JP2975380B2 - プラーク形成阻害剤 - Google Patents
プラーク形成阻害剤Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はプラーク（dental plaque）形成阻害剤に関
し、詳しくはストレプトコッカス・ミュータンス（Stre
ptococcus mutans）の菌体外産生グルコシルトランスフ
ェラーゼ（以下、GTFと略記することがある。）による
水不溶性グルカン生成を阻害するプラーク形成阻害剤に
関する。
し、詳しくはストレプトコッカス・ミュータンス（Stre
ptococcus mutans）の菌体外産生グルコシルトランスフ
ェラーゼ（以下、GTFと略記することがある。）による
水不溶性グルカン生成を阻害するプラーク形成阻害剤に
関する。
う蝕は古代より現在に至るまで人類を悩ませ、広く蔓
延している歯の硬組織の疾病である。
延している歯の硬組織の疾病である。
う蝕の原因となる病原菌のうちで最も重要なものはス
トレプトコッカス・ミュータンスである。この病原菌が
菌体外に産生するグルコシルトランスファラーゼの作用
により、砂糖からグルコースのポリマーであるグルカン
を合成する。水に不溶性のグルカンは歯面に強固に付着
する性質を有している。この水不溶性グルカンおよびこ
れを介して歯面に付着したストレプトコッカス・ミュー
タンスはさらに増え続け、やがて歯面全体を覆うように
なる。これがプラークである。ストレプトコッカス・ミ
ュータンスは、プラーク内で種々の糖を利用して乳酸を
はじめとするいくつかの酸を生成し、歯のエナメル質を
脱灰するが、このとき水不溶性グルカンは酸の拡散を妨
げる役割も担っているものと考えられる。
トレプトコッカス・ミュータンスである。この病原菌が
菌体外に産生するグルコシルトランスファラーゼの作用
により、砂糖からグルコースのポリマーであるグルカン
を合成する。水に不溶性のグルカンは歯面に強固に付着
する性質を有している。この水不溶性グルカンおよびこ
れを介して歯面に付着したストレプトコッカス・ミュー
タンスはさらに増え続け、やがて歯面全体を覆うように
なる。これがプラークである。ストレプトコッカス・ミ
ュータンスは、プラーク内で種々の糖を利用して乳酸を
はじめとするいくつかの酸を生成し、歯のエナメル質を
脱灰するが、このとき水不溶性グルカンは酸の拡散を妨
げる役割も担っているものと考えられる。
このように、う蝕生成におけるストレプトコッカス・
ミュータンスの最も主要な作用は、GTFによる水不溶性
グルカンの生成である。
ミュータンスの最も主要な作用は、GTFによる水不溶性
グルカンの生成である。
これまでに、う蝕の形成を阻止するための薬剤は種々
提案されているが、人体に対して有害な副作用を持た
ず、安心して使用できる薬剤の開発が望まれている。
提案されているが、人体に対して有害な副作用を持た
ず、安心して使用できる薬剤の開発が望まれている。
そこで、本発明者は化学的合成品ではなく、天然物の
中から目的とする薬効を有する物質を検索するべく研究
を重ねた結果、茶の成分中に該物質が含まれていること
を見出し、本発明に達成した。
中から目的とする薬効を有する物質を検索するべく研究
を重ねた結果、茶の成分中に該物質が含まれていること
を見出し、本発明に達成した。
茶がう蝕の予防に効果があることは以前より知られて
いるが、その作用因子は茶に含まれるフッ素であると考
えられていた。また、その作用機作もフッ素が歯質それ
自体を向上させ、う蝕原性細菌の侵入や酸による脱灰か
ら歯を保護するものと考えられていた。
いるが、その作用因子は茶に含まれるフッ素であると考
えられていた。また、その作用機作もフッ素が歯質それ
自体を向上させ、う蝕原性細菌の侵入や酸による脱灰か
ら歯を保護するものと考えられていた。
しかし、本発明者は茶のう蝕予防効果は、このフッ素
の作用とは別に茶ポリフェノールを主成分とする物質が
前記GTFによる水溶不性グルカン産生能を著しく阻害す
る効果によるものであることを見出して、本発明を完成
したのである。
の作用とは別に茶ポリフェノールを主成分とする物質が
前記GTFによる水溶不性グルカン産生能を著しく阻害す
る効果によるものであることを見出して、本発明を完成
したのである。
すなわち、本発明は遊離型テアフラビン，テアフラビ
ンモノガレートA,テアフラビンモノガレートＢ並びにテ
アフラビンジガレートの中から選ばれた少なくとも１種
の物質を主成分とするプラーク形成阻害剤を提供するも
のである。
ンモノガレートA,テアフラビンモノガレートＢ並びにテ
アフラビンジガレートの中から選ばれた少なくとも１種
の物質を主成分とするプラーク形成阻害剤を提供するも
のである。
本発明のプラーク形成阻害剤の主成分であるテアフラ
ビン類は、下記の一般式Ｉで表される。
ビン類は、下記の一般式Ｉで表される。
テアフラビン類を具体的に示すと、以下のものがあ
る。
る。
遊離型テアフラビン （一般式Ｉ中、R3＝H,R4＝Ｈ） テアフラビンモノガレートＡ （一般式Ｉ中、 R4＝Ｈ） テアフラビンモノガレートＢ （一般式Ｉ中、R3＝H, テアフラビンジガレート（一般式Ｉ中、 上記テアフラビン類は茶葉を原料として製造すること
ができ、その製法や組成の１例は特開昭59−219384号公
報，同60−13780号公報，同61−130285号公報などに記
載されている。
ができ、その製法や組成の１例は特開昭59−219384号公
報，同60−13780号公報，同61−130285号公報などに記
載されている。
本発明のプラーク形成阻害剤をガム，飴などの食品，
口腔内洗浄剤，歯磨き粉等に添加する場合は、上記した
主成分であるテアフラビン類を直接または水，アルコー
ルなどに溶解させて混合すればよい。その際の濃度は10
0〜5,000ppmとすることが好ましいが、さらに好ましく
は200〜1,000ppmである。
口腔内洗浄剤，歯磨き粉等に添加する場合は、上記した
主成分であるテアフラビン類を直接または水，アルコー
ルなどに溶解させて混合すればよい。その際の濃度は10
0〜5,000ppmとすることが好ましいが、さらに好ましく
は200〜1,000ppmである。
次に、本発明を実施例により説明する。
実施例および比較例 粗グルコシルトランスフェラーゼはストレプトコッカ
ス・ミュータンスOMZ176よりMukasaとSladeの方法〔H.M
ukasa and H.D.Slade,Infect.Immun.,８,555（197
3）；同誌，９,419（1974）〕により精製した。
ス・ミュータンスOMZ176よりMukasaとSladeの方法〔H.M
ukasa and H.D.Slade,Infect.Immun.,８,555（197
3）；同誌，９,419（1974）〕により精製した。
上記GTF,ラベル化したスクロース及び本発明のプラー
ク形成阻害剤は最終的に下記濃度になるように混合し、
50mMリン酸バッファー（pH6.8）で調製した。
ク形成阻害剤は最終的に下記濃度になるように混合し、
50mMリン酸バッファー（pH6.8）で調製した。
GTF（0.34mg protein/ml）,0.1mM（14C）スクロース
（0.1μCi/μ），本発明のプラーク形成阻害剤（１〜
10mg/mlあるいは１〜10mM） この混合液20μを37℃で60分間反応させた。反応終
了後、反応混合液５μならびに該反応混合液を5,500x
gで３分間遠心分離して得た上清５μを各々ろ紙にと
り、ブタノール−ピリジン−水（6:4:3）の展開溶媒に
て展開後、シンチレーション カウンターで測定した。
水不溶性のグルカン量は反応混合液の測定値と上清の測
定値の差より求めた。GTF阻害能は本発明のプラーク形
成阻害剤を加えないコントロールに対する水不溶性グル
カン生成阻害率で表した。
（0.1μCi/μ），本発明のプラーク形成阻害剤（１〜
10mg/mlあるいは１〜10mM） この混合液20μを37℃で60分間反応させた。反応終
了後、反応混合液５μならびに該反応混合液を5,500x
gで３分間遠心分離して得た上清５μを各々ろ紙にと
り、ブタノール−ピリジン−水（6:4:3）の展開溶媒に
て展開後、シンチレーション カウンターで測定した。
水不溶性のグルカン量は反応混合液の測定値と上清の測
定値の差より求めた。GTF阻害能は本発明のプラーク形
成阻害剤を加えないコントロールに対する水不溶性グル
カン生成阻害率で表した。
〔発明の効果〕 本発明のプラーク形成阻害剤は、日常相当量飲用され
ている天然物を主成分とする為、薬剤はもとより食品に
添加しても人体に対する副作用の心配がなく、低濃度の
添加でストレプトコッカス・ミュータンスのグルコシル
トランスフェラーゼによる水不溶性グルカン生成を有効
に阻害する。従って、本発明のプラーク形成阻害剤はう
蝕予防に極めて有用である。
ている天然物を主成分とする為、薬剤はもとより食品に
添加しても人体に対する副作用の心配がなく、低濃度の
添加でストレプトコッカス・ミュータンスのグルコシル
トランスフェラーゼによる水不溶性グルカン生成を有効
に阻害する。従って、本発明のプラーク形成阻害剤はう
蝕予防に極めて有用である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平１−90124（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−13721（ＪＰ，Ａ) Ａｒｃｈｓ．Ｏｒａｌ Ｂｉｏｌ．, 30［11／12］（1985）ｐｐ．821−826 Ｐｈｙｔｏｔｈｅｒ．Ｒｅｓ．，３ ［４］（1989−４）ｐｐ140−144 日本食品工業学会誌，10［９ ］（1963）ｐｐ365−368 フレグランスジャーナル臨時増刊，Ｎ ｏ．６（1986）ｐｐ．270−274 日本農芸化学会誌，48［２］（1974) ｐｐ．83−89 (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) A61K 7/00 - 7/50 A61K 31/00 - 31/80 ＣＡ（ＳＴＮ) ＲＥＧＩＳＴＲＹ（ＳＴＮ)
Claims (1)
- 【請求項１】遊離型テアフラビン，テアフラビンモノガ
レートA,テアフラビンモノガレートＢ並びにテアフラビ
ンジガレートの中から選ばれた少なくとも１種の物質を
主成分とするプラーク形成阻害剤。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1221816A JP2975380B2 (ja) | 1989-08-30 | 1989-08-30 | プラーク形成阻害剤 |
| EP90114999A EP0415126B1 (en) | 1989-08-30 | 1990-08-04 | Anti-dental plaque agents |
| AT90114999T ATE117891T1 (de) | 1989-08-30 | 1990-08-04 | Zahnbelag verhindernde mittel. |
| DE69016532T DE69016532T2 (de) | 1989-08-30 | 1990-08-04 | Zahnbelag verhindernde Mittel. |
| US07/836,158 US5204089A (en) | 1989-08-30 | 1992-02-13 | Method of preventing the formation or aggrevation of dental plaque and method for reducing cariogenesis |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1221816A JP2975380B2 (ja) | 1989-08-30 | 1989-08-30 | プラーク形成阻害剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0386814A JPH0386814A (ja) | 1991-04-11 |
| JP2975380B2 true JP2975380B2 (ja) | 1999-11-10 |
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ID=16772643
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1221816A Expired - Fee Related JP2975380B2 (ja) | 1989-08-30 | 1989-08-30 | プラーク形成阻害剤 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| EP (1) | EP0415126B1 (ja) |
| JP (1) | JP2975380B2 (ja) |
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| DE (1) | DE69016532T2 (ja) |
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| ES2077703T3 (es) * | 1990-03-30 | 1995-12-01 | Suntory Ltd | Inhibidores de la glucosiltransferasa, asi como metodos para la prevencion de la caries dental y alimentos anticaries que utilizan estos inhibidores. |
| JPH0763294B2 (ja) * | 1990-03-30 | 1995-07-12 | サントリー株式会社 | 抗う蝕性食品 |
| JPH0813738B2 (ja) * | 1992-08-04 | 1996-02-14 | 株式会社 伊藤園 | 歯垢除去剤及び歯石沈着防止剤 |
| JP3333584B2 (ja) * | 1993-04-19 | 2002-10-15 | 三井農林株式会社 | 歯質の耐酸性強化組成物 |
| AU2987999A (en) * | 1998-03-06 | 1999-09-20 | Life Plus International | Toothpaste and mouth rinse compositions |
| JP2988928B1 (ja) * | 1998-12-18 | 1999-12-13 | 三井物産株式会社 | 口中スプレー用組成物 |
| CN1367663A (zh) * | 1999-09-08 | 2002-09-04 | Amt技术公司 | 眼睛生物计 |
| JP4585066B2 (ja) * | 1999-10-19 | 2010-11-24 | 丸善製薬株式会社 | う蝕防止剤、口腔用剤および飲食物 |
| FI20000004A0 (fi) * | 2000-01-03 | 2000-01-03 | Slk Foundation | Flavonoidilääke... |
| WO2002096451A1 (en) * | 2001-05-25 | 2002-12-05 | University Of Scranton | Carbohydrate modifying agent and drinks containing the modifying agent |
| US20030004211A1 (en) * | 2001-05-25 | 2003-01-02 | Frank Corsini | Carbohydrate modifying agent and drinks containing the modifying agent |
| WO2008010403A1 (fr) | 2006-07-21 | 2008-01-24 | Kao Corporation | Procédé de prévention de la coloration de catéchines et composition de dentifrice |
| TW200812637A (en) * | 2006-09-15 | 2008-03-16 | jun-er Wang | Vegetable composition for cleaning oral cavity |
| EP2567694B1 (en) * | 2006-11-10 | 2016-10-26 | Matsutani Chemical Industry Co., Ltd. | Non-cariogenic material and cariostatic agent containing D-sorbose |
| JP5563753B2 (ja) * | 2008-08-29 | 2014-07-30 | サントリーホールディングス株式会社 | エピガロカテキンガレート重合体を有効成分とするグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤 |
| EP2419445A2 (en) | 2009-04-16 | 2012-02-22 | Forsyth Dental Infirmary for Children | New methods of making an antibody and compositions thereof |
| WO2013092117A2 (en) * | 2011-12-20 | 2013-06-27 | Unilever N.V. | An oral care composition |
| JP6514684B2 (ja) * | 2014-03-27 | 2019-05-15 | 焼津水産化学工業株式会社 | 口腔内細菌増殖抑制剤 |
| CN111329875B (zh) * | 2020-02-26 | 2023-07-21 | 好维股份有限公司 | 用于修复口腔软组织细胞的口腔护理组合物及应用 |
-
1989
- 1989-08-30 JP JP1221816A patent/JP2975380B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1990
- 1990-08-04 DE DE69016532T patent/DE69016532T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1990-08-04 AT AT90114999T patent/ATE117891T1/de not_active IP Right Cessation
- 1990-08-04 EP EP90114999A patent/EP0415126B1/en not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (5)
| Title |
|---|
| Ａｒｃｈｓ．Ｏｒａｌ Ｂｉｏｌ．，３０［１１／１２］（１９８５）ｐｐ．８２１−８２６ |
| Ｐｈｙｔｏｔｈｅｒ．Ｒｅｓ．，３［４］（１９８９−４）ｐｐ１４０−１４４ |
| フレグランスジャーナル臨時増刊，Ｎｏ．６（１９８６）ｐｐ．２７０−２７４ |
| 日本農芸化学会誌，４８［２］（１９７４）ｐｐ．８３−８９ |
| 日本食品工業学会誌，１０［９］（１９６３）ｐｐ３６５−３６８ |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| EP0415126A1 (en) | 1991-03-06 |
| EP0415126B1 (en) | 1995-02-01 |
| DE69016532T2 (de) | 1995-06-01 |
| JPH0386814A (ja) | 1991-04-11 |
| ATE117891T1 (de) | 1995-02-15 |
| DE69016532D1 (de) | 1995-03-16 |
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