JP2999791B2 - グルコシルトランスフェラーゼ阻害活性の増強方法 - Google Patents

グルコシルトランスフェラーゼ阻害活性の増強方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はカテキン類のグルコシルトランスフェラーゼ
阻害活性を増強する方法及びこの方法によりグルコシル
トランスフェラーゼ阻害活性が増強されたカテキン類を
有効成分として含有する抗う蝕剤に関する。
[従来の技術] う蝕の原因については過去、種々の仮説が提唱された
が、現在ではミラー(Miller)の化学細菌説に基づく細
菌感染症の一種であると認められている。
この説に基づくう蝕の発生機構は以下のごとくであ
る。即ち、口腔連鎖球菌、特にストレプトコッカス・ミ
ュータンス(Streprococcus mutans)が産生するグルコ
シルトランスフェラーゼという酵素が、まず、口中のし
ょ糖を基質として、粘着性、不溶生の多糖(グルカン)
を生成する。ストレプトコッカス・ミュータンス(以
下、「S.ミュータンス」と略称する)の菌体は、生成し
たグルカンによって、菌表面に付着して菌塊(歯垢)を
形成する。この歯垢中ではS.ミュータンスを始め種々の
微生物が共生、繁殖しているが、これら微生物の代謝に
よって有機酸が産生され、この有機酸の作用で歯表面の
pHが低下し、エナメル質表面に脱灰が生じて、う蝕が発
生し、進行する。
また、歯垢形成は、う蝕のほかに、歯周病や口臭の原
因ともなると考えられている。
[発明が解決しようとする課題] このような知見に基づき、う蝕予防の方法として、口
腔内微生物の抗菌剤や上記グルコシルトランスフェラー
ゼの阻害剤、またグルコシルトランスフェラーゼがしょ
糖を基質として形成した多糖を分解する酵素について種
々の研究がなされている。しかしながら、未だ満足すべ
き効果を有する抗う蝕法は見い出されていない。
特に、S.ミュータンスを中心とする口腔連鎖球菌によ
って形成される歯垢がう蝕の原因となっていることか
ら、S.ミュータンスのグルコシルトランスフェラーゼ活
性を抑制して歯垢形成を抑えることが、ひいてはう蝕の
発生を予防する有効な手段となりうると考えられている
が、実際に利用しうるようなグルコシルトランスフェラ
ーゼ活性阻害物質が見出されていないのが現状である。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、このような事情に鑑み、グルコシルト
ランスフェラーゼを効果的に阻害し、かつ、人体に対し
て有害な作用を有しない物質を見いだすべく鋭意研究を
行った。
そしてその結果、微弱ながらもそれ自体グルコシルト
ランスフェラーゼ阻害能を有するカテキン類を加熱処理
することにより、グルコシルトランスフェラーゼ阻害活
性が著しく増強されること及びこの加熱処理したカテキ
ン類は抗う蝕剤として利用しうることを見出し、本発明
を完成させるに至った。
従って、本発明の第一の目的は、1種または2種以上
のカテキン類を加熱処理することを特徴とするカテキン
類のグルコシルトランスフェラーゼ阻害活性増強方法を
提供するものである。
また、本発明の他の目的は、グルコシルトランスフェ
ラーゼ阻害活性が増強されたカテキン類を有効成分とし
て含有する抗う蝕剤を提供するものである。
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明の、グルコシルトランスフェラーゼ阻害活性の
増強方法において原料として用いるカテキン類は、カテ
キン、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン
ガレート、エピガロカテキンガレート等の1種または2
種以上の混合物の何れでもよく、特に、その由来、製
法、純度を限定するものではない。
カテキン類の加熱処理は、溶剤に溶解若しくは懸濁さ
せたカテキン類を加熱すれば良い。
この加熱処理は、温度と時間に依存し、例えば、加熱
温度が40〜60℃である場合は、処理に数日を要し、ま
た、加熱温度が60〜80℃である場合は処理に2〜3日を
要するが、一般には経済性の面から90〜100℃で、30分
〜6時間加熱処理することが好ましい。
溶剤は通常、水を用いるがこれに限定されるものでは
なく、例えば塩類溶液、緩衝液などを用いてもよい。
上記の加熱処理により、カテキン類のグルコシルトラ
ンスフェラーゼ阻害活性は著しく増強され、加熱処理物
そのままのもの、濃縮したもの、溶剤を除去した乾燥物
などいかなる状態のものでもグルコシルトランスフェラ
ーゼ阻害剤として使用することが出来るが、保存性、有
機溶剤の安全性の点で乾燥物の状態にするのが好まし
い。
叙上の如くして得られたカテキン類の加熱処理物は、
グルコシルトランスフェラーゼ阻害活性が著しく増強さ
れるので、抗う蝕剤として利用できる。
この抗う蝕剤は、歯磨、洗口液、トローチ等の口腔用
剤の剤型の他、ジュース、ガム、飴等の食品の形態で利
用することが可能である。
カテキン類の加熱処理物を口腔用剤、食品などの剤形
の抗う蝕剤に配合するに際して、その使用量は特に限定
されないが、味、色、香りなどの点を考慮すると、0.00
1〜0.5%の濃度範囲とすることが好ましい。
叙上の如くして得られる本発明の抗う蝕剤は、例えば
次の様にして使用することができる。
すなわち、洗口剤は、適量(約20ml程度)をグラスに
注ぎ、口に含んで約20秒程すすぎこれをはきだすことに
より、トローチは、製剤1個(約1〜2g)を1日2〜3
回、口の中でかまずにゆっくり溶かすことにより目的と
する抗う蝕効果を得ることができる。
[作用及び発明の効果] 本発明は、カテキン類を加熱処理するとグルコシルト
ランスフェラーゼ阻害能が著しく上昇するという新しい
知見に基づくものである。
そして、本発明のカテキン類加熱処理物を利用するこ
とにより、グルコシルトランスフェラーゼ阻害機構によ
る新しいタイプの抗う蝕剤を得ることができ、う蝕の予
防や治療に有利に利用することができる。
[実施例] 次に本発明におけるカテキン類の処理法、グルコシル
トランスフェラーゼ阻害活性試験、および本発明におけ
るカテキン類の処理物を必須成分とする抗う蝕剤の製造
に関する実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。
実施例 1 カテキン類の加熱処理: カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカ
テキンガレート、エピガロカテキンガレートをそれぞれ
4000ppmの濃度になるように水に溶解し、100℃で2時間
加熱処理して、加熱処理物を得た。
実施例 2 カテキン類の加熱処理: エピガロカテキンガレートを4000ppmとなるように水
に溶解し、100℃でそれぞれ20分、40分、60分、90分、1
20分および180分加熱処理して加熱処理物を得た。
実施例 3 グルコシルトランスフェラーゼ阻害活性の検定: 実施例1で得た加熱処理物および未処理物について、
それらのグルコシルトランスフェラーゼ阻害活性を以下
の方法により測定した。
この結果を第1表に示す。
(酵素液) 酵素液は、S.ミュータンスMT8148株をTodd−Hewitt培
地で培養し、8M尿素により菌体から抽出したものを用い
た(S.Hamada等、J.Gen.Microbial.,135,335−344,1989
年) (測定法) 5%ショ糖、0.5%デキストランT10、0.5%アジ化ナ
トリウムを含む500mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)
0.6ml、試料液0.15ml、S.ミュータンスから調製した酵
素液及び全量3mlとなる量の水を加えて反応系を作成
し、ガラス試験管内で反応させる。この際、酵素量は37
℃、3時間の反応で550nmの吸光度が約1.0になるように
設定する。
生成した不溶性グルカンを超音波破砕し、550nmの吸
光度(A)を測定した。試料液の代わりに水を用いたと
きの吸光度をコントロール(B)として、以下の計算式
で阻害率(%)を求めた。
(測定結果) 実施例 4 グルコシルトランスフェラーゼ阻害活性の検定: 実施例2で得た加熱処理物について、それらのグルコ
シルトランスフェラーゼ阻害活性を実施例3と同様の方
法により測定した。
この結果を第2表に示す。
実施例 5 歯磨剤: (組成) (重量部) 第二リン酸カルシューム 42 グリセリン 18 カラギーナン 0.9 ラウリル硫酸ナトリウム 1.2 サッカリンナトリウム 0.09 パラオキシ安息香酸ブチル 0.005 加熱処理物 0.05 香 料 1 水 残 量 全 量 100 *実施例1で得られたエピガロカテキンガレートの加熱
処理物。
実施例 6 洗口液: (組成) (重量部) ラウリル硫酸ナトリウム 0.8 グリセリン 7 ソルビトール 5 エチルアルコール 15 加熱処理物 0.05 1−メントール 0.05 香 料 0.04 サッカリンナトリウム 0.1 水 残 量 全 量 100 *実施例1で得られたエピカテキンガレートの加熱処理
物。
実施例 7 トローチ: (組成) (重量部) アラビアゴム 6 ブドウ糖 73 加熱処理物 0.02 リン酸第二カリウム 0.2 リン酸第一カリウム 0.1 乳 糖 17 香 料 0.1 ステアリン酸マグネシウム 残 量 全 量 100 *実施例2で得られたエピガロカテキンガレートの180
分加熱処理物。
実施例 8 ガム: (組成) (重量部) ガムベース 20 炭酸カルシウム 2 ステビオサイド 0.1 加熱処理物 0.01 乳 糖 76.89 香 料 1 全 量 100 *実施例1で得られたエピカテキンガレートの加熱処理
物。
実施例 9 ジュース: (組成) (重量部) 冷凍濃縮果汁 5 果糖ブドウ糖液糖 11 クエン酸 0.2 L−アスコルビン酸 0.02 加熱処理物 0.01 香 料 0.2 色 素 0.1 水 残 量 全 量 100 *実施例1で得られたエピガロカテキンガレートの加熱
処理物。
実施例 10 飴: (組成) (重量部) 粉末ソルビトール 99.745 香 料 0.2 加熱処理物 0.005 ソルビトールシード 0.05 全 量 100 *実施例2で得られたエピガロカテキンガレートの180
分加熱処理物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 1/02 A61K 31/35 603 A61K 31/353 C12N 9/99 C12N 9/99 A23L 2/00 Z (56)参考文献 特開 平3−86814(JP,A) 特開 平3−284625(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 311/00 - 311/62 A61K 7/00 - 7/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カテキン、エピカテキン、エピガロカテキ
    ン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート
    からなる群から選ばれるカテキン類の1種または2種以
    上を加熱処理することを特徴とするグルコシルトランス
    フェラーゼ阻害活性増強方法。
  2. 【請求項2】請求項第1項記載の方法により、グルコシ
    ルトランスフェラーゼ阻害活性が増強されたカテキン、
    エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレー
    ト、エピガロカテキンガレートからなる群から選ばれる
    カテキン類の1種または2種以上を有効成分として含有
    する抗う蝕剤。
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