JPH05317670A - 複合逆浸透膜 - Google Patents

複合逆浸透膜

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JPH05317670A
JPH05317670A JP15284892A JP15284892A JPH05317670A JP H05317670 A JPH05317670 A JP H05317670A JP 15284892 A JP15284892 A JP 15284892A JP 15284892 A JP15284892 A JP 15284892A JP H05317670 A JPH05317670 A JP H05317670A
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membrane
composite reverse
osmosis membrane
acid
acid halide
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JP15284892A
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Hisao Hachisuga
久雄 蜂須賀
Mitsuru Shimizu
満 清水
Masahiko Hirose
雅彦 廣瀬
Yasuo Kihara
康夫 木原
Masatoshi Maeda
政利 前田
Yutaka Nakazono
豊 中薗
Katsuhide Kojima
勝秀 小島
Hisashi Ikehata
永 池端
Kenji Matsumoto
憲嗣 松本
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、液体混合物中の成分を選択的に透過
分離するための複合逆浸透膜であって、低圧操作により
高い脱塩性及び水透過性を有し、さらに耐塩素性に優れ
た複合逆浸透膜を提供することにある。 【構成】薄膜とこれを支持する微多孔性支持体とからな
る複合逆浸透膜において、上記薄膜が、下記〔化1〕に
おいて隣接する酸ハライド基(R及びR’)の相対位置
を示すねじれ角(φ)が、IUPAC勧告による配座の
表示に従い、 【化1】φ=0°〜±30°(±synperiplanar) 以外の位置関係にある酸ハライド化合物と、−NHR基
(Rは水素、又は炭素数1〜4のアルキル基)、−SH
基、−OH基から選ばれる基を少なくとも2つ有する化
合物とから形成される重合体を主成分とすることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体混合物中の成分を
選択的に透過分離するための複合逆浸透膜に関し、詳し
くは、特定構造を有する多官能酸ハライド化合物を酸成
分として得られる重合体を主成分とする薄膜が、支持体
上に形成されてなる複合逆浸透膜に関する。かかる複合
逆浸透膜は、超純水の製造、かん水の脱塩等に好適に用
いられ、また染色廃水や電着塗料廃水等の公害発生原因
である汚れ等から、その中に含まれる汚染源あるいは有
効物質を除去回収し、ひいては廃水のクローズ化に寄与
することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、工業的に用いられている半透膜と
しては、例えば、酢酸セルロースからなる非対称構造を
有するロブ型のものが知られている。しかし、このよう
な酢酸セルロースからなる半透膜は、耐加水分解性、耐
微生物性、耐薬品性等において劣り、更に、耐圧性や耐
久性も十分ではないので、高浸透性を有する装置とする
ことが困難であって、用途が自ずから限定されざるを得
なかった。そこで、酢酸セルロースからなる非対称半透
膜の上記したような欠点を解消すべく、近年、例えば、
芳香族ポリアミド(米国特許3,567,632 号等)架橋ポリ
アミド酸(特開昭56−3769号等)、ポリベンズイミダゾ
ール(特開昭58−92403 号等)等からなる半透膜が提案
されている。 このような重合体からなる半透膜は、前
記酢酸セルロースからなる非対称半透膜の有する欠点の
一部を解消し得るものの、選択分離性や透過性能ではな
お劣っている。
【0003】そこで、非対称半透膜とは構造の異なる半
透膜として、微多孔性支持膜上に実質的に選択分離性を
有する活性な薄膜を形成してなる複合半透膜が、例え
ば、米国特許第3,744,642 号、第4,039,440 号、第4,25
9,183 号明細書、特開昭55−147106号、特開昭58−2430
3 号、特開昭63−197501号公報等に記載されているよう
に、近年、種々開発されている。 これらの多くは、高
い透水性を得るために、薄膜がポリアミドやポリ尿素か
らなり、一般に、分子内に2以上のアミノ基を有する多
官能アミノ化合物の水溶液と、これら多官能アミノ化合
物の有するアミノ基と反応しうる官能基を分子内に2以
上有する多官能性化合物(例えば、多官能酸ハライド化
合物)の炭化水素溶液とを、微多孔性支持膜上で界面反
応させて、支持膜上にポリアミドやポリ尿素からなる超
薄膜を形成することによって得られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで用いられている
多官能酸ハライド化合物は、芳香族系のものが多く、こ
の多官能の芳香族酸ハライドは、一般に取り扱いの危険
性や反応性の悪さ、さらに芳香環への置換といった問題
があった。
【0005】そこで、これらの多官能芳香族酸ハライド
に代わる新たな酸ハライドとして脂肪族や脂環式の多官
能酸ハライドがその反応性が良好であるといった観点か
ら着目されるようになっている。 しかし、これら脂肪
族や脂環式の多官能酸ハライドは種々の異性体を有して
おり、これらの異性体構造と複合逆浸透膜の膜特性との
関係に関する検討はなされていなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、低圧操作
により高い脱塩性及び水透過性を有し、さらに耐塩素性
に優れた複合逆浸透膜を得るために鋭意研究した結果、
膜形成に際し、酸成分としてその異性体構造を特定構造
に制御してなる酸ハライド化合物を用いて得られた重合
体からなる薄膜を備えた複合逆浸透膜とすることによ
り、前記問題点を著しく改善でき、本発明に至ったもの
である。
【0007】即ち本発明は、薄膜とこれを支持する微多
孔性支持体とからなる複合逆浸透膜において、上記薄膜
が、下記〔化1〕において隣接する酸ハライド基(R及
びR’)の相対位置を示すねじれ角(φ)が、IUPA
C勧告による配座の表示に従い、
【化2】 φ=0°〜±30°(±synperiplanar) 以外の位置関係にある酸ハライド化合物と、−NHR基
(Rは水素、又は炭素数1〜4のアルキル基)、−SH
基、−OH基から選ばれる基を少なくとも2つ有する化
合物とから形成される重合体を主成分とすることを特徴
とする複合逆浸透膜を提供する。。
【0008】本発明における隣接する酸ハライドの相対
位置を示すねじれ角(φ)の決定に最も広く用いられる
のは、 1H−NMRである。 1H−NMRにおいて
は、あるプロトンのシグナルは近傍に存在するプロトン
との相互作用で分裂し、又シグナルの位置は他の置換基
によって影響されシフトする。 そして、このような影
響の大きさは、それらの置換基との距離に支配される。
従って、 1H−NMRはプロトン+置換基相互の距離
を測定するのに有力な手段であるので、置換基間の距離
の相違に基づく異性体や、配座異性体の立体構造を知る
手段として極めて優れている。 よって上記の隣接する
酸ハライド基のねじれ角は、以下に示す関係に基づき決
定することができる。
【0009】分子中の隣り合った炭素上の水素同士は互
いにスピン結合しており、そのためにシグナルの分裂が
起こる。 スピン結合によるシグナルの分裂幅、即ち、
スピン結合定数(J値)がH−C−C−Hのなすねじれ
角によって決まることが明らかにされている。 即ち、
ねじれ角(φ)と隣接する炭素上の水素どうしの結合定
数(Jvic ) 値の間には、 Jvic (Hz)=8.5 cos2φ−0.28(0°≦φ≦90°) Jvic (Hz)=9.5 cos2φ−0.28(0°≦φ≦180°) の関係が成立する。 置換基の電気陰性度によっても多
少J値は影響されるが、この関係式は一般的によくあて
はまる。 上記の式により、隣接する炭素についている
水素のなすねじれ角が明らかになれば、同炭素上の酸ハ
ライド基のなす角は、水素との相対関係により決定され
る。
【0010】本発明において隣接する酸ハライド基のね
じれ角(φ)が、 φ=0°〜±30°(±synperiplanar) 以外の位置関係にある酸ハライド化合物の具体例として
は、例えば、シクロブタン−(1α,2β,3α,4
β)−テトラカルボン酸クロライド、シクロペンタン−
(1α,2β,3α,4β)−テトラカルボン酸クロラ
イド、シクロペンタン−(1α,2β,4β)−トリカ
ルボン酸クロライド、シクロヘキサン−(1α,2β,
4α,5β)−テトラカルボン酸クロライド、シクロヘ
キサン−(1α,2β,4β,5α)−テトラカルボン
酸クロライド、シクロヘキサン−(1α,2β,3α,
4β、5α,6β)−ヘキサカルボン酸クロライド、シ
クロヘキサン−(1α,3α,4β)−トリカルボン酸
クロライド、シクロヘキサン−(1α,3β,4α)−
トリカルボン酸クロライド、テトラハイドロフラン−
(1α,2β,3α,4β)−テトラカルボン酸クロラ
イド、ビシクロ(2,2,2)オクタ−7−エン−(2
α,3β,5α,6β)−テトラカルボン酸クロライ
ド、ビシクロ(2,2,2)オクタ−7−エン−(2
α,3β,5β,6α)−テトラカルボン酸クロライド
等が挙げられる。
【0011】これらの異性体構造の隣接する酸ハライド
基のねじれ角(φ)が上記数値の範囲外にあることは、
前述に従い 1H−NMRを用いて容易に求めることがで
きる。
【0012】これらの酸ハライド化合物は、単独あるい
は混合物で用いる以外に、φ=0°〜±30°の範囲に
ある同化合物の異性体を約50%以下の割合で含んでい
ても良い。 かかるφ=0°〜±30°の範囲にある酸
ハロゲン化合物の具体例として、例えば、シクロブタン
−(1α,2α,3α,4α)−テトラカルボン酸クロ
ライド、シクロブタン−(1α,2β,3β,4α)−
テトラカルボン酸クロライド、シクロペンタン−(1
α,2β,3α,4α)−テトラカルボン酸クロライ
ド、シクロペンタン−(1α,2α,4α)−トリカル
ボン酸クロライド、シクロペンタン−(1α,2α,4
β)−トリカルボン酸クロライド、シクロペンタン−
(1α,2β,3β,4α)−テトラカルボン酸クロラ
イド、シクロペンタン−(1α,2α,3β,4β)−
テトラカルボン酸クロライド、シクロヘキサン−(1
α,2α,4α,5α)−テトラカルボン酸クロライ
ド、シクロヘキサン−(1α,2α,4β,5β)−テ
トラカルボン酸クロライド、シクロヘキサン−(1α,
2α,3α,4α、5α,6α)−ヘキサカルボン酸ク
ロライド、シクロヘキサン−(1α,2α,3α,4
α、5α,6β)−ヘキサカルボン酸クロライド、シク
ロヘキサン−(1α,2α,3α,4β、5β,6β)
−ヘキサカルボン酸クロライド、シクロヘキサン−(1
α,2β,3β,4α、5β,6β)−ヘキサカルボン
酸クロライド、シクロヘキサン−(1α,2α,3β,
4β、5β,6β)−ヘキサカルボン酸クロライドなど
が挙げられる。
【0013】また本発明において酸成分としては、上記
特定の酸ハライド化合物に、例えば、トリメソイルクロ
ライド、イソフタロイルクロライドなどの芳香族酸ハラ
イドを含んでいてもよい。
【0014】本発明においては、かかる特定構造を有す
る多官能酸ハライド化合物を酸成分として用いることに
より、結果として脱塩性、水透過性、さらに耐塩素性に
優れる複合逆浸透膜が得られる。 この理由は明らかで
はないが、隣接する酸ハライド基の立体障害が少なくな
り、結果として得られる重合体が高分子量化し、また架
橋構造を形成しやすくなるためではないかと推測され
る。
【0015】次に、本発明において用いる酸ハライド化
合物の調整法を以下に示す。酸ハライド化合物は、特に
限定されるものではないが、酸の状態にある化合物を、
塩化チオニル、五塩化リン等のハロゲン化試薬を用いて
酸ハライド化することにより得ることができる。 この
際、特定のハロゲン化試薬を用いることにより、上記条
件を満たす酸ハライド化合物を優先的に得ることができ
る。 例えば、シクロペンタン−(1α,2β,4β)
−トリカルボン酸と、シクロペンタン−(1β,2β,
4β)−トリカルボン酸の混合物を、塩化チオニルを用
いて酸クロライドを得る場合、前者の化合物のみを酸ク
ロライド化合物として得ることができる。
【0016】また、酸ハライド化する前に、隣接する酸
のねじれ角がφ=0°〜±30°である酸を異性化さ
せ、φ=0°〜±30°以外の関係を満足する化合物と
した後に、酸ハライド化することもできる。かかる異性
化の方法は、特に限定されるものではないが、例えば、 1.酸の状態にある化合物を、例えばLiOH、KOH 、NaOH
等の塩基により中和し、加熱及び/又は加圧する。 2.酸の状態にある化合物をエステル化し、加熱及び/
又は加圧する。(この際、同時に加水分解反応をしても
よい。) などが挙げられる。
【0017】本発明において、上記酸ハライド化合物と
重合体を形成する化合物は、−NHR基(Rは水素、又
は炭素数1〜4のアルキル基)、−SH基、−OH基か
ら選ばれる基を少なくとも2つ有する化合物である。
具体的には、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フ
ェニレンジアミン、1,3,5-トリアミノベンゼン等の多官
能芳香族アミン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジ
アミノシクロヘキサン、m−キシリレンジアミン、ピペ
ラジン、エチレンジアミン等の脂環式、又は脂肪族の多
官能アミン、1,3-ベンゼンジチオール、m−アミノフェ
ノール、m−アミノチオフェノール、p−アミノチオフ
ェノール、o−アミノチオフェノール等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、混合物として用いても
よい。
【0018】本発明において形成される重合体薄膜を支
持する微多孔性支持体は、該薄膜を支持し得るものであ
れば、特に限定されないが、例えば、酢酸セルロース、
ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ
アクリロニトリル等、種々のものを例示することがで
き、特にポリスルホンからなる微多孔性支持膜が好まし
く用いられる。
【0019】以下、本発明の複合逆浸透膜の製造方法に
ついて記す。本発明に従って、本発明の複合逆浸透膜
は、前記酸ハライド化合物と重合体を形成する少なくと
も一種の化合物を、微多孔性支持膜を溶解させない第一
の溶剤に溶解してなる溶液からなる第一層を、微多孔性
支持膜上に形成する。 次いで、隣接する酸ハライドの
相対位置を示すねじれ角が、IUPAC勧告による配座
の表示に従い、φ=0°〜±30°(±synperiplanar)
以外の位置関係にある酸ハライド化合物から選ばれる少
なくとも一種、あるいは他の酸ハライド化合物との混合
物を、上記第一の溶剤と混和しない第二の溶剤に溶解し
てなる溶液からなる第二の層を、上記第一層上に形成す
ることで、微多孔性支持膜上に重合体薄膜からなる複合
逆浸透膜を得ることができる。
【0020】ここで、第一の溶剤としては、例えば、
水、メタノール、エタノール等の低級アルコール、アセ
トニトリル等が挙げられる。 また、第二の溶剤として
は、用いる酸ハライド化合物をよく溶解し、他方、用い
る微多孔性支持膜を溶解しない有機溶剤であればよく、
例えば、n−ヘキサン、石油エーテル、種々の脂肪族炭
化水素の混合系からなる有機溶剤が好ましく用いられ
る。
【0021】本発明においては、上述のように、微多孔
性支持膜上に第一と第二の層を形成した後、必要に応じ
て加熱乾燥してもよい。 この加熱乾燥条件は、用いる
化合物の種類により適宜決定でき、通常、60〜 180℃
で、10秒〜30分である。
【0022】また、上記重合体薄膜を得る過程でハロゲ
ン化水素が副生する場合は、上記第一の溶液中に酸受容
体を存在させて、重縮合反応を促進させることが好まし
い。このような酸受容体としては、トリエチルアミンの
ようなアミン類や、水酸化ナトリウム等を用い、あるい
は触媒として第4級アンモニウム塩、アシル化触媒、相
間移動触媒等を用いることも有益である。
【0023】
【発明の効果】本発明による複合逆浸透膜は、特定構造
を有する多官能酸ハライド化合物を酸成分として得られ
る重合体を主成分とする薄膜が、支持体上に形成されて
なるため、低圧操作によって高い脱塩性と水透過性を有
すると共に、耐塩素性に優れ、例えば、かん水、海水等
の脱塩による淡水化や、半導体の製造に必要とされる超
純水の製造等に好適に用いることができる。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
なお、微多孔性支持膜としては、ポリスルホン系限外濾
過膜を用いた。 得られた複合逆浸透膜の性能は、複合
逆浸透膜に、操作圧力15kg/cm2、温度25℃にて塩化ナト
リウム1500ppm を含有するpH6.5 の水溶液を1時間透
過させた後、塩化ナトリウム除去率、透水速度を測定し
た。塩化ナトリウム除去率は、通常の電導度測定によっ
た。
【0025】実施例1 〔酸ハライド化合物の製造〕シクロペンタン−(1α,
2β、4α)−トリカルボン酸クロライドを以下の方法
で得た。シクロペンタン−(1α,2β、4α)−トリ
カルボン酸、及びシクロペンタン−(1α,2α、4
α)−トリカルボン酸の2種の異性体を含む原料と、塩
化チオニル(カルボン酸1つにつき2倍モル)とDMF
1滴を、ヘプタン中に入れ、60℃に加熱した。 この
温度で4時間反応させた後、冷却した。 過剰の塩化チ
オニルを減圧蒸留した後、反応残渣よりヘプタンにて抽
出することで、目的とするシクロペンタン−(1α,2
β、4α)−トリカルボン酸クロライドを得た。
【0026】得られたシクロペンタン−(1α,2β、
4α)−トリカルボン酸クロライドを 1H−NMRで分
析した結果、〔化3〕において隣接する位置1、2のカ
ルボン酸クロライドのなすねじれ角は、φ=180°で
あった。
【0027】
【化3】
【0028】〔複合逆浸透膜の製造〕m−フェニレンジ
アミンを2.0重量%、トリエチルアミンを2.0重量
%、カンファースルホン酸を4.0重量%、ドデシル硫
酸ナトリウムを0.25重量%含む水溶液を、微多孔性
支持膜に塗布した後、上記で得たシクロペンタン−(1
α,2β、4α)−トリカルボン酸クロライドを0.2
0重量%含むヘキサン溶液と接触させ、支持膜上に重合
体薄膜を形成させて複合逆浸透膜を得た。 得られた複
合逆浸透膜の性能を評価したところ、塩の除去率は9
9.6%、透水速度は0.5t/m2日であった。
【0029】比較例1 シクロペンタン−(1α,2β、4α)−トリカルボン
酸クロライドを、シクロペンタン−(1β,2β、
β)−トリカルボン酸クロライド(φ=0〜±30°)
に変更した以外は、実施例1と同様にして得られた複合
逆浸透膜の性能は、塩の除去率は67.3%、透水速度
は0.6t/m2日であり、実施例1と比較して除去率が極
めて低かった。
【0030】実施例2 〔酸ハライド化合物の製造〕シクロブタン−(1α,2
β、3α、4β)−テトラカルボン酸クロライドを以下
の方法で得た。シクロブタン−(1α,2β、3α、4
β)−テトラカルボン酸とシクロブタン−(1α,2
α、3α、4α)−テトラカルボン酸の異性体が混在す
る原料と、塩化チオニル(カルボン酸1つにつき2倍モ
ル)とDMF1滴を、60℃に加熱した。 この温度で
12時間反応させた後、冷却した。 過剰の塩化チオニ
ルを減圧蒸留した後、反応残渣よりヘプタンにて抽出す
ることで、目的とするシクロブタン−(1α,2β、3
α、4β)−テトラカルボン酸クロライドを得た。
【0031】〔複合逆浸透膜の製造〕m−フェニレンジ
アミンを2.0重量%、トリエチルアミンを3.0重量
%、カンファースルホン酸を6.0重量%、ドデシル硫
酸ナトリウムを0.15重量%含む水溶液を、微多孔性
支持膜に塗布した後、上記で得たシクロブタン−(1
α,2β、3α、4β)−テトラカルボン酸クロライド
を0.1重量%含むヘキサン溶液と接触させ、支持膜上
に重合体薄膜を形成させて複合逆浸透膜を得た。得られ
た複合逆浸透膜の性能を評価したところ、塩の除去率は
98.7%、透水速度は1.1t/m2日であった。
【0032】また、上記膜を、100ppmの次亜塩素
酸ナトリウム水溶液で約91時間処理し、再度膜を評価
したところ、塩の除去率は96.7%、透水速度は2.
7t/m2日で、膜性能の低下はほとんど見られず、耐塩素
性に優れていることを確認した。
【0033】比較例2 シクロブタン−(1α,2β、3α、4β)−テトラカ
ルボン酸クロライドを、シクロブタン−(1α,2α
3α、4α)−テトラカルボン酸クロライド(φ=0〜
±30°)に変更した以外は、実施例2と同様にして得
られた複合逆浸透膜の性能は、塩の除去率が97.1
%、透水速度0.9t/m2日であった。
【0034】また、上記膜を、100ppmの次亜塩素
酸ナトリウム水溶液で約40時間処理し、再度膜を評価
したところ、塩の除去率は19.3%、透水速度は1
7.9t/m2日となり、塩の除去率が著しく低下した。
【0035】実施例3 〔酸ハライド化合物の製造〕シクロペンタン−(1α,
2β、3α、4β)−テトラカルボン酸クロライドを以
下の方法で得た。多種異性体を含むシクロペンタン−
(1,2、3、4)−テトラカルボン酸と、塩化チオニ
ル(カルボン酸1つにつき2倍モル)とDMF1滴を、
60℃に加熱した。 この温度で2時間反応させた後、
冷却した。 過剰の塩化チオニルを減圧蒸留した後、反
応残渣よりヘプタンにて抽出することで、目的とするシ
クロペンタン−(1α,2β、3α、4β)−テトラカ
ルボン酸クロライドを得た。
【0036】得られたシクロペンタン−(1α,2β、
3α、4β)−テトラカルボン酸クロライドを 1H−N
MRで分析した結果、隣接する位置1と2、2と3、3
と4のカルボン酸クロライド基のなすねじれ角は、φ=
180°であった。
【0037】〔複合逆浸透膜の製造〕m−フェニレンジ
アミンを2.0重量%、トリエチルアミンを2.0重量
%、カンファースルホン酸を4.0重量%、ドデシル硫
酸ナトリウムを0.15重量%含む水溶液を、微多孔性
支持膜に塗布した後、上記で得たシクロペンタン−(1
α,2β、3α、4β)−テトラカルボン酸クロライド
を0.25重量%含むヘキサン溶液と接触させ、支持膜
上に重合体薄膜を形成させて複合逆浸透膜を得た。 得
られた複合逆浸透膜の性能を評価したところ、塩の除去
率は99.2%、透水速度は0.6t/m2日であった。
【0038】また、上記膜を、100ppmの次亜塩素
酸ナトリウム水溶液で約109時間処理し、再度膜を評
価したところ、塩の除去率は97.2%、透水速度は
0.8t/m2日で、膜性能の低下はわずかであり、耐塩素
性に優れていることを確認した。
【0039】比較例3 シクロペンタン−(1α,2β、3α、4β)−テトラ
カルボン酸クロライドを、シクロペンタン−(1α,2
β、3α、4α)−テトラカルボン酸クロライド(φ=
0〜±30°)に変更した以外は、実施例3と同様にし
て得られた複合逆浸透膜の性能は、塩の除去率が99.
0%、透水速度0.8t/m2日であった。
【0040】また、上記膜を、50ppm次亜塩素酸ナ
トリウム水溶液で26時間処理し、再度膜を評価したと
ころ、塩の除去率は68.0%、透水速度は4.9t/m2
日となり、弱い塩素処理条件にもかかわらず、塩の除去
率が著しく低下した。
【0041】実施例4 〔複合逆浸透膜の製造〕m−フェニレンジアミンを2.
0重量%、トリエチルアミンを2.0重量%、カンファ
ースルホン酸を4.0重量%、ドデシル硫酸ナトリウム
を0.15重量%含む水溶液を、微多孔性支持膜に塗布
した後、実施例3でで得たシクロペンタン−(1α,2
β、3α、4β)−テトラカルボン酸クロライドを0.
15重量%、及びイソフタロイルクロライドを0.22
5重量%含むヘキサン溶液と接触させ、支持膜上に重合
体薄膜を形成させて複合逆浸透膜を得た。 得られた複
合逆浸透膜の性能を評価したところ、塩の除去率は9
9.4%、透水速度は0.4t/m2日であった。
【0042】また、上記膜を、50ppmの次亜塩素酸
ナトリウム水溶液で約47時間処理し、再度膜を評価し
たところ、塩の除去率は99.7%、透水速度は0.7
t/m2日で、膜性能の低下は見られず、耐塩素性に優れて
いることを確認した。
【0043】比較例4 シクロペンタン−(1α,2β、3α、4β)−テトラ
カルボン酸クロライドを、シクロペンタン−(1α,2
β、3α、4α)−テトラカルボン酸クロライド(φ=
0〜±30°)に変更した以外は、実施例4と同様にし
て得られた複合逆浸透膜の性能は、塩の除去率が99.
7%、透水速度0.7t/m2日であった。
【0044】また、上記膜を、実施例4と同様に次亜塩
素酸ナトリウム水溶液で処理し、再度膜を評価したとこ
ろ、塩の除去率は49.0%、透水速度は6.0t/m2
となり、塩の除去率が著しく低下した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木原 康夫 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 前田 政利 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 中薗 豊 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 小島 勝秀 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 池端 永 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 松本 憲嗣 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜とこれを支持する微多孔性支持体と
    からなる複合逆浸透膜において、上記薄膜が、下記〔化
    1〕において隣接する酸ハライド基(R及びR’)の相
    対位置を示すねじれ角(φ)が、IUPAC勧告による
    配座の表示に従い、 【化1】 φ=0°〜±30°(±synperiplanar) 以外の位置関係にある酸ハライド化合物と、−NHR基
    (Rは水素、又は炭素数1〜4のアルキル基)、−SH
    基、−OH基から選ばれる基を少なくとも2つ有する化
    合物とから形成される重合体を主成分とすることを特徴
    とする複合逆浸透膜。
JP15284892A 1992-05-19 1992-05-19 複合逆浸透膜 Pending JPH05317670A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009536874A (ja) * 2006-05-12 2009-10-22 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド 改質膜

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009536874A (ja) * 2006-05-12 2009-10-22 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド 改質膜
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