、反応時間、水素圧、反
応に用いる触媒の種類等により異なるが、通常トランス
異性体1に対してシス異性体約0.5〜約3.0であ
る。
物は、トランス及びシス異性体の混合物として製造され
る。その混合割合は、反応温度、反応時間、水素圧、反
応に用いる触媒の種類等により異なるが、通常トランス
異性体1に対してシス異性体約0.5〜約3.0であ
る。
【0012】本発明の式(1)のトランス−4−アルキ
ルシクロヘキサンカルボン酸エステル類は、式(2)に
包含されるシス体の4−アルキルシクロヘキサンカルボ
ン酸エステル類をアルカリ金属アルコキシドの存在下に
トランス異性体に異性化させることにより、高純度、高
収率に製造できる。
ルシクロヘキサンカルボン酸エステル類は、式(2)に
包含されるシス体の4−アルキルシクロヘキサンカルボ
ン酸エステル類をアルカリ金属アルコキシドの存在下に
トランス異性体に異性化させることにより、高純度、高
収率に製造できる。
【0013】この異性化反応は、例えば、トランス異性
体とシス異性体の混合物である式(2)の化合物1重量
部に対してアルカリ金属アルコキシド約0.001〜約
0.1重量部を加え、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの
不活性ガス雰囲気中で、温度約0〜約100℃にて約
0.5〜約5時間程度加熱処理することにより行われ
る。
体とシス異性体の混合物である式(2)の化合物1重量
部に対してアルカリ金属アルコキシド約0.001〜約
0.1重量部を加え、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの
不活性ガス雰囲気中で、温度約0〜約100℃にて約
0.5〜約5時間程度加熱処理することにより行われ
る。
【0014】反応に使用するアルカリ金属アルコキシド
のアルキル基としは、例えばメチル基、エチル基、イソ
プロピル基、n−プロピル基、t−ブチル基、イソブチ
ル基、n−ブチル基、イソアミル基、n−アミル基等、
より好ましくはt−ブチル基を挙げることができ、ま
た、アルカリ金属の例としては、ナトリウム、カリウム
等を示すことができる。好ましいアルカリ金属アルコキ
シドとしては、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム
−t−ブトキシドが挙げられる。特に好ましいアルカリ
金属アルコキシドは、カリウム−t−ブトキシドであ
る。他の触媒を使用した場合は溶媒や高温を必要とする
のに対し、カリウム−t−ブトキシドの使用では無溶
媒、室温で反応が進行し、より純度の高い式(1)化合
物を得ることができる。反応終了後は常法により酸洗
浄、水洗、微アルカリ洗浄などを行った後減圧脱水し、
次いで減圧精留することにより高純度のトランス体であ
る式(1)化合物を得ることができる。
のアルキル基としは、例えばメチル基、エチル基、イソ
プロピル基、n−プロピル基、t−ブチル基、イソブチ
ル基、n−ブチル基、イソアミル基、n−アミル基等、
より好ましくはt−ブチル基を挙げることができ、ま
た、アルカリ金属の例としては、ナトリウム、カリウム
等を示すことができる。好ましいアルカリ金属アルコキ
シドとしては、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム
−t−ブトキシドが挙げられる。特に好ましいアルカリ
金属アルコキシドは、カリウム−t−ブトキシドであ
る。他の触媒を使用した場合は溶媒や高温を必要とする
のに対し、カリウム−t−ブトキシドの使用では無溶
媒、室温で反応が進行し、より純度の高い式(1)化合
物を得ることができる。反応終了後は常法により酸洗
浄、水洗、微アルカリ洗浄などを行った後減圧脱水し、
次いで減圧精留することにより高純度のトランス体であ
る式(1)化合物を得ることができる。
【0015】更に、所望により該トランス−4−アルキ
ルシクロヘキサンカルボン酸エステル類を加水分解する
ことにより、医薬品中間体として有用なトランス−4−
アルキルシクロヘキサンカルボン酸類に誘導することも
できる。以下、実施例により本発明の態様を更に詳細に
説明する。下記各例において、特にことわりのない限
り、%は重量%を意味する。
ルシクロヘキサンカルボン酸エステル類を加水分解する
ことにより、医薬品中間体として有用なトランス−4−
アルキルシクロヘキサンカルボン酸類に誘導することも
できる。以下、実施例により本発明の態様を更に詳細に
説明する。下記各例において、特にことわりのない限
り、%は重量%を意味する。
【0016】
【実施例】実施例1 4−イソプロピルシクロヘキサン
カルボン酸メチルエステル[式(2)の化合物]の合
成。 1リッターオートクレーブ中に4−イソプロピル安息香
酸メチルエステル560g(3.15モル)、5%Pd
−C(パラジウム−カーボン)16.8gを仕込み、水
素圧10〜50kg/cm2、温度130℃で13時間
水添反応を行い水素の吸収がなくなった所で反応を終了
した。触媒を濾別した後減圧蒸留を行い、沸点63〜6
9℃/1mmHgの4−イソプロピルシクロヘキサンカ
ルボン酸メチルエステル532.5g(収率92%)を
得た。該エステルはトランス異性体とシス異性体の混合
物で、その混合比率はトランス体1に対して、シス体
0.8であった。
カルボン酸メチルエステル[式(2)の化合物]の合
成。 1リッターオートクレーブ中に4−イソプロピル安息香
酸メチルエステル560g(3.15モル)、5%Pd
−C(パラジウム−カーボン)16.8gを仕込み、水
素圧10〜50kg/cm2、温度130℃で13時間
水添反応を行い水素の吸収がなくなった所で反応を終了
した。触媒を濾別した後減圧蒸留を行い、沸点63〜6
9℃/1mmHgの4−イソプロピルシクロヘキサンカ
ルボン酸メチルエステル532.5g(収率92%)を
得た。該エステルはトランス異性体とシス異性体の混合
物で、その混合比率はトランス体1に対して、シス体
0.8であった。
【0017】実施例2 4−イソプロピルシクロヘキサ
ンカルボン酸メチルエステル[式(2)の化合物]の合
成。 1リッターオートクレーブ中に4−イソプロピル安息香
酸メチルエステル560g(3.15モル)、5%Ru
−C(ルテニウム−カーボン)ウェットタイプ5.6g
を仕込み、水素圧10〜50kg/cm2、温度120
℃で13時間水添反応を行い水素の吸収がなくなった所
で反応を終了した。触媒を濾別した後減圧蒸留を行い、
沸点63〜69℃/1mmHgの4−イソプロピルシク
ロヘキサンカルボン酸メチルエステル573g(収率9
9%)を得た。該エステルはトランス異性体とシス異性
体の混合物で、その混合比率はトランス体1に対して、
シス体3.0であった。
ンカルボン酸メチルエステル[式(2)の化合物]の合
成。 1リッターオートクレーブ中に4−イソプロピル安息香
酸メチルエステル560g(3.15モル)、5%Ru
−C(ルテニウム−カーボン)ウェットタイプ5.6g
を仕込み、水素圧10〜50kg/cm2、温度120
℃で13時間水添反応を行い水素の吸収がなくなった所
で反応を終了した。触媒を濾別した後減圧蒸留を行い、
沸点63〜69℃/1mmHgの4−イソプロピルシク
ロヘキサンカルボン酸メチルエステル573g(収率9
9%)を得た。該エステルはトランス異性体とシス異性
体の混合物で、その混合比率はトランス体1に対して、
シス体3.0であった。
【0018】実施例3 各種の4−アルキルシクロヘキ
サンカルボン酸エステル類[式(2)の化合物]の合
成。 実施例1または実施例2の製造方法に準じて各種の式
(2)の化合物を合成した。その結果を表−1に示す。
サンカルボン酸エステル類[式(2)の化合物]の合
成。 実施例1または実施例2の製造方法に準じて各種の式
(2)の化合物を合成した。その結果を表−1に示す。
【0019】
【表1】 表 1 式(2)化合物 触媒 沸点(bp/mmHg) 混合比率(トランス/シス) 4-メチルシクロヘキサンカルホ゛ン酸エチル Pd-C 49■55℃/1.0 1/1.0 4-エチルシクロヘキサンカルホ゛ン酸エチル Pd-C 52■57℃/1.0 1/0.8 4-イソフ゜ロヒ゜ルシクロヘキサンカルホ゛ン酸エチル Ru-C 65■71℃/1.0 1/2.5 4-t-フ゛チルシクロヘキサンカルホ゛ン酸メチル Pd-C 66■72℃/1.0 1/0.8
【0020】実施例4 トランス−4−イソプロピルシ
クロヘキサンカルボン酸メチルエステル[式(1)の化
合物]の合成。 1リッター容反応フラスコに4−イソプロピルシクロヘ
キサンカルボン酸メチルエステル400g、カリウム-
t-ブトキシド4gを仕込み、アルゴンガス雰囲気中に
て21〜27℃で4時間反応を行った。反応生成物のう
ち237gを取り出し、濾過、洗浄後精留し、沸点68
〜70℃/1.0mmHgのトランス体エステル198
g(トランス体純度99%;収率83.5%)を得た。
クロヘキサンカルボン酸メチルエステル[式(1)の化
合物]の合成。 1リッター容反応フラスコに4−イソプロピルシクロヘ
キサンカルボン酸メチルエステル400g、カリウム-
t-ブトキシド4gを仕込み、アルゴンガス雰囲気中に
て21〜27℃で4時間反応を行った。反応生成物のう
ち237gを取り出し、濾過、洗浄後精留し、沸点68
〜70℃/1.0mmHgのトランス体エステル198
g(トランス体純度99%;収率83.5%)を得た。
【0021】実施例5 各種のトランス−4−アルキル
シクロヘキサンカルボン酸エステル類[式(1)の化合
物]の合成。 実施例4の製造方法に準じて各種の式(1)の化合物を
合成した。その結果を表−2に示す。
シクロヘキサンカルボン酸エステル類[式(1)の化合
物]の合成。 実施例4の製造方法に準じて各種の式(1)の化合物を
合成した。その結果を表−2に示す。
【0022】
【表2】 表 2 式(1)化合物 異性化触媒 沸点(bp/mmHg) トランス体純度(%)トランス -4-メチルシクロヘキサンカルホ゛ン酸エチル KOC(CH3)3 53■55℃/1.0 98トランス -4-エチルシクロヘキサンカルホ゛ン酸エチル KOC(CH3)3 55■57℃/1.0 98トランス -4-イソフ゜ロヒ゜ルシクロヘキサンカルホ゛ン酸メチル NaOCH3 66■70℃/1.0 85トランス -4-イソフ゜ロヒ゜ルシクロヘキサンカルホ゛ン酸メチル NaOC2H5 66■70℃/1.0 80トランス -4-t-フ゛チルシクロヘキサンカルホ゛ン酸メチル KOC(CH3)3 70■72℃/1.0 95
【0023】
【発明の効果】本発明の製法によれば、4−アルキル安
息香酸エステル類を触媒の存在下に接触還元して4−ア
ルキルシクロヘキサンカルボン酸エステル類を形成し、
次いで該形成物をアルカリ金属アルコキシドの存在下に
異性化反応させることにより、高純度、高収率で香料化
合物及び農薬並びに医薬中間体として有用なトランス−
4−アルキルシクロヘキサンカルボン酸エステル類が提
供される。
息香酸エステル類を触媒の存在下に接触還元して4−ア
ルキルシクロヘキサンカルボン酸エステル類を形成し、
次いで該形成物をアルカリ金属アルコキシドの存在下に
異性化反応させることにより、高純度、高収率で香料化
合物及び農薬並びに医薬中間体として有用なトランス−
4−アルキルシクロヘキサンカルボン酸エステル類が提
供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川野辺 恒夫 神奈川県川崎市中原区苅宿335 長谷川 香料株式会社技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭54−163554(JP,A) Zh.Prikl.Khim.,56 [▲II▼](1983),2550−2553. CHEMICAL ABSTRACT S,97(1982),71972. (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 69/75 C07C 67/333 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】 下記式(3) 【化1】[式中、R1はC1〜C4のアルキル基を示し、
R2はC1〜C2のアルキル基を示す]で表される4−ア
ルキル安息香酸エステル類を、ルテニウム−カーボン
(Ru−C)触媒の存在下に接触還元させて下記式
(2) 【化2】[式中、R1はC1〜C4のアルキル基、R2はC
1〜C2のアルキル基を示し、波線はシス及びトランス異
性体の混合物を示す]で表される4−アルキルシクロヘ
キサンカルボン酸エステル類を形成させ、該形成物を、
アルカリ金属アルコキシドのアルキル基が、メチル基、
エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、t−ブチ
ル基、イソブチル基、n−ブチル基、イソアミル基、n
−アミル基から選ばれた少なくとも一種であるアルカリ
金属アルコキシドを、式(2)の化合物1重量部に対し
0.001〜0.1重量部の存在下に異性化させること
を特徴とする下記式(1) 【化3】[式中、R1はC1〜C4のアルキル基、R2はC
1〜C2のアルキル基を示し、点線はトランス異性体示
す]で表されるトランス−4−アルキルシクロヘキサン
カルボン酸エステル類の製法。 - 【請求項2】 アルカリ金属アルコキシドが、カリウム
−t−ブトキシドである請求項1記載のトランス−4−
アルキルシクロヘキサンカルボン酸エステル類の製法。
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Zh.Prikl.Khim.,56[▲II▼](1983),2550−2553. |
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