JP2992314B2 - アリル基の除去方法 - Google Patents

アリル基の除去方法

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JP2992314B2 JP19340190A JP19340190A JP2992314B2 JP 2992314 B2 JP2992314 B2 JP 2992314B2 JP 19340190 A JP19340190 A JP 19340190A JP 19340190 A JP19340190 A JP 19340190A JP 2992314 B2 JP2992314 B2 JP 2992314B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D499/00Heterocyclic compounds containing 4-thia-1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. penicillins, penems; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulfur-containing hetero ring
    • C07D499/88Compounds with a double bond between positions 2 and 3 and a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. an ester or nitrile radical, directly attached in position 2

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、β−ラクタム系抗生物質を合成する際に、
カルボキシル基等の保護基として頻繁に利用されている
アリル基を除去する方法に関する。
(従来技術) β−ラクタム系抗生物質を合成する際に、カルボキシ
ル基等の保護基としてアリル基を使用する方法が有用で
あることは、S.W.McCombie等(J.Org.Chem.,47,587(19
82))により、あるいは特開昭55−94321、特開昭62−6
1984等に既に報告されている。この結果生成するカルボ
ン酸アリルエステル化合物からアリル基を除去する方法
として、(i)アリル基受容体として炭素数5から8の
カルボン酸アルカリ金属塩(例えば2−エチルヘキサン
酸ナトリウム)、触媒としてテトラキス(トリフェニル
ホスフィン)パラジウム(O)及びトリフェニルホスフ
ィンを用い、室温で反応させる方法(J.Org.Chem.,47,5
87(1982)、特開昭55−94321号)、(ii)テトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)及びトリ
ブチル錫ヒドリドと反応させる方法(特開昭60−72893
号)、または(iii)テトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウム(O)存在下、アセチルアセトンまた
はジメドンと反応させる方法(特開昭62−61984)など
が挙げられる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、(i)の方法においては、カルボン酸
のアルカリ金属塩をアリル基受容体としているため、生
成物が収率よく結晶として析出しない限り、目的物を反
応混合物から分離精製することが困難であり、(ii)の
方法においては、後処理法を選択することにより目的物
をカルボン酸アルカリ金属塩として分離することができ
るが、トリブチル錫ヒドリドは高価でかつ取り扱いに注
意を必要とするので、大量合成あるいは実用的な合成に
は不適である。(iii)の方法においては目的物を塩と
して得ようとする場合、別途処理を必要とする等の問題
がある。さらに、これら公知の方法では、通常カラムを
用いて分離したのち、凍結乾燥等により目的物を得るた
め工業的製法としては好ましくない。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、種々の検討を行った結果、
一般式 (式中、mは0または1を表し、R1は置換されていても
よいアリル基を表す。)で表されるアリルエステル化合
物を、触媒量のパラジウム錯体の存在下、一般式 (式中、nは2から4の整数、R2はアルカリ金属を表
し、環上の水素原子は低級アルキル基もしくは低級アル
キルオキシカルボニル基、ハロゲン原子またはアリール
基で置換されていてもよい。)で表される1,3−ジケト
ン化合物のアルカリ金属エノレートと反応させるか、ま
たは、アルカリ金属塩化合物共存下、一般式 (式中、nは2から4の整数を表し、環上の水素原子は
低級アルキル基もしくは低級アルキルオキシカルボニル
基、ハロゲン原子またはアリール基で置換されていても
よい。)で表される1,3−ジケトン化合物と反応させる
ことにより、一工程で脱アリル化反応及び塩への誘導を
行うことに成功し、本発明に至った。
本発明は、次の一般式 (式中、R1は置換されていてもよいアリル基、mは0ま
たは1を示す) で表わされるペネム化合物を、触媒量のパラジウム錯体
の存在下に、(a)一般式 (式中、nは2から4の整数、R2はアルカリ金属を表
し、環上の水素原子は低級アルキル基もしくは低級アル
キルオキシカルボニル基、ハロゲン原子、またはアリー
ル基で置換されていてもよい。)で表される1,3−ジケ
トン化合物のアルカリ金属エノレートと反応させるか、
または、(b)アルカリ金属塩化合物共存下、一般式 (式中、nは前記と同義、環上の水素原子は低級アルキ
ル基もしくは低級アルキルオキシカルボニル基、ハロゲ
ン原子、またはアリール基で置換されていてもよい。)
で表される1,3−ジケトン化合物と反応させて次の一般
(式中、R2およびmは前記と同義) で表わされるペネム化合物のアルカリ金属塩に変換する
ことを特徴とするアリル基の除去方法、上記化合物〔II
I〕の水和物、および上記の反応により生ずる反応混合
物に水を添加することを特徴とする該水和物の分取法で
ある。
R1で示されるアリル基としては、たとえば、アリルア
ルコール、ハロアリルアルコール、メチルアリルアルコ
ール、クロチルアルコール、これらの低級アルコキシ酸
誘導体、シンナミルアルコール、シンナミルアルコール
の活性エステルから誘導されるものなどか挙げられる。
本発明においては1,3−ジケトン化合物〔II b〕また
はそのアルカリ金属エノレート〔II a〕がアリル基受容
体として作用し、化合物〔II b〕は炭素数2〜4の環を
形成する環式脂肪族1,3−ジケトンであればよく、環上
の水素原子は低級アルキル基もしくは低級アルキルオキ
シカルボニル基、ハロゲン原子またはアリール基で置換
されていてもよい。その例としては、1,3−シクロヘキ
サンジオン、ジメドン、5,5−ジメチル−4−メトキシ
カルボニル−1,3−シクロヘキサンジオンなどが挙げら
れ、アルカリ金属エノレートとしては、ナトリウム、カ
リウムなどのエノレートが挙げられる。
1,3−ジケトン化合物と共存させるアルカリ金属塩化
合物はカルボン酸をアルカリ金属塩にしうるものであれ
ばよく、たとえば炭酸水素ナトリウムもしくはカリウ
ム、炭酸ナトリウムもしくはカリウムのようなアルカリ
金属の炭酸塩が好んで用いられる。
上記アリル基受容体と基質であるペネム化合物(I)
を溶剤中で混合し、触媒量のパラジウム錯体を添加して
反応を開始させる。アリル受容体と基質との好ましい割
合は前者0.5〜1.5当量に対し後者1当量である。
反応は10℃〜40℃にて撹拌下に進行させることができ
る。
パラジウム錯体としては配位ホスフィン配位子を有す
るものが用いられ、トリフェニルホスフィンのようなト
リアリールホスフィンが配位ホスフィン配位子として好
ましい。
最も好ましい錯体はテトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウム(O)であるが、ビス(トリフェニル
ホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、ジクロロ−
ジ〔ベンゾニトリル〕パラジウム(II)、二酢酸パラジ
ウムと数等量のトリフェニルホスフィンの併用(Fieser
およびFieser,Reagent for Organic Synthesis,Vol.V,4
97頁,503頁,504頁)等の溶剤可溶性パラジウム錯体を用
いてもよい。
パラジウム錯体の使用量は、たとえば、テトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)を用いる
場合、0.5モル%〜2.5モル%でよく、さらに増量して反
応時間を短縮させることもできる。また、トリフェニル
ホスフィンを反応時間を短縮するため、あるいはテトラ
キス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)の使
用量を減らす等の目的で使用することも可能である。
反応の溶剤は基質であるペネム化合物〔I〕、アリル
基受容体〔II aまたはII b〕および触媒であるパラジウ
ム錯体を溶解できるものであれば特に限定されることは
なく、その例としては、たとえば、ジクロロメタン、ク
ロロホルム等のようなパロゲン化アルキル類、酢酸メチ
ル、酢酸エチル等のようなエステル類、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のようなエーテル類、メタノ
ール、エタノール等のアルコール類、アセトニトリル、
プロピオニトリル等のようなニトリル類、アセトン、メ
チルエチルケトンのようなケトン類、またはベンゼン、
トルエン、キシレン等のような芳香族炭化水素類が挙げ
られる。これらは単独でまたは必要に応じて二種以上混
合して用いられる。
反応により生成する目的物〔III〕が使用した溶剤に
難溶な場合は、一般に生成物が結晶として析出するの
で、これを過することにより目的物である塩を単離す
ることができる。また、目的物が反応混合物から結晶と
して析出し難い場合は、反応に用いた溶剤とよく混和
し、かつ目的物が難溶性の溶剤を添加することにより目
的物の結晶を析出させることもできる。
本発明者らは水を反応混合物中に適当量添加すること
により目的化合物をより結晶性の良い水和物として析出
させ、過により単離することができることを見いだし
た。すなわち、反応混合物に水を加え、析出した水和物
の形の目的物を取するか、あるいはさらに水酸化ナト
リウムもしくはカリウム、炭酸水素ナトリウムもしくは
カリウム、炭酸ナトリウムもしくはカリウム等の無機塩
基を少量加えてpHを調整したのち、有機層を除去し、水
層を数回有機溶剤にて洗浄し、ついで濃縮して目的の水
和物を得ることができる。この際、ある程度水層を濃縮
した段階でテトラヒドロフラン、アセトン、アセトニト
リル等の適当な水混和性有機溶剤を加えることにより、
多くの場合目的の水和物を純度の良い結晶として析出さ
せることが可能である。
このようにして得られた、場合により水和物の形の、
目的物の結晶は、必要に応じて、再結晶等の操作でさら
に精製することもできる。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に例示す
るが、これらが本発明を限定するものでないことは言う
までもない。
実施例1 (1′R,5R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエチル)
−2−(3″−テトラヒドロフラニル)メチルペネム−
3−カルボン酸アリルエステル16.97g(50ミリモル)、
5,5−ジメチル−4−メトキシカルボニル−1,3−シクロ
ヘキサンジオンエノールのナトリウム塩13.21g(60ミリ
モル)、トリフェニルホスフィン0.66g(2.5ミリモル)
の酢酸エチル100mlの溶液にテトラキス(トリフェニル
ホスフィン)パラジウム(O)0.58g(0.5ミリモル)を
加え、25℃で2時間熟成した。反応終了後、水100mlと1
0%苛性ソーダ水溶液10.29gを加えpHを6.5に調整した。
その後水層を分離し、塩化メチレン50mlで洗浄し得られ
た水溶液を73gまで濃縮し、アセトン150mlを加え0℃ま
で冷却した。
得られた結晶を濾過し乾燥することにより(1′R,5
R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエチル)−2−(3″
−テトラヒドロフラニル)メチルペネム−3−カルボン
酸ナトリウム塩の2.5水和物の微黄色結晶15.57gを得
た。HPLCで分析したところ純度は98%であった。(収率
83%) この結晶に水39.06gを加え加温溶解したのち、アセト
ン150mlを加え0℃まで冷却後、濾過し乾燥することに
より(1′R,5R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエチ
ル)−2−(3″−テトラヒドロフラニル)メチルペネ
ム−3−カルボン酸ナトリウム塩の2.5水和物の白色結
晶13.75gを得た。HPLCで分析したところ純度は100%
(収率75%)であった。
得られた化合物の物性を以下に示す。
NMRスペクトル:(D2O,δppm) 1.16,1.17(各々3/2H,d,J=6Hz),1.41−1.62(1H,
m),1.88−2.04(1H,m),2.28−2.46(1H,m),2.46−3.
00(1H,m),3.26−3.40(1H,m),3.58−3.82(4H,m),
4.04−4.17(1H,m),5.47(1H,d,J=2Hz) IRスペクトル:(KBr,cm-1)3400,1755 ▲〔α〕26 D▼:+121゜(H2O,c=0.269,脱水物換算) 実施例2 (1′R,2″R,5R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエチ
ル)−2−(2″−テトラヒドロフラニル)ペネム−3
−カルボン酸アリルエステル57.7kg(177mol)に酢酸エ
チル3541を加え溶解した後、5,5−ジメチル−4−メト
キシカルボニル−1,3−シクロヘキサンジオンエノール
のナトリウム塩46.9kg(213mol)、トリフェニルホスフ
ィン2.3kg(9mol)及びテトラキス(トリフェニルホス
フィン)パラジウム(O)2.1kg(1.8mol)を加え、20
℃で2時間熟成した。反応終了後、水355.2kg及び10%
苛性ソーダ水溶液32.7kgを加えることにより、pHを6.5
に調整し分液した。得られた水層を塩化メチレン75mlで
洗浄後、水225kgを減圧下留去した。残液にアセトン530
1を加え0℃まで冷却し、析出してきた結晶を遠心分離
機で振り切り、アセトン151で洗浄した。
得られた結晶を乾燥することにより(1′R,2″R,5R,
6S)−6−(1′−ヒドロキシエチル)−2−(2″−
テトラヒドロフラニル)ペネム−3−カルボン酸ナトリ
ウム塩、2.5水和物の微黄色結晶54.1kgを得た。HPLCで
分析したところ純度は98%であった。(収率85%) この結晶に水242kg、活性炭5.2kgを加え1時間撹拌し
た後、活性炭を濾過機で濾過した。その後、水140kgを
減圧下留去しアセトン4101を加え0℃に冷却した後、遠
心分離機で振り切りアセトン151で洗浄した。
得られた結晶を乾燥することにより(1′R,2″R,5R,
6S)−6−(1′−ヒドロキシエチル)−2−(2″−
テトラヒドロフラニル)ペネム−3−カルボン酸ナトリ
ウム塩、2.5水和物の白色結晶48.0kgを得た。HPLCで分
析したところ純度は100%であった。(収率77%) 得られた化合物の物性を以下に示す。
元素分析値:C12H14NNaO5S・2.5H2O(分子量 352.343) 計算値(C,H,N):40.91,5.44,3.98 測定値(C,H,N):40.78,5.44,3.93 NMRスペクトル:(CDCl3,δppm,TMS標準) 1.71(3H,d,J=6Hz),1.73−2.03(3H,m),2.18−2.3
5(1H,m),3.67−3.92(3H,m),4.05−4.19(1H,m),5.
38(1H,dd,J=7Hz),5.46(1H,s) IRスペクトル:(KBr,cm-1)3280,1752 ▲〔α〕26 D▼:+132.6゜(H2O,C=0.99) X線回折: 〔測定条件〕 X線電力 50KV 200mA 照射源 Cu,グラファイトモノクロメ
ーター 〔結晶データ〕大きさ 0.3×0.3×0.5mm 結晶差 斜方晶系 空間群 P2,2,2 格子定数 a9.29078 b32.4538 c5.4951 α90.0 β90.0 γ90.0 実施例3 (1′R,2″R,5R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエチ
ル)−2−(2″−テトラヒドロフラニル)ペネム−3
−カルボン酸アリルエステル16.27g(50ミリモル)、5,
5−ジメチル−4−メトキシカルボニル−1,3−シクロヘ
キサンジオンエノールのナトリウム塩13.21g(60ミリモ
ル)、トリフェニルホスフィン0.66g(2.5ミリモル)の
テトラヒドロフラン100mlの溶液にテトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム(O)0.58g(0.5ミリモ
ル)を加え、25℃で1時間熟成した。反応終了後、水4.
5gを加え30分間撹拌した。
得られた結晶を濾過し乾燥することにより(1′R,
2″R,5R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエチル)−2−
(2″−テトラヒドロフラニル)ペネム−3−カルボン
酸ナトリウム塩の2.5水和物の微黄色結晶16.74gを得
た。HPLCで分析したところ純度は98%であった。(収率
93%) この結晶に水40.44gを加え加温溶解したのち、アセト
ン150mlを加え0℃まで冷却後、濾過し乾燥することに
より(1′R,2″R,5R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエ
チル)−2−(2″−テトラヒドロフラニル)ペネム−
3−カルボン酸ナトリウム塩の2.5水和物の白色結晶15.
12gを得た。HPLCで分析したところ純度は100%(収率86
%)であった。
実施例4〜13 実施例3と同様の手順で第1表に示す条件で、反応溶
媒の種類を変えて反応を行った結果、(1′R,2″R,5R,
6S)−6−(1′−ヒドロキシエチル)−2−(2″−
テトラヒドロフラニル)ペネム−3−カルボン酸ナトリ
ウム塩の2.5水和物の純度及び収率は以下の通りであっ
た。
実施例14 (1′R,2″R,5R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエチ
ル)−2−(2″−テトラヒドロフラニル)ペネム−3
−カルボン酸アリルエステル(59.87g)、1,3−シクロ
ヘキサンジオン(14.44g)、テトラキス(トルフェニル
ホスフィン)パラジウム(O)(4.25g)及びテトラヒ
ドロフラン(368ml)の混合物を、室温にて13時間撹拌
した。この反応混合物に水(170ml)及び炭酸水素ナト
リウム(16g)を加えさらに30分撹拌した。この混合物
を塩化メチレンで3回洗浄し、水層に氷冷撹拌下、アセ
トン(1300ml)を加えた。同温で3時間撹拌し、析出し
た結晶はろ取し、減圧下2時間乾燥し、(1′R,2″R,5
R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエチル)−2−(2″
−テトラヒドロフラニル)ペネム−3−カルボン酸ナト
リウムを白色結晶として42.07g得た。
実施例15 (1′R,2″R,5R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエチ
ル)−2−(2″−テトラヒドロフラニル)ペネム−3
−カルボン酸アリルエステル(1.952g)、ジメドン(0.
474g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジ
ウム(O)(69mg)及びテトラヒドロフラン(6ml)の
混合物を、室温にて3時間撹拌した。この反応混合物に
水(7ml)及び炭酸水素ナトリウム(0.605g)を加えさ
らに30分撹拌した。この混合物を塩化メチレンで3回洗
浄し、水層に氷冷撹拌下、アセトン(35ml)を加えた。
同温で3時間撹拌し、析出した結晶はろ取し、減圧下2
時間乾燥し、(1′R,2″R,5R,6S)−6−(1′−ヒド
ロキシエチル)−2−(2″−テトラヒドロフラニル)
ペネム−3−カルボン酸ナトリウムを白色結晶として1.
449g得た。
実施例16 (1′R,2″R,5R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエチ
ル)−2−(2″−テトラヒドロフラニル)ペネム−3
−カルボン酸アリルエステル(325mg)、ジメドン(168
mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム(O)(12mg)炭酸水素ナトリウム(92mg)及びテト
ラヒドロフラン(2ml)の混合物を、室温にて3時間撹
拌した。この反応混合物に水(2ml)を加えさらに30分
撹拌した。この混合物を塩化メチレンで3回洗浄し、水
層に氷冷撹拌下、アセトン(10ml)を加えた。同温で3
時間撹拌し、析出した結晶はろ取し、減圧下2時間乾燥
し、(1′R,2″R,5R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエ
チル)−2−(2″−テトラヒドロフラニル)ペネム−
3−カルボン酸ナトリウムを白色結晶として253mg得
た。
実施例17 (1′R,2″R,5R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエチ
ル)−2−(2″−テトラヒドロフラニル)ペネム−3
−カルボン酸アリルエステル(325mg)、ジメドン(168
mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム(O)(12mg)炭酸水素カリウム(300mg)及びテト
ラヒドロフラン(2ml)の混合物を、室温にて6時間撹
拌した。この反応混合物に水(2ml)を加えさらに30分
撹拌した。この混合物を塩化メチレンで3回洗浄し、水
層に氷冷撹拌下、アセトン(10ml)を加えた。同温で3
時間撹拌し、析出した結晶はろ取し、減圧下2時間乾燥
し、(1′R,2″R,5R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエ
チル)−2−(2″−テトラヒドロフラニル)ペネム−
3−カルボン酸ナトリウムを白色結晶として312mg得
た。
実施例18 ジメドン(19g)とメタノール(50ml)の混合物に、
氷冷撹拌下、ナトリウムメチラート(7.13g)を加え
た。この混合物を室温で30分撹拌し、次いで減圧下濃縮
した。残留物に(1′R,2″R,5R,6S)−6−(1′−ヒ
ドロキシエチル)−2−(2″−テトラヒドロフラニ
ル)ペネム−3−カルボン酸アリルエステル(22.12
g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム(O)(763mg)及びトリフェニルホスフィン(866m
g)を加え、室温にて2.5時間撹拌した。この反応混合物
に水(70ml)を加え、次いで4N水酸化ナトリウムを注意
深く滴下してpH6.8に調整し、有機層を分離した。水層
は更に塩化メチレンにて2回洗浄し、次いで氷冷撹拌
下、アセトン(500ml)を加えた。同温で1時間撹拌
し、析出した結晶はろ取し、減圧下2時間乾燥し、
(1′R,2″R,5R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエチ
ル)−2−(2″−テトラヒドロフラニル)ペネム−3
−カルボン酸ナトリウムを白色結晶として20.43g得た。
実施例19 (1′R,2″R,5R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエチ
ル)−2−(2″−テトラヒドロフラニル)ペネム−3
−カルボン酸アリルエステル29.28g(90ミリモル)、5,
5−ジメチル−4−メトキシカルボニル−1,3−シクロヘ
キサンジオンエノールのカリウム塩13.21g(108ミリモ
ル)、トリフェニルホスフィン1.17g(4.5ミリモル)の
テトラヒドロフラン180mlの溶液にテトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム(O)2.08g(1・8ミ
リモル)を加え、25℃で1時間熟成した。反応終了後、
水8.1gを加え30分間撹拌した。
得られた結晶を過し乾燥することにより(1′R,
2″R,5R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエチル)−2−
(2″−テトラヒドロフラニル)ペネム−3−カルボン
酸カリウム塩、2.5水和物の微黄色結晶31.87g(粗製
品)を得た。
この結晶に水54gを加え加温溶解したのち、THF150ml
を加え0℃まで冷却後、ろ過し乾燥することにより
(1′R,2″R,5R,6S)−6−(1′−ヒドロキシエチ
ル)−2−(2″−テトラヒドロフラニル)ペネム−3
−カルボン酸ナトリウム塩、2.5水和物の白色結晶25.53
g(精製品)を得た。HPLCで分析したところ純度は100%
(収率77%)であった。
(発明の効果) 本発明によれば、カルボン酸アリルエステル基を有す
るペネム化合物を入手ならびに取扱い容易な1,3−ジケ
トン化合物もしくはそのエノレートを用いて緩和な条件
下に脱アリル化することができ、カルボン酸アリルエス
テルは脱アリル化と同時にカルボン酸のアルカリ金属塩
に変換するので該塩を生成させるために別途処理する必
要がないばかりでなく、反応混合物から該塩を高純度、
高収率で分離することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土居 純一 富山県高岡市開発本町264 (72)発明者 藤丸 正義 富山県婦負郡山田村若土1362 (56)参考文献 特開 昭63−162694(JP,A) 特開 昭62−61984(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 499/00 - 499/90 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式 (式中、R1は置換されていてもよいアリル基、mは0ま
    たは1を示す) で表わされるペネム化合物を、触媒量のパラジウム錯体
    の存在下に、(a)一般式 (式中、nは2から4の整数、R2はアルカリ金属を表
    し、環上の水素原子は低級アルキル基もしくは低級アル
    キルオキシカルボニル基、ハロゲン原子、またはアリー
    ル基で置換されていてもよい。) で表される1,3−ジケトン化合物のアルカリ金属エノレ
    ートと反応させるか、または、(b)アルカリ金属塩化
    合物共存下、一般式 (式中、nは前記と同義、環上の水素原子は低級アルキ
    ル基もしくは低級アルキルオキシカルボニル基、ハロゲ
    ン原子、またはアリール基で置換されていてもよい。)
    で表される1,3−ジケトン化合物と反応させて次の一般
    (式中、R2およびmは前記と同義) で表わされるペネム化合物のアルカリ金属塩に変換する
    ことを特徴とするアリル基の除去方法。
  2. 【請求項2】R1がアリル基、ハロアリル基、メチルアリ
    ル基、クロチル基またはシンナミル基である請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】アルカリ金属エノレートが1,3−シクロヘ
    キサンジオンエノールナトリウム塩、ジメドンエノール
    ナトリウム塩または5,5−ジメチル−4−メトキシカル
    ボニル−1,3−シクロヘキサンジオンエノールのナトリ
    ウム塩である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】アルカリ金属塩化合物がアルカリ金属の炭
    酸塩である請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】アルカリ金属塩化合物が炭酸水素ナトリウ
    ムもしくはカリウム、または炭酸ナトリウムもしくはカ
    リウムである請求項1または4記載の方法。
  6. 【請求項6】1,3−ジケトン化合物が1,3−シクロヘキサ
    ンジオン、ジメドンまたは5,5−ジメチル−4−メトキ
    シカルボニル−1,3−シクロヘキサンジオンである請求
    項1記載の方法。
  7. 【請求項7】一般式 (式中、R2およびmは前記と同義) で表わされるペネム化合物のアルカリ金属塩の水和物。
  8. 【請求項8】次の一般式 (式中、R1およびmは前記と同義) で表わされるペネム化合物を、有機溶媒中、触媒量のパ
    ラジウム錯体の存在下に、(a)一般式 (式中、R2,nおよび環上の水素原子が置換されてもよい
    置換基は前記と同じ) で表わされる1,3−ジケトン化合物のアルカリ金属エノ
    レートと反応させるか、または(b)アルカリ金属化合
    物の共存下、一般式 (式中、nおよび環上の水素原子が置換されてもよい置
    換基は前記と同じ) で表わされる1,3−ジケトン化合物と反応させたのち、
    反応混合物に水を添加することを特徴とする次の一般式 (式中、R2およびmは前記と同義) で表わされるペネム化合物のアルカリ金属塩の水和物の
    分取法。
  9. 【請求項9】水を添加した反応混合物を無機塩基でアル
    カリ性に調整し、有機層を除去して得られる水層に、必
    要に応じてこれを濃縮後、水混和性有機溶剤を加えて析
    出する結晶を取する請求項8記載の分取法。
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