JP3005655U - 簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 木造住宅の屋根工事など高所建築現場の先端
部に迅速かつ安全に部材を取り付けるための足場板の固
定及び鼻隠し板などの部材の仮置きをする金具を提供す
ることを目的とする。 【構成】 簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具は、帯
状の金属板１の基端部に孔８を開け、上面中途には足場
板７の止板１０を略垂直に固着し、さらに先端部側面に
は部材（鼻隠し板）６を仮置きするための略Ｕ字状の受
け金具２１を固着し設けている。金属板１の下面にはタ
ルキ２に当接する振れ止１４・１５を設けている。タル
キ２の釘９に金属板１の基端部の孔８を掛けて着脱自在
に取付け、金属板１の止板１０に足場板７を載せ、タル
キ２の先端に突出した受け金具２１に鼻隠し板６を仮置
きし、安全な足場板７に乗り、仮置きされた鼻隠し板６
を釘５でタルキ２に一人で固定することができる。ま
た、足場板７は、横方向からの押し引きで金属板１の止
板１０に載せることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、木造住宅建設現場における危険な屋根工事作業で必要な足場板止め 及び部材（鼻隠し板）の支え金具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来柱等に固定する足場板受金具はあるが、屋根工事において、傾斜角の低い 屋根等では、足場板を固定することなくタルキに置いたまま危険な状態で使用さ れている。 又、傾斜角の大きい屋根等では、足場板を釘でタルキ等に固定するかロープ等で 何かに縛り付けて使用しているため足場板着脱に多くの必要外な時間を要してい る。 又、屋根の先端部での鼻隠し板等の部材取り付け作業は一人ではできず複数の人 手を必要としている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、従来技術で記述した屋根工事での足場板着脱を安全かつ迅速に行え るよう簡素化し、又、部材取付作業も一人で安全かつ迅速に行える金具の提供を 目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案の簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具 においては、帯状の金属板の基端部に形状は後記する孔を開け、上面中途には止 板を略垂直に固着し、さらに、先端部側面には略Ｕ字状の受け金具を設けた構成 を案出した。

【０００５】 さらに、転び止を帯状の金属板とほぼ平行になるよう前記止板の上端面に固着 している。

【０００６】 さらに、前記帯状の金属板の下面中途に振れ止を設けている。

【０００７】

【作用】

本考案に係る簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具を使用するには、上記のよ うに構成された帯状の金属板の基端部に開けている孔に、傾斜しているタルキ（ 母材）の中途まで打ち込んだ釘を引っ掛けることにより帯状の金属板の位置固定 をする。 そして、その帯状の金属板の上面中途に固着している止板に足場板の側面をあて ると足場板の位置固定ができる。 さらに、帯状の金属板の先端部側面に設けた略Ｕ字状の金具に屋根工事の部材（ 鼻隠し板）を落下させることなく仮置きできる。

【０００８】 又、急傾斜の足場板上で作業を行っている時、足の踏む位置によっては足場板 が転倒し作業者が転落する危険があるが、上記の止板の上端面に転び止を固着す ることにより足場板の転倒が防止できる。 転び止は、足場板自体の転倒防止の機能である。

【０００９】 さらに、足場板着脱作業を正面から行うのみでなく横から押し引きすることが 間々ある。 この時、上記した帯状の金属板は基端部の孔を中心に横振れし、タルキ（母材） から外れるのみでなく位置固定している釘からも外れて落下する危険がある。 これを防止するために、前記帯状の金属板の中途に振れ止を設けている。

【００１０】

【実施例】

次に本考案に係る簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具の一実施例を図面に基 づき詳細に説明する。 図面は、本考案の一実施例を示すものであって、図１は住宅軸組の一部側面断面 図であり、本考案の簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具２０を母屋４の桁３に 固定されたタルキ２の先端に取り付けた状態を示したものである。 図２は、タルキ２の先端部に取り付けた本考案の簡易足場板止め及び鼻隠し板支 え金具２０を上部からみた取り付け状態図である。

【００１１】 この実施例は、木造住宅の屋根工事等の高所建築現場における簡易足場板止及 び鼻隠し板の支え金具２０であって、帯状の金属板１の基端部にタルキ２に一時 釘９止めするための小孔８ｂとスライドして外すための釘９より径大な孔８ａを 備えた変形孔８を開け、上面中途には足場板７を係止する止板１０を略垂直に固 着し、転び止１９を帯状の金属板１とほぼ平行になるように前記止板１０の上端 面に固着している。 さらに金属板１をタルキ２に取付けたとき他の先端部はタルキ２の端部より突 出しない長さで（換言すればタルキ２の端部より突出しないように取り付け）か つ当該先端部側面には鼻隠し板６等を仮置きするためにタルキ２の幅より少し深 くかつタルキ２先端から所定間隔をおいた側面視略Ｕ字状の受け金具２１を設け ている。 前記金属板１の下面中途両側端には、略コの字状垂下片の振れ止１４・１５を設 けるとともにひとつの振れ止１５にハンドル１６付きの押しネジ１８を進退自在 に螺合してある。 略コの字状垂下片の振れ止１４・１５は、タルキ２に外嵌するので、振れ防止に なる。 金属板１は、タルキ２に釘９止めすると同時に、タルキ２を略コの字状垂下片の 振れ止１４・１５で挟み、ハンドル１６を回して押しネジ１８で挟着固定する。 このようにタルキ２に、着脱自在に取り付けて、足場板７を載せて係止し、か つＵ字状の受け具２１に鼻隠し板６を仮置きすることができる構成である。

【００１２】 図１〜図８において工事方法を具体的に説明すると、タルキ２の上に本考案の 簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具２０を、適当間隔（一枚の足場板７に２ケ 所以上）で帯状の金属板１の先端がタルキ２の先端より前に出ないよう後述の方 法によりタルキ２に固定し、その上に足場板７の側面が止板１０に接するように 置き、この足場板７の上に人が乗り、略Ｕ字状の受け金具２１に鼻隠し板６を位 置決め仮置きした後、釘５でこの鼻隠し板６をタルキ２に固定する工事方法が可 能である。 従来は、桁３から７０ｃｍ位出た位置で長さ４ｍ位ある鼻隠し板６を取り付け るためには、二人で鼻隠し板６の両端をそれぞれ持ち約４．５ｃｍ角のタルキ２ とタルキ２の間約４０ｃｍに跨って取り付けていた危険な作業であった。 前述の如く本考案の簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具２０を使用すること で鼻隠し板６の仮置きで取り付け作業が一人で安全かつ迅速にできることとなっ た。

【００１３】 図３は本考案の簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具２０の基端部に開けた釘 ９より径小の小孔８ｂと径大な孔８ａからなる変形孔８の形状を示す平面図であ り、図４はその側面断面図である。 この図３、４をもって実施例を説明する。 本考案の簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具２０を迅速に着脱するために帯状 の金属板１の基端部に孔８ａ、８ｂを開けており、この孔８ａに、タルキ２に中 途まで打ち込んだ釘９の頭を通した後，帯状の金属板１を右にずらすと釘９の軸 に孔８ｂが固定される。 いわゆる本考案の簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具２０がタルキ２に固定さ れたことになる。 又、取り外しは前記の逆をすればよい。即ち、帯状の金属板１を左にずらし孔８ ａから釘９の頭を外せば良い。 なお、金属板１を外した後は、タルキ２に打ち込んだ釘９は抜き取る必要なくそ のままタルキ２に頭が付くまで打ち込んでおけば良い。 釘９と孔８ａ、８ｂの関係は、［釘９の軸＜孔８ｂ＜釘９の頭＜孔８ａ］である 。

【００１４】 図５は本考案の簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具２０の中途及び先端部の 一部正面図であり、図６は簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具２０をタルキ２ に固定し、足場板７及び鼻隠し板６を取り付けたときの中途及び先端部の一部側 面図である。 この図５、６をもって実施例を説明する。 帯状の金属板１の上面中途に固着した止板１０に足場板７の側面をあてている ので滑ることなく足場板７が固定される。 さらに、先端部には連結板１１・支え１２・受け１３で構成された略Ｕ字状の 受け金具２１の連結板１１を帯状の金属板１の先端部側面に固着しているために 、鼻隠し板６の取り付け作業は足場板７の上で鼻隠し板６の割付をし、両端面に 連結板１１・受け１３がそれぞれ固着された支え１２に仮置きすることにより、 この部材（鼻隠し板）６を落下させることなく安全かつ迅速にこの鼻隠し板６を タルキ２の先端に釘５を打ち込んで固定することが一人でできる。 なお、図中隙間Ｓは前記の釘９から帯状の金属板１の基端部の孔８ａ、８ｂを外 せるに必要な距離である。

【００１５】 図７は本考案の簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具２０に転び止１９及び振 れ止１５を設けた側面図である。 これをもって実施例を説明する。 鼻隠し板６の取付作業等に極一時的に使用する足場板７は、通常の足場板より 巾が狭い板（１０〜１５ｃｍ）を々使用することがあるが、この足場板７の側部 を踏むと足場板自体が転倒する危険性があるために、帯状の金属板１の上面中途 に固着した止板１０の上端面に帯状の金属板１とほぼ平行に転び止１９を固着し ている。この転び止１９があるので作業者が足場板７の踏む位置を気にしないで 安全に歩行できる。

【００１６】 又、足場板７の着脱を行うとき作業者は、足場板７を押し引きしながら位置決 めをすることもある。 このような作業方法では、本考案の簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具２０ は、横振れし先端部はタルキ２から外れ、さらに位置固定用に設けた釘９からも 基端部に開けた孔８ａ，８ｂが外れて落下する危険がある。 これを防止するため、帯状の金属板１の上面中途に固着した止板１０付近の側面 下面に振れ止１４・１５を設けている。 さらに図７のＡーＡ断面図である図８をもって説明すると、帯状の金属板１の下 側部に振れ止１５・振れ止１４がタルキ２を挟むように固着している。 これによって本考案の簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具２０が足場板７を 着脱の際足場板７を横方向に押し引きしてもタルキ２から外れることはない。 さらに、出願人は振れ止１５にネジ孔を設け、これに押しネジ１８を進退自在に 螺合している。この押しネジ１８に固着されたハンドル１６を回すことにより、 押しネジ１８の先端に設けてあるあて具１７を介してタルキ２は振れ止１４に押 しつけられた状態て圧着固定することになる。 ここに本考案の簡易足場板め止及び鼻隠し板支え金具２０がしっかりとタルキ２ に固定できたわけである。

【００１７】 上記実施例は、あくまで一例であって、金属板１の長さや形状などは設計変更 ができるし、振れ止１４・１５の構造もこれに限定されるものではない。

【００１８】

【考案の効果】

本考案は、前記のとおりの構成作用であり、次に記載する特有な技術的効果を 奏する。

【００１９】 簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具において、足場止板と略Ｕ字状の鼻隠し 板受け金具を一体化した構成では、細いタルキの先端でしかも複数人かけて取付 作業をしていた危険な鼻隠し板取付作業が、一人でしかも安全かつ迅速に行える ものとなった。作業能率は著しく向上した。

【００２０】 簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具において、転び止を止板に固着したこと で、足場板がしっかりと固定されるため足場板上での歩行が、とくに傾斜面にお いて楽になり、又、難しい姿勢で作業をしても足場板が転倒する心配がなくなっ たので作業が安全に行える。

【００２１】 簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具において、振れ止を設けたことで、足場 板の着脱を本考案の金具の正面で行わなくても良く、つまり横方向からの押し引 きの作業ででき、一ケ所で複数枚の足場板が掛けられるようになったため足場板 の着脱作業能率が向上した。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具
を住宅の軸組に取り付けた状態の一部側面断面図。

【図２】タルキの先端に取り付けた本考案の金具を上部
からみた取り付け状態図。

【図３】本考案の金具の基端部にある孔の形状を示す平
面図。

【図４】タルキの釘に本考案の金具の基端部にある孔を
掛けた時の一部側面断面図。

【図５】本考案の金具の中途及び先端部の一部正面図。

【図６】本考案の金具をタルキに固定し足場板及び鼻隠
し板を取り付けたときの中途及び先端部の一部側面図。

【図７】転び止及び振れ止を設けた金具の一部側面図。

【図８】図７のＡーＡ断面図

【符号の説明】

１・・・・・・・金属板 ２０・・・・・・簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具 ２・・・・・・・タルキ ５・・・・・・・釘 ６・・・・・・・鼻隠し板 ７・・・・・・・足場板 ８・・・・・・・孔 ８ａ・・・・・・径大な孔 ８ｂ・・・・・・径小な孔 ９・・・・・・・釘 １０・・・・・・止板 ２１・・・・・・Ｕ字状の受け金具 １１・・・・・・連結板 １２・・・・・・支え １３・・・・・・受け １４・・・・・・振れ止 １５・・・・・・振れ止 １６・・・・・・ハンドル １８・・・・・・押しネジ １９・・・・・・転び止 Ｓ・・・・・・・間隙

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高所建築現場における足場板止及び部材
   の支え金具に関するものであって、帯状の金属板の基端
   部に孔を開け、上面中途には止板を略垂直に固着し、さ
   らに、先端部側面には略Ｕ字状の受け金具を設けたこと
   を特徴とする簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具。
2. 【請求項２】 高所建築現場における足場板止及び部材
   の支え金具に関するものであって、帯状の金属板の基端
   部に孔を開け、上面中途には止板を略垂直に固着し、転
   び止を帯状の金属板とほぼ平行になるよう前記止板の上
   端面に固着し、さらに先端部側面には略Ｕ字状の受け金
   具を設けたことを特徴とする簡易足場板止め及び鼻隠し
   板支え金具。
3. 【請求項３】 帯状の金属板の中途に振れ止を設けた請
   求項１〜２のいずれか一つに記載の簡易足場板止め及び
   鼻隠し板支え金具。
4. 【請求項４】 木造住宅の屋根工事等の高所建築現場に
   おける足場板止及び部材の支え金具に関するものであっ
   て、帯状の金属板の基端部にタルキに一時釘止めしかつ
   スライドして外すための釘より径大な孔を備えた変形孔
   を開け、上面中途には足場板を係止する止板を略垂直に
   固着し、転び止を帯状の金属板とほぼ平行になるように
   前記止板の上端面に固着し、さらに先端部側面には鼻隠
   し板等を仮置きするための側面視略Ｕ字状の受け金具を
   設け、前記金属板の下面中途両側端に略コの字状垂下片
   の振れ止を設けるとともにひとつの垂下片に押しネジを
   設けてタルキへ挟着固定することを特徴とする簡易足場
   板止め及び鼻隠し板支え金具。
5. 【請求項５】 木造住宅の屋根工事等の高所建築現場に
   おける足場板止及び部材の支え金具に関するものであっ
   て、帯状の金属板の基端部にタルキに一時釘止めしかつ
   スライドして外すための釘より径大な孔を備えた変形孔
   を開け、上面中途には足場板を係止する止板を略垂直に
   固着し、転び止を帯状の金属板とほぼ平行になるように
   前記止板の上端面に固着し、さらに金属板をタルキに取
   付けたとき他の先端部はタルキの端部より突出しない長
   さでかつ当該先端部側面には鼻隠し板等を仮置きするた
   めにタルキの幅より少し深くかつタルキ先端から所定間
   隔をおいた側面視略Ｕ字状の受け金具を設け、前記金属
   板の下面中途両側端に略コの字状垂下片の振れ止を設け
   るとともにひとつの垂下片にハンドル付きの押しネジを
   進退自在に螺合してあり、タルキに脱着自在に釘止めし
   た後にタルキを押しネジで挟着固定して、足場板を係止
   しかつＵ字状の受け具に鼻隠し板を仮置きすることを特
   徴とする簡易足場板止め及び鼻隠し板支え金具。