JP3056359B2 - 2,2,4−トリメチル−シクロヘキセンカルボアルデヒドの製法 - Google Patents

2,2,4−トリメチル−シクロヘキセンカルボアルデヒドの製法

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JP3056359B2
JP3056359B2 JP5246067A JP24606793A JP3056359B2 JP 3056359 B2 JP3056359 B2 JP 3056359B2 JP 5246067 A JP5246067 A JP 5246067A JP 24606793 A JP24606793 A JP 24606793A JP 3056359 B2 JP3056359 B2 JP 3056359B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カンファー様、花様、
果実様、木様、薬草様などの香気香味を有し、従来から
香料として利用されており、また医薬、農薬などの合成
中間体として有用な下記式(1)
【0002】
【化3】
【0003】式中、点線は3位又は4位のいずれか一方
に二重結合が存在することを示す、で表される2,2,
4−トリメチル−シクロヘキセンカルボアルデヒドの製
法に関する。更に詳しくは、本発明は下記式(2)
【0004】
【化4】
【0005】で表されるクリサンテノールを塩基性触媒
又は酸性触媒の存在下に転位反応させることを特徴とす
る前記式(1)の2,2,4−トリメチル−シクロヘキ
センカルボアルデヒドの新規な製法に関する。以下、二
重結合が3位に存在する式(1)の化合物、すなわち
2,2,4−トリメチル−3−シクロヘキセンカルボア
ルデヒドを式(1)−1の化合物と二重結合が4位に存
在する式(1)の化合物、すなわち2,2,4−トリメ
チル−4−シクロヘキセンカルボアルデヒドを式(1)
−2の化合物とという。
【0006】
【従来の技術】従来、前記式(1)の化合物の製造法に
ついては、いくつかの報告がなされており、例えば、メ
シチルオキシドとヨウ化メチルマグネシウムを反応させ
て得られるアルコールをヨウ素で脱水反応処理し、1,
1,3−トリメチルブタジエンを生成させ、次いで該生
成物をアクロレインと反応させて式(1)−1の化合物
を得る方法[高砂香料時報 No.79 33〜36(1983);以下
(a)法という]などが提案されている。
【0007】一方、本発明と同じく、クリサンテノール
を出発原料として式(1)−1の化合物を製造する方法
に関しては、クリサンテノールの構造確認のため、クリ
サンテノールをクロム酸−ピリジンコンプレックスで酸
化し、クリサンテノンを製造する際に式(1)−1化合
物が副生したこと;また、クリサンテノールはガスクロ
マトグラフィー中で熱(180℃)によって異性化し、
式(1)−1の化合物になることが報告されている[JAC
S,Chem.Comm.,314〜315(1972);以下(b)法とする]。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来提案の(a)法では副生成物が多く、低収率であるう
えアクロレインなどの有毒物質を使用しなければならな
いという問題点があり、また、(b)法は、後記の比較
例からも明らかなように収率が極めて低いなどの問題点
を有している。そのため、従来より、好収率で式(1)
化合物を得ることのできる新規な製法を開発することが
強く望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述の課題を解決しうる式(1)の化合物の工業的に有
利な製造法を確立するため鋭意研究を行ってきた。その
結果、今回、式(2)で表されるクリサンテノールを塩
基性触媒又は酸性触媒の存在下に転位させることによ
り、単一の工程で式(1)の2,2,4−トリメチル−
シクロヘキセンカルボアルデヒドを好収率かつ高純度で
製造することができることを見い出し本発明を完成し
た。
【0010】本発明の式(1)の化合物の製造法を反応
式で示すと以下のように表すことができる。
【0011】
【化5】
【0012】式(1)の化合物の合成法を以下にさらに
詳細に説明する。
【0013】式(1)の化合物の合成原料である式
(2)の化合物は菊花の香気成分として従来公知であ
り、市販品として容易に入手可能であり或はまた従来既
知の方法により合成することも可能である。例えば、モ
ノテルペンケトンのベルベノンを紫外線照射してクリサ
ンテノンに異性化し、次いでクリサンテノンをリチウム
アルミニウムハライド等の金属水素化物で還元すること
により、容易に式(2)の化合物を製造することができ
る[J.Am.Chem.Soc.,89, 3828〜3841(1967); J.Chem.So
c., 2864〜2869(1960);Tetrahedron Lett., 3571〜3574
参照]。
【0014】塩基性触媒又は酸性触媒の存在下に式
(2)の化合物を転位させて式(1)の化合物を生成せ
しめる場合の反応温度および反応時間はそれぞれ、例え
ば約20℃〜約100℃、好ましくは約40℃〜約90
℃程度及び約1時間〜約10時間程度とすることができ
る。この転位反応は、有機溶媒の存在下または非存在下
に行うことができる。有機溶媒の存在下で行う場合に使
用しうる有機溶媒としては、例えばメチルアルコール、
エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピル
アルコール、ブチルアルコール、テトラヒドロフラン、
エチレングリコール、ジエチレングリコールなどを挙げ
ることができ、これらの有機溶媒の使用量は、式(2)
の化合物1重量部に対して通常約1〜約50重量部程度
を採用することができる。
【0015】上記の反応で使用しうる塩基触媒は、例え
ば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム
などのアルカリ金属の水酸化物;ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属のアルコ
キシドなどを挙げることができ、また、酸性触媒は、例
えば硫酸、塩酸、リン酸などの無機酸類を挙げることが
できる。これらの塩基性触媒又は酸性触媒の使用量は、
式(2)の化合物1モルに対して一般に約0.01モル
〜約1.0モル、特に0.05モル〜0.5モルの範囲
内が適当である。反応終了後、反応生成物を洗浄、抽
出、乾燥、蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの分離
手段を適宜に採用して単離・精製することにより、式
(1)の化合物を好収率で得ることができる。
【0016】以上に述べた塩基性触媒又は酸性触媒の存
在下にクリサンテノールを転位させて式(1)の化合物
を生成させる本発明の方法によれば、後記の比較例と実
施例を対比することから明らかなように、加熱によりク
リサンテノールを異性化させて式(1)の化合物を生成
させる上記従来法[(b)法]に比べて式(1)の化合
物を好収率で製造することができる。以下、本発明を比
較例及び実施例を挙げて更に具体的に説明する。
【0017】
【実施例】
比較例1: 2,2,4−トリメチル−3−シクロヘキ
センカルボアルデヒド[式(1)−1の化合物]の合成
[加熱異性化法(b法)]。
【0018】反応フラスコ中にクリサンテノール5gを
仕込み、180℃に加熱し8時間反応させる。冷却後、
粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精
製することにより、式(1)−1の化合物を0.18g
(収率:3.6%)得た。また、未反応のクリサンテノ
ールを4.4g(回収率:88%)回収した。加熱異性
化法の収率は、後記の実施例1及び実施例2に記載の本
発明の方法と比較して極めて低いことがわかる。
【0019】実施例1: 2,2,4−トリメチル−シ
クロヘキセンカルボアルデヒド[式(1)の化合物]の
合成(塩基性触媒の存在下)。
【0020】反応フラスコ中にクリサンテノール5gと
0.5%苛性カリ−エタノール溶液50gを仕込み、加
熱還流下に1時間反応させる。冷却後、反応物を水10
0ml中に加え、エーテル抽出(200ml×2)、飽
和食塩水洗浄(100ml)、硫酸マグネシウム乾燥、
溶媒回収し、式(1)の化合物の粗製物6gを得た。更
に、蒸留精製することにより、式(1)の化合物4.6
g[式(1)−1化合物52%と式(1)−2化合物4
8%の混合物]を得る。
【0021】沸点:57℃〜62℃/3mmHg 収率:92% IR νmax(film)cm-1: 1721,1450,13691 H-NMR δ(90MHz,CDCl3)ppm: 0.99(s;3H),1.10(s;3H),
1.64(s;3H),1.50〜2.40(m;5H),5.09(brs;1H)13 C-NMR δ(22.5MHz,CDCl3)ppm: 23.36,23.68,28.83,2
9.91,44.76,54.78,56.24,117.57,132.95,205.71 実施例2: 2,2,4−トリメチル−シクロヘキセン
カルボアルデヒド[式(1)化合物]の合成(酸性触媒
の存在下)。
【0022】反応フラスコ中にクリサンテノール5gと
1%硫酸−エタノール溶液50gを仕込み、加熱還流下
に5時間反応させる。冷却後、反応物をソーダ灰水10
0ml中に加え、エーテル抽出(200ml×2)、飽
和食塩水洗浄(100ml)、硫酸マグネシウム乾燥、
溶媒回収し、式(1)化合物の粗製物6gを得た。更
に、蒸留精製することにより、式(1)の化合物4.2
g[式(1)−1化合物54%と式(1)−2化合物4
6%の混合物]を得る。
【0023】沸点:57℃〜62℃/3mmHg 収率:84%
【0024】
【発明の効果】本発明は、カンファー様、花様、果実
様、木様、薬草様などの香気香味を有し、従来から香料
として利用され、また医薬、農薬などの合成中間体とし
て有用な2,2,4−トリメチル−シクロヘキセンカル
ボアルデヒドの新規な製法を提供するものである。該製
法によれば、わずか一工程でクリサンテノールから好収
率で2,2,4−トリメチル−シクロヘキセンカルボア
ルデヒドを合成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 47/42 C07C 45/51 C07C 47/32 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(2) 【化1】 で表されるクリサンテノールを塩基性触媒又は酸性触媒
    の存在下に転位反応させることを特徴とする下記式
    (1) 【化2】 式中、点線は3位又は4位のいずれか一方に二重結合が
    存在することを示す、で表される2,2,4−トリメチ
    ル−シクロヘキセンカルボアルデヒドの製法。
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