JP3005946B2 - 半導体製造設備用転がり軸受 - Google Patents
半導体製造設備用転がり軸受Info
- Publication number
- JP3005946B2 JP3005946B2 JP4203567A JP20356792A JP3005946B2 JP 3005946 B2 JP3005946 B2 JP 3005946B2 JP 4203567 A JP4203567 A JP 4203567A JP 20356792 A JP20356792 A JP 20356792A JP 3005946 B2 JP3005946 B2 JP 3005946B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bearing
- coating
- semiconductor manufacturing
- lubricating
- rolling
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Description
される固体潤滑転がり軸受に関する。
および転動体と保持器間にグリ−ス等の潤滑剤を供給
し、それぞれの間に発生する転がり摩擦や滑り摩擦を減
少させ、軸受の耐久性を向上させるようにしている。
場合、グリ−ス等の蒸気圧の高い潤滑剤は雰囲気中に蒸
発してしまうため使用に耐えない。また、転がり軸受を
半導体製造設備等の高い清浄度が要求される密封真空下
で使用する場合、潤滑剤の蒸気が環境の汚染源となるた
め、グリ−ス等の流体潤滑剤を使用することができな
い。そのため、このような環境下で使用される転がり軸
受には蒸気圧の低い固体潤滑剤が必要になる。現在、転
がり軸受の固体潤滑剤としては、二硫化モリブデン等の
層状物質系、金、銀、鉛等の軟質金属系、PTFE、ポ
リイミド等の高分子系の潤滑剤が広く使用されている。
が増すにつれて導電パタ−ンの線幅が微細化しており、
軸受から排出される固体潤滑剤の摩耗粉がパタ−ン上に
付着して導電回路を短絡させる恐れがあることから、導
電性のある軟質金属系の固体潤滑剤が敬遠される傾向に
ある。一方、二硫化モリブデン、PTFE(ポリマ−)
等の固体潤滑剤は導電性をもたないが、これらは転着性
に乏しくしかも耐摩耗性が低いため、耐久性の点で軟質
金属よりも劣る。
で使用できるのみならず、大気・真空両用、低発塵、耐
蝕などの機能をもつ軸受が必要とされるようになってき
た。すなわち、半導体製造工程で真空軸受が使用される
のは主にウェーハ処理工程であるが、この工程で使われ
る装置は生産性向上のためインライン化される傾向があ
り、ウェーハの搬送装置には大気と真空の両環境下で運
転できる軸受が必要となってきている。また、半導体の
高集積化は必然的に装置からの発塵の抑制を要求してい
る。さらに、使用個所によっては耐蝕性や耐熱性も要求
される。
造設備用転がり軸受として、平均分子量が1×103 〜
3×103 のポリテトラフルオロエチレン(以下、PT
FEテロマーと称す。)からなる潤滑被膜を形成した転
がり軸受について既に出願している(特願平3−136
084号等)。従来転がり軸受の固体潤滑剤として使用
されているPTFEは平均分子量が2×105 〜3×1
05 のポリマーであるが、PTFEテロマーは上記ポリ
マーに比べて剪断強度が著しく小さく、また軟らかいと
いう特性をもつ。そのため、PTFEテロマーの摩耗粉
は転着性に優れ、相手面の微小な凹部へも入り込んで潤
滑被膜を形成するので、摩耗粉(パーティクル)が飛散
しにくく低発塵である。また、剪断抵抗が小さいため摩
擦係数が小さく、優れた潤滑性能を発揮する。先の出願
では、このPTFEテロマーを用いて転がり軸受の転が
り摩擦又は滑り摩擦を生じる部位に固体潤滑被膜を形成
することにより、軸受の耐久性、低発塵性等が他の固体
潤滑剤を使用した場合に比べて著しく向上すると同時
に、近時の半導体製造分野における高集積化、インライ
ン化等にも十分に対応し得ることを示した。
らに向上させることをその目的とする。後述するよう
に、低発塵性のさらなる向上は、特に近時の半導体製造
分野における製造設備のコンパクト化への対応を指向す
るものである。
構成する部品のうち少なくとも転がり摩擦又は滑り摩擦
を生ずる表面に、平均分子量が1×103 〜3×103
のポリテトラフルオロエチレンからなる潤滑被膜を形成
したものであって、前記潤滑被膜を、島と、島間を連続
させる薄い被膜部分とを有する、連続した島状に分布さ
せたことを特徴とする半導体製造設備用転がり軸受を提
供するものである。
って付着面から削り取られ微小な摩耗粉となる。この摩
耗粉は相手面等に再付着(転着)して転着被膜を形成す
る。このように、固体潤滑被膜は一般に表面からの剥離
・転着を繰り返しながら潤滑作用をなすものであるが、
摩耗粉の転着性が十分でない場合には、転着できない摩
耗粉が軸受外に排出されてしまう。この排出された摩耗
粉はパーティクルとなって周囲環境を汚染する。
連続した島状分布とすることにより、被膜表面から削り
取られた摩耗粉の転着性を高め、もって低発塵性のさら
なる向上を図るものである。図3を参照しながら説明す
ると、島12と島12とは薄い被膜部分15によって連続して
おり、潤滑被膜11aの表面は微小な凹凸状になって母材
11の表面を覆っている。凸状の島12は相手面13との接触
によって削り取られ摩耗粉12aを発生させるが、この摩
耗粉12aは凹状の被膜部分15に入り込み、その部分15に
転着する。このように、潤滑被膜11aの表面から削り取
られた摩耗粉12aが島12間の被膜部分15に転着、換言す
れば、捕捉されて外部に排出されなくなる結果、パーテ
ィクルの発生が抑制されるのである。
機能は、図4に示すような不連続な島状分布をなす潤滑
被膜21a、図5に示すような一様分布をなす潤滑被膜31
aに比べて高くなる。これは、潤滑被膜11aにおける島
12間の被膜部分15が摩耗粉12aと同材料でありしかも凹
状をなすため、摩耗粉12aが定着しやすくなったことに
よる。これに対して、不連続な島状分布をなす潤滑被膜
21aは島12間に母材11の地肌部分が露出しており、また
一様分布をなす潤滑被膜31aは表面が平坦であるため、
いずれも摩耗粉の捕捉機能はやや劣る。
施例を示す。この軸受は、内輪1、外輪2、内・外輪1
・2間に介在する複数の転動体3、転動体3を円周等間
隔に保持する保持器4といった軸受部品で構成される。
そして、内・外輪1・2の転走面および転動体3の表面
にはそれぞれ平均分子量が1×103 〜3×103 のポ
リテトラフルオロエチレン(PTFEテロマー)からな
る潤滑被膜1a・2a・3aが形成されている。これら
の潤滑被膜は、例えば、PTFEテロマー(日本アチソ
ン製ARC7等)を、25cm離れた位置から被膜形成
面にスプレ−して島状に付着させたのち、溶剤(例え
ば、アセトン等)により溶出して島同士を連続させたも
のである。PTFEテロマーの被膜コーティング方法と
しては、現在、スプレ−によるものが一般的であり、こ
の方法ではPTFEテロマーの溶液を噴霧状にして被膜
形成面に吹付けるため、潤滑被膜は図4に示すような不
連続な島状になりやすい。そして、この島部分を溶剤に
より溶出して島間の母材の地肌部分に付着させることに
より、島と島とを確実にPTFEテロマーの薄い被膜部
分で連続させるのである。その結果、潤滑被膜は図3に
示すような連続した島状分布をなすことになる。この時
の平均被膜厚さは、約0.6μm程度になるようにして
ある。尚、本実施例では内・外輪1・2の転走面及び転
動体3の表面に固体潤滑被膜を形成するようにしたが、
固体潤滑被膜は少なくとも転動体3の表面に形成すれば
良い。また、同図では内・外輪1・2の外表面全体に固
体潤滑被 膜1a・2aが形成されているが、嵌合面等
の、固体潤滑被膜の不必要な部分については、マスキン
グによって被膜処理を施さない、あるいは、最終製品と
なる前に除去することも可能である。さらに、軸受の形
式は、同図に示すような深溝玉軸受に限らず、広く転が
り軸受一般に適用することができる。
積化・インライン化に加え、設備保全、生産性等の観点
から設備をコンパクト化する傾向にあり、これに伴っ
て、半導体製造設備(例えば、ウェーハ搬送装置)に使
用される軸受のサイズもミニチュア化する傾向にある。
続した島状分布)と溶剤処理を施していないミニチュア
軸受A(不連続な島状分布)とについて行なった発塵試
験の結果を示す。発塵試験は、測定装置にセッティング
した試験軸受を所定条件下で回転させ、試験軸受の直下
に配置した発塵検出器(レーザービームを使用したセン
サによりカウントするタイプのもの)により発塵量を測
定した。同図に示すように、潤滑被膜を連続した島状分
布とすることにより、軸受Bの相対発塵量は軸受Aの相
対発塵量に比べて半分以下になる。軸受のミニチュア化
に伴って被膜形成面は小さくなるが、本発明に係わる潤
滑被膜を形成することによって、軸受の発塵量を低減さ
せることができる。
の潤滑被膜を連続した島状分布とすることにより、摩耗
粉の発生が抑制されると同時に、発生した摩耗粉が島間
の被膜部分で捕捉されるため、軸受の発塵量が著しく減
少する。この傾向はミニチュア軸受において特に顕著で
ある。
る。
した平面図(図a)、断面図(図b、図c、図d)であ
る。
した平面図(図a)、断面図(図b)である。
図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 転がり軸受を構成する部品のうち少なく
とも転がり摩擦又は滑り摩擦を生ずる表面に、平均分子
量が1×103 〜3×103 のポリテトラフルオロエチ
レンからなる潤滑被膜を形成したものであって、前記潤
滑被膜を、島と、島間を連続させる薄い被膜部分とを有
する、連続した島状に分布させたことを特徴とする半導
体製造設備用転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4203567A JP3005946B2 (ja) | 1992-07-30 | 1992-07-30 | 半導体製造設備用転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4203567A JP3005946B2 (ja) | 1992-07-30 | 1992-07-30 | 半導体製造設備用転がり軸受 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05187446A JPH05187446A (ja) | 1993-07-27 |
JP3005946B2 true JP3005946B2 (ja) | 2000-02-07 |
Family
ID=16476270
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4203567A Expired - Lifetime JP3005946B2 (ja) | 1992-07-30 | 1992-07-30 | 半導体製造設備用転がり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3005946B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101614689B1 (ko) | 2015-11-24 | 2016-04-22 | 주식회사 우정유빅스엔지니어링종합감리전문회사 | 건축용 조립식 계단 난간 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11959041B2 (en) | 2022-08-31 | 2024-04-16 | Robert Bosch Gmbh | Tribological system |
US20240067894A1 (en) * | 2022-08-31 | 2024-02-29 | Robert Bosch Gmbh | Tribological system |
-
1992
- 1992-07-30 JP JP4203567A patent/JP3005946B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101614689B1 (ko) | 2015-11-24 | 2016-04-22 | 주식회사 우정유빅스엔지니어링종합감리전문회사 | 건축용 조립식 계단 난간 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05187446A (ja) | 1993-07-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2992717B2 (ja) | 半導体製造設備用転がり軸受 | |
JP2532426B2 (ja) | 固体潤滑軸受装置 | |
GB2250549A (en) | Roller bearing surfaces with low molecular weight PTFE layer | |
JP2838869B2 (ja) | 潤滑ころがり接触装置、潤滑法、潤滑組成物及びセラミック転動要素 | |
JP3005946B2 (ja) | 半導体製造設備用転がり軸受 | |
Uppal et al. | The real area of contact between a rough and a flat surface | |
KR19980024828A (ko) | 리테이너를 구비하지 않은 구름 베어링 | |
JPH0893774A (ja) | 固体潤滑転がり軸受 | |
JP3006635B2 (ja) | 固体潤滑転がり軸受 | |
JP2556653Y2 (ja) | 固体潤滑転がり軸受 | |
JP2531867B2 (ja) | 半導体製造設備用転がり軸受 | |
JPH06173958A (ja) | 転がり軸受 | |
JPH0650343A (ja) | 固体潤滑転がり軸受 | |
JP3021909B2 (ja) | 半導体製造設備用転がり軸受 | |
JP3021923B2 (ja) | 半導体製造設備用転がり軸受 | |
JPH04362312A (ja) | 半導体製造設備用転がり軸受 | |
JP2002266875A (ja) | 転がり軸受 | |
JP2542135B2 (ja) | 固体潤滑転がり軸受 | |
JP2503174Y2 (ja) | 固体潤滑転がり軸受 | |
JPH0854024A (ja) | 揺動型転がり軸受 | |
JPH07305726A (ja) | 転がり軸受 | |
JP2775898B2 (ja) | 真空機器用転がり軸受 | |
JPH0460216A (ja) | 固体潤滑転がり軸受 | |
JP2003343579A (ja) | 転動装置 | |
JP3021822B2 (ja) | 半導体製造設備用リンク機構 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071126 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081126 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091126 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091126 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101126 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111126 Year of fee payment: 12 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111126 Year of fee payment: 12 |