JP3011377U - 建築用支保パイプの滑動防止具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄筋コンクリート建築工事の天井型枠等の支
保工事に於けるパイプサポートの支保部分となる上下鍔
板部分を釘打ちと根ガラミ取りが不要でも滑り倒れるこ
とをなくし、手間と時間を著しく軽減し安全で作業性を
よくすることを目的とした。 【構成】 従来のパイプサポートの上下鍔板を利用し硬
質ゴム板２に鍔板に固着するボルト５を保持させ、硬質
ゴム板２内に下面から突出せしめる下端を突刺端７とし
た突刺鋲８を内蔵せしめ、硬質ゴム板２の下面に突出さ
せた突刺端７を埋覆保護する発泡ゴム９を貼着層成せし
めた構造とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は鉄筋コンクリート建築現場のコンクリート型枠支保や外部仮設足場等 の支保パイプの床面支持部分の滑動を防ぐ滑動防止具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

鉄筋コンクリート建築現場に於てコンクリート打設の天井型枠を床面から支持 する支保工事を行う場合、従来は図３に示すように上柱管２０を挿入したサポー ト本体２１の中央の継ぎ目のねじ部２２のナット２３で上下に伸縮調整できるパ イプサポートが用いられて居り、この上柱管２０の上端には鍔板２４、サポート 本体２１の下端には鍔板２５が固着され、これに夫々固定用の２個づつの釘孔２ ６と継ぎボルト用の４個づつのボルト孔２７が明けられているのが一般的である 。又外部仮設足場もその下端の鍔板はジャッキベースに載置される。

【０００３】 支保工事の施工に当っては天井に構築した型枠２８の下側に枕木２９を介して 上端の鍔板２４を当て、床面には敷板３０を介して下端の鍔板２５を当て上下伸 張調節後に夫々釘孔２６に釘打ちして上下を固定すると共に、更に滑り動くのを 防いで安定佇立を確実にするため一定高さ以上では上下端近くの水平十字方向に パイプ３１をかけ渡して固定し横移動を防止する所謂根ガラミを取ることが義務 付けされている。外部仮設足場は下端の鍔板が載置するジャッキベースの上では 不安定で危険を伴う。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

天井型枠の支保に当って上下に伸張した後パイプサポートの上下の鍔板を釘打 ち固定し更に根ガラミを取る従来の施工法に於ては、パイプサポートの本数が各 階毎数百本に及ぶことから釘打ちの手間がかなりの時間を要し、特に上端の釘打 ちは１本毎脚立に登って枕木を当てながらの作業となり、しかも暗い室内現場で あることが多いためかなりの危険も伴い、更に上下の十字方向の根ガラミ取り及 び使用後の取り外し作業も加わるとその手間と時間の経費は莫大なものとなる。 そして鍔板は何度も使用している間に運搬時の衝撃も繰り返されて縁が曲がり修 正しながらの作業も容易でない。

【０００５】 更に林立するパイプサポート間の間隔はコンクリート荷重が大きくサポート本 数が多くなる程狭くなり、これに十字方向にパイプを固定して根ガラミを取ると 歩くのに邪魔になり、作業者は動きにくく、足場が悪く危険を伴い作業性が極め て悪いなど問題点が多かった。本考案は上記問題点を解消するため釘打ちも根ガ ラミも必要とせずにサポート本体の滑動を防止し、又外部仮設足場の場合はジャ ッキベースの上に安定支保することを目的としたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は従来使用されているパイプサポート等の鍔板に合着させて用いるもの で、鍔板の４個のつなぎ用のボルト孔に合致させる４個のボルト孔を穿設して適 宜の厚みを持たせた正方形の硬質ゴム板の各ボルト孔の下面に座ぐり凹陥部を設 け、各ボルト孔には前記座ぐり凹陥部に嵌合する鍔を持つボルトを挿通して鍔板 にナット絞め可能に保持せしめ、硬質ゴム板内には下面から突刺端を突出させた 複数個の突刺鋲を内蔵保持せしめると共に、硬質ゴム板の下面には突刺鋲の突刺 端を埋覆保護する軟質の発泡ゴムを貼着層成した構造とした。

【０００７】

【作用】

本考案は従来使用されているパイプサポートや外部仮設足場の鍔板をそのまま 利用して使用するもので、パイプサポートの上下の鍔板や外部仮設足場の鍔板の つなぎ用ボルト孔に硬質ゴム板に保持されたボルトを挿通して突出端をナット絞 め固定すると各突刺鋲の突刺端は埋覆する発泡ゴムに保護されて作業者を傷つけ る恐れがない。又コンクリート打設時の天井型枠を支保するパイプサポートを伸 張する場合や外部仮設足場をジャッキベースに載せて高さ調節する場合、その押 圧力で硬質ゴム板が押し付けられると内蔵保持されている突刺鋲の突刺端が発泡 ゴムを圧縮突き抜けて床面やジャッキベース面に突刺して喰い込み硬質ゴム板の まさつ力も付加されて支保パイプを固定するから鍔板が滑動したりパイプが倒れ たりすることがない。従って従来のように鍔板に釘打ちする必要がなく根ガラミ を取る煩わしさもなくなる。

【０００８】

【実施例】

一般に鉄筋コンクリート建築工事に於ては、各階の天井や床の型枠を支保する パイプサポートはコンクリート打設時の荷重の大きさに耐えるために各階毎に数 百本に及ぶかなりの数になると共に、支える部分の滑動による倒伏の危険が伴う ため滑動を防止するための上下鍔板の釘止めや倒伏防止の根ガラミ取りの手間や 時間の浪費が著しい。パイプサポートは現場毎に搬入を繰り返して反復使用する が、ストックは数千本にも及ぶ。

【０００９】 本考案はパイプサポートの支架に当って上下鍔板の釘止めや根ガラミ取りを省 くことができるもので、図１に示したようにパイプサポートの鍔板の大きさに合 わせて４個のボルト孔１を穿設し適宜の厚さを持たせた硬質ゴム板２の各ボルト 孔の下面に座ぐり凹陥部３を設け、これに嵌合する鍔４を持つボルト５を各ボル ト孔１に挿通保持してナット６で螺締すべくなし、硬質ゴム板２の内部には、下 面から突刺端７を突出させた複数個（例えば９個）の突刺鋲８を内蔵保持せしめ 、硬質ゴム板の下面に突刺鋲の突刺端を埋覆保護する軟質の発泡ゴム９を貼着層 成した構造とした。

【００１０】 使用に当ってパイプサポートの場合は、サポート本体２１の鍔板２５のボルト 孔２７に硬質ゴム板２に保持したボルト５の先端を突出させナットで緊締固定す るもので、パイプサポートの上下伸張に伴って押し下げられる鍔板２５が硬質ゴ ム板２を押圧してその弾力のまさつ力で床面をつかむと同時に内蔵保持されてい る突刺鋲８も押圧され突刺端７が圧縮される保護用の発泡ゴム９を突き抜けて床 面に突刺喰い込み滑り倒れることを防いで佇立支架を確実にする。従って鍔板の 釘打ちや根ガラミ取りは必要としない。

【００１１】 高層建築の外部仮設足場をジャッキベースで上下し高さ調整する場合も図２の ようにジャッキベース３２に載る足場の支架パイプ３３の鍔板３４に本考案の硬 質ゴム板２をボルト５で螺締固着して用いれば、上記同様まさつ力に付加された 突刺鋲８の突刺端７が喰い込んで足場の鍔板がジャッキベースから滑り落ちるこ とがなく安定して佇立保持される。

【００１２】

【考案の効果】

本考案はコンクリート型枠支保のパイプサポート鍔板や、外部仮設足場の支架 パイプ鍔板に螺着して硬質ゴム板のまさつ力と突刺鋲の突刺端の喰い込みで支保 パイプを床面に確実に佇立支保するから滑り倒れることなく極めて安全で、従来 のパイプサポートのように鍔板の釘打ちや根ガラミ取りの手間と時間を必要とせ ずに経費の節減ができ能率的で作業性がよい効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の断面図である。

【図２】本考案実施例の使用状態の正面図である。

【図３】従来のパイプサポートの正面図である。

【符号の説明】

１ ボルト孔 ２ 硬質ゴム板 ３ 座ぐり凹陥部 ４ 鍔 ５ ボルト ６ ナット ７ 突刺端 ８ 突刺鋲 ９ 発泡ゴム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ４個のボルト孔を穿設して適宜の厚みを
   もつ正方形の硬質ゴム板の各ボルト孔の下面に座ぐり凹
   陥部を設け、この座ぐり凹陥部に嵌合する鍔を持つボル
   トをボルト孔に挿通してナット絞め可能に保持し、硬質
   ゴム板には下面から突刺端を突出させた複数個の突刺鋲
   を内蔵せしめると共に、硬質ゴム板の下面に突刺鋲の突
   刺端を埋覆保護する軟質の発泡ゴムを貼着層成した構造
   とした建築用支保パイプの滑動防止具。