JP2974568B2 - パン生地の製法 - Google Patents

パン生地の製法

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和政 吉田
俊彦 手塚
威 中井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はパン生地およびそれを用
いるパンの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年製パン業界において、生産合理化の
手段として、冷凍生地が広く用いられているが、凍結、
輸送、解凍等高いエネルギーコストを要する。これら高
いエネルギーコストの軽減のため、最終発酵前の生地を
冷蔵保存する冷蔵生地が注目を浴びている。
【0003】しかしながら、このような冷蔵生地を使用
する場合、冷蔵保存中にも酵母の発酵が進むため、生地
に好ましくない影響が現れるだけでなく、生地自身も冷
蔵により物性が変化するため、焼成後のパンはボリウム
が小さく、外観、風味等が劣るという問題がある。生地
の冷蔵中に発酵が抑制される発酵能が低温感受性を示す
酵母およびそれを用いたパン生地、食パン、菓子パン等
を製造する方法について知られている(特開平5−3368
72号公報)。
【0004】製パン工程のどの段階で冷蔵保存するか
で、色々なタイプの冷蔵生地を製造することが可能であ
るが、これらの中で最も省力化効果が大きく、合理化の
手段として有効なのは、成型後に冷蔵保存する、いわゆ
る、成型冷蔵生地である。成型冷蔵生地の製造において
は、上記の発酵能が低温感受性を示す酵母を用いること
のみによって、生地の物性変化に起因する問題は解決さ
れず、焼成後のパンの表面にフィッシュアイと称される
白い水泡状の斑点が現れたり、パンの比容積、外観等の
満足したパンは得られない。
【0005】一般に、パンの品質を改善する方法とし
て、種々の製パン改良剤を用いることが知られている。
例えば、焼成後のパンの表面にフィッシュアイと称され
る白い水泡状の斑点を防止する製パン改良剤として、グ
リセリン脂肪酸エステルまたはグリセリン脂肪酸有機酸
エステル(特開昭63−152935号公報)、アスコルビン酸
類、アミノ酸、ミョウバン類およびグリセリン脂肪酸モ
ノエステル(特開平5−49384 号公報)が知られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、冷蔵
保存が長くなった成型冷蔵生地を用いた場合でも、フィ
ッシュアイが現れない品質のよいパンを製造する方法を
提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、冷蔵耐
性酵母を用いてパン生地を製造する際に、油脂を融解
し、これを混捏しながら急冷固化させて得られる油脂処
理物を用いることによって、得られた生地を長く冷蔵保
存しても製パンしたときに品質のよいパンを得ることが
できる。
【0008】本発明において、冷蔵耐性酵母とは、20
〜40℃では正常に発酵し、−2〜15℃では市販酵母
の1/3以下の発酵能を有する酵母を意味する。本発明
に用いられる冷蔵耐性酵母としては、前記性質を有する
ものであれば、いずれも用いられ、例えば、市販のダイ
ヤイーストREIZO〔協和発酵工業(株)〕が用いら
れる。
【0009】本発明に用いる油脂としては、パーム油、
菜種油、大豆油、米油、コーン油、綿実油、ヒマワリ
油、サフラワー油、ヤシ油、パーム核油、牛脂、乳脂、
魚油、豚脂等およびそれらの加工油脂〔水添(硬化油
等)、分別(精製油等)、エステル交換されたもの〕等
が単独もしくは組合せて用いられる。従来のショートニ
ングとしては油脂と乳化剤の混合物が用いられるが、本
発明における油脂処理物は乳化剤を用いないで製造さ
れ、ショートニングの代わりに用いられる。
【0010】本発明に用いる油脂処理物は、前記油脂を
融解し、これを混捏しながら急冷固化させることによっ
て得られ、特に、油脂処理物の融点が25〜45℃、固
体脂含量が10℃で20%以上、20℃で10%以上、
30℃で5%以上であり、コーンペネトロ値が5℃で1
50以下、10℃で200以下、15℃で250以下で
あるものが好ましい。
【0011】油脂の融解温度は、油脂の融点以上であれ
ばよいが、通常50〜80℃である。融解した油脂は手
または攪拌装置、工業的には例えば、急冷混捏機(ボテ
ータ等:回転数300〜500rpm)によって冷却速度3
〜10℃/分で冷却しながら5〜20分間混捏され、2
0℃位まで急冷され、その後、冷却は5℃位まで行われ
る。
【0012】さらに、必要により、該油脂処理物を製造
する際に、添加物として香料、色素、抗酸化剤(トコフ
ェロール等)等を添加することができるし、該添加物を
含む油脂を原料として用いることができる。油脂処理物
は小麦粉100重量部に対して通常2〜30重量部、好
ましくは、5〜15重量部用いられる。
【0013】該油脂処理物は通常のパン生地組成中のシ
ョートニングの代わりに用いることによって本発明の効
果を奏するが、該油脂処理物の効果を妨げない程度のシ
ョートニングと併用してもよい。本発明のパン生地は小
麦粉に冷蔵耐性酵母、前記で得られた油脂処理物、食
塩、水さらに必要に応じて砂糖、脱脂粉乳、卵、イース
トフード等を加え常法によって処理することにより得ら
れる。代表的な食パン、菓子パン等のパン生地の製法に
はストレート法と中種法があり、前者は全原料を最初か
ら混ぜる方法であり、後者は、まず小麦粉の一部に酵母
と水を加え中種をつくり、発酵後に残りの原料を合わせ
る方法である。前記パン生地を用いて常法(分割、ベン
チ、成型、冷蔵、ホイロ、焼成等)によりパンを得る。
パン生地の冷蔵保存は通常、−2〜−15℃で行われ7
日間位品質を保持できる。
【0014】
【実施例】以下に実施例、比較例および参考例を示す。 実施例1,比較例1および2 下記の配合および工程によりストレート法でロールパン
を得た。 配合 (重量部) 強力粉 90 薄力粉 10 グラニュー糖 10 食塩 1.8 脱脂粉乳 3 イーストフード〔パンダイヤC−700(協和発酵工業(株))(以下同じ) 〕 0.1 全卵 8 油脂処理物またはショートニング(表1に示す) イースト 〔ダイヤイーストREIZO (協和発酵工業(株))〕 3.5 水 55 改良剤(表1に示す) 工程 ミキシング:低速 3分 中低速 2分後 油脂処理物またはショートニング添加 低速 3分 中低速 5分 中高速 5分 捏上温度 :27℃ フロアタイム:28℃、60分 分割 :60g ベンチタイム:20分 成型 :ロール状 成型生地の冷蔵:5℃、1〜5日 ホイロ :38℃、85%RH、60分 焼成 :200℃、12分 焼成したロールパンの品質評価の結果を表2に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】表2から明らかな如く、実施例1で得られ
たロールパンの品質は、比較例1および2で得られたそ
れに比べ、1日後においても優れており、特に、2日、
3日および5日後と長期になるにつれて非常に優れてい
た。 実施例2、比較例3および4 下記の配合および工程によりストレート法で菓子パンを
得た。 工程 ミキシング:低速 3分 中低速 3分後 油脂処理物またはショートニング添加 低速 2分 中低速 4分 中高速 4分 捏上温度 :27℃ フロアタイム:28℃、60分 分割 :60g ベンチタイム:20分 成型 :ロール状 成型生地の冷蔵:5℃、1〜5日 ホイロ :38℃、85%RH、60分 焼成 :200℃、10分 焼成した菓子パンの品質評価の結果を表4に示す。
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】表4から明らかな如く、実施例2で得られ
た菓子パンの品質は、比較例3および4のそれに比べ、
1日、2日、3日および5日と長期になるにつれて非常
に優れていた。 参考例1 500mlのビーカーに、魚硬化油(トコフェロール100p
pm含有 融点31℃)140g、精製パーム油(融点3
8〜40℃)30gおよび大豆油30gを取り、60℃
で融解混合した。ついで、−5℃の氷水中にビーカーを
入れ、混捏しながら4℃/分の速度で10分間、20℃
まで急冷固化させ、その後、冷蔵庫で5℃まで冷却し、
油脂処理物200gを得た。
【0021】この油脂処理物の融点は31.3℃、固体脂
含量は10℃で24%、コーンペネトロ値は10℃で1
50であった。 参考例2 500mlのビーカーに、魚硬化油(トコフェロール100p
pm含有 融点31℃)140g、精製パーム油(融点3
8〜40℃)30gおよび大豆油30gを取り、60℃
で融解混合した。これにモノグリセリド0.6gおよび大
豆レシチン0.4gを加え、溶解した。ついで、−5℃の
氷水中にビーカーを入れ、混捏しながら4℃/分の速度
で10分間、20℃まで急冷固化させ、その後、冷蔵庫
で5℃まで冷却し、ショートニング201gを得た。
【0022】
【発明の効果】本発明より、冷蔵保存が長くなった成型
冷蔵生地を用いてもフィッシュアイが現れない品質のよ
いパンを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻脇 義一 大阪府泉南市阪南町鳥取1215−1 審査官 鵜飼 健 (56)参考文献 特開 平5−336872(JP,A) 特開 平5−284896(JP,A) 特開 昭59−91830(JP,A) 特開 平5−49384(JP,A) 特開 昭63−152935(JP,A) 特開 昭51−151372(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A21D 2/00 - 17/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷蔵耐性酵母を用いてパン生地を製造す
    る際に、油脂を溶解し、これを混捏しながら急冷固化さ
    せて得られる油脂処理物を用いることを特徴とするパン
    生地の製法。
  2. 【請求項2】 急冷固化を冷却速度 3〜10℃/分で行う
    請求項1記載のパン生地の製法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のパン生地を用いて
    常法により製パンすることを特徴とするパンの製法。
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