JP2996962B1 - 固定具 - Google Patents

固定具

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JP2996962B1 JP29204098A JP29204098A JP2996962B1 JP 2996962 B1 JP2996962 B1 JP 2996962B1 JP 29204098 A JP29204098 A JP 29204098A JP 29204098 A JP29204098 A JP 29204098A JP 2996962 B1 JP2996962 B1 JP 2996962B1
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Abstract

【要約】 【課題】 円孔部と円孔部の周縁に切り欠き部を有する
板材の取付孔に固定される固定具において、固定具の回
動を抑止するための係止孔を板材に設ける必要をなくす
と共に、取り外しを容易にする。 【解決手段】 基体11の両側には、下向きに湾曲した
一対の押圧翼部12を延設し、基体11の平坦な下面中
央には下向きに延びる脚部13を設ける。この脚部13
の下端に、基体11の下面に対して平行に、かつ、押圧
翼部12が延設された方向に対して垂直方向に一対の係
止突片14を突設する。さらに、脚部13の下端には、
係止突片14が突接された方向に対して垂直方向に、脚
部13の下端から基体11側へ向かって拡開した回動抑
止片15を設ける。この回動抑止片15は、取付孔の円
孔部では狭窄し、一方、取付孔の切り欠き部では拡開す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャーシやパネル
といった板材に、配線後の電線の束や、プリント配線板
等を取り付けるための固定具に関し、特に、その固定具
を板材に固定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、配線後の電線の束や、プリン
ト配線板等をシャーシやパネル等の板材に固定するため
の固定具が広く用いられている。このような固定具は、
電線束やプリント配線板等を把持する部分と、シャーシ
やパネル等の板材に固定される部分とを有している。本
発明は、板材に固定される部分に対する工夫である。
【0003】本出願人は、図9に示すような固定具を従
来提案している。ここで従来の固定具について具体的に
説明する。図9(a)は、従来の固定具の一例としての
電線束クランプ100を示す正面図であり、図9(b)
は電線束クランプ100の底面図である。
【0004】従来の固定具としての電線束クランプ10
0は、基体101、押圧翼部102、脚部103、係止
突片104、係止突起105、クランプ部材106を備
えている。基体101は矩形で薄板状に形成されてい
る。基体101の両側には、基体101から左右方向に
延びるように一対の押圧翼部102が設けられている。
尚、各押圧翼部102は下向きに湾曲している。そし
て、基体101および各押圧翼部102は全体として下
向きに湾曲した短冊状に形成されている。ここで、一方
の押圧翼部102の先端中央部には半球状の係止突起1
05が設けられている。
【0005】また、基体101の平坦な下面中央には下
向きに延びるように脚部103が設けられている。脚部
103の下端には、基体101の下面に対して平行に延
びるように一対の係止突片104が設けられている。
尚、各係止突片104は矩形で薄板状に形成されてい
る。
【0006】基体101の上部にはクランプ部106が
設けられている。このクランプ部106によって電線束
が把持されるのであるが、本発明と関連しないため説明
は省略する。このような電線束クランプ100は、図1
0に示すような板材800に固定される。板材800に
は、取付孔801と、係止孔802とが設けられてい
る。取付孔801は、円孔部801aと、当該円孔部8
01aの周縁に形成された2つの切り欠き部801bと
から構成されている。
【0007】電線束クランプ100を固定するときは、
上述した係止突片104が切り欠き部801bに挿通さ
れるように、脚部103を取付孔801の円孔部801
aに挿入し、脚部103を回動軸として電線束クランプ
100を回動させる。このとき、各押圧翼部102が板
材の表面801cに当接して弾性変形し、回動によって
切り欠き部801bのない円孔部801aの周縁部分に
係止突片104が圧接する。また、回動によって係止突
起105が係止孔802に嵌合し、電線束クランプ10
0の回動を抑止する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の固定
具にあっては、その回動を抑止するために、板材に対し
て、取付孔と共に係止孔を設ける必要が生じてくる。本
発明は、固定具の回動を抑止するための係止孔を板材に
設ける必要がない固定具であって、さらに、従来に比べ
て取り外しが容易な固定具を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上述した
目的を達成するためになされた請求項1に記載の固定具
は、略円形の円孔部と、当該円孔部の周縁に設けられた
切り欠き部とを有する板材の取付孔に挿入され、回動さ
れて板材に固定される固定具において、基体と、当該基
体の下面から突出し、取付孔の円孔部に挿入される脚部
と、基体に延設され、脚部が所定距離以上挿入されると
板材に当接して弾性変形する押圧翼部と、脚部の先端か
ら基体の下面に対し平行に突出し、脚部の挿入時には取
付孔の切り欠き部に挿通され、脚部を回動軸とした固定
具の回動及び押圧翼部の弾性変形によって、前記円孔部
の周縁部分に圧接し、押圧翼部と共に板材を挟持する係
止突片と、脚部の先端から係止突片と異なる方向に設け
られ、脚部から外側へ基体側に向かって広くなるように
拡開した弾性片であって、脚部の挿入時には取付孔の円
孔部に当接し弾性変形して狭窄し、固定具の回動によっ
て狭窄した状態で前記取付孔の切り欠き部に達すると、
拡開して固定具の回動を抑止する回動抑止片とを備える
ことを特徴とする。
【0010】本発明の固定具は、略円形の円孔部と、当
該円孔部の周縁に設けられた切り欠き部とを有する板材
の取付孔に挿入され、回動されて板材に固定される。こ
の作用について、以下詳しく説明する。まず最初に、係
止突片が円孔部周縁の切り欠き部に挿通されるよう基体
の下面から突出した脚部を取付孔の円孔部に挿入する。
係止突片は、脚部の先端から基体の下面に対し平行に突
出したものであり、この係止突片が板材の裏面に突出す
るまで脚部が挿入されると、基体から延設された押圧翼
部が板材の表面に当接して弾性変形し、固定具の挿入方
向に対し反対方向の抗力が働く。このように係止突片が
板材の裏面に突出するまで脚部が挿入された状態では、
係止突片と異なる方向に設けられた回動抑止片は、円孔
部に当接し弾性変形して狭窄する。例えば円孔部の縁や
内側面に当接して狭窄するという具合である。
【0011】そして次に、この状態から脚部を回動軸と
して固定具を回動させると、係止突片は、切り欠き部の
設けられていない円孔周縁部に圧接する。したがって、
押圧翼部と係止突片とで板材が挟持されることになり、
固定具の抜け止めがなされる。一方、回動抑止片は、固
定具の回動によって、回動抑止片が切り欠き部に達する
と、円孔部に当接して狭窄した状態から拡開した状態へ
移行するように設けられている。したがって、回動抑止
片が切り欠き部と係合し、固定具の回動が抑止される。
【0012】従来技術として上述した固定具では、固定
具の回動を抑止するため、押圧翼部の先端中央部に係止
突起を設け、この係止突起が嵌合する係止孔を板材に設
けていた。すなわち、板材に対し、取付孔に加えて係止
孔を設ける必要があった。これに対して、本発明におい
ては、従来より板材に設けられていた取付孔の形状に着
目した。つまり、抜け止めのための係止突片を挿通させ
るために設けられた円孔部周縁の切り欠き部を利用して
回動を抑止するのである。すなわち、挿通時には円孔部
に当接して弾性変形を生じて狭窄し、固定具を回動させ
ると、切り欠き部において拡開する回動抑止片を設け
た。これによって、板材には、回動を抑止するための係
止孔を設ける必要がなくなる。
【0013】また、本発明の固定具では、固定具の回動
を抑止する回動抑止片は、脚部に設けられており、従来
のように押圧翼部の先端に係止突起を設けた場合と比
べ、回動軸に近い位置で板材と係合する。したがって、
取り外しに際して固定具を回動させる場合、回動軸であ
る支点から板材との係合部である作用点までの距離が短
くなるため、従来よりも小さな力で固定具を回動させる
ことができる可能性が高くなる。これによって、固定具
の取り外しが容易になる。
【0014】なお、このように固定具の取り外しを容易
にするという観点からは、請求項2に示すように、回動
抑止片の切り欠き部との係合部分のうち回動抑止に係る
係合部分に対し、当該切り欠き部からの抗力の一部が回
動抑止片を狭窄させる方向に作用するよう構成するとよ
い。例えば図11(a)は、回動抑止片17が、取付孔
への脚部13の挿入に伴って円孔部83aに当接して狭
窄した様子を示し、一方、図11(b)は、回動抑止片
17が、固定具の回動によって取付孔の切り欠き部83
bにて拡開した様子を示している。なお、図11は、取
付孔上面での端面図である。
【0015】この場合、回動抑止片17は、その断面が
台形形状になっており、図11(b)において、板材と
の係合部に作用する板材からの抗力は、回動抑止片17
の傾斜した面に作用するため、その抗力の一部は、回動
抑止片17を狭窄させる方向に働く。したがって、固定
具を回動させた場合に、回動抑止片が速やかに狭窄し、
固定具の取り外しがさらに容易となる。
【0016】なお、回動抑止に係る係合部分が複数ある
場合、例えば右回りの回動を抑止する係合部分と左回り
の回動を抑止する係合部分があるような場合には、上述
した図11に示す例のように両方の係合部分にそれぞれ
作用する抗力の一部が回動抑止片を狭窄させる方向に働
くようにしてもよいし、一の係合部分に作用する抗力の
一部が回動抑止片を狭窄させる方向に働くようにしても
よい。
【0017】ところで、上述した係止突片の数は特に限
定されないが、従来と同様に脚部から左右対称に突設す
ることが一例として考えられる。この場合に、「係止突
片と異なる方向に」回動抑止片を設けるのであるから、
例えば係止突片の突設された方向に対して垂直な方向に
脚部から左右対称に回動抑止片を設けることが考えられ
る。
【0018】従来の固定具では、一般的に、一対の押圧
翼部のうち一方の押圧翼部に係止突起を設けるため、固
定具は一意に位置決めされることになっていた。すなわ
ち、固定具の取付方向が一方向に決定されてしまう。こ
れに対して、上述したように一対の係止突片に対し、垂
直に一対の回動抑止片を設ければ、固定具は、取付孔へ
の挿入後、90度回動させて位置決めすることになる
が、このとき、右回りに90度回動させてもよいし、左
回りに90度回動させてもよい。したがって、固定具の
取付方向は、二方向のいずれかを選択できることにな
る。
【0019】なお、回動抑止片は、取付孔の切り欠き部
で拡開するのであるが、このとき、請求項3に示すよう
に、回動抑止片は、取付孔の切り欠き部では弾性変形す
ることなく完全に拡開した状態にあるようにすることが
望ましい。切り欠き部で回動抑止片が拡開すれば回動を
抑止することができるのであるが、このとき弾性変形を
伴うような状態となっている場合、すなわち回動抑止片
が完全に拡開せず、途中で切り欠き部の周縁に当接して
しまっているような場合には、固定具の固定状態におい
て、回動抑止片に常に応力が発生することになり、固定
具の寿命が短くなる可能性が高くなる。そのため、回動
抑止片が切り欠き部で完全に拡開するようにする。これ
によって、固定具の固定状態において回動抑止片に応力
が発生することがなくなるため、固定具の寿命が短くな
ることを防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の
基板固定具1の左側面図である。図2は、基板固定具1
の正面図であり、図3は、基板固定具1の右側面図であ
る。また、図4(a)は、基板固定具1の底面図であ
り、図4(b)は、基板固定具1の平面図である。
【0021】固定具としての基板固定具1は、基体1
1、押圧翼部12、脚部13、係止突片14、回動抑止
片15、基板固定部22を備えている。基体11は矩形
の薄板状に形成されている。基体11の両側には、一対
の押圧翼部12が延設されている。押圧翼部12は、下
向きに湾曲しており、短冊状に形成されている。
【0022】また、基体11の平坦な下面中央には下向
きに延びるように脚部13が設けられている。脚部13
は、図1のB−B線断面図である図5(b)に示すよう
に、断面H状となっている。この脚部13の下端には、
基体11の下面に対して平行に、かつ、押圧翼部12が
延設された方向に対して垂直方向に一対の係止突片14
が突設されている。なお、係止突片14は、矩形の薄板
状に形成されている。
【0023】また、脚部13の下端には、脚部13の下
端から基体11側へ向かって拡開した回動抑止片15が
設けられている。この回動抑止片15は、荷重を加える
ことで弾性変形し脚部13方向へ狭窄する。基体11の
上部には、支柱21を介して基板固定部22が設けられ
ている。支柱21は、図1のA−A線端面図である図5
(a)に示すように、断面H型に形成されている。
【0024】基板固定部22は、台座部23、固定部2
4、バネ部27を備えている。台座部23は、矩形の薄
板状に形成されており、基体11と平行に設けられてい
る。固定部24は、台座部23の中央部から上方へ延び
るように設けられた軸部25と、この軸部25の中央部
付近に台座部23に平行な方向へ突出した基板係止片2
6とを備えている。
【0025】一方、バネ部27は、台座23から固定部
24の両側に位置するように配置されている。バネ部2
7は、湾曲部28、基板押し上げ部29、操作片30、
基板係止爪部31を備えている。湾曲部28は、図2の
正面図に示すように台座23の上面端部から設けられ、
固定軸24方向へ湾曲し、さらに、その反対方向へU字
型に湾曲している。この湾曲部28は弾性を有してい
る。基板押し上げ部29は、湾曲部28のU字型部分に
台座23と略平行な方向に突出するよう設けられてい
る。また、湾曲部28を介して操作片30が接続されて
いる。なお、図1に示すように、上述した湾曲部28及
び基板押し上げ部29は、固定部24の両側に一対に設
けられており、操作片30は、一対に設けられた湾曲部
28の先端に差し渡されて形成されている。操作片30
には、基板係止爪片31が固定軸24側に突設されてい
る。なお、図2に示すように、操作片30の上部から基
板係止爪片31の先端部分にかけて傾斜面32が形成さ
れている。
【0026】次に、本実施形態の基板固定具1の作用を
説明する。基板固定具1は、図6に示すように、シャー
シ80に固定された状態で、上述した基板固定部22に
よって、他の基板固定具90と共にプリント配線板91
を把持する。すなわち、基板固定部22における固定部
24の軸部25が挿通する孔を端部に設けたプリント配
線板91を用い、このプリント配線板91の片側が他の
基板固定具90にて支持された状態で、プリント配線板
91の端部の孔に固定部24の軸部25を挿通させるよ
うに上方からプリント配線板91がはめ込まれるのであ
る。
【0027】プリント配線板91がはめ込まれる際、プ
リント配線板91は、操作部30の上方の傾斜面32に
当接し、その結果、操作部30が、湾曲部28の弾性変
形によって固定部24から離れる方向(図6中に記号D
で示した方向)へ移動する。なお、図6中に移動した状
態を2点鎖線で示した。プリント配線板91が固定部2
4の基板係止片26に当接すると、操作部30が湾曲部
28の弾性によって元の位置に戻る。したがって、プリ
ント配線板91は、その端部を上方から基板係止爪部3
1にて支持されることになる。
【0028】一方、プリント配線板91を取り外す際に
は、操作部30に対し、固定部24から離れる方向(図
6中に記号Dで示した方向)への荷重をかける。これに
よって、操作部30は、湾曲部28の弾性変形を伴って
荷重をかけた方向に移動し、プリント配線板91の端部
を支持していた基板係止爪部31が外れ、同時に基板押
し上げ部29によってプリント配線板91の端部が上方
に押し上げられる。その結果、プリント配線板91は、
他の基板固定具90側を支点として、図6中の記号Eで
示す方向へ押し上げられることになる。
【0029】このように基板固定具1は、シャーシ80
に固定された状態でプリント配線板91を固定/取り外
しできるものであるが、基板固定具1の特徴部分は、シ
ャーシ80への固定部分にある。そこで、以下、基板固
定具1の特徴部分を詳細に説明する。
【0030】図7は、図6に示すシャーシ80に設けら
れた基板固定具1の取付孔81を示す斜視図である。シ
ャーシ80は厚さtの板状部材であり、取付孔81は、
円形の円孔部81aと、円孔部81aの周縁に設けられ
た切り欠き部81bとから形成されている。切り欠き部
81bは、所定ライン方向(図7中に記号Fで示す方
向)に一対に設けられている。
【0031】そして、基板固定具1がこの取付孔81に
挿入されるのであるが、係止突片14が取付孔81の切
り欠き部81bに挿通するように差し込まれる。係止突
片14が取付孔81の切り欠き部81bに挿通し、シャ
ーシ80の裏側に突出するまで基板固定具1が挿入され
ると、押圧翼部12がシャーシ80の表面81cに当接
し弾性変形する。したがって、基板固定具1を挿入方向
と逆方向への力、すなわちシャーシ80から離脱させる
方向への力が働くことになる。
【0032】ここで、基板固定具1を脚部13を回動軸
として90度回動させると、シャーシ80の裏側へ突出
した係止突片14は、切り欠き部81bの設けられてい
ない取付孔81の円孔部81aの周縁部分に圧接する。
押圧翼部12の弾性変形によって、挿入方向と逆方向へ
の力が働くからである。その結果、基板固定具1は押圧
翼部12と係止突片14とによってシャーシ80を挟持
した状態となり、基板固定具1の抜け止めがなされるこ
とになる。
【0033】一方、基板固定具1を取付孔81に挿入し
て回動させた場合の回動抑止片15の作用について図8
を参照して説明する。図8は、取付孔81をシャーシ8
0の表面81cから見た図であり、基板固定具1の挿入
状態を表面81cを断面として示した説明図である。
【0034】基板固定具1は、上述したように取付孔8
1に対し、係止突片14が取付孔81の切り欠き部81
bに挿通するように挿入される。図8(a)は、係止突
片14がシャーシ80の裏側へ突出するまで、基板固定
具1が挿入された状態を示している。この状態では、回
動抑止片15の外側面が取付孔81の円孔部81aに当
接し、回動抑止片15が内側方向に弾性変形して狭窄す
る。
【0035】この状態で基板固定具1が脚部13を回動
軸として90度回動する。ここで、図8(b)に示すよ
うに、回動抑止片15の幅wは、取付孔81の切り欠き
部81bの幅Wよりも若干小さめに形成されている。し
たがって、図8(b)に示すように、回動抑止片15
が、取付孔81の切り欠き部81bにて拡開する。その
結果、基板固定具1の回動が抑止される。
【0036】次に、本実施形態の基板固定具1の発揮す
る効果を説明する。従来の固定具としての電線束クラン
プ100においては、図9に示したように、一方の押圧
翼部102に係止突起104を設け、この係止突起10
4をシャーシ800と係合させて回動を抑止するように
していた。このため、シャーシ800には、取付孔80
1と共に係止孔802を設ける必要が生じていた。
【0037】これに対して、本実施形態の基板固定具1
では、従来より板材に設けられていた取付孔の形状に着
目した。つまり、抜け止めのための係止突片14を挿通
させるために設けられた円孔部81a周縁の切り欠き部
81bを利用して回動を抑止するのである。すなわち、
脚部13の挿入時には取付孔81の円孔部81aに当接
して弾性変形を生じて狭窄し、基板固定具1を回動させ
ると切り欠き部81bにおいて拡開する回動抑止片15
を設けた。これによって、回動を抑止するための係止孔
を設ける必要がなくなる。
【0038】また、本実施形態の基板固定具1では、基
板固定具1の回動を抑止する回動抑止片15は、脚部1
3に設けられており、従来の電線束クランプ100のよ
うに押圧翼部102の先端に係止突起105を設けた場
合と比べ(図9参照)、回動軸に近い位置でシャーシ8
0と係合して回動を抑止する。したがって、取り外しに
際して基板固定具1を回動させる場合、テコの原理によ
って、従来よりも小さな力で基板固定具1を回動させる
ことができる可能性が高い。これによって、基板固定具
1の取り外しが容易になる。
【0039】さらにまた、従来の電線束クランプ100
では、一対の押圧翼部102のうち一方の押圧翼部10
2に係止突起105を設けているため、電線束クランプ
100は、一意に位置決めされることになっていた。す
なわち、電線束クランプの取付方向が一方向に決定され
てしまう。
【0040】これに対して、本実施形態の基板固定具1
では、一対の係止突片14の突設方向に対して垂直とな
るように一対の回動抑止片15を設けた。したがって、
基板固定具1は、図7に示す取付孔81への挿入後、基
板固定具1を90度回動させて位置決めすることになる
が、このとき、右回りに90度回動させてもよいし、左
回りに90度回動させてもよい。すなわち、基板固定具
1の取付方向は、二方向のいずれかを選択できることに
なる。
【0041】また、本実施形態の基板固定具1では、回
動抑止片15の幅wは、取付孔81の切り欠き部81b
の幅よりも若干小さくなっており、回動抑止片15は、
切り欠き部81bにおいて完全に拡開した状態となる。
これによって、基板固定具1の固定状態において回動抑
止片15に応力が発生することがないため、基板固定具
1の寿命が短くなることを防止することができる。
【0042】以上、本発明はこのような実施形態に何等
限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範
囲において種々なる形態で実施し得る。例えば、図11
の端面図に示すように、板材との係合部分を工夫するこ
とによって、固定具の取り外しをさらに容易にすること
が考えられる。
【0043】図11は、別実施形態の固定具の回動抑止
片17の作用を示す取付孔上面での端面図である。図1
1(a)は、回動抑止片17が、取付孔への脚部13の
挿入に伴って円孔部83aに当接して狭窄した様子を示
し、一方、図11(b)は、回動抑止片17が、固定具
の回動によって取付孔の切り欠き部83bにて拡開した
様子を示している。なお、図11は、取付孔上面での端
面図である。
【0044】この場合、回動抑止片17は、その断面が
台形形状になっており、図11(b)において、板材と
の係合部に作用する板材からの抗力は、回動抑止片17
の傾斜した面に作用するため、その抗力の一部は、回動
抑止片17を狭窄させる方向に働く。結果として、固定
具を回動させた場合に、回動抑止片17が速やかに狭窄
し、固定具の取り外しがさらに容易となる。
【0045】また、上記実施形態では、プリント配線板
91を把持して固定する基板固定具1について説明した
が、本発明は、把持対象ではなく、シャーシやパネル等
の板材への固定構造に特徴を有するものであるため、例
えば、基板固定部22に代えて、従来技術に示したよう
なクランプ部107を設け、電線束クランプとして実施
することも、当然考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の基板固定具を示す左側面図である。
【図2】実施形態の基板固定具を示す正面図である。
【図3】実施形態の基板固定具を示す右側面図である。
【図4】(a)は、実施形態の基板固定具を示す底面図
であり、(b)は、実施形態の基板固定具を示す平面図
である。
【図5】(a)は図1のA−A線端面図であり、(b)
は図1のB−B線断面図であり、(c)は図1のC−C
線断面図である。
【図6】実施形態の基板固定具の使用状態を説明する説
明図である。
【図7】実施形態の基板固定具が固定されるシャーシに
設けられた取付孔を示す斜視図である。
【図8】実施形態の基板固定具が備える回動抑止片の作
用を示す端面図である。
【図9】(a)は従来の固定具の正面図であり、(b)
は従来の固定具の底面図である。
【図10】従来の固定具が固定されるシャーシに設けら
れた取付孔及び係止孔を示す斜視図である。
【図11】別実施形態の固定具が備える回動抑止片の作
用を示す端面図である。
【符号の説明】
1…基板固定具 11…基体 12…押圧翼部 13…脚部 14…係止突片 15,17…
回動抑止片 21…支柱 22…基板固
定部 23…台座部 24…固定部 25…軸部 26…基板係
止片 27…バネ部 28…湾曲部 29…基板押し上げ部 30…操作部 31…基板係止爪部 80…シャー
シ 81…取付孔 81a…円孔
部 81b…切り欠き部 81c…表面 81d…裏面 83a…円孔
部 83b…切り欠き部 90…基板固
定具 91…プリント配線板 100…電線束
クランプ 101…基体 102…押圧
翼部 103…脚部 104…係止
突片 105…係止突起 106…クラ
ンプ部 800…シャーシ 801…取付
孔 801a…円孔部 801b…切
り欠き部 801c…表面 801d…裏
面 802…係止孔
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16B 21/04 F16B 19/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略円形の円孔部と当該円孔部の周縁に設け
    られた切り欠き部とを有する板材の取付孔に挿入され、
    回動されて板材に固定される固定具であって、 基体と、 当該基体の下面から突出し、前記取付孔の前記円孔部に
    挿入される脚部と、 前記基体に延設され、前記脚部が前記取付孔に所定距離
    以上挿入されると前記板材に当接して弾性変形する押圧
    翼部と、 前記脚部の先端から前記基体の下面に対し平行に突出
    し、前記脚部の挿入時には前記取付孔の切り欠き部に挿
    通され、前記脚部を回動軸とした固定具の回動及び前記
    押圧翼部の弾性変形によって、前記円孔部の周縁部分に
    圧接し、前記押圧翼部と共に板材を挟持する係止突片
    と、 前記脚部の先端から前記係止突片と異なる方向に設けら
    れ、前記脚部の先端から前記基体側へ向かって拡開した
    弾性片であって、前記脚部の挿入時には前記取付孔の円
    孔部に当接し弾性変形して狭窄し、前記固定具の回動に
    よって狭窄した状態で前記取付孔の切り欠き部に達する
    と、拡開して固定具の回動を抑止する回動抑止片とを備
    えることを特徴とする固定具。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の固定具において、 前記回動抑止片の前記切り欠き部との係合部分のうち前
    記回動抑止に係る係合部分に対し、当該切り欠き部から
    の抗力の一部が前記回動抑止片を狭窄させる方向に作用
    するよう構成したことを特徴とする固定具。
  3. 【請求項3】請求項に記載の固定具において、 前記取付孔の切り欠き部では前記回動抑止片が弾性変形
    することなく完全に拡開するよう構成したことを特徴と
    する固定具。
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