JP3021909B2 - 半導体製造設備用転がり軸受 - Google Patents
半導体製造設備用転がり軸受Info
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- JP3021909B2 JP3021909B2 JP1643892A JP1643892A JP3021909B2 JP 3021909 B2 JP3021909 B2 JP 3021909B2 JP 1643892 A JP1643892 A JP 1643892A JP 1643892 A JP1643892 A JP 1643892A JP 3021909 B2 JP3021909 B2 JP 3021909B2
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- Japan
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- lubricating film
- bearing
- rolling
- semiconductor manufacturing
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C2208/00—Plastics; Synthetic resins, e.g. rubbers
- F16C2208/20—Thermoplastic resins
- F16C2208/30—Fluoropolymers
- F16C2208/32—Polytetrafluorethylene [PTFE]
Landscapes
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造設備に使用
される転がり軸受に関する。
される転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造設備に使用される軸受は、高
い清浄度が要求される密封真空下で運転されるため、そ
の潤滑には、一般に、二硫化モリブデン等の層状物質、
金、銀、鉛等の軟質金属、PTFE、ポリイミド等の高
分子材料などの固体潤滑剤が用いられている。
い清浄度が要求される密封真空下で運転されるため、そ
の潤滑には、一般に、二硫化モリブデン等の層状物質、
金、銀、鉛等の軟質金属、PTFE、ポリイミド等の高
分子材料などの固体潤滑剤が用いられている。
【0003】ところで、近年、半導体製造分野では半導
体の集積度が増すにつれて回路パターンの線幅が微細化
しており、軸受から排出される固体潤滑剤の摩耗粉がパ
ターン上に付着すると種々の弊害を引き起こす可能性が
あることから、固体潤滑剤の特性として、本来の潤滑性
・耐久性の他に、特に低発塵性を要求するようになって
きている。
体の集積度が増すにつれて回路パターンの線幅が微細化
しており、軸受から排出される固体潤滑剤の摩耗粉がパ
ターン上に付着すると種々の弊害を引き起こす可能性が
あることから、固体潤滑剤の特性として、本来の潤滑性
・耐久性の他に、特に低発塵性を要求するようになって
きている。
【0004】このような現状に鑑み、本出願人は、転が
り軸受を構成する部品のうち少なくとも転がり摩擦また
は滑り摩擦を生ずる表面に、平均分子量が5000以下
のポリテトラフルオロエチレン(以下、簡単のため、低
分子量PTFEと略記する。)からなる潤滑皮膜を形成
した固体潤滑転がり軸受について既に出願している(特
願平3−190150号等)。従来より、軸受の固体潤
滑剤として用いられているPTFEは平均分子量が1×
105 以上、主に、1×106〜1×107のものである
が、低分子量PTFEを用いて潤滑皮膜を形成すること
により、潤滑性、耐久性、低発塵性等に優れた潤滑皮膜
を得ることができることを上記出願において示した。こ
れらの効果は、低分子量PTFEが、従来より固体潤滑
剤として用いられているPTFEに比べて、剪断強度が
著しく小く、また、転着性に優れていることによるもの
であった。
り軸受を構成する部品のうち少なくとも転がり摩擦また
は滑り摩擦を生ずる表面に、平均分子量が5000以下
のポリテトラフルオロエチレン(以下、簡単のため、低
分子量PTFEと略記する。)からなる潤滑皮膜を形成
した固体潤滑転がり軸受について既に出願している(特
願平3−190150号等)。従来より、軸受の固体潤
滑剤として用いられているPTFEは平均分子量が1×
105 以上、主に、1×106〜1×107のものである
が、低分子量PTFEを用いて潤滑皮膜を形成すること
により、潤滑性、耐久性、低発塵性等に優れた潤滑皮膜
を得ることができることを上記出願において示した。こ
れらの効果は、低分子量PTFEが、従来より固体潤滑
剤として用いられているPTFEに比べて、剪断強度が
著しく小く、また、転着性に優れていることによるもの
であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近時、半導体製造分野
においては、製造設備のインライン化、コンパクト化の
傾向が顕著であり、軸受を高荷重下で使用したい、軸受
スペースの縮小化を図りたいという要望が強い。このよ
うな場合、例えば軸受としてころ軸受を用いることによ
って対応することが可能である。
においては、製造設備のインライン化、コンパクト化の
傾向が顕著であり、軸受を高荷重下で使用したい、軸受
スペースの縮小化を図りたいという要望が強い。このよ
うな場合、例えば軸受としてころ軸受を用いることによ
って対応することが可能である。
【0006】しかしながら、低分子量PTFEの潤滑皮
膜を形成したころ軸受について耐久性や低発塵性をテス
トしたところ、玉軸受に比べて、その特性がやや劣るこ
とがわかった。これは、ころの端面と軌道輪のつば面と
の間に発生する滑り摩擦力の影響よるものと考えられ
る。すなわち、ころ軸受においては、ころの端面を内輪
や外輪のつば面で接触案内するため、単に、この接触面
に潤滑皮膜を形成しただけでは、潤滑皮膜が滑り摩擦力
によって掻き取られてしまい、局部的な脱落、早期摩耗
等をおこす。そして、これが潤滑不良、発塵量の増大に
つながると考えられる。上述したように、低分子量PT
FEの潤滑皮膜は潤滑性、低発塵性に優れたものである
が、このような理由から、ころ軸受に対してはその本来
の優れた特性を十分に発揮させることが困難である。
膜を形成したころ軸受について耐久性や低発塵性をテス
トしたところ、玉軸受に比べて、その特性がやや劣るこ
とがわかった。これは、ころの端面と軌道輪のつば面と
の間に発生する滑り摩擦力の影響よるものと考えられ
る。すなわち、ころ軸受においては、ころの端面を内輪
や外輪のつば面で接触案内するため、単に、この接触面
に潤滑皮膜を形成しただけでは、潤滑皮膜が滑り摩擦力
によって掻き取られてしまい、局部的な脱落、早期摩耗
等をおこす。そして、これが潤滑不良、発塵量の増大に
つながると考えられる。上述したように、低分子量PT
FEの潤滑皮膜は潤滑性、低発塵性に優れたものである
が、このような理由から、ころ軸受に対してはその本来
の優れた特性を十分に発揮させることが困難である。
【0007】一方、玉軸受においては以上のような問題
点はないが、半導体製造設備に使用される軸受の中に
は、メインテナンスフリーでの使用を要求されるものも
あり、このような場合、より一層の耐久性向上が必要と
なる。
点はないが、半導体製造設備に使用される軸受の中に
は、メインテナンスフリーでの使用を要求されるものも
あり、このような場合、より一層の耐久性向上が必要と
なる。
【0008】そこで、本発明の目的は、低分子量PTF
Eからなる潤滑皮膜の優れた特性をころ軸受においても
発揮させることにより、適用し得る軸受形式の拡大を図
ると共に、玉軸受におけるメインテナンスフリー化を達
成することにある。
Eからなる潤滑皮膜の優れた特性をころ軸受においても
発揮させることにより、適用し得る軸受形式の拡大を図
ると共に、玉軸受におけるメインテナンスフリー化を達
成することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体製造設備
用転がり軸受は、転がり軸受を構成する部品のうち少な
くとも転がり摩擦または滑り摩擦を生ずる表面に平均分
子量が5000以下のポリテトラフルオロエチレンから
なる潤滑皮膜を形成したものであって、上記部品のうち
少なくとも滑り摩擦を生ずる表面に多数の微小なくぼみ
を有することを特徴とする。
用転がり軸受は、転がり軸受を構成する部品のうち少な
くとも転がり摩擦または滑り摩擦を生ずる表面に平均分
子量が5000以下のポリテトラフルオロエチレンから
なる潤滑皮膜を形成したものであって、上記部品のうち
少なくとも滑り摩擦を生ずる表面に多数の微小なくぼみ
を有することを特徴とする。
【0010】
【作用】低分子量PTFEを用いて潤滑皮膜を形成する
ことにより、潤滑性、低発塵性に優れた潤滑皮膜を得る
ことができる。この潤滑皮膜は相手面との接触による摩
擦力によって削り取られ潤滑粉となる。この潤滑粉は相
手面等に転着して再び皮膜を形成する。このように、潤
滑皮膜は剥離・転着を繰り返しながら潤滑作用をなす。
ことにより、潤滑性、低発塵性に優れた潤滑皮膜を得る
ことができる。この潤滑皮膜は相手面との接触による摩
擦力によって削り取られ潤滑粉となる。この潤滑粉は相
手面等に転着して再び皮膜を形成する。このように、潤
滑皮膜は剥離・転着を繰り返しながら潤滑作用をなす。
【0011】一方、滑り摩擦が発生するような場合に
は、これにより潤滑皮膜に大きな剪断力が作用するた
め、潤滑皮膜の剥離を潤滑に必要な限度にとどめるため
の手段が必要となる。本発明の転がり軸受は、少なくと
も滑り摩擦を生ずる表面に多数の微小なくぼみが形成さ
れており、潤滑皮膜が相手面からの荷重を受けると、そ
の一部がくぼみのなかに深く入りこみ、この入り込んだ
皮膜部分がアンカー効果によって潤滑皮膜の必要以上の
剥離を防止する。
は、これにより潤滑皮膜に大きな剪断力が作用するた
め、潤滑皮膜の剥離を潤滑に必要な限度にとどめるため
の手段が必要となる。本発明の転がり軸受は、少なくと
も滑り摩擦を生ずる表面に多数の微小なくぼみが形成さ
れており、潤滑皮膜が相手面からの荷重を受けると、そ
の一部がくぼみのなかに深く入りこみ、この入り込んだ
皮膜部分がアンカー効果によって潤滑皮膜の必要以上の
剥離を防止する。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0013】図1は、本発明を円筒ころ軸受に適用した
実施例について説明する。この軸受は、内輪1、外輪
2、内・外輪1、2間に介在する複数のころ3、ころ3
を円周等間隔に保持する保持器4といった軸受部品で構
成される。内輪1の両端部にはつば部1bがあり、ころ
3の端面はつば部1bのつば面に接触案内される。そし
て、内・外輪1、2の転走面、内輪1のつば面、および
ころ3の全表面にはそれぞれ平均分子量が5000以下
のPTFE(低分子量PTFE)の潤滑皮膜1a、2
a、3aが形成されている。これらの潤滑皮膜は、低分
子量PTFE(例えば、日本アチソン製ARC7)を、
25cm離れた位置から皮膜形成面にスプレーして付着
させたもので、この場合の平均皮膜厚さは0.6μm程
度であった。ただし、同図では皮膜厚さをかなり誇張し
てある。低分子量PTFEの皮膜コーティング法として
は、上記スプレー法による他、浸漬法等がある。尚、同
図では内・外輪1、2の外表面全体に潤滑皮膜1a、2
aが形成されているが、図2に示すように、嵌合面等の
潤滑皮膜が本来不要な部分については、マスキングによ
って皮膜処理を施さない、あるいは、最終製品となる前
に除去するようにすると良い。
実施例について説明する。この軸受は、内輪1、外輪
2、内・外輪1、2間に介在する複数のころ3、ころ3
を円周等間隔に保持する保持器4といった軸受部品で構
成される。内輪1の両端部にはつば部1bがあり、ころ
3の端面はつば部1bのつば面に接触案内される。そし
て、内・外輪1、2の転走面、内輪1のつば面、および
ころ3の全表面にはそれぞれ平均分子量が5000以下
のPTFE(低分子量PTFE)の潤滑皮膜1a、2
a、3aが形成されている。これらの潤滑皮膜は、低分
子量PTFE(例えば、日本アチソン製ARC7)を、
25cm離れた位置から皮膜形成面にスプレーして付着
させたもので、この場合の平均皮膜厚さは0.6μm程
度であった。ただし、同図では皮膜厚さをかなり誇張し
てある。低分子量PTFEの皮膜コーティング法として
は、上記スプレー法による他、浸漬法等がある。尚、同
図では内・外輪1、2の外表面全体に潤滑皮膜1a、2
aが形成されているが、図2に示すように、嵌合面等の
潤滑皮膜が本来不要な部分については、マスキングによ
って皮膜処理を施さない、あるいは、最終製品となる前
に除去するようにすると良い。
【0014】内輪1の転走面およびつば面には、図3に
拡大して示すような多数の微小なくぼみ31がアトラン
ダムに形成され、さらに潤滑皮膜1aが島状に形成され
ている。このくぼみ31は転走面およびつば面にバレル
加工等を施して形成したもので、その深さは最大で約
1.0〜2.0μm程度であり、その形状は母材内部に
向いたくさび状をなしている。同図bに示すように、潤
滑皮膜1aはころ3から荷重を受けると、くぼみ31の
近傍の皮膜部分1a1がくぼみ31に深く入り込む。そ
して、ころ3との接触によって潤滑皮膜1aが摩擦力を
受けた場合には、くぼみ31に深く入り込んだ皮膜部分
1a1が一種のアンカーとなって潤滑皮膜1aを保持す
る。したがって、潤滑皮膜1aは比較的大きな転がり摩
擦力または滑り摩擦力を受けても容易に脱落することが
なく、良好な潤滑性、低発塵性を発揮する。特に、内輪
1のつば面ところ3の端面との間には滑り摩擦力が発生
するため、この部分における潤滑皮膜1aは特に脱落し
易いが、くぼみ31を形成することによってこれを防止
することができる。また、同図cに示すように、潤滑皮
膜1aの表面から削り取られた潤滑粉1a3は、島1a
2と島1a2との間の母材部分に捕捉され、その部分に
転着皮膜1a4を形成する。この転着皮膜1a4にも、
同様に、くぼみ31のアンカー効果が及び、容易に脱落
することがない。
拡大して示すような多数の微小なくぼみ31がアトラン
ダムに形成され、さらに潤滑皮膜1aが島状に形成され
ている。このくぼみ31は転走面およびつば面にバレル
加工等を施して形成したもので、その深さは最大で約
1.0〜2.0μm程度であり、その形状は母材内部に
向いたくさび状をなしている。同図bに示すように、潤
滑皮膜1aはころ3から荷重を受けると、くぼみ31の
近傍の皮膜部分1a1がくぼみ31に深く入り込む。そ
して、ころ3との接触によって潤滑皮膜1aが摩擦力を
受けた場合には、くぼみ31に深く入り込んだ皮膜部分
1a1が一種のアンカーとなって潤滑皮膜1aを保持す
る。したがって、潤滑皮膜1aは比較的大きな転がり摩
擦力または滑り摩擦力を受けても容易に脱落することが
なく、良好な潤滑性、低発塵性を発揮する。特に、内輪
1のつば面ところ3の端面との間には滑り摩擦力が発生
するため、この部分における潤滑皮膜1aは特に脱落し
易いが、くぼみ31を形成することによってこれを防止
することができる。また、同図cに示すように、潤滑皮
膜1aの表面から削り取られた潤滑粉1a3は、島1a
2と島1a2との間の母材部分に捕捉され、その部分に
転着皮膜1a4を形成する。この転着皮膜1a4にも、
同様に、くぼみ31のアンカー効果が及び、容易に脱落
することがない。
【0015】図6は、上記構成の転がり軸受(軸受Aと
する)と、上記構成においてくぼみ31を形成していな
い円筒ころ軸受(軸受Bとする)とについて行なった耐
久性試験の結果を示す。耐久性試験は、軸を支承させた
2個の試験軸受を、室温、真空度10-6Torr以下、
スラスト荷重10N、回転数2500rpmの条件下に
回転させ、2個の試験軸受の摩擦トルクの総和が10-2
Nmに達した時点を寿命とした。同図に示すように、軸
受Aは軸受Bに比べ2倍以上の耐久性を示した。
する)と、上記構成においてくぼみ31を形成していな
い円筒ころ軸受(軸受Bとする)とについて行なった耐
久性試験の結果を示す。耐久性試験は、軸を支承させた
2個の試験軸受を、室温、真空度10-6Torr以下、
スラスト荷重10N、回転数2500rpmの条件下に
回転させ、2個の試験軸受の摩擦トルクの総和が10-2
Nmに達した時点を寿命とした。同図に示すように、軸
受Aは軸受Bに比べ2倍以上の耐久性を示した。
【0016】図7は、軸受Aと軸受Bとについて行なっ
た発塵試験の結果を示す。発塵試験は、回転数:50r
pm、スラスト荷重:10N、真空度:10-6Tor
r、温度:室温の条件下で試験軸受を回転させ、試験軸
受の直下に配置した発塵検出器により発塵量を測定し
た。同図に示すように、軸受Aの発塵量は軸受Bの1/
2以下であり、軸受Aはきわめて良好な低発塵性を示し
た。ただし、軸受Bの発塵量は固体潤滑剤として二硫化
モリブデンを等を使用した軸受に比べればかなり少な
い。
た発塵試験の結果を示す。発塵試験は、回転数:50r
pm、スラスト荷重:10N、真空度:10-6Tor
r、温度:室温の条件下で試験軸受を回転させ、試験軸
受の直下に配置した発塵検出器により発塵量を測定し
た。同図に示すように、軸受Aの発塵量は軸受Bの1/
2以下であり、軸受Aはきわめて良好な低発塵性を示し
た。ただし、軸受Bの発塵量は固体潤滑剤として二硫化
モリブデンを等を使用した軸受に比べればかなり少な
い。
【0017】尚、本実施例では、内輪1の転走面および
つば面にくぼみ31を形成するようにしたが、くぼみ3
1は少なくとも滑り摩擦を生ずる表面、つまり、内輪1
のつば面ところ3の端面に形成すれば良く、しかも、必
ずしも双方に形成する必要はなく、少なくとも一方に形
成すれば良い。また、図1および図2においては、内・
外輪1、2の転走面、内輪1のつば面、およびころ3の
全表面に潤滑皮膜が形成されているが、潤滑皮膜は少な
くともころ3の転動面、および、ころ3の端面と内輪1
のつば面とのうち、少なくともくぼみ31を形成した側
の面に形成すれば良い。さらに、潤滑皮膜は、図4に示
すような連続した島状分布、あるいは、図5に示すよう
な一様分布のものでも良く、軸受形式は、図1および図
2に示すような円筒ころ軸受に限らず、円すいころ軸
受、自動調心ころ軸受等のころ軸受の他、玉軸受を含め
た転がり軸受一般に適用することができる。玉軸受に本
発明を適用する場合には、少なくともボールの表面にく
ぼみを形成すると共に、この表面に低分子量PTFEの
潤滑皮膜を形成するようにする。上述したように、低分
子量PTFE潤滑皮膜の付着性が向上し、本来の良好な
潤滑性、低発塵性が長期にわたって維持されるため、半
導体製造設備において、メインテナンスフリーの軸受と
して使用することができる。
つば面にくぼみ31を形成するようにしたが、くぼみ3
1は少なくとも滑り摩擦を生ずる表面、つまり、内輪1
のつば面ところ3の端面に形成すれば良く、しかも、必
ずしも双方に形成する必要はなく、少なくとも一方に形
成すれば良い。また、図1および図2においては、内・
外輪1、2の転走面、内輪1のつば面、およびころ3の
全表面に潤滑皮膜が形成されているが、潤滑皮膜は少な
くともころ3の転動面、および、ころ3の端面と内輪1
のつば面とのうち、少なくともくぼみ31を形成した側
の面に形成すれば良い。さらに、潤滑皮膜は、図4に示
すような連続した島状分布、あるいは、図5に示すよう
な一様分布のものでも良く、軸受形式は、図1および図
2に示すような円筒ころ軸受に限らず、円すいころ軸
受、自動調心ころ軸受等のころ軸受の他、玉軸受を含め
た転がり軸受一般に適用することができる。玉軸受に本
発明を適用する場合には、少なくともボールの表面にく
ぼみを形成すると共に、この表面に低分子量PTFEの
潤滑皮膜を形成するようにする。上述したように、低分
子量PTFE潤滑皮膜の付着性が向上し、本来の良好な
潤滑性、低発塵性が長期にわたって維持されるため、半
導体製造設備において、メインテナンスフリーの軸受と
して使用することができる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の転がり軸
受は、軸受部品の少なくとも滑り摩擦を生じる表面に多
数の微小なくぼみを有するため、この表面に形成された
低分子量PTFEの潤滑皮膜が滑り摩擦力を受けても容
易に表面から脱落することがない。したがって、本発明
によれば、低分子量PTFE潤滑皮膜の優れた特性をこ
ろ軸受についても十分に発揮させることができる。
受は、軸受部品の少なくとも滑り摩擦を生じる表面に多
数の微小なくぼみを有するため、この表面に形成された
低分子量PTFEの潤滑皮膜が滑り摩擦力を受けても容
易に表面から脱落することがない。したがって、本発明
によれば、低分子量PTFE潤滑皮膜の優れた特性をこ
ろ軸受についても十分に発揮させることができる。
【0019】また、本発明は玉軸受にも適用することが
できるが、この場合、特に耐久性の向上が認められ、半
導体製造設備分野におけるメインテナンスフリーの転が
り軸受を提供することが可能となる。
できるが、この場合、特に耐久性の向上が認められ、半
導体製造設備分野におけるメインテナンスフリーの転が
り軸受を提供することが可能となる。
【図1】本発明の実施例に係わる円筒ころ軸受を示す断
面図である。
面図である。
【図2】図1において、嵌合面等の潤滑皮膜を除去等し
た状態を示す断面図である。
た状態を示す断面図である。
【図3】潤滑皮膜を示す拡大断面図(図a、図b、図
c)である。
c)である。
【図4】本発明の他の実施例に係わる潤滑皮膜を示す拡
大断面図である。
大断面図である。
【図5】本発明の他の実施例に係わる潤滑皮膜を示す拡
大断面図である。
大断面図である。
【図6】耐久性試験の結果を示す図である。
【図7】発塵試験の結果を示す図である。
1 内輪 1a 潤滑皮膜 1b つば部 2 外輪 2a 潤滑皮膜 3 転動体 3a 潤滑皮膜 4 保持器
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 33/62 F16C 33/32 F16C 33/66
Claims (1)
- 【請求項1】 転がり軸受を構成する部品のうち少なく
とも転がり摩擦または滑り摩擦を生ずる表面に平均分子
量が5000以下のポリテトラフルオロエチレンからな
る潤滑皮膜を形成したものであって、上記部品のうち少
なくとも滑り摩擦を生ずる表面に多数の微小なくぼみを
有することを特徴とする半導体製造設備用転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1643892A JP3021909B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 半導体製造設備用転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1643892A JP3021909B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 半導体製造設備用転がり軸受 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05209627A JPH05209627A (ja) | 1993-08-20 |
JP3021909B2 true JP3021909B2 (ja) | 2000-03-15 |
Family
ID=11916240
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1643892A Expired - Fee Related JP3021909B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 半導体製造設備用転がり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3021909B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5967672A (en) * | 1996-02-28 | 1999-10-19 | Ntn Corporation | Machine parts making rolling or sliding surfaces formed with discontinuous grooves |
-
1992
- 1992-01-31 JP JP1643892A patent/JP3021909B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05209627A (ja) | 1993-08-20 |
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