JP3002577B2 - 複合逆浸透膜およびその製造方法 - Google Patents
複合逆浸透膜およびその製造方法Info
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- JP3002577B2 JP3002577B2 JP3240551A JP24055191A JP3002577B2 JP 3002577 B2 JP3002577 B2 JP 3002577B2 JP 3240551 A JP3240551 A JP 3240551A JP 24055191 A JP24055191 A JP 24055191A JP 3002577 B2 JP3002577 B2 JP 3002577B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体混合物中の成分を
選択的に透過分離するための複合逆浸透膜に関し、詳し
くは、チオエステル結合よりなる高分子鎖を主骨格とす
るポリチオエステルを主構成単位とする超薄膜が、多孔
質支持膜上に形成されてなる複合逆浸透膜、及びその製
造方法に関する。かかる複合逆浸透膜は、超純水の製
造、かん水の脱塩等に好適に用いられ、また染色廃水や
電着塗料廃水等の公害発生原因である汚れ等から、その
中に含まれる汚染源あるいは有効物質を除去回収し、ひ
いては廃水のクローズ化に寄与することができる。
選択的に透過分離するための複合逆浸透膜に関し、詳し
くは、チオエステル結合よりなる高分子鎖を主骨格とす
るポリチオエステルを主構成単位とする超薄膜が、多孔
質支持膜上に形成されてなる複合逆浸透膜、及びその製
造方法に関する。かかる複合逆浸透膜は、超純水の製
造、かん水の脱塩等に好適に用いられ、また染色廃水や
電着塗料廃水等の公害発生原因である汚れ等から、その
中に含まれる汚染源あるいは有効物質を除去回収し、ひ
いては廃水のクローズ化に寄与することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、工業的に用いられている半透膜と
しては、例えば、酢酸セルロースからなる非対称構造を
有するロブ型のものが知られている。しかし、このよう
な酢酸セルロースからなる半透膜は、耐加水分解性、耐
微生物性、耐薬品性等において劣り、更に、耐圧性や耐
久性も十分ではないので、高浸透性を有する装置とする
ことが困難であって、用途が自ずから限定されざるを得
なかった。そこで、酢酸セルロースからなる非対称半透
膜の上記したような欠点を解消すべく、近年、例えば芳
香族ポリアミド(米国特許3,567,632 号等)架橋ポリア
ミド酸(特開昭56−3769号等)、ポリベンズイミダゾー
ル(特開昭58−92403 号等)等からなる半透膜が提案さ
れている。 このような重合体からなる半透膜は、前記
酢酸セルロースからなる非対称半透膜の有する欠点の一
部を解消し得るものの、選択分離性や透過性能ではなお
劣っている。そこで、非対称半透膜とは構造の異なる半
透膜として、微多孔性支持膜上に実質的に選択分離性を
有する活性な超薄膜を形成してなる複合半透膜が、例え
ば、米国特許第3,744,642 号、第4,039,440号、第4,25
9,183 号明細書、特開昭55−147106号、特開昭58−2430
3 号、特開昭63−197501号公報等に記載されているよう
に、近年、種々開発されている。 これらの多くは、高
い透水性を得るために、超薄膜がポリアミドやポリ尿素
からなり、一般に、分子内に2以上のアミノ基を有する
多官能アミノ化合物の水溶液と、これら多官能アミノ化
合物の有するアミノ基と反応しうる官能基を分子内に2
以上有する多官能性化合物の炭化水素溶液とを、微多孔
性支持膜上で界面反応させて、支持膜上にポリアミドや
ポリ尿素からなる超薄膜を形成することによって得られ
る。
しては、例えば、酢酸セルロースからなる非対称構造を
有するロブ型のものが知られている。しかし、このよう
な酢酸セルロースからなる半透膜は、耐加水分解性、耐
微生物性、耐薬品性等において劣り、更に、耐圧性や耐
久性も十分ではないので、高浸透性を有する装置とする
ことが困難であって、用途が自ずから限定されざるを得
なかった。そこで、酢酸セルロースからなる非対称半透
膜の上記したような欠点を解消すべく、近年、例えば芳
香族ポリアミド(米国特許3,567,632 号等)架橋ポリア
ミド酸(特開昭56−3769号等)、ポリベンズイミダゾー
ル(特開昭58−92403 号等)等からなる半透膜が提案さ
れている。 このような重合体からなる半透膜は、前記
酢酸セルロースからなる非対称半透膜の有する欠点の一
部を解消し得るものの、選択分離性や透過性能ではなお
劣っている。そこで、非対称半透膜とは構造の異なる半
透膜として、微多孔性支持膜上に実質的に選択分離性を
有する活性な超薄膜を形成してなる複合半透膜が、例え
ば、米国特許第3,744,642 号、第4,039,440号、第4,25
9,183 号明細書、特開昭55−147106号、特開昭58−2430
3 号、特開昭63−197501号公報等に記載されているよう
に、近年、種々開発されている。 これらの多くは、高
い透水性を得るために、超薄膜がポリアミドやポリ尿素
からなり、一般に、分子内に2以上のアミノ基を有する
多官能アミノ化合物の水溶液と、これら多官能アミノ化
合物の有するアミノ基と反応しうる官能基を分子内に2
以上有する多官能性化合物の炭化水素溶液とを、微多孔
性支持膜上で界面反応させて、支持膜上にポリアミドや
ポリ尿素からなる超薄膜を形成することによって得られ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、低圧操
作によってさらに高い透水性と高い脱塩性能とを併せ有
する新規な複合半透膜が求められている。
作によってさらに高い透水性と高い脱塩性能とを併せ有
する新規な複合半透膜が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、−SH基を有
する化合物と多官能カルボン酸ハライドから得られるチ
オエステル結合を有する架橋ポリチオエステル、及びか
かる架橋ポリチオエステルと塩基性の部位を有する高分
子とのコンプレックスからなる超薄膜が、多孔質支持膜
上に支持されてなる。即ち本発明は、超薄膜とこれを支
持する多孔質支持膜とからなる複合逆浸透膜において、
上記超薄膜が、下記〔化11〕、及び/又は〔化12〕
する化合物と多官能カルボン酸ハライドから得られるチ
オエステル結合を有する架橋ポリチオエステル、及びか
かる架橋ポリチオエステルと塩基性の部位を有する高分
子とのコンプレックスからなる超薄膜が、多孔質支持膜
上に支持されてなる。即ち本発明は、超薄膜とこれを支
持する多孔質支持膜とからなる複合逆浸透膜において、
上記超薄膜が、下記〔化11〕、及び/又は〔化12〕
【化11】
【化12】 (但し、〔化11〕及び〔化12〕においてR1 、R2及び
R3 は酸素原子を有してもよい炭化水素残基、さらに種
々の置換基を有してもよいアシル基、ベンジル基、ある
いはアリール基を示し、R1 の置換基にはさらに一つ以
上の反応に関与した、あるいは未反応の−SH基を有し
てもよく、R2 には、さらに一つ以上の反応に関与し
た、あるいは未反応のカルボン酸又はカルボン酸ハライ
ドを有してもよい。 また、Xはその少なくとも一部は
直接結合を表して他の構成単位における〔化13〕と結合
する架橋点となり、他は−OM、又は〔化14〕を表す。
R3 は酸素原子を有してもよい炭化水素残基、さらに種
々の置換基を有してもよいアシル基、ベンジル基、ある
いはアリール基を示し、R1 の置換基にはさらに一つ以
上の反応に関与した、あるいは未反応の−SH基を有し
てもよく、R2 には、さらに一つ以上の反応に関与し
た、あるいは未反応のカルボン酸又はカルボン酸ハライ
ドを有してもよい。 また、Xはその少なくとも一部は
直接結合を表して他の構成単位における〔化13〕と結合
する架橋点となり、他は−OM、又は〔化14〕を表す。
【化13】
【化14】 但し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、又はアンモニウム基を示す。)で表される、チオエ
ステル結合からなる架橋高分子を主構成単位とする超薄
膜であることを特徴とする複合逆浸透膜を提供する。
属、又はアンモニウム基を示す。)で表される、チオエ
ステル結合からなる架橋高分子を主構成単位とする超薄
膜であることを特徴とする複合逆浸透膜を提供する。
【0005】本発明における超薄膜は、上記の如く〔化
11〕及び/又は〔化12〕で表されるチオエステル結合か
らなる架橋高分子を主構成単位とするものである。
11〕及び/又は〔化12〕で表されるチオエステル結合か
らなる架橋高分子を主構成単位とするものである。
【0006】本発明の複合逆浸透膜は、下記〔化15〕か
らなる−SH基を有する化合物から選ばれる少なくとも
一種の化合物を含有する、
らなる−SH基を有する化合物から選ばれる少なくとも
一種の化合物を含有する、
【化15】 (但し、〔化15〕において、R4 は水素、又は酸素原子
を含んでもよい炭素数1〜4の低級アルキル基を示し、
R5 は酸素原子を有してもよい炭化水素残基、種々の置
換基を有してもよいアシル基、ベンジル基、あるいはア
リール基を示す。)もしくは上記化合物〔化15〕中の酸
性基である−SH基の少なくとも一つが高分子中の塩基
性の部位と塩を形成して存在する水溶液と、下記〔化1
6〕及び/又は〔化17〕で表されるカルボン酸ハライド
から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有する水非混
和性有機溶剤溶液とを、
を含んでもよい炭素数1〜4の低級アルキル基を示し、
R5 は酸素原子を有してもよい炭化水素残基、種々の置
換基を有してもよいアシル基、ベンジル基、あるいはア
リール基を示す。)もしくは上記化合物〔化15〕中の酸
性基である−SH基の少なくとも一つが高分子中の塩基
性の部位と塩を形成して存在する水溶液と、下記〔化1
6〕及び/又は〔化17〕で表されるカルボン酸ハライド
から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有する水非混
和性有機溶剤溶液とを、
【化16】
【化17】 (但し、〔化16〕及び〔化17〕においてR2 及びR3 は
酸素原子を有してもよい炭化水素基、さらに種々の置換
基を有してもよいアシル基、ベンジル基、あるいはアリ
ール基を示し、Yは塩素、臭素、ヨウ素、あるいはフッ
素を示す。また、R2 にはさらに1つ以上のカルボン酸
ハライドを有してもよい。) 多孔質支持膜上で接触させて、界面重縮合により多孔質
支持膜上に架橋ポリチオエステル、もしくは塩基性の部
位を有する高分子膜とコンプレックスを形成してなるポ
リチオエステルからなる超薄膜を形成させることによっ
て得られる。この際、高分子の塩基性部位と多官能カル
ボン酸ハライドとが反応してもよい。
酸素原子を有してもよい炭化水素基、さらに種々の置換
基を有してもよいアシル基、ベンジル基、あるいはアリ
ール基を示し、Yは塩素、臭素、ヨウ素、あるいはフッ
素を示す。また、R2 にはさらに1つ以上のカルボン酸
ハライドを有してもよい。) 多孔質支持膜上で接触させて、界面重縮合により多孔質
支持膜上に架橋ポリチオエステル、もしくは塩基性の部
位を有する高分子膜とコンプレックスを形成してなるポ
リチオエステルからなる超薄膜を形成させることによっ
て得られる。この際、高分子の塩基性部位と多官能カル
ボン酸ハライドとが反応してもよい。
【0007】本発明において、上記〔化15〕で表される
−SH基を有する化合物としては、任意の位置に2以上
の−SH基を有するものであればよく、また、−SH基
以外の置換基を有していてもよい。 例えば、1,3-ベン
ゼンジチオール、1,2-ベンゼンジチオール、エタンジチ
オール等が好ましく用いられる。 これらは単独で用い
られてもよく、混合物として用いてもよい。また−SH
基との塩形成が可能な塩基性部位を有する高分子として
は、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等が好まし
く用いられる。また本発明によれば、−SH基を2つ以
上含む化合物と共に、m−又はp−フェニレンジアミ
ン、キシリレンジアミンなどのような芳香族多官能アミ
ンも用いることができる。
−SH基を有する化合物としては、任意の位置に2以上
の−SH基を有するものであればよく、また、−SH基
以外の置換基を有していてもよい。 例えば、1,3-ベン
ゼンジチオール、1,2-ベンゼンジチオール、エタンジチ
オール等が好ましく用いられる。 これらは単独で用い
られてもよく、混合物として用いてもよい。また−SH
基との塩形成が可能な塩基性部位を有する高分子として
は、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等が好まし
く用いられる。また本発明によれば、−SH基を2つ以
上含む化合物と共に、m−又はp−フェニレンジアミ
ン、キシリレンジアミンなどのような芳香族多官能アミ
ンも用いることができる。
【0008】本発明において、上記〔化16〕で表される
多官能酸ハライドとしては、例えば、トリメシン酸ハラ
イドや1,3,5-シクロヘキサントリカルボン酸等が好まし
く用いられる。 また〔化17〕で表される多官能酸ハラ
イドとしては、例えば、テレフタル酸ハライド、イソフ
タル酸ハライド、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸ハラ
イド、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ハライド等のジ
ハライドが好ましく用いられ、特にテレフタル酸ハライ
ド、イソフタル酸ハライドが好ましい。
多官能酸ハライドとしては、例えば、トリメシン酸ハラ
イドや1,3,5-シクロヘキサントリカルボン酸等が好まし
く用いられる。 また〔化17〕で表される多官能酸ハラ
イドとしては、例えば、テレフタル酸ハライド、イソフ
タル酸ハライド、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸ハラ
イド、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ハライド等のジ
ハライドが好ましく用いられ、特にテレフタル酸ハライ
ド、イソフタル酸ハライドが好ましい。
【0009】前記の如く、本発明の複合逆浸透膜は、
〔化15〕で表される化合物を含有する水溶液を、多孔質
支持膜上に塗布し、次いで、多官能酸ハライドを含有す
る水非混和性有機溶剤溶液を塗布し、水溶液との界面に
て重縮合を行って、支持膜上にチオエステル結合からな
る架橋高分子を主構成単位とする超薄膜を生成させ、必
要に応じて、加熱処理を行うことによって得ることがで
きる。多官能酸ハライドを含有する水非混和性有機溶剤
溶液を調整するための有機溶剤としては、用いる酸ハラ
イドをよく溶解し、他方、用いる多孔質支持膜を溶解し
ない有機溶剤であればよく、例えば、n−ヘキサン、シ
クロヘキサン等の炭化水素溶剤、トリクロロトリフルオ
ロエタン等のハロゲン化炭化水素が用いられるが、特
に、n−ヘキサンが好ましく用いられる。〔化15〕で表
される2つ以上の−SH基を有する化合物、又はこれと
塩基性の部位を有する高分子との混合系を含有する水溶
液、及び多官能酸ハライドを含有する有機溶剤溶液にお
いて、それらの濃度は、特に限定されるものではない
が、通常、0.1 〜10重量%、好ましくは0.5 〜5重量%
の範囲である。
〔化15〕で表される化合物を含有する水溶液を、多孔質
支持膜上に塗布し、次いで、多官能酸ハライドを含有す
る水非混和性有機溶剤溶液を塗布し、水溶液との界面に
て重縮合を行って、支持膜上にチオエステル結合からな
る架橋高分子を主構成単位とする超薄膜を生成させ、必
要に応じて、加熱処理を行うことによって得ることがで
きる。多官能酸ハライドを含有する水非混和性有機溶剤
溶液を調整するための有機溶剤としては、用いる酸ハラ
イドをよく溶解し、他方、用いる多孔質支持膜を溶解し
ない有機溶剤であればよく、例えば、n−ヘキサン、シ
クロヘキサン等の炭化水素溶剤、トリクロロトリフルオ
ロエタン等のハロゲン化炭化水素が用いられるが、特
に、n−ヘキサンが好ましく用いられる。〔化15〕で表
される2つ以上の−SH基を有する化合物、又はこれと
塩基性の部位を有する高分子との混合系を含有する水溶
液、及び多官能酸ハライドを含有する有機溶剤溶液にお
いて、それらの濃度は、特に限定されるものではない
が、通常、0.1 〜10重量%、好ましくは0.5 〜5重量%
の範囲である。
【0010】本発明においては、〔化15〕で表される化
合物と多官能酸ハライドとは、支持膜上で室温にて容易
に界面重縮合反応するが、必要に応じて、反応を促進さ
せ、或いは溶剤を除去し、或いは形成される超薄膜の支
持膜からの剥離を防止するために、50〜150 ℃に加熱し
てもよい。また、この時、混合した高分子の塩基性の部
位、例えば、1級及び2級アミンと多官能酸ハライドが
反応してもよいし、これらの高分子とポリチオエステル
とが共重合化してもよい。また、−SH基を有する化合
物を含有する水溶液中に、塩基性の部位を有する高分子
を添加し、多官能酸ハライドを有する水非混和性有機溶
剤溶液とを多孔質支持膜上で界面重縮合させることで、
チオエステル結合からなる架橋高分子と塩基性部位を有
する高分子とがコンプレックスを形成してもよい。
合物と多官能酸ハライドとは、支持膜上で室温にて容易
に界面重縮合反応するが、必要に応じて、反応を促進さ
せ、或いは溶剤を除去し、或いは形成される超薄膜の支
持膜からの剥離を防止するために、50〜150 ℃に加熱し
てもよい。また、この時、混合した高分子の塩基性の部
位、例えば、1級及び2級アミンと多官能酸ハライドが
反応してもよいし、これらの高分子とポリチオエステル
とが共重合化してもよい。また、−SH基を有する化合
物を含有する水溶液中に、塩基性の部位を有する高分子
を添加し、多官能酸ハライドを有する水非混和性有機溶
剤溶液とを多孔質支持膜上で界面重縮合させることで、
チオエステル結合からなる架橋高分子と塩基性部位を有
する高分子とがコンプレックスを形成してもよい。
【0011】
【発明の効果】本発明による複合逆浸透膜は、チオエス
テル結合を主鎖骨格に有するポリチオエステル、及びこ
れと塩基性の部位を有する高分子とのコンプレックスか
らなる超薄膜が多孔質支持膜上に形成されてなり、液体
混合物中の成分を選択的に透過分離するために好適に用
いることができる。 特に、本発明による複合逆浸透膜
は、低圧下での操作において、高い透水性能と高い脱塩
性能を有し、例えば、かん水、海水等の脱塩による淡水
化や、半導体の製造に必要とされる超純水の製造等に好
適に用いることができる。
テル結合を主鎖骨格に有するポリチオエステル、及びこ
れと塩基性の部位を有する高分子とのコンプレックスか
らなる超薄膜が多孔質支持膜上に形成されてなり、液体
混合物中の成分を選択的に透過分離するために好適に用
いることができる。 特に、本発明による複合逆浸透膜
は、低圧下での操作において、高い透水性能と高い脱塩
性能を有し、例えば、かん水、海水等の脱塩による淡水
化や、半導体の製造に必要とされる超純水の製造等に好
適に用いることができる。
【0012】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
なお、多孔質支持膜としては、ポリスルホン製限外濾過
膜を用いた。 得られた複合逆浸透膜の性能は、操作圧
力15kg/cm2、温度25℃にて塩化ナトリウム1500ppm を含
有する水溶液を15時間処理した後、透水速度及び塩化ナ
トリウム除去率を測定した。塩化ナトリウム除去率は、
通常の電導度測定によった。
本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
なお、多孔質支持膜としては、ポリスルホン製限外濾過
膜を用いた。 得られた複合逆浸透膜の性能は、操作圧
力15kg/cm2、温度25℃にて塩化ナトリウム1500ppm を含
有する水溶液を15時間処理した後、透水速度及び塩化ナ
トリウム除去率を測定した。塩化ナトリウム除去率は、
通常の電導度測定によった。
【0013】実施例1 1,3-ベンゼンジチオール2重量%、ラウリル硫酸ナトリ
ウム0.3 重量%、トリエチルアミン2重量%、カンファ
ースルホン酸4重量%を含む水溶液を、ポリビニルアル
コール0.2 重量%水溶液でpH11に調整し、この溶液を
ポリスルホン膜に数秒間接触させ数分間液切りした。
このようにして得られた1,3-ベンゼンジチオールで被覆
された支持膜の表面を、トリメソイルクロライド(塩化
ベンゼン1,3,5 トリカルボン酸)0.25重量%のヘキサン
溶液と接触させた。 その後、該被覆支持膜を120 ℃の
熱風乾燥器の中で5分間保持して複合逆浸透膜を得た。
得られた複合逆浸透膜の性能は、脱塩率90%、透水速度
0.1t/m2日であった。
ウム0.3 重量%、トリエチルアミン2重量%、カンファ
ースルホン酸4重量%を含む水溶液を、ポリビニルアル
コール0.2 重量%水溶液でpH11に調整し、この溶液を
ポリスルホン膜に数秒間接触させ数分間液切りした。
このようにして得られた1,3-ベンゼンジチオールで被覆
された支持膜の表面を、トリメソイルクロライド(塩化
ベンゼン1,3,5 トリカルボン酸)0.25重量%のヘキサン
溶液と接触させた。 その後、該被覆支持膜を120 ℃の
熱風乾燥器の中で5分間保持して複合逆浸透膜を得た。
得られた複合逆浸透膜の性能は、脱塩率90%、透水速度
0.1t/m2日であった。
【0014】実施例2 1,3-ベンゼンジチオール1重量%を含む水溶液にポリエ
チレンイミンを添加してpH11.0に調整し、この溶液をポ
リスルホン膜に数秒間接触させ数分間液切りした。 そ
の後は実施例1と同様にして得られた複合逆浸透膜の性
能は、脱塩率98%、透水速度0.15t/m2日であった。
チレンイミンを添加してpH11.0に調整し、この溶液をポ
リスルホン膜に数秒間接触させ数分間液切りした。 そ
の後は実施例1と同様にして得られた複合逆浸透膜の性
能は、脱塩率98%、透水速度0.15t/m2日であった。
【0015】実施例3 ポリエチレンイミンを添加してpHを10に調整した以外
は、実施例2と同様にして得られた複合逆浸透膜の性能
は、脱塩率95%、透水速度0.18t/m2日であった。
は、実施例2と同様にして得られた複合逆浸透膜の性能
は、脱塩率95%、透水速度0.18t/m2日であった。
【0016】実施例4 ポリエチレンイミンを添加してpHを10.5に調整した以外
は、実施例3と同様にして得られた複合逆浸透膜の性能
は、脱塩率98%、透水速度0.22t/m2日であった。
は、実施例3と同様にして得られた複合逆浸透膜の性能
は、脱塩率98%、透水速度0.22t/m2日であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 71/66 WPI(DIALOG)
Claims (4)
- 【請求項1】 超薄膜とこれを支持する多孔質支持膜と
からなる複合逆浸透膜において、上記超薄膜が、下記
〔化1〕、及び/又は〔化2〕 【化1】 【化2】 (但し、〔化1〕及び〔化2〕においてR1 、R2 及び
R3 は酸素原子を含んでもよい炭化水素残基、さらに種
々の置換基を有してもよいアシル基、ベンジル基、ある
いはアリール基を示し、R1 の置換基にはさらに一つ以
上の反応に関与した、あるいは未反応の−SH基を有し
てもよく、R2 には、さらに一つ以上の反応に関与し
た、あるいは未反応のカルボン酸又はカルボン酸ハライ
ドを有してもよい。 また、Xはその少なくとも一部は
直接結合を表して他の構成単位における〔化3〕と結合
する架橋点となり、他は−OM、又は〔化4〕を表す。 【化3】 【化4】 但し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属
を示す。)で表される、チオエステル結合からなる架橋
高分子を主構成単位とする超薄膜であることを特徴とす
る複合逆浸透膜。 - 【請求項2】 超薄膜とこれを支持する多孔質支持膜と
からなる複合逆浸透膜において、該超薄膜が塩基性の部
位を有する高分子とコンプレックスを形成してなる請求
項1記載の複合逆浸透膜。 - 【請求項3】 超薄膜とこれを支持する多孔質支持膜と
からなる複合逆浸透膜の製造方法において、下記〔化
5〕からなる化合物から選ばれる少なくとも一種の化合
物を含有する水溶液と、 【化5】 (但し、〔化5〕において、R1 は酸素原子を有しても
よい炭化水素残基、さらに種々の置換基を有してもよい
アシル基、ベンジル基、あるいはアリール基を示す。
R1 の置換基にはさらに一つ以上の−SH基を有しても
よい。) 下記〔化6〕及び/又は〔化7〕で表されるカルボン酸
ハライドから選ばれる少なくとも一種の化合物を含有す
る水非混和性有機溶剤溶液とを、 【化6】 【化7】 (但し、〔化6〕及び〔化7〕においてR2 及びR3 は
酸素原子を有してもよい炭化水素基、さらに種々の置換
基を有してもよいアシル基、ベンジル基、あるいはアリ
ール基を示し、Yは塩素、臭素、ヨウ素、あるいはフッ
素を示す。 また、R2 にはさらに一つ以上のカルボン
酸ハライドを有してもよい。) 前記多孔質支持膜上で接触させて、界面重縮合により多
孔質支持膜上にチオエステル結合とからなる架橋高分子
を主構成単位とする超薄膜を生成させることを特徴とす
る複合逆浸透膜の製造方法。 - 【請求項4】 超薄膜とこれを支持する多孔質支持膜と
からなる複合逆浸透膜の製造方法において、下記〔化
8〕からなる化合物 【化8】 (但し、〔化8〕において、R1 は酸素原子を有しても
よい炭化水素残基、さらに種々の置換基を有してもよい
アシル基、ベンジル基、あるいはアリール基を示す。
R1 の置換基にはさらに一つ以上の−SH基を有しても
よい。)から選ばれる少なくとも一種の化合物と、塩基
性の部位を有する少なくとも一種の高分子とを含有する
水溶液と、下記〔化9〕及び/又は〔化10〕で表され
るカルボン酸ハライドから選ばれる少なくとも一種の化
合物を含有する水非混和性有機溶剤溶液とを、 【化9】 【化10】 (但し、〔化9〕及び〔化10〕においてR2 及びR3 は
酸素原子を有してもよい炭化水素基、さらに種々の置換
基を有してもよいアシル基、ベンジル基、あるいはアリ
ール基を示し、Yは塩素、臭素、ヨウ素、あるいはフッ
素を示す。 また、R2 にはさらに一つ以上のカルボン
酸ハライドを有してもよい。) 前記多孔質支持膜上で接触させて、界面重縮合により多
孔質支持膜上にチオエステル結合とからなる架橋高分子
と塩基性の部位を有する高分子のコンプレックスからな
る超薄膜を生成させることを特徴とする複合逆浸透膜の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3240551A JP3002577B2 (ja) | 1991-08-26 | 1991-08-26 | 複合逆浸透膜およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3240551A JP3002577B2 (ja) | 1991-08-26 | 1991-08-26 | 複合逆浸透膜およびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0549883A JPH0549883A (ja) | 1993-03-02 |
JP3002577B2 true JP3002577B2 (ja) | 2000-01-24 |
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ID=17061212
Family Applications (1)
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JP3240551A Expired - Fee Related JP3002577B2 (ja) | 1991-08-26 | 1991-08-26 | 複合逆浸透膜およびその製造方法 |
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JP (1) | JP3002577B2 (ja) |
-
1991
- 1991-08-26 JP JP3240551A patent/JP3002577B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0549883A (ja) | 1993-03-02 |
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