JP2981101B2 - めっき被覆されたNiTi合金製品の製造方法 - Google Patents

めっき被覆されたNiTi合金製品の製造方法

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JP2981101B2 JP6004593A JP459394A JP2981101B2 JP 2981101 B2 JP2981101 B2 JP 2981101B2 JP 6004593 A JP6004593 A JP 6004593A JP 459394 A JP459394 A JP 459394A JP 2981101 B2 JP2981101 B2 JP 2981101B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、めっき被覆されたNiTi
合金製品、詳しくは、表面にNi系のめっきが施された、
加工性、形状回復効果、超弾性特性、疲労特性等に優
れ、例えば、眼鏡用フレーム部品(ブリッジ、山、ワタ
リ、よろい等)の素材として好適なNiTi合金線材、およ
びこのようなNiTi合金製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】形状記憶合金、特に、ニッケル(Ni)と
チタン(Ti)を主成分とするNiTi合金の線材は、加工
性、形状回復効果、超弾性特性および疲労特性等に優れ
ていることから眼鏡用フレーム等への適用が進められて
いる(特表平2−500050号公報)。
【0003】形状記憶合金を眼鏡用フレームの素材とし
て用いるに際し、従来は、形状記憶合金を眼鏡用フレー
ム部品に加工した後、めっき等の表面処理を施さずにそ
のままフレームとして使用してきたが、最近では、フレ
ームに高級感を与えるために最終工程で金(Au)めっき
等の表面処理を行うようになってきている。例えば、形
状記憶合金を芯体とし、その周囲が異種金属(貴金属)
層で被覆された形状記憶合金線 (形状記憶合金クラッド
線など) が提案されている (特開昭56−89716号公
報)。
【0004】これらの材料は確かに眼鏡用フレームとし
て要求される特性を満たしてはいるが、例えば、形状記
憶合金クラッド線を製作するにあたっては、複合多層構
造のクラッド素材を製作する等の工程が必要であり、製
造工程が複雑でコストが嵩み、高価な材料となってい
る。
【0005】また、NiとTiを主成分とする形状記憶合金
線をフレーム部品に加工した後めっき処理工程を経て眼
鏡用フレームを製作する場合、水素含有量がおよそ 50p
pm以上あって、後述する図3に示すように疲労特性が極
端に低下し、数回繰り返し応力を加えるだけで破断する
(折れる) 傾向がある。この疲労特性の低下を避けるた
めには、一般的には熱処理を施して水素を除去する脱水
素処理を行う必要があるが、熱を加えることにより形状
記憶合金が本来有している種々の特性が損なわれてしま
う。
【0006】従って、安価な形状記憶合金線に対する要
望が強いにもかかわらず、形状回復効果、超弾性特性お
よび疲労特性に優れ、かつ、表面処理性および加工性な
ども良好で、しかも、高級感を備えたNiTi合金からなる
形状記憶合金製の眼鏡用フレームは未だ開発されていな
いのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、疲労特性な
らびに表面処理性、加工性に優れ、特に、形状記憶合金
の特性である形状回復効果、超弾性が損なわれることな
く、かつ高級感を備えた形状記憶合金製の眼鏡用フレー
ム等に用いることが可能なNiとTiを主成分とする形状記
憶合金製品(以下、単にNiTi合金製品という)、および
このような特性を有する製品を安価に製造する方法を提
供することを課題としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】NiTi合金は、前述のよう
にめっき処理工程で水素を吸収しやすく、この吸収され
た水素に起因する水素脆化により疲労特性が極端に低下
し、眼鏡用フレーム部品に使用した場合、「折れ」が発
生しやすい。また、脱水素処理 (加熱処理) を行うと、
形状記憶合金としての種々の特性が損なわれる。
【0009】そこで、本発明者らはNiTi合金の眼鏡用フ
レーム部品等への適用について種々検討を重ねた結果、
NiTi合金線材の表面を予めNiまたはNi基合金で被覆して
おくと、Auめっき等のめっき処理を施す際の表面処理性
に優れ、プレス成形等において良好な加工性を示し、し
かも形状記憶合金としての特性が損なわれることもな
い、という知見を得るに至った。
【0010】本発明はこのような知見に基づいてなされ
たもので、その要旨は、下記のNiTi合金製品に特性を
具備させるおよびの製造方法にある。
【0011】 表面にNiめっきまたはコバルト(Co)
を5〜15重量%含有するNi合金めっきが施されているこ
とを特徴とするめっき被覆されたNiTi合金製品。
【0012】 NiとTiとを主成分とするNiTi合金にNi
めっきまたはCoを5〜15重量%含有するNi合金めっきを
施した後、 350〜750 ℃の温度域で熱処理を施し、次い
で、加工率10%以上の冷間加工を施し、さらに、 300〜
900 ℃の温度域で最終の熱処理を施すことを特徴とする
めっき被覆されたNiTi合金製品の製造方法。
【0013】 最終の熱処理を 750〜900 ℃の温度域
で10〜120 秒間加熱する条件で行って室温で4%以上の
超弾性を付与することを特徴とする前記に記載のめっ
き被覆されたNiTi合金製品の製造方法。
【0014】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。なお、
めっき層の組成の「%」は「重量%」を意味する。
【0015】NiTi合金製品は、上述のように表
面にNiめっきまたはCoを5〜15%含有するNi合金めっき
が施された、例えばNiTi合金線材のような中間製品であ
る。NiTi合金としては、Niを50.5〜51.5原子%(at%)
含有し、残部がTiからなる二元合金、もしくはTiとNiの
比率、すなわちTi:Niがat%で 1.0:(0.90〜1.10)
で、更に、第3元素として鉄(Fe)、コバルト(Co)、
クロム(Cr)およびバナジウム(V)のうちの1種以上
を合計で 3.0at%以下含有するNiTi基合金が、室温以下
で超弾性効果を発揮するので、特に眼鏡用フレームの素
材として望ましい。
【0016】上述のような組成を有する例えばNiTi合金
線材の表面に施されているめっきは、純Niめっき、また
はCoを5〜15%含有するNi合金めっきとする。これは、
そのような組成のめっきが、後工程でAuめっき等の貴金
属めっきを施す際の下地めっきとして最も好ましいから
である。
【0017】めっき層の厚みは、厚すぎると内部応力に
よりめっき層に割れが発生するので、50μm以下とする
ことが望ましい。また、めっき層の厚みは、NiTi合金線
材の外径に対する比率(外径比率=めっき厚/外径) で
1/50〜1/150 の範囲内であることが望ましい。
【0018】前記およびの発明は、NiTi合金製
品の製造方法である。この方法において、めっきを施す
前のNiTi合金としては、の発明の母材(めっき下地の
NiTi合金)であるNiTi二元合金、もしくはNiTi基合金を
用いる。
【0019】このNiTi合金の表面に純Niめっき、または
Coを5〜15%含有するNi合金めっきを施すのであるが、
めっき層の組成をこのように限定するのは、上記のよう
に後工程で行う貴金属めっきの下地めっきとして最適だ
からである。
【0020】めっきは、純Niめっきの場合、たとえば、
スルファミン酸ニッケル: 450g/リットル、塩化ニッ
ケル:5g/リットル、及びほう酸:35g/リットルか
ら成る組成の電解液を用い、陰極電流密度:3〜30 A/d
m2、浴温度:40〜50℃、pH:4.0 の条件で十数分から数
十分通電することにより行う。また、Coを含有するNi合
金めっきの場合には、電解液中のNiに対するCoの含有比
率が目標Co含有比率になるようにスルファミン酸コバル
トを添加した電解液を用い、他の条件は純Niめっきの場
合と同様とする。
【0021】めっき後に行う熱処理は、めっき処理での
一連の工程において母材に含有(吸収)される水素の除
去を目的とする脱水素処理である。この水素の吸収につ
いて種々検討した結果、通常、めっきの前処理である被
めっき材表面の活性化処理工程(電解研磨工程あるいは
酸洗工程)での水素吸収が大きいということがわかっ
た。
【0022】図1は本発明方法を眼鏡用フレームの製造
に適用した場合の概略の工程図である。この図におい
て、工程2が被めっき材表面の活性化処理工程である。
工程3〜6が本発明方法の特徴をなす部分であり、その
結果得られる中間製品(この場合は、線材にさらに加工
を加えてテンプル、わたり等のフレーム部品にしたも
の)を本発明では「NiTi合金製品」、あるいは単に「製
品」という。この製品、例えばテンプル、わたりに対し
て、ろう付組立、貴金属めっきが施され、最終製品(眼
鏡用フレーム)となる。
【0023】図2は、表面の活性化処理の一つである電
解研磨工程を経た材料について、電解研磨時間と水素含
有量との関係を示した図である。実施例で用いたNiTi基
合金の線材(直径 2.5mm)を希硝弗酸溶液中で4Vの電
圧を印加して電解研磨した場合で、電解研磨時間が長く
なるとともに水素含有量が増大する。
【0024】図3は、上記の電解研磨を行った材料につ
いて、回転曲げ試験により疲労特性を調査した結果で、
疲労破断回数に及ぼす水素含有量の影響を示した図であ
る。
【0025】この図から、NiTi合金線材の疲労特性は水
素含有量により大きな影響を受け、水素含有量を如何に
して低く抑えるかが重要であることがわかる。
【0026】この母材に吸収される水素を除去する熱処
理(脱水素処理)は、 350〜750 ℃の温度域で行う。こ
れは、 350℃未満では水素の除去が完全ではなく、又、
750℃を超える温度で行うと、めっき処理により生成し
たNiめっき層またはNi基合金めっき層が脆化し、次工程
での冷間加工でめっき層が剥離してしまうからである。
なお、この熱処理は材料の軟化処理も兼ねて行う処理で
ある。
【0027】上記の熱処理はNiTi合金に超弾性特性を付
与するために行う熱処理条件 (通常は、 300〜500 ℃で
30〜120 分加熱) とは異なるので、この脱水素処理を施
したままでは形状記憶合金の特性である形状回復効果お
よび超弾性特性を十分に有してはいない。従って、脱水
素処理による熱履歴をなくし、形状記憶合金としての特
性を発揮させるべく、さらに冷間加工を行う。この冷間
加工により、NiTi合金線材の表面に形成されたNiめっき
層またはNi基合金めっき層にも加工が加えられることと
なり、めっき表層部は鍛錬効果を受けて緻密になるとと
もにNiTi合金線材とめっき層の界面の接合強度が向上
し、表面性状に優れたものとなる。
【0028】この冷間加工は、形状記憶合金としての特
性を発揮させ、かつ、めっき層の接合強度を向上させる
ために、加工率10%以上で行うことが必要である。
【0029】冷間加工は、ダイス伸線、スウェージング
加工、プレス加工等により行えばよい。
【0030】上記の冷間加工を施した後再度熱処理を行
うが、この熱処理は、前記の冷間加工とあいまって、Ni
Ti合金に形状記憶合金の特性である形状回復効果や超弾
性特性を十分に発揮させるために必要な処理である。す
なわち、冷間加工により生じた転位によって破壊された
結晶格子を、加熱することによって必要とされる特性に
応じた結晶格子に完全に再配列させる目的で行われるも
のであり、この熱処理によって、超弾性もしくは形状回
復効果が生じる。
【0031】この冷間加工後の熱処理を 300〜900 ℃の
温度域で加熱することにより行うのが前記の発明であ
る。例えば、再結晶温度以下で行われる通常の熱処理(3
00〜500 ℃で30〜120 分加熱する熱処理)に準じて行っ
てもよいし、 500〜900 ℃で30分以下の短時間加熱する
条件下で行ってもよい。
【0032】の発明は、前記の冷間加工後の熱処理
を、特に 750〜900 ℃の温度域で10〜120 秒の短時間加
熱する条件で行う場合で、この熱処理により容易に室温
で4%以上の超弾性を有するNiTi合金とすることがで
き、眼鏡用フレーム部品の素材として最適のNiTi合金線
材を提供することができる。温度条件を 750〜900 ℃と
した理由は、 750℃未満では、10〜120 秒という短時間
加熱する条件下で熱処理効果が十分でないため室温で4
%以上の超弾性が得られず、加熱温度が 900℃を超える
と冷間加工による加工歪が除去され、焼鈍状態となって
超弾性特性が低下するからである。
【0033】
【実施例】50.5at%Ni− 1.5at%Co−残部Tiの化学組成
を有するNiTi基合金を真空アーク溶解により溶製し、熱
間鍛造後、熱間圧延および冷間圧延により直径 6.0mmの
丸線とし、次いで、冷間穴ダイス伸線により減面率40%
での冷間引き抜きと焼鈍熱処理を繰り返して得られた直
径 2.5mmの線材に対して、スルファミン酸ニッケル、塩
化ニッケル及びほう酸から成る電解液、または、更にめ
っき皮膜中のCo含有比率が10%のなるようにスルファミ
ン酸コバルトを添加した電解液を用い、陰極電流密度を
10〜12 A/dm2として15分間通電し、純Niめっき、および
Coを10%含有するNi合金めっきをそれぞれ施した。めっ
き厚はそれぞれは25μmとした。このめっき厚は前記の
外径比率(めっき厚/外径)で表すと1/100 である。
【0034】これらのめっき被覆されたNiTi合金線材に
ついて水素含有量に及ぼす熱処理温度の影響を調査し
た。
【0035】図4にNiTi合金線にNiめっきを施した材料
についての調査結果を示す。熱処理時間は15分である。
この図において、熱処理温度 350℃以上が本発明方法で
定める条件で、この条件下で水素含有量は 10ppm以下の
非常に低い値に低下する。なお、熱処理時間は材料の外
径に依存するので、30分とした場合についても調査した
が、15分とした場合とほぼ同じ結果が得られた。従っ
て、直径 2.5mm程度の線材の場合、熱処理時間は15分以
上あれば十分である。
【0036】図4はNiTi合金線にNiめっきを施した材料
についての結果であるが、Coを10%含有するNi合金めっ
きを施した場合も同様な結果が得られた。
【0037】次に、前記の図4で用いたNiTi合金線にNi
めっきを施した材料のうち、 500℃の温度で熱処理を施
した材料について穴ダイス伸線による冷間加工を行っ
て、Niめっき又はCoを10%含有するNi合金めっきを施し
たNiTi合金線材のめっき層の接合性に対する冷間加工の
影響を調査した。なお、冷間加工後の熱処理は 500℃で
行った。
【0038】図5にその結果を示す。めっき層の接合性
の評価は、60°繰り返し曲げ試験を行い、めっき層に割
れが発生するまでの曲げ回数を測定することにより行っ
た。
【0039】この結果から、伸線による減面率、即ち、
冷間加工率が10%以上になると、めっき層に割れが発生
するまでの限界曲げ数が顕著に向上することがわかっ
た。また、めっき層を顕微鏡で観察したところ、冷間加
工率が10%以上になると、めっき層の組織の改善が認め
られ、加工組織となっていることが確認された。
【0040】なお、図5はNiTi合金線にNiめっきを施し
た材料についての結果であるが、Coを10%含有するNi合
金めっきを施した場合も同様な結果が得られた。
【0041】上記のNiめっきまたは10%のCoを含有する
Ni合金めっきを行った後、さらにダイス伸線により30%
の冷間加工を施したNiTi合金線に対して、 400℃の超弾
性熱処理あるいは 850℃の軟化熱処理を行ったが、何等
問題はなく、それぞれ良好な超弾性特性、形状記憶効果
を示した。
【0042】さらに、前記の純Niめっきを施し、次いで
550℃で熱処理を行ったNiTi合金線に、プレス加工(冷
間加工率30%)を施してテンプル素材とし、表1に示す
種々の条件で熱処理を施した後、室温での超弾性特性を
調べ、眼鏡用フレーム部品の素材としての適性、すなわ
ち、室温で4%以上の超弾性を有するか否かについての
評価を行った。超弾性特性の定量的把握は、室温で4%
の伸びを与えた後応力を除去した際の残留歪量を測定
し、残留歪量が 0.2%以下のものを良好な超弾性特性を
有するものとした。
【0043】調査結果を表1に併せて示す。同表中の○
印は残留歪量が 0.2%以下で、良好な超弾性特性を有す
る場合、×印は残留歪量が 0.2%を超えた場合を示す。
また、本発明例とは室温で4%以上の超弾性を有する
(眼鏡用フレーム部品の素材として最適である)場合
あり、比較例とは超弾性が室温で4%未満の場合で
る。
【0044】この表1の結果から明らかなように、熱処
理温度が 750℃未満(比較例1〜5)もしくは 900℃を
超える場合(比較例26〜30)、あるいは熱処理温度が前
記の発明で定める範囲内にあっても処理時間が 120秒
を超える場合(比較例10、15、20および25)は超弾性特
性は良くなかった。熱処理温度が 700℃の場合、処理時
間が 120秒以下では十分な熱処理効果が得られず、ま
た、 950℃の場合は、処理時間が10秒以上では過熱処理
となり、冷間加工歪が完全に除去され超弾性効果がなく
なる。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明の対象とされる、めっき被覆され
たNiTi合金製品は疲労特性ならびに表面処理性、加工
性に優れ、しかも形状記憶合金の特性である形状回復効
果、超弾性が損なわれることなく、かつ高級感を備えた
形状記憶合金製の眼鏡用フレーム等の素材として用いる
ことが可能である。
【0047】このNiTi合金製品は、めっき被覆後、所定
の条件で熱処理、冷間加工ならびに最終熱処理を施す本
発明方法によって安価に製造することができる。最終熱
処理を 750〜900 ℃の温度域で短時間加熱することによ
り行えば、室温で4%以上の超弾性を有する、眼鏡用フ
レーム部品の素材として最適なめっき被覆NiTi合金製品
とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法による眼鏡用フレームの概略の製造
工程図である。
【図2】NiTi合金の電解研磨工程での電解研磨時間と水
素含有量との関係を示す図である。
【図3】電解研磨後のNiTi合金についての水素含有量と
疲労破断回数との関係を示す図である。
【図4】Niめっきが施されたNiTi合金についての水素含
有量に及ぼす熱処理温度の影響を示す図である。
【図5】Niめっきが施されたNiTi合金についてのめっき
層の接合性に及ぼす冷間加工率の影響を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C25D 3/12 102 C25D 3/12 102 3/56 3/56 B C22K 1:00 (72)発明者 相場 満 神奈川県藤沢市辻堂神台1丁目3番1号 関東特殊製鋼株式会社内 (72)発明者 ▲高▼島 昌樹 栃木県下都賀郡野木町野木1985番地株式 会社三洋特殊合金内 (56)参考文献 特開 平2−97696(JP,A) 特開 平1−192543(JP,A) 特開 昭63−186891(JP,A) 特開 昭60−21374(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 30/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】NiとTiとを主成分とするNiTi合金にNiめっ
    きまたはCoを5〜15重量%含有するNi合金めっきを施し
    た後、 350〜750 ℃の温度域で熱処理を施し、次いで、
    加工率10%以上の冷間加工を施し、さらに、 300〜900
    ℃の温度域で最終の熱処理を施すことを特徴とするめっ
    き被覆されたNiTi合金製品の製造方法。
  2. 【請求項2】最終の熱処理を 750〜900 ℃の温度域で10
    〜120 秒間加熱する条件で行って室温で4%以上の超弾
    性を付与することを特徴とする請求項2に記載のめっき
    被覆されたNiTi合金製品の製造方法。
JP6004593A 1994-01-20 1994-01-20 めっき被覆されたNiTi合金製品の製造方法 Expired - Lifetime JP2981101B2 (ja)

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