JP2660507B2 - 被覆剤 - Google Patents

被覆剤

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JP2660507B2
JP2660507B2 JP60116346A JP11634685A JP2660507B2 JP 2660507 B2 JP2660507 B2 JP 2660507B2 JP 60116346 A JP60116346 A JP 60116346A JP 11634685 A JP11634685 A JP 11634685A JP 2660507 B2 JP2660507 B2 JP 2660507B2
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政之 亀井
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、新規な共重合体とモノマーを含有すること
を特徴とし、紫外線または電子線等のエネルギー線また
は熱によって重合して、表面平滑性、摩擦低減性、耐擦
傷性、そして撥水・撥油性等に優れた被膜を形成する被
覆剤に関する。 <従来の技術> 金属、プラスチック、磁器、ガラス等の表面を保護被
覆する方法として、表面に重合性モノマーあるいはこれ
らのプレポリマー等の硬化性樹脂材料を塗布し、次いで
エネルギー線を照射して硬化性樹脂材料を重合し、表面
に強固な硬化樹脂被膜を形成する方法が知られている。 この方法において近年、フッ素化アルキル基の重合体
から形成される表面が低表面エネルギーを有することが
着目され、フッ素化アルキル基含有モノマーを硬化性樹
脂組成物の一成分として使用して、耐溶剤性、耐摩耗
性、摩擦低減性等に優れた被膜を形成しようとする機運
が高まり、各種成形品の保護被覆はもとより、電子写真
像の担持体表面被覆や、磁気テープ、磁気ディスク等の
表面保護被覆まで応用されるようになった。例えば 米国特許第2,803,615号、第2,642,416号、第3,384,62
7号、第3,419,602号、第3,719,698号、第3,981,928号、
第3,102,103号、第3,171,861号、第3,818,074号、第3,8
14,741号等の明細書に記載の、一分子中にパーフロロア
ルキル基とビニル基を1つずつ含有かる化合物、又は −OCH2CF2CF2CF2CF2CF2CH2O−の如き
フロロオキシアルキレン基の両末端に、2価の連結基を
介してビニル基が連結された化合物を硬化性樹脂組成物
に添加し、耐溶剤性の高い被覆を行う技術(特開昭57−
16067号公報)。 磁気記録媒体の磁気表面側に、上記中の含フッ素ビ
ニルモノマーを塗布し、エネルギー線で硬化して、耐摩
耗性、摩擦低減性に優れた磁気表面保護層を得る技術
(特開昭59−28244号公報)。 エネルギー線硬化型組成物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ロロプロピル(メタ)アクリレート又はペルフロロエト
キシ−1,1−ジヒドロペルフロロプロピル(メタ)アク
リレートの如き含フッ素ビニルモノマーを添加し、斯か
る組成物をプラスチック又は金属の表面に塗布、硬化
し、平滑性、耐摩耗性に優れた被膜を形成する技術(特
開昭52−105936号公報)。 等の提案がある。 また一方従来より、フッ素化アルキル基の代わりにア
ルコキシシラン化合物又はポリシロキサン鎖含有化合物
を硬化性樹脂組成物の成分とし、耐摩耗性、耐溶剤性、
耐擦傷性等に優れた保護被膜を形成する提案がある。例
えば (メタ)アクリロイルオキシプロピルトリオトキシシ
ラン等の不飽和シリコン化合物を光硬化性樹脂組成物に
添加し、斯かる組成物をプラスチックレンズの表面に塗
布・硬化し、耐摩耗性、耐擦傷性、耐衝撃性等を有する
保護被覆層を得る技術(特公昭53−25354号公報、特公
昭53−43984号公報)。 ポリシロキサン鎖の末端に(メタ)アクリロイル基を
1個ないし2個含有する光反応性シリコンを光硬化性樹
脂組成物に添加し、硬化塗膜の耐熱性、耐薬品性、耐水
性等を向上させる技術(特開昭59−43011号公報)。 等の提案がある。 <発明が解決しようとする問題点> これら従来から使用されてきたパーフロロアルキル基
又はパーフロロアルキレン基含有ビニルモノマーは、非
フッ素系成分との相溶性に劣り、エネルギー線で硬化さ
せて得られた硬化塗膜は、摩擦低減性、均質性、平滑性
が十分ではなく、磁気テープ又は磁気ディスクに要求さ
れている表面特性を満足するものではない。また一方、
フッ素系ビニルモノマーとして1,1,1,3,3,3−ヘキサフ
ロロプロピル(メタ)アクリレートの如き部分フッ素化
されたアルキル基を含むビニルモノマーを使用し、非フ
ッ素系成分との相溶性を上げる試みもあるが、この様な
方法では硬化塗膜の表面エネルギーを十分に下げること
ができない為に、摩擦低減性、均質性、平滑性が不十分
であり、上記記録材料の要求表面特性をまた充足するこ
とができないのが現状である。 また、前記パーフロロアルキル基含有ビニルモノマー
とフッ素系成分との関係と同様に、光反応性シリコンも
また非シリコン成分との相溶性が悪いために、基材に塗
布後容易に表面滲出し、表面均質性並びに表平滑性を十
分に満たす硬化塗膜を与えない。(メタ)アクリロイル
オキシプロピルトリエトキシシラン等の不飽和シリコン
化合物は非シリコン成分との相溶性に優れるが、本発明
者等の知見によれば、不飽和シリコン化合物の添加では
本発明に云う表面平滑性、摩擦低減性、耐擦傷性等の点
で向上硬化は認められず、むしろ多量に添加した場合、
塗膜の強度が低下するという現象が観測された。 <問題点を解決するための手段> 本発明者等は、上記問題点を解決すべく鋭意研究を行
った結果、パーフロロアルキル基含有α,β−不飽和単
量体(I)と、ポリシロキサン鎖含有α,β−不飽和単
量体(II)と、そしてパーフロロアルキル基不含かつポ
リシロキサン鎖不含α,β−不飽和単量体(III)とを
必須構成成分とする重合体に、化学結合によりアクリロ
イル基又はメタクリロイル基を導入して成る反応性含フ
ッ素化合物が、非フッ素系成分並びに非ポリシロキサン
系成分との相溶性に優れ、エネルギー線又は熱による硬
化後、従来の含フッ素ビニルモノマー、含フッ素界面活
性剤、あるいは反応性シリコンを含有する硬化性樹脂組
成物よりもはるかに優れた表面特性、即ち、摩擦抵抗低
減性、表面均質性、表面平滑性、耐擦傷性、防錆性、防
湿性、耐溶剤性、撥水撥油性等を発現する被覆剤となる
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。さらに詳
説すれば、本発明に係る被覆剤の特徴は、パーフロロア
ルキル基とポリシロキサン鎖とを併用して構成されてい
るのにも拘らずパーフロロアルキル基の特性の一つであ
る撥油性が大きく損われていないこと、さらにパーフロ
ロアルキル基含有化合物又はポリシロキサン鎖含有化合
物を単独で使用した場合よりも表面摩擦抵抗低減性に格
段に優れているという相乗効果に在る。 而して本発明は完成されたものであり、本発明の目的
は、前記の如き優れた相溶性、および表面特性を与え、
エネルギー線又は熱によって重合硬化可能な被覆剤を提
供することにある。 本発明に係る新規な被覆剤は、炭素数3〜20のパーフ
ロロアルキル基含有α,β−不飽和単量体(I)と、ポ
リシロキサン鎖含有α,β−不飽和単量体(II)と、パ
ーフロロアルキル基不含かつポリシロキサン基不含のグ
リシジル基含有α,β−不飽和単量体(III)とを必須
成分として反応させて得られる重合体のグリシジル基
に、(メタ)アクリル酸又はカルボキシル基(a)及び
アクリロイル基又はメタクリロイル基(b)含有単量体
のカルボキシル基(a)を付加反応させた構造のアクリ
ロイル基又はメタクリロイル基を有する共重合体と分子
中に(メタ)アクリロイル基又はビニル基のいずれかの
基を1種または2種以上含有する炭化水素系モノマーと
を含有してなるものである。 本発明に係る炭素数3〜20のパーフロロアルキル基含
有α,β−不飽和単量体(I)としては、不飽和基を1
個有するものが好ましい。具体例としては、一般式(I
−1) [式中、Rfは炭素数3〜20好ましくは6〜16のパーフロ
ロアルキル基であって、 の如き、主鎖中にエーテル酸素を含有するものでも良
く、Qは2価の連結基で または (但し、R2は水素原子、または炭素数1〜8のアルキル
基である。)であり、aは0または1であり、 XはCH2 または (但し、mは1〜6の整数である。)であり、bは0ま
たは1であり、R1は水素原子、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子またはメチル基である。]にて表わされる化合
物、そして一般式 [式中、Rfは炭素数3〜20のパーフロロアルキル基であ
り、 Z1は、 (但し、R′1は、水素原子もしくは炭素数1〜10のア
ルキル基である。)、またはCH2 (但し、nは1
〜6の整数である。)であり、 Z2は、CH2 m′(但し、m′は、2〜6の整数であ
る。)または であり、 Rは、水素原子、メチル基、又はハロゲン原子、例えば
Cl,Brであり、 X′は、 (但し、Yは炭素数が15以下で、X′基中に占める重量
割合が35〜65%の間である2価の連結基である。)にて
表わされる2価の連結基であり、 Aは、 (但し、R′2は水素原子、メチル基、エチル基、また
はニトロ基である。)、または にて表わされる3価の連結基である。]にて表わされる
化合物、 そして一般式(I−3) [式中、RfとR′fは、炭素数3〜20のパーフロロアル
キル基であり、Z′1とZ′2は、 (但し、R1は水素原子もしくは炭素数1〜10のアルキル
基である。)、またはCH2 (但し、nは1〜6整
数である。)から選ばれた2価の連結基であり、 Z3は、CH2 (但し、mは2〜6の整数であ
る。)または であり、 Rは、水素原子、メチル基、またはハロゲン原子であ
り、 X1,X2,そしてX3は、(但し、R2は水素原子、または炭素数1〜36のアルキル
基もしくはアルケニル基である。)または から選ばれた2価の連結基であり、 Aは、 (但し、R3は水素原子、ヒドロキシメチル基、メチル
基、エチル基、またはニトロ基である。)、 にて表わされる3価の連結基である。]にて表わされる
化合物である。 炭素数3〜20のパーフロロアルキル基含有α,β−不
飽和単量体(I)のより具体的化合物例として次の如き
ものが挙げられる。 ポリシロキサン鎖含有α,β−不飽和単量体(II)と
しては、ビニル基、メタクリロイル基、アクリロイル基
を有するポリシロキサン鎖含有単量体であり、好ましく
はポリシロキサン鎖含有メタクリレート化合物又はアク
リレート化合物であり具体例としては一般式(II−1)[式中、R3及びR4は炭素数1〜20のアルキル基又はフェ
ニル基で、それらは同一でも異なっていてもよく、又シ
ロキシ単位毎に同一でも異なっていてもよく、 pは、3〜520の整数であり、 qは、0又は1であり、 Y′は2価の連結基で、 (n′,m″は2〜6整数を示す)、または であり、 R5は水素原子又はメチル基であり、 Z3はメチル基、フェニル基、又は である。]にて表わされる化合物、または一般式(II−
2) [式中、R3,R′3,R″3,R4,R′4,R″4は炭素数1〜20の
アルキル基又はフェニル基で、これらは同一でも異なっ
ていてもよく、又シロキサン単位毎に同一でも異なって
いてもよく、 r,s,tは1〜200の整数で、これらは同一でも異なってい
てもよく、 Y′,q,R5は前記と同意義である。]にて表わされる化
合物が挙げられる。 ポリシロキサン鎖含有α,β−不飽和単量体(II)の
より具体的な化合物の例として次の如きものが挙げられ
る。 但し、Me,Phはそれぞれメチル基、フェニル基を表わ
す。 前記の如く、ポリシロキサン鎖含有α,β−不飽和単
量体(II)のα,β−不飽和基としては、ビニル基、ア
クリロイル基、メタクリロイル基のいずれも可能ではあ
るが、重合反応性の点でアクリロイル基又はメタクリロ
イル基が優れているため、これらを含有して成る単量体
(II)が特に好ましい。 パーフロロアルキル基不含かつポリシロキサン鎖不含
α,β−不飽和単量体(III)としては、α,β−エチ
レン性不飽和単量体が好ましく、例えばスチレン、核置
換スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、ビニ
ルスルホン酸、酢酸ビニル等の脂肪酸ビニル、またα,
β−エチレン性不飽和カルボン酸、即ちアクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の
一価ないし二価のカルボン酸、またα,β−エチレン性
不飽和カルボン酸の誘導体として、アルキル基の炭素数
が1〜18の、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以
後この表現はアクリル酸アルキルエステルとメタクリル
酸アルキルエステルの両方を総称するものとする。)、
即ち(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、プロピル、
ブチル、オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ドデ
シル、ステアリルエステル等、また(メタ)アクリル酸
の炭素数1〜18のヒドロキシアルキルエステル、即ちヒ
ドロキシエチル、エチルエステル、ヒドロキシプロピル
エステル、ヒドロキシブチルエステル等、また(メタ)
アクリル酸の炭素数1〜18のアミノアルキルエステル、
即ちジメチルアミノエチルエステル、ジエチルアミノエ
チルエステル、ジエチルアミノプロピルエステル等、ま
た(メタ)アクリル酸の、炭素数が3〜18のエーテル酸
素含有アルキルエステル、例えばメトキシエチルエステ
ル、エトキシエチルエステル、メトキシプロピルエステ
ル、メチルカルビルエステル、エチルカルビルエステ
ル、ブチルカルビルエステル等、またアルキル炭素数が
1〜18のアルキルビニルエーテル、例えばメチルビニル
エーテル、プロピルビニルエーテル、ドデシルビニルエ
ーテル等、(メタ)アクリル酸のグリシジルエステル、
即ちグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレー
ト等、またサートマー社製スチレンマクロモノマー450
0、新中村化学工業(株)製NKエステルM−230G等のマ
クロモノマー等が挙げられ、これらの中から一種又は二
種以上が選択され、単量体(I),(II)との共重合に
供せられる。但し、この共重合の後に、アクリロイル基
又はメタクリロイル基を共重合体中に導入する必要があ
るため、その反応点となり得る、グリシジル基又は水酸
基を含有する単量体のどちらか一種を必須成分として、
α,β−不飽和単量体(III)として選択しておく必要
がある。 本発明のグリシジル基含有α,β−不飽和単量体のグ
リシジル基は、アクリロイル基又はロタクリロイル基
は、アクリル酸、メタクリル酸、または下記一般式にて
表わされる水酸基含有(メタ)アクリレート化合物と ジカルボン酸無水物 とを付加反応せしめて合成される一般式 にて表わされるカルボキシル基含有化合物を、グリシジ
ル基1gモルに対し、0.9〜1.1gモル付加せしめて導入す
ることができる(但し、上記一般式R,Z3,R2は前記と同
意義である)。 炭素数3〜20のパーフロロアルキル基含有α,β−不
飽和単量体(I)と、ポリシロキサン鎖含有α,β−不
飽和単量体(II)と、パーフロロアルキル基不含かつポ
リシロキサン鎖不含有α,β−不飽和単量体(III)と
の共重合体の製法には何ら制限がなく、公知の方法、即
ち、ラジカル重合法、カチオン重合法、アニオン重合法
等が用いられるが、ラジカル重合法が簡便であり、工業
的に特に好ましい。この場合重合開始剤としては当業界
公知のものを使用することができ、例えば過酸化ベンゾ
イル、アゾビスイソブチロニトリル、Mn(acac)3等が
挙げられる。また必要に応じてラウリルメルカプタン等
の連鎖移動剤を使用することも可能である。 重合は、溶剤の存在下又は非存在下のいずれでも実施
できるが、溶剤存在下の場合の方が作業性の点から好ま
しい。溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶剤、1,1,1−
トリクロルエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶剤、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類等のいずれも使
用できる。 炭素数3〜20のパーフロロアルキル基含有α,β−不
飽和単量体(I)と、ポリシロキサン鎖含有α,β−不
飽和単量体(II)との組成比は、重量比で1:1〜1000:1
であり、3:2〜100:1の範囲が特に好ましい。単量体(I
I)の割合が上記範囲を越える場合、硬化表面の撥油性
が低下し、防汚性が損われる傾向があるので好ましくな
い。また単量体(I)+(II)と、パーフロロアルキル
基不含かつポリシロキサン鎖不含α,β−不飽和単量体
(III)との組成比は重量比で1:100〜5:1であり、1:50
〜4:1の範囲が特に好ましい。さらにまた、単量体(II
I)中に占めるグリシジル基含有単量体の割合は、90〜
5重量%であり、80〜10重量%が好ましい。グリシジル
基含有単量体の含有割合が上記範囲以下の場合、硬化塗
膜の強度は劣悪なものとなる。 単量体(I),(II),(III)の共重合温度は、30
〜180℃であり、50〜150℃が特に好ましい。 また共重合体中のグリシジル基とカルボキシル基含有
アクリレート又はメタクリレートとの反応温度は30〜15
0℃であり、50〜130℃が特に好ましい。また触媒とし
て、トリエチルアミン、N,N−ジメルラウリルアミン、
N,N−ジメチルベンジルアミン等の3級アミンを使用す
ることができる。 本発明に係る被覆剤の共重合体は、非フッ素系成分、
即ち以下に称する炭化水素系モノマー(B),(C),
又は(D)と併用する。 本発明に称する炭化水素系モノマーとは、分子中に
(メタ)アクリロイル基を1個有するもの(B)、(メ
タ)アクリロイル基を2個以上有するもの(C)、そし
てビニル基を有するもの(D)である。 (メタ)アクリロイル基を分子中に1個有する炭化水
素系モノマー(B)とは、当業界において一般に希釈モ
ノマーと称されるものを含み、具体的には、 B−1 (メタ)アクリル酸 B−2 (メタ)アクリル酸アルキル(C1〜C18) B−3 フェノキシエチル(メタ)アクリレート B−4 エトキシエチル(メタ)アクリレート B−5 メトキシエチル(メタ)アクリレート B−6 ブトキシエチル(メタ)アクリレート B−7 N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ ート B−8 N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ ート B−9 グリシジル(メタ)アクリレート B−10 アリル(メタ)アクリレート B−11 2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート B−12 2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート B−13 2−メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレ ート B−14 2−エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレ ート B−15 ベンジル(メタ)アクリレート B−16 シクロヘキシル(メタ)アクリレート B−17 ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート B−18 ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アク リレート B−19 2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホ スフェート B−20 テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート B−21 ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート B−22 ジシクロペンタジエンエトキシ(メタ)アクリ レート B−23 p−ベンジルフェノキシエチル(メタ)アクリ レート B−24 1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレ ート B−25 ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレ ート B−26 グリセリンモノ(メタ)アクリレート B−27 トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレ ート B−28 ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレー ト B−29 2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル (メタ)アクリレート B−30 2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピル (メタ)アクリレート B−31 ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー ト B−32 ポリエチレングリコール400モノ(メタ)アク リレート B−33 2−(パーフロロオクチル)エチル(メタ)ア クリレート 等である。 (メタ)アクリロイル基を2個以上有する炭化水素系
モノマー(C)とは、当業界において一般に多官能(メ
タ)アクリレート又は特殊(メタ)アクリレートと称さ
れるものと、プレポリマー、ベースレジン、オリゴマ
ー、又はアクリルオリゴマーと称されるものとを含み具
体的には次の様なものが例示される。 (i)多価アルコールに(メタ)アクリル酸が2個以上
結合した多価(メタ)アクリレート。 (ii)多価アルコールと多塩基酸の反応より得られるポ
リエステルポリオールに(メタ)アクリル酸が2個以上
結合したポリエステルアクリレート。 上記(i),(ii)中の多価アルコールとしては、エ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ジエチレングリコール、トリメチロールプ
ロパン、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール等である。又多塩基酸とし
てはフタル酸、アジピン酸、マレイン酸、トリメリット
酸、イタコン酸、コハク酸、テレフタル酸、アルケニル
コハク酸等が挙げられる。 (iii)エポキシ樹脂のエポキシ基を(メタ)アクリル
酸でエステル化し官能基として(メタ)アクリロイル基
としたエポキシアクリレート。 エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA−エピクロ
ルヒドリン型、フェノールノボラック−エピクロヒドリ
ン型、脂環式樹脂等が挙げられる。 (iv)多価イソシアナート化合物に、ヒドロキシル基含
有(メタ)アクリレートを反応させて得られるポリウレ
タンアクリレート。 多価イソシアナート化合物としては、分子中央部がポ
リエステル、ポリエーテル、ポリウレタン等の構造を有
し、両端にイソシアナート基を含有したもの等が挙げら
れる。 (v)その他として、ポリエーテル(メタ)アクリレー
ト、メラミン(メタ)アクリレート、アルキド(メタ)
アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレー
ト、シリコン(メタ)アクリレート等がある。 これらのより具体的な化合物の例として、以下の如き
ものが挙げられる。 C−1 1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート C−2 1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート C−3 1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー ト C−4 ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート C−5 ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー ト C−6 ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリ レート C−7 ヒドロキシピパリン酸エステルネオペンチルグ リコールジ(メタ)アクリレート C−8 トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ ート C−9 1,3−ビス(3″−アクリルオキシエトキシ− 2′−ヒドロキシプロピル)5,5−ジメチルヒ ダントイン C−10 ヒドロキシピパリン酸エステルネオペンチルグ リコールジ(メタ)アクリレート C−11 トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ ート C−12 ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー ト C−13 ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリ レート C−14 ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ ート C−15 トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレー ト C−16 ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート C−17 ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ (メタ)アクリレート C−18 日立化成(株)製FA−731A C−23 (CH2=C(R6)COOCH2CH2P=O (但し、R6はH又は−CH3である。) 等である。 本発明に称するビニル基を有する炭化水素系モノマー
(D)とは、 D−1 スチレン D−2 p−クロルスチレン D−3 p−メトキシスチレン D−4 ジビニルベンゼン D−5 N−ビニルピロリドン D−6 N−ビニルカプロラクタム D−7 アクリロニトリル 等である。 本発明にかかる被覆剤は、共重合体(A)と前記の炭
化水素系モノマー(B),(C),(D)とからなるも
のである。 (A)と(B)+(C)+(D)との混合割合は制限
されないが、表面特性、すなわち摩擦低減性、均質性、
平滑性、耐擦傷性、防錆性、防湿性、耐溶剤性、撥水撥
油性等を充分に発揮するためには、(B)+(C)+
(D)に対する共重合体(A)の混合割合は、重量比で
100,000:1であり、より好ましくは50,000:1である。 本発明の被覆剤は、基材に塗布又は含浸させた後、
熱、光、電子線、放射線エネルギーを与えることにより
重合硬化せしめ、所望の被覆膜を形成することができ
る。重合開始エネルギーとして熱を利用する場合、無触
媒又はアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオ
キシド、メチルエチルケトンパーオキシド−ナフテン酸
コバルト等の重合開始剤、又紫外線のような光を利用す
る場合には、当業界公知の所謂、光重合開始剤、例えば
E−1:ベンゾフェノン、E−2:アセトフェノン、E−3:
ベンゾイン、E−4:ベンゾインエチルエーテル、E−5:
ベンゾインイソブチルエーテル、E−6:ベンジルメチル
ケタール、E−7:アゾビスイソブチロニトリル、E−8:
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、E−9:2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン等
と、必要に応じてアミン化合物、又はリン化合物等の光
増感剤を添加し、重合をより迅速化することができる。
電子線又は放射線にて重合硬化させる場合には、特に重
合開始剤等の添加は要しない。 本発明の被覆剤中には、上記の重合開始剤等の他に、
溶剤、耐光安定剤、カップリング剤、消泡剤、レベリン
グ剤、そして界面活性剤等の各種添加剤を加えることが
できる。 溶剤は、本発明の被覆剤の粘度、塗布性、並びに膜厚
を制御するために配合することができる。この様な溶剤
としては、本発明被覆剤の重合反応性に悪影響を及ぼさ
なければ特に制限はないが、メタノール、エタノール、
イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、クロロホルム、ジクロルエタン、四塩
化炭素、1−フロロ−1−ジクロロ−2−ジフロロ−2
−クロロエタン系の低沸点溶剤が作業性の点から好まし
い。本発明の被覆剤を、溶剤に溶解させた溶液として基
材に塗布又は含浸させた場合、重合硬化を開始する前
に、常温、又は必要に応じて加熱や減圧により脱溶剤さ
せる工程が必要となる。溶剤を加熱除去する場合、モノ
マー等の加熱重合を来たさないために80℃以下で実施す
るのが好ましい。 本発明に係る被覆剤を基材に塗布する方法としては、
当業界公知の種々の方法、例えば、刷毛塗り、アプリケ
ーター、バーコーター、ローラーブラシ、又はロールコ
ーター等による塗布法、エアースプレー又はエアーレス
スプレー塗装機等によるスプレー塗布法、シャワーコー
ター又はカーテンフローコーター等による流し塗り法
(フローコート)、浸漬法、キャスティング法、そして
スピンナーコーティング法等を用いることができ、基材
の材質、形状又は用途等に応じて適宜使い分けることが
望ましい。 本発明の被覆剤をエネルギー線照射により重合硬化す
る場合、当業界公知の、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、カー
ボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧
又は高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタル
ハライドランプ、自然光等を光源とする紫外線、又は走
査型、カーテン型電子線加速路による電子線等を使用す
ることができ、厚みが5μm以下の塗布層の紫外線硬化
の場合、重合の効率化の点で、窒素ガス等の不活性ガス
雰囲気下で照射することが好ましい。 <作用> 前述の如く、非フッ素系かつ非リコン系成分に含フッ
素ビニルモノマーもしくはポリシロキサン鎖含有モノマ
ーを混合し、硬化被膜の表面特性を向上させようとする
提案はある。しかしながら、本発明者等の知見によれ
ば、従来から提案されてきたパーフロロアルキル基又は
パーフロロアルケニル基含有モノマー並びにポリシロキ
サン鎖含有モノマーは、非フッ素系かつ非シリコン系成
分との相溶性不良から、塗布後又は塗布硬化後著しい相
分離を惹起し、塗膜の均質性を著しく損うために、所期
の十分な摩擦抵抗低減性、防錆性、耐擦傷性等を発揮し
ない。また一方、フッ素系モノマーとして部分フッ素化
アルキル基を含有するもの、あるいはシリコン系モノマ
ーとしてシロキサン単位が2ケ以下のものを使用し、相
溶性を向上させた例もあるが、この様な系ではフッ素化
アルキル基又はシロキサン基の表面移行性が悪いため
に、十分な表面特性を発揮しない。さらに、本発明者等
の知見によれば、含フッ素モノマーとポリシロキサン鎖
含有モノマーを非フッ素系かつ非シリコン系成分に同時
添加した場合には、それぞれのどちらか一方を添加した
場合よりも、さらに硬化被膜の表面均質性が低下し、そ
の他の表面特性を劣悪になることが判明した。 これらのことに対し、本発明に係る被覆剤が発現する
新規な特性を理解する上で、同一分子中に、パーフロロ
アルキル基、ポリシロキサン鎖、そして非フッ素系成分
を有していることが重要である。即ち、本発明に係る被
覆剤は適度な親油性基を有する為に非フッ素系かつ非シ
リコン系成分との相溶性を低下せず、又同一分子中にパ
ーフロロアルキル基とポリシロキサン鎖を有する為に表
面移行性を損っていないと考えられる。又前記の如く、
含フッ素モノマーとポリシロキサン鎖含有モノマーを同
時併用した場合には、著しく塗膜の表面状態は悪化す
る。これに対し、本発明の被覆剤が何故に優れた硬化被
膜を与えるかについては十分に明確ではないが、パーフ
ロロアルキル基及びポリシロキサン鎖を同一分子中に含
有することによって摩擦抵抗低減性に相乗効果が観察さ
れることから、これらによって形成されるミクロ的に緻
密な混成集合体が、これ迄にない、摩擦抵抗低減性、表
面平滑性、耐擦傷性、防錆性、防湿性、耐溶剤性等を発
現したと考えられる。尚、以上の推察は本発明を理解す
る上での一助とするものであり、これによって本発明が
何ら限定されるものでないことは勿論である。 <発明の効果> 本発明に係る被覆剤は、前述の如く各種の固体表面の
保護被覆層として例えば防湿防錆剤、防汚剤、潤滑剤、
減摩剤、剥離剤、離型剤、電子部品等の封止剤等として
使用できるが被膜の薄さと平滑性、防湿性を生かして特
に、記録材料分野における磁気記録製品の磁性層の被覆
に好適に用いられる。 例えば、銅、アルミニウム、亜鉛などの非磁性金属や
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン類、セルロースアセテート等のセルロース
誘導体ポリカーボネート等のプラスチックや、更に、場
合によりガラス、紙、木材、繊維、磁器及び陶器のよう
なセラミックス上に蒸着された強磁性合金(鉄、コバル
ト及び/又はニッケルを主成分とし、少量のアルミニウ
ム、シリコン、クロム、マンガン、モリブデン、チタ
ン、各種重金属類、希土類金属等を含むもの)または微
量酸素存在下で、鉄、コバルト、クロム等の磁性材料を
ポリエステル等のプラスチックフィルムに蒸着した磁気
テープ、または磁気ディスクの磁性層等の保護被覆や、
減摩性が特に要求される、磁気テープやフロッピーディ
スクの背面処理剤、表面処理剤としても好適である。 一方、本発明の被覆剤は、ガラス表面上にも透明で平
滑な薄い被膜を形成できるので、各種光学機器の油汚れ
防止剤などとして耐油性と耐拭き取り性を必要とする用
途にも使用することができる。 更に又、防湿性等が特に要求される太陽電池用保護
膜、光ファイバー及び光ファイバーケーブル光ディス
ク、光磁気ディスク等の保護被覆剤としても好適であ
る。 また本発明の被覆剤が耐擦傷性、摩擦抵抗低減性に優
れた被膜を形成できるので、各種摺動部品の表面処理
剤、各種成形品又はフィルム、シート等のハードコート
剤としても使用できる。又、歯、義歯等の表面処理剤、
虫歯のつめ物としても使用できる。 さらに又、本発明の被覆剤に顔料及び分散剤を混入
し、防汚性又は非粘着性に優れた塗料又はインキを形成
できる。 次に、本発明の具体的な合成例、実施例について説明
するが、斯かる説明によって本発明が何ら限定されるも
のでないことは勿論である。文中「部」「%」は重量基
準であるものとする。 合成例1 温度計、攪拌器、コンデンサーを備えた丸底フラスコ
に、単量体として 20部、スチレン32.5部、メチルメタクリレート10部、グ
リシジルメタクリレート17.5部、本文中II−1−10にて
示されるポリシロキサン鎖含有単量体(M〜5,000)
3部、連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン0.3部、
重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.5部、
溶剤としてメチルイソブチルケトン141部を秤取し、100
℃で10時間反応し、共重合体を得た。GPC:n=〜8,00
0。 次に、重合禁止剤としてハイドロキノン0.5部、アク
リル酸8.8部、そして触媒としてN,N−ジメチルベンジル
アミン0.9部を加え、110℃にて8時間反応した。0.1
(N)水酸化カリウムによる滴定の結果、一段目の反応
で得られた共重合体中へのアクリル酸の導入率は、99.0
%であった。GPC:n=〜8100。固形分40%。 合成例2 単量体として、本文中I−2−12にて示される含フッ
素単量体20部、イソブチルメタクリレート12.5部、グリ
シジルメタクリレート17.5g、メチルメタクリレート10
部、スチレン20部、本文中II−2−3にて示されるポリ
シロキサン鎖含有単量体(n〜10000)10部、重合開
始剤として、ジターシャリブチルパーオキサイド1部、
溶剤としてメチルイソブチルケトン186.8部を用い、合
成例1と同様にして、一段目の反応を行った。GPC:n
=〜110,000。 次に重合禁止剤としてフェノチアジン0.5部、 32.2部、そして触媒としてN,N−ジメチルラウリルアミ
ン0.8部を用い、合成例1と同様にして、二段目の反応
を行い目的とする被覆剤を得た。二重結合の導入率98.6
%、GPC:n=〜115,000。固形分40%。 合成例3〜6,比較合成例1,2 表−1に、合成例1,2と同様にして得られた被覆剤を
まとめて示す。 表中の番号は本文中の化合物を示し、又各略称は下記
の化合物を示す。 tBMA :tert−ブチルメタクリレート St :スチレン GMA :グリシジルメタクリレート MMA :メチルメタクリレート β−HEMA:β−ヒドロキシメタクリレート EA :エチルアクリレート C−4500:サートマー社製スチレンマクロマー AIBN :アゾビスイソブチロニトリル MIBK :メチルイソブチルケトン N,NDMBzA:N,N−ジメチルベンジルアミン 表中の番号は本文中の化合物を示し、又各略号は前記
表−1の化合物と下記化合物をそれぞれ示す。 iBMA :イソブチルメタクリレート HEA :ヒドロキシエチルアクリレート SMA :ステアリルメタクリレート 実施例1〜6及び比較例1〜9 銅板(JIS G3141)、アルミ板(JIS H4000)、ガラス
板に表−1に示した本発明の被覆剤を塗布し、溶剤を室
温で蒸散させた後、塗布層を紫外線電子線熱によって下
記の条件下で硬化させ、被覆膜の諸特性について検討し
た。結果を表−2に示す。 装置;紫外線による硬化は、降圧水銀灯(80w/cm)を使
用し、照射距離10cm、照射時間60秒、窒素雰囲気下、33
℃で実施した。また電子線による硬化は、カーテン型電
子線加速器(200kV)を使用し、線量10Mradで行った。 熱硬化条件;加熱オーブン中、150℃、10分間の加熱条
件で熱硬化した。 塗装方法;本発明に係る共重合体、即ち合成例1〜6の
化合物と比較合成例1〜2の化合物、炭化水素系モノマ
ー(B),(C),(D)、そしてその他配合物から成
る被覆剤を酢酸エチルによって5%に希釈し、バーコー
ターにて塗布し、不揮発分が1.0μmの塗布層を形成し
た。 表面平滑性;表面塗膜の平滑性は、倍率160倍の光学顕
微鏡で塗膜表面のブツ等の有無を観察し、5段階(5:全
くブツがない、4:縁にほんの僅かブツあり、3:表面はほ
んの僅かブツあり、2:表面に僅かにブツがある、1:全て
にブツがある数値が大きい程良好)で評価した。 表面乾燥性; 指触による ◎印 ベタ付きが全くない ○印 ベタ付きが若干感じられる △印 ベタ付きが少しある ×印 ベタ付きがある 表面硬度;JIS 5400の方法に基づいて実施した。 接触角;接触角は、n−ドデカン又は水を6μ1測定表
面に滴下し、エルマ製ゴニオメーター式接触角測定器を
用い、25℃にて測定した。 防錆性;試験片を20%塩化ナトリウム水溶液に浸漬し、
塗膜に錆が発生するまでの時間を観察し、5段階(5:20
0時間以上、4:150〜200時間、3:100〜150時間、2:50〜1
00時間、1:0〜50時間)で評価した。 碁盤目テスト 1cm角を1mm間隔で縦と横にカッターで切り100個のマ
ス目をつくり、セロテープ(積水化学S−832)を密着
させて、一気にはがし、残ったマス目の数を表わした。 尚実施例及び比較例No.の欄のUV表示は紫外線硬化に
よる重合体被膜の形成を示し、EB表示は電子硬化のそれ
を、そしてHEATは熱硬化のそれをそれぞれ示す。また表
中の(B),(C),(D),(E)は本文中の化合物
をそれぞれ表わしている。 実施例1〜6の如く、本発明例は表面平滑性、表面乾
燥性、表面硬度、接触角、耐塩水性、及び碁盤目テスト
において優れた性能を有していることが分る。これに対
し、比較例1〜9の如く、本発明に係る被覆剤を欠く
か、又はそれに代って他種の反応性化合物を配合した場
合、実施例と比較し、極めて劣悪な性能しか得られない
ことが分る。 実施例7〜9、比較例10〜16 次にポリエステルフィルムに、表−1に示す実施例と
同じ組成で被覆膜を形成(塗工膜厚:5μm)し、その表
面平滑性、表面乾燥性、n−ドデカンの接触角及び転落
角、摩擦抵抗低減性、アセトン並びにクロロセンに対す
る耐溶剤性、耐光性、そして耐湿性を検討した。その結
果を表−3に示す。 尚、動摩擦係数の測定は、米国材料試験協会規格D−
1894に準じた方法により、東洋ボールドウイン社製摩擦
試験治具を使用して行った(錘重量:236g、引張強度:10
0mm/mm)。 耐溶剤性は、本発明の被覆膜を形成したポリエステル
フィルムを、アセトン並びにクロロセンに50℃で1時間
浸漬した後引き上げ、多観及び碁盤目テストにて評価し
た。 耐光性は、フェードメータにおいて1000時間暴露後の
塗膜の外観を目視により評価した。 耐湿性は、80℃、90%RHの条件下で150時間経過後の
塗膜の外観と、密着性を碁盤目テストにより評価した。 表−3から、本発明実施例と比較例に明瞭な差異が認
められ、特に摩擦抵抗低減性に本発明の有位性が実証さ
れた。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基含有α,β
    −不飽和単量体(I)と、ポリシロキサン鎖含有α,β
    −不飽和単量体(II)と、パーフルオロアルキル基不含
    かつポリシロキサン基不含のグリシジル基含有α,β−
    不飽和単量体(III)とを必須成分として反応させて得
    られる重合体のグリシジル基に、(メタ)アクリル酸又
    はカルボキシル基(a)及び(メタ)アクリロイル基
    (b)含有単量体のカルボキシル基(a)を付加反応さ
    せた構造の(メタ)アクリロイル基を有する共重合体
    と、分子中にアクリロイル基、メタクリロイル基又はビ
    ニル基のいずれかの基を1種または2種以上含有する炭
    化水素系モノマーとを含有してなる被覆剤。 2.ポリシロキサン鎖含有α,β−不飽和単量体(II)
    が、ポリシロキサン鎖含有(メタ)アクリレート化合物
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の被
    覆剤。
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