JP2000117074A - 逆浸透膜の製造方法 - Google Patents

逆浸透膜の製造方法

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JP2000117074A JP10291062A JP29106298A JP2000117074A JP 2000117074 A JP2000117074 A JP 2000117074A JP 10291062 A JP10291062 A JP 10291062A JP 29106298 A JP29106298 A JP 29106298A JP 2000117074 A JP2000117074 A JP 2000117074A
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    • B01D69/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
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    • B01D69/125In situ manufacturing by polymerisation, polycondensation, cross-linking or chemical reaction
    • B01D69/1251In situ manufacturing by polymerisation, polycondensation, cross-linking or chemical reaction by interfacial polymerisation

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害物質の混入および膜の物性低下を防止す
ることができると共に、人体に無害な逆浸透膜の製造方
法を提供する。 【解決手段】 多孔性支持体に多官能性アミンを塗布し
た後、更に多官能性酸ハロゲン化合物、多官能性スルホ
ンハロゲン化合物または多官能性イソシアネートを塗布
して界面重合させ、得られた複合膜を分子量1,000
以下の糖類溶液に浸漬処理する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地表水の浄水化処
理時若しくは海水の淡水化処理時等に、濾過材として汎
用される逆浸透膜を効率よく製造することのできる方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】微細濾過膜(MICRO FILTRATION MEMBRAN
E )、限外濾過膜、逆浸透膜等の分離膜を使用すると、
溶液中に含まれる多くの溶存物質を選択的に分離できる
ことは良く知られている。
【0003】例えば地表水や海水中に含まれる塩分を除
去し、これを飲料水、農業用水、工業用水等として利用
する為には、分子レベルで物質を分離し得る上記逆浸透
膜を使用する方法が最も経済的である。
【0004】かかる逆浸透膜を用いた脱塩法等において
は、流量を上昇せしめ、高度の塩分除去率を達成するこ
とが最重要ポイントとなる。即ち、逆浸透膜による分離
方法が、蒸発法、イオン交換法等の他の方法に比べて経
済面等などにおいて有効である為には、海水処理を例に
挙げれば、流量が800psi では10gfd (gallons/ft
2day)以上、225psi では15gfd 以上;塩分の除去
率は97%以上というレベルを確保することが望まれ
る。
【0005】逆浸透膜を用いた従来の脱塩方法として、
最も広く知られているのは米国特許第3,904号、第
3,996,318号、第4,277,344号に開示
された架橋芳香族ポリアミド系膜を使用する方法であ
る。とりわけ、米国特許第4,277,344号におい
てCadotte により開示された膜は、海水に対し、100
0psi 圧力下で99.5%の塩分除去率、且つ35gft
の流量を達成している。この膜は、ポリスルホン多孔性
支持層に2個以上の一級アミンを有する芳香族多官能性
酸ハロゲン化合物を界面重合させた構成からなるが、特
に、メタフェニレンジアミン(MPD )の水溶液とトリク
ロロトリフルオロエタン(FREON TF,Dupont社製)に溶
解したトリメソイルクロリド(trimesoylchloride )
(TMC )を界面重合させて複合膜を得る方法が推奨され
ている。
【0006】上記膜に使用されるフレオン(FREON )
は、不燃性で、且つ界面重合に好適な溶媒である。とこ
ろが、このフレオンは1990年代に入ってオゾン層破
壊物質であることが立証され、2002年までには、そ
の使用を中断しなければならなくなった。そこで、フレ
オンの代わりに、炭化水素系等の他の有機溶媒を用いて
膜を製造する方法が新たに提案されている。このうち、
ヘキサンは上記公報等にも使用されているが、高揮発性
物質である為、逆浸透膜生産工程で引火する恐れがある
ので、ヘキサンに比べ沸点の高い炭化水素系溶媒を使用
する方法が推奨されている。ところが、沸点の高い炭化
水素溶媒を使用する為には、膜製造時に、高温で乾燥す
る工程を別途設けなければならず、これは膜流量の減少
を招くことから、流量の減少防止を目的として、種々の
添加剤を添加したり後処理工程を設ける方法が更に提案
されている。
【0007】例えばTomaschke により開示された米国特
許第4,872,984号には、アミン水溶液中にアミ
ン塩を加え、炭素数8〜12の炭化水素系溶媒にて界面
重合させた後、70〜100℃で乾燥させることによ
り、流量の減少を防ぐ方法が開示されている。
【0008】また、Cadotte により開示された米国特許
第5,658,460号には、アミン水溶液中に無機ア
ンモニウム塩を加え、炭化水素系溶媒にて界面重合させ
た後、約95℃で乾燥させる方法が;更に、Chauにより
開示された米国特許第4,950,404号及び第4,
983,291号には、アミン水溶液中にプロトン性溶
媒又は非プロトン性溶媒を添加して界面重合させ、得ら
れた膜を酸性溶液で後処理した後、100℃で乾燥する
ことにより、流量の減少防止を図る方法が、夫々開示さ
れている。その他、米国特許第4,950,404号及
び第4,983,291号には、クエン酸等を添加する
方法が開示されている。
【0009】この様に流量の減少防止を目的としてアミ
ン水溶液中に添加剤を添加する種々の方法が提案されて
いるが、クエン酸を除き、その大部分が人体に有害であ
るという欠点を有すること;また、クエン酸はそれ自体
酸度が強い為、乾燥中に薄膜を損傷させる恐れがあり、
塩分の除去率低下をもたらす懸念があるという問題を抱
えている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その目的は、膜製造過程にお
ける流量の減少を防止し、薄膜の物性に悪影響を及ぼす
こともなく、しかも有害物質[多官能性アミンと多官能
性酸ハロゲン化合物等を界面重合させたときに得られる
未反応物質(上記アミン類、酸類、触媒など)を意味す
る]が膜に混入するのを防止するのを有効に防止し得、
人体に無害な逆浸透膜の製造方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成し得た本
発明に係る逆浸透膜の製造方法は、多孔性支持体に多官
能性アミンを塗布した後、更に多官能性酸ハロゲン化合
物、多官能性スルホンハロゲン化合物または多官能性イ
ソシアネートを塗布して界面重合させ、得られた複合膜
を分子量1,000以下の糖類溶液に浸漬処理するとこ
ろに要旨を有するものである。
【0012】本発明において、上記糖類として、グリセ
ルアルデヒド、グリセロール、アンヒドロエリトリトー
ル、ジチオエリトリトール、エリトリトール、エリトロ
ース、トレイトール、アドニトール、アラビノース、ア
ラビトール、デオキシリボース、リクソース、リボー
ス、キシリトール、キシロース、アロース、アルトロー
ス、アンヒドログルコピラノース、アスコルビン酸、ア
ルブチン、クロラロース、デオキシガラクトース、デオ
キシグルコース、ジギトキソース、ズルシトール、フラ
クトース、フコース、ガラクトサミン、ガラクトース、
ガラクツロン酸、グルコン酸、グルコラクトン、グルコ
サミン、グルコース、グルクロンアミド、グルクロン
酸、グルクロノラクトン、グロン酸ラクトン、グロノラ
クトン、ヘリシン、ヘキサデカノイルアスコルビン酸、
イノシトール、イソアスコルビン酸、マンニトール、マ
ンノース、メチルガラクトピラノシド、メチルグルカミ
ン、メチルグルコシド、メチルマンノピラノシド、メチ
ルキシロピラノシド、ソルビトール、ソルボース、タロ
ース、N−アセチル−D−ガラクトサミン、N−アセチ
ル−α−D−グルコサミン、サポゲニングリコシド、ア
ミグダリン、セロビオース、ラクトビオン酸、ラクトー
ス、ラクツロース、マルトース、メリビオース、パラチ
ノース、サッカロース、およびツラノースよりなる群か
ら選択される少なくとも1種を使用するものは好ましい
態様であり、水及び/又はアルコール類の溶媒に溶解
し、該糖類溶液中の糖類濃度を0.1〜50重量%に調
製することが推奨される。更に上記糖類溶液には、界面
活性剤又はアルコールを0.1〜10重量%添加するこ
とが好ましい。
【0013】また、本発明において、上記多官能性アミ
ンとしてメタフェニレンジアミンを使用するものは本発
明の好ましい態様であり、該多官能性アミン溶液中に、
0.1〜20重量%のアミンを含む様調製することが推
奨される。更に上記多官能性アミン溶液には、ブトキシ
エタノール及び/又は尿素を添加することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を構成する要件につ
いて順次説明する。まず、本発明法では、多孔性支持体
(微細多孔性基質を有する支持層)の表面に多官能性ア
ミン溶液を塗布する。
【0015】本発明に用いられる多孔性支持層は特に限
定されないが、該多孔性支持層の孔径は1nm以上、50
0nm以下であることが好ましい。孔径が500nmを超え
ると、該多孔性支持層表面の極薄膜が孔径内部に入りこ
んでしまい、平坦構造を維持し得なくなるからである。
より好ましくは300nm以下である。
【0016】上記多孔性支持層に用いられる高分子材料
としては、ポリスルホン;ポリスルホンエーテル;ポリ
イミド;ポリアミド;ポリプロピレン;ポリフッ化ビニ
リデン等のハロゲン化高分子等が挙げられる。
【0017】この多孔性支持層に、手動又は自動によ
り、多官能性アミン(多価アミンと同義)の単量体を塗
布する。本発明に用いられる上記多官能性アミンとして
は、1,3−プロパンジアミン誘導体またはそのN−ア
ルキル置換体若しくはN−アリル置換体および非置換
体;シクロヘキサンジアミン、ピペラジン等の環状ポリ
アミン又はそれらのアルキル誘導体;メタフェニレンジ
アミン、パラフェニレンジアミン等の芳香族ポリアミン
またはその置換体(アルキル置換体、アルコキシ置換
体、ハロゲン置換体等)が挙げられる。その他、N−
N' −ジメチル−1,3−フェニレンジアミン、キシレ
ンジアミン、ベンジジン等を用いても良い。これらは、
夫々単独若しくは混合して用いることができる。なかで
も芳香族ポリアミン類(特に芳香族第一級アミン類)の
使用が好ましく、メタフェニレンジアミンの使用が最も
推奨される。
【0018】上記多官能性アミンは、塗布時に水溶液と
して使用するが、アミン濃度は0.1重量%以上、20
重量%以下(より好ましくは0.5重量%以上、8重量
%以下)とすることが好ましく、その場合、該アミン溶
液のpHは7〜10となる。尚、このアミン溶液には、
更にブトキシエタノール及び/又は尿素を添加すること
もできる。
【0019】次に、塗布した多官能性アミン溶液の余剰
液を除去した後、多官能性酸ハロゲン化合物、多官能性
スルホンハロゲン化合物、または多官能性イソシアネー
トを含む溶液を塗布し、界面重合反応させることにより
複合膜を得る。ここで、上記「多官能性酸ハロゲン化合
物」及び「多官能性スルホンハロゲン化合物」は、多塩
基酸ハロゲン化合物を意味する。
【0020】本発明に用いられる上記多官能性酸ハロゲ
ン化合物としては、トリメソイルクロリド(1,3,5-benz
ene tricarbonoyl trichloride)、塩化イソフタロイ
ル、塩化テレフタロイル等のジ−カルボン酸ハライド若
しくはトリ−カルボン酸ハライド等、またはこれらの混
合物が挙げられる。
【0021】上記多官能性酸ハロゲン化合物、多官能性
スルホンハロゲン化合物、または多官能性イソシアネー
トの多官能性化合物は、有機溶媒中、0.005〜5重
量%(より好ましくは0.01〜0.5重量%)の濃度
になる様調製することが好ましい。ここで、本発明に用
いられる有機溶媒としては、要するに水に対して不溶性
の有機溶媒であれば良く、例えばヘキサン、シクロヘキ
サン、ヘプタン等の炭素数6〜12のアルカン誘導体;
フレオン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
【0022】尚、上記重合反応を行うに当たっては、浸
漬法(dipping )、スプレー法等により5〜10分間
(より好ましくは20秒〜4分)接触させる等の方法が
採用され、これにより、所望の複合膜が得られる。
【0023】次いで、この複合膜を糖類溶液に浸漬する
ことにより所望の逆浸透膜が得られるが、本発明法で
は、この糖類溶液による浸漬処理を施したところに最重
要ポイントが存在する。従って、前述の複合膜を得るま
での工程は本発明を特徴付けるものではなく、通常用い
られる方法を適宜選択して使用することができる。
【0024】具体的には、上記の多官能性アミンと多官
能性酸ハロゲン化合物等を界面重合させることにより生
成された複合膜を糖類溶液に浸漬させた後、約40〜1
10℃の温度で5〜48時間乾燥させる。その際、糖類
溶液中の糖類濃度は、0.1〜50重量%(より好まし
くは5〜10重量%)に調製することが推奨される。
尚、膜に対する浸透性を向上させる為には、該糖類溶液
に、更に界面活性剤又はアルコール類を約0.1〜1 0
重量%添加することが好ましい。
【0025】本発明に用いられる糖類としては、分子量
が約1,000以下のものを使用することが必要であ
り、例えば、単糖類、オリゴ糖、多糖類のいずれであっ
ても良く、アルドース、ケトースの別を問わず、また環
状構造を有していても構わない。具体的には、グリセル
アルデヒド、グリセロール、アンヒドロエリトリトー
ル、ジチオエリトリトール、エリトリトール、エリトロ
ース、トレイトール、アドニトール、アラビノース、ア
ラビトール、デオキシリボース、リキソース、リボー
ス、キシリトール、キシロース、アロース、アルトロー
ス、アンヒドログルコピラノース、アスコルビン酸、ア
ルブチン、クロラロース(chloralose)、デオキシガラ
クトース、デオキシグルコース、ジギトキソース、ズル
シトール、フラクトース、フコース、ガラクトサミン、
ガラクトース、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルコラ
クトン、グルコサミン、グルコース、グルクロンアミ
ド、グルクロン酸、グルクロノラクトン、グロン酸ラク
トン、グロノラクトン、ヘリシン(helicin )、ヘキサ
デカノイルアスコルビン酸、イノシトール、イソアスコ
ルビン酸、マンニトール、マンノース、メチルガラクト
ピラノシド、メチルグルカミン、メチルグルコシド、メ
チルマンノピラノシド、メチルキシロピラノシド、ソル
ビトール、ソルボース、タロース、N−アセチル−D−
ガラクトサミン、N−アセチル−α−D−グルコサミ
ン、サポゲニングリコシド、アミグダリン、セロビオー
ス、ラクトビオン酸(lactobionic acid)、ラクトー
ス、ラクツロース、マルトース、メリビオース、パラチ
ノース(palatinose)、スクロース、ツラノース等が挙
げられる。このうち好ましいのは、後記する実施例に掲
げたもの(ブドウ糖、果糖、乳糖、ガラクトース、麦芽
糖、蔗糖、サポニン、キシロース、アスコルビン酸、ソ
ルビトール)である。上記糖類は単独で使用しても良い
し、或いは2種以上を併用しても構わない。
【0026】また、溶媒としては水、アルコール類等が
挙げられ、これらを単独で、若しくは混合して使用する
ことにより糖類溶液を調製することができる。
【0027】本発明法において、所定量の分子量を有す
る糖類溶液に複合膜を浸漬処理することにより、流量の
減少を防止できる理由は以下の様に考えられる。即ち、
浸漬処理により多孔性支持層の内部に糖類溶液が浸透し
ていくが、その後の乾燥処理により糖類を溶解している
溶媒が蒸発する結果、多孔性支持層の内部には、糖類よ
りなる非常に薄い膜が沈着されることになる。この糖類
含有薄膜が膜の強度を強化することにより、乾燥による
多孔性支持層の収縮が防止される結果、膜自体の流量減
少を防ぐことができるものと思料される。
【0028】糖類による上記作用を有効に発揮させる為
には、多孔性支持層に浸透するのに適した分子量の糖類
を選択することが必要であり、その為、本発明では分子
量1,000以下の糖類を選択した。前述した通り、多
孔性支持層の孔径は500nm以下であるが、実際、複合
膜がコーティングされる場合における最上層部の孔径は
100nm以下であることを考慮すれば、該多孔性支持層
への糖類の浸透を容易ならしめる為には、分子量が1,
000以下(より好ましくは100〜300)の糖類を
使用することが必要であることが分かった。但し、通常
使用される糖類の大部分は上記範囲内に包含されること
から、本発明では、特別な糖類を使用する必要はなく、
通常使用される糖類を適宜選択すれば良い。
【0029】更に、糖類は通常、多くのヒドロキシ基を
含有しているので、乾燥の際、水素結合が適宜形成され
ることにより多孔性支持層の内部にうまく沈着できると
いう効果も得られ、この点も糖類使用の大きなメリット
である。その他、糖類は人体に無害であり、且つ中性化
合物である為、複合薄膜の物性を劣化させる恐れも無い
ことから、飲用水処理用等に安心して使用することがで
き、人体への安全性を確保できる点で非常に有用であ
る。
【0030】以下、実施例に基づいてこの発明を詳細に
述べる。ただし、下記実施例はこの発明を制限するもの
ではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施
することは全てこの発明の技術範囲に包含される。
【0031】
【実施例】下記の実施例及び比較例により得られた逆浸
透膜の性能を評価すべく、流量及び塩分の除去率を以下
の要領で測定した。
【0032】[流量]供給水として2,000ppm の塩
化ナトリウム水溶液を用い、25℃、225psigの条件
下で流量を測定した。
【0033】[塩分の除去率]塩分の除去率[(R
(%)]は、下記計算式により算出される。
【0034】
【数1】
【0035】式中、R:塩分の除去率、Cf :供給水中
における溶質の濃度(重量%)、Cp :透過水中におけ
る溶質の濃度(重量%)である。
【0036】<実施例1>不織布で補強された140μ
m厚のポリエーテルスルホン微小多孔性基質を2重量%
メタフェニレンジアミン水溶液中に40秒間浸漬させ、
表面の水分を除去した後、0.1重量%トリメソイルク
ロリド溶液に1分間含浸させることにより複合膜を得
た。
【0037】この様にして得られた複合膜を10重量%
ブドウ水溶液に2分間浸漬させた後、90℃で3.5分
間乾燥させてから、0.2%Na2 CO3 水溶液を用
い、40℃の温度で十分水洗し、再度蒸留水で水洗する
ことにより逆浸透膜を得た。
【0038】得られた逆浸透膜の物性を測定した結果、
塩分の除去率は97.7%、流量は25.3gfd であっ
た。
【0039】<比較例1>実施例1において、糖類溶液
に浸漬する工程及び乾燥工程を実施しなかったこと以外
は実施例1と同様に処理することにより逆浸透膜を得、
その物性を同様に測定した。その結果、塩分の除去率は
97.7%、流量は24.5gfd と良好な結果が得られ
たものの、膜の乾燥中に、アミン類などの有害物質が混
入する為、この比較例1で得られた膜を浄水機等に使用
しようとすると、該有害物質が水に溶解して人体に悪影
響を招くことから実用レベルでは使用できない。
【0040】<実施例2>実施例1において、糖類水溶
液として10重量%果糖水溶液を用いたこと以外は実施
例1と同様に処理することにより逆浸透膜を得、その物
性を同様に測定した。その結果、塩分の除去率は98.
0%、流量は24.4gfd であった。
【0041】<実施例3>実施例2において、アミン水
溶液として更に2重量ブトキシエタノール及び1重量%
尿素を含有する水溶液を使用したこと以外は実施例2と
同様に処理することにより逆浸透膜を得、その物性を同
様に測定した。その結果、塩分の除去率は97.7%、
流量は32.5gfd であった。
【0042】<実施例4〜14>実施例1において、下
記表1に示す糖類水溶液を使用したこと以外は実施例1
と同様に処理することにより逆浸透膜を得、その物性を
同様に測定した。得られた結果を表1に併記する。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明法の構成は上記の様に構成されて
いるので、逆浸透膜の評価指標となる塩分の除去率およ
び流量に優れることは勿論のこと、人体に有害な物質を
使用しておらず、しかも膜の乾燥中にアミン類などの有
害物質が混入することもない為、製品の安全性を確保で
き、乾燥工程で通常見られる薄膜損傷等の恐れもない等
の利点も備えている点で、産業上極めて有用である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月30日(1999.7.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成し得た本
発明に係る逆浸透膜の製造方法は、多孔性支持体に多官
能性アミン溶液を塗布した後、更に多官能性酸ハロゲン
化合物、多官能性スルホンハロゲン化合物または多官能
性イソシアネートを塗布して界面重合させ、得られた複
合膜を分子量1,000以下の糖類溶液に浸漬処理する
ところに要旨を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デ ウー イム 大韓民国 ソウル,カンナム−ク,アプグ ジョン−ドン513 ハンヤン アパートメ ント.,51−107 (72)発明者 ソン シク キム 大韓民国 ソウル,ソンパ−ク,オラン− ドン,オリンピック アパートメント., 101−1301 (72)発明者 キ セオプ パーク 大韓民国 キョンキ−ド,スウオン−シ, パルダル−ク,メータン−ドン,ジュゴン アパートメント.,415−201 Fターム(参考) 4D006 GA03 MA06 MA22 MA31 MB19 MC23 MC29 MC54 MC56X MC58 MC62 MC63X NA41 NA46 NA54 NA64 PA01 PB02 PB03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔性支持体に多官能性アミンを塗布し
    た後、更に多官能性酸ハロゲン化合物、多官能性スルホ
    ンハロゲン化合物または多官能性イソシアネートを塗布
    して界面重合させ、得られた複合膜を分子量1,000
    以下の糖類溶液に浸漬処理することを特徴とする逆浸透
    膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記糖類は、グリセルアルデヒド、グリ
    セロール、アンヒドロエリトリトール、ジチオエリトリ
    トール、エリトリトール、エリトロース、トレイトー
    ル、アドニトール、アラビノース、アラビトール、デオ
    キシリボース、リクソース、リボース、キシリトール、
    キシロース、アロース、アルトロース、アンヒドログル
    コピラノース、アスコルビン酸、アルブチン、クロラロ
    ース、デオキシガラクトース、デオキシグルコース、ジ
    ギトキソース、ズルシトール、フラクトース、フコー
    ス、ガラクトサミン、ガラクトース、ガラクツロン酸、
    グルコン酸、グルコラクトン、グルコサミン、グルコー
    ス、グルクロンアミド、グルクロン酸、グルクロノラク
    トン、グロン酸ラクトン、グロノラクトン、ヘリシン、
    ヘキサデカノイルアスコルビン酸、イノシトール、イソ
    アスコルビン酸、マンニトール、マンノース、メチルガ
    ラクトピラノシド、メチルグルカミン、メチルグルコシ
    ド、メチルマンノピラノシド、メチルキシロピラノシ
    ド、ソルビトール、ソルボース、タロース、N−アセチ
    ル−D−ガラクトサミン、N−アセチル−α−D−グル
    コサミン、サポゲニングリコシド、アミグダリン、セロ
    ビオース、ラクトビオン酸、ラクトース、ラクツロー
    ス、マルトース、メリビオース、パラチノース、サッカ
    ロース、およびツラノースよりなる群から選択される少
    なくとも1種である請求項1に記載の逆浸透膜の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記多官能性アミンはメタフェニレンジ
    アミンである請求項1または2に記載の逆浸透膜の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記多官能性アミン溶液は、0.1〜2
    0重量%のアミンを含むものである請求項1〜3のいず
    れかに記載の逆浸透膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記糖類を、水及び/又はアルコール類
    の溶媒に溶解するものである請求項1〜4のいずれかに
    記載の逆浸透膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記糖類溶液は、0.1〜50重量%の
    糖類を含むものである請求項1〜5のいずれかに記載の
    逆浸透膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記糖類溶液に、更に界面活性剤又はア
    ルコールを0.1〜10重量%添加するものである請求
    項1〜6のいずれかに記載の逆浸透膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記多官能性アミン溶液に、更にブトキ
    シエタノール及び/又は尿素を添加するものである請求
    項1〜7のいずれかに記載の逆浸透膜の製造方法。
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