JP2996150B2 - 被覆剤 - Google Patents

被覆剤

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JP2996150B2
JP2996150B2 JP7232724A JP23272495A JP2996150B2 JP 2996150 B2 JP2996150 B2 JP 2996150B2 JP 7232724 A JP7232724 A JP 7232724A JP 23272495 A JP23272495 A JP 23272495A JP 2996150 B2 JP2996150 B2 JP 2996150B2
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豊 橋本
政之 亀井
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、新規な共重合体と
モノマーを含有することを特徴とし、紫外線または電子
線等のエネルギー線または熱によって重合して、表面平
滑性、摩擦低減性、耐擦傷性、そして撥水・撥油性等に
優れた被膜を形成する被覆剤に関する。 【0002】 【従来の技術】金属、プラスチック、磁器、ガラス等の
表面を保護被覆する方法として、表面に重合性モノマー
あるいはこれらのプレポリマー等の硬化性樹脂材料を塗
布し、次いでエネルギー線を照射して硬化性樹脂材料を
重合し、表面に強固な硬化樹脂被膜を形成する方法が知
られている。 【0003】この方法において近年、フッ素化アルキル
基の重合体から形成される表面が低表面エネルギーを有
することが着目され、フッ素化アルキル基含有モノマー
を硬化性樹脂組成物の一成分として使用して、耐溶剤
性、耐摩耗性、摩擦低減性等に優れた被膜を形成しよう
とする機運が高まり、各種成形品の保護被覆はもとよ
り、電子写真像の担持体表面被覆や、磁気テープ、磁気
ディスク等の表面保護被覆まで応用されるようになっ
た。 【0004】例えば 米国特許第2,803,615号、第2,642,416
号、第3,384,627号、第3,419,602号、第
3,719,698号、第3,981,928号、第3,1
02,103号、第3,171,861号、第3,818,
074号、第3,814,741号等の明細書に記載の、
一分子中にパーフロロアルキル基とビニル基を1つずつ
含有する化合物、又は-OCH2CF2O−(CF2CF2
O)p−(CF2O)q−CF2CH2O-の如きフロロオキ
シアルキレン基の両末端に、2価の連結基を介してビニ
ル基が連結された化合物を硬化性樹脂組成物に添加し、
耐溶剤性の高い被覆を行う技術(特開昭57ー1606
7号公報)。 【0005】磁気記録媒体の磁気表面側に、上記中
の含フッ素ビニルモノマーを塗布し、エネルギー線で硬
化して、耐摩耗性、摩擦低減性に優れた磁気表面保護層
を得る技術(特開昭59ー28244号公報)。 【0006】エネルギー線硬化型組成物に、1,1,
1,3,3,3−ヘキサフロロプロピル(メタ)アクリ
レート又はペルフロロエトキシ−1,1−ジヒドロペル
フロロプロピル(メタ)アクリレートの如き含フッ素ビ
ニルモノマーを添加し、かかる組成物をプラスティック
又は金属の表面に塗布、硬化し、平滑性、耐摩耗性に優
れた被膜を形成する技術(特開昭52ー105936号
公報)。等の提案がある。 【0007】また一方従来より、フッ素化アルキル基の
代わりにアルコキシシラン化合物又はポリシロキサン鎖
含有化合物を硬化性樹脂組成物の成分とし、耐摩擦性、
耐溶剤性、耐擦傷性等に優れた保護被膜を形成する提案
がある。例えば (メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシ
ラン等の不飽和シリコン化合物を光硬化性樹脂組成物に
添加し、かかる組成物をプラスチックレンズの表面に塗
布・硬化し、耐摩耗性、耐擦傷性、耐衝撃性等を有する
保護被覆層を得る技術(特公昭53ー25354号公
報、特公昭53ー43984号公報)。 【0008】ポリシロキサン鎖の末端に(メタ)アク
リロイル基を1個ないし2個含有する光反応性シリコー
ンを光硬化性樹脂組成物に添加し、硬化塗膜の耐熱性、
耐薬品性、耐水性等を向上させる技術(特開昭59ー4
3011号公報)。等の提案がある。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】これら従来から使用さ
れてきたパーフロロアルキル基又はパーフロロアルキレ
ン基含有ビニルモノマーは、非フッ素成分との相溶性に
劣り、エネルギー線で硬化させて得られた硬化塗膜は、
摩擦低減性、均質性、平滑性が十分でなく、磁気テープ
又は磁気ディスクに要求されている表面特性を満足する
ものではない。また一方、フッ素系ビニルモノマー1,
1,1,3,3,3−ヘキサフロロプロピル(メタ)アクリ
レートの如き部分フッ素化されたアルキル基を含むビニ
ルモノマーを使用し、非フッ素系成分との相溶性を上げ
る試みもあるが、この様な方法では硬化塗膜の表面エネ
ルギーを十分に下げることができない為に、摩擦低減
性、均質性、平滑性が不十分であり、上記記録材料の要
求表面特性をまた充足することができないというのが現
状である。 【0010】また、前記パーフロロアルキル基含有ビニ
ルモノマーと非フッ素系成分との関係と同様に、光反応
性シリコーンもまた非シリコーン成分との相溶性が悪い
ために、基材に塗布後容易に表面滲出し、表面均質性並
びに表面平滑性を十分に満たす硬化塗膜を与えない。
(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン等の不飽和シリコン化合物は非シリコン成分との相溶
性に優れるが、本発明者等の知見によれば、不飽和シリ
コン化合物の添加では本発明に云う表面平滑性、摩擦低
減性、耐擦傷性等の点で向上効果は認められず、むしろ
多量に添加した場合、塗膜の強度が低下するという現象
が観測された。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点を解決すべく鋭意研究を行った結果、パーフロロアル
キル基含有α,β−不飽和単量体(I)と、ポリシロキサ
ン鎖含有α,β−不飽和単量体(II)と、水酸基含有α,
β−不飽和単量体(III)とを必須成分として反応させ
て得られる重合体に、イソシアネート基(a)及びアク
リロイル基又はメタクリロイル基(b)含有単量体を付
加反応させた構造のアクリロイル基又はメタクリロイル
基を有する共重合体が、非フッ素系成分並びに非ポリシ
ロキサン系成分との相溶性に優れ、エネルギー線又は熱
による硬化後、従来の含フッ素ビニルモノマー、含フッ
素界面活性剤、あるいは反応性シリコーンを含有する硬
化性樹脂組成物よりもはるかに優れた表面特性、すなわ
ち、摩擦抵抗低減性、表面均質性、表面平滑性、耐擦傷
性、防錆性、防湿性、耐溶剤性、撥水撥油性等を発現す
る被覆剤となることを見いだし、本発明を完成するに至
った。 【0012】さらに詳述すれば、本発明にかかる被覆剤
の共重合体の特徴は、パーフロロアルキル基ポリシロ
キサン鎖とを併用して構成されているにもかかわらずパ
ーフロロアルキル基の特性の一つである撥油性が大きく
損なわれていないこと、さらにパーフロロアルキル基含
有化合物又はポリシロキサン鎖含有化合物を単独で使用
した場合よりも表面摩擦抵抗低減性に格段に優れている
という相乗効果に在る。 【0013】しかして本発明は完成されたものであり、
本発明の目的の一つは、前記の如き優れた相溶性、およ
び表面特性を与える新規な被覆剤を提供することにあ
る。本発明にかかる新規な被覆剤は、炭素数3〜20の
パーフロロアルキル基含有α,β−不飽和単量体(I)
と、ポリシロキサン鎖含有α,β−不飽和単量体(II)
と、パーフロロアルキル基不含かつポリシロキサン鎖不
含の水酸基含有α,β−不飽和単量体(III)とを必須成
分として反応させて得られる重合体の水酸基に、イソシ
アネート基(a)及びアクリロイル基又はメタクリロイ
ル基(b)含有単量体のイソシアネート基(a)を付加
反応させた構造のアクリロイル基又はメタクリロイル基
を有する共重合体(A)と、分子中にアクリロイル、メ
タクリロイル基又はビニル基のいずれかの基を1種また
は2種以上含有する炭化水素系モノマーとを含有してな
る被覆剤である。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明にかかる炭素数3〜20の
パーフロロアルキル基含有α,β−不飽和単量体(I)
としては、不飽和基を1個有するものが好ましく、具体
例としては、 一般式(I−1) 【0015】 【化1】 【0016】[式中、Rfは炭素数3〜20好ましくは
6〜16のパーフロロアルキル基であって、 【0017】 【化2】 【0018】の如き、主鎖中にエーテル酸素を含有する
ものでも良く、Qは2価の連結基で 【0019】 【化3】 【0020】 【化4】 【0021】 【化5】 【0022】 【化6】 【0023】、または 【0024】 【化7】 【0025】(但し、R2は水素原子、または炭素数1
〜8のアルキル基である。)あり、aは0または1であ
り、Xは−(CH2m−または 【0026】 【化8】 【0027】(但し、mは1〜6の整数である。)であ
り、bは0または1であり、R1は水素原子、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子またはメチル基である。]にて
表わされる化合物、そして一般式 【0028】 【化9】 【0029】[式中、Rfは炭素数3〜20のパーフロ
ロアルキル基又はパーフロロアルケニル基であり、Z1
は、 【0030】 【化10】 【0031】 【化11】 【0032】(但し、R'1は、水素原子もしくは炭素数
1〜10のアルキル基である。)、または−(CH2n
−(但し、nは1〜6の整数である。)であり、Z
2は、−(CH2m'−(但し、m'は2〜6の整数であ
る。)または 【0033】 【化12】 【0034】であり、Rは、水素原子、メチル基、又は
ハロゲン原子、例えばCl、Brであり、X'は、 【0035】 【化13】 【0036】(但し、Yは炭素数が15以下で、X'基
中に占める重量割合が35〜65%の間である2個の連
結基である。)にて表わされる2価の連結基であり、A
は、 【0037】 【化14】 【0038】(但し、R'2は水素原子、メチル基、エチ
ル基、またはニトロ基である。)または 【0039】 【化15】 【0040】 【化16】 【0041】にて表わされる3個の連結基である。]に
て表わされる化合物、(尚、一般式(I−2)中、2個
含まれているZ1は、前記 【0042】 【化17】 【0043】 【化18】 【0044】そして−(CH2n−の中から選ばれた相
異なる2種の連結基であっても良い。一般式(I−2)
で示される含フッ素化合物においてRfは、炭素数3〜
20のパーフロロアルキル基もしくはパーフロロアルケ
ニル基であり、直鎖状、分岐状、環状またはそれらを組
み合わせたもののいずれでも良く、さらに主鎖中に酸素
原子が介入したもの、例えば 【0045】 【化19】 【0046】等でも良い。2価の連結基であるX'基中
のY基の代表的なものとしては、 【0047】 【化20】【0048】 【化21】 【0049】等が挙げられる。)そして一般式(I−
3) 【0050】 【化22】 【0051】[式中、RfとR'fは、炭素数3〜20
のパーフロロアルキル基であり、Z'1とZ'2は、 【0052】 【化23】 【0053】 【化24】 【0054】(但し、R1は水素原子もしくは炭素数1
〜10のアルキル基である。)または−(CH2n
(但し、nは1〜6の整数である。)から選ばれた2価
の連結基であり、Z3は、−(CH2m−(但し、mは
2〜6の整数である。)または 【0055】 【化25】 【0056】であり、Rは、水素原子、メチル基、また
はハロゲン原子であり、X1、X2、そしてX3は、 【0057】 【化26】 【0058】(但し、R2は水素原子、または炭素数1
〜36のアルキル基もしくはアルケニル基である。)ま
たは 【0059】 【化27】 【0060】から選ばれた2価の連結基であり、Aは、 【0061】 【化28】 【0062】 【化29】 【0063】(但し、R3は水素原子、ヒドロキシメチ
ル基、メチル基、エチル基、またはニトロ基であ
る。)、 【0064】 【化30】 【0065】、または 【0066】 【化31】 【0067】にて表わされる3価の連結基である。]に
て表わされる化合物である。(一般式(I−3)で示さ
れる含フッ素化合物において、Rfは炭素数3〜20の
パーフロロアルキル基もしくはパーフロロアルケニル基
であり、直鎖状、分岐状、環状またはそれらを組み合わ
せたもののいずれでも良く、さらに主鎖中に酸素原子が
介入したもの、例えば 【0068】 【化32】 【0069】等でも良い。) 炭素数3〜20のパーフロロアルキル基含有α,β−不
飽和単量体(I)のより具体的化合物として次の如きも
のが挙げられる。 【0070】 【化33】【0071】 【化34】【0072】 【化35】【0073】 【化36】 【0074】 【化37】【0075】 【化38】 【0076】 【化39】【0077】 【化40】 【0078】 【化41】【0079】 【化42】【0080】 【化43】【0081】 【化44】【0082】 【化45】【0083】 【化46】 【0084】 【化47】【0085】ポリシロキサン鎖含有α,β−不飽和単量
体(II)としては、ビニル基、メタクリロイル基、アク
リロイル基を有するポリシロキサン鎖含有単量体であ
り、好ましくはポリシロキサン鎖含有メタクリレート化
合物又はアクリレート化合物であり、具体例としては一
般式(II−1) 【0086】 【化48】 【0087】[式中、R3及びR4は炭素数1〜20のア
ルキル基又はフェニル基で、それらは同一でも異なって
いてもよく、又シロキシ単位毎に同一でも異なっていて
も良く、pは3〜520の整数であり、qは0又は1で
あり、Y'は2価の連結基で、 【0088】 【化49】 【0089】 【化50】 【0090】(n'、m"は2〜6の整数を示す)、また
は 【0091】 【化51】 【0092】であり、R 5 は水素原子又はメチル基であ
り、Z3はメチル基、フェニル基、又は 【0093】 【化52】 【0094】である。]にて表わされる化合物、または
一般式(II−2) 【0095】 【化53】【0096】[式中、R3、R'3、R"3、R4、R'4
R"4は炭素数1〜20のアルキル基又はフェニル基で、
これらは同一でも異なっていてもよく、又シロキサン単
位毎に同一でも異なっていてもよく、r,s,tは1〜
200の整数で、これらは同一でも異なっていてもよ
く、Y',q,R5は前記と同意義である。]にて表わさ
れる化合物が挙げられる。 【0097】ポリシロキサン鎖含有α,β−不飽和単量
体(II)のより具体的な化合物の例として次の如きもの
が挙げられる。 【0098】 【化54】【0099】 【化55】【0100】 【化56】【0101】 【化57】【0102】 【化58】 【0103】 【化59】【0104】但し、Me,Phはそれぞれメチル基、フ
ェニル基を表す。前記の如く、ポリシロキサン鎖含有
α,β−不飽和単量体(II)のα,β−不飽和基として
は、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基のい
ずれも可能ではあるが、重合反応性の点でアクリロイル
基又はメタクリロイル基が優れているため、これらを含
有して成る単量体(II)が特に好ましい。 【0105】パーフロロアルキル基不含かつポリシロキ
サン鎖不含α,β−不飽和単量体(III)としては、α,
β−エチレン性不飽和単量体が好ましく、例えばスチレ
ン核置換スチレン、アクリルニトリル、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、ビニルピリジン、N−ビニルピロリド
ン、ビニルスルフォン酸、酢酸ビニル等の脂肪酸ビニ
ル、またα,β−エチレン性不飽和カルボン酸、すなわ
ちアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール
酸、イタコン酸等の一価ないし二価のカルボン酸、また
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の誘導体として、
アルキル基の炭素数が1〜18の、(メタ)アルキルエ
ステル(以後この表現はアクリル酸アルキルエステルと
メタクリル酸アルキルエステルの両方を総称するものと
する。)、すなわち(メタ)アクリル酸のメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、オクチル、2−エチルヘキシ
ル、デシル、ドデシル、ステアリルエステル等、また
(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のヒドロキシアル
キルエステル、すなわちヒドロキシエチル、エチルエス
テル、ヒドロキシプロピルエステル、ヒドロキシブチル
エステル等、また(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18
のアミノアルキルエステル、すなわちジメチルアミノエ
チルエステル、ジエチルアミノエチルエステル、ジエチ
ルアミノプロピルエステル等、また(メタ)アクリル酸
の、炭素数が3〜18のエーテル酸素含有アルキルエス
テル、例えばメトキシエチルエステル、エトキシエチル
エステル、メトキシプロピルエステル、メチルカルビル
エステル、エチルカルビルエステル、ブチルカルビルエ
ステル等、またアルキル炭素数が1〜18のアルキルビ
ニルエーテル、例えばメチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル等、(メタ)
アクリル酸のグリシジルエステル、すなわちグリシジル
メタクリレート、グリシジルアクリレート等、またサー
トマー社製スチレンマクロモノマー4500、新中村化
学工業(株)製NKエステルM−230G等のマクロモ
ノマー等が挙げられ、これらの中から一種又は二種以上
が選択され、単量体(I)、(II)との共重合に供せら
れる。但し、この共重合の後に、アクリロイル基又はメ
タクリロイル基を共重合体中に導入する必要があるた
め、その反応点となり得る、水酸基を含有する単量体を
必須成分として、α,β−不飽和単量体(III)としてお
く必要がある。 【0106】水酸基を含有する単量体としては、下記一
般式 【0107】 【化60】 【0108】で表わされる水酸基含有(メタ)アクリレ
ート化合物が用いらる。アクリロイル基又はメタクリロ
イル基は、前記一般式にて表わされる水酸基含有(メ
タ)アクリレート化合物と一般式OCN−Y−NCOに
て表わされるジイソシアネート化合物とを付加反応せし
めて合成される一般式 【0109】 【化61】 【0110】にて表わされるイソシアネート基含有化合
物を、水酸基1gモルに対し、0.9〜1.1gモル付
加せしめて導入することができる(但し、上記一般式
中、R、Z3、Yは前記と同意義である。)。 【0111】炭素数3〜20のパーフロロアルキル基含
有α,β−不飽和単量体(I)と、ポリシロキサン鎖含有
α,β−不飽和単量体(II)と、パーフロロアルキル基
不含かつポリシロキサン鎖不含α,β−不飽和単量体(I
II)との共重合体の製法には何等制限がなく、公知の方
法、すなわち、ラジカル重合法、カチオン重合法、アニ
オン重合法等が用いられるが、ラジカル重合法が簡便で
あり、工業的に特に好ましい。この場合重合開始剤とし
ては当業界公知のものを使用することができ、例えば過
酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、Mn
(acac)3等が挙げられる。また必要に応じてラウ
リルメルカプタン等の連鎖移動剤を使用することも可能
である。 【0112】重合は、溶剤の存在下又は非存在下のいず
れでも実施できるが、溶剤存在下の場合の方が作業性の
点から好ましい。溶剤としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等エステル類、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶剤、
1,1,1−トリクロルエタン、クロロホルム等のハロゲ
ン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類等の
いずれも使用できる。 【0113】炭素数3〜20のパーフロロアルキル基含
有α,β−不飽和単量体(I)と、ポリシロキサン鎖含有
α,β−不飽和単量体(II)との組成比は、重量比で
1:1〜1000:1であり、3:2〜100:1の範
囲が特に好ましい。単量体(II)の割合が上記範囲を越
える場合、硬化表面の撥油性が低下し、防汚性が損なわ
れる傾向があるので好ましくない。また単量体(I)+
(II)と、パーフロロアルキル基不含かつポリシロキサ
ン鎖不含α,β−不飽和単量体(III)との組成比は重量
比で1:100〜5:1であり、1:50〜4:1の範
囲が特に好ましい。さらにまた、単量体(III)中に占
める水酸基含有単量体の割合は、90〜5重量%であ
り、80〜10重量%が好ましい。水酸基含有単量体の
含有割合が上記範囲以下の場合、硬化塗膜の強度は劣悪
なものとなる。 【0114】単量体(I)、(II)、(III)の共重合温
度は、30〜180℃であり、50〜150℃が特に好
ましい。また共重合体中の水酸基とイソシアネート基含
有アクリレート又はメタクリレートとの反応温度は30
〜150℃であり、50〜130℃が特に好ましい。ま
た必要に応じてオクチル酸第1スズの如き反応触媒を使
用することができる。 【0115】本発明の共重合体(A)は、非フッ素系成
分、すなわち以下に称する炭化水素モノマー(B)、
(C)又は(D)と併用する。本発明に称する炭化水素
モノマーとは、分子中に(メタ)アクリロイル基を1個
有するもの(B)、(メタ)アクリロイル基を2個以上
有するもの(C)、そしてビニル基を有するもの(D)
である。 【0116】(メタ)アクリロイル基を分子中に1個有
する炭化水素系モノマー(B)とは、当業界において一
般に希釈モノマーと称されるものを含み、具体的には、 B−1 (メタ)アクリル酸 B−2 (メタ)アクリル酸アルキル(C1
18) B−3 フェノキシエチル(メタ)アクリレート B−4 エトキシエチル(メタ)アクリレート B−5 メトキシエチル(メタ)アクリレート B−6 ブトキシエチル(メタ)アクリレート B−7 N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート B−8 N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート B−9 グリシジル(メタ)アクリレート B−10 アリル(メタ)アクリレート B−11 2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート B−12 2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート B−13 2−メトキシエトキシエチル(メタ)アク
リレート B−14 2−エトキシエトキシエチル(メタ)アク
リレート B−15 ベンジル(メタ)アクリレート B−16 シクロヘキシル(メタ)アクリレート B−17 ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート B−18 ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)
アクリレート B−19 2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイ
ルホスフェート B−20 テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレ
ート B−21 ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレ
ート B−22 ジシクロペンタジエンエトキシ(メタ)ア
クリレート B−23 p−ベンジルフェノキシエチル(メタ)ア
クリレート B−24 1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)ア
クリレート B−25 ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アク
リレート B−26 グリセリンモノ(メタ)アクリレート B−27 トリメチロールプロパンモノ(メタ)アク
リレート B−28 ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリ
レート B−29 2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロ
ピル(メタ)アクリレート B−30 2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロ
ピル(メタ)アクリレート B−31 ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート B−32 ポリエチレングリコール400モノ(メ
タ)アクリレート B−33 2−(パーフロロオクチル)エチル(メ
タ)アクリレート 【0117】 【化62】 【0118】等である。(メタ)アクリロイル基を2個
以上有する炭化水素系モノマー(C)とは、当業界にお
いて一般に多官能(メタ)アクリレートまたは特殊(メ
タ)アクリレートと称されるものと、プレポリマー、ベ
ースレジン、オリゴマー、又はアクリルオリゴマーと称
されるものとを含み具体的には次のようなものが例示さ
れる。 【0119】(i)多価アルコールに(メタ)アクリル
酸が2個以上結合した多価(メタ)アクリレート。 (ii)多価アルコールと多塩基酸との反応より得られる
ポリエステルポリオールに(メタ)アクリル酸が2個以
上結合したポリエステルアクリレート。 【0120】上記(i)、(ii)中の多価アルコールと
しては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、トリメチロールプロパン、ジプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等
である。又多塩基酸としてはフタル酸、アジピン酸、マ
レイン酸、トリメリット酸、イタコン酸、コハク酸、テ
レフタル酸、アルケニルコハク酸等が挙げられる。 【0121】(iii)エポキシ樹脂のエポキシ基を(メ
タ)アクリル酸でエステル化し官能基として(メタ)ア
クリロイル基としたエポキシアクリレート。エポキシ樹
脂としては、ビスフェノールA−エピクロルヒドリン
型、フェノールノボラック−エピクロルヒドリン型、脂
環式樹脂等が挙げられる。 【0122】(iv)多価イソシアネート化合物に、ヒド
ロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させて得ら
れるポリウレタンアクリレート。多価イソシアネート化
合物としては、分子中央部がポリエステル、ポリエーテ
ル、ポリウレタン等の構造を有し、両端にイソシアナー
ト基を含有したものが挙げられる。 【0123】(v)その他として、ポリエーテル(メ
タ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、ア
ルキド(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メ
タ)アクリレート、シリコン(メタ)アクリレート等が
ある。 【0124】これらのより具体的な化合物の例として、
以下の如きものが挙げられる。 C−1 1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート C−2 1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート C−3 1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート C−4 ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート C−5 ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート C−6 ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレート C−7 ヒドロキシピパリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ) アクリレート C−8 トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート C−9 1,3−ビス(3"−アクリルオキシエトキシ−2'−ヒドロキシプ ロピル)5,5−ジメチルヒダントイン C−10 ヒドロキシピパリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ) アクリレート C−11 トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート C−12 ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート C−13 ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート C−14 ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート C−15 トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート C−16 ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート C−17 ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレー ト 【0125】 【化63】 【0126】 【化64】【0127】C−23 (CH2=C(R6)COOC
2CH2O)3−P=O (但し、R6はH又は−CH3である。) 等である。 【0128】本発明に称するビニル基を有する炭化水素
系モノマー(D)とは、 D−1 スチレン D−2 p−クロルスチレン D−3 p−メトキシスチレン D−4 ジビニルベンゼン D−5 N−ビニルピロリドン D−6 N−ビニルカプロラクタム D−7 アクリロニトリル 等である。 【0129】本発明にかかる被覆剤は、共重合体(A)
と前記の炭化水素系モノマー(B),(C),(D)と
からなるものである。(A)と(B)+(C)+(D)
との混合割合は制限されないが、表面特性、すなわち摩
擦低減性、均質性、平滑性、耐擦傷性、防錆性、防湿
性、耐溶剤性、撥水撥油性等を充分に発揮するために
は、(B)+(C)+(D)に対する共重合体(A)の
混合割合は、重量比で100,000:1であり、より
好ましくは50,000:1である。 【0130】本発明に係る被覆剤は、基材に塗布又は含
浸させた後、熱、光、電子線、放射線エネルギーを与え
ることにより重合硬化せしめ、所望の被覆膜を形成する
ことができる。重合開始エネルギーとして熱を利用する
場合、無触媒又はアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾ
イルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド−
ナフテン酸コバルト等の重合開始剤、又紫外線のような
光を利用する場合には、当業界公知の所謂、光重合開始
剤、例えばE−1:ベンゾフェノン、E−2:アセトフ
ェノン、E−3:ベンゾイン、E−4:ベンゾインエチ
ルエーテル、E−5:ベンゾインイソブチルエーテル、
E−6:ベンジルメチルケタール、E−7:アゾビスイ
ソブチロニトリル、E−8:1−ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトン、E−9:2−ヒドロキシ−2−メ
チル−1−フェニル−1−オン等と、必要に応じてアミ
ン化合物、又はリン化合物等の光増感剤を添加し、重合
をより迅速化することができる。電子線又は放射線にて
重合硬化させる場合には、特に重合開始剤等の添加は要
しない。 【0131】本発明の被覆剤中には、上記の重合開始剤
等の他に、溶剤、耐光安定剤、カップリング剤、消泡
剤、レベリング剤、そして界面活性剤等の各種添加剤を
加えることができる。 【0132】溶剤は、本発明の被覆剤の粘度、塗布性、
並びに膜厚を制御するために配合することができる。こ
の様な溶剤としては、本発明被覆剤の重合反応性に悪影
響を及ぼさなければ特に制限はないが、メタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル、クロロホルム、ジクロルエタ
ン、四塩化炭素、1−フロロ−1−ジクロロ−2−ジフ
ロロ−2−クロロエタン系の低沸点溶剤が作業性の点か
ら好ましい。本発明の被覆剤を、溶剤に溶解させた溶液
として基材に塗布又は含浸させた場合、重合硬化を開始
する前に、常温、または必要に応じて加熱や減圧により
脱溶剤させる工程が必要となる。溶剤を加熱除去する場
合、モノマー等の加熱重合を来たさないために80℃以
下で実施するのが好ましい。 【0133】本発明に係る被覆剤を基材に塗布する方法
としては、当業界公知の種々の方法、例えば、刷毛塗
り、アプリケーター、バーコーター、ローラーブラシ、
又はロールコーター等による塗布法、エアースプレー又
はエアーレススプレー塗装機等によるスプレー塗布法、
シャワーコーター又はカーテンフローコーター等による
流し塗り法(フローコート)、浸漬法、キャスティング
法、そしてスピンナーコーティング法等を用いることが
でき、基材の材質、形状又は用途等に応じて適宜使い分
けることが望ましい。 【0134】本発明の被覆剤をエネルギー線照射により
重合硬化する場合、当業界公知の、殺菌灯、紫外線用蛍
光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水
銀灯、中圧又は高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ラン
プ、メタルハライドランプ、自然光等を光源とする紫外
線、又は走査型、カーテン型電子線加速路による電子線
等を使用することができ、厚みが5μm以下の塗布層の
紫外線硬化の場合、重合の効率化の点で、窒素ガス等の
不活性ガス雰囲気下で照射することが好ましい。 <作用>本発明に係る被覆剤が発現する新規な特性を理
解する上で、共重合体中にパーフロロアルキル基、ポリ
シロキサン鎖、そして非フッ素系成分を有していること
が重要である。 【0135】すなわち、本発明に係る共重合体は適度な
親油性基を有するために非フッ素系かつ非シリコーン系
成分との相溶性を低下せず、又同一分子中にパーフロロ
アルキル基とポリシロキサン鎖を有するために表面移行
性を損なっていないと考えられる。また通常含フッ素モ
ノマーとポリシロキサン鎖含有モノマーを同時併用した
場合には、著しく塗膜の表面状態は悪化する。これに対
し、本発明の被覆剤が何故に優れた硬化被膜を与えるか
については、十分に明確ではないが、パーフロロアルキ
ル基及びポリシロキサン鎖を同一分子中に含有すること
によって摩擦抵抗低減性に相乗効果が観察されることか
ら、これらによって形成されるミクロ的に緻密な混成集
合体が、これまでにない、摩擦抵抗低減性、表面平滑
性、耐擦傷性、防錆性、防湿性、耐溶剤性等を発現した
と考えられる。尚、以上の推察は本発明を理解する上で
の一助とするものであり、これによって本発明が何等限
定されるものではないことは勿論である。 【0136】 【実施例】次に、本発明の具体的な合成例、実施例につ
いて説明するが、かかる説明によって本発明が何等限定
されるものではないことは勿論である。文中「部」
「%」は重量基準であるものとする。 【0137】合成例1 温度計、攪拌器、コンデンサーを備えた丸底フラスコ
に、単量体として、本文中I−1−1の化合物20部、
スチレン32.5部、メチルメタクリレート10部、β
−ヒドロキシメタクリレート20部、本文中II−1−1
0にて示される化合物(Mn=〜5,000)3部、連
鎖移動剤としてラウリルメルカプタン0.3部、重合開
始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.5部、溶剤
としてメチルイソブチルケトン198.5部を秤取し、
100℃で10時間反応し、共重合体を得た。GPC:
Mn=〜7,700。 【0138】次に、重合禁止剤としてハイドロキノン
0.5部、 【0139】 【化65】 【0140】45.5部を加え、80℃にて8時間反応
した。未反応NCO基の滴定による定量の結果、一段目
の反応で得られた共重合体中への二重結合の導入率は9
4.6%であった。GPC:Mn=8,000。固形分
40%。 【0141】合成例2〜5、比較合成例1、2 表1に、合成例1と同様にして得られた被覆剤をまとめ
て示す。 【0142】 【表1】【0143】表中の番号は本文中の化合物を示し、又各
略号は前記表1の化合物と下記化合物をそれぞれ示す。 iBMA :イソブチルメタクリレート St :スチレン HEA :ヒドロキシエチルアクリレート AIBN :アゾビスイソブチロニトリル SMA :ステアリルメタクリレート MMA :メチルメタクリレート β−HEMA:β−ヒドロキシメタクリレート 【化66】MIBK :メチルイソブチルケトン tBMA :tert−ブチルメタクリレート C−4500:サートマー社製スチレンマクロマー 実施例1〜6及び比較例1〜5 銅板(JIS G3141)、アルミ板(JIS H4
000)、ガラス板に表1に示した本発明の被覆剤を塗
布し、溶剤を室温で蒸散させた後、塗布層を紫外線電子
線熱によって下記の条件下で硬化させ、被覆膜の諸特性
について検討した。結果を表2〜表4に示す。 【0144】装 置;紫外線による硬化は、高圧水銀
灯(80w/cm)を使用し、照射距離10cm、照射時間
60秒、窒素雰囲気下、33℃で実施した。また電子線
による硬化は、カーテン型電子線加速器(200kv)
を使用し、線量10Mradで行った。 【0145】熱硬化条件;加熱オーブン中、150℃、
10分間の加熱条件で熱硬化した。 塗装方法;本発明に係る被覆剤、すなわち合成例1〜5
の化合物と比較合成例1、2の化合物、炭化水素系モノ
マー(B),(C),(D)、そしてその他配合物から
成る被覆剤を酢酸エチルによって5%に希釈し、バーコ
ーターにて塗布し、不揮発分が1.0μmの塗布層を形
成した。 【0146】表面平滑性;表面塗膜の平滑性は、倍率1
60倍の光学顕微鏡で塗膜表面のブツ等の有無を観察
し、5段階(5:全くブツがない、4:縁にほんの僅か
ブツあり、3:表面にほんの僅かブツあり、2:表面に
僅かにブツがある、1:全てにブツがある)で評価し
た。 【0147】表面乾燥性;指触による ◎印:ベタ付きが全くない ○印:ベタ付きが若干感じられる △印:ベタ付きが少しある ×印:ベタ付きがある 表面硬度;JIS 5400の方法に基づいて実施し
た。 【0148】接 触 角;接触角は、n−ドデカン又は水
を6μl測定表面に滴下し、エルマ製ゴニオメーター式
接触角測定器を用い、25℃にて測定した。 防 錆 性;試験片を20%塩化ナトリウム水溶液に浸漬
し、塗膜に錆が発生するまでの時間を観察し、5段階
(5:200時間以上、4:150〜150時間、3:
100〜150時間、2:50〜100時間、1:0〜
50時間)で評価した。 【0149】碁盤目テスト;1cm角を1mm間かくで
縦と横にカッターで切り100個のマス目をつくり、セ
ロテープ(登録商標)を密着させて、一気にはがし、残
ったマス目の数を表した。 【0150】尚、実施例及び比較例No.の欄のUV表
示は紫外線硬化による重合体被膜の形成を示し、EB表
示は電子線硬化のそれを、そしてHEATは熱硬化のそ
れをそれぞれ示す。また表中の(A),(B),
(C),(D),(E)は本文中の化合物をそれぞれ表
している。 【0151】 【表2】【0152】 【表3】【0153】 【表4】【0154】実施例1〜6の如く、本発明例は表面平滑
性、表面乾燥性、表面硬度、接触角、耐塩水性、及び碁
盤目テストにおいて優れた性能を有していることが分か
る。これに対し、比較例1〜5の如く、本発明の共重合
体を欠くか、又はそれに代わって他種の反応性化合物を
配合した場合、実施例と比較し、極めて劣悪な性能しか
得られないことが分かる。 【0155】実施例7〜9、比較例6〜10 次にポリエステルフィルムに、表1に示す実施例と同じ
組成で被覆膜を形成(塗工膜厚:5μm)し、その表面
平滑性、表面乾燥性、n−ドデカンの接触角及び転落
角、摩擦抵抗低減性、アセトン並びにクロロセンに対す
る耐溶剤性、耐光性、そして耐湿性を検討した。その結
果を表5に示す。 【0156】なお、動摩擦係数の測定は、米国材料試験
協会規格D−1894に準じた方法により、東洋ボール
ドウイン社製摩擦試験治具を使用して行った(錘重量:
236g、引張強度:100mm/mm)。 【0157】耐溶剤性は、本発明の被覆膜を形成したポ
リエステルフィルムを、アセトン並びにクロロセンに5
0℃で1時間浸漬した後引き上げ、多観及び碁盤目テス
トにて評価した。 【0158】3:塗膜に全く変化が見られない。 2:塗膜が膨潤している。 1:塗膜が欠落している。 【0159】耐光性は、フェードメーターにおいて10
00時間暴露後の塗膜の外観を目視により評価した。耐
湿性は、80℃、90%RHの条件で150時間経過後
の塗膜の外観と、密着性を碁盤目テストにより評価し
た。 【0160】 【表5】 【0161】表5から、本発明実施例と比較例に明瞭な
差異が認められ、特に摩擦抵抗低減性に本発明の優位性
が実証された。 【0162】 【発明の効果】本発明の被覆剤は、前述の如く各種の固
体表面の保護被覆層として例えば防湿防錆剤、防汚剤、
潤滑剤、減摩剤、剥離剤、離型剤、電子部品等の封止剤
等として使用できるが被膜の薄さと平滑性、防湿性を活
かして特に、記録材料分野における磁気記録製品の磁性
層の被覆に好適に用いられる。 【0163】例えば、銅、アルミニウム、亜鉛などの非
磁性金属やポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
−2,6−ナフタレート等のポリエステル類、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン類、セルロースアセテート等
のセルロース誘導体、ポリカーボネートのプラスティッ
クや、更に、場合によりガラス、紙、木材、繊維、磁器
及び陶器のようなセラミックス上に蒸着された強磁性合
金(鉄、コバルト及び/又はニッケルを主成分とし、少
量のアルミニウム、シリコン、クロム、マンガン、モリ
ブデン、チタン、各種重金属類、希土類金属等を含むも
の)または微量酸素存在下で、鉄、コバルト、クロム等
の磁性材料をポリエステル等のプラスチックフィルムに
蒸着した磁気テープ、または磁気ディスクの磁性層等の
保護被覆や、減摩性が特に要求される、磁気テープやフ
ロッピーディスクの背面処理剤、表面処理剤としても好
適である。 【0164】一方、本発明の被覆剤は、ガラス表面上に
も透明で平滑な薄い被膜を形成できるので、各種光学機
器の油汚れ防止剤などとして耐油性と耐拭き取り性を必
要とする用途にも使用することができる。 【0165】さらに又、防湿性等が特に要求される太陽
電池用保護膜、光ファイバー及びヒカリファイバーケー
ブル、光ディスク、光磁気ディスク等の保護被覆剤とし
ても好適である。 【0166】また本発明の被覆剤が耐擦傷性、摩擦抵抗
低減性に優れた被膜を形成できるので、各種摺動部品の
表面処理剤、各種成形品又はフィルム、シート等のハー
ドコート剤としても使用できる。また歯、義歯等の表面
処理剤、虫歯のつめ物としても使用できる。 【0167】さらに又、本発明の被覆剤に顔料及び分散
剤を混入し、防汚性又は非粘着性に優れた塗料又はイン
キを形成できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−16067(JP,A) 特開 昭59−28244(JP,A) 特開 昭52−105936(JP,A) 特開 昭50−122279(JP,A) 特開 昭50−122280(JP,A) 特開 昭59−43011(JP,A) 特開 昭59−182256(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 175/14 - 175/16 C08F 290/00 - 290/14

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.炭素数3〜20のパーフロロアルキル基又はパーフ
    ロロアルケニル基含有α,β−不飽和単量体(I)と、
    ポリシロキサン鎖含有α,β−不飽和単量体(II)と、
    パーフロロアルキル基又はパーフロロアルケニル基不含
    かつポリシロキサン鎖不含の水酸基含有α,β−不飽和
    単量体(III)とを必須成分として反応させて得られる
    重合体の水酸基に、イソシアネート基(a)及びアクリ
    ロイル基又はメタクリロイル基(b)含有単量体のイソ
    シアネート()を付加反応させた構造のアクリロイル
    基又はメタクリロイル基を有する共重合体(A)と、分
    子中にアクリロイル基、メタクリロイル基又はビニル基
    のいずれかの基を1種又は2種以上含有する炭化水素モ
    ノマーを含有してなる被覆剤。
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