JP2866980B2 - 複合半透膜及びその製造方法 - Google Patents
複合半透膜及びその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は液状混合物中の成分を選択的に透過分離する
ための複合半透膜に関し、詳しくは、ジアミノジアジン
及びトリアミノジアジンから選ばれる少なくとも1種の
多官能アミノジアジンを主たるアミン成分とするポリア
ミドからなる超薄膜が微多孔性支持膜上に支持されてな
る複合半透膜及びその製造方法に関する。
ための複合半透膜に関し、詳しくは、ジアミノジアジン
及びトリアミノジアジンから選ばれる少なくとも1種の
多官能アミノジアジンを主たるアミン成分とするポリア
ミドからなる超薄膜が微多孔性支持膜上に支持されてな
る複合半透膜及びその製造方法に関する。
かかる本発明による複合半透膜は、例えば、かん水、
海水等の脱塩による淡水化や、半導体の製造に必要とさ
れる超純水の製造等に好適に用いることができる。
海水等の脱塩による淡水化や、半導体の製造に必要とさ
れる超純水の製造等に好適に用いることができる。
従来の技術 従来、工業的に用いられている半透膜としては、例え
ば、酢酸セルロースからなる非対称構造を有するロプ型
のものが知られている。しかし、このような酢酸セルロ
ースからなる半透膜は、耐加水分解性、耐微生物性、耐
薬品性等において劣り、更に、耐圧性や耐久性も十分で
ないので、高浸透性を有する装置とすることが困難であ
つて、用途が自ずから限定されざるを得ない。
ば、酢酸セルロースからなる非対称構造を有するロプ型
のものが知られている。しかし、このような酢酸セルロ
ースからなる半透膜は、耐加水分解性、耐微生物性、耐
薬品性等において劣り、更に、耐圧性や耐久性も十分で
ないので、高浸透性を有する装置とすることが困難であ
つて、用途が自ずから限定されざるを得ない。
そこで、酢酸セルロースからなる非対称半透膜の上記
したような欠点を解消すべく、近年、種々の重合体から
なる非対称半透膜、例えば、芳香族ポリアミド(米国特
許第3,567,632号)、架橋ポリアミド酸(特開昭56−376
9号公報)、ポリベンズイミダゾール(特開昭58−92403
号公報)等からなる半透膜が提案されている。このよう
な重合体からなる半透膜は、前記酢酸セルロースからな
る非対称半透膜の有する欠点の一部を解消し得るもの
の、選択分離性や透過能では尚、劣つている。
したような欠点を解消すべく、近年、種々の重合体から
なる非対称半透膜、例えば、芳香族ポリアミド(米国特
許第3,567,632号)、架橋ポリアミド酸(特開昭56−376
9号公報)、ポリベンズイミダゾール(特開昭58−92403
号公報)等からなる半透膜が提案されている。このよう
な重合体からなる半透膜は、前記酢酸セルロースからな
る非対称半透膜の有する欠点の一部を解消し得るもの
の、選択分離性や透過能では尚、劣つている。
そこで、非対称半透膜とは構造の異なる半透膜とし
て、微多孔性支持膜上に実質的に選択分離性を有する活
性な超薄膜を形成してなる複合半透膜が、例えば、米国
特許第3,744,642号明細書や第4,039,440号明細書、第4,
259,183号明細書、特開昭55−147106号、特開昭58−243
03号公報、特開昭63−197501号公報等に記載されている
ように、近年、種々開発されている。これらの多くは、
高い透水性を得るために、超薄膜がポリアミドやポリ尿
素からなり、一般に、分子内に2以上のアミノ基を有す
る多官能アミノ化合物の水溶液とこれら多官能アミノ化
合物の有するアミノ基と反応し得る官能基を分子内に2
以上有する多官能性化合物の炭化水素溶液とを微多孔性
支持膜上で界面反応させて、支持膜上にポリアミドやポ
リ尿素等からなる超薄膜を形成することによつて得られ
る。
て、微多孔性支持膜上に実質的に選択分離性を有する活
性な超薄膜を形成してなる複合半透膜が、例えば、米国
特許第3,744,642号明細書や第4,039,440号明細書、第4,
259,183号明細書、特開昭55−147106号、特開昭58−243
03号公報、特開昭63−197501号公報等に記載されている
ように、近年、種々開発されている。これらの多くは、
高い透水性を得るために、超薄膜がポリアミドやポリ尿
素からなり、一般に、分子内に2以上のアミノ基を有す
る多官能アミノ化合物の水溶液とこれら多官能アミノ化
合物の有するアミノ基と反応し得る官能基を分子内に2
以上有する多官能性化合物の炭化水素溶液とを微多孔性
支持膜上で界面反応させて、支持膜上にポリアミドやポ
リ尿素等からなる超薄膜を形成することによつて得られ
る。
発明が解決しようとする課題 本発明は、ジアミノジアジン及びトリアミノジアジン
から選ばれる少なくとも1種の多官能アミノジアジンを
主たるアミン成分とするポリアミドからなる超薄膜が微
多孔性支持膜上に支持されてなり、低圧操作によつて低
圧操作によつて高い透水性と高い脱塩性能とを併せ有す
る新規な複合半透膜及びその製造方法を提供することを
目的とする。
から選ばれる少なくとも1種の多官能アミノジアジンを
主たるアミン成分とするポリアミドからなる超薄膜が微
多孔性支持膜上に支持されてなり、低圧操作によつて低
圧操作によつて高い透水性と高い脱塩性能とを併せ有す
る新規な複合半透膜及びその製造方法を提供することを
目的とする。
課題を解決するための手段 本発明は、超薄膜とこれを支持する微多孔性支持膜と
からなる複合半透膜において、上記超薄膜が、ジアミノ
ジアジン及びトリアミノジアジンから選ばれる少なくと
も1種の多官能アミノジアジンを主たるアミン成分と
し、一般式(I) (式中、R1は、水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示
し、環Aは、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を示
す。) で表われる多官能カルボン酸成分を主たる酸成分とする
ポリアミドからなることを特徴とする。
からなる複合半透膜において、上記超薄膜が、ジアミノ
ジアジン及びトリアミノジアジンから選ばれる少なくと
も1種の多官能アミノジアジンを主たるアミン成分と
し、一般式(I) (式中、R1は、水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示
し、環Aは、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を示
す。) で表われる多官能カルボン酸成分を主たる酸成分とする
ポリアミドからなることを特徴とする。
本発明において、上記超薄膜は、ジアミノジアジン及
びトリアミノジアジンから選らばれる少なくとも1種の
多官能アミノジアジンを主たるアミン成分とし、上記多
官能カルボン酸成分を主たる酸成分として、これらを界
面重縮合反応させるこによつて成形されたポリアミド、
好ましくは、酸成分として三官能カルボン酸成分を併用
して形成される架橋ポリアミドからなり、実質的に分離
性能を有する層である。
びトリアミノジアジンから選らばれる少なくとも1種の
多官能アミノジアジンを主たるアミン成分とし、上記多
官能カルボン酸成分を主たる酸成分として、これらを界
面重縮合反応させるこによつて成形されたポリアミド、
好ましくは、酸成分として三官能カルボン酸成分を併用
して形成される架橋ポリアミドからなり、実質的に分離
性能を有する層である。
その膜厚は、得られる複合半透膜の用途や要求特性に
よつて適宜に選ばれるが、通常、10〜1000nmの範囲であ
る。膜厚が余りに薄いときは、膜欠陥が生じやすく、他
方、余りに厚いときは、透水速度が低下する。特に、膜
厚は、20〜300nmの範囲であることが好ましい。
よつて適宜に選ばれるが、通常、10〜1000nmの範囲であ
る。膜厚が余りに薄いときは、膜欠陥が生じやすく、他
方、余りに厚いときは、透水速度が低下する。特に、膜
厚は、20〜300nmの範囲であることが好ましい。
上記超薄膜を支持する微多孔性支持膜は、実質的に分
離機能をもたず、超薄膜を支持し得るものであれば、特
に,限定されるものではなく、例えば、酢酸セルロー
ス、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエス
テルスルホン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、
ポリアクリロニトリル等、種々のものを例示することが
できるが、特に、ポリスルホンからなる微多孔性支持膜
が好ましく用いられる。
離機能をもたず、超薄膜を支持し得るものであれば、特
に,限定されるものではなく、例えば、酢酸セルロー
ス、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエス
テルスルホン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、
ポリアクリロニトリル等、種々のものを例示することが
できるが、特に、ポリスルホンからなる微多孔性支持膜
が好ましく用いられる。
かかる複合半透膜は、本発明に従つて、前記多官能ア
ミノジアジンを含有する水溶液を微多孔性支持膜上に塗
布し、次いで、一般式(III) (式中、R1は、水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示
し、Xは塩素、臭素、ヨウ素又はフツ素を示し、環A
は、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を示す。) で表わされる二官能酸ハライドを多官能酸ハライドとし
て含有する水非混和性有機溶剤溶液を塗布し、水溶液と
の界面にて重縮合を行なつて、支持膜上にポリアミドか
らなる超薄膜を生成させることによつて得ることができ
る。
ミノジアジンを含有する水溶液を微多孔性支持膜上に塗
布し、次いで、一般式(III) (式中、R1は、水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示
し、Xは塩素、臭素、ヨウ素又はフツ素を示し、環A
は、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を示す。) で表わされる二官能酸ハライドを多官能酸ハライドとし
て含有する水非混和性有機溶剤溶液を塗布し、水溶液と
の界面にて重縮合を行なつて、支持膜上にポリアミドか
らなる超薄膜を生成させることによつて得ることができ
る。
本発明においては、ジアミノジアジンとして、例え
ば、2,4−ジアミノピリミジン、3,5−ジアミノピリダジ
ン、2,5−ジアミノピラジン等のようにアミノ基以外の
置換基をもたないジアミノジアジンや、アミノ基以外に
置換基を有する置換ジアミノジアジンが用いられる。こ
のような置換ジアミノジアジンとしては、例えば、2,4
−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジンを挙げることが
できる。また,トリアミノジアジンとしては、例えば、
2,4,6−トリアミノピリミジンが好ましく用いられる。
ジアミノジアジンとトリアミノジアジンは、単独で用い
られてもよく、混合物として用いられてもよい。
ば、2,4−ジアミノピリミジン、3,5−ジアミノピリダジ
ン、2,5−ジアミノピラジン等のようにアミノ基以外の
置換基をもたないジアミノジアジンや、アミノ基以外に
置換基を有する置換ジアミノジアジンが用いられる。こ
のような置換ジアミノジアジンとしては、例えば、2,4
−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジンを挙げることが
できる。また,トリアミノジアジンとしては、例えば、
2,4,6−トリアミノピリミジンが好ましく用いられる。
ジアミノジアジンとトリアミノジアジンは、単独で用い
られてもよく、混合物として用いられてもよい。
本発明によれば、多官能アミノジアジンと共に、m−
又はp−フエニレンジアミン、キシリレンジアミンのよ
うな芳香族多官能アミンも用いることができる。
又はp−フエニレンジアミン、キシリレンジアミンのよ
うな芳香族多官能アミンも用いることができる。
前記一般式(III)で表わされる多官能カルボン酸ハ
ライドとしては、例えば、テレフタル酸ハライド、イソ
フタル酸ハライド、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸
ハライド、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ハライド
等のジハライドが好ましく用いられる。なかでも、テレ
フタル酸クロライドやイソフタル酸ジクロライドが好ま
しく用いられる。
ライドとしては、例えば、テレフタル酸ハライド、イソ
フタル酸ハライド、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸
ハライド、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ハライド
等のジハライドが好ましく用いられる。なかでも、テレ
フタル酸クロライドやイソフタル酸ジクロライドが好ま
しく用いられる。
更に、本発明においては、上記ジカルボン酸ジハライ
ドと共に、架橋剤として、前記一般式(IV)で表わされ
る多官能酸ハライドが好ましく用いられる。かかる多官
能酸ハライドとしては、例えば、トリメシン酸ハライド
や1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸ハライド等が
好ましく用いられる。特に、トリメシン酸クロライドが
好ましく用いられる。このような架橋剤を用いることに
よつて、架橋ポリアミドからなる超薄膜を支持膜上に形
成させることができる。
ドと共に、架橋剤として、前記一般式(IV)で表わされ
る多官能酸ハライドが好ましく用いられる。かかる多官
能酸ハライドとしては、例えば、トリメシン酸ハライド
や1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸ハライド等が
好ましく用いられる。特に、トリメシン酸クロライドが
好ましく用いられる。このような架橋剤を用いることに
よつて、架橋ポリアミドからなる超薄膜を支持膜上に形
成させることができる。
前述したように、本発明による複合半透膜は、前述し
たような多官能アミノジアジンを含有する水溶液を微多
孔性支持膜上に塗布し、次いで、多官能酸ハライドを含
有する水非混和性有機溶剤溶液を塗布し、水溶液との界
面にて重縮合を行なつて、支持膜上に(架橋)ポリアミ
ドを生成させ、必要に応じて、加熱処理を行なうことに
よつて得ることができる。
たような多官能アミノジアジンを含有する水溶液を微多
孔性支持膜上に塗布し、次いで、多官能酸ハライドを含
有する水非混和性有機溶剤溶液を塗布し、水溶液との界
面にて重縮合を行なつて、支持膜上に(架橋)ポリアミ
ドを生成させ、必要に応じて、加熱処理を行なうことに
よつて得ることができる。
多官能アミノジアジンを含有する水溶液は、製膜を容
易にし、或いは得られる複合半透膜の性能を向上させる
ために、更に、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリアクリル酸等の水溶性重合体や、
ソルビトール、グリセリン、グリコール類等のような多
価アルコールを含有してしてもよい。また、ドデシル硫
酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
等の界面活性剤を含有していてよい。これら界面活性剤
は、多官能アミノジアジンを含有する水溶液の微多孔性
支持膜への濡れ性を改善するのに効果がある。更に、上
記界面での重縮合反応を促進するために、界面反応にて
生成するハロゲン化水素を除去し得る水酸化ナトリウム
やリン酸三ナトリウムを用い、或いは触媒として、第4
級アンモニウム塩、アシル化触媒、相間移動触媒等を用
いることも有益である。
易にし、或いは得られる複合半透膜の性能を向上させる
ために、更に、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリアクリル酸等の水溶性重合体や、
ソルビトール、グリセリン、グリコール類等のような多
価アルコールを含有してしてもよい。また、ドデシル硫
酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
等の界面活性剤を含有していてよい。これら界面活性剤
は、多官能アミノジアジンを含有する水溶液の微多孔性
支持膜への濡れ性を改善するのに効果がある。更に、上
記界面での重縮合反応を促進するために、界面反応にて
生成するハロゲン化水素を除去し得る水酸化ナトリウム
やリン酸三ナトリウムを用い、或いは触媒として、第4
級アンモニウム塩、アシル化触媒、相間移動触媒等を用
いることも有益である。
多官能酸ハライドを含有する水非混和性有機溶剤溶液
を調製するための有機溶剤としては、用いる酸ハライド
をよく溶解し、他方、用いる微多孔性支持膜を溶解しな
い有機溶剤であればよく、例えば、n−ヘキサン、シク
ロヘキサン等の炭化水素溶剤、トリクロロトリフルオロ
エタン等のハロゲン化炭化水素が用いられるが、特に、
n−ヘキサンが好ましく用いられる。
を調製するための有機溶剤としては、用いる酸ハライド
をよく溶解し、他方、用いる微多孔性支持膜を溶解しな
い有機溶剤であればよく、例えば、n−ヘキサン、シク
ロヘキサン等の炭化水素溶剤、トリクロロトリフルオロ
エタン等のハロゲン化炭化水素が用いられるが、特に、
n−ヘキサンが好ましく用いられる。
多官能アミノジアジンを含有する水溶液及び多官能ハ
ライドを含有する有機溶剤溶液において、多官能アミノ
ジアジン及び多官能酸ハライドの濃度は、特に、限定さ
れるものではないが、通常、0.1〜10重量%、好ましく
は、0.5〜5重量%の範囲である。
ライドを含有する有機溶剤溶液において、多官能アミノ
ジアジン及び多官能酸ハライドの濃度は、特に、限定さ
れるものではないが、通常、0.1〜10重量%、好ましく
は、0.5〜5重量%の範囲である。
支持膜上に多官能アミノジアジンを含有する水溶液を
塗布し、次いで、その上に多官能酸ハライドを含有する
有機溶剤溶液を塗布する際、任意の手段を採用すること
ができるが、特に、アプリケータ等を用いるコーテイン
グ法が好ましく採用される。コーテイング法において
は、一般に、コーテイングした後、過剰の液体が除去さ
れる。このような液切りとしては、通常、例えば、ワイ
パーやエアドクター等による液切りが採用される。勿
論、膜面を鉛直に支持して、過剰の液体を自然落下させ
てもよい。
塗布し、次いで、その上に多官能酸ハライドを含有する
有機溶剤溶液を塗布する際、任意の手段を採用すること
ができるが、特に、アプリケータ等を用いるコーテイン
グ法が好ましく採用される。コーテイング法において
は、一般に、コーテイングした後、過剰の液体が除去さ
れる。このような液切りとしては、通常、例えば、ワイ
パーやエアドクター等による液切りが採用される。勿
論、膜面を鉛直に支持して、過剰の液体を自然落下させ
てもよい。
このようにして、支持膜上に多官能アミノジアジンを
含有する水溶液を塗布し、次いで、その上に多官能酸ハ
ライドを含有する有機溶剤溶液を塗布すれば、多官能ア
ミノジアジンと多官能酸ハライドとは、支持膜上で室温
にて容易に界面重縮合反応するが、必要に応じて、反応
を促進させ、或いは溶剤を除去し、或いは形成される超
薄膜の支持膜からの剥離を防止するために、50〜150℃
に加熱してもよい。
含有する水溶液を塗布し、次いで、その上に多官能酸ハ
ライドを含有する有機溶剤溶液を塗布すれば、多官能ア
ミノジアジンと多官能酸ハライドとは、支持膜上で室温
にて容易に界面重縮合反応するが、必要に応じて、反応
を促進させ、或いは溶剤を除去し、或いは形成される超
薄膜の支持膜からの剥離を防止するために、50〜150℃
に加熱してもよい。
このようにして得られる複合半透膜は、そのままで用
いることができるが、本発明によれば、得られた複合半
透膜を保護膜にて被覆してもよい。このような保護層
は、得られた複合半透膜を乾燥させた後、例えば、ポリ
ビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリビニルメ
チルエーテル等のような重合体の0.5〜10重量%の水溶
液を塗布し、50〜150℃に加熱乾燥することによつて、
複合半透膜上に形成させることができる。
いることができるが、本発明によれば、得られた複合半
透膜を保護膜にて被覆してもよい。このような保護層
は、得られた複合半透膜を乾燥させた後、例えば、ポリ
ビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリビニルメ
チルエーテル等のような重合体の0.5〜10重量%の水溶
液を塗布し、50〜150℃に加熱乾燥することによつて、
複合半透膜上に形成させることができる。
発明の効果 本発明による複合半透膜は、多官能アミノジアジン単
位を主たるアミン成分とするポリアミドからなる超薄膜
が微多孔性支持膜上に形成されてなり、液体混合物中の
成分を選択的に透過分離するために好適に用いることが
できる。特に、本発明による複合半透膜は、低圧下での
操作において、高い透水性能と高い脱塩性を有し、例え
ば、かん水、海水等の脱塩による淡水化や、半導体の製
造に必要とされる超純水の製造等に好適に用いることが
できる。
位を主たるアミン成分とするポリアミドからなる超薄膜
が微多孔性支持膜上に形成されてなり、液体混合物中の
成分を選択的に透過分離するために好適に用いることが
できる。特に、本発明による複合半透膜は、低圧下での
操作において、高い透水性能と高い脱塩性を有し、例え
ば、かん水、海水等の脱塩による淡水化や、半導体の製
造に必要とされる超純水の製造等に好適に用いることが
できる。
実施例 以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は
これら実施例により何ら限定されるものではない。
これら実施例により何ら限定されるものではない。
尚、微多孔性支持膜としては、日東電工(株)製ポリ
スルホン製限外濾過膜NTU−3250を用いた。得られた複
合半透膜の性能は、複合半透膜に操作圧力15kg/cm2、温
度25℃にて塩化ナトリウム1500ppmを含有する水溶液を1
5時間処理した後、透水速度及び塩化ナトリウム除去率
を測定した。塩化ナトリウム除去率は、通常の電導度測
定によつた。
スルホン製限外濾過膜NTU−3250を用いた。得られた複
合半透膜の性能は、複合半透膜に操作圧力15kg/cm2、温
度25℃にて塩化ナトリウム1500ppmを含有する水溶液を1
5時間処理した後、透水速度及び塩化ナトリウム除去率
を測定した。塩化ナトリウム除去率は、通常の電導度測
定によつた。
実施例1 2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジン2.0重量
%、ドデシル硫酸ナトリウム0.3重量%、リン酸三ナト
リウム0.5重量%、水酸化ナトリウム0.1重量%を含む水
溶液を微多孔性支持膜上に塗布し、室温で1分間放置し
た後、その上にイソフタル酸クロライド0.5重量%を含
むn−ヘキサン溶液を塗布し、120℃で5分間、熱風加
熱して、複合半透膜を得た。その性能を第1表に示す。
%、ドデシル硫酸ナトリウム0.3重量%、リン酸三ナト
リウム0.5重量%、水酸化ナトリウム0.1重量%を含む水
溶液を微多孔性支持膜上に塗布し、室温で1分間放置し
た後、その上にイソフタル酸クロライド0.5重量%を含
むn−ヘキサン溶液を塗布し、120℃で5分間、熱風加
熱して、複合半透膜を得た。その性能を第1表に示す。
実施例2 イソフタル酸クロライドに代えて、テレフタル酸クロ
ライドを用いた以外は、実施例1と同様にして複合半透
膜を得た。その性能を第1表に示す。
ライドを用いた以外は、実施例1と同様にして複合半透
膜を得た。その性能を第1表に示す。
実施例3 イソフタル酸クロライドに代えて、トリメシン酸クロ
ライドとテレフタル酸クロライドの混合物(重量比2/
3)を用いた以外は、実施例1と同様にして複合半透膜
を得た。その性能を第1表に示す。
ライドとテレフタル酸クロライドの混合物(重量比2/
3)を用いた以外は、実施例1と同様にして複合半透膜
を得た。その性能を第1表に示す。
実施例4 2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシピリミジンにに代え
て、2,4,6−トリアミノピリミジンを用いると共に、イ
ソフタル酸クロライドに代えて、トリメシン酸クロライ
ドとテレフタル酸クロライドの混合物(重量比2/3)を
用いた以外は、実施例1と同様にして複合半透膜を得
た。その性能を第1表に示す。
て、2,4,6−トリアミノピリミジンを用いると共に、イ
ソフタル酸クロライドに代えて、トリメシン酸クロライ
ドとテレフタル酸クロライドの混合物(重量比2/3)を
用いた以外は、実施例1と同様にして複合半透膜を得
た。その性能を第1表に示す。
実施例5 ジアミンとして2,4,6−トリアミノピリミジン0.5重量
%とm−フエニレンジアミン1.5重量%を含有する水溶
液を用いると共に、イソフタル酸クロライドに代えて、
トリメシン酸クロライドとテレフタル酸クロライドの混
合物(重量比2/3)を用いた以外は、実施例1と同様に
して複合半透膜を得た。その性能を第1表に示す。
%とm−フエニレンジアミン1.5重量%を含有する水溶
液を用いると共に、イソフタル酸クロライドに代えて、
トリメシン酸クロライドとテレフタル酸クロライドの混
合物(重量比2/3)を用いた以外は、実施例1と同様に
して複合半透膜を得た。その性能を第1表に示す。
実施例6 2,5−ジアミノピラジン1.2重量%、ドデシル硫酸ナト
リウム0.3重量%、リン酸三ナトリウム0.5重量%、水酸
化ナトリウム0.1重量%を含む水溶液を微多孔性支持膜
上に塗布し、室温で1分間放置した後、その上にトリメ
シン酸クロライドとテレフタル酸クロライドの混合物
(重量比2/3)0.5重量%を含むn−ヘキサン溶液を塗布
し、120℃で5分間、熱風加熱して、複合半透膜を得
た。その性能を第1表に示す。
リウム0.3重量%、リン酸三ナトリウム0.5重量%、水酸
化ナトリウム0.1重量%を含む水溶液を微多孔性支持膜
上に塗布し、室温で1分間放置した後、その上にトリメ
シン酸クロライドとテレフタル酸クロライドの混合物
(重量比2/3)0.5重量%を含むn−ヘキサン溶液を塗布
し、120℃で5分間、熱風加熱して、複合半透膜を得
た。その性能を第1表に示す。
Claims (4)
- 【請求項1】超薄膜とこれを支持する微多孔性支持膜と
からなる複合半透膜において、上記超薄膜が、ジアミノ
ジアジン及びトリアミノジアジンから選ばれる少なくと
も1種の多官能アミノジアジンを主たるアミン成分と
し、一般式(I) (式中、R1は、水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示
し、環Aは、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を示
す。) で表わされる多官能カルボン酸成分を主たる酸成分とす
るポリアミドからなることを特徴とする複合半透膜。 - 【請求項2】酸成分が一般式(II) (式中、R2は、水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示
し、環Bは、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を示
す。) で表わされる多官能カルボン酸成分を含むことを特徴と
する請求項第1項記載の複合半透膜。 - 【請求項3】超薄膜とこれを支持する微多孔性支持膜と
からなる複合半透膜の製造方法において、ジアミノジア
ジン及びトリアミノジアジンより選ばれる少なくとも1
種の多官能アミノジアジンを含有する水溶液を微多孔性
支持膜上に塗布し、次いで、一般式(III) (式中、R1は、水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示
し、Xは塩素、臭素、ヨウ素又はフツ素を示し、環A
は、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を示す。) で表わされる二官能酸ハライドを多官能酸ハライドとし
て含有する水非混和性有機溶剤溶液を塗布し、水溶液と
の界面にて重縮合を行なつて、支持膜上にポリアミドか
らなる超薄膜を生成させることを特徴とする複合半透膜
の製造方法。 - 【請求項4】多官能酸ハライドが一般式(IV) (式中、R2は、水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示
し、Xは塩素、臭素、ヨウ素又はフツ素を示し、環B
は、ベンゼン環又はシクロヘキサン環を示す。) で表わされる三官能酸ハライドを含むことを特徴とする
請求項第4項記載の複合半透膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18866790A JP2866980B2 (ja) | 1990-07-16 | 1990-07-16 | 複合半透膜及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18866790A JP2866980B2 (ja) | 1990-07-16 | 1990-07-16 | 複合半透膜及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0474518A JPH0474518A (ja) | 1992-03-09 |
JP2866980B2 true JP2866980B2 (ja) | 1999-03-08 |
Family
ID=16227747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18866790A Expired - Lifetime JP2866980B2 (ja) | 1990-07-16 | 1990-07-16 | 複合半透膜及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2866980B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104474928B (zh) * | 2014-12-30 | 2016-09-07 | 喻慧 | 一种聚酰胺海水淡化复合膜及其制备方法 |
CN112295411B (zh) * | 2019-07-30 | 2022-04-22 | 万华化学集团股份有限公司 | 一种改性聚酰胺膜及其制备方法 |
-
1990
- 1990-07-16 JP JP18866790A patent/JP2866980B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0474518A (ja) | 1992-03-09 |
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