JP2003144874A - 複合半透膜 - Google Patents

複合半透膜

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JP2003144874A
JP2003144874A JP2001346270A JP2001346270A JP2003144874A JP 2003144874 A JP2003144874 A JP 2003144874A JP 2001346270 A JP2001346270 A JP 2001346270A JP 2001346270 A JP2001346270 A JP 2001346270A JP 2003144874 A JP2003144874 A JP 2003144874A
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semipermeable membrane
composite semipermeable
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JP2001346270A
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Takuji Shintani
卓司 新谷
Takami Hikita
貴巳 疋田
Shu Mochizuki
周 望月
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実用レベルにおいて選択分離性を保ち、耐酸
化剤性と透水性の両面が優れた複合半透膜を提供する。 【解決手段】 薄膜とこれを支持する多孔性支持膜とか
らなる複合半透膜において、前記薄膜が芳香環の間にジ
アチレン基を有するジアミン成分を用いて、多官能酸ハ
ロゲン化物との縮合反応や、ジアチレン基どうしの架橋
反応によって得られる重合体を含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液状混合物の成分
を選択的に分離するための複合半透膜に関し、詳しく
は、多孔性支持体上にポリアミドを主成分とする薄膜を
備えた実用的な透水性と塩阻止性および耐久性を有した
複合半透膜に関する。
【0002】かかる複合半透膜は、超純水の製造、かん
水または海水の脱塩などに好適であり、また染色排水や
電着塗料排水などの公害発生原因である汚れなどから、
その中に含まれる汚染源あるいは有効物質を除去・回収
し、排水のクローズ化に寄与することができる。また、
食品用途などで有効成分の濃縮などにも用いることがで
きる。
【0003】
【従来の技術】上記の如き用途に使用される半透膜とし
ては、相分離法等により非対称構造が同一素材で形成さ
れた非対称膜と、多孔性支持体上に選択分離性を有する
薄膜を異なる素材で形成してなる複合半透膜とが知られ
ている。
【0004】現在、後者の半透膜として、多官能芳香族
アミンと多官能酸ハロゲン化物との界面重縮合反応によ
って得られるポリアミドからなる複合半透膜は、透水性
や選択分離性の高い逆浸透膜(特開昭55−14710
6号、特開昭62−121603号、特開昭63−21
8208号、特開平2−187135号公報等)として
良く知られている。
【0005】例えば、脂肪族ジアミンであるエチレンジ
アミンと多官能酸ハロゲン化物との界面重縮合反応によ
って得られるポリアミドからなる複合半透膜(特開昭5
8−24303号、特開昭59−26101号および特
開昭59−179103号)や、複素環を有するジアミ
ンであるピペラジンのような2級ジアミンと多官能酸ハ
ロゲン化物との界面重縮合反応によって得られるポリア
ミドからなる複合半透膜が良く知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の膜も実用的な半透膜に要求される透水性、塩阻止性お
よび耐酸化剤性を十分に合わせ持つものではなく、より
高い特性が望まれている。つまり、ポリアミド系樹脂の
逆浸透膜において、主鎖に芳香環を有さない脂肪族系ジ
アミンからなるポリアミドは、前述したように耐酸化剤
性には優れるが、透水性の面で満足できるものではなか
った。また、多官能芳香族アミンを用いて得られるポリ
アミドは、透水性や選択分離性は高いが耐酸化剤性に劣
っている。
【0007】そこで、本発明の目的は、実用レベルにお
いて選択分離性を保ち、耐酸化剤性と透水性の両面が優
れた複合半透膜を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、ジアチレン基を有
するジアミン成分を用いて、多官能酸ハロゲン化物との
縮合反応や、ジアチレン基どうしの架橋反応によって得
られる重合体を含む薄膜により、選択分離性を保ちなが
ら透水性を改善できることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0009】即ち、本発明の複合半透膜は、薄膜とこれ
を支持する多孔性支持膜とからなる複合半透膜におい
て、前記薄膜が下記の一般式(I)及び/又は(II)で
表される構成単位を有するポリアミド系樹脂を含むこと
を特徴とする。
【0010】
【化6】 (但し、R11及びR12は水素原子または炭素数1から5
のアルキル基を示し、それぞれが同じでも異なっていて
もよい。R13は2価の有機基を示す。Arは配向位置が
任意の芳香環を示す。)
【化7】 (但し、R21及びR22は水素原子または炭素数1から5
のアルキル基を示し、それぞれが同じでも異なっていて
もよい。R23は3価の有機基を示す。Arは配向位置が
任意の芳香環を示す。) また、薄膜とこれを支持する多孔性支持膜とからなる複
合半透膜において、前記薄膜が下記の一般式(III)で表
されるジアミン成分と、2価以上の多官能酸ハロゲン化
物との縮合反応によって得られる構成単位を有するポリ
アミド系樹脂を含むことを特徴とする。
【0011】
【化8】 (但し、R31及びR32は水素原子または炭素数1から5
のアルキル基を示し、それぞれが同じでも異なっていて
もよい。Arは配向位置が任意の芳香環を示す。) 上記において、前記多官能酸ハロゲン化物が芳香族多官
能酸ハロゲン化物であることが好ましい。
【0012】本発明の別の複合半透膜は、薄膜とこれを
支持する多孔性支持膜とからなる複合半透膜において、
前記薄膜が下記の一般式(IV)で表される構成単位を有
するアミノ基含有樹脂を含むことを特徴とする。
【0013】
【化9】 (但し、R41及びR42は水素原子または炭素数1から5
のアルキル基を示し、それぞれが同じでも異なっていて
もよい。R43及びR44は水素原子または置換されていて
もよい芳香族カルボニル基、置換されていてもよい芳香
族エステル基、置換されていてもよい芳香族エーテル
基、もしくは置換されていてもよいフェニル基を示し、
それぞれが同じでも異なっていてもよい。Arは配向位
置が任意の芳香環を示す。) また、薄膜とこれを支持する多孔性支持膜とからなる複
合半透膜において、前記薄膜が下記の一般式(V)で表
されるジアミン成分の3重結合部分どうしの反応により
重合した構成単位を有するアミノ基含有樹脂を含むこと
を特徴とする。
【0014】
【化10】 (但し、R51及びR52は水素原子または炭素数1から5
のアルキル基を示し、それぞれが同じでも異なっていて
もよい。R53及びR54は水素原子または置換されていて
もよい芳香族カルボニル基、置換されていてもよい芳香
族エステル基、置換されていてもよい芳香族エーテル
基、もしくは置換されていてもよいフェニル基を示し、
それぞれが同じでも異なっていてもよい。Arは配向位
置が任意の芳香環を示す。) 一方、本発明の複合半透膜は、前記構成単位の3重結合
部分どうしを反応させた架橋構造の薄膜を有するもので
もよい。
【0015】他方、本発明の別の複合半透膜は、前記構
成単位のアミノ基と2価以上の多官能酸ハロゲン化物と
の縮合反応によって得られるポリアミド系樹脂を含む薄
膜を有するものでもよい。
【0016】[作用効果]本発明の複合半透膜による
と、ジアチレン基を有するジアミン成分を用いて、多官
能酸ハロゲン化物との縮合反応や、ジアチレン基どうし
の架橋反応によって得られる重合体を含む薄膜を有する
ため、実施例の結果が示すように、実用レベルにおいて
選択分離性を保ち、耐酸化剤性と透水性の両面が優れた
ものとなる。特に、縮合反応の前又は後にジアチレン基
どうしを反応させた架橋構造とすることによって、更に
選択分離性を高めることができる。
【0017】また、当該ジアミン成分と反応させる多官
能酸ハロゲン化物が芳香族多官能酸ハロゲン化物である
場合、モノマーの反応性、成膜の塩阻止性や透水性など
がより良好になる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の複合半透膜は、薄膜とこれを支持
する多孔性支持膜とからなり、前記薄膜が、(1)前記
一般式(I)及び/又は(II)で表される構成単位を有
するポリアミド系樹脂を含むもの、(2)前記一般式
(III)で表されるジアミン成分と、2価以上の多官能酸
ハロゲン化物との縮合反応によって得られる構成単位を
有するポリアミド系樹脂を含むもの、(3)前記一般式
(IV)で表される構成単位を有するアミノ基含有樹脂を
含むもの、(4)前記一般式(V)で表されるジアミン
成分の3重結合部分どうしの反応により重合した構成単
位を有するアミノ基含有樹脂を含むもの、(5)上記
(1)の構成単位の3重結合部分どうしを反応させた架
橋構造を有するもの、又は(6)上記(3)の構成単位
のアミノ基と2価以上の多官能酸ハロゲン化物との縮合
反応によって得られるポリアミド系樹脂を含むもの、の
6つの態様が存在する。これらの態様を分類すると、上
記(1)と(2)はジアチレン基を有するポリアミド系
樹脂のジアチレン基を架橋させていないもの、上記
(3)と(4)は、ジアチレン基を有するジアミン成分
の3重結合部分どうしを反応させて重合したもの、上記
(5)と(6)は縮合反応と架橋反応の両者(順序は双
方逆)を行ったものである。
【0019】一般式(I)〜(V)におけるR11及びR
12、R21及びR22、R31及びR32、R41及びR42、並び
にR51及びR52は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキ
ル基を示し、それぞれが同じでも異なっていてもよい。
アルキル基の具体例としては、−CH3 、−C25
−C37 、−C49 、−C511などがあげられ、
直鎖又は分岐の何れでもよい。なかでも、立体障害や反
応性などの点から水素原子又は炭素数1〜 の直鎖アル
キル基が好ましい。
【0020】一般式(IV)〜(V)におけるR43及びR
44、並びにR53及びR54は、水素原子または置換されて
いてもよい芳香族カルボニル基、置換されていてもよい
芳香族エステル基、置換されていてもよい芳香族エーテ
ル基、もしくは置換されていてもよいフェニル基を示
す。これらはそれぞれが同じでも異なっていてもよい。
また、芳香環が置換される場合の置換基としては、CO
OH、SO3 H、NO2、OH、CH3 、又はCl、B
rなどが挙げられる。但し、このような置換基を有さな
いものが、立体障害や反応性の観点から好ましい。
【0021】一方、一般式(I)〜(V)におけるAr
は、配向位置が任意の芳香環を示す。かかる2価の芳香
環としては、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げら
れ、置換位置としては、パラ位、メタ位や1,5位、
2,6位など何れでもよい。
【0022】上記のような構成単位を形成するための一
般式(III)及び(V)で表されるジアチレン基を有する
ジアミン成分(2級又は3級ジアミン)としては、各種
のものが市販され、それらを何れも用いることができ
る。また、特開平3−38551号、J.ofAm.C
hem.Soc.,113,7658(1991)等で
公知であり、さらには特開2000−229923号、
特開2001−089426号、特開2001−089
427号、特開2001−206867号等に合成方法
の詳細が記載されており、当該記載に基づいて容易に製
造することができる。
【0023】一方、一般式(I)〜(II)におけるR13
及びR23は、2価又は3価の有機基であり、上記の如き
一般式(III)で表されるジアミン成分などと縮合反応に
より本発明の薄膜を形成する2価以上の多官能酸ハロゲ
ン化物の残基に相当するものである。当該多官能酸ハロ
ゲン化物としては、特に限定されるものではなく、例え
ばプロパントリカルボン酸クロライド、ブタントリカル
ボン酸クロライド、ペンタントリカルボン酸クロライ
ド、グルタリルハライド、アジポイルハライド、シクロ
プロパントリカルボン酸クロライド、シクロブタンテト
ラカルボン酸クロライド、シクロペンタントリカルボン
酸クロライド、シクロペンタンテトラカルボン酸クロラ
イド、シクロヘキサントリカルボン酸クロライド、テト
ラハイドロフランテトラカルボン酸クロライド、シクロ
ペンタンジカルボン酸クロライド、シクロブタンジカル
ボン酸クロライド、シクロヘキサンジカルボン酸クロラ
イド、テトラハイドロフランジカルボン酸クロライドな
どがあげられる。但し、反応性、成膜の塩阻止性や透水
性などの観点から、多官能芳香族酸ハロゲン化物である
ことが好ましく、このような多官能芳香族酸ハロゲン化
物としては、トリメシン酸クロライド、トリメリット酸
クロライド、テレフタル酸クロライド、イソフタル酸ク
ロライド、ピロメリト酸クロライド、ビフェニルジカル
ボン酸クロライド、ナフタレンジカルボン酸ジクロライ
ド、ベンゼントリスルホン酸クロライド、ベンゼンジス
ルホン酸クロライド、クロロスルホニルベンゼンジカル
ボン酸クロライドなどがあげられる。
【0024】一方、本発明におけるポリアミド系樹脂
は、架橋構造を有することが好ましく、その場合、3価
以上の多官能酸ハロゲン化物を使用することが好まし
い。3価以上の多官能酸ハロゲン化物を使用する場合、
架橋部分では一般式(II)で表される構成単位となる
が、未架橋部分が存在する場合には、一般式(I)で表
される構成単位となり、R13はカルボキシル基やその塩
などが残存する2価の有機基となる。
【0025】上記薄膜を形成するポリアミド系樹脂は、
単独重合体でもよいが、上記の如き構成単位の複数や他
の構成単位を含む共重合体、あるいは単独重合体を複数
混合したブレンド体でもよい。例えば、一般式(I)で
表される構成単位、及び一般式(II)で表される構成単
位を有するポリアミド系樹脂が挙げられる。上記の他の
構成単位としては、主鎖に芳香環を含むがジアセチレン
基を有さないジアミン成分、そ他ポリアミド系半透膜
に使用されるジアミン成分などが挙げられる。
【0026】本発明におけるポリアミド系樹脂には、一
般式(I)及び/又は(II)で表される構成単位を50
モル%以上含むことが好ましく、80モル%以上含むこ
とがより好ましい。50モル%未満であると、ジアセチ
レン基の効果が小さくなり、実用的な透水性と塩阻止性
および耐酸化剤性を同時に満足しにくくなる傾向があ
る。
【0027】本発明における薄膜(分離活性層)の厚み
は、薄膜の製法等にもよるが、0.01〜100μmが
好ましく、0.1〜10μmがより好ましい。当該厚み
が薄い方が透過流束の面で優れるが、薄くなりすぎると
薄膜の機械的強度が低下して欠陥が生じ易く、塩阻止性
能に悪影響を及ぼす傾向があるからである。
【0028】本発明において上記薄膜を支持する多孔性
支持膜は、薄膜を支持しうるものであれば特に限定され
ず、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンのよ
うなポリアリールエーテルスルホン、ポリイミド、ポリ
フッ化ビニリデンなど種々のものをあげることができる
が、特に化学的、機械的、熱的に安定である点からポリ
スルホン、ポリアリールエーテルスルホンからなる多孔
性支持膜が好ましく用いられる。かかる多孔性支持膜
は、通常約25〜125μm、好ましくは約40〜75
μmの厚みを有するが、必ずしもこれらに限定されるも
のではない。
【0029】また、多孔性支持膜は、対称構造でも非対
称構造でもよいが、薄膜の支持機能と通液性を両立させ
る上で、非対称構造が好ましい。なお、多孔性支持膜の
薄膜形成側面の平均孔径は、1〜1000nmが好まし
い。
【0030】本発明における薄膜を多孔質支持膜上に形
成させる際に、その方法については何ら制限なく、あら
ゆる公知の手法を用いることができる。例えば、界面縮
合法、相分離法、薄膜塗布法などが挙げられる。中で
も、多孔質支持膜上にジアミン成分を含有した水溶液を
塗布した後に、かかる多孔質支持膜を多官能酸ハロゲン
化物を含有した非水溶性溶液に接触させることにより多
孔質支持膜上に薄膜を形成させる界面縮合法が好まし
い。かかる界面縮合法の条件等の詳細は、特開昭58−
24303号公報、特開平1−180208号公報等に
記載されており、それらの公知技術を適宜採用すること
ができる。
【0031】また、その反応場に、製膜を容易にし、あ
るいは得られる複合半透膜の性能を向上させるための目
的で、各種の試薬を存在させることが可能である。これ
らの試薬として、例えばポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリアクリル酸などの重合体、ソルビ
トール、グリセリンなどのような多価アルコール、特開
平2−187135号公報に記載のテトラアルキルアン
モニウムハライドやトリアルキルアンモニウムと有機酸
の塩などのアミン塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリ
ウムなどの界面活性剤、縮重合反応にて生成するハロゲ
ン化水素を除去しうる水酸化ナトリウム、リン酸三ナト
リウム、トリエチルアミン、カンファースルホン酸、あ
るいは公知のアシル化触媒、また、特開平8−2244
52号公報に記載の溶解度パラメーターが8〜14(c
al/cm31/2 の化合物などがあげられる。
【0032】一方、前記(3)と(4)の態様は、薄膜
が、ジアチレン基を有するジアミン成分の3重結合部分
どうしを反応させて重合したアミノ基含有樹脂を含むも
のであるが、当該反応は、紫外線、電子線、放射線など
の高(活性)エネルギー線の照射等により行うことがで
きる。その際、前記の界面縮合法と同様に、ジアミン成
分を含有する溶液を多孔質支持膜上に予め塗布し、溶液
状態のままで、又は必要に応じて乾燥等を行った後に、
上記の処理を行えばよい。
【0033】また、前記(5)の態様は、(1)の態様
の構成単位の3重結合部分どうしを反応させた架橋構造
を有するものであるが、この(5)の態様においても、
上記と同様にして3重結合部分どうしを反応させて架橋
させることができる。
【0034】上記のジアチレン基を有する化合物の重合
方法や、ジアチレン基を有する重合体の架橋方法の詳細
については、2001年高分子学会誌11月号、Ad
v.Polym.Sci.Vol.63(1984)な
どに記載されている。このような反応によって、分子間
にC−C結合、C=C結合あるいはC≡C結合を導入す
ることができる。特に、上記反応では、一般式(IV)に
示すように、C=C結合が生成し易い。一方、前記
(6)の態様は、上記(3)の態様の構成単位のアミノ
基と2価以上の多官能酸ハロゲン化物との縮合反応によ
って得られるポリアミド系樹脂を含むものであるが、上
記(3)の態様で得られた薄膜又は乾燥前の薄膜に対し
て、前記の界面縮合法と同様に、ジアミン成分を含有す
る溶液を塗布して反応させればよい。界面縮合の条件と
しては、多官能酸ハロゲン化物を含有した非水溶性溶液
に接触させればよい。
【0035】本発明における複合半透膜は、耐酸化剤性
が大幅に向上されるという特徴を有し、そのためかかる
複合膜を用いて塩及び/又は有機物を含有する原水を膜
分離処理し、かかる塩及び/又は有機物が実用上十分に
除去された透過水を得る方法において、原水中に殺菌剤
としての効果を有する酸化剤を添加して水処理をおこな
うことが可能である。
【0036】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。なお、実施例等において、阻
止率(脱塩率)は次式により求めた。
【0037】阻止率(%)=(1−(膜透過液中の溶質
濃度/膜供給液中の溶質濃度))×100 (実施例1)多孔性ポリスルホン支持膜(薄膜形成側平
均孔径20nm、非対称膜)の表面を3,3’−ジアミ
ノジフェニルブタジイン2重量%、ラウリル硫酸ナトリ
ウム0.15重量%を含有した50wt%イソプロピル
アルコール水溶液に30秒間浸漬した後、支持膜をゆっ
くり引き上げ、支持膜表面から余分な水溶液を取り除い
た。ついでかかる支持膜の表面をトリメシン酸クロライ
ド0.1重量%を含有するn−へキサン溶液に60秒間
接触させて界面重縮合反応を行わせ、多孔性支持膜上に
重合体薄膜(厚み1μm)を形成させ室温にて乾燥させ
ることにより複合半透膜を得た。
【0038】このようにして得られた複合半透膜を0.
15重量%食塩水を原水として、25℃、PH6.5、
圧力1.5MPaの条件下で逆浸透テストを実施した。
【0039】(実施例2)実施例1においてトリメシン
酸クロライドと界面重合反応後に5000mJ/cm2
のUV照射を行った以外は同様にして複合半透膜を得た
後、テストを行った。得られた複合半透膜の重合体薄膜
をX線回折や固体NMRにより分析したところ、それぞ
れ未照射のものと比較しブロードになっていることによ
って、3重結合部分どうしの反応により重合が生じてい
ることが確認できた。
【0040】(実施例3)多孔性ポリスルホン支持膜
(薄膜形成側平均孔径20nm、非対称膜)の表面を
3,3’−ジアミノジフェニルブタジイン2重量%、ラ
ウリル硫酸ナトリウム0.15重量%を含有した50w
t%イソプロピルアルコール水溶液に30秒間浸漬した
後、支持膜をゆっくり引き上げ、支持膜表面から余分な
水溶液を取り除いた。ついでかかる支持膜の表面から5
000mJ/cm2 のUV照射を行わせ、多孔性支持膜
上に重合体薄膜(厚み1μm)を形成させ室温にて乾燥
させることにより複合半透膜を得た。このようにして得
られた複合半透膜を用いて、実施例1と同様の逆浸透テ
ストを行った。
【0041】上記の重合体薄膜をX線回折や固体NMR
により分析したところ、それぞれ未照射のものと比較し
ブロードになっていることによって、3重結合部分どう
しの反応により重合が生じていることが確認できた。
【0042】(実施例4)実施例3において5000m
J/cm2 のUV照射を行った後に、トリメシン酸クロ
ライド0.1重量%を含有するn−へキサン溶液に60
秒間接触させて、トリメシン酸クロライドと界面重合反
応を行った以外は実施例3と同様にして複合半透膜(重
合体薄膜の厚み1μm)を得た後、テストを行った。界
面重合反応はFT−IRのアミド結合の生成により確認
した。
【0043】(比較例1)多孔性ポリスルホン支持膜
(薄膜形成側平均孔径20nm、非対称膜)の表面をm
−フェニレンジアミン2重量%、ラウリル硫酸ナトリウ
ム0.15重量%を含有した水溶液に30秒間浸漬した
後、支持膜をゆっくり引き上げ、支持膜表面から余分な
水溶液を取り除いた。ついでかかる支持膜の表面をトリ
メシン酸クロライド0.1重量%を含有するn−ヘキサ
ン溶液に10秒間接触させて界面重縮合反応を行わせ、
多孔性支持膜上に重合体薄膜(厚み1μm)を形成さ
せ、その後120℃に設定された熱風乾燥機中にて3分
間乾燥させることにより複合半透膜を得た。
【0044】(比較例2)実施例1において、ジアミン
成分を3,3’−ジアミノビフェニル(m−ベンジジ
ン)とした以外はすべて同様にテストを行った。
【0045】(実施例5)実施例と比較例で得られた複
合半透膜の逆浸透テストの結果と、それらを遊離塩素濃
度100ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に70時
間浸漬させた後の逆浸透テストの結果を表1に示した。
【0046】
【表1】 表1の結果が示すように、実施例の複合半透膜は、次亜
塩素酸ナトリウム水溶液への浸漬70時間後で塩阻止率
および透過水量が安定していることより、実用レベルに
おいて選択分離性を保ち、耐酸化剤性と透水性の両面が
優れた複合半透膜の製造方法を提供することができる。
特に、3重結合の有無が異なる比較例2との対比によっ
て、本発明では耐酸化剤性が大幅に改善されていること
が分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 周 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA03 MA06 MA21 MA31 MB02 MB06 MB11 MB18 MC29 MC45 MC54X MC58 MC62 MC78X MC90 NA42 NA44 NA50 NA64 PA02 PA04 PB03 PB08 PC02 PC11 PC21 4J043 PA02 PA04 PA15 PA19 QB15 QB23 RA06 SA06 SA49 TA25 TA26 TA27 UA012 UA022 UA032 UA042 UA122 UA131 XA11 YB02 ZB13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜とこれを支持する多孔性支持膜とか
    らなる複合半透膜において、前記薄膜が下記の一般式
    (I)及び/又は(II)で表される構成単位を有するポ
    リアミド系樹脂を含むことを特徴とする複合半透膜。 【化1】 (但し、R11及びR12は水素原子または炭素数1から5
    のアルキル基を示し、それぞれが同じでも異なっていて
    もよい。R13は2価の有機基を示す。Arは配向位置が
    任意の芳香環を示す。) 【化2】 (但し、R21及びR22は水素原子または炭素数1から5
    のアルキル基を示し、それぞれが同じでも異なっていて
    もよい。R23は3価の有機基を示す。Arは配向位置が
    任意の芳香環を示す。)
  2. 【請求項2】 薄膜とこれを支持する多孔性支持膜とか
    らなる複合半透膜において、前記薄膜が下記の一般式
    (III)で表されるジアミン成分と、2価以上の多官能酸
    ハロゲン化物との縮合反応によって得られる構成単位を
    有するポリアミド系樹脂を含むことを特徴とする複合半
    透膜。 【化3】 (但し、R31及びR32は水素原子または炭素数1から5
    のアルキル基を示し、それぞれが同じでも異なっていて
    もよい。Arは配向位置が任意の芳香環を示す。)
  3. 【請求項3】 前記多官能酸ハロゲン化物が芳香族多官
    能酸ハロゲン化物である請求項2記載の複合半透膜。
  4. 【請求項4】 薄膜とこれを支持する多孔性支持膜とか
    らなる複合半透膜において、前記薄膜が下記の一般式
    (IV)で表される構成単位を有するアミノ基含有樹脂を
    含むことを特徴とする複合半透膜。 【化4】 (但し、R41及びR42は水素原子または炭素数1から5
    のアルキル基を示し、それぞれが同じでも異なっていて
    もよい。R43及びR44は水素原子または置換されていて
    もよい芳香族カルボニル基、置換されていてもよい芳香
    族エステル基、置換されていてもよい芳香族エーテル
    基、もしくは置換されていてもよいフェニル基を示し、
    それぞれが同じでも異なっていてもよい。Arは配向位
    置が任意の芳香環を示す。)
  5. 【請求項5】 薄膜とこれを支持する多孔性支持膜とか
    らなる複合半透膜において、前記薄膜が下記の一般式
    (V)で表されるジアミン成分の3重結合部分どうしの
    反応により重合した構成単位を有するアミノ基含有樹脂
    を含むことを特徴とする複合半透膜。 【化5】 (但し、R51及びR52は水素原子または炭素数1から5
    のアルキル基を示し、それぞれが同じでも異なっていて
    もよい。R53及びR54は水素原子または置換されていて
    もよい芳香族カルボニル基、置換されていてもよい芳香
    族エステル基、置換されていてもよい芳香族エーテル
    基、もしくは置換されていてもよいフェニル基を示し、
    それぞれが同じでも異なっていてもよい。Arは配向位
    置が任意の芳香環を示す。)
  6. 【請求項6】 請求項1記載の複合半透膜の前記構成単
    位の3重結合部分どうしを反応させた架橋構造の薄膜を
    有する複合半透膜。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の複合半透膜の前記構成単
    位のアミノ基と2価以上の多官能酸ハロゲン化物との縮
    合反応によって得られるポリアミド系樹脂を含む薄膜を
    有する複合半透膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105327627A (zh) * 2015-10-26 2016-02-17 哈尔滨工业大学 一种聚砜-嵌段磺化聚芳香醚共混/聚酰胺复合正渗透膜的制备方法
CN113226527A (zh) * 2018-12-26 2021-08-06 东丽株式会社 复合半透膜

Cited By (4)

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CN113226527A (zh) * 2018-12-26 2021-08-06 东丽株式会社 复合半透膜
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