JP2982294B2 - プログラマブルコントローラの瞬時停電時間検出方法 - Google Patents

プログラマブルコントローラの瞬時停電時間検出方法

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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は、各種シーケンス制御に用いられるプログラ
マブルコントローラに関し、特に電断発生時よりシステ
ムリセット停止が生じるまでの時間を検出する瞬時停電
時間検出方法に関するものである。
《従来の技術》 各種ファクトリオートメーション等に於ける各種シー
ケンス制御を変更可能なプログラムにより効率的に行う
ことができるプログラマブルコントローラ、特にCPUを
用いたプログラマブルロジックコントローラは、従来よ
りよく知られており、広く普及している。
プログラマブルコントローラに於いては、システムプ
ログラムの稼働中にプログラマブルコントローラのCP
U、メモリに対する通電が停止されると、システムプロ
グラム、その他のメモリ内容が破壊される虞れがあるた
め、電断時にはプログラマブルコントローラのCPU、メ
モリに対する通電の停止に先だってシステムリセット停
止が行われる必要がある。
一般に、プログラマブルコントローラは、商用交流電
源を電源とし、変圧器を含む電源装置より直流の所定の
二次側電圧を与えられて作動するようになっており、停
電等により電源装置に一次側電圧が与えられなくなって
も、即ち電断が生じても、瞬時には二次側電圧は消滅し
ないから、電断時にプログラマブルコントローラのCP
U、メモリに対する通電が停止されることに先だってシ
ステムリセット停止を行うことが可能である。
電断が生じても瞬時には二次側電圧は消滅しないこと
により、電断が二次側電圧保持時間内の瞬間的なもので
ある場合には、電断が生じても二次側電圧は連続保持さ
れるから、この時、即ち瞬時停電時にはシステムリセッ
ト停止を行う必要はない。
このようなことから、上述の如きプログラマブルコン
トローラに於いては、ハイドウェア、或はソフトウェア
によるタイマにより電断時間を計測し、電断時間が所定
値、即ち瞬時停電時間(システムリセット停止許容時
間)以内である時にはシステムリセット停止を行わず、
電断時間が瞬時停電時間(瞬停時間)を超えた時点にて
システムリセット停止を行い、可及的にシステムリセッ
ト停止が生じないようになされている。
《発明が解決しょうとする課題》 電断が生じても、それ以降に二次側電圧が維持される
時間、即ち二次側電圧保持時間は、プログラマブルコン
トローラに接続されるI/Oにユニット(入出力ユニッ
ト)等による負荷に応じて10msec〜200msecと変化す
る。
これに対し、ハードウェアによるタイマにより電断時
間を計測するものに於いては、瞬時停電時間は固定であ
って変更され得ず、瞬時停電時間は、安全を見込んで短
い値、例えば10msec〜40msecに設定される。この場合に
は、電断時に二次側電圧が維持されていてシステムリセ
ット停止を行う必要がないにも拘らずシステムリセット
停止が行われることが生じる。システムリセット停止が
行われると、システムのリブートに時間を要し、プログ
ラマブルコントローラの制御対象プラントによっては、
初期動作に戻り、これが誤動作する虞れがある。
ソフトウェアによるタイマにより電断時間を計測する
ものに於いては、瞬時停電時間はユーザにより変更、調
節可能であるが、しかし、この設定はユーザの経験等に
より任意に行われ、これの最適設定には時間がかかり、
また誤設定される可能性がある。瞬時停電時間が適正値
より長く誤設定されると、システムリセット停止以前に
二次側電圧が消滅し、メモリ内容が破壊される虞れが生
じる。
このことに鑑みて、二次側電圧を監視し、二次側電圧
が定格電圧より所定値以上に低下した時点にてシステム
リセット停止を行うことが考えられている。この場合に
は、予め瞬時停電時間を設定する必要はないが、瞬時停
電時間を使用者が認識できない。
本発明は、上述の如き問題点に着目してなされたもの
であり、二次側電圧が定格電圧より所定値以上に低下し
た時点にてシステムリセット停止を行うプログラマブル
コントローラに於いて、瞬時停電時間を使用者が認識で
きるようにするプログラマブルコントローラの瞬時停電
時間検出方法を提供することを目的としている。
《課題を解決するための手段》 上述の如き目的は、本発明によれば、変圧器を含む電
源装置より所定の二次側電圧を与えられて作動するプロ
グラマブルコントローラの瞬時停電時間検出方法に於い
て、前記二次側電圧が所定値を超えて低下した時にシス
テムリセット停止を行い、前記電源装置の一次側の電断
発生時よりシステムリセット停止が生じる間での時間を
実測し、実測された時間を瞬時停電時間としてメモリ手
段に格納し、これを前記メモリ手段より読み出すことよ
り瞬時停電時間を検出することを特徴とするプログラマ
ブルコントローラの瞬時停電時間検出方法によって達成
される。
《作用》 本発明によるプログラマブルコントローラの瞬時停電
時間検出方法によれはば、プログラマブルコントローラ
自体により瞬時停電時間が自動的に実測されてメモリ手
段に格納され、メモリ手段よりの読み出しにより使用者
は瞬時停電時間を正確に認識できる。
《実施例》 以下に添付の図を参照して本発明を実施例について詳
細に説明する。
第1図は本発明による瞬時停電時間検出方法の実施に
使用されるプログラマブルコントローラの一実施例を示
している。
プログラマブルコントローラは、プログラマブルコン
トローラ本体としてのCPU装置1と、電源装置3と、I/O
ユニット5とを有している。
CPU装置1は、CPU7と、システムプログラム等を格納
したシステムメモリ9と、ユーザプログラムを格納する
ユーザプログラムメモリ11と、I/Oメモリ13と、ワーク
メモリ15と、クロック発生手段17と、CPU7に対しシステ
ムリセット停止命令を出力するリセット回路19と、瞬時
停電検出回路21と、インタフェイス23と、これらを互い
に接続する内部バス25とを有している。
電源装置3は、変圧器、整流手段等を含むそれ自身周
知の構造のものであり、これは、一次電源として商用交
流電源より交流電圧を与えられ、二次側電圧として、所
定の直流電圧、例えば直流5VをCPU装置1に与えるよう
になっている。また電源装置3は一次電源が遮断された
ことを示す信号をCPU装置1の瞬時停電検出回路21へ出
力するようになっている。
I/Oユニット5は、外部バス27を介してCPU装置1のイ
ンタフェィス23と接続されている。
リセット回路19は、二次側電圧を監視し、二次側電圧
が定格電圧より所定値以上に低下した時にMPU7に対しシ
ステムリセット停止命令を出力するようになっている。
瞬時停電検出回路21は、電源装置の一次電源が遮断さ
れたこと、即ち電断の発生を監視し、電断発生時には瞬
停割込み命令をCPU7へ出力するようになっている。
CPU7は、瞬停割込み命令を受け付けると、瞬停割込み
処理ルーチンを実行し、瞬停割込み処理ルーチンに於い
ては、電断発生時よりシステムリセット停止が実行され
る間での時間を実測し、これをワークメモリ15の瞬停時
間計測値格納エリアに格納することが行われる。
第2図は瞬停割込み処理ルーチンの一例を示してい
る。これに於いては、先ずステップ10にて計測値Tnを0
にイニシャライズし、次にステップ20にてソフトウェア
による1msecタイマに変化が生じたか否かの判別が行わ
れる。1msecタイマに変化が生じた場合には、1msec単位
に計測値Tnを増大することが行われる。次に計測値Tnを
ワークメモリ15の瞬停時間計測値格納エリアに格納する
ことが行われる。
ワークメモリ15の瞬停時間計測値格納エリアは、複数
個、例えば4個の計測値T1〜T4を各々個別に格納できる
ようになっている。
上述の如き瞬停割込み処理ルーチンはシステムリセッ
トにより強制終了され、この時点の計測値Tnがワークメ
モリ15の瞬停時間計測値格納エリアに保持されることに
より、ワークメモリ15の瞬停時間計測値格納エリアの計
測値Tnは電断発生時よりシステムリセット停止が実行さ
れる間での時間の実測値になる。
電源が復帰してシステムリセットが解除されると、第
3図に示されている如きゼネラルプログラムが実行さ
れ、ステップ100にて電源オン処理が行われ、この後に
ステップ200にてプログラマブルコントローラとしての
メイン処理が実行される。
第4図は電源オン処理ルーチンを示しており、これに
於いては、先ずステップ110にてワークメモリ15の瞬停
時間計測値格納エリアより計測値T1〜T4を各々読み出す
ことが行われ、次にステップ120にて計測値T1〜T4から
多数決により代表瞬時停電時間(代表瞬停時間)Tを求
めることが行われる。これは、計測値T1〜T4内に不正値
がある場合に多数決処理により取り除き、正常値を求め
るものであり、この場合の多数決処理とは、計測値T1〜
T4に於いて同じ値で、最も多い計測値Tnを正常値(代表
値)とする処理である。この正常値は代表瞬時停電時間
TとしてI/Oメモリ13の瞬停時間格納エリアに格納する
ことが行われる。
I/Oメモリ13の瞬停時間格納エリアに格納された代表
瞬時停電時間Tは使用者による外部よりの命令により自
由に読み出される。これにより使用者は瞬時停電時間を
認識できる。
《発明の効果》 以上の説明くる理解される如く、本発明によるプログ
ラマブルコントローラの瞬時停電時間検出方法によれ
ば、プログラマブルコントローラ自体により瞬時停電時
間が自動的に実測されてメモリ手段に格納されるから、
二次側電圧が定格電圧より所定値以上に低下した時点に
てシステムリセット停止が行われても、メモリ手段より
読み出しにより瞬時停電時間を使用者が正確に手間なく
認識できるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による瞬時停電時間検出方法の実施に使
用されるプログラマブルコントローラの一実施例を示す
ブロック図、第2図は本発明による瞬時停電時間検出方
法の実施に使用される瞬停割込みルーチンの一例を示す
フローチャート、第3図はプログラマブルコントローラ
のゼネラルプログラムの一例を示すフローチャート、第
4図は本発明による瞬時停電時間検出方法が実施される
プログラマブルコントローラの電源オン処理ルーチンの
一例を示すフローチャートである。 1……CPU装置 3……電源装置 5……I/Oユニット 7……CPU 9……システムメモリ 11……ユーザプログラムメモリ 13……I/Oメモリ 15……ワークメモリ 17……クロック発生手段 19……リセット回路 21……瞬時停電検出回路 23……インタフェイス 25……内部バス 27……外部バス

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変圧器を含む電源装置より所定の二次側電
    圧を与えられて作動するプログラマブルコントローラの
    瞬時停電時間検出方法に於いて、 前記二次側電圧が所定値を超えて低下した時にシステム
    リセット停止を行い、 前記電源装置の一次側の電断発生時よりシステムリセッ
    ト停止が生じる間での時間を実測し、 実測された時間を瞬時停電時間としてメモリ手段に格納
    し、これを前記メモリ手段より読み出すことにより瞬時
    停電時間を検出すること を特徴とするプログラマブルコントローラの瞬時停電時
    間検出方法。
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