JPH0732752Y2 - 屋根用仮足場金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、屋根の一文字葺工法と称される施工法などに
おいて、傾斜している屋根の作業場所に足場や資材置き
場などを確保する屋根用仮足場金具に関するものであ
る。

〔従来の技術及び考案が解決しようとする課題〕

従来、一文字葺工法で金属屋根板を敷設する場合、傾斜
している屋根の一ケ所に足場を確保したり、資材置き場
を確保したりする為パイプを横に渡して適当な方法で止
着しているが、その止着作業及びその取り外し作業が極
めて厄介であった。

本考案は簡単に足場や屋根に敷設する金属板などの資材
を積んだりする資材置き場を確保できる屋根用仮足場金
具を提供するものである。

〔課題を解決するための手段〕

板状の基体５の先端部に基体５の幅より先端が幅広い薄
板状の爪板４′を設け、この爪板４′の先端を折り返し
折曲して、屋根１に敷設した金属板２と金属板２との継
合部の係合折曲部３に引っ掛ける爪部４を設け、基体５
の後部に足場用の部材８やその他資材などを支える部材
などをかけ渡す為のＬ形の支承部６を連設状態に突設
し、この支承部６をビニールコーティングし、基体５の
先端部寄り又は爪板４′に固定用穴７を穿設したことを
特徴とする屋根用仮足場金具に係るものである。

〔作用〕

屋根１に敷設した金属板２と金属板２との継合部の係合
折曲部３に爪板４′を挿入し、その先端の爪部４を係合
折曲部３に引っ掛けて基体５を下方にずり動不能に固定
する。

このようにして適当間隙をおいて数個所に本案品を取り
付けて、例えば実施例の図面に示すように支承部６に足
場用の部材８をかけ渡して足場ａを作る。

本案品を少し押し上げて爪部４を外せば本案品を取り外
すことができる。

また、まだ金属板２が敷設されていないところには、本
案品を屋根１の下地材であるドブ板９に固定用穴７より
例えばくぎを打ち込んで本案品を屋根上に固定して使用
する。

〔実施例〕

本考案の一実施例をその斜視図を示す第１図に基づいて
詳述すると、爪部４をしっかりと引っ掛けるため基体５
の巾より先端が巾広い爪板４′をその基端を基体５に熔
接し、この爪板４′の巾広い先端を折り返し、引っ掛け
易くするために折り返した中央部の一部切り欠いて左右
２つの爪４″を形成し、この爪４″を金属板２の継合部
の上方側の金属板２の係合折曲部３に引っ掛けるように
設計した場合を図示している。

また、支承部６は仮足場用の部材８をしっかり支持する
ためコ字状の形状にして基体５の後部に一体成形してい
る場合を図示している。

この支承部６には基体５の一部も含めてビニールコーテ
ィング（どぶ漬工法）を施して柔軟被覆体10を形成し、
仮足場用の部材８の滑りを防止するとともに、本案品の
ガタつきにより基体５により金属板２に傷をつけるのを
防止している場合を図示している。

図面の固定用穴７は基体５に穿設した場合を図示してい
るが、爪部４の爪板４′に穿設しても良い。

また、図中符号11は仮足場用の部材８を止めるくぎ穴で
ある。

次に第2,3図に基づいて本案品の取り付け方を詳述す
る。

一文字葺工法は、屋根の下地材であるドブ板９に図示す
るような折曲した屋根の巾方向に長い金属板２を屋根の
下から上へ付設して打ち付けて行くものであるが、この
際金属板２の係合折曲部３に次の金属板２の係合折曲部
３を係合し乍ら継合敷設して行く。

その際、特に第３図に図示するように本案品の爪部４を
この継合部に差し入れて引っ掛けて固定する。

そして第２図のように数個所取り付けた本案品の支承部
６に足場用の部材８などを載置して、足場ａや道具置き
場を傾斜している屋根の作業場所に作る。

足場用の部材８のかわりに屋根に敷設する金属板２を多
数枚積み重ねておくこともできる。

また、未だ金属板２を敷設していない屋根の上方のドブ
板９に直接固定用穴７よりくぎ止め固定して金属板２な
どの資材を予め配置せしめておけば、いちいち金属板２
を下から上へ持ち運ぶこともないし、敷設した金属板２
に本案品を順次取り付けて行き、これから打ち付けよう
とする金属板２や道具をすぐ下の金属板２に取り付けた
足場ａに順次置くようにすれば、非常にスムーズな作業
を行うことができる。

〔考案の効果〕

本考案は上述のように構成したから、金属板と金属板と
の重合部の係合折曲部に爪部を引っ掛けるだけで非常に
簡単に足場や資材置場を確保でき、また爪部を少し押し
上げて外すだけで容易にその解体もできる。

また、支承部はビニールコーティングされているから支
持する足場用の部材が滑ることがなくしっかりした足場
となるだけでなく、底部の金属板に傷をつけることもな
い。

また、固定用穴も穿設したから金属板の敷設していない
ところにも、くぎなどを打ち付けるだけで容易に足場を
確保できるため、非常に作業能率が向上する極めて実用
性の高い屋根用仮足場金具となる。

また、爪部は、板状の基体の先端部に基体の幅より先端
が幅広い薄板状の爪板を設け、この爪板の先端を折り返
し折曲して設けたから、基体を細く設計できこれを握持
部として持ち運び易いと共に、幅広に形成される爪部に
より確実に係止でき、安定性良く確固に屋根板に止着で
きる一層実用性に秀れた屋根用仮足場金具となる。

しかも、この爪板は薄板状であるから、屋根板間にスラ
イド挿入して爪部を重合部の係合折曲部に引っ掛け係止
することができ、取り付け作業性にも秀れた屋根用仮足
場金具となる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は斜視
図、第２図は使用状態の斜視図、第３図は第２図におけ
る説明断面図である。 １……屋根、２……金属板、３……係合折曲部、４……
爪部、４′……爪板、５……基体、６……支承部、７…
…固定用穴、８……部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】板状の基体の先端部に基体の幅より先端が
   幅広い薄板状の爪板を設け、この爪板の先端を折り返し
   折曲して、屋根に敷設した金属板と金属板との継合部の
   係合折曲部に引っ掛ける爪部を設け、基体の後部に足場
   用の部材やその他資材などを支える部材などをかけ渡す
   為のＬ形の支承部を連設状態に突設し、この支承部をビ
   ニールコーティングし、基体の先端部寄り又は爪板に固
   定用穴を穿設したことを特徴とする屋根用仮足場金具。