JP2503174Y2 - 固体潤滑転がり軸受 - Google Patents

固体潤滑転がり軸受

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JP2503174Y2
JP2503174Y2 JP9176190U JP9176190U JP2503174Y2 JP 2503174 Y2 JP2503174 Y2 JP 2503174Y2 JP 9176190 U JP9176190 U JP 9176190U JP 9176190 U JP9176190 U JP 9176190U JP 2503174 Y2 JP2503174 Y2 JP 2503174Y2
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博光 近藤
隆宏 水谷
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エヌティエヌ株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は真空中で使用される固体潤滑転がり軸受に関
する。
〔従来の技術〕
真空機器用、宇宙機器用などの真空中で用いられる軸
受は、潤滑剤として油やグリースを使用することが困難
なため、転動体などの軸受構成部品の表面に固体潤滑剤
の被膜を形成した転がり軸受が使用されている。固体潤
滑剤としては、耐久性を考慮した場合、銀・鉛などの転
着性のある軟質金属を用いるが、その特性としては、 剪断抵抗が小さいこと 素地と反応しないこと 素地との密着性が良いこと が必要である。剪断抵抗が小さいということは、軟質で
あるという事と対応し、金属では金、銀、鉛の順でより
抵抗は小さくなる。また、素地と反応しない金属として
は、銀・鉛が適しており、金は高温になると鉄系合金
(一般的な素地)と反応するため、この点に関してはや
や劣る。
以上の如く、に関しては最適な潤滑剤が存在する
が、素地との密着性に関しては、単に潤滑剤選定のみ
では解決されず、従来、以下に示すような化学的、物理
的方法が用いられていた。化学的方法としては、素地と
潤滑剤との界面に反応生成物を形成する方法があり、こ
れにより、非常に強い密着性をもった被膜を形成するこ
とができるが、素地と潤滑剤とで形成された反応生成物
が転動の際に、潤滑剤単体使用で得られる潤滑作用を失
わせる場合が多い。物理的方法としては、機械加工を途
中で止めて表面粗さを意図的に大きくしておくこと、滑
らかに仕上げた表面を化学エッチングして表面粗さを大
きくする方法などがあるが、前者は粗さを均一にするこ
とが困難であり、後者は粗さを均一にすることは出来る
が、エッチング剤が残留し、被膜形成時に悪影響を及ぼ
しやすい等の問題がある。このように、素地と潤滑剤と
を直接付着させるには、一長一短があり、良好な密着力
を得ることが難しいのが実状である。
一方、これらとは異なり、湿式メッキでは一般に用い
られている下地メッキを施し、密着性を良くする方法が
ある。乾式メッキであるイオンプレーティングにこれを
用いる考え方があるが、特開昭55−57717号公報(実開
昭59−189925号公報)に、その一つの被覆方法が記載さ
れている。この方法は、素地との溶解度が、素地と潤滑
剤との溶解度よりも大きい金属の中間層をイオンプレー
ティングにより形成したもので、上記の化学的・物理的
方法にみられるような不都合はない。
〔考案が解決しようとする課題〕
近年、固体潤滑転がり軸受には、より良好な耐久性が
求められるようになってきている。このような要求特性
を達成するためには、固体潤滑被膜の密着性を高めるこ
とが必要となる。しかし、従来の化学的・物理的に素地
と潤滑剤とを密着させる方法には、採用する上におい
て、前述したような種々の問題点があり、また素地と潤
滑被膜との間に中間層を形成する方法においても、十分
な耐久性が得られるまでには至っていない。
そこで、本考案の目的は、耐久性に優れた固体潤滑転
がり軸受を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本考案では、軸受構成部品の表面に、固体潤滑被膜の
形成金属よりも硬度の高い金属粒子を島状に分布させた
下地粒子層を形成し、該下地粒子層の上層に固体潤滑被
膜を形成するようにした。
〔作用〕
下地粒子層を形成することにより、軸受構成部品の表
面に幾何学的凹凸形状が付与され、固体潤滑被膜の密着
面積が実質的に増加するため、固体潤滑被膜の密着性が
向上する。さらに、下地粒子膜は固体潤滑被膜の形成金
属よりも硬度が高い金属粒子で形成されるから、剪断抵
抗が大きく、転動によって容易に部分破断することがな
い。このため、固体潤滑被膜は、下地粒子層のアンカー
効果によって保持され、容易に部分破断して剥離するこ
とがない。
〔実施例〕 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第
1A図および第1B図は、本考案に係る固体潤滑転がり軸受
を示す。この軸受は、内輪(1)、外輪(2)、および
内・外輪(1)(2)間に介在する転動体(3)を有
し、転動体(3)の表面に固体潤滑剤例えば銀の固体潤
滑被膜(3a)が形成されたものである。固体潤滑被膜
(3a)は、第2A図および第2B図に示すように、転動体
(3)の表面に島状に形成された銀よりも硬度の高い金
属、例えば銅の下地粒子層(3b)に重ねて形成される。
下地粒子層(3b)は、銅粒子をイオンプレーティングに
より転動体(3)表面に付着させた後、上層の固体潤滑
被膜(3a)を形成する際の最初に、エネルギーの大きな
銀蒸発粒子を生成し、該粒子のイオンボムバード作用
で、付着した銅粒子のうち比較的付着力の弱いものを選
択的に除去することにより形成される。このように、付
着力の弱い銅粒子が除去され島状にされた下地粒子層
(3b)の上に、通常の固体潤滑被膜(3a)を形成する
と、下地粒子層(3b)と固体潤滑被膜(3a)との実質的
な付着面積の増加によって密着力が高められると共に、
下地粒子層(3b)のアンカー効果によって固体潤滑被膜
(3a)の局部的剥離が防止され密着力が一層高められ
る。すなわち、 下地粒子層(3b)は、付着力の弱い銅粒子が予め除
去されるため、転動体(3)表面への付着力が高いこ
と、 下地粒子層(3b)は、島状に分布するため、その表
面は幾何学的凹凸形状を有すること、 下地粒子層(3b)は、硬度の高い金属で形成される
ため、剪断抵抗が大きく容易に部分破断しないこと、 下地粒子層(3b)と固体潤滑被膜(3a)との付着面
積が増大することにより、 固体潤滑被膜(3a)の密着性は著しく向上する。
〔考案の効果〕
本考案は、固体潤滑被膜の下層に硬度の高い金属粒子
を島状に分布させた下地粒子層を形成するようにしたた
め、固体潤滑被膜が密着力の良好な被膜となり、転動に
伴う変形をうけても容易に部分破断せず、密着性を維持
する。したがって、本考案によれば、固体潤滑転がり軸
受の耐久性が従来のものに比べて著しく向上する。第3
図は、本考案に関わる固体潤滑転がり軸受と、中間層
(一様分布)を形成した従来品とについて、耐久性試験
をおこなった結果を示す。同図に示すように、本考案に
関わる固体潤滑転がり軸受の寿命は、従来品に比べて3
倍以上になり、極めて良好な耐久性を示した。尚、固体
潤滑剤の材質を鉛などにしても同様の結果が得られた。
また、固体潤滑被膜は、従来、内・外輪の転走面およ
び転動体の表面に形成するのが一般的であったが、本考
案によれば、転動体の表面にのみ被膜を形成した場合で
も、試験結果に示されるように、極めて良好な耐久性が
得られる。
【図面の簡単な説明】
第1A図は本考案に係る固体潤滑転がり軸受の断面図、 第1B図は転動体の部分拡大断面図、 第2A図は下地粒子層を示す拡大平面図、 第2B図は固体潤滑被膜の形成状態を示す拡大断面図、 第3図は耐久性試験の結果を示すグラフである。 3……転動体、3a……固体潤滑被膜 3b……下地粒子層

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】転がり軸受の転がり摩擦または滑り摩擦を
    生ずる構成部品のうち、少なくとも転動体の表面が軟質
    金属の固体潤滑被膜で被覆されたものにおいて、前記軟
    質金属よりも硬度の高い金属粒子を前記構成部品の表面
    に島状に分布させた下地粒子層を前記固体潤滑被膜の下
    層に有することを特徴とする固体潤滑転がり軸受。
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