JPH11269585A - Ti−V−Al系超弾性合金とその製造方法 - Google Patents

Ti−V−Al系超弾性合金とその製造方法

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JPH11269585A
JPH11269585A JP10074016A JP7401698A JPH11269585A JP H11269585 A JPH11269585 A JP H11269585A JP 10074016 A JP10074016 A JP 10074016A JP 7401698 A JP7401698 A JP 7401698A JP H11269585 A JPH11269585 A JP H11269585A
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Mikio Takeuchi
幹雄 竹内
Hiroyuki Tada
弘幸 多田
Inoue Kanryu
Inoue Kanryu
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Horikawa Co Ltd
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    • A61L27/00Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses
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    • A61L27/04Metals or alloys
    • A61L27/06Titanium or titanium alloys
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    • A61L2400/00Materials characterised by their function or physical properties
    • A61L2400/16Materials with shape-memory or superelastic properties

Abstract

(57)【要約】 【課題】Niを含むことなく、産業用構造材として使用し
易く、耐食性、加工性などに優れた超弾性合金を提供す
ることを主な目的とする。 【解決手段】Ti-V-Al系合金であって、三成分の合計重
量を基準として、その組成が、添付図面中の図1として
示す三元組成図において以下に規定するA、B、CおよびD
で囲まれた領域内のTi、AlおよびVからなることを特徴
とする超弾性合金; A:79.8%Ti、17.5%V、2.7%Al、 B:76.8%Ti、20.5%V、2.7%Al、 C:73.8%Ti、20.5%V、5.7%Al、 D:76.8%Ti、17.5%V、5.7%Al。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Niを含有しない超
弾性合金に関し、さらに詳しくは、耐食性に優れ、軽量
なTi-V-Al系超弾性合金ならびにその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】超弾性を発揮する機能性合金としては、
従来からAu-Cd系、Cu-Zn-Al系、Cu-Al-Ni系、Ni-Ti系な
どの合金が知られている。
【0003】これらの機能性合金中でも、Ni-Ti系合金
は、耐食性に最も優れているので、例えば、整形外科用
インプラント材としての用途が注目されている。しかし
ながら、Ni-Ti系合金は、生体内接触部分に炎症を起こ
させることが知られており、またNiイオンの溶出による
生体組織への影響(例えば、発癌性の有無)などについ
ては、十分な研究・確認がなされていない。従って、イ
ンプラント材として、Ni-Ti系合金をそのままの状態で
(すなわち、コーティングを行うことなく)体内に着装す
ることはできない。さらに、皮膚と接触するピアス、時
計バンドなどのニッケル含有材料中のニッケル成分が汗
に溶出して、アレルギー症状を発生させることなどをも
考慮すれば、Ni-Ti系合金を生体用材料として使用する
ことには、大きな問題があると考えられる。
【0004】Niを含まない形状記憶合金としては、Ti系
合金(U.S.Patent No.4,412,872参照)などが知られて
いる。しかしながら、Niを含まない状態で、産業用構造
材として使用し易く、耐食性、加工性などに優れた超弾
性合金は、知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、Ni
を含むことなく、産業用構造材として使用し易く、耐食
性、加工性などに優れた超弾性合金を提供することを主
な目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
技術の現状を考慮しつつ、研究を進めた結果、特定の組
成を有するTi-V-Al系合金が、広い温度範囲で超弾性を
示すこと、耐食性、加工性などの種々の特性にも優れて
いることを見出した。
【0007】すなわち、本発明は、下記のTi-V-Al系超
弾性合金とその製造方法を提供する。
【0008】1.Ti-V-Al系合金であって、三成分の合
計重量を基準として、その組成が、添付図面中の図1に
示す三元組成図において以下に規定するA、B、CおよびD
で囲まれた領域内のTi、AlおよびVからなることを特徴
とする超弾性合金; A:79.8%Ti、17.5%V、2.7%Al、 B:76.8%Ti、20.5%V、2.7%Al、 C:73.8%Ti、20.5%V、5.7%Al、 D:76.8%Ti、17.5%V、5.7%Al。
【0009】2.Ti-V-Al系合金の製造方法であって、
三成分の合計重量を基準として、その組成が、添付図面
中の図1として示す三元組成図において以下に規定する
A、B、CおよびDで囲まれた領域内のTi、AlおよびVに相
当する合金を溶融調製し、800〜1200℃で熱処理した
後、急冷することを特徴とする超弾性合金の製造方法; A:79.8%Ti、17.5%V、2.7%Al、 B:76.8%Ti、20.5%V、2.7%Al、 C:73.8%Ti、20.5%V、5.7%Al、 D:76.8%Ti、17.5%V、5.7%Al。
【0010】3.Ti-V-Al系合金の製造方法であって、
三成分の合計重量を基準として、その組成が、添付図面
中の図1に示す三元組成図において以下に規定するA、
B、CおよびDで囲まれた領域内のTi、AlおよびVに相当す
る合金を溶融調製し、800〜1200℃で熱処理し、急冷し
た後、200℃以下で時効させることを特徴とする超弾性
合金の製造方法。
【0011】 A:79.8%Ti、17.5%V、2.7%Al、 B:76.8%Ti、20.5%V、2.7%Al、 C:73.8%Ti、20.5%V、5.7%Al、 D:76.8%Ti、17.5%V、5.7%Al。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明による超弾性合金を製造す
るに際しては、添付図面中の図1に示す三元組成図にお
いて、A(79.8%Ti、17.5%V、2.7%Al)、B(76.8%Ti、2
0.5%V、2.7%Al)、C(73.8%Ti、20.5%V、5.7%Al)お
よびD(76.8%Ti、17.5%V、5.7%Al)で囲まれた領域内
のTi、AlおよびVに相当する組成の基本合金を常法に従
って溶融調製した後、800〜1200℃で熱処理し、急冷す
る。
【0013】本発明による超弾性合金は、その特性を阻
害しない範囲の不可避不純物を含有していてもよいこと
は、いうまでもない。
【0014】本発明においては、Ti-V-Al系合金を熱処
理温度から急冷することにより、熱処理時に形成された
β相がα相、α+β相、ω相などに遷移することが防止
されるので、合金は、液体窒素温度〜80℃程度の広い温
度範囲で、良好な超弾性を発揮する。
【0015】急冷方法、急冷速度などは、特に限定され
るものではないが、合金インゴットを上記の熱処理温度
から十分量の水中に投入することにより、行うことがで
きる。例えば、本発明実施例において得られた30gのボ
タン状インゴットを約20℃の水中に投入する場合の冷却
速度は、約300℃/秒以上である。
【0016】特に、上記の様にして得られた本発明によ
るTi-V-Al系超弾性合金を、ω相が出現しない温度範囲
(200〜-30℃程度)で、さらに低温時効処理する場合に
は、80℃近傍〜液体窒素温度(-196℃)近傍までの広い温
度範囲で超弾性を発現する。
【0017】本発明による超弾性合金は、冷間加工性を
向上させるためには、図1に示す三元組成図において、
A(79.8%Ti、17.5%V、2.7%Al)、B(76.8%Ti、20.5%
V、2.7%Al)、E(75.0%Ti、20.5%V、4.5%Al)およびF
(78.0%Ti、17.5%V、4.5%Al)で囲まれた領域内のTi-A
l-V組成を有することが好ましい。
【0018】また、本発明による超弾性合金は、特性を
実質的に低下させることなく、コストを低減させるため
には、A(79.8%Ti、17.5%V、2.7%Al)、G(77.8%Ti、1
9.5%V、2.7%Al)、H(74.8%Ti、19.5%V、5.7%Al)お
よびD(76.8%Ti、17.5%V、5.7%Al)で囲まれた領域内
のTi-Al-V組成を有することが好ましい。
【0019】さらに、本発明による超弾性合金は、冷間
加工性の向上とコスト低減とを達成するためには、A(7
9.8%Ti、17.5%V、2.7%Al)、G(77.8%Ti、19.5%V、
2.7%Al)、I(76.0%Ti、19.5%V、4.5%Al)およびF(78.
0%Ti、17.5%V、4.5%Al)で囲まれた領域内のTi-Al-V
組成を有することが好ましい。
【0020】本発明によるTi-V-Al系超弾性合金は、超
弾性を有しないが航空機材料として有用であるTi--V-Al
系合金と同様に、耐食性に優れている。
【0021】また、本発明による超弾性合金は、Ti-Ni
系超弾性合金に比して、軽量である。
【0022】さらに、本発明による超弾性合金は、比較
的軟らかく、プレス加工性に優れてので、冷間加工に伴
う材料の端割れ、反りなどが抑制される。
【0023】さらにまた、本発明による超弾性合金は、
公知の生体インプラント材料であるTi-V-Al系合金と同
様に、生体に対する安全性に優れ、皮膚などの生体組織
との長時間の接触条件下にも、生体組織に炎症を発生さ
せることもない。
【0024】なお、実質的に三元系合金である本発明に
よる超弾性合金に対し、さらにCr、Nb、Moなどの少なく
とも1種を加えたり、或いは合金中のAlの一部をSiおよ
び/またはGeにより置換することにより、得られる合金
(四元系以上の合金)の時効を促進することが出来る。
すなわち、母相のオーステナイトが主要相であり且つマ
ルテンサイト変態が発生する様に留意しつつ、この様な
4元系以上の合金の時効処理を行う場合には、やはり超
弾性が発現して、本発明による三元系合金と同様な機能
を備えた合金が得られる。
【0025】公知のTi-V-Al系合金或いはその他のTi系
合金において、低温時効処理することにより、超弾性を
発現する様な機能性合金は、知られていない。また、公
知のTi-V-Al系合金において、80℃近傍〜液体窒素温度
近傍までの広い温度範囲にわたって超弾性を発揮する機
能性合金も、知られていない。この点において、本発明
によるTi-V-Al系合金は、新規な機能を発揮する極めて
有用な材料である。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、以下の様な顕著な効果
が得られる。
【0027】(1)本発明によるTi-V-Al系合金は、80℃近
傍〜液体窒素温度近傍に至る広い温度範囲において、超
弾性を発揮する。従って、本発明による合金は、例え
ば、この様な広い温度範囲で作動する各種の制御用素子
材料として有用である。
【0028】(2)また、本発明によるTi-V-Al系合金は、
耐食性、低温塑性加工性などに優れ、且つ軽量であるの
で、航空機用材料としても有用である。
【0029】(3)さらに、本発明によるTi-V-Al系合金
は、発癌性、アレルゲン性などを示さず、生体に対して
実質的に影響しないので、医療用材料、アクセサリー類
材料、眼鏡フレーム材料などとしても有用である。
【0030】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明らかにする。本発明がこれらの実施例
により、限定されるものでないことはいうまでもない。
【0031】実施例1〜8および比較例1〜8 市販の純チタン、純アルミニウムおよび純バナジウムを
表1に示す所定の重量%比となるようにそれぞれ秤量し
(試験用合金インゴットが約30gとなる様にした)、混
合した後、母材となる金属混合物を水冷してある銅製る
つぼ内に入れ、アルゴン雰囲気下で非消耗型タングステ
ン電極を用いてアーク溶解し、合金化した。
【0032】得られたインゴットを真空雰囲気中1100℃
で24時間保持することにより熱処理を行った後、10℃以
下の水中に投入することにより、冷却速度600℃/秒以上
で急冷した。次いで、得られた急冷インゴットを室温で
厚さ0.5〜1mmまでロール圧延した後、幅約5〜8mmの短冊
状に切り抜き、再び真空雰囲気中850℃で1時間の歪み取
り焼鈍を行い、実施例1〜8および比較例1〜8の合計
16種類の試験片を作成した。各試験片の組成と諸特性を
後記の表1に示す。
【0033】圧延後の試験片の圧下率は90%以上であっ
た。圧延中に割れを生じた試験片の冷間加工性を×と
し、割れを生じなかった試験片の冷間加工性を○とし
た。
【0034】また、歪み取り焼鈍後の試験片のビッカー
ス硬度を微小硬度計により測定した。
【0035】さらに、室温において、歪み取り焼鈍後の
試験片を直径約10mmの丸棒に押し付けた状態でL字(ほ
ぼ直角)に変形する様に力を加えた後、力を除き、歪み
の回復性を調べた。歪みの回復性は、試験片上で力が加
えられた地点から30mmの箇所における水平面と試験片と
の間隔により、評価した。◎は間隔0mm(歪みの回復完
全)を意味し、○は間隔10mm未満(ひずみの回復良好)を
意味し、×は間隔10mm以上(ひずみの回復不良)を意味す
る。
【0036】
【表1】
【0037】表1から明らかなように、実施例1〜8お
よび比較例1〜6によるTi-V-Al合金は、いずれも冷間
加工性が良い。これに対し、Al量が6%を超える比較例
7および8のTi-V-Al合金は、冷間加工性が悪い。
【0038】また、実施例1〜8によるTi-V-Al合金
は、全般的に硬度が低く、冷間加工性が良好であること
を示している。これに対し、比較例1〜8による合金
は、全般的に高度が高く、冷間加工性に劣ることが明ら
かである。
【0039】さらに、実施例1〜8によるTi-V-Al合金
は、歪みの回復性に優れ、特に実施例1、2、4〜6に
よる合金は、完全回復を示している。これに対し、比較
例による合金は、歪みの回復が不良であり、特に比較例
8による合金は、力を加えた結果、折れている。
【0040】表1の結果を総合すると、本発明によるTi
-V-Al合金が、実用的に優れた材料であることが明らか
である。
【0041】試験例1 実施例1〜8および比較例1〜8で得られた16種類の
焼鈍合金試験片の超弾性特性を確認するために、表面最
大歪みが、約2.5%となる様に約200℃で曲げ変形を与え
た。
【0042】その結果、図1においてA、B、CおよびDで
囲まれる領域内にある実施例1〜8による合金試験片に
ついて、「ほぼ完全な超弾性」或いは「部分的な超弾
性」という何らかの超弾性が発揮された。
【0043】試験例2 実施例2と同様にして得た板状合金試験片を試験例1に
準じて沸騰水中で曲げ変形を与えたところ、部分的な超
弾性特性を示した。
【0044】試験例3 実施例2と同様にして作成した板状合金試験片をω相変
態が生じない室温付近で7000時間低温時効処理した後、
所定の温度において負荷して2%を超える歪みを与え、
その後除荷した。各温度における試験片の応力−歪み曲
線を図2〜5に示す。
【0045】図2、3および4から明らかな様に、実施
例2による合金は、-40℃、室温近傍から80℃にいたる
広い温度範囲において、超弾性を示す。しかしながら、
図5から明らかな様に、100℃付近の温度においては、
与えた歪みが直線的に回復していることから、弾性変形
領域分だけが回復しており、超弾性を発現していない。
【0046】また、同様にして得られた板状合金試験片
をやはりω相変態の影響が現れない100℃で235時間時効
処理した場合にも、同様の結果が得られた。
【0047】Ti-V-Al系合金において、この様に広い温
度範囲において、超弾性を発現する機能性合金は、従来
存在しておらず、本発明によりはじめて得られたもので
ある。
【0048】試験例4 実施例2と同様にして作成した板状合金試験片を室温で
7000時間低温時効処理した後、室温或いは液体窒素温度
(-196℃)において、約1%の歪みを与える様に荷重を
かけてL字型に曲げた後、同じ温度で荷重を除いたとこ
ろ、超弾性によりほぼ当初の形状を回復した。
【0049】Ti-V-Al系合金において、この様に極めて
広い温度範囲において、この様な顕著な超弾性を発現す
る機能性合金は、従来存在しておらず、本発明によりは
じめて得られたものである。
【0050】試験例5 実施例2と同様にして作成した板状合金試験片を室温で
7000時間時効処理し、次いで液体窒素温度で歪みが残る
程度に変形させた後、温度を徐々に上昇させたところ、
約-50〜20℃の温度域でほぼ当初の形状に回復した。
【0051】試験例2の結果と試験例5の結果の対比か
ら、本発明合金を低温時効する場合には、その相変態温
度が低下しているものと判断される。
【0052】試験例6 実施例2と同様にして作成した板状合金試験片を100℃
で235時間或いは150℃で235時間時効処理し、次いで液
体窒素温度で歪みが残る程度に変形させた後、温度を上
昇させたところ、20℃でほぼ当初の形状を回復した。
【0053】これに対し、同様の試験片を200℃で50時
間時効処理した場合には、ω相析出によると考えられる
硬度の上昇が認められ、また超弾性も発現しなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るTi-V-Al系三元合金の組成範囲を
示す図である。
【図2】本発明の1実施例によるTi-V-Al系合金の-40℃
近傍における応力−歪み曲線を示す図面である。
【図3】本発明の1実施例によるTi-V-Al系合金の室温
近傍における応力−歪み曲線を示す図面である。
【図4】本発明の1実施例によるTi-V-Al系合金の80℃
近傍における応力−歪み曲線を示す図面である。
【図5】本発明の1実施例によるTi-V-Al系合金の100℃
近傍における応力−歪み曲線を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 682 C22F 1/00 682 691 691B 692 692Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ti-V-Al系合金であって、三成分の合計重
    量を基準として、その組成が、添付図面中の図1として
    示す三元組成図において以下に規定するA、B、CおよびD
    で囲まれた領域内のTi、AlおよびVからなることを特徴
    とする超弾性合金; A:79.8%Ti、17.5%V、2.7%Al、 B:76.8%Ti、20.5%V、2.7%Al、 C:73.8%Ti、20.5%V、5.7%Al、 D:76.8%Ti、17.5%V、5.7%Al。
  2. 【請求項2】Ti-V-Al系合金の製造方法であって、三成
    分の合計重量を基準として、その組成が、添付図面中の
    図1に示す三元組成図において以下に規定するA、B、C
    およびDで囲まれた領域内のTi、AlおよびVに相当する合
    金を溶融調製し、800〜1200℃で熱処理した後、急冷す
    ることを特徴とする超弾性合金の製造方法; A:79.8%Ti、17.5%V、2.7%Al、 B:76.8%Ti、20.5%V、2.7%Al、 C:73.8%Ti、20.5%V、5.7%Al、 D:76.8%Ti、17.5%V、5.7%Al。
  3. 【請求項3】Ti-V-Al系合金の製造方法であって、三成
    分の合計重量を基準として、その組成が、添付図面中の
    図1に示す三元組成図において以下に規定するA、B、C
    およびDで囲まれた領域内のTi、AlおよびVに相当する合
    金を溶融調製し、800〜1200℃で熱処理し、急冷した
    後、200℃以下で時効させることを特徴とする超弾性合
    金の製造方法。 A:79.8%Ti、17.5%V、2.7%Al、 B:76.8%Ti、20.5%V、2.7%Al、 C:73.8%Ti、20.5%V、5.7%Al、 D:76.8%Ti、17.5%V、5.7%Al。
JP10074016A 1998-03-23 1998-03-23 Ti−V−Al系超弾性合金とその製造方法 Pending JPH11269585A (ja)

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