JP3000104B2 - 身体組織上の本来の部位にフィルムを形成する組成物及び方法 - Google Patents

身体組織上の本来の部位にフィルムを形成する組成物及び方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本出願は現在放棄されている、1988年5月2日に出願
した本発明者の米国特許出願第189,032号の部分継続出
願である1988年7月25日に出願した同時係属国際特許出
願PCT/US88/02515号の一部係属出願である。
本出願は身体組織の本来の部位の治療用組成物及び方
法に関する。
もう一つの局面において、本発明は前記組成物の製造
におけるヒドロキシプロピルセルロース(HPC)の使用
及びHPCから製造された前記組成物の使用に関係があ
る。
もう一つの局面によれば、本発明は、その上に粘着性
のフィルムを形成することによる、皮膚、粘膜性組織及
びその他の湿った組織の治療方法に関する。
もう一つの局面において、本発明は身体組織上の本来
の部位にフィルムを形成する組成物及び方法に関し、そ
のフィルムは身体組織上の治療部位に及び治療部位上に
前記薬剤を保持するため、薬効のあるかつ化粧品用の成
分のための有効な持続解除担体である。
身体組織の局部的治療において、治療部位に接触する
治療組成物を保持することにおいて問題に遭遇する。
身体組織の局部的治療において治療部位及び取り囲む
組織の正常な動きから生じる問題は、治療部位のすりむ
き又は灌注と同様に、局部の組成物が動かされることを
引き起こす。
粘膜性の組織の場合には、数分間以上治療部位に治療
組成物を保持することは実用上不可能であると考えられ
る。粘膜性の組織は無毛性で初めに湿っており、このこ
とはこれらの組織に治療組成物を粘着的に固定する試み
を妨げる。
苦痛を弱めるために局部的麻酔剤を使用することが知
られている。例えば、ベンゾカインを含有する商業的に
入手できる調合剤が広く知られている。しかしながら、
これらは口中に密着したフィルムを形成しなく、また唾
液及び取り囲んでいる組織の物理的な動きによって潰瘍
部位から容易に動かされる。本質的にカルボキシメチル
セルロースナトリウムとペクチンからなる口腔に使用す
るための口内軟膏基剤が提案されてきた。しかしなが
ら、該軟膏は数時間にまで潰瘍と接触している局部的の
鎮痛剤を保持するという根本的問題を解決するまで十分
に持続するとは考えられない。
粘膜性の潰瘍のための局部的粘着性調剤もまたカカオ
脂の油性の芯の中に運びこまれた薬剤を含めてヒドロキ
シプロピルセルロースの粘着性の周辺部層を有する2相
錠剤の形で提案されてきた。この考案物は30分〜6時間
犬の粘膜に粘着する。
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)とポリ酢酸ビ
ニルの混合物が薬剤用フィルム形成担体として提案され
てきたが、しかし局部的薬剤の口内適用のため前記の系
を使用することは全く起らなかった。
鎮痛剤と抗生物質を含有するヒドロキシプロピルセル
ロースの成形済みフィルムが白板症の傷みの治療のため
に逸話的に報告されてきた。
アルキルセルロース及び/又はセルロースエーテル化
合物がさまざまな薬剤用のシックナー又は軟膏基剤とし
て使用されてきた。例えば、メチルセルロースと信じら
れるアルキルセルロースが、Tinnelの米国特許第4,381,
296号に記述されている局部的薬剤組成物用担体及び軟
膏基剤として使用された。ヒドロキシメチルセルロース
及び/又はヒドロキシプロピルセルロースがBoghosian
らの米国特許第4,244,948号の局部的座瘡薬剤の適用の
ためゲルを生成するために使用された。またヒドロキシ
プロピルセルロースから成形された水溶性セルロースが
Marksらの米国特許第4.434,181号の乳頭浸液組成物の殺
菌剤用担体として使用された。
これまで頻発するアフタ性の口内炎(RAS)潰瘍に伴
なう傷みの軽減はアルコール−メチルセルロース担体中
のTinnelの'296特許の薬剤組成物によって一時的に軽減
されることがわかった。しかしながら、さらに最近、主
要鎮痛効果は食物、唾液などによる潰瘍のそれ以上の損
傷に対する障壁として作用し、障壁を形成する保護フィ
ルムによることが証明された。その上、いまや障壁フィ
ルムの形成は、アルコール系溶媒の蒸発によって、セル
ロース系物質それ自体の単純な析出によるよりもむし
ろ、Tinnelの'296特許の薬剤組成物とセルロース系シッ
クナーの化学反応によることがわかっている。さらに、
いまやTinnelの'296特許の薬剤を含有する商業的に入手
できるゲルのセルロース系成分は、実際上、以前に考え
られていたようなメチルセルロースよりはむしろヒドロ
キシプロピルセルロースであることが発見された。つい
に、本発明者はフィルム形成の機構はヒドロキシプロピ
ルセルロースに特有であることを確定した。密接に関係
のあるアルキル又はヒドロキシアルキル−置換セルロー
ス、例えばメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース及びヒドロキシブチルセルロースはHPCの適切な代
替品ではない。
HPCから誘導されたフィルムの障壁効果は、アフタ性
及び別の潰瘍並びに障害に伴う傷みの実際上の即座のか
つ永続する実質的な軽減を与える。フィルムの障壁作用
によるこの痛みの解除及び防止活性は、潰瘍部位に鎮痛
剤、例えばベンゾカインを与えることが必要であるとい
う従前の信頼にかんがみて非常に驚くべきことである。
本発明者は更に身体組織の本来の部位にHPC誘導フィ
ルムを形成するための組成物がさまざまな薬剤成分に対
する安定な担体としても機能しうることも発見した。前
記組成物が身体組織に対する治療に使用されるとき、薬
剤成分はその結果形成されたフィルム中に生じるものと
して混入され、そこから薬剤は治療部位に薬剤の持続し
た供給を与えるために放出される。
要するに、本発明に従って、本発明者は人体組織の局
部的治療のためにフィルム形成性組成物の製造にHPCを
使用する。本組成物はヒドロキシプロピルセルロース、
エステル化剤、及びHPCと酸の反応のための媒質として
機能しまた適用を都合よくするためゲル又は外用水薬の
形にエステル化反応生成物を保持するために機能する適
切な揮発性の溶媒を含む。前記組成物は特に外部の原
因、例えば切り傷、すり傷、切開及びやけど、同様に細
菌及びカビの感染症及び未知病因の潰瘍からの皮膚及び
粘膜性組織の障害の治療に使用される。
都合よくは、溶媒はアルコール系、例えばエチル、イ
ソプロピル又はメチルアルコールである。特定の溶媒は
HPC及びエステル化剤を溶解する能力並びに治療部位に
組成物を使用するまで溶液又は懸濁液中にエステル化生
成物を保持する能力に関して選択される。明らかに、溶
媒は使用される量で身体に有毒であってはならない。
エステル化剤は、都合よくは、実質的に無毒性である
弱カルボン酸である。具体的な酸又は酸類はエステル化
反応生成物(下記参照)を生成するためにHPCと反応す
る能力に関して選ばれる。エステル化反応生成物は貯蔵
温度、例えば40〜80゜Fで反応混合物中に溶解するが、
体温で又は体温近く及び体温以上で体液に不溶である。
適切な弱有機酸としてはサリチル酸及びタンニン酸並び
にその混合物が挙げられる。ほかの適切なエステル化剤
は、本開示に配慮を有する当技術に精通している者によ
って同一であることが確認されうる。
本発明のもう一つの実施態様に従って、本発明者は上
記のフィルム形成組成物及び生物学的に活性な局部的治
療成分、化粧剤、又は薬剤を含む組成物を提供する。生
物学的に活性な成分は、身体組織の治療部位に医学上効
果的である量の局部的治療剤を与えるために、フィルム
形成性成分及びそれから形成されたフィルムに物理的に
混入される。混入された生物学的に活性な成分はこのよ
うにして、組織の物理的移動によって、すりむき又は体
液による灌注によって動かされるよりはむしろ、それら
が意図する医学的状態を治療するために効果的である時
間組織と接触して保持される。フィルムは治療の効果を
増大する持続した解除体系を提供する徴候がある。HPC
誘導フィルムは不活性であって局部的治療剤の正常な作
用を妨害しない。
本発明者の現在の見解によれば、本組成物のエステル
化成分はHPCの少なくとも一部をエステル化する。この
エステル化反応は明らかに主として液媒担体の乾燥で起
る。本組成物のHPC及び酸成分は、身体組織に本組成物
を適用するに先立って溶液中に生成するどのようなエス
テル誘導体とも同様に、正常な前適用及び貯蔵条件のも
とで室温において溶媒担体に可溶である。しかしなが
ら、本組成物の適用及び溶媒の風乾で、それ以上のエス
テル化によって、フィルムが本来の部位に形成され、そ
れは約37℃の正常な体温及び体温以上で体液に不溶であ
る。
目下本発明の好ましい実施態様において、本発明者は
また本発明の組成物中に無毒性の弱い架橋剤を混入す
る。その結果本来の部位に生じたフィルムは前記架橋剤
なしの組成物から形成される前記フィルムよりやや強靱
で更に弾力がありまた身体組織により良い接着性を有す
る。セルロース系化合物に対する薬品、特定の薬品は組
成物の適用に先立つ不溶性の塊の早すぎる生成を避ける
ように選ばれる。現在の知識によれば、ホウ酸は本発明
の実施に使用するためにふさわしい効果的な架橋剤であ
る。この体系によって結合されることを望まないが、架
橋剤はエステル化されない水酸基を身体組織に適用後組
成物の乾燥と同時に形成されるフィルムに結合するよう
に思われる。この所信は、組成物中に架橋剤なしに、溶
媒の乾燥と同時に2枚のフィルムが現実に生成し、その
中の一つはエステル化されたHPCのフィルムであると信
じられ、またもう一方はエステル化されていないHPCの
強靱性の少ないフィルムであるという観察に基づいてい
る。架橋剤の存在はこれら2枚のフィルム層を結合し、
その結果身体組織の元の部位に形成されるいっそう強
靱、丈夫かつ耐久性のフィルムを生じる。
HPC誘導フィルムはエチルアルコール及び類似の無毒
の揮発性溶媒、例えばイソプロピルアルコールなどに可
溶であるが、水及び水含有体液、例えば正常なヒトの体
温の唾液に不溶である。溶液の蒸発によって形成される
フィルムは丈夫、弾力的で身体組織に粘着性であって空
気、ほかの体液及び異質の物質に対して保護障壁を形成
する。
弱カルボン酸と反応して本発明に従うフィルムを形成
するセルロース系化合物は、体温と同等又はそれ以上の
温度で水及び水性体液に不溶であるフィルムを形成する
ためにカルボン酸成分と反応する能力に関して選択され
る。現在の知識によれば、ヒドロキシプロピルセルロー
ス(HPC)が適している。前記セルロース系化合物は商
業的に入手でき、例えばAqualon社の登録商標“Klucel"
の名のもとに販売されている製品である。製品Klucelの
タイプ“MF"が特に好適である。
HPCの溶液を生成するための溶媒はHPC及びHPCエステ
ルを溶解する能力並びに組成物が保護フィルムを形成す
るために必要な量適用されるときそのものの無毒特性に
関して選ばれる。例えば、エチルアルコールはフィルム
が口腔内に析出させられるときに好ましく、だが一方イ
ソプロピルアルコールは皮膚上にフィルムを析出するこ
とに使用するために適している。ほかの適切な溶媒、例
えば身体組織と医学的に適合しうる揮発性の極性溶媒は
本明細書中の開示に対する配慮を有する当技術に精通し
ている者によって容易に同一であることを確認されるで
あろう。
本組成物の特定のエステル化剤成分は、組成物の風乾
と同時に、身体組織に粘着する丈夫な弾力のあるフィル
ムを形成するためにHPCと反応するための能力に関して
選ばれる。強カルボン酸、例えば酢酸、クエン酸などは
この結果を与えない。しかしながら、弱カルボン酸、特
にサリチル酸、タンニン酸など及びその混合物は効果的
に機能する。本来の部位でのフィルム形成能力は体温で
の水及び水性体液へのHPC誘導体の溶解度に関係がある
と思われる。それゆえに、非毒性であり前記不溶性のフ
ィルムを形成する能力を有するどのような前記弱カルボ
ン酸も効果的に使用することができ、前記弱酸の選択は
この開示に対する配慮を有するこの技術に精通している
者の能力の範囲内にある。サリチル酸とタンニン酸は本
発明の実施において特に効果的であるとして同一視され
てきた。実際上、これらの酸のどちらか単独で効果的で
ある本来の部位に析出したフィルムを提供するけれど、
本発明のフィルム形成組成物中のこれら二つの酸の混合
物は粘着力及び機械的完全さに関してよりすぐれたフィ
ルムを製造する。
組成物の蒸発によって形成されるHPCのフィルムは明
らかに“物理的フィルム”であり、すなわちセルロース
系化合物は重合しない。これらのフィルムの物理的特性
の証拠は、いったん形成された前記フィルムが同じ部位
にその組成物を更に適用すると同時に簡単に再溶解する
という事実によって与えられる。
フィルム形成組成物はどのような便利な技術、例えば
噴霧、浸漬又は綿棒による単純な直接適用によっても身
体組織に適用することができる。
本発明の現在好ましい実施態様によれば、HPC成分は
最終組成物の約0.1〜20重量%の量で溶液中に存在す
る。組成物中のHPCの割合は風乾のため及び丈夫な粘着
性のフィルムを形成するため組成物に必要とされる時間
に影響する。HPC成分の含量が低いと、組成物はよりゆ
っくり乾燥するが、その結果生じるフィルムはいっそう
密着性でかつ耐摩耗性である。高含量では、フィルムが
風乾によってより迅速に形成されるが、適用された組成
物の表面と身体組織表面のフィルムの部分が異なる速度
で乾燥するという事実によって密着性と粘着性が小さ
い。
目下、本発明者は最終組成物中におよそ0.1〜10重量
%のHPCを使用したい。かかる組成物は流れやすい液体
と全く異なった、容易に適用されるゲルを提供する。最
善の結果はゲル組成物中に約2.5重量%のHPCをもつ組成
によって得られる。組成物中のカルボン酸成分は単一の
酸、単独又は別の弱カルボン酸との組合せでありうる。
しかしながら、単独で存在しようと組合せで存在しよう
と、カルボン酸の割合は組成物の約1〜約10重量%に変
化することができ、最適濃度はこの範囲の上の部分に接
近している。事実、高い割合のカルボン酸はフィルム形
成を感知できるほど妨害しないという徴候がある。低い
領域では、フィルムはよりゆっくり形成されて密着性が
小さい。
組成物は主として身体組織に対して特定の領域に集中
して適用され、風乾されて本来の部位にフィルムを形成
し、組織に粘着的に確保される。ぬれた又は湿った組織
に対して適用されるとき、最善の結果のために、組成物
を適用する前に身体組織の表面から水、湿気又はその他
の体液をちょうどそれだけを除去する処置を講じるべき
である。例えば、口の中へ適用されるとき、粘膜性の組
織を実質的に乾燥するため標準の歯科手順が使用され、
溶媒のより迅速な蒸発及びフィルムの形成を促進するた
めに適用された組成物の表面に空気が引き寄せられたり
吹き付けられる。
組成物は頻発するアフタ性の口内炎を含む粘膜のアフ
タ性の潰瘍の治療に特に有用であることが見出された。
この処置は形成処置及び予め特定の部位に集中する処置
における前記潰瘍に伴う強烈な痛みの本質的に即座のか
つ永続する解除を提供する。前記の痛みを軽減するのに
最も効果的であることが見出された特別の組成物は、HP
C、溶媒エチルアルコール、弱カルボン酸成分としてタ
ンニン酸とサリチル酸の混合物及び架橋剤としてホウ酸
を含んでいる。組成物は綿棒で潰瘍及び取り囲む粘膜の
表面に直接適用され、患者が口を通して正常に息をする
ことを単に確実にすることによって風乾される。フィル
ムは潰瘍の部位及び取り囲む粘膜組織上に数時間以上長
時間にわたって粘着して残る。その上、空気、唾液など
の排除によって得られた潰瘍からの最初の痛みの解除は
この長い残留期間中継続し、オレンジジュースのような
食品を灌注することによって潰瘍をわざと傷つけること
によって痛みの開始を引き起こすための繰返された試み
にもかかわらず痛みの再発をなおいっそう妨害する。
実施例 1 下記の成分を示された割合で混合することによって組
成物を調製する。
成 分 重量% エチルアルコール 87 ヒドロキシプロピルセルロース 2.5 タンニン酸 7.0 サリチル酸 2.5 ホウ酸 1.0 実施例 2 実施例1の組成物をカルボキシメチルセルロースナト
リウム及びペクチン基剤中にベンゾカインを含有する組
成物である、各称“Orabase"のもとに販売されている商
業的に入手できる医薬と比較して痛み軽減能力について
試験する。
頻発するアフタ性の口内炎に苦しむその他の点では健
康な20人のヒト被験者を各々10構成員の試験グループと
対照グループに分ける。
アフタ性の潰瘍及び取り囲む健康な粘膜組織からなる
比較試験部位を各被験者の口内に選定する。これらの部
位を蒸溜水が灌注し次いで綿ガーゼ綿棒で注意深く乾燥
することによって準備する。
本実施例によって調製した組成物を薄いコーティング
として試験グループの口内の準備されたアフタ性の潰瘍
部位に適用し、対照医薬Orbaseの類似した薄いコーティ
ングを対照グループの口内のアフタ性潰瘍部位へ適用す
る。
試験グループ及び対照グループの両方の患者は2分間
口を通して正常に呼吸することを要求され、その時点の
後実施例1の組成物が試験グループの患者の口内で乾燥
されてアフタ性の潰瘍部位上にフィルムを形成すること
に気づく。
試験患者及び対照患者に関する観察は、試験組成物が
適用2時間後80%の試験被験者の口内のきまった場所に
依然存在するが、しかるに一方対照医薬は対照グループ
の全被験者の潰瘍部位から完全に消失することを証明す
る。
実施例 3 潰瘍部位の準備の寸前に、試験患者と対照患者の両方
の口内のアフタ性の潰瘍をオレンジジュースの適用によ
って傷つけることを除いで、実施例2の手順を繰返す。
痛みの発生が1時間にわたって臨床的に観察され、この
後で処置された潰瘍をもう一度オレンジジュースで傷つ
ける。痛みの情報がその上3時間継続する。
試験グループ及び対照グループの両方において、全患
者が最初の障害後痛みの大きな増大を経験し、続いて試
験組成物及び対照組成物の両方の適用直後に痛みの温和
乃至顕著な軽減を経験する。
第2の障害で、本発明の組成物で処置される試験グル
ープの患者は痛みの増大を全く経験しなくて次の3時間
温和乃至実質的な痛みの軽減を経験し続ける。しかしな
がら、対照グループの患者は第2の傷害で痛みの大きな
増大を経験し、続く3時間の間じゅうほんの僅か軽減す
るだけである。
実施例 4 組成物が、それぞれ、タンニン酸10%、サリチル酸10
%及びホウ酸7%を含有することを除いて実施例1〜2
の手順を繰返した。これらの組成物は両方とも実施例2
及び3に述べたのと匹敵する結果を生じる。
実施例 5 架橋剤であるホウ酸を上述の実施例の組成物から除外
する。本来の部位に析出したこれらの組成物から形成さ
れたフィルムは実際に2層からなり、機械的に分離可能
である。これらの2層のフィルムは痛みの治療には有効
であるが、持続性が小さい。
実施例 6 治療的に有効量のさまざまな薬剤を実施例1の組成物
中に混合する。その結果生じる混合物は貯蔵安定性(sh
elf−stable)があり、身体組織に局部的に適用され風
乾されて、医薬を含有する弾力のある粘着性のフィルム
を形成し、治療部位へ移動し所望の治療を効果的に成し
遂げる。
麻酔剤 ベンゾカイン ジクロニン塩酸塩 ヘキシルカイン塩酸塩 塩酸プラモキシン ピクリン酸ブテシン 塩酸テトラカイン 抗炎症剤 ヒドロコーチゾン 吉草酸ベタメタゾン トリアムシノロンアセトニド フルオシノニド デキサメタゾン 酢酸メチルプレドニゾン 抗生物質 クリンダマイシン エリスロマイシン スルホサリチル酸メクロシクリン テトラシクリン クロロヘキシジン ネオマイシン ポリミキシンB硫酸塩 バシトラシン スルファジジン 抗カビ剤 クロトリマゾール ミコナゾール ニスタチン アシクロビス インターフェロン ビダサビン ベタジン 種々雑多の局部薬剤 サリチル酸 イソトレチノイン 真性アロエ ジプロピオン酸アルクロメタゾン カプリル酸 リンデーン P.A.B.A. インターフェロン アルミニウム塩化水素塩 実施例 7 Mckenzie及びStoughtonによってArch.Dermatol 1962;
86:608〜610及び更に最近Arch.Dermatol 1985;121:63〜
67に記述された局部的医薬の経皮的吸収を測定する方法
を実施例1のフィルム形成組成物に混合したさまざまの
局部的医薬の臨床的効率を評価するために使用した。
この方法によれば、被験者の前腕の屈曲面に清潔にさ
れ、およそ10mgの試験材料がはっきりと印をつけられた
8cm2の局部に適用される。4種の組成物を各腕の4つの
異なる8cm2の局部上で、被験者当り合計8組成物につい
て評価する。組成物を午後4時に適用し一夜きまった場
所に保持させる。午前8時に試験部位を石鹸と水でおだ
やかに洗浄し洗浄後2時間読み取る。蒼白度を4点段階
標準で決定する。20人の被験者を試験部位上に置かれた
通気防護物をもつ下記の8組成物を評価するために使用
し、10人の被験者を試験部位上に置かれた防護物なしの
組成物を評価するために使用した。試験した組成物は: 実施例1、プラス: 1. 1%ヒドロコルチゾン 2. 0.5%ヒドロコルチゾン 3. 0.05%ジプロピオン酸ベタメタゾン 4. 0.1%トリアムシノロンアセトニド 商業的クリーム組成物 5. Aristocort 0.1% 6. Kenalog 0.1% 7. Hytone 1.0% 8. Httone 0.5% の組成物 使用する4点段階標準は: 無蒼白 =0 温和な蒼白=1 適度の蒼白=2 強烈な蒼白=3 各組成物に対する被験者の試験点数はその組成物に対
し全点数を与えるように摘要する。
各組成物に対する点数の比較は、全ての場合に組成物
1、2、3及び4は防護物があってもなくても、活性医
薬の本質的に同じ皮膚浸透を与えるということを示す。
その上、組成物5と6の場合には全点数は防護物つきよ
りも防護なしの被験者では半分より少ない。組成物7と
8の場合には防護物付きとなしの全点数はおおよそ等し
く、しかもまた防護物なしの組成物1及び2とおおよそ
等しい。
これらの結果は活性な成分(実施例1〜4)を含有す
る本来の位置のフィルムは一夜持続されてすりむき、す
り込みなどによる移動に抵抗し、その中の活性な医薬は
下にある組織へ効率的に移動することを証明した。
実施例 8 抗生物質を維持しそして効率的に解除することに対す
る実施例1のフィルム形成組成物の能力をその中にネオ
マイシンを1%混合することによって説明した。この組
成物を毛のないマウスの皮膚(10実施)及びブドウ状球
菌staph.aureusを接種した寒天板(4実施)に対し組成
物を適用することによって市販の1%ネオマイシンと比
較した。各実施の抑制(mm)の比を各組成物に対し全点
数を与えるように合計した。結果は: マウスの皮膚 寒天培地 実施例1+1.0%ネオマイシン 11 49 のフィルム形成組成物 市販の1%ネオマイシンクリーム 7 47 本発明を当技術に精通している者が理解できて実施で
きるように記述し、また現在好ましい実施態様を記述し
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−5160(JP,A) 特開 昭58−134019(JP,A) 米国特許4283393(US,A) Oral Pathology,Or al Medicine and Or al Pathology:vol.65 (No.6)p699−703(1988) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 9/70 CA(STN) MEDLINE(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】身体組織上の本来の部位に医薬フィルムを
    形成する組成物であって、該組成物が (a) ヒドロキシプロピルセルロース; (b) ヒドロキシプロピルセルロースと反応して段落
    (c)の溶媒に可溶であるが、体温で体液には不溶であ
    る反応生成物を生成するエステル化剤; (c) 前記ヒドロキシプロピルセルロース及び前記反
    応生成物用無毒性揮発性溶媒;及び (d) 上記(a)成分、上記(b)成分又は上記反応
    生成物とは別個の治療効果のある成分 を含むことを特徴とする組成物。
  2. 【請求項2】エステル化剤が弱有機酸である請求の範囲
    第1項記載の組成物。
  3. 【請求項3】エステル化剤がサリチル酸である請求の範
    囲第2項記載の組成物。
  4. 【請求項4】エステル化剤がサリチル酸とタンニン酸の
    混合物である請求の範囲第2項記載の組成物。
  5. 【請求項5】さらにホウ酸を含む請求の範囲第4項記載
    の組成物。
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