JP2001025648A - 逆浸透および/またはナノ濾過のための界面重合されたビピペリジン−ポリアミド膜およびその製造方法 - Google Patents

逆浸透および/またはナノ濾過のための界面重合されたビピペリジン−ポリアミド膜およびその製造方法

Info

Publication number
JP2001025648A
JP2001025648A JP2000177903A JP2000177903A JP2001025648A JP 2001025648 A JP2001025648 A JP 2001025648A JP 2000177903 A JP2000177903 A JP 2000177903A JP 2000177903 A JP2000177903 A JP 2000177903A JP 2001025648 A JP2001025648 A JP 2001025648A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reactant
acyl halide
bipiperidine
monomeric
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000177903A
Other languages
English (en)
Inventor
John E Tomaschke
ジョーン・イー・トマシュク
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hydranautics Corp
Original Assignee
Hydranautics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hydranautics Corp filed Critical Hydranautics Corp
Publication of JP2001025648A publication Critical patent/JP2001025648A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/56Polyamides, e.g. polyester-amides
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D69/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D69/12Composite membranes; Ultra-thin membranes
    • B01D69/125In situ manufacturing by polymerisation, polycondensation, cross-linking or chemical reaction
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D69/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D69/12Composite membranes; Ultra-thin membranes
    • B01D69/125In situ manufacturing by polymerisation, polycondensation, cross-linking or chemical reaction
    • B01D69/1251In situ manufacturing by polymerisation, polycondensation, cross-linking or chemical reaction by interfacial polymerisation

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 逆浸透およびナノ濾過のための選択的水
透過性膜が、本質的にモノマー状のビピペリジン反応体
と、平均して反応体分子当たり少なくとも約2個のアシ
ルハライド基を有する本質的にモノマー状のアミン−反
応性多官能性芳香族または脂環族アシルハライドとを、
微多孔性支持体上で界面重合させることによって作製さ
れる。任意には、重合はモノマー状のアミン塩の存在下
で行われ、その場合に、得られる膜の流束を増加させる
ことができる。 【効果】 塩化物イオンの除去率に対する硫酸イオンの
除去率に関して非常に高い選択性を示し、かつ低い印加
圧力で高い流束を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、逆浸透およびナノ
濾過による液体混合物および溶液の分離に有用な選択的
かつ水透過性の膜に関する。特定的には、本発明は、水
溶液の脱塩または水溶液からの他の溶質の除去に有用
な、ビピペリジン系(ビピペリジンベース)ポリアミド
水透過性膜に関する。
【0002】
【従来の技術】半透膜を用いることによって溶解してい
る物質をその溶媒から分離できることが知られている。
たとえば、逆浸透(RO)またはナノ濾過(NF)によ
る水からの塩分除去が実用的な注目を集めている。こう
いった塩分除去の効率性および経済性は、家庭用および
農業用の使用のためにかん水または海水から飲用に適し
た水を供給するという観点から非常に重要な経済的意味
をもつ。脱塩においては、脱塩率、つまり膜を介しての
塩濃度の減少と、流束、つまり膜を透過する流量との点
から、膜の性能が重要な要因となる。実用的なROの利
用では、約15気圧でかん水を用いる場合、少なくとも
15gfd(ガロン/平方フィート/日)以上のオーダ
ーの流束が必要とされる。より好ましくは、現在の商業
用のRO利用においては、約15気圧でかん水を用いる
場合で約25gfd(約1.0m3/m2 −日)より大
きな流束が必要である。NFの利用では、10気圧の圧
力で少なくとも30gfd(約1.2m3 /m2 −日)
が必要とされる。さらに、ROでは99%より高い脱塩
率が求められ、NFでは50%以上が求められる。この
分野での研究開発の継続的な目標は、より大きな流束お
よび/または溶質の除去率(阻止率)が可能な膜を開発
することであり、そのような膜は脱塩および他の低分子
量の溶質の除去に有用である。
【0003】ROおよびNF膜の脱塩性能に対して重要
な経済的影響を及ぼす他の要因としては、上述の容認可
能な流束を達成するために加えなくてはならない圧力量
が挙げられる。膜の選択性、つまりあるイオンの他のイ
オンに対する優先的除去率は必要とされる圧力量に重大
な影響を及ぼしうる。多くの塩溶液は数種類の異なる塩
を含んでおり、たとえば海水は、塩化ナトリウム、硫酸
マグネシウム、硫酸カルシウム、およびその他の塩を含
んでいる。ROおよび/またはNFの脱塩プロセスでは
選択性が低くかつ全体の脱塩率が高いので高い浸透圧が
形成され、それゆえ容認できる水流束を達成するにはよ
り高い圧力が必要となる。膜の片側で塩イオンの濃度が
増加すると、膜のその側での浸透圧が増加する。片側で
の浸透圧が増加すると、膜の両側での圧力の均衡を保つ
ために塩イオンがますます膜を透過しようとし、したが
って脱塩された水を強制的に膜を透過させるためにはよ
り大きな圧力が必要となる。あるイオンは膜を通り抜け
るが他のイオンは通りぬけないという選択性は、膜の両
側の浸透圧の均衡を取ることによってこの問題を軽減す
ることができる。
【0004】脱塩に用いられる既知の膜としては、様々
な方法で作製される多種多様なポリアミドが含まれる。
この広範囲なポリアミド膜の中で特に重要なのは架橋結
合された芳香族ポリアミド膜である。架橋結合された芳
香族ポリアミド膜は、たとえば、下記の米国特許に開示
されているものを含む。
【0005】マックキニー(McKinney)等に発行された
米国特許第3,904,519号は、架橋剤および/また
は照射を用いて芳香族ポリアミド膜を架橋結合すること
によって作製され、流束が改善された逆浸透膜を開示し
ている。たとえば、それらのポリアミドは、アミン基と
カルボキシル基の界面重合に次いで架橋結合を行うこと
によって作製される。
【0006】ファンホイベン(Van Heuven)に発行され
た米国特許第3,996,318号は芳香族ポリアミド膜
の製造を教示しており、この方法では3またはそれ以上
の官能性を有する反応体を用いて架橋結合が達成され
る。
【0007】カドッテ(Cadotte )に発行された米国特
許第4,277,344号は逆浸透膜を開示しており、そ
れは少なくとも3個のアシルハライド置換基を有する芳
香族アシルハライドと少なくとも2個の第一級アミン置
換基を有する芳香族ポリアミンとの界面反応生成物であ
る。好ましい膜は、多孔性ポリスルホン支持体上にポリ
(フェニレンジアミントリメサミド)膜で形成される。
【0008】植村(Uemura)等に発行された米国特許第
4,761,234号は、米国特許第4,277,344
号に類似の膜を記載しており、芳香族トリまたはそれ以
上の(ポリ)芳香族アミンが用いられている。
【0009】ズパニック(Zupanic )等に発行された米
国特許第4,661,254号は、トリアリールトリア
ミンと芳香族カルボン酸クロライドとの界面重合によっ
て形成された逆浸透複合膜を開示している。芳香族およ
び脂肪族アミン成分の両方が開示されている。
【0010】神山(Kamiyama)等に発行された米国特許
第4,619,767号は、ポリビニルアルコールと第
二級のジまたはそれ以上の(ポリ)アミンを多官能性架
橋剤で架橋結合させることによって作製される膜を開示
している。芳香族および脂肪族アミン成分の両方が開示
されている。
【0011】本件出願人に発行された米国特許第4,8
72,984号および第4,948,507号は、モノ
マー状(単量体)のアミン塩の存在下で、少なくとも2
個のアミン官能基を有する本質的にモノマー状のポリア
ミンおよび反応体分子当たり少なくとも約2.2のアシ
ルハライド基を有する本質的にモノマー状の多官能性ア
シルハライドからの逆浸透膜の界面的合成を開示してい
る。芳香族および脂肪族ポリアミン並びに多官能性アシ
ルハライドの両者が開示されている。
【0012】本件出願人の、1997年10月7日出願
の同時係属中米国出願連続番号第08/944,995
号(現在は許可済み)は、少なくとも2個のアシルハラ
イド置換基を有する芳香族アシルハライドとのアミド官
能性(amide-functionalized)ポリアミンの界面重合生
成物である膜を開示している。
【0013】様々な複合逆浸透膜の興味深い説明と比較
は、ジェイ.イー.カドッテ(J.E.Cadotte )著、「複
合逆浸透膜の発展(Evolution of Composite Reverse O
smosis Membranes)」、マテリアルズ サイエンス オ
ブ シンセティック メンブレンズ(Materials Scienc
e of Synthetic Membranes)、第12章273−294
頁、米国化学学会シンポジウムシリーズ(American Che
mical Society Symposium Series)(1985)、およ
びエス.ディー.アーサー(S.D.Arthur)著、「薄膜複
合逆浸透膜における構造−特性関係(Structure-Proper
ty Relationship in a Thin Film Composite Reverse O
smosis Membrane )」、ジャーナル オブ メンブレン
サイエンス(Journal of Membrane Science )、4
6:243-260、エルセヴィーア(Elsevier)(1
989)に含まれている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述の膜のいくつかは
商業的に使用可能であるが、先行技術の膜の多くは異な
るタイプのイオンに対する選択性や優先性に劣る。した
がって、所望の流束を達成するためには多くの場合大き
な圧力が必要とされる。当産業分野の継続的な目的は、
より優れた流束および脱塩率特性並びに塩素等の消毒剤
に対するより優れた耐性を持つ膜を開発することによっ
て、コスト削減と操作の効率化を図ることである。高い
選択性を持つ選択的水透過性膜の開発もまた当産業分野
の目的である。塩化物イオンの除去率に比べて硫酸イオ
ンの除去率を高くして低圧力において大きな流束を達成
することが望ましい。いったん硫酸塩が塩溶液から除去
されてしまうと、スケールの形成等の硫酸イオンの存在
による望ましくない影響を受けること無しに、様々な蒸
留技術を用いて塩化物の脱塩を達成することができる。
スケールの形成は蒸留処理の効率を下げることが知られ
ている。
【0015】先行技術の膜の中で、米国特許第4,61
9,767号に開示されているピペラジン誘導ポリアミ
ド膜が最も選択性に優れると思われるが、操作圧力を削
減してかつ流束を増加させるために必要な硫酸イオンと
塩化物イオンとの間の必要な選択性を達成するには十分
ではない。このように、当該技術分野では高い流束と低
い圧力の下で高い硫酸塩除去率を持って動作することが
できる高度に選択的な膜が必要とされている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は水透過性膜(透
水性膜)を含み、前記水透過性膜は、(1)式(I)に
示される本質的にモノマー状(単量体)のビピペリジン
反応体と、(2)多官能性芳香族または脂環族アシルハ
ライド(環状脂肪族アシルハライド)またはその混合物
を含む本質的にモノマー状のアミン−反応性反応体と
を、微多孔性支持体上で界面重合させることによって作
製され、
【0017】
【化5】
【0018】前記式(I)において、aおよびbは各々
独立的に0から4の整数を表し、かつ各R1 および各R
2 は独立的に非反応性置換基を表し、前記アミン−反応
性反応体は平均して反応体分子当たり少なくとも約2個
のアシルハライド基を有する。
【0019】さらに、本発明は水透過性膜の製造方法を
も含み、前記方法は、(1)式(I)に示される本質的
にモノマー状(単量体)のビピペリジン反応体と、
(2)多官能性芳香族または脂環族アシルハライドまた
はその混合物を含む本質的にモノマー状のアミン−反応
性反応体とを、微多孔性支持体上で界面重合させること
を含み、前記アミン−反応性反応体は平均して反応体分
子当たり少なくとも約2個のアシルハライド基を有す
る。
【0020】
【発明の効果】式(I)に示される本質的にモノマー状
(単量体)のビピペリジン反応体(bipiperidine react
ant )と本質的にモノマー状のアミン−反応性反応体
(amine-reactive reactant )との界面重合によって作
製される水透過性膜が、塩化物イオンの除去率に比べて
硫酸イオンの除去率に対して予想以上に高い選択性を示
し、かつ低い印可圧力でも高い流束で動作するというこ
とが見出された。
【0021】
【発明の実施の形態】本明細書で使用される場合、「本
質的にモノマー状の(essentially monomeric )」とい
う用語は鎖の延長および/または架橋結合および/また
は他の重合反応が可能な化学的化合物を意味する。上記
化合物は比較的低分子量で、1つまたはそれ以上の一般
的な液体溶媒に容易に溶解し、かつ一般的にポリアミド
結合(−C(O)−NH−)によって結合される繰り返
し単位が無い。しかし、最も一般的な液体溶媒における
化合物の溶解度が、たとえば0.01%w/wより少な
く減じられない限り、1つまたは2つまたは少数の繰り
返し単位が存在してもよく、化合物は特性において「本
質的にモノマー状」でありえる。
【0022】本発明の膜は様々な界面重合の方法で形成
することができ、それらの多くが当該技術分野では既知
である。現在好ましいとされるのは先行の米国特許第
4,872,984号および第4,948,507号に
記載された方法であり、それらの開示はここに引用によ
り援用される。明細書では本発明は任意のモノマー状の
アミン塩の存在下で重合が行われる方法に関して説明さ
れるが、上記の先行特許の方法で用いられるモノマー状
のアミン塩の存在なしでも以下の方法が行われうるとい
うことが理解される。
【0023】一実施の形態では、以下の工程を有する方
法によって製造される水透過性膜によって発明の目的が
達成された。すなわちこの方法は、(a)式(I)に示
される本質的にモノマー状のビピペリジン反応体を含
み、モノマー状のアミン塩を含むかまたは含まない水溶
液で微多孔性支持体を被覆(コート)して前記微多孔性
支持体上に液体層を形成する工程と、(b)多官能性芳
香族または脂環族アシルハライドまたはその混合物を含
む本質的にモノマー状のアミン−反応性反応体の有機溶
媒溶液と前記液体層を接触させる工程とを含み、アミン
−反応性反応体は、平均して、反応体分子当たり少なく
とも約2個のアシルハライド基を有し、さらに、(c)
工程(b)の生成物を乾燥させて前記水透過性膜を形成
する工程を含む。
【0024】第二の実施の形態では、以下の工程を有す
る方法によって水透過性膜が製造される。すなわちこの
方法は、(a)任意のモノマー状のアミン塩を含む第一
の水溶液で微多孔性支持体を被覆(コート)して前記微
多孔性支持体上にモノマー状のアミン塩層を形成する工
程と、(b)式(I)に示される本質的にモノマー状の
ビピペリジン反応体を含む第二の水溶液で前記モノマー
状のアミン塩層を被覆(コート)して前記モノマー状の
アミン塩層上に液体層を形成する工程と、(c)多官能
性芳香族または脂環族アシルハライドまたはその混合物
を含む本質的にモノマー状のアミン−反応性反応体の有
機溶媒溶液で前記液体層を被覆(コート)する工程とを
含み、アミン−反応性反応体は、平均して、反応体分子
当たり少なくとも約2個のアシルハライド基を有し、さ
らに、(d)工程(c)の生成物を乾燥させて前記水透
過性膜を形成する工程を含む。
【0025】本発明で用いられる特定の微多孔性支持体
は本発明にとって決定的なものではない。本発明で有用
であるそのような微多孔性支持体の例としては、ポリス
ルホンおよびポリエーテルスルホン等のポリアリールエ
ーテルスルホン、ポリイミド、またはポリフッ化ビニリ
デンで形成されるものが挙げられる。微多孔性支持体は
好ましくはポリアリールエーテルスルホンで形成され
る。微多孔性支持体の厚さは本発明にとって決定的なも
のではない。一般的に、微多孔性支持体の厚さは約25
〜125μmで、好ましくは約40〜75μmである。
【0026】本発明において用いられることができる式
(I)のビピペリジン反応体は、炭素−炭素単結合によ
って互いに結合された2つのピペリジン単位を有するも
のを含み、前記炭素−炭素単結合は任意の2つの複素環
式環状炭素原子(heterocyclic ring-carbon atoms)の
間に形成される(各複素環式ピペリジン環から1つの炭
素原子)。したがって、本発明において有用なビピペリ
ジン反応体は、たとえば、2,2’−ビピペリジン、
2,3’−ビピペリジン、2,4’−ビピペリジン、
2,5’−ビピペリジン、2,6’−ビピペリジン、
3,3’−ビピペリジン、3,4’−ビピペリジン、
3,5’−ビピペリジン、3,6’−ビピペリジン、
4,4’−ビピペリジン、4,5’−ビピペリジン、お
よび4,6’−ビピペリジンを含む。好ましくは、本発
明で用いられるビピペリジン反応体は式(II)の4,
4’−ビピペリジンを含む。
【0027】
【化6】
【0028】ここで、a、b、R1 およびR2 は上記の
ように定義される。本発明で使用されることができるビ
ピペリジン反応体は、式(I)および(II)に記号(R
1 a および(R2 b で示されるように、各複素環上
に、環を飽和している(ring-saturating )水素原子の
代わりに、0から4個の非反応性置換基を有してもよ
い。式(I)および式(II)のビピペリジン反応体は合
計で18の置換基を有することができるが(すなわちす
べての水素原子が置換される)、立体障害、分子量の増
加、さらに、置換基の性質によるが、不利益な疎水性等
の要因のために、そのような著しい置換は好ましくな
い。一般的に、高い疎水性の置換基が存在すると、より
少ない程度の置換が好ましい。窒素原子は第二級アミノ
官能性であり、一般的にN−置換されない。第三級アミ
ノ基をもたらすであろうN−置換(N-substitution)は
実質的にビピペリジン反応体の重合能力を減じる。した
がって、重合反応を考慮するとN−置換は好ましくない
が、置換基自身が第二級アミノ官能性を有するN−置換
は可能である。
【0029】式(I)および(II)のビピペリジンの複
素環の炭素原子に結合されてもよい非反応性置換基は、
たとえばアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、アルキ
ルヒドロキシおよびハライド部位を含む。ここで用いら
れている場合、「非反応性(non-reactive)」という用
語は、アミン−反応性反応体に対して非反応性かまたは
少なくともビピペリジンモノマーの第二級アミノ官能性
よりも反応性が低い置換基または官能性部位を指す。理
論に縛られることは望まないが、窒素原子よりも求核性
の低い置換基であればビピペリジンに導入される。した
がって、ヒドロキシルおよびアルキルヒドロキシ部位の
酸素原子も求核性であるが、それらは式(I)および
(II)のビピペリジン反応体の窒素原子よりもその程度
が低く、非反応性置換基と考えられる。一般的に、本発
明のビピペリジン反応体の第二級アミノ基とアミン−反
応性反応体のアシルハライド官能性との間の反応に干渉
しない任意の置換基が、式(I)および(II)のビピペ
リジン反応体における非反応性置換基として導入されて
もよい。また、たとえばヒドロキシルおよびアルキルヒ
ドロキシ部位等のそのような親水性置換基の導入は水透
過性を増加させ、したがって得られた膜の流束を増加さ
せる。
【0030】非反応性置換基として用いられることがで
きるアルキル部位は、1〜約6個の炭素原子を有する直
鎖状および分枝鎖状の脂肪族炭化水素を含むが、これに
限定されない。たとえば、各R1 および各R2 は、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、イソプロピル基、s−プロピル基、または
t−ブチル基等を表しうる。ここでも、疎水性の高分子
量アルキル部位が用いられていれば、より少ない程度の
置換が好ましい。
【0031】非反応性置換基として用いられてもよいア
ルコキシ部位は、上記アルキル部分のアルコキシ誘導
体、たとえばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等
を含むが、これらに限定されない。最小限度に繰り返す
エチレンオキシドとプロピレンオキシドも含まれる(す
なわち約6炭素原子まで)。
【0032】ヒドロキシル(−OH)およびアルキルヒ
ドロキシ(−R(OH))部位が非反応性置換基として
用いられてもよい。使用できるアルキルヒドロキシ部位
は、たとえば、−メチルヒドロキシ、−エチルヒドロキ
シ、−イソプロピルヒドロキシ、−ヘキシルジヒドロキ
シ等の、短鎖状の直鎖および分枝鎖状アルカノールを含
む。アルキルヒドロキシ部位はポリヒドロキシル化され
てもよい。
【0033】ハライド(ハロゲン)も非反応性置換基と
して導入されてもよい。フロライド(F)およびクロラ
イド(Cl)が好ましいハライド(ハロゲン)置換基で
ある。他のハライド(ハロゲン)、すなわちブロマイド
(Br)、イオダイド(I)、アスタタイド(At)は
潜在的に反応性が高いので(これらは優れた脱離基であ
る)、重合反応との干渉が起きやすく、したがって好ま
しい置換基ではない。
【0034】本発明のビピペリジン反応体は、好ましく
はaもbも0に等しいような非置換であり、またはa+
bが4以下であり、より好ましくはa+bが2以下であ
るような合計数の非反応性置換基を有する。もし1個ま
たはそれ以上の非反応性置換基が存在すれば、3または
それより少ない炭素原子を有するヒドロキシル部位およ
びアルキルヒドロキシ部位が好ましい。なぜなら、低分
子量の親水基があると水透過性が増加すると考えられ、
したがって全体の流束性能が上がるからである。
【0035】本発明において有用なビピペリジン反応体
は、それらの商業的に入手可能なビピリジン類似体の還
元または水素化によって容易に得られる。ビピリジン類
似体の電解還元はビピペリジンを得るために用いられる
一般的な方法の例である。白金、パラジウム、ルテニウ
ム等の適切な触媒の存在下での水素ガスとの直接接触に
よる水素化が用いられてもよい。式(I)および(II)
のビピペリジン反応体の多くが市場で入手可能であり、
ミルウォーキーのアルドリッチケミカル社(Aldrich Ch
emical Co.、Milwaukee, WI )等の化学会社から得るこ
とができる。一般的に、それらの製品は、安定性の目的
のためにビピペリジンのジハイドロクロライド塩として
パッケージされている。たとえば、水酸化ナトリウム等
の塩基でジハイドロクロライド塩を中和し、クロロホル
ム等の有機溶媒を用いて中和された溶液から塩基を抽出
することによって、遊離塩基アミンは容易に再単離でき
る。
【0036】好ましいビピペリジン反応体の例は、4,
4’−ビピペリジン、3−ヒドロキシ−4,4’−ビピ
ペリジン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ビピペ
リジン、3−ヒドロキシメチル−4,4’−ビピペリジ
ン、3,3’−ジヒドロキシメチル−4,4’−ビピペ
リジン、3−(2−ヒドロキシ)エチル−4,4’−ビ
ピペリジン、および3,3’−ジ(2−ヒドロキシ)エ
チル−4,4’−ビピペリジンを含むが、それらに限定
されない。最も好ましいビピペリジン反応体は非置換
4,4’−ビピペリジンである。
【0037】本発明で用いられるアミン−反応性反応体
は、様々な本質的にモノマー状の多官能性芳香族または
脂環族アシルハライド、またはそのようなアシルハライ
ドの混合物から選択されてもよく、アミン−反応性反応
体は、反応体分子当たりに平均して少なくとも約2個
の、好ましくは平均して約3個から約4個のアシルハラ
イド基を有する。
【0038】好ましいアミン−反応性反応体は、カドッ
テの米国特許第4,277,344号の芳香族アシルハ
ライドであり、たとえばトリメソイルクロライド(trim
esoyl chloride)等で、分子当たり少なくとも3個のア
シルハライド置換基を有している。ブレイ(Bray)の米
国特許第4,828,708号に記載されているよう
な、二官能性芳香族アシルハライド、たとえばイソフタ
ロイルクロライド(isophthaloyl chloride )またはテ
レフタロイルクロライド(terephthaloyl chloride)等
も好ましい。三官能性および二官能性アシルハライドの
混合物が用いられてもよい。三官能性および二官能性ア
シルハライドの混合物が用いられるときは任意の混合比
が存在しうる。しかしながら、一般的に、より多量の三
官能性アシルハライドが好ましい。
【0039】本発明で用いられる好ましい脂環族アシル
ハライドは、たとえば、サンデット(Sundet)の米国特
許第4,529,646号のシクロヘキサントリカルボ
ニルクロライドを含む。
【0040】本発明で用いられる他の脂環族アシルハラ
イドは、シクロペンタンテトラカルボン酸およびシクロ
ブタンテトラカルボン酸のテトラ−置換されたアシルク
ロライド、すなわち1,2,3,4−シクロペンタンテ
トラカルボン酸クロライド(CPTC)および1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸クロライド(C
BTC)、およびシクロペンタントリカルボン酸および
シクロブタントリカルボン酸のトリ−置換されたアシル
クロライド、すなわち、1,2,4−シクロペンタント
リカルボン酸クロライド(CPTrC)および1,2,
3−シクロブタントリカルボン酸クロライド(CBTr
C)を含む。これらの脂環族アシルハライドは本件出願
人の米国特許第5,254,261号に記載されてい
る。
【0041】さらに、アミン−反応性反応体は、上述の
脂環族アシルハライド反応体に加えて、反応性分子当た
り少なくとも約2個のアシルハライド基を有する本質的
にモノマー状の多官能性芳香族アシルハライドを脂環族
アシルハライドとの混合物で含んでもよい。すなわち、
脂環族アシルハライドの、約90重量%まで、好ましく
は約70重量%までが1個またはそれ以上の芳香族アシ
ルハライドで置換されてもよい。
【0042】そのような芳香族アシルハライドの例とし
ては、イソフタロイルハライド、トリメソイルハライド
(trimesoyl halide)、テレフタロイルハライド、およ
びそれらの混合物が挙げられる。脂環族アシルハライド
と共に、あるいは無しで、本発明において用いられる好
ましい芳香族酸ハライドは、イソフタロイルクロライド
(IPC)、トリメソイルクロライド(TMC)および
/またはテレフタロイルクロライド(TPC)、および
それらの混合物である。
【0043】本発明で任意に用いられてもよいモノマー
状のアミン塩は、モノマー状のアミンと酸との塩でもよ
く、好ましくは第三級アミンと強酸との塩である。ここ
で用いられる場合、強酸とは、水と本質的に完全に反応
してヒドロニウムイオンを与える酸である。そのような
強酸の例としては、芳香族スルホン酸、脂肪族スルホン
酸、ショウノウスルホン酸等の脂環族スルホン酸、トリ
フルオロ酢酸、硝酸、塩酸、および硫酸が挙げられる。
【0044】本発明で用いられる特定的なモノマー状の
アミン塩は発明にとって決定的なものではなく、任意の
脂肪族、アルコキシ、脂環族、複素環式またはアルカノ
ールのモノマー状のアミン塩であってよい。発明で用い
られる好ましいモノマー状のアミン塩は、本件出願人の
米国特許第5,254,261号に記載の式(I)およ
び(II)によって表される。
【0045】より好ましくは、本発明で用いられるモノ
マー状のアミン塩は、強酸と以下の群から選ばれる第三
級アミンまたは第四級アミンとの水溶性の塩である。す
なわち、第三級アミンは、トリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、トリプロピルアミン等のトリアルキルアミン
と、1−メチルピペリジン等のN−アルキル脂環族アミ
ンと、N,N−ジメチルエチルアミンおよびN,N−ジ
エチルメチルアミン等のN,N−ジアルキルアミンと、
N,N−ジメチルエタノールアミン等のN,N−ジアル
キルエタノールアミンと、3−キヌクリジノール等の二
環式第三級アミンおよびその混合物とからなる群から選
ばれ、第四級アミンは、テトラメチルアンモニウムヒド
ロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、お
よびテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド等のテト
ラアルキルアンモニウムヒドロキシドと、ベンジルトリ
メチル−アンモニムヒドロキシド、ベンジルトリエチル
アンモニウムヒドロキシド、およびベンジルトリプロピ
ルアンモニウムヒドロキシド等のベンジルトリアルキル
アンモニウムヒドロキシドと、それらの混合物とからな
る群の少なくとも1つのものから選ばれる。特に好まし
いモノマー状のアミン塩は、トリエチルアミンとショウ
ノウスルホン酸とのアミン塩(TEACSA)である。
【0046】モノマー状のアミン塩は水溶性の固体とし
ても、またモノマー状のアミン塩が溶解した水溶液とし
ても用いられる。モノマー状のアミン塩は、好ましくは
それの水溶液として用いられる。モノマー状のアミン塩
を作製するために用いられるモノマー状のアミンは、好
ましくは約8より多いかまたはより好ましくは約9から
約13のpKaを有する。
【0047】本発明の一実施の形態では、一般的に0〜
約10wt%のモノマー状のアミン塩、好ましくは約3
〜約8wt%のモノマー状のアミン塩を含む第一の水溶
液で微多孔性支持体が被覆(コート)される。酸または
モノマー状のアミンまたは両方の濃度を制御することに
よって、第一の水溶液は好ましくは約3〜約11、より
好ましくは約5〜約9のpHに調節される。この場合、
式(I)のビピペリジン反応体を含む第二の水溶液は、
一般的に約10〜約14、好ましくは約11〜約13の
pHを有している。さらに、この場合、モノマー状のア
ミン塩とビピペリジン反応体が別々に微多孔性支持体上
に被覆(コート)されるときは、ビピペリジン反応体に
対するモノマー状のアミン塩のモル比が一般的に0〜約
15、好ましくは約4〜約12となるように、被覆(コ
ーティング)の量が調整される。
【0048】本発明の方法における工程を省くために、
上記のモノマー状のアミン塩の水溶液がビピペリジン反
応体をも含むことができる。一般的に、ビピペリジン反
応体は、水溶液中に約0.1%w/v〜約0.8%w/
v、好ましくは約0.15%w/v〜約0.5%w/v
の濃度で存在する。この場合、水溶液は、一般的に約1
0〜約14、好ましくは約11〜約13のpHに調整さ
れる。さらに、この場合、ビピペリジン反応体に対する
モノマー状のアミン塩のモル比もまた、一般的に0〜約
15、好ましくは約4〜約12に調整される。
【0049】pHの選択は用いられる特定のビピペリジ
ン反応体の塩基強度に依存する。一般的に、水性ビピペ
リジン溶液の上記のpH値範囲の下限は用いられる特定
のビピペリジンのpKaとほぼ同一であるべきであり、
pH値範囲の上限は特定の調整されない遊離塩基水pH
と少なくとも同程度であるべきである。
【0050】上記の水溶液は、浸漬、噴霧、ローラーコ
ーティング(ローラ塗布)、ロッドコーティング(ロッ
ド塗布)、またはクロスシートコーティング(クロスシ
ート塗布)等の周知の手段で被覆(コーティング)さ
れ、一般的に約5秒〜約10分間、好ましくは約10秒
〜約1分間適所に放置される。
【0051】所望であれば、より改善された結果を得る
ために上記水溶液が界面活性剤を含んでもよい。本発明
で用いられる特定の界面活性剤は発明にとっては決定的
なものではない。そのような界面活性剤の例としてはド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)、ラ
ウリル硫酸ナトリウム(SLS)またはそれらの混合物
が挙げられる。界面活性剤は、一般的に約0.05%〜
約1%w/v、好ましくは約0.1%〜約0.75%w
/vの濃度で用いられる。
【0052】モノマー状のアミン塩と式(I)のビピペ
リジン反応体とを含む液体層を形成した後、本質的にモ
ノマー状のアミン−反応性反応体を含む有機溶媒溶液の
第二の層がその上に被覆(コート)される。有機溶媒溶
液は、一般的に約0.05%〜約2%w/v、好ましく
は約0.15%〜約1%w/vのアミン−反応性反応体
を含む。アミン−反応性反応体に対するビピペリジン反
応体のモル比としては、約0.25〜約4、好ましくは
約0.5〜約2のモル比を用いることが好ましい。
【0053】本発明で用いられる有機溶媒は水に対して
非混和性のものである。本発明で用いられる特定の有機
溶媒は発明にとって決定的なものではない。そのような
有機溶媒の例としては、ヘキサンやノナン等のアルカ
ン、シクロヘキサン等のシクロアルカン、および1,
1,2−トリクロロトリフルオロエタンを含むデュポン
社(E.I. duPont de Nemours)のフレオン(FREO
N)(登録商標)等のそれらのハロゲン化誘導体、なら
びにそれらの混合物が挙げられる。本発明で用いられる
好ましい有機溶媒は、6〜12の炭素原子を有するアル
カンである。
【0054】アミン−反応性反応体を含む有機溶媒は、
浸漬、噴霧等の周知の手段で被覆(コーティング)さ
れ、一般的に約3秒〜約20分間、好ましくは約5秒〜
約30秒間適所に放置される。
【0055】水性および有機溶媒溶液の被覆(コーティ
ング)の各工程の後、余分な溶液が除去される。そし
て、最終被覆(コーティング)および排液工程の後、得
られた生成物を乾燥させて水透過性膜が形成される。得
られた生成物は、一般的にほぼ室温〜約150℃、好ま
しくは約100〜約150℃のオーブンで、約1〜約1
0分間、好ましくは約2〜約8分間乾燥させる。このよ
うにして、微多孔性支持体上にポリアミド層が形成され
る。乾燥工程によってビピペリジン反応体とアミン−反
応性反応体との間の反応が促進されてポリアミド層が生
成される(すなわち、界面重合)。得られるポリアミド
層の厚さは、一般的には約0.01〜約0.4μm、好
ましくは約0.02〜約0.2μmである。
【0056】例示のために以下の例を挙げるが、それら
によって本発明の範囲が限定されるものではない。以下
に特に示されない限り、成分のすべてのパーセンテージ
(%)は重量パーセント(すなわちwt/wt%)であ
る。
【0057】膜の作製 例1ビピペリジン系のポリアミド膜の作製 供給されたジハイドロクロライド塩の形から単離された
遊離塩基非置換4,4’−ビピペリジン反応体、TEA
CSA(トリエチルアミンとショウノウスルホン酸との
塩)、およびラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を混ぜ
て10Lの脱イオン水で希釈し、0.35%w/v濃度
のビピペリジン反応体、6.6%w/v濃度のTEAC
SA、および0.375%w/v濃度のSLSを含む水
溶液を得た。溶液のpHは水酸化ナトリウムの付加によ
って約12.75に調整した。
【0058】ここに挙げられる温度および時間期間はす
べておおよそのものである。膜は実験室規模のコントロ
ールフレーム手順で作製した。6インチ平方のポリスル
ホン限外濾過膜基材を二つのテフロン(Teflon)(デュ
ポン社の登録商標)フレームの間に固定して、上面を
4,4’−ビピペリジン反応体で10秒間被覆(コー
ト)した。その後基材を30秒間排液し、0.55%w
/vのTMCを含むトリメソイルクロライド(TMC)
/アイソパー(Isopar)(エクソン社の登録商標)炭化
水素溶液と15秒間接触させた。15秒間の排液の後、
130℃の対流オーブンで2分間、かつ100℃の強制
通気で約1.5分間膜を乾燥させた。
【0059】比較用膜の作製 例2ピペラジン誘導ポリアミド膜の作製 比較用膜は本質的に米国特許第4,619,767号に
したがって実験室規模のコントロールフレーム手順で作
製した。6インチ平方のポリスルホン限外濾過膜基材を
2つのテフロン(Teflon)(デュポン社の登録商標)フ
レームの間に固定し、0.25重量%のポリビニルアル
コール、0.25重量%のピペラジン、および0.5重
量%の水酸化ナトリウムを含む水溶液で上面を被覆(コ
ート)し、さらに25℃で1分間n−ヘキサンのトリメ
ソイルクロライドの1wt%溶液に浸した。15秒間の
排液の後、110℃の対流オーブンで10分間膜を乾燥
させた。
【0060】膜の性能 膜作製例1および例2で作製された膜の性能、すなわ
ち、流束、脱塩率および選択性を4つの異なる塩溶液を
用いてテストした。第一の供給溶液は2000ppm濃
度の硫酸マグネシウム水溶液であった。第二の供給溶液
は、12100ppmのナトリウムイオン(Na+ )、
1100ppmのマグネシウムイオン(Mg2+)、18
100ppmの塩化物イオン(塩素イオン)(C
- )、および2580ppmの硫酸イオン(S
4 2- )を含む合成海水(海水#1)であった。第三の
供給溶液は、1500ppm濃度の塩化ナトリウム水溶
液であった。第四の供給溶液は、11500ppmのナ
トリウムイオン、2550ppmのマグネシウムイオ
ン、802ppmのカルシウムイオン(Ca2+)、21
490ppmの塩化物イオン(塩素イオン)、および5
000ppmの硫酸イオンを含む合成海水(海水#2)
であった。二つの膜の各々の輸送特性を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】膜作製例1(MPE1)にしたがって作製
されたビピペリジン膜は、低い操作圧力で高い流束を維
持しつつ、塩化物イオンに対する硫酸イオンの除去率に
関して優れた選択性を示した。先行技術のピペラジン誘
導ポリアミド膜に比べて、ビピペリジン膜の性能は非常
に向上した選択性を示した。
【0063】表1の比較Aに示されるように、各膜に硫
酸マグネシウムを供給した場合、MPE1にしたがって
作製されたビピペリジン系ポリアミド膜は同一の圧力で
高い脱塩率を有する一方、実質的により高い流束を示し
た。実際、ビピペリジン系ポリアミド膜を通過する流束
は比較用膜作製例2(CMPE2)で作製されたピペラ
ジン誘導ポリアミド膜のそれに比べて4倍以上大きかっ
た。ビピペリジン膜が塩化物を通すという傾向も表1の
比較Cによりわかる。各膜に塩化ナトリウムを供給した
場合、CMPE2で作製されたピペラジン誘導ポリアミ
ド膜は塩の94.5%を除去し、一方MPE1で作製さ
れたビピペリジン膜ははるかに高い流束で塩の69.9
%しか除去しなかった。
【0064】比較Bにおいては、海水のような複合塩溶
液の場合、MPE1で作製されたビピペリジン膜はCM
PE2のピペラジン誘導ポリアミド膜を性能で大きく上
回っている。同じ圧力で(100psig)、ビピペリジン
膜を通過する流束はほとんど10倍も大きく、一方硫酸
塩除去率は約2パーセント高くかつ塩化物除去率は数パ
ーセント低かった。
【0065】比較Dでは、MPE1とCMPE2で作製
された膜に同等の流束を達成させるためには、MPE1
のビピペリジン膜では85psigであったのに対して、C
MPE2のピペラジン膜に加える操作圧力を350psig
まで上げなければならなかった。これも4倍の増加であ
る。さらに、ピペラジン誘導ポリアミド膜の流束をビピ
ペリジン膜のそれに近づけるためにそのような高い圧力
を加えても、塩化物の除去率に対する硫酸塩除去のため
の選択性(すなわち硫酸塩のパーセント除去率と塩化物
のパーセント除去率との差)はビピペリジン膜のそれに
遠く及ばなかった。MPE1で作製されたビピペリジン
膜が塩化物イオンのわずか6.7%および硫酸イオンの
98.0%を除去したのに対して、CMPE2で作製さ
れたピペラジン誘導ポリアミド膜は塩化物イオンの55
%および硫酸イオンの99.2%を除去した。このよう
に、本発明のビピペリジン膜は塩化物イオンの除去率に
対する硫酸イオンの除去率に関して非常に高い選択性を
示し、なおかつ低い印可圧力で高い流束を示した。
【0066】上述の実施の形態の広い発明の概念から逸
脱することなしに変形が可能であるということが当業者
には理解される。したがって、発明が開示された特定の
実施の形態に限定されず、添付の請求項によって規定さ
れる本発明の精神および範囲内で行われる変形をも含む
ということが理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 101:00 (71)出願人 500277526 401 Jones Road Ocean side,California 92054 The United States of America

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)式(I)に示される本質的にモノ
    マー状のビピペリジン反応体と、(2)多官能性芳香族
    または脂環族アシルハライドまたはその混合物を含む本
    質的にモノマー状のアミン−反応性反応体とを、微多孔
    性支持体上で界面重合させることによって作製され、 【化1】 前記式(I)において、aおよびbは各々独立的に0か
    ら4の整数を表し、かつ各R1 および各R2 は独立的に
    非反応性置換基を表し、前記アミン−反応性反応体は平
    均して反応体分子当たり少なくとも約2個のアシルハラ
    イド基を有する、水透過性膜。
  2. 【請求項2】 重合がモノマー状のアミン塩の存在下で
    起こる、請求項1に記載の水透過性膜。
  3. 【請求項3】 前記水透過性膜が、 (a)式(I)に示される本質的にモノマー状のビピペ
    リジン反応体を含む水溶液で微多孔性支持体を被覆して
    前記微多孔性支持体上に液体層を形成する工程と、 (b)前記多官能性アシルハライドまたはその混合物を
    含む本質的にモノマー状のアミン−反応性反応体の有機
    溶媒溶液と前記液体層を接触させる工程と、 (c)工程(b)の生成物を乾燥させて前記水透過性膜
    を形成する工程とを含む方法によって製造される、請求
    項1に記載の水透過性膜。
  4. 【請求項4】 前記ビピペリジン水溶液がモノマー状の
    アミン塩をも含む、請求項3に記載の水透過性膜。
  5. 【請求項5】 前記水透過性膜が、 (a)モノマー状のアミン塩を含む第一の水溶液で微多
    孔性支持体を被覆して前記微多孔性支持体上にモノマー
    状のアミン塩層を形成する工程と、 (b)式(I)に示される本質的にモノマー状のビピペ
    リジン反応体を含む第二の水溶液で前記モノマー状のア
    ミン塩層を被覆して前記モノマー状のアミン塩層上に液
    体層を形成する工程と、 (c)前記多官能性アシルハライドまたはその混合物を
    含む本質的にモノマー状のアミン−反応性反応体の有機
    溶媒溶液で前記液体層を被覆する工程と、 (d)工程(c)の生成物を乾燥させて前記水透過性膜
    を形成する工程とを含む方法によって製造される、請求
    項1に記載の水透過性膜。
  6. 【請求項6】 前記非反応性置換基の各々が、アルキ
    ル、アルコキシ、ヒドロキシル、アルキルヒドロキシ、
    およびハライド部位からなる群から選ばれる、請求項1
    に記載の水透過性膜。
  7. 【請求項7】 前記本質的にモノマー状のビピペリジン
    反応体が式(II)の4,4’−ビピペリジン反応体を含
    み、 【化2】 各R1 および各R2 が独立的に非反応性置換基を表し、
    かつaおよびbが各々独立的に0から4の整数を表す、
    請求項1に記載の水透過性膜。
  8. 【請求項8】 aおよびbの両方が0に等しい、請求項
    7に記載の水透過性膜。
  9. 【請求項9】 aおよびbの各々が1に等しい、請求項
    7に記載の水透過性膜。
  10. 【請求項10】 R1 およびR2 が各々ヒドロキシル部
    位を表す、請求項9に記載の水透過性膜。
  11. 【請求項11】 前記アシルハライドが平均して反応体
    分子当たり約2個から約4個のアシルハライド基の官能
    性を有する、請求項1に記載の水透過性膜。
  12. 【請求項12】 前記アシルハライドが、シクロヘキサ
    ンアシルハライド、シクロブタンアシルハライドおよび
    シクロペンタンアシルハライドからなる群から選ばれ
    る、請求項11に記載の水透過性膜。
  13. 【請求項13】 前記アシルハライドが、イソフタロイ
    ルクロライド、トリメソイルクロライド、およびテレフ
    タロイルクロライドからなる群から選ばれる、請求項1
    1に記載の水透過性膜。
  14. 【請求項14】 (1)式(I)に示される本質的にモ
    ノマー状のビピペリジン反応体と、(2)多官能性芳香
    族または脂環族アシルハライドまたはその混合物を含む
    本質的にモノマー状のアミン−反応性反応体とを、微多
    孔性支持体上で界面重合させることを含み、 【化3】 前記式(I)において、aおよびbは各々独立的に0か
    ら4の整数を表し、かつ各R1 およびR2 は独立的に非
    反応性置換基を表し、前記アミン−反応性反応体は平均
    して反応体分子当たり少なくとも約2個のアシルハライ
    ド基を有する、水透過性膜の製造方法。
  15. 【請求項15】 重合がモノマー状のアミン塩の存在下
    で起こる、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記水透過性膜が、 (a)式(I)に示される本質的にモノマー状のビピペ
    リジン反応体を含む水溶液で微多孔性支持体を被覆して
    前記微多孔性支持体上に液体層を形成する工程と、 (b)前記多官能性アシルハライドまたはその混合物を
    含む本質的にモノマー状のアミン−反応性反応体の有機
    溶媒溶液と前記液体層を接触させる工程と、 (c)工程(b)の生成物を乾燥させて前記水透過性膜
    を形成する工程とを含む方法によって製造される、請求
    項14に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記ビピペリジン水溶液がモノマー状
    のアミン塩をも含む、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記水透過性膜が、 (a)モノマー状のアミン塩を含む第一の水溶液で微多
    孔性支持体を被覆して前記微多孔性支持体上にモノマー
    状のアミン塩層を形成する工程と、 (b)式(I)に示される本質的にモノマー状のビピペ
    リジン反応体を含む第二の水溶液で前記モノマー状のア
    ミン塩層を被覆して前記モノマー状のアミン塩層上に液
    体層を形成する工程と、 (c)前記多官能性アシルハライドまたはその混合物を
    含む本質的にモノマー状のアミン−反応性反応体の有機
    溶媒溶液で前記液体層を被覆する工程と、 (d)工程(c)の生成物を乾燥させて前記水透過性膜
    を形成する工程とを含む方法によって製造される、請求
    項14に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記非反応性置換基の各々が、アルキ
    ル、アルコキシ、ヒドロキシル、アルキルヒドロキシ、
    およびハライド部位からなる群から選ばれる、請求項1
    4に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記本質的にモノマー状のビピペリジ
    ン反応体が式(II)に示される4,4’−ビピペリジン
    反応体を含み、 【化4】 各R1 および各R2 が独立的に非反応性置換基を表し、
    かつaおよびbが各々独立的に0から4の整数を表す、
    請求項14に記載の方法。
  21. 【請求項21】 aおよびbの両方が0に等しい、請求
    項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 aおよびbの各々が1に等しい、請求
    項20に記載の方法。
  23. 【請求項23】 R1 およびR2 が各々ヒドロキシル部
    位を表す、請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記アシルハライドが平均して反応体
    分子当たり約2個から約4個のアシルハライド基の官能
    性を有する、請求項14に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記アシルハライドが、シクロヘキサ
    ンアシルハライド、シクロブタンアシルハライドおよび
    シクロペンタンアシルハライドからなる群から選ばれ
    る、請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記アシルハライドが、イソフタロイ
    ルクロライド、トリメソイルクロライド、およびテレフ
    タロイルクロライドからなる群から選ばれる、請求項2
    4に記載の方法。
JP2000177903A 1999-06-15 2000-06-14 逆浸透および/またはナノ濾過のための界面重合されたビピペリジン−ポリアミド膜およびその製造方法 Pending JP2001025648A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/333,282 US6464873B1 (en) 1999-06-15 1999-06-15 Interfacially polymerized, bipiperidine-polyamide membranes for reverse osmosis and/or nanofiltration and process for making the same
US09/333282 1999-06-15

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001025648A true JP2001025648A (ja) 2001-01-30

Family

ID=23302129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000177903A Pending JP2001025648A (ja) 1999-06-15 2000-06-14 逆浸透および/またはナノ濾過のための界面重合されたビピペリジン−ポリアミド膜およびその製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US6464873B1 (ja)
EP (1) EP1060785B1 (ja)
JP (1) JP2001025648A (ja)
KR (1) KR100632969B1 (ja)
AT (1) ATE322333T1 (ja)
DE (1) DE60027082D1 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6821430B2 (en) 2001-09-20 2004-11-23 Nitto Denko Corporation Method of treating reverse osmosis membrane element, and reverse osmosis membrane module
JPWO2005030849A1 (ja) * 2003-09-25 2006-12-07 ダイセル化学工業株式会社 耐薬品性を有する多孔性フィルム
JP2010137192A (ja) * 2008-12-15 2010-06-24 Toray Ind Inc 複合ナノろ過膜
JP2012024756A (ja) * 2010-06-23 2012-02-09 Toray Ind Inc 複合半透膜の製造方法
JP2017518175A (ja) * 2014-05-23 2017-07-06 ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー 1000g/mol未満の平均分子量カットオフ値を有する濾過膜の調製
KR20180050166A (ko) * 2016-11-04 2018-05-14 주식회사 엘지화학 수처리 분리막의 제조방법 및 이에 의하여 제조된 수처리 분리막 및 수처리 분리막을 포함하는 수처리 모듈

Families Citing this family (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7144511B2 (en) * 2002-05-02 2006-12-05 City Of Long Beach Two stage nanofiltration seawater desalination system
JP4500002B2 (ja) 2003-05-06 2010-07-14 日東電工株式会社 複合半透膜及びその製造方法
US8196754B2 (en) * 2007-01-17 2012-06-12 The Ohio States University Research Foundation Water permeable membranes and methods of making water permeable membranes
US8147735B2 (en) 2008-07-09 2012-04-03 Eltron Research & Development, Inc. Semipermeable polymers and method for producing same
EP3147275B1 (en) 2008-12-26 2019-10-23 Toray Industries, Inc. Method for producing lactic acid and method for producing polylactic acid
RU2013132357A (ru) * 2010-12-13 2015-01-20 Зингента Партисипейшнс Аг Cry1I БЕЛКИ И ГЕНЫ ДЛЯ БОРЬБЫ С НАСЕКОМЫМИ
ES2523453T3 (es) 2011-01-24 2014-11-26 Dow Global Technologies Llc Método para preparar una membrana de material compuesto de poliamida
WO2012161483A2 (ko) * 2011-05-20 2012-11-29 주식회사 엘지화학 역삼투 분리막의 제조 방법 및 이에 의해 제조된 역삼투 분리막
US9399196B2 (en) 2011-08-31 2016-07-26 Dow Global Technologies Llc Composite polyamide membrane derived from monomer including amine-reactive and phosphorous-containing functional groups
WO2013048764A1 (en) 2011-09-29 2013-04-04 Dow Global Technologies Llc Method for preparing high purity mono-hydrolyzed acyl halide compound
ES2806675T3 (es) 2012-01-06 2021-02-18 Ddp Specialty Electronic Mat Us Inc Método de preparación de una membrana de poliamida de material compuesto
US9630149B2 (en) 2012-07-19 2017-04-25 Dow Global Technologies Llc Composite polyamide membrane with improved structure
WO2014109947A1 (en) 2013-01-14 2014-07-17 Dow Global Technologies Llc Composite polyamide membrane comprising substituted benzamide monomer
CN104918687A (zh) 2013-01-14 2015-09-16 陶氏环球技术有限责任公司 使用非极性溶剂的掺合物经由界面聚合制造复合聚酰胺膜
US9051227B2 (en) 2013-03-16 2015-06-09 Dow Global Technologies Llc In-situ method for preparing hydrolyzed acyl halide compound
US9289729B2 (en) 2013-03-16 2016-03-22 Dow Global Technologies Llc Composite polyamide membrane derived from carboxylic acid containing acyl halide monomer
US9051417B2 (en) 2013-03-16 2015-06-09 Dow Global Technologies Llc Method for solubilizing carboxylic acid-containing compound in hydrocarbon solvent
WO2014179024A1 (en) 2013-05-03 2014-11-06 Dow Global Technologies Llc Composite polyamide membrane derived from an aliphatic acyclic tertiary amine compound
US9452391B1 (en) 2013-12-02 2016-09-27 Dow Global Technologies Llc Composite polyamide membrane treated with dihyroxyaryl compounds and nitrous acid
EP3077088B1 (en) 2013-12-02 2017-12-27 Dow Global Technologies LLC Method for forming a composite polyamide membrane post treated with nitrious acid
ES2786928T3 (es) 2014-01-09 2020-10-14 Ddp Speciality Electronic Mat Us Inc Membrana de material compuesto de poliamida con alto contenido de ácido y bajo contenido azoico
AU2014376253B2 (en) 2014-01-09 2018-07-26 Dow Global Technologies Llc Composite polyamide membrane having preferred azo content
KR102273550B1 (ko) 2014-01-09 2021-07-07 다우 글로벌 테크놀로지스 엘엘씨 아조 함량 및 높은 산 함량을 갖는 복합 폴리아미드 막
WO2015167759A1 (en) 2014-04-28 2015-11-05 Dow Global Technologies Llc Composite polyamide membrane post-treated with nitrous acid
CN106232216B (zh) 2014-05-14 2019-10-11 陶氏环球技术有限责任公司 用亚硝酸后处理的复合聚酰胺膜
US9795928B2 (en) 2014-06-24 2017-10-24 Nano And Advanced Materials Institute Limited Stepwise interfacial polymerization technique with different reagent solution designs to prepare hollow fiber nanofiltration membrane composites
CN108452689A (zh) 2017-03-06 2018-08-28 青岛致用新材料科技有限公司 一种高选择性全脂环族聚酰胺纳滤膜及其制备方法
WO2020262816A1 (ko) * 2019-06-26 2020-12-30 주식회사 엘지화학 분리막 활성층 형성용 조성물, 분리막의 제조 방법, 분리막 및 수처리 모듈

Family Cites Families (33)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL7009957A (ja) 1969-07-08 1971-01-12
US3904519A (en) 1971-10-19 1975-09-09 Us Interior Reverse osmosis process using crosslinked aromatic polyamide membranes
GB1462171A (en) 1972-12-21 1977-01-19 Nederlandse Appl Scient Res Process for making thin polymer foils and their use in a dynamic membrane
JPS5543361B2 (ja) 1973-05-08 1980-11-06
DE2704600B2 (de) 1977-02-04 1979-08-30 Hoechst Ag, 6000 Frankfurt Permselektive, asymmetrische Hämofiltrationsmembran mit heteroporöser Struktur auf Basis von Polyamid
US4167567A (en) 1978-05-05 1979-09-11 The Upjohn Company Antihypertensive 4-aminoquinolines
US4259183A (en) * 1978-11-07 1981-03-31 Midwest Research Institute Reverse osmosis membrane
US4277344A (en) * 1979-02-22 1981-07-07 Filmtec Corporation Interfacially synthesized reverse osmosis membrane
JPS5727102A (en) * 1980-07-28 1982-02-13 Nitto Electric Ind Co Ltd Composite semipermeable membrane and its production
ES516206A0 (es) 1981-10-21 1983-10-01 Du Pont "mejoras introducidas en un procedimiento para la preparacion de una membrana de osmosis inversa".
IL70415A (en) * 1982-12-27 1987-07-31 Aligena Ag Semipermeable encapsulated membranes,their manufacture and their use
JPS61409A (ja) 1984-06-11 1986-01-06 Nitto Electric Ind Co Ltd 乾燥半透膜の製造方法
US4529646A (en) 1984-07-30 1985-07-16 E. I. Du Pont De Nemours And Company Production of composite membranes
AU4787685A (en) 1984-09-27 1986-04-10 E.I. Du Pont De Nemours And Company Aromatic polyamide membrane for reverse osmosis
DE3540627A1 (de) 1984-11-15 1986-05-22 Ricoh Co., Ltd., Tokio/Tokyo Waermeempfindliches zweifarben-aufzeichnungsmaterial
US4661254A (en) 1985-05-23 1987-04-28 Uop Inc. Chlorine-resistant semipermeable membranes
US4761234A (en) 1985-08-05 1988-08-02 Toray Industries, Inc. Interfacially synthesized reverse osmosis membrane
US4828708A (en) 1987-09-28 1989-05-09 Desalination Systems Semipermeable membranes
US4859384A (en) * 1987-11-18 1989-08-22 Filmtec Corp. Novel polyamide reverse osmosis membranes
US4769148A (en) * 1987-11-18 1988-09-06 The Dow Chemical Company Novel polyamide reverse osmosis membranes
US4783346A (en) * 1987-12-10 1988-11-08 E. I. Du Pont De Nemours And Company Process for preparing composite membranes
US4802984A (en) 1988-05-04 1989-02-07 Ionics, Incorporated Composite semipermeable membrane
US4913816A (en) 1988-05-04 1990-04-03 Ionics Incorporated Chlorine tolerant composite semipermeable membrane
US4872984A (en) * 1988-09-28 1989-10-10 Hydranautics Corporation Interfacially synthesized reverse osmosis membrane containing an amine salt and processes for preparing the same
US4948507A (en) * 1988-09-28 1990-08-14 Hydranautics Corporation Interfacially synthesized reverse osmosis membrane containing an amine salt and processes for preparing the same
JPH03232523A (ja) 1990-02-06 1991-10-16 Toyobo Co Ltd 複合膜
JP2505631B2 (ja) * 1990-08-09 1996-06-12 東レ株式会社 複合半透膜およびその製造方法および高純度水の製造方法
JP3031763B2 (ja) * 1990-09-14 2000-04-10 日東電工株式会社 複合逆浸透膜およびその製造方法
US5152901A (en) * 1990-09-14 1992-10-06 Ionics, Incorporated Polyamine-polyamide composite nanofiltration membrane for water softening
US5254261A (en) 1991-08-12 1993-10-19 Hydranautics Interfacially synthesized reverse osmosis membranes and processes for preparing the same
US5616249A (en) * 1993-05-20 1997-04-01 Ionics, Incorporated Nanofiltration apparatus and processes
US6171497B1 (en) 1996-01-24 2001-01-09 Nitto Denko Corporation Highly permeable composite reverse osmosis membrane
US5922203A (en) * 1997-10-07 1999-07-13 Hydranautics Amine monomers and their use in preparing interfacially synthesized membranes for reverse osmosis and nanofiltration

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6821430B2 (en) 2001-09-20 2004-11-23 Nitto Denko Corporation Method of treating reverse osmosis membrane element, and reverse osmosis membrane module
JPWO2005030849A1 (ja) * 2003-09-25 2006-12-07 ダイセル化学工業株式会社 耐薬品性を有する多孔性フィルム
JP4761966B2 (ja) * 2003-09-25 2011-08-31 ダイセル化学工業株式会社 耐薬品性を有する多孔性フィルム
JP2010137192A (ja) * 2008-12-15 2010-06-24 Toray Ind Inc 複合ナノろ過膜
JP2012024756A (ja) * 2010-06-23 2012-02-09 Toray Ind Inc 複合半透膜の製造方法
JP2017518175A (ja) * 2014-05-23 2017-07-06 ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー 1000g/mol未満の平均分子量カットオフ値を有する濾過膜の調製
KR20180050166A (ko) * 2016-11-04 2018-05-14 주식회사 엘지화학 수처리 분리막의 제조방법 및 이에 의하여 제조된 수처리 분리막 및 수처리 분리막을 포함하는 수처리 모듈
KR102089123B1 (ko) 2016-11-04 2020-03-13 주식회사 엘지화학 수처리 분리막의 제조방법 및 이에 의하여 제조된 수처리 분리막 및 수처리 분리막을 포함하는 수처리 모듈

Also Published As

Publication number Publication date
EP1060785B1 (en) 2006-04-05
US6464873B1 (en) 2002-10-15
KR100632969B1 (ko) 2006-10-11
DE60027082D1 (de) 2006-05-18
EP1060785A1 (en) 2000-12-20
KR20010049556A (ko) 2001-06-15
ATE322333T1 (de) 2006-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001025648A (ja) 逆浸透および/またはナノ濾過のための界面重合されたビピペリジン−ポリアミド膜およびその製造方法
DK169097B1 (da) Fremgangsmåde til fremstilling af grænsefladesyntetiseret membran til omvendt osmose
US4948507A (en) Interfacially synthesized reverse osmosis membrane containing an amine salt and processes for preparing the same
EP0316525B1 (en) Polyamide reverse osmosis membranes
EP0014054B1 (en) Process for the production of a reverse osmosis membrane, reverse osmosis membrane thus produced, and use of such membrane in a desalination process
US6887380B2 (en) Silicone-coated organic solvent resistant polyamide composite nanofiltration membrane, and method for preparing the same
US7479300B2 (en) Composite polyamide reverse osmosis membrane and method of producing the same
US4830885A (en) Chlorine-resistant semipermeable membranes
JP5013927B2 (ja) ホウ素除去性能に優れたポリアミド逆浸透複合膜及びその製造方法
US6833073B2 (en) Composite nanofiltration and reverse osmosis membranes and method for producing the same
US5922203A (en) Amine monomers and their use in preparing interfacially synthesized membranes for reverse osmosis and nanofiltration
JPS6127083B2 (ja)
JP2000117074A (ja) 逆浸透膜の製造方法
US20050103705A1 (en) Process for preparing semipermeable membranes having improved permeability
EP1356856B1 (en) Silicone-coated organic solvent resistant polyamide composite nanofiltration membrane, and method for preparing the same
JP2000093771A (ja) 流体分離膜およびその製造方法
KR100477587B1 (ko) 폴리아미드계 복합소재 분리막 제조방법
JP3967955B2 (ja) シリコーン含有耐有機溶媒性ポリアミドナノ複合膜およびその製造方法
JPH05146655A (ja) 複合逆浸透膜
JPH04354524A (ja) 複合半透膜の製造方法
JPH04267938A (ja) 複合半透膜及びその製造方法
JPH0549883A (ja) 複合逆浸透膜およびその製造方法