JP5704626B2 - クリップ型コネクタ - Google Patents
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Description
前記可動片は、前記ハウジングの上記開口に前記基板を挿入する際に前記基板によって押し込まれることで、前記基板の表面から離れる方向へ前記接続端子を変位させる第1の制御位置から、前記基板の表面に対する前記接続端子の接触を許容する第2の制御位置へと切り替えられ、
前記ハウジングは、
固定部と、
この固定部に対して相対変位可能であって前記接続端子が取り付けられる可動部と、
前記固定部と前記可動部との間に設けられ、前記可動部を前記基板の表面に向かって付勢する第1の付勢手段と、を備えて構成され、
前記可動片を前記基板に向かって付勢することで、前記可動片を前記第2の制御位置から前記第1の制御位置へと切り替えることが可能な第2の付勢手段と、
前記第2の付勢手段による上記の付勢を許容し禁止することが可能な付勢制御手段と、を備え、
前記第2の付勢手段は、
前記可動片に当接する押圧部と、前記ハウジングの外部に露出する操作部と、前記押圧部と前記操作部との間に配置されて前記押圧部を回転自在にする軸部と、を有するレバーと、
前記軸部を中心に回動する前記押圧部を前記基板に向かって付勢するバネと、を備え、
前記付勢制御手段は、回転自在なロックレバーであり、前記操作部を引っ掛けて前記レバーの回転を禁止し、回転により前記操作部の引っ掛けを解除して前記レバーの回転を許容する。
以下、図1を参照しつつ、本願発明の第一実施形態に係るクリップ型コネクタを説明する。本実施形態において、クリップ型コネクタ100は、ハウジング1と、コンタクトピン2(接続端子)と、基板挿抜用支柱3(可動片)と、を備えて構成されている。
基板未実装時では、図1(a)に示すように、基板挿抜用支柱3は開口制御位置5に位置している。従って、コンタクトピン2は、基板挿抜用支柱3によって、基板Sの表面Tから離れる方向へ変位しており、問題なく、基板Sをハウジング1の開口4に挿入可能な状態となっている。
この状態で、クリップ型コネクタ100に基板Sを実装するには、先ず、ハウジング1の開口4に基板Sを基板挿抜用支柱3に突き当たるまで挿入する。次に、基板Sを図1の下向きに押し下げる。すると、基板挿抜用支柱3は、基板Sによって押し込まれるかたちで、開口制御位置5から閉塞制御位置6へと切り替えられる。図1(b)に示すように、基板挿抜用支柱3が閉塞制御位置6に至ると、基板Sの表面Tに対するコンタクトピン2の接触が許容される。換言すれば、基板挿抜用支柱3が閉塞制御位置6に至ると、コンタクトピン2が基板Sの表面Tに対して接触する。このとき、コンタクトピン2は基板Sの表面Tに向かって付勢されているので、コンタクトピン2と基板Sとの接触は単なる接触ではなく、所定の接触圧を伴った接触となる。ところで、基板Sの表面Tには、略示のPad7(基板側端子)が予め形成されている。Pad7は、基板Sの表面Tに実装された各種のドライバICなどに接続されている。そして、上記のコンタクトピン2が基板Sの表面T上に形成されたPad7に対して所定の接触圧で接触することで、クリップ型コネクタ100に対する基板Sの実装が完成する。
(1)以上説明したように本実施形態においてクリップ型コネクタ100は、基板Sを挿入可能な開口4を有するハウジング1と、ハウジング1に支持され、ハウジング1の上記開口4に挿入された基板Sの表面Tに向かって付勢されるコンタクトピン2と、ハウジング1の上記開口4に収容される基板挿抜用支柱3と、を備えている。基板挿抜用支柱3は、ハウジング1の上記開口4に基板Sを挿入する際に基板挿抜用支柱3によって押し込まれることで、基板Sの表面Tから離れる方向へコンタクトピン2を変位させる開口制御位置5から、基板Sの表面Tに対するコンタクトピン2の接触を許容する閉塞制御位置6へと切り替えられる。以上の構成によれば、基板Sをハウジング1の上記開口4に挿入するだけで、基板Sの表面Tに対するコンタクトピン2の接触圧を発生させることができる。
次に、図2〜4を参照しつつ、本願発明の第二実施形態に係るクリップ型コネクタ100を説明する。本実施形態に係るクリップ型コネクタ100は、図1を参照して説明した第一実施形態に係るクリップ型コネクタ100の構成・作動をすべて含んでいる。上記第一実施形態の構成要素と対応する構成要素については原則として同一の符号を付すこととする。上記第一実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明については適宜、割愛する。
さて、本実施形態に係るハウジング1は、図3(a)に示すように、固定部8と、この固定部8に対して相対変位可能な上側壁部9(可動部)と、固定部8と上側壁部9との間に設けられるねじりコイルバネ10(第1の付勢手段)と、を備えて構成されている。
本実施形態に係るコンタクトピン2は、例えば図3(a)に示すように、上側壁部9の内面9aと上面9bとに跨るように形成されている。詳しくは、コンタクトピン2は、上面9bに形成された凹部9cに挿入される先端部2aと、上面9bに沿って延びる上面部2bと、内面9aに沿って下方に延びる内面部2cと、固定部8を貫通する埋没部2dと、底部11の下面11aから突き出るコネクタ取付部2eと、から構成されている。この構成で、コンタクトピン2のコネクタ取付部2eをメインボードの取付孔に挿入し、コネクタ取付部2eをメインボードに対して半田付けすることで、クリップ型コネクタ100をメインボードに対して所望の姿勢で強力に取り付けることができるようになっている。また、本実施形態では、上面部2bと内面部2cとの境界近傍部であるコーナー部2fが、例えば図3(b)に示すように、基板Sの表面Tに形成されたPad7に対して接触することとなっている。
前述の基板挿抜用支柱3は、図2に示すように、B方向に沿って長尺かつ略円柱状に形成されている。この基板挿抜用支柱3は、ハウジング1の上記開口4に収容されている。基板挿抜用支柱3は、図3(a)の開口制御位置5と、図3(b)の閉塞制御位置6と、の間で行き来することができるようになっている。開口制御位置5は、図3(a)に示すように少なくとも底部11と蝶番14をA方向に挟んで反対側に存在する。閉塞制御位置6は、図3(b)に示すように蝶番14に対して底部11とA方向に同じ側に存在する。
L字型レバーユニット15は、基板挿抜用支柱3を基板Sに向かって付勢して、基板挿抜用支柱3を閉塞制御位置6から開口制御位置5へと切り替えることが可能なものである。L字型レバーユニット15は、図4(a)に示すように、L字型レバー17と、ねじりコイルバネ18と、から構成されている。L字型レバー17は、レバー支持部13に形成されたレバー挿入孔19に挿入される押圧部20と、この押圧部20の長手方向に対して直交する方向に延びる操作部21と、から構成されている。また、押圧部20には、レバー挿入孔19の内面に形成された軸受孔22に挿入される軸部23が形成されている。本実施形態において押圧部20と操作部21と軸部23は合成樹脂で一体成型により形成されている。そして、軸部23が上記の軸受孔22に挿入されることで、L字型レバー17は、図4(a)及び(b)に示すように、軸部23を中心に回転できるようになっている。ねじりコイルバネ18は、例えば図4(a)において、L字型レバー17を反時計回りに軸部23を中心として付勢する。詳しくは、ねじりコイルバネ18は、ねじりコイルバネ10(図3(b)を併せて参照。)のトルクに対抗するかたちで、基板挿抜用支柱3を閉塞制御位置6から開口制御位置5へと切り替えるのに十分なトルクを発生できるように設計されている。本実施形態において押圧部20の先端部20aには湾曲面20bが形成されている。この湾曲面20bの存在により、L字型レバー17の押圧部20と、基板挿抜用支柱3と、の間のスムーズな接触が実現されている。即ち、基板挿抜用支柱3はL字型レバー17の押圧部20を押し下げやすく、L字型レバー17の押圧部20は基板挿抜用支柱3を押し上げやすくなっている。
ロックレバー16は、L字型レバーユニット15による上記の付勢を許容し禁止することが可能なものである。ロックレバー16は、L字状に折り曲げられた金属棒によって形成されている。即ち、ロックレバー16は、レバー支持部13に接続されるベース24と、ベース24の長手方向に対して直交する方向に延びるアーム25と、を有する。そして、ロックレバー16は、ベース24まわりに回転自在となるようにレバー支持部13に対して取り付けられている。このロックレバー16は、図4(a)に示すようにアーム25がA方向に沿った位置となる付勢許容状態と、図4(b)に示すようにアーム25が図4(a)の状態から90度、回転させられた付勢禁止状態と、の間で切り替え可能に構成されている。図2において、付勢許容状態にあるロックレバー16を実線で、付勢禁止状態にあるロックレバー16を二点鎖線で、それぞれ示す。図4(a)に示すようにロックレバー16が付勢許容状態にあるときは、ロックレバー16は、L字型レバーユニット15による上記の付勢を許容する。一方で、図4(b)に示すようにロックレバー16が付勢禁止状態にあるときは、ロックレバー16は、L字型レバーユニット15による上記の付勢を禁止する。
上記第一実施形態での説明と重複する説明は適宜割愛する。基板未実装時では、図4(a)に示すように、ロックレバー16は、付勢許容状態に切り替わっている。L字型レバーユニット15のL字型レバー17は、軸部23まわりに所定角度だけ反時計回りに回転した状態となっている。上記所定角度は、L字型レバー17の押圧部20と、レバー支持部13のレバー挿入孔19の周縁と、の干渉によって実現されている。L字型レバー17の押圧部20の先端部20aは基板挿抜用支柱3に対して接触している。基板挿抜用支柱3は、L字型レバー17の押圧部20によって押し上げられて、開口制御位置5に位置する状態となっている。
同じく、上記第一実施形態での説明と重複する説明は適宜割愛する。基板挿抜用支柱3が開口制御位置5から閉塞制御位置6へと切り替えられると、図3(b)に示すように、一対の上側壁部9はねじりコイルバネ10の作用によって基板S側へ倒れこみ、基板Sの表面Tに形成されたPad7に対してコンタクトピン2のコーナー部2fが接触する。また、基板挿抜用支柱3が開口制御位置5から閉塞制御位置6へと切り替えられる際、基板挿抜用支柱3は、L字型レバー17の押圧部20の先端部20aの湾曲面20bを介して、図4(b)に示すようにL字型レバー17を時計回りに回転させる。そして、L字型レバー17の操作部21がレバー支持部13に対して突き当たったら、ロックレバー16のアーム25をベース24まわりに90度、回転させ、ロックレバー16を付勢許容状態から付勢禁止状態へと切り替える。すると、ねじりコイルバネ18の自己弾性復元力によってL字型レバー17が押圧部20の先端部20aの湾曲面20bを介して基板挿抜用支柱3を押し上げようとする力が無力化される。この結果、ハウジング1の開口4に挿入され、一対の上側壁部9によって挟持されている基板Sは、基板挿抜用支柱3によって押し上げられるような突き上げ力を受けることがない。
次に、基板Sをクリップ型コネクタ100から取り外すには、先ず、ロックレバー16を付勢禁止状態から付勢許容状態へと切り替える。すると、ねじりコイルバネ18の自己弾性復元力によってL字型レバー17が押圧部20の先端部20aの湾曲面20bを介して基板挿抜用支柱3を押し上げようとする力が復活し、図4(a)に示すように、基板挿抜用支柱3が閉塞制御位置6から開口制御位置5へと切り替えられる。この結果、図3(a)に示すように一対の上側壁部9が相互に遠ざかり、基板Sは一対の上側壁部9によって挟持された状態から解放される。このとき、基板挿抜用支柱3の上昇移動に伴って基板Sは二点鎖線で示すように僅かに持ち上げられる。後は、基板Sを把持してクリップ型コネクタ100からそのまま抜き取ればよい。
(2)以上説明したように本実施形態においてクリップ型コネクタ100は、以下のように構成されている。即ち、ハウジング1は、固定部8と、この固定部8に対して相対変位可能であってコンタクトピン2が取り付けられる上側壁部9と、固定部8と上側壁部9との間に設けられ、上側壁部9を基板Sの表面Tに向かって付勢するねじりコイルバネ10と、を備えて構成されている。以上の構成によれば、コンタクトピン2の上記付勢力をコンタクトピン2の自己弾性復元力によって実現する構成(例えば特許文献2を参照。)と比較して、コンタクトピン2の上記付勢力の多様なバリエーションを容易に実現することができる。端的に言えば、特許文献2の構成と比較して、コンタクトピン2の上記付勢力を微調整し易い。
次に、図5及び図6を参照しつつ、本願発明の第三実施形態に係るクリップ型コネクタ100を説明する。本実施形態に係るクリップ型コネクタ100は、図2〜4を参照して説明した第二実施形態に係るクリップ型コネクタ100の構成・作動をすべて含んでいる。上記第二実施形態の構成要素と対応する構成要素については原則として同一の符号を付すこととする。上記第二実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明については適宜、割愛する。
(5)以上説明したように本実施形態において、コンタクトピン2には、基板Sに形成されたVIAホール26に挿入可能な先細りの円錐部2gが形成されている。以上の構成によれば、コンタクトピン2が基板Sの表面Tに対して接触する際に円錐部2gがVIAホール26へ挿入される。このとき、円錐部2gとVIAホール26との間で自動調心機能が発揮される。従って、いわゆるピン位置の制御が緩和されることになる。「ピン位置の制御」とは、基板をコネクタに実装した際に、コネクタ側の接続端子と、基板上に形成された金属Padと、の位置合わせに関する制御を意味する。
2 コンタクトピン(接続端子)
3 基板挿抜用支柱(可動片)
4 開口
5 開口制御位置(第1の制御位置)
6 閉塞制御位置(第2の制御位置)
Claims (3)
- 基板を挿入可能な開口を有するハウジングと、
前記ハウジングに支持され、前記ハウジングの上記開口に挿入された前記基板の表面に向かって付勢される接続端子と、
前記ハウジングの上記開口に収容される可動片と、
を備え、
前記可動片は、前記ハウジングの上記開口に前記基板を挿入する際に前記基板によって押し込まれることで、前記基板の表面から離れる方向へ前記接続端子を変位させる第1の制御位置から、前記基板の表面に対する前記接続端子の接触を許容する第2の制御位置へと切り替えられ、
前記ハウジングは、
固定部と、
この固定部に対して相対変位可能であって前記接続端子が取り付けられる可動部と、
前記固定部と前記可動部との間に設けられ、前記可動部を前記基板の表面に向かって付勢する第1の付勢手段と、を備えて構成され、
前記可動片を前記基板に向かって付勢することで、前記可動片を前記第2の制御位置から前記第1の制御位置へと切り替えることが可能な第2の付勢手段と、
前記第2の付勢手段による上記の付勢を許容し禁止することが可能な付勢制御手段と、を備え、
前記第2の付勢手段は、
前記可動片に当接する押圧部と、前記ハウジングの外部に露出する操作部と、前記押圧部と前記操作部との間に配置されて前記押圧部を回転自在にする軸部と、を有するレバーと、
前記軸部を中心に回動する前記押圧部を前記基板に向かって付勢するバネと、を備え、
前記付勢制御手段は、回転自在なロックレバーであり、前記操作部を引っ掛けて前記レバーの回転を禁止し、回転により前記操作部の引っ掛けを解除して前記レバーの回転を許容する、
クリップ型コネクタ。 - 請求項1に記載のクリップ型コネクタであって、
前記可動片は略円柱状に形成されている、
クリップ型コネクタ。 - 請求項1又は2に記載のクリップ型コネクタであって、
前記接続端子には、前記基板に形成されたVIAホールに挿入可能な先細りの円錐部が形成されている、
クリップ型コネクタ。
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