JP2556653Y2 - 固体潤滑転がり軸受 - Google Patents

固体潤滑転がり軸受

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JP2556653Y2
JP2556653Y2 JP2730192U JP2730192U JP2556653Y2 JP 2556653 Y2 JP2556653 Y2 JP 2556653Y2 JP 2730192 U JP2730192 U JP 2730192U JP 2730192 U JP2730192 U JP 2730192U JP 2556653 Y2 JP2556653 Y2 JP 2556653Y2
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則秀 佐藤
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、半導体製造設備等に使
用される固体潤滑転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に転がり軸受は、内・外輪と転動体
および転動体と保持器間にグリ−ス等の潤滑剤を供給
し、それぞれの間に発生する転がり摩擦や滑り摩擦を減
少させ、軸受の耐久性を向上させるようにしている。
【0003】ところで、転がり軸受を真空中で使用する
場合、グリ−ス等の蒸気圧の高い潤滑剤は雰囲気中に蒸
発してしまうため使用に耐えない。また、転がり軸受を
半導体製造設備等の高い清浄度が要求される密封真空下
で使用する場合、潤滑剤の蒸気が環境の汚染源となるた
め、グリ−ス等の流体潤滑剤を使用することができな
い。そのため、このような環境下で使用される転がり軸
受には蒸気圧の低い固体潤滑剤が必要になる。現在、転
がり軸受の固体潤滑剤としては、二硫化モリブデン等の
層状物質系、金、銀、鉛等の軟質金属系、PTFE、ポ
リイミド等の高分子系の潤滑剤が広く使用されている。
【0004】近年、半導体製造分野では半導体の集積度
が増すにつれて導電パタ−ンの線幅が微細化しており、
軸受から排出される固体潤滑剤の潤滑粉がパタ−ン上に
付着して導電回路を短絡させる恐れがあることから、導
電性のある軟質金属系の固体潤滑剤が敬遠される傾向に
ある。一方、二硫化モリブデン、PTFE(ポリマ−)
等の固体潤滑剤は導電性をもたないが、これらは転着性
に乏しくしかも耐摩耗性が低いため、耐久性の点で軟質
金属よりも劣る。
【0005】また、最近の半導体製造設備では、真空中
で使用できるのみならず、大気・真空両用、低発塵、耐
蝕などの機能をもつ軸受が必要とされるようになってき
た。すなわち、半導体製造工程で真空軸受が使用される
のは主にウェーハ処理工程であるが、この工程で使われ
る装置は生産性向上のためインライン化される傾向があ
り、ウェーハの搬送装置には大気と真空の両環境下で運
転できる軸受が必要となってきている。また、半導体の
高集積化は必然的に装置からの発塵の抑制を要求してい
る。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】従来、転がり軸受の固
体潤滑剤として使用されているPTFE(ポリテトラフ
ルオロエチレン)は平均分子量が 1×105以上、主
に、1×106〜 1×107のポリマーであるが、平均
分子量が5000以下のPTFE(以下、低分子量PT
FEと称す。)は上記ポリマーに比べて剪断強度が著し
く小さく、また軟らかい。そのため、低分子量PTFE
の潤滑粉は転着性に優れ、相手面の微小な凹部へも入り
込んで潤滑皮膜を形成するので、潤滑粉(パーティク
ル)が飛散しにくく低発塵である。また、剪断抵抗が小
さいため摩擦係数が小さく、優れた潤滑性能を発揮す
る。この低分子量PTFEを用いて転がり軸受の転がり
摩擦又は滑り摩擦を生じる部位に固体潤滑皮膜を形成す
ることにより、軸受の耐久性、低発塵性等が他の固体潤
滑剤を使用した場合に比べて著しく向上すると同時に、
近時の半導体製造分野における高集積化、インライン化
等にも十分に対応し得る。
【0007】しかしながら、低分子量PTFEのみから
なる潤滑皮膜は無色であり、皮膜処理をしたか否かの確
認が困難である。本考案は、このような不都合を解消す
ることをその目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案では、転がり軸受
を構成する部品のうち少なくとも転がり摩擦又は滑り摩
擦を生ずる表面に、平均分子量が5000以下のポリテ
トラフルオロエチレン(低分子量PTFE)と着色材と
からなる有色の潤滑皮膜を形成した。
【0009】
【作用】低分子量PTFEの潤滑皮膜が着色材によって
色相を付与されるため、皮膜処理を施した否かの判別が
容易になる。そのため、皮膜処理品の有無確認ができる
と共に、処理品の二重処理などの不都合が未然に防止で
きる。
【0010】
【実施例】以下、本考案の実施例について説明する。
【0011】図1は、本考案を深溝玉軸受に適用した実
施例を示す。この軸受は、内輪1、外輪2、内・外輪1
・2間に介在する複数の転動体3、転動体3を円周等間
隔に保持する保持器4といった軸受部品で構成される。
そして、内・外輪1・2の転走面および転動体3の表面
にはそれぞれ平均分子量が5000以下のポリテトラフ
ルオロエチレン(低分子量PTFE)と着色材とからな
る潤滑皮膜1a・2a・3aが形成されている。これら
の潤滑皮膜は、低分子量PTFE・有機溶媒の分散液に
油溶性の着色材であるオイルブルーGエキストラを0.
1%分散させた処理液に軸受完成品あるいは軸受部品を
浸漬した後、これを取り出して恒温槽に移し、約120
oC で1時間保持したのち、室温で自然冷却して形成し
たものである。このようにして形成された潤滑皮膜1a
・2a・3aは、淡青色を帯びた有色の潤滑皮膜とな
る。この時の平均皮膜厚さは、約0.6μm程度になる
ようにしてある。PTFEとしては、バイダックスA
R、バイダックス1000(いずれもデュポン社製)、
ルブロンLD−1(ダイキン工業社製)、MP120
0、MP1300(いずれも三井フロロケミカル社製)
等を用いることができる。有機溶媒としては、トルエ
ン、ベンゼン、ナフサ等を用いることができる。尚、潤
滑皮膜1a・2a・3aの形成方法としては上述した浸
漬法の他に、例えば、上記処理液を皮膜形成面にスプレ
ーして付着させるスプレー法等がある。また、潤滑皮膜
1a・2a・3aは、着色材を適宜選定することにより
任意の色相をもたせることができる。
【0012】この実施例では内・外輪1・2の転走面及
び転動体3の表面に潤滑皮膜を形成するようにしたが、
潤滑皮膜は少なくとも転動体3の表面に形成すれば良
い。また、同図では内・外輪1・2の外表面全体に潤滑
皮膜1a・2aが形成されているが、嵌合面等の、潤滑
皮膜の不必要な部分については、マスキングによって皮
膜処理を施さない、あるいは、最終製品となる前に除去
することも可能である。さらに、軸受の形式は、同図に
示すような深溝玉軸受に限らず、広く転がり軸受一般に
適用することができる。
【0013】
【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
平均分子量が5000以下のPTFEからなる潤滑皮膜
に色相を付与することによって、皮膜処理を施した否か
の判別が容易になるため、皮膜処理品の有無確認ができ
ると共に、処理品の二重処理などの不都合を未然に防止
することができる。また、軸受の表面を有色の潤滑皮膜
でコーティングするため、適当な着色材を選定すること
によって、例えば自社カラーの軸受を製作したり、軸受
の色相を周辺装置等の色相と調和させるといった美感面
からの効果も期待できる。
【0014】尚、本考案の転がり軸受は、平均分子量が
5000以下のPTFEのみからなる潤滑皮膜を形成し
た転がり軸受と同等の性能を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示す深溝玉軸受の断面図であ
る。
【符号の説明】 1 内輪 1a 潤滑皮膜 2 外輪 2a 潤滑皮膜 3 転動体 3a 潤滑皮膜

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転がり軸受を構成する部品のうち少なく
    とも転がり摩擦又は滑り摩擦を生ずる表面に、平均分子
    量が5000以下のポリテトラフルオロエチレンと着色
    材とからなる有色の潤滑皮膜を形成したことを特徴とす
    る固体潤滑転がり軸受。
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