JP3006640B2 - 粒状ヘマタイト粒子粉末の製造法 - Google Patents

粒状ヘマタイト粒子粉末の製造法

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JP3006640B2 JP4056371A JP5637192A JP3006640B2 JP 3006640 B2 JP3006640 B2 JP 3006640B2 JP 4056371 A JP4056371 A JP 4056371A JP 5637192 A JP5637192 A JP 5637192A JP 3006640 B2 JP3006640 B2 JP 3006640B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘマタイト粒子粉末の
製造法に関するものであり、オートクレーブ等の特殊な
装置を用いることなく、常圧下の水溶液中からヘマタイ
ト粒子粉末のみを工業的に得られる製造法を提供するこ
とを目的とする。本発明に係るヘマタイト粒子粉末の主
な用途は、塗料用顔料粉末、ゴム・プラスチック用着色
材、道路舗装用着色材、フェライト用原料粉末及びトナ
ー用材料の原料粉末等である。
【0002】
【従来の技術】ヘマタイト粒子粉末は赤褐色を呈してい
る為、顔料とビヒクルとを混合して塗料を製造する際の
塗料用顔料粉末として広く使用されており、更に、ゴム
・プラスチックに混練・分散して用いる着色材やアスフ
ァルト等の混合材に添加・混練して用いる道路舗装用着
色材としても使用されている。
【0003】また、フェライト用原料粉末としても広く
使用されている。尚、フェライトは、ヘマタイト粒子粉
末等の主原料とBa、Sr若しくはPb化合物、又は、
Zn、Mn、Ni、Mg若しくはCu化合物等の副原料
とを混合し、加熱焼成、粉砕することにより製造されて
いる。
【0004】更に、ヘマタイト粒子粉末は、トナー用材
料の原料粉末としても使用されている。即ち、ヘマタイ
ト粒子粉末を結合剤樹脂中に分散させてトナーとした
り、ヘマタイト粒子粉末を還元性ガス中で加熱還元し、
または、次いで、これを空気中で酸化することによりマ
グネタイト粒子粉末やマグヘマイト粒子粉末等の磁性材
料として結合剤樹脂中に分散させて磁性トナーとし静電
複写機に使用されている。
【0005】上記の通り、ヘマタイト粒子粉末は、様々
な分野で使用されているが、いずれの分野においても共
通して要求されるヘマタイト粒子粉末の特性は分散性が
優れていることであり、その為には、粒子形状が均一で
粒度が均斉であり、しかも、粒子が1個1個バラバラで
あることが必要である。
【0006】即ち、塗料の製造においては塗料化に際し
て、ゴム・プラスチックの製品における混練に際して、
アスファルト合材における混練に際して、それぞれヘマ
タイト粒子粉末を均一、且つ、容易に分散させることが
必要であり、その為には分散性に優れたヘマタイト粒子
粉末が要求される。また、色のにごりの原因となる針状
粒子やマグネタイト等が混入していないことも要求され
る。
【0007】次に、フェライトの製造にあたっては、主
原料であるヘマタイト粒子の分散性が優れている程、原
料の均一混合が可能となり、その結果、フェライト化反
応の進行が容易となり、最終製品であるフェライトの性
能は向上する。
【0008】更に、静電複写機用のトナー及び磁性トナ
ーの製造にあたっては、ヘマタイト粒子粉末、または、
マグネタイト粒子粉末、マグヘマイト粒子粉末等の磁性
材料を樹脂中に均一、且つ、容易に分散させることが必
要であり、その為には各粒子粉末が優れた分散性を有す
ることが要求される。
【0009】従来、ヘマタイト粒子粉末の製造法として
は、第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応して得ら
れた水酸化第一鉄を含む第一鉄塩反応溶液に酸素含有ガ
スを通気して酸化する酸化反応により、溶液中から出発
原料としてのマグネタイト粒子を生成させ、次いで、該
マグネタイト粒子粉末を空気中500℃程度以上で加熱
してヘマタイト粒子粉末にする方法が知られている。し
かしながら、この方法による場合には、空気中、高温で
加熱処理する為、粒子及び粒子相互間で焼結が生起し、
粒子が1個1個バラバラであるヘマタイト粒子粉末を得
ることは困難であり、また、粒度から言えば、均斉な粒
度を有した粒子であるとは言い難い。
【0010】また、従来、粒度が均斉で、且つ、粒子が
1個1個バラバラであるヘマタイト粒子粉末を得る為
に、水溶液中から直接ヘマタイト粒子粉末を生成させる
技術手段としては、例えば、特公昭38−9852号公
報、特公昭55−4694号公報、特公昭60−301
2号公報、特公昭60−29646号公報、特開昭51
−8193号公報、特開昭61−14138号公報、特
開昭61−14139号公報、特開昭62−12892
7号公報及び特開昭62−128930号公報等が挙げ
られる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記の通り、粒度が均
斉で、且つ、粒子が1個1個バラバラであることに起因
して分散性の優れたヘマタイト粒子粉末は、現在最も要
求されているところであるが、前出特公昭38−985
2号公報に開示されている鉄材の存在のもとで生成させ
る技術手段においては、鉄材を使用するため自動化が難
しくハンドリングも困難である。
【0012】また、前出特公昭55−4694号公報及
び特公昭60−29646号公報、に開示されている技
術手段においては、いずれも100℃以上の高温を必要
とするので、オートクレーブという特殊な装置を必要と
する為、工業的・経済的ではない。
【0013】また、特開昭51−8193号公報、特開
昭61−14138号公報、特開昭61−14139号
公報、特開昭62−128927号公報及び特開昭62
−128930号公報に開示されている技術手段におい
ては、当量以上のアルカリ水溶液を使用する為、余分に
使用したアルカリ水溶液とその廃水処理に対する処理費
用もかかるので相当高価なものとなる。
【0014】また、特公昭60−3012号公報に開示
されている技術手段においては、第一鉄塩水溶液と該液
中のFe2+に対し当量以上のアルカリ水溶液とを反応さ
せて結晶性の悪い酸化鉄の種子粒子を形成させ、更に、
過剰のアルカリ水溶液を反応させるのに必要な量以上の
第一鉄塩水溶液を加えて反応させているので、反応終了
時の母液中に未反応の鉄イオンが残るので廃水処理を必
要とし、鉄イオンを残さないようにするために更に複雑
な処理を行なう必要が生じる。
【0015】そこで、本発明は、酸性法で粒度が均斉
で、且つ、粒子が1個1個バラバラであり、しかも、針
状粒子等を含まない粒状ヘマタイト粒子粉末を工業的・
経済的に製造することを技術的課題とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明方法によって達成できる。
【0017】即ち、本発明は、第一鉄塩水溶液と該第一
鉄塩水溶液中のFe2+に対し当量未満の水酸化アルカリ
水溶液又は炭酸アルカリ水溶液若しくは水酸化アルカリ
・炭酸アルカリ混合水溶液から選ばれるアルカリ水溶液
とを反応させて得られる水酸化第一鉄コロイド又は鉄含
有沈澱物コロイドを含む第一鉄塩反応溶液に、あらかじ
め酒石酸又はその塩、クエン酸又はその塩及びホスホン
酸化合物から選ばれる化合物を添加しておき、次いで、
この第一鉄塩反応溶液に35℃以下の温度範囲で酸素含
有ガスを通気して酸化反応を行なって種晶粒子を生成さ
せ、当該酸化反応が終了に近づき反応溶液のpH値が降
下し始めてからpH4になるまでの間に、当該反応溶液
のpHが4〜5の範囲を維持するように前記アルカリ水
溶液を滴下する第一段反応と、この第一段反応の終了後
に、当該反応溶液を前記pHの範囲を維持しながら加熱
昇温して90℃〜沸点の温度範囲とした後、前記pHの
範囲を維持するように前記アルカリ水溶液を滴下しなが
ら第一鉄塩水溶液を追加投入し、引き続いて、前記温度
範囲を維持した状態において前記pHの範囲を維持する
ように前記アルカリ水溶液を滴下しながら酸素含有ガス
を通気して酸化反応を行なってヘマタイト粒子を生成さ
せる第二段反応との二段階反応からなる粒状ヘマタイト
粒子粉末の製造法である。
【0018】次に、本発明方法実施にあたっての諸条件
について述べる。
【0019】本発明において使用される第一鉄塩水溶液
としては、硫酸第一鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液等を使
用することができる。
【0020】本発明において使用される水酸化アルカリ
水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリ
ウム水溶液等が、炭酸アルカリ水溶液としては、炭酸ナ
トリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸アンモニウ
ム水溶液等が使用することができ、また、これらの混合
水溶液を使用することもできる。
【0021】本発明における第一段反応において使用さ
れる第一鉄塩の反応濃度としては、0.05〜0.35
mol/lの範囲である。0.05mol/l未満の場
合には、経済的でなく、0.35mol/lを越える場
合には、最終生成物であるヘマタイト粒子粉末にマグネ
タイトが混入することもあるので好ましくない。尚、第
一段反応において機械的操作による攪拌等により酸化速
度を促進させることによって、より高濃度の反応も可能
である。
【0022】本発明のおける第一段反応において使用さ
れる水酸化アルカリ水溶液又は炭酸アルカリ水溶液若し
くは水酸化アルカリ・炭酸アルカリ混合水溶液の使用量
は、第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し当量未満である。
当量以上の場合には、針状粒子やマグネタイトが混在す
ることもある。好ましい当量の範囲としては、0.80
〜0.98である。
【0023】本発明においては酒石酸又はその塩、クエ
ン酸又はその塩及びホスホン酸化合物から選ばれる化合
物を使用することができる。酒石酸の塩としては、酒石
酸ナトリウム、酒石酸カリウム等が挙げられる。クエン
酸の塩としては、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウ
ム、クエン酸リチウム、クエン酸アンモニウム等が挙げ
られる。ホスホン酸化合物としては、ヒドロキシエタン
ジホスホン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸ナトリウ
ム等が挙げられる。
【0024】本発明における酒石酸又はその塩若しくは
ホスホン酸化合物の添加量は、第一段階の反応に使用し
た第一鉄塩水溶液中のFe2+に対して0.1〜2.0m
ol%である。0.1mol%未満の場合には、本発明
の効果が得られず、ゲータイトが混在することもある。
2.0mol%を越える場合にも生成することはできる
が、必要以上に加えると公害の発生等も生じ、また、経
済的にも好ましくない。
【0025】本発明における酒石酸又はその塩、クエン
酸又はその塩及びホスホン酸化合物から選ばれる化合物
は、生成粒子に影響を及ぼすものであり、従って、種晶
粒子を生成させる酸化反応の開始に先立って、あらかじ
め添加しておく必要があり、第一鉄塩水溶液、前記アル
カリ水溶液及び酸素含有ガスを通気して酸化する前の前
記第一鉄塩反応溶液のいずれかに添加することができ
る。
【0026】本発明における第一段反応の温度は、35
℃以下の範囲である。35℃を越える場合には、マグネ
タイトが混在してくる。15℃未満の場合にも生成する
ことはできるが、原料等の反応溶液の冷却に多くの費用
がかかるので経済的に問題となるので、15℃以上が好
ましい。
【0027】本発明においては、第一段反応から第二段
反応への移行に当たって、反応溶液のpHが4〜5の範
囲を維持している必要がある。このためには、第一段反
応の酸化反応が終了に近づき反応溶液のpH値が降下し
始めてからpH4になるまでの間に前記アルカリ水溶液
を適宜滴下してpHの調節を行なえばよい。pHが4未
満の場合には、ゲータイトが混在することがあり、pH
が5を越える場合には、マグネタイトが混在することが
あるので好ましくない。
【0028】尚、これ以降の加熱昇温時又は第二段反応
における第一鉄塩水溶液の追加投入時においても、前記
アルカリ水溶液を適宜滴下して、前記pHの範囲を維持
させてゲータイトやマグネタイトを混在させないように
しなければならない。また、前記アルカリ水溶液を滴下
しながら酸素含有ガスを通気して酸化する第二段反応に
おいても、前記pHの範囲を維持するように加えなけれ
ばならない。
【0029】本発明においては、第一段反応終了後に当
該反応溶液の温度を90℃〜沸点の温度範囲に加熱昇温
した後に第二段反応を行なう。90℃未満の場合には、
ゲータイトが混在してくる。沸点を越える場合にも本発
明の目的を達成することはできるが、オートクレーブ等
の特殊な装置を必要とするので工業的・経済的ではなく
なる。
【0030】本発明における第二段反応においては、第
一鉄塩水溶液を前記温度範囲を維持できる範囲内で添加
し、第一鉄塩水溶液の添加量は、反応濃度として第一段
反応に使用した第一鉄塩水溶液との総和において0.4
〜1.5mol/lの範囲とする。0.4mol/l未
満の場合には、工業的・経済的でなくなる。1.5mo
l/lを越える場合には、ヘマタイト粒子が不均斉とな
り、また、ゲータイトやマグネタイトが混在することが
ある。尚、第二段反応においても機械的操作による攪拌
を伴うことによって、より高濃度の反応も可能である。
【0031】本発明における酸化手段は、酸素含有ガス
(例えば空気)を液中に通気することにより行う。
【0032】尚、本発明において、第一段反応と第二段
反応とを同一の反応塔を用いて行うことができることは
もちろん、別々の反応塔を用いる場合でも本発明の目的
とするヘマタイト粒子が得られる。
【0033】
【作用】本発明においては、第一鉄塩水溶液と該液中の
Fe2+に対し当量未満の前記アルカリ水溶液とを反応し
て得られる水酸化第一鉄コロイド又は鉄含有沈澱物コロ
イドを含む第一鉄塩反応溶液に、酸素含有ガスを通気し
て酸化反応を行なうことにより種晶粒子を生成させるに
あたり、あらかじめ酒石酸又はその塩、クエン酸又はそ
の塩及びホスホン酸化合物から選ばれる化合物を添加
し、次いで、35℃以下の温度範囲で酸素含有ガスを通
気し、当該反応が終了に近づき反応溶液のpH値が降下
し始めてからpH4になるまでの間に、当該反応溶液の
pHが4〜5の範囲になるように前記アルカリ水溶液を
滴下することにより、図1に示すような針状粒子やマグ
ネタイト等を含まない微細な種晶粒子を生成させること
ができる。
【0034】尚、前掲特公昭60−3012号公報に開
示された技術手段においては、可溶性の鉄塩の水溶液
に、当量以上のアルカリ水溶液を加えて不溶性の鉄化合
物を生成せしめ、pH約7.5と約55〜75℃の範囲
内に保ち、酸素含有気体を通気して種子粒子を形成させ
ている。従って、同公報の第1図に示されるように針状
結晶等を含む結晶性の悪い種子粒子となっている。これ
に対し、本発明において針状粒子やマグネタイト等を含
まない微細な種晶粒子を生成させることができるのは、
第一鉄塩水溶液の反応濃度、該液中のFe2+に対し当量
未満の前記アルカリ水溶液、酒石酸又はその塩、クエン
酸又はその塩及びホスホン酸化合物から選ばれる化合物
の存在下及び反応温度を35℃以下の範囲で酸素含有ガ
スを通気して酸化することにより、きわめて短時間のう
ちに反応することができるためである。
【0035】また、当該第一段反応が終了に近づき反応
溶液のpH値が降下し始めた時、加熱昇温時、第一鉄塩
の追加投入時及び前記アルカリ水溶液を加えながら酸素
含有ガスを通気して酸化する第二段反応の終了時までの
各反応溶液のpHを4〜5の範囲に維持することによっ
て、ゲータイトやマグネタイト等を混在させないように
することができたためである。
【0036】以上の反応条件により、第一段反応で得ら
れた種晶粒子を90℃から沸点の温度範囲で第二段階の
反応を行なうことにより図3に示すように粒度が均斉
で、且つ、粒子が1個1個バラバラであり、しかも、針
状粒子やマグネタイト等を有しない粒状ヘマタイト粒子
を工業的・経済的に得ることができる。
【0037】
【実施例】次に、実施例並びに比較例により、本発明方
法を説明する。尚、以下の実施例並びに比較例における
粒子径は、いずれも電子顕微鏡写真から測定した数値の
平均値で示した。また、測色値は、多光源分光測色計M
SC−IS−2D(スガ試験機(株)製)により求めた
* 、a* 、b* で示した。
【0038】実施例1 酒石酸 3.94g(酒石酸はFe2+に対し0.5mo
l%に該当する。)を添加したFe2+ 0.21mol
/lを含む硫酸第一鉄水溶液25 l(反応濃度0.1
5mol/lに該当する。)と1.0mol/lのNa
OH水溶液10l(硫酸第一鉄水溶液中のFe2+に対し
0.95当量に該当する。)とを混合し、pH7.3、
温度30℃においてFe(OH)2 を含む硫酸第一鉄水
溶液の生成を行った。上記Fe(OH)2 を含む硫酸第
一鉄水溶液を温度30℃において毎分200lの空気を
通気して反応液のpHが降下し始めpHが5.0となっ
た時に9.0mol/lのNaOH水溶液を滴下してp
H4〜5を維持し、50分間の反応時間で黒褐色沈澱を
生成させた。黒褐色沈澱の一部を抜き取り、常法によ
り、濾過、水洗、乾燥して得られた黒褐色の粒子粉末の
電子顕微鏡写真(×30000)を図1に示す。 得ら
れた黒褐色の粒子粉末は、図1に示す通り、超微細な粒
子であった。また、針状粒子が混在しないものであっ
た。尚、図2に示す通り、X線回折の結果、非晶質であ
った。
【0039】上記黒褐色沈澱含む硫酸第一鉄水溶液を温
度95℃に加熱昇温し、該温度を約95℃に維持した状
態において、pHを4〜5の範囲に維持できるように
1.0mol/lの硫酸第一鉄水溶液15 l(第一段
反応に使用した硫酸第一鉄水溶液との総和において0.
4mol/lに該当する。)と9.0mol/lのNa
OH水溶液とを適宜加えながら追加投入し、pHを4〜
5の範囲に維持しながら毎分100 lの空気を6時間
通気して赤褐色沈澱を生成させた。この時の温度は95
℃であり、pHは4.3であった。得られた赤褐色沈澱
は、常法により、濾過、水洗、乾燥した。得られた赤褐
色の粒子粉末は、図3の電子顕微鏡写真(×3000
0)に示す通り、平均粒子径0.13μmの粒状粒子で
あった。また、粒度が均斉であって針状粒子やマグネタ
イトの混在しないものであり、測色値は、L* 36.
7、a* 34.8、b* 29.7であった。尚、図4に
示す通り、X線回折の結果、ヘマタイトであった。
【0040】実施例2〜5、比較例1〜5 第一段反応における第一鉄塩水溶液の種類、濃度及び使
用量、反応濃度、アルカリ水溶液の種類及び濃度、第一
鉄とアルカリとの当量比、酒石酸又はその塩、クエン酸
又はその塩及びホスホン酸化合物から選ばれる添加化合
物の種類、Feに対する添加量及び添加時期、反応温
度、第二段反応における昇温後の温度、第一鉄塩水溶液
の種類及び濃度、第一段と第二段との総和の反応濃度、
アルカリ水溶液の種類及び濃度、反応温度を種々変化さ
せた以外は実施例1と同様にしてヘマタイト粒子を生成
した。
【0041】この時の主要製造条件及び生成ヘマタイト
粒子の諸特性を表1及び表2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明に係るヘマタイト粒子粉末の製造
法によれば、前出実施例に示した通り、酸性系反応で常
圧下の水溶液中から直接粒状ヘマタイト粒子のみを生成
させることができるため、工業的・経済的に得ることが
できる。
【0045】本発明により得られた粒状ヘマタイト粒子
粉末は、粒度が均斉で、且つ、粒子が1個1個バラバラ
であり、しかも、針状粒子やマグネタイトを含まない為
に、優れた分散性を有し、色相に優れているので塗料用
顔料粉末、ゴム・プラスチック用着色材、道路舗装用着
色材、フェライト用原料粉末及びトナー用材料の原料粉
末として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の第一段反応で得られた種晶粒子粉末
の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。
【図2】実施例1の第一段反応で得られた種晶粒子粉末
のX線回折図である。
【図3】実施例1の第二段反応で得られたヘマタイト粒
子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×3000
0)である。
【図4】実施例1の第二段反応で得られたヘマタイト粒
子粉末のX線回折図である。
【図5】比較例1の第一段反応で得られた種晶粒子粉末
の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。
【図6】比較例1の第二段反応で得られたマグネタイト
粒子が混在したヘマタイト粒子粉末の粒子構造を示す電
子顕微鏡写真(×30000)である。
【図7】比較例2の第一段反応で得られた種晶粒子粉末
の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。
【図8】比較例2の第二段反応で得られたゲータイト粒
子が混在したヘマタイト粒子粉末の粒子構造を示す電子
顕微鏡写真(×30000)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 49/00 - 49/16 H01F 1/11

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中の
    Fe2+に対し当量未満の水酸化アルカリ水溶液又は炭酸
    アルカリ水溶液若しくは水酸化アルカリ・炭酸アルカリ
    混合水溶液から選ばれるアルカリ水溶液とを反応させて
    得られる水酸化第一鉄コロイド又は鉄含有沈澱物コロイ
    ドを含む第一鉄塩反応溶液に、あらかじめ酒石酸又はそ
    の塩、クエン酸又はその塩及びホスホン酸化合物から選
    ばれる化合物を添加しておき、次いで、この第一鉄塩反
    応溶液に35℃以下の温度範囲で酸素含有ガスを通気し
    て酸化反応を行なって種晶粒子を生成させ、当該酸化反
    応が終了に近づき反応溶液のpH値が降下し始めてから
    pH4になるまでの間に、当該反応溶液のpHが4〜5
    の範囲を維持するように前記アルカリ水溶液を滴下する
    第一段反応と、この第一段反応の終了後に、当該反応溶
    液を前記pHの範囲を維持しながら加熱昇温して90℃
    〜沸点の温度範囲とした後、前記pHの範囲を維持する
    ように前記アルカリ水溶液を滴下しながら第一鉄塩水溶
    液を追加投入し、引き続いて、前記温度範囲を維持した
    状態において前記pHの範囲を維持するように前記アル
    カリ水溶液を滴下しながら酸素含有ガスを通気して酸化
    反応を行なってヘマタイト粒子を生成させる第二段反応
    との二段階反応からなることを特徴とする粒状ヘマタイ
    ト粒子粉末の製造法。
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