JP3002556B2 - 複合逆浸透膜およびその製造方法 - Google Patents
複合逆浸透膜およびその製造方法Info
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- JP3002556B2 JP3002556B2 JP3055793A JP5579391A JP3002556B2 JP 3002556 B2 JP3002556 B2 JP 3002556B2 JP 3055793 A JP3055793 A JP 3055793A JP 5579391 A JP5579391 A JP 5579391A JP 3002556 B2 JP3002556 B2 JP 3002556B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体混合物中の成分を
選択的に透過分離するための複合逆浸透膜に関し、詳し
くは、アミド結合とエステル結合よりなる高分子鎖を主
骨格とする架橋高分子を主構成単位とする超薄膜が、多
孔質支持膜上に形成されてなる複合逆浸透膜、及びその
製造方法に関する。かかる複合逆浸透膜は、超純水の製
造、かん水の脱塩等に好適に用いられ、また染色廃水や
電着塗料廃水等の公害発生原因である汚れ等から、その
中に含まれる汚染源あるいは有効物質を除去回収し、ひ
いては廃水のクローズ化に寄与することができる。
選択的に透過分離するための複合逆浸透膜に関し、詳し
くは、アミド結合とエステル結合よりなる高分子鎖を主
骨格とする架橋高分子を主構成単位とする超薄膜が、多
孔質支持膜上に形成されてなる複合逆浸透膜、及びその
製造方法に関する。かかる複合逆浸透膜は、超純水の製
造、かん水の脱塩等に好適に用いられ、また染色廃水や
電着塗料廃水等の公害発生原因である汚れ等から、その
中に含まれる汚染源あるいは有効物質を除去回収し、ひ
いては廃水のクローズ化に寄与することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、工業的に用いられている半透膜と
しては、例えば、酢酸セルロースからなる非対称構造を
有するロブ型のものが知られている。しかし、このよう
な酢酸セルロースからなる半透膜は、耐加水分解性、耐
微生物性、耐薬品性等において劣り、更に、耐圧性や耐
久性も十分ではないので、用途が限定されていた。そこ
で、酢酸セルロースからなる非対称半透膜の上記したよ
うな欠点を解消すべく、近年、芳香族ポリアミド(米国
特許3,567,632 号)架橋ポリアミド酸(特開昭56−3769
号)、ポリベンズイミダゾール(特開昭58−92403 号)
等からなる半透膜が提案されている。 このような重合
体からなる半透膜は、前記酢酸セルロースからなる非対
称半透膜の有する欠点の一部を解消し得るものの、選択
分離性や透過性能ではなお劣っている。そこで、非対称
半透膜とは構造の異なる半透膜として、微多孔性支持膜
上に実質的に選択分離性を有する活性な超薄膜を形成し
てなる複合半透膜が、例えば、米国特許第3,744,642
号、第4,039,440 号、第4,259,183 号明細書、特開昭55
−147106号、特開昭58−24303 号、特開昭63−197501号
公報等に記載されているように、近年、種々開発されて
いる。 これらの多くは、高い透水性を得るために、超
薄膜がポリアミドやポリ尿素からなり、一般に、分子内
に2以上のアミノ基を有する多官能アミノ化合物の水溶
液と、これら多官能アミノ化合物の有するアミノ基と反
応しうる官能基を分子内に2以上有する多官能性化合物
の炭化水素溶液とを、微多孔性支持膜上で界面反応させ
て、支持膜上にポリアミドやポリ尿素からなる超薄膜を
形成することによって得られる。
しては、例えば、酢酸セルロースからなる非対称構造を
有するロブ型のものが知られている。しかし、このよう
な酢酸セルロースからなる半透膜は、耐加水分解性、耐
微生物性、耐薬品性等において劣り、更に、耐圧性や耐
久性も十分ではないので、用途が限定されていた。そこ
で、酢酸セルロースからなる非対称半透膜の上記したよ
うな欠点を解消すべく、近年、芳香族ポリアミド(米国
特許3,567,632 号)架橋ポリアミド酸(特開昭56−3769
号)、ポリベンズイミダゾール(特開昭58−92403 号)
等からなる半透膜が提案されている。 このような重合
体からなる半透膜は、前記酢酸セルロースからなる非対
称半透膜の有する欠点の一部を解消し得るものの、選択
分離性や透過性能ではなお劣っている。そこで、非対称
半透膜とは構造の異なる半透膜として、微多孔性支持膜
上に実質的に選択分離性を有する活性な超薄膜を形成し
てなる複合半透膜が、例えば、米国特許第3,744,642
号、第4,039,440 号、第4,259,183 号明細書、特開昭55
−147106号、特開昭58−24303 号、特開昭63−197501号
公報等に記載されているように、近年、種々開発されて
いる。 これらの多くは、高い透水性を得るために、超
薄膜がポリアミドやポリ尿素からなり、一般に、分子内
に2以上のアミノ基を有する多官能アミノ化合物の水溶
液と、これら多官能アミノ化合物の有するアミノ基と反
応しうる官能基を分子内に2以上有する多官能性化合物
の炭化水素溶液とを、微多孔性支持膜上で界面反応させ
て、支持膜上にポリアミドやポリ尿素からなる超薄膜を
形成することによって得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、低圧操
作によってさらに高い透水性と高い脱塩性能とを併せ有
する新規な複合半透膜が求められている。
作によってさらに高い透水性と高い脱塩性能とを併せ有
する新規な複合半透膜が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、超薄膜とこれ
を支持する多孔質支持膜とからなる複合逆浸透膜におい
て、上記超薄膜が、下記化9、及び/又は化10
を支持する多孔質支持膜とからなる複合逆浸透膜におい
て、上記超薄膜が、下記化9、及び/又は化10
【化9】
【化10】 (但し、化9及び化10においてR1 は水素、又は酸素原
子を含んでもよい炭素数1〜4の低級アルキル基を示
し、R2 及びR3は酸素原子を有してもよい炭化水素残
基、種々の置換基を有してもよいアシル基、ベンジル
基、あるいはアリール基を示し、Xはその少なくとも一
部は直接結合を表して他の構成単位における化11と結合
する架橋点となり、他は−OM、化12又は化13を表す。
子を含んでもよい炭素数1〜4の低級アルキル基を示
し、R2 及びR3は酸素原子を有してもよい炭化水素残
基、種々の置換基を有してもよいアシル基、ベンジル
基、あるいはアリール基を示し、Xはその少なくとも一
部は直接結合を表して他の構成単位における化11と結合
する架橋点となり、他は−OM、化12又は化13を表す。
【化11】
【化12】
【化13】 但し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、又はアンモニウム基を示す。)で表される、アミド
結合とエステル結合とからなる架橋高分子を主構成単位
とする超薄膜であることを特徴とする複合逆浸透膜を提
供する。
属、又はアンモニウム基を示す。)で表される、アミド
結合とエステル結合とからなる架橋高分子を主構成単位
とする超薄膜であることを特徴とする複合逆浸透膜を提
供する。
【0005】本発明における超薄膜は、上記の如く化9
及び/又は化10で表されるアミド結合とエステル結合と
からなる架橋高分子を主構成単位とする、即ち少なくと
も50mol %含有するものである。
及び/又は化10で表されるアミド結合とエステル結合と
からなる架橋高分子を主構成単位とする、即ち少なくと
も50mol %含有するものである。
【0006】本発明の複合逆浸透膜は、下記化14からな
る化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有す
る水溶液と、
る化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有す
る水溶液と、
【化14】 (但し、化14において、R4 は水素、又は酸素原子を含
んでもよい炭素数1〜4の低級アルキル基を示し、R5
は酸素原子を有してもよい炭化水素残基、種々の置換基
を有してもよいアシル基、ベンジル基、あるいはアリー
ル基を示す。)下記化15及び/又は化16で表されるカル
ボン酸ハライドから選ばれる少なくとも一種の化合物を
含有する水非混和性有機溶剤溶液とを、
んでもよい炭素数1〜4の低級アルキル基を示し、R5
は酸素原子を有してもよい炭化水素残基、種々の置換基
を有してもよいアシル基、ベンジル基、あるいはアリー
ル基を示す。)下記化15及び/又は化16で表されるカル
ボン酸ハライドから選ばれる少なくとも一種の化合物を
含有する水非混和性有機溶剤溶液とを、
【化15】
【化16】 (但し、化15及び化16においてR6 及びR7 は酸素原子
を有してもよい炭化水素基、種々の置換基を有してもよ
いアシル基、ベンジル基、あるいはアリール基を示し、
Yは塩素、臭素、ヨウ素、あるいはフッ素を示す。)多
孔質支持膜上で接触させて、界面重縮合により多孔質支
持膜上にアミド結合とエステル結合とからなる架橋高分
子を主構成単位とする超薄膜を生成させることによって
得られる。
を有してもよい炭化水素基、種々の置換基を有してもよ
いアシル基、ベンジル基、あるいはアリール基を示し、
Yは塩素、臭素、ヨウ素、あるいはフッ素を示す。)多
孔質支持膜上で接触させて、界面重縮合により多孔質支
持膜上にアミド結合とエステル結合とからなる架橋高分
子を主構成単位とする超薄膜を生成させることによって
得られる。
【0007】本発明において、上記化14で表される化合
物としては、m−アミノフェノール、p−アミノフェノ
ール、o−アミノフェノール、o−アミノフェネチルア
ルコール、p−フェネチルアルコール、2−アミノエタ
ノール、3−アミノ−1−プロパノール等が挙げられ、
特にm−アミノフェノールが好ましく用いられる。これ
らは単独で用いられてもよく、混合物として用いてもよ
い。上記化14で表される化合物と共に、m−又はp−フ
ェニレンジアミン、キシリレンジアミン等の芳香族多官
能アミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブ
タンジアミン、ジアミノシクロヘキサン等の脂肪族アミ
ン、N,N'-ジメチルメタキシリレンジアミン、N,
N'-ジメチルメタフェニレンジアミン、ピペラジン等の
第2級アミン等を併用することもできる。
物としては、m−アミノフェノール、p−アミノフェノ
ール、o−アミノフェノール、o−アミノフェネチルア
ルコール、p−フェネチルアルコール、2−アミノエタ
ノール、3−アミノ−1−プロパノール等が挙げられ、
特にm−アミノフェノールが好ましく用いられる。これ
らは単独で用いられてもよく、混合物として用いてもよ
い。上記化14で表される化合物と共に、m−又はp−フ
ェニレンジアミン、キシリレンジアミン等の芳香族多官
能アミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブ
タンジアミン、ジアミノシクロヘキサン等の脂肪族アミ
ン、N,N'-ジメチルメタキシリレンジアミン、N,
N'-ジメチルメタフェニレンジアミン、ピペラジン等の
第2級アミン等を併用することもできる。
【0008】本発明において、上記化15で表される多官
能酸ハライドとしては、例えば、トリメシン酸ハライド
や1,3,5-シクロヘキサントリカルボン酸等が好ましく用
いられる。 また化16で表される多官能酸ハライドとし
ては、例えば、テレフタル酸ハライド、イソフタル酸ハ
ライド、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸ハライド、1,
4-シクロヘキサンジカルボン酸ハライド等のジハライド
が好ましく用いられ、特にテレフタル酸ハライド、イソ
フタル酸ハライドが好ましい。
能酸ハライドとしては、例えば、トリメシン酸ハライド
や1,3,5-シクロヘキサントリカルボン酸等が好ましく用
いられる。 また化16で表される多官能酸ハライドとし
ては、例えば、テレフタル酸ハライド、イソフタル酸ハ
ライド、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸ハライド、1,
4-シクロヘキサンジカルボン酸ハライド等のジハライド
が好ましく用いられ、特にテレフタル酸ハライド、イソ
フタル酸ハライドが好ましい。
【0009】前記の如く、本発明の複合逆浸透膜は、化
14で表される化合物を含有する水溶液を、多孔質支持膜
上に塗布し、次いで、多官能酸ハライドを含有する水非
混和性有機溶剤溶液を塗布し、水溶液との界面にて重縮
合を行って、支持膜上にアミド結合とエステル結合とか
らなる架橋高分子を主構成単位とする超薄膜を生成さ
せ、必要に応じて、加熱処理を行うことによって得るこ
とができる。上記化14で表される化合物を含有する水溶
液は、製膜を容易にし、或いは得られる複合逆浸透膜の
性能を向上させるために、更に、例えば、ポリビニリア
ルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の
水溶性重合体や、ソルビトール、グリセリン、グリコー
ル類等のよう多価アルコールを含有していてもよい。ま
た、トデシル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム等の界面活性剤を含有していてもよい。
これら界面活性剤は、上記水溶液の多孔質支持膜への
濡れ性を改善するのに効果がある。 更に、上記界面で
の重縮合反応を促進するために、界面反応にて生成する
ハロゲン化水素を除去し得る水酸化ナトリウムやリン酸
三ナトリウムを用い、或いは触媒として、第4級アンモ
ニウム塩、アシル化触媒、相間移動触媒を用いることも
有益である。多官能酸ハライドを含有する水非混和性有
機溶剤溶液を調整するための有機溶剤としては、用いる
酸ハライドをよく溶解し、他方、用いる多孔質支持膜を
溶解しない有機溶剤であればよく、例えば、n−ヘキサ
ン、シクロヘキサン等の炭化水素溶剤、トリクロロトリ
フルオロエタン等のハロゲン化炭化水素が用いられる
が、特に、n−ヘキサンが好ましく用いられる。化14で
表される化合物を含有する水溶液及び多官能酸ハライド
を含有する有機溶剤溶液において、化14で表される化合
物及び多官能酸ハライドの濃度は、特に限定されるもの
ではないが、通常、0.1 〜10重量%、好ましくは0.5 〜
5重量%の範囲である。
14で表される化合物を含有する水溶液を、多孔質支持膜
上に塗布し、次いで、多官能酸ハライドを含有する水非
混和性有機溶剤溶液を塗布し、水溶液との界面にて重縮
合を行って、支持膜上にアミド結合とエステル結合とか
らなる架橋高分子を主構成単位とする超薄膜を生成さ
せ、必要に応じて、加熱処理を行うことによって得るこ
とができる。上記化14で表される化合物を含有する水溶
液は、製膜を容易にし、或いは得られる複合逆浸透膜の
性能を向上させるために、更に、例えば、ポリビニリア
ルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の
水溶性重合体や、ソルビトール、グリセリン、グリコー
ル類等のよう多価アルコールを含有していてもよい。ま
た、トデシル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム等の界面活性剤を含有していてもよい。
これら界面活性剤は、上記水溶液の多孔質支持膜への
濡れ性を改善するのに効果がある。 更に、上記界面で
の重縮合反応を促進するために、界面反応にて生成する
ハロゲン化水素を除去し得る水酸化ナトリウムやリン酸
三ナトリウムを用い、或いは触媒として、第4級アンモ
ニウム塩、アシル化触媒、相間移動触媒を用いることも
有益である。多官能酸ハライドを含有する水非混和性有
機溶剤溶液を調整するための有機溶剤としては、用いる
酸ハライドをよく溶解し、他方、用いる多孔質支持膜を
溶解しない有機溶剤であればよく、例えば、n−ヘキサ
ン、シクロヘキサン等の炭化水素溶剤、トリクロロトリ
フルオロエタン等のハロゲン化炭化水素が用いられる
が、特に、n−ヘキサンが好ましく用いられる。化14で
表される化合物を含有する水溶液及び多官能酸ハライド
を含有する有機溶剤溶液において、化14で表される化合
物及び多官能酸ハライドの濃度は、特に限定されるもの
ではないが、通常、0.1 〜10重量%、好ましくは0.5 〜
5重量%の範囲である。
【0010】本発明においては、化14で表される化合物
と多官能酸ハライドとは、支持膜上で室温にて容易に界
面重縮合反応するが、必要に応じて、反応を促進させ、
或いは溶剤を除去し、或いは形成される超薄膜の支持膜
からの剥離を防止するために、50〜150 ℃に加熱しても
よい。このようにして得られる複合逆浸透膜は、そのま
まで用いることができるが、本発明によれば、得られた
複合逆浸透膜を保護膜にて被覆してもよい。 このよう
な保護膜は、得られた複合逆浸透膜を乾燥させた後、例
えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポ
リビニルメチルエーテル等のような重合体の0.5 〜10重
量%の水溶液を塗布し、50〜150 ℃に加熱乾燥すること
によって、複合逆浸透膜上に形成させることができる。
と多官能酸ハライドとは、支持膜上で室温にて容易に界
面重縮合反応するが、必要に応じて、反応を促進させ、
或いは溶剤を除去し、或いは形成される超薄膜の支持膜
からの剥離を防止するために、50〜150 ℃に加熱しても
よい。このようにして得られる複合逆浸透膜は、そのま
まで用いることができるが、本発明によれば、得られた
複合逆浸透膜を保護膜にて被覆してもよい。 このよう
な保護膜は、得られた複合逆浸透膜を乾燥させた後、例
えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポ
リビニルメチルエーテル等のような重合体の0.5 〜10重
量%の水溶液を塗布し、50〜150 ℃に加熱乾燥すること
によって、複合逆浸透膜上に形成させることができる。
【0011】
【発明の効果】本発明による複合逆浸透膜は、アミド結
合とエーテル結合を主鎖骨格に有する架橋高分子からな
る超薄膜が多孔質支持膜上に形成されてなり、液体混合
物中の成分を選択的に透過分離するために好適に用いる
ことができる。特に、本発明による複合逆浸透膜は、低
圧下での操作において、高い透水性能と高い脱塩性能を
有し、例えば、かん水、海水等の脱塩による淡水化や、
半導体の製造に必要とされる超純水の製造等に好適に用
いることができる。
合とエーテル結合を主鎖骨格に有する架橋高分子からな
る超薄膜が多孔質支持膜上に形成されてなり、液体混合
物中の成分を選択的に透過分離するために好適に用いる
ことができる。特に、本発明による複合逆浸透膜は、低
圧下での操作において、高い透水性能と高い脱塩性能を
有し、例えば、かん水、海水等の脱塩による淡水化や、
半導体の製造に必要とされる超純水の製造等に好適に用
いることができる。
【0012】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
なお、多孔質支持膜としては、ポリスルホン製限外濾過
膜を用いた。 得られた複合逆浸透膜の性能は、操作圧
力15kg/cm2、温度25℃にて塩化ナトリウム1500ppm を含
有する水溶液を15時間処理した後、透水速度及び塩化ナ
トリウム除去率を測定した。塩化ナトリウム除去率は、
通常の電導度測定によった。
本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
なお、多孔質支持膜としては、ポリスルホン製限外濾過
膜を用いた。 得られた複合逆浸透膜の性能は、操作圧
力15kg/cm2、温度25℃にて塩化ナトリウム1500ppm を含
有する水溶液を15時間処理した後、透水速度及び塩化ナ
トリウム除去率を測定した。塩化ナトリウム除去率は、
通常の電導度測定によった。
【0013】実施例1 m−アミノフェノール2重量%、ラウリル硫酸ナトリウ
ム0.3 重量%、トリエチルアミン2重量%、カンファー
スルホン酸4重量%を含む水溶液を、pH11.5に調整し、
この溶液をポリスルホン膜上に塗布した。 このように
して得られたm−アミノフェノールで被覆された支持膜
の表面を、トリメソイルクロライド(塩化ベンゼン1,3,
5 トリカルボン酸)0.25重量%のヘキサン溶液と接触さ
せた。その後、該被覆支持膜を120 ℃の熱風乾燥器の中
で5分間保持して複合逆浸透膜を得た。 得られた複合
逆浸透膜の性能は、脱塩率98%、透水速度0.3 t/m2日で
あった。
ム0.3 重量%、トリエチルアミン2重量%、カンファー
スルホン酸4重量%を含む水溶液を、pH11.5に調整し、
この溶液をポリスルホン膜上に塗布した。 このように
して得られたm−アミノフェノールで被覆された支持膜
の表面を、トリメソイルクロライド(塩化ベンゼン1,3,
5 トリカルボン酸)0.25重量%のヘキサン溶液と接触さ
せた。その後、該被覆支持膜を120 ℃の熱風乾燥器の中
で5分間保持して複合逆浸透膜を得た。 得られた複合
逆浸透膜の性能は、脱塩率98%、透水速度0.3 t/m2日で
あった。
【0014】実施例2 トリメソイルクロライドを、トリメソイルクロライド/
イソフタロイルクロライド=5/5に変更した以外は、
実施例1と同様にして得られた複合逆浸透膜の性能は、
脱塩率95%、透水速度0.5 t/m2日であった。
イソフタロイルクロライド=5/5に変更した以外は、
実施例1と同様にして得られた複合逆浸透膜の性能は、
脱塩率95%、透水速度0.5 t/m2日であった。
【0015】実施例3 m−アミノフェノールを、p−アミノフェノールに変更
した以外は、実施例1と同様にして得られた複合逆浸透
膜の性能は、脱塩率92%、透水速度0.6 t/m2日であっ
た。
した以外は、実施例1と同様にして得られた複合逆浸透
膜の性能は、脱塩率92%、透水速度0.6 t/m2日であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−159503(JP,A) 特開 昭53−144884(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 71/60 B01D 71/82 B01D 69/12
Claims (2)
- 【請求項1】 超薄膜とこれを支持する多孔質支持膜と
からなる複合逆浸透膜において、上記超薄膜が、下記化
1、及び/又は化2 【化1】 【化2】 (但し、化1及び化2においてR1 は水素、又は酸素原
子を含んでもよい炭素数1〜4の低級アルキル基を示
し、R2 及びR3 は酸素原子を有してもよい炭化水素残
基、種々の置換基を有してもよいアシル基、ベンジル
基、あるいはアリール基を示し、Xはその少なくとも一
部は直接結合を表して他の構成単位における化3と結合
する架橋点となり、他は−OM、化4又は化5を表す。 【化3】 【化4】 【化5】 但し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、又はアンモニウム基を示す。)で表される、アミド
結合とエステル結合とからなる架橋高分子を主構成単位
とする超薄膜であることを特徴とする複合逆浸透膜。 - 【請求項2】 超薄膜とこれを支持する多孔質支持膜と
からなる複合逆浸透膜の製造方法において、下記化6か
らなる化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を含
有する水溶液と、 【化6】 (但し、化6において、R4 は水素、又は酸素原子を含
んでもよい炭素数1〜4の低級アルキル基を示し、R5
は酸素原子を有してもよい炭化水素残基、種々の置換基
を有してもよいアシル基、ベンジル基、あるいはアリー
ル基を示す。)下記化7及び/又は化8で表されるカル
ボン酸ハライドから選ばれる少なくとも一種の化合物を
含有する水非混和性有機溶剤溶液とを、 【化7】 【化8】 (但し、化7及び化8においてR6 及びR7 は酸素原子
を有してもよい炭化水素基、種々の置換基を有してもよ
いアシル基、ベンジル基、あるいはアリール基を示し、
Yは塩素、臭素、ヨウ素、あるいはフッ素を示す。)前
記多孔質支持膜上で接触させて、界面重縮合により多孔
質支持膜上にアミド結合とエステル結合とからなる架橋
高分子を主構成単位とする超薄膜を生成させることを特
徴とする複合逆浸透膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3055793A JP3002556B2 (ja) | 1991-02-26 | 1991-02-26 | 複合逆浸透膜およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3055793A JP3002556B2 (ja) | 1991-02-26 | 1991-02-26 | 複合逆浸透膜およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04271820A JPH04271820A (ja) | 1992-09-28 |
JP3002556B2 true JP3002556B2 (ja) | 2000-01-24 |
Family
ID=13008793
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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1991
- 1991-02-26 JP JP3055793A patent/JP3002556B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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