JP3025491U - 建築物の屋根施工時の屋根材料仮支持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 屋根施工時の屋根材料を安全に、確実に屋根
下地部分上に保持するようにした。 【解決手段】 板状の横部分２と縦部分３とがほぼ直角
状に折曲してＬ字状で、前記横部分２には、屋根の止着
具が通過することができる大通孔部５と、止着具が通過
することができない小通孔部６とからなる通孔部４を、
小通孔部６が横部分２の自由端に向くようにして左右に
並列状に開設し、建築物の屋根施工時において、施工途
中の屋根下地部分に止着されている左右の止着具の上側
に、縦部分３が傾斜下方側となるように配置して横部分
２の大通孔部５を通すとともに、前記横部分２を屋根の
傾斜下方側に僅かに移動させて大通孔部５に通した止着
具を小通孔部６に係止させ、前記横部分２上に載置した
屋根材料を縦部分３で仮に支持して屋根を施工し、不要
になった場合に横部分２を屋根の傾斜上方に僅かに移動
させることにより、止着具を小通孔部６から大通孔部５
に移して外すようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、建築物の屋根を葺く場合に、屋根上に屋根材料を仮に積み上げてお くための屋根材料仮支持装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

周知のように、一般的に建築物の屋根を葺く場合、母屋、たる木、下地材及び ルーフィングシート等により下地部分を施工したら、その上面に屋根材料を全面 に敷設して屋根を構成する。 そして、従来では、前記屋根の下地部分の上面に屋根材料を積み重ね、屋根材 料を上から順に外して下地部分に密に敷設するのである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来では屋根の下地部分の上面に単に屋根材料を積み重ねているだけ であるから不安定であって、屋根の傾斜が大きい場合には滑り落ちて不慮の事故 が発生することがある。また、屋根上に登っている作業員が誤って積み重ね状態 の屋根材料を崩すことがあり、この場合にも事故が発生する危険がある。 したがって、傾斜する屋根上でもきわめて安定して事故が発生しないように屋 根材料を積み重ねておき、作業員が順に屋根材料を上から取り出しやすいような 作業状態が要望されている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記従来の欠点に鑑み、また従来からの要望を達成するために提案さ れたもので、板状の横部分と縦部分とがほぼ直角状に折曲してＬ字状で、前記横 部分には、屋根の止着具が通過することができる大通孔部と、止着具が通過する ことができない小通孔部とからなる通孔部を、小通孔部が横部分の自由端に向く ようにして左右に並列状に開設し、建築物の屋根施工時において、施工途中の屋 根下地部分に止着されている左右の止着具の上側に、縦部分が傾斜下方側となる ように配置して横部分の大通孔部を通すとともに、前記横部分を屋根の傾斜下方 側に僅かに移動させて大通孔部に通した止着具を小通孔部に係止させ、前記横部 分上に載置した屋根材料を縦部分で仮に支持して屋根を施工し、不要になった場 合に横部分を屋根の傾斜上方に僅かに移動させることにより、止着具を小通孔部 から大通孔部に移して外すようにしたことを特徴とするものである。

【０００５】 また、縦部分と横部分とのなす角度を７８〜８７度程度とすることにより、屋 根材料が屋根の傾斜による自重が作用しても、縦部分が横部分に対しせいぜい直 角になる程度である。

【０００６】

【作用】

したがって、屋根の施工時に屋根材料を安定して下地部分の上面に保持するこ とができ、また屋根材料を確実に受け止めるので、滑落したり不慮の事故が発生 することがない。

【０００７】

【考案の実施の形態】

以下に本考案の実施の形態を図面に基づいて説明すると、本考案の屋根材料仮 支持装置１は、例えば２ミリ厚の亜鉛鉄板等の金属板材により一体成形するもの で、横部分２と縦部分３とがほぼ直角状に折曲したＬ字状である。

【０００８】 そして、前記横部分２には、屋根の下地部分ａに固定する止着具ｂを通す通孔 部４を左右に並列状に開設する。前記通孔部４は、前記止着具ｂが通ることがで きる大通孔部５と、前記大通孔部５に連通して止着具ｂが係止する小通孔部６と からなり、横部分２において前記大通孔部５は縦部分３側に、小通孔部６は自由 端側に向いて位置している。

【０００９】 前記止着具ｂは例えば釘であって、頭部ｃが大通孔部５を通過するが小通孔部 ６を通過できないで、小通孔部６には釘の軸部が嵌入して係止される。

【００１０】 前記した仮支持装置１において、全体の横幅は４５０ミリ、横部分２の奥行き が２００ミリ、縦部分３の高さが２５０ミリ程度であるが、この寸法は仮支持す る屋根材料の寸法や重量により自由に選択するものである。また、横部分２と縦 部分３とのなす角度は、７８〜８７度であって、７８度以下では上面に載置した 屋根材料を外し難くて作業性に劣り、８７度以上では上面に屋根材料を載置した 場合に自重で９０度以上にまで広がって、仮支持する屋根材料が滑落する危険が ある。

【００１１】 前記した仮支持装置１を使用して屋根施工途中の下地部分ａ上に屋根材料ｄを 保持するには、下地部分ａの下地材やたる木に釘等の止着具ｂを左右に固定し、 縦部分３が屋根の傾斜下側に位置するようにして横部分２を止着具ｂの上側に位 置させ、各止着具ｂを各通孔部４の大通孔部５に通したら、屋根の傾斜下方側に 僅かに移動させて止着具ｂを小通孔部６で係止させ、この状態で横部分２の上面 に屋根材料ｄを積み上げて仮保持させる。

【００１２】 したがって、積み上げられる屋根材料ｄは、固定されている仮支持装置１の縦 部分３で支持されるので、きわめて安定するとともに崩れたり滑落することがな く、安全に上から順に外して施工作業することができる。

【００１３】 屋根材料をすべて取り出して仮支持装置１が不要になった場合、若しくは仮支 持装置１の部分にまで屋根材料を葺く場合、縦部分３を金槌等で叩いて屋根の傾 斜上方に移動し、止着具ｂを小通孔部６から大通孔部５に移してから上方に取り 外す。そして、必要であれば止着具ｂを下地部分ａから外せば良いし、固定して おいても屋根材料を葺く場合に影響がなければ、そのままにしておいたり、下地 部分に打ち込んでおけばよい。

【００１４】 なお、屋根材料が横葺き用の金属板材等で長尺であれば、本考案の仮支持装置 １を下地部分ａ上に左右に取り付け、両仮支持装置１間に掛け渡すようにして屋 根材料を支持してもよい。

【００１５】

【考案の効果】

以上要するに、本考案によれば、板状の横部分と縦部分とがほぼ直角状に折曲 してＬ字状で、前記横部分には、屋根に設けた止着具が通過することができる大 通孔部と、止着具が通過することができない小通孔部とからなる通孔部を、小通 孔部が横部分の自由端に向くようにして左右に並列状に開設し、建築物の屋根施 工時において、施工途中の屋根下地部分に止着されている左右の止着具の上側に 、縦部分が傾斜下方側となるように配置して横部分の大通孔部を通すとともに、 前記横部分を屋根の傾斜下方側に僅かに移動させて大通孔部に通した止着具を小 通孔部に係止させ、前記横部分上に載置した屋根材料を縦部分で仮に支持して屋 根を施工し、不要になった場合に横部分を屋根の傾斜上方に僅かに移動させるこ とにより、止着具を小通孔部から大通孔部に移して外すようにしたことを特徴と する。したがって、屋根材料を下地部分上にきわめて安定して保持することがで きるので、傾斜により、若しくは風雨や地震等の振動によって不意に滑落し、不 慮の事故が発生することを確実に防止することができる。

【００１６】 そして、縦部分と横部分とのなす角度を７８〜８７度にすることにより、横部 分が屋根材料の自重によって直角以上に広がり、屋根材料が屋根の傾斜で滑落す る危険がないし、屋根材料を上から取り出しやすくて作業性が良好である。

【００１７】 また、屋根を施工作業する場合に、作業者は安定して積み重なっている屋根板 材を上から順に外して敷設作業するだけでよいから、特に屋根上における高所で の危険な作業中でも安全に作業をすることができるばかりでなく、迅速に作業す ることができて実用的価値の高いものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の屋根材料仮支持装置の一実施の態様を
示す斜視図である。

【図２】図１の上から見た平面図である。

【図３】使用状態の縦断側面図である。

【符号の説明】

１ 仮支持装置 ２ 横部分 ３ 縦部分 ４ 通孔部 ５ 大通孔部 ６ 小通孔部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 板状の横部分と縦部分とがほぼ直角状に
   折曲してＬ字状で、前記横部分には、屋根に設けた止着
   具が通過することができる大通孔部と、止着具が通過す
   ることができない小通孔部とからなる通孔部を、小通孔
   部が横部分の自由端に向くようにして左右に並列状に開
   設し、建築物の屋根施工時において、施工途中の屋根下
   地部分に止着されている左右の止着具の上側に、縦部分
   が傾斜下方側となるように配置して横部分の大通孔部を
   通すとともに、前記横部分を屋根の傾斜下方側に僅かに
   移動させて大通孔部に通した止着具を小通孔部に係止さ
   せ、前記横部分上に載置した屋根材料を縦部分で仮に支
   持して屋根を施工し、不要になった場合に横部分を屋根
   の傾斜上方に僅かに移動させることにより、止着具を小
   通孔部から大通孔部に移して外すようにしたことを特徴
   とする建築物の屋根施工時の屋根材料仮支持装置。
2. 【請求項２】 縦部分と横部分とのなす角度は７８〜８
   ７度で、縦部分と横部分とは２ミリ程度の厚さの金属板
   材で一体に成形した請求項１に記載の建築物の屋根施工
   時の屋根材料仮支持装置。