JP2971327B2 - レーザーカッタ付きミシンおよび刺繍方法 - Google Patents

レーザーカッタ付きミシンおよび刺繍方法

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JP2971327B2
JP2971327B2 JP6150992A JP15099294A JP2971327B2 JP 2971327 B2 JP2971327 B2 JP 2971327B2 JP 6150992 A JP6150992 A JP 6150992A JP 15099294 A JP15099294 A JP 15099294A JP 2971327 B2 JP2971327 B2 JP 2971327B2
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    • D05CEMBROIDERING; TUFTING
    • D05C7/00Special-purpose or automatic embroidering machines
    • D05C7/10Special-purpose or automatic embroidering machines for separating and burning-off parts of the base fabric
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/0093Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring combined with mechanical machining or metal-working covered by other subclasses than B23K
    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05BSEWING
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    • D05B37/04Cutting devices
    • D05B37/10Cutting devices with heated tools
    • DTEXTILES; PAPER
    • D05SEWING; EMBROIDERING; TUFTING
    • D05CEMBROIDERING; TUFTING
    • D05C5/00Embroidering machines with arrangements for automatic control of a series of individual steps
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  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、布、皮革等のシートを
正確に、しかも、連続的に裁断することができるレーザ
ーカッター付きミシンと、そのミシンを使用して好適に
実施できる刺繍方法に関する。さらに詳述すれば、シー
ト同士を迅速にかつ正確に縫製加工する際、あるいは、
シートの側縁部やシート内に形成された開口部の周縁部
に沿って、透かし模様、ステッチ模様等の刺繍を形成す
る際に、好適に使用されるレーザーカッター付きミシ
、および、そのミシンを使用して好適に実施される刺
繍方法に関する
【0002】
【従来の技術】布、皮革等の基材シートの側縁部、ある
いは基材シート内に形成された開口部の周縁部に沿っ
て、透かし模様等の刺繍を形成する場合には、基材シー
トが存在しない部分では、刺繍糸を絡めるために、基材
シートに重ねられるバックシートが必要になる。バック
シートは、刺繍糸が絡められても破損しないような材質
のものが使用される。このバックシートは、基材シート
の側縁部あるいは開口部を、鋏、カッター、刃形、ウォ
ータージェット、プラズマ等によって所定形状に裁断し
た後に、その基材シートの下側に、重ねられる。バック
シートは、基材シートの側縁部から外方に延出した状
態、あるいは、基材シートの開口部内に延出した状態に
なっている。そして、基材シートとバックシートとを重
ねた状態で、基材シートの側縁部あるいは開口部の周縁
部とバックシートとの間にわたって刺繍が形成される。
【0003】このような方法に替えて、バックシートと
基材シートとを重ねた状態で、基材シートのみを、鋏、
カッター等によって所定形状に裁断して、裁断された基
材シートとバックシートとの間に刺繍が形成される。
【0004】このようにして、所定形状に裁断された基
材シートの側縁部あるいは開口部周縁部に沿って刺繍が
形成されると、刺繍の周囲の不要なバックシートが除去
される。これにより、基材シートの側縁部に沿ってある
いは基材シートにおける開口部の周縁部に沿って刺繍が
形成される。
【0005】また、衣服、靴、鞄等の製造に際して、
布、皮革等の基材シートを縫製する場合にも、複雑な形
状に裁断された基材シートの周縁部を、他の基材シート
に対して縫製することもある。
【0006】上述したような刺繍製品および縫製製品
は、最近では、刺繍機、縫製用ミシン等の工業用ミシン
によって、工業的に生産することが試みられている。刺
繍機によって刺繍製品を製造する場合には、予め所定形
状に裁断された基材シートをバックシート上に重ねた状
態で、刺繍機のミシンテーブル上に設けられたシート保
持枠に、基材シートおよびバックシートを保持し、この
ような状態で、通常の刺繍を形成する場合と同様に、シ
ート保持枠が、針棒の昇降に同期してX−Y方向に移動
される。これによって、基材シートの側縁部あるいは開
口部の周縁部に刺繍が形成される。
【0007】このように、刺繍機によって基材シートの
側縁部や開口部の周縁部に刺繍を形成する場合には、刺
繍機自体には基材シートを裁断する機能がないために、
基材シートを所定の側縁部形状あるいは開口部形状に、
予め、鋏、カッター等によって裁断しておく必要があ
る。しかも、裁断された基材シートは、裁断された側縁
部等とミシンヘッドの針棒とが対応するように、ミシン
テーブル上の基材シート保持枠に正確にセットしなけれ
ばならない。従って、基材シートの側縁部や開口部の周
縁部に刺繍を形成する場合には、刺繍機を使用しても非
常に作業効率が悪いという問題がある。しかも、手作業
で基材シートを裁断する場合には、複雑な形状に裁断す
ることは容易でなく、複雑な形状に基材シートを裁断す
るために高価な裁断機を導入すれば、経済性が損なわれ
る。
【0008】特公平6−33550号公報には、レーザ
ー光による切断装置を、刺繍用ミシンの駆動制御装置に
よって駆動させることにより、シートを切断する自動刺
繍裁断装置が開示されている。この自動刺繍裁断装置で
は、刺繍用シートの点縫いの制御信号に対応して切断装
置が制御されるようになっているために、平面的布送り
装置にて2次元的に間欠送りされるシートが、その間欠
送りに同期して間欠的に発振されるレーザー光によって
切断されるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、レーザー
光が布送り装置に同期して間欠的に発振される構成で
は、レーザー光の発振時間が短時間になるためにレーザ
ー光の出力が安定せず、シートの一部が焦げたり、シー
トが連続的に確実に切断されないおそれがある。シート
の切断部分は、一定の状態にならず、見苦しくなるとい
う問題もある。
【0010】さらに、前述したように、基材シートの側
縁部、あるいは基材シート内に形成された開口部の周縁
部に沿って、透かし模様等の刺繍を形成する場合には、
基材シートが存在しない部分に刺繍糸を絡めるバックシ
ートを、基材シートに重ねて設けておく必要があり、こ
のような場合には、刺繍する前に、バックシート上に重
ねられた基材シートのみを切断しなければならない。し
かし、レーザー光を間欠的に発振させる場合には、レー
ザー光の出力が安定しないために、バックシートを切断
することなく基材シートのみを確実に切断できないおそ
れがある。その結果、基材シートの一部が切断できない
状態に残ったり、基材シートとともにバックシートが切
断されてしまう。
【0011】本発明は、このような問題を解決するもの
であり、その目的は、針棒の昇降駆動に同期してシート
保持枠がX−Y方向に移動されるミシンにおいて、シー
ト保持枠にて保持されたシートを連続的に移動させて、
安定した出力のレーザー光によってシートを正確にかつ
円滑に切断することができ、しかも、切断部分が見苦し
くないレーザーカッター付きミシンを提供することにあ
る。
【0012】本発明の他の目的は、バックシートに重ね
られた基材シートのみを、複雑な形状であっても、正確
にかつ確実に裁断し得るレーザーカッター付きミシンを
提供することにある。
【0013】本発明のさらに他の目的は、バックシート
に重ねられた基材シートのみを切断した後に、その裁断
部分に沿って自動的に刺繍することができるレーザーカ
ッター付きミシンを提供することにある。
【0014】本発明のさらに他の目的は、複雑な形状の
シートの開口部や側縁部に沿って、縫製および刺繍が、
容易にかつ正確にできる剌繍方法を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のレーザーカッタ
ー付きミシンは、ミシンヘッドに針棒が昇降可能に取り
付けられており、この針棒がミシンテーブル上の所定位
置にて昇降駆動されるとともに、シートを保持するシー
ト保持枠が、前記針棒の昇降に同期してミシンテーブル
上をX−Y方向へ移動されるミシンであって、ミシンテ
ーブル上のシートを裁断し得るレーザー光を発振するレ
ーザー発振器と、このレーザー発振器によって発振され
るレーザー光をミシンテーブル上のシートに集束するよ
うに案内する光学系と、前記レーザー発振器の発振を停
止させた状態で、前記針棒を昇降駆動させるとともにそ
の針棒の昇降駆動に同期して前記シート保持枠を間欠的
に移動させる制御と、前記針棒の昇降駆動を停止させた
状態で、前記シート保持枠を連続的に移動させるととも
に前記レーザー発振器からレーザー光を連続的に発振さ
せる制御とを、選択的に実施する制御部と、を有するこ
とを特徴とする。
【0016】前記制御部は、シート保持枠を、直線の集
合によって構成される軌跡を描くように移動させる構成
になっており、連続的に移動される際の軌跡を構成する
直線が、間欠的に移動される際の軌跡を構成する直線よ
りも短く設定されている
【0017】前記レーザー発振器は、シート保持枠にて
上下に重ねられた状態で保持された複数のシートの少な
くとも1枚のシートだけを切断し得る出力に、発振する
レーザー光を調整できる。
【0018】前記光学系は、異なる焦点距離を有する複
数の集光レンズを有しており、前記レーザー発振器から
発振されたレーザー光がいずれかの集光レンズに選択的
に案内される。
【0019】本発明の刺繍方法は、複数のシートが上下
に重ねられており、上側の少なくとも1枚のシートを所
定出力のレーザー光によって裁断する工程と、最上側の
シートのレーザー光によって裁断された側縁部と裁断さ
れていない下側のシートとの間にわたって刺繍を形成す
る工程と、裁断されていない下側のシートをレーザー光
によって裁断されたシートから取り除く工程と、を包含
することを特徴とするものであり、そのことにより上記
目的が達成される。
【0020】この刺繍方法では、重ねられた複数のシー
ト同士が、予め縫製されていてもよい。
【0021】
【作用】本発明のレーザーカッター付きミシンでは、シ
ート保持枠に保持されたシートを裁断する場合には、制
御部は、針棒の昇降駆動を停止させた状態で、シート保
持枠をX−Y方向に連続的に移動させる。そして、シー
ト保持枠の連続移動に同期して、レーザー発振器から、
所定出力のレーザー光を連続的に発振させる。シート保
持枠は、ミシンテーブル上を、所定形状になるようにX
−Y方向に連続移動され、その移動の間に、シート保持
枠に保持されたシートには、レーザー発振器から発振さ
れたレーザー光が光学系によって集束される。これによ
り、シート保持枠にて保持されたシートは、レーザー光
によって正確に所定形状に切断される。
【0022】シート保持枠に保持されたシートに対して
縫製や刺繍をする場合には、制御部は、レーザー発振器
の駆動を停止させた状態で、針棒を昇降駆動するととも
に、その針棒の昇降駆動に同期させてシート保持枠をX
−Y方向に間欠的に移動させる。これにより、シート保
持枠に保持されたシートに対して縫製あるいは刺繍がさ
れる。
【0023】また、シートを所定形状に切断した後に、
その切断された側縁部に沿って、縫製や刺繍をする場合
には、複数のシートが上下に重ねられた状態でシート保
持枠に保持される。このような状態になると、制御部
は、針棒の昇降駆動を停止させた状態で、シート保持枠
を連続的に移動させるとともに、レーザー発振器からレ
ーザー光を連続的に発振させる。レーザー発振器から
は、上側のシートのみを切断し得る出力に調整されたレ
ーザー光が発振され、光学系によって上側のシート上に
集束される。そして、シート保持枠がX−Y方向へ連続
的に移動されることにより、上側のシートのみがレーザ
ー光によって連続的に切断される。
【0024】このようにして、上側のシートのみが所定
形状に切断されると、制御部は、レーザー発振器を停止
させた状態で、針棒を昇降駆動して、針棒の昇降駆動に
同期してシート保持枠を間欠的に移動させる。これによ
り、針棒が、上側のシートの切断された側縁部に沿うよ
うに、シート保持枠が間欠的に移動して、上側のシート
の側縁部と下側のシートとの間にわたって縫製あるいは
刺繍がされる。
【0025】上側のシートの側縁部に刺繍を形成した場
合には、下側のシートは不要であるために、下側のシー
トが上側のシートから取り除かれる。
【0026】本発明のレーザーカッター付きミシンで
は、レーザー発振器から発振されるレーザー光の出力を
調整できるために、上述したように、上下に重ねられた
複数のシートにおける上側の少なくとも1枚のシートの
みを切断することができる。また、皮革等のシートで
は、発振されるレーザー光の出力を調整することによ
り、シートを切断することなく、表面にレーザー光の焦
げ目によって模様や文字等を形成することもできる。
【0027】シート保持枠に保持されたシートに対し
て、異なる焦点距離の複数の集光レンズのいずれかによ
って、レーザー光を集束させる場合には、シートを高精
度に切断する場合には、焦点距離の短い集光レンズが選
択され、シート表面を所定面積にわたって焦がして模様
等を形成する場合には、焦点距離の長い集光レンズが選
択される。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明のレーザーカッター付きミシンで
ある刺繍機の一例を示す要部の正面図、図2はその断面
図である。本発明の刺繍機では、ほぼ水平状態になった
ミシンテーブル61(図2参照)の上方に取り付けられ
たスライドレール62に、ミシンヘッド10がスライド
可能に支持されている。スライドレール62は、ミシン
本体部60に取り付けられている。ミシンテーブル61
上には、刺繍が形成されるシートを水平状態で保持する
シート保持枠75が設けられている。このシート保持枠
75には、例えば、刺繍が形成される布、皮革等の基材
シート51を、刺繍糸が絡められるバックシート52上
に重ねた状態で保持されている。シート保持枠75は、
基材シート51およびバックシート52を重ねた状態で
保持して、ミシンテーブル62上をX−Y方向である水
平方向へと移動する。
【0029】ミシンヘッド10は、図2に示すように、
鉛直状態になった一対の支持フレーム11と、各支持フ
レーム11の中程に水平状態で架設された中央フレーム
12と、さらに各支持フレーム11の下端部間に架設さ
れた下部フレーム13とによって枠組されたスライドケ
ース19を有している。
【0030】ミシンヘッド10における中央フレーム1
2には、上下方向に貫通する複数個(例えば9個)の貫
通孔12aが、等しい間隔をあけて左右方向に並んで設
けられており、また、下部フレーム13にも中央フレー
ム12の各貫通孔12aと同数の貫通孔13aが設けら
れている。中央フレーム12および下部フレーム13に
おける最も左側の貫通孔12aおよび13aには、縦ガ
イドパイプ22が、挿通した状態で支持されている。こ
の縦ガイドパイブ22は、ミシン本体部60の上面に取
り付けられたレーザー発振器21(図1参照)から発振
されるレーザー光を下方に案内するようになっている。
【0031】レーザー発振器21は、例えば、出力が1
0〜20W程度の炭酸ガスレーザーを、スライドレール
62に対して直交する方向へとほぼ水平に発振する。レ
ーザー発振器から発振されるレーザー光は、水平状態に
なった横ガイドパイプ28によって、水平方向に案内さ
れるようになっている。
【0032】この横ガイドパイプ28の中程には、全周
にわたって外方に突出したフランジ部28aが設けられ
ている。このフラノジ部28aは、ミシン本体部60の
上面に取り付けられたブラケット29に取り付けられて
いる。フランジ部28には、横ガイドパイプ28の軸心
を中心とする同心円上を周方向に延びる3つの長孔が設
けられており、各長孔内をそれぞれボルト27が挿通す
ることにより、フランジ部28aがブラケット29に取
り付けられている。各ボルト27は、各長孔内をスライ
ドし得るようになっおり、従って、各ボルト27を緩め
ると、横ガイドパイプ28は、その軸心回りに回動し得
るようになっている。
【0033】横ガイドパイプ28の先端部は、スライド
レール62に沿ってスライド可能になったミシンヘッド
10の上方に達している。横ガイドパイプ28の先端面
は水平に対して、ほぼ45度に傾斜しており、その傾斜
した先端面に、レーザー発振器21によって発振される
レーザー光を下方へと反射させる反射ミラー26が取り
付けられている。反射ミラー26にて反射されたレーザ
ー光は、横ガイドパイプ28の先端部の下側周面に設け
られた開口部28bを通って下方へと照射される。この
開口部28bの下方には、ミシンヘッド10に鉛直状態
で設けられた縦ガイドパイプ22が配置されている。
【0034】縦ガイドパイプ22は、例えばステンレス
によって構成されており、上端部が横ガイドパイプ28
に近接するように、上フレーム12を挿通して上方に延
出している。レーザー発振器21から発振されて反射ミ
ラー26によって反射されたレーザー光は、この縦ガイ
ドパイプ22内に導入されて、その縦ガイドパイプ22
内を下方へと案内される。
【0035】縦ガイドパイプ22の下端部は、下部フレ
ーム13よりも下方に延出しており、その下端部には、
レンズホルダー25が円筒状の連結部材24によって連
結されている。図3は縦ガイドパイプ22の下端部に取
り付けられたレンズホルダー25および連結部材24の
断面図である。レンズホルダー25は、縦ガイドパイプ
22の外径に等しい外径を有する円筒状をしており、そ
の上端部に集光レンズ23が水平状態で取り付けられて
いる。集光レンズ23は、縦ガイドパイプ22内に進入
したレーザー光を、ミシンテーブル61上に載置された
基材シート51上に焦点が合った状態になるように設定
されている。レンズホルダー25の下端部は、下側にな
るにつれて、順次、外径が小さくなった円錐台形状に絞
られている。
【0036】レンズホルダー25における下端部よりも
若干上方の壁面には、エアー供給管部25aが設けられ
ており、このエアー供給管部25aには、フレキシブル
なエアーチューブ25bが取り付けられている。エアー
チューブ25b内には加圧エアーが供給されるようにな
っており、エアーチューブ25b内に供給される加圧エ
アーは、エアー供給管部25aからレンズホルダー25
内に噴射される。レンズホルダー25内に噴射された加
圧エアーは、レンズホルダー25内の集光レンズ23を
冷却するとともに、集光レンズ23に付着する粉塵等を
除去するようになっている。
【0037】連結部材24は、縦ガイドパイプ22の下
端部およびレンズホルダー25の上端部にそれぞれ嵌合
する円筒状をしており、縦ガイドパイプ22の下端部お
よびレンズホルダー25の上端部とは、複数のネジ24
aによってそれぞれ連結されている。
【0038】ミシンヘッド10における中央フレーム1
2の縦ガイドパイプ22が挿通している貫通孔12aを
除く他の貫通孔12aには、針棒31がそれぞれ挿通し
ており、各針棒31の下端部が下部フレーム13の対応
する各貫通孔13aをそれぞれ挿通している。各針棒3
1は、周知のように、中央フレーム12の上方へと延出
しており、その延出した部分に圧縮コイルスプリング3
8が嵌合されている。この圧縮コイルスプリング38
は、針棒31全体を下方へと付勢している。
【0039】針棒31には、中央フレーム12の下側に
上死点ストッパー32が嵌合されており、その下側に針
棒抱き33が嵌合されている。また、針棒31における
中央フレーム12と下部フレーム13との間の中程に
は、布押さえ34の上端部が嵌合している。この布押さ
え34は、針棒31に沿って下方へと延出し、下部フレ
ーム13の前面を通って針棒31の下端部に嵌合された
状態になって、さらに、その下方へと延出している。針
棒31の下端部には、縫い針37が、針止め36によっ
て針棒31から下方に垂直に延出した状態で支持されて
いる。布押さえ34の下端部は縫い針37の下方に達し
ている。
【0040】針棒31には、針棒抱き33と布押さえ3
4の上端部との間に圧縮コイルスプリング35が嵌合さ
れており、布押さえ34を下方へと付勢している。
【0041】縦ガイドパイプ22および各縫い針37
は、ミシンヘッド10がミシンテーブル61に対してス
ライドすることにより、ミシンテーブル61に設けられ
た貫通孔61aに対して、選択的に対向状態とされる。
【0042】各支持フレーム11の上端部は、それぞれ
後方へと延出しており、その延出した先端部間に天秤軸
14が水平状態で架設されている。天秤軸14には、例
えば8本の天秤15の円筒状になったそれぞれの基端部
15aが軸方向に並んで嵌合されている。各天秤15
は、基端部15aから前方に延出したアーム部15bを
それぞれ有しており、基端部15aの後部外周面にはギ
ア15bが形成されている。
【0043】各天秤15のアーム部15bの先端部には
所定色の刺繍糸が掛けられており、その刺繍糸は、各天
秤15に対応して配置されている各針棒31の下端部に
取り付けられた縫い針37の針孔に挿通されている。
【0044】図4は、本発明の刺繍機の制御系のブロッ
ク図である。各針棒31を昇降駆動する針棒昇降駆動装
置73、ミシンテーブル61上に配置されたシート保持
枠75をてX−Y方向へ駆動するシート保持枠駆動装置
74、およびレーザー発振器21は、例えば、マイクロ
コンピューターを使用した制御部70によって制御され
るようになっている。この制御部70は、刺繍用ROM
(読み出し専用メモリー)71および切断用ROM72
のいずれか一方に記憶された制御信号を選択的に読み出
して、その制御信号に基づいて、針棒昇降駆動装置7
3、シート保持枠駆動装置74、およびレーザー発振器
21を制御するようになっている。
【0045】制御部70は、刺繍や縫製をするために、
ミシンテーブル61の貫通孔61a上に針棒31が位置
されると、刺繍用ROM71を選択して、その刺繍用R
OM71に記憶された制御内容に基づいた制御を実行す
る。すなわち、制御部70は、レーザー発振器21の発
振を停止させた状態で、針棒昇降駆動装置73によって
針棒31を昇降駆動するとともに、シート保持枠駆動装
置74によって、ミシンテーブル61上のシート保持枠
75を、針棒31の昇降駆動に同期して、間欠的にX−
Y方向に移動させる。これにより、針棒31下端部の縫
い針37によって、シート保持枠75にて保持された基
材シート51に刺繍が形成される。
【0046】これに対して、シートを切断するために、
縦ガイドパイプ22の下方に設けられた集光レンズ23
が、ミシンテーブル61の貫通孔61aに対向した状態
になると、制御部70は、切断用ROM72を選択し
て、その切断用ROM72に記憶された制御内容に基づ
いた制御を実施する。すなわち、制御部70は、針棒昇
降駆動装置73の駆動を停止させた状態で、シート保持
枠駆動装置74によって、ミシンテーブル31上のシー
ト保持枠75を連続的にX−Y方向に駆動するととも
に、レーザー発振器21から所定出力のレーザー光を連
続的に発振させる。これにより、ミシンテーブル61上
のシート保持枠75に保持された基材シート51には、
連続的に移動され、その連続移動の間に、所定出力のレ
ーザー光が連続的に基材シート51に集束状態で照射さ
れる。
【0047】このような構成の刺繍機は、例えば、基材
シート51に開口部を設けてその周縁部に刺繍を形成す
る際に好適に使用される。この場合には、まず、ミシン
テーブル61上のシート保持枠75に、バックシート5
2上に重ねられた基材シート51がバックシート52と
ともに保持される。そして、ミシンヘッド10がミシン
テーブル61に対してスライドされて、ミシンテーブル
61の貫通孔61aの上方に所定の色の刺繍糸に対応す
る針棒31が位置される。
【0048】このような状態になると、制御部70は、
刺繍用ROM71の記憶内容を読み込んで、レーザー発
振器21を停止状態とするとともに、針棒昇降駆動装置
73を駆動して、針棒31を昇降駆動させる。そして、
針棒31の昇降に同期して、刺繍用ROM71に記憶さ
れた記憶内容にしたがって、シート保持枠75をX−Y
方向に間欠的に移動させる。刺繍用ROM71には、基
材シート51に形成される開口部の周縁部に沿って設定
される点縫いの軌跡が、X−Y方向の直線の集合によっ
て、予め、設定されている。
【0049】この場合の針棒31の昇降とシート保持枠
75の間欠移動との関係は、周知のように、針棒31が
下降して縫い針37が基材シート51およびバックシー
ト52を貫通している間はシート保持枠75は停止さ
れ、針棒31が上昇して縫い針37が基材シート51の
上方に位置した場合にシート保持枠75がX−Y方向へ
と直線的に移動される。そして、縫い針37が基材シー
ト51およびバックシート52を貫通すると、縫い針3
7に係止された刺繍糸に下糸(図示せず)が絡められ
る。このようにして、基材シート51上に形成すべき開
口部の周縁部に沿って、刺繍糸によって基材シート51
とバックシート52とが点縫いされる。
【0050】基材シート51とバックシート52とが縫
い合わされた状態になると、ミシンヘッド10全体がミ
シンテーブル61に対してスライドされて、ミシンテー
ブル61の貫通孔61a上に縦ガイドパイプ22が位置
される。このような状態になると、制御部70は、切断
用ROM72内に記憶された制御内容を読み込んで、そ
の制御内容に基づいた制御を実施する。切断用ROM7
2には、基材シート51の点縫い位置よりも内側位置
に、形成される開口部の周縁に沿うように、シート保持
枠75の軌跡が設定されている。切断用ROM72に設
定されたシート保持枠75の軌跡は、刺繍用ROM71
に記憶されたシート保持枠75の点縫いの軌跡を構成す
る直線よりも短い直線の集合によって構成されている。
従って、切断用ROM72に設定されたシート保持枠7
5の軌跡は、シート51に形成しようとする開口部の周
縁に忠実に沿った円滑な軌跡に設定されている。
【0051】制御部70は、切断用ROM72に設定さ
れたシート保持枠75の軌跡に基づいて、シート保持枠
駆動装置74を制御し、シート保持枠75を連続的にX
−Y方向に移動させる。これと同時に、制御部70は、
レーザー発振器21を駆動して、レーザー発振器21か
ら所定出力のレーザー光を連続的に発振させる。
【0052】レーザー発振器21からは、上側の基材シ
ート51のみを裁断して下側のバックシート52が裁断
されないような所定の出力でレーザー光が連続的に発振
され、このレーザー光は、横ガイドパイプ28および縦
ガイドパイプ22内を通過して、縦ガイドパイプ22の
下方に設けられた集光レンズ23によって基材シート5
1上に集束される。
【0053】基材シート51に集束されたレーザー光
は、シート保持枠75に保持された基材シート51とバ
ックシート52とを縫い付けている点縫いのステッチに
沿って連続的に移動される。その結果、基材シート51
の下方のバックシート52は切断されることなく、基材
シート51のみがレーザー光によって連続的に切断され
る。そして、切断された部分を基材シート51から取り
除くことにより、基材シート51に所定形状の開口部が
形成される。このとき、基材シート51に重ねられたバ
ックシート52は、縦ガイドパイプ22から照射される
レーザー光によっては切断されないために、形成された
開口部内には、バックシート52が残った状態になり、
その開口部内にバックシート52が保持されている。
【0054】レーザー発振器21から発振されるレーザ
ー光は、横ガイドパイプ28および縦ガイドパイプ22
内を通過するために、周囲に漏れるおそれがなく安全で
ある。しかも、横ガイドパイプ28および縦ガイドパイ
プ22は、周囲の埃等によってレーザー光が悪影響を受
けることを防止している。
【0055】このような基材シート51の裁断時には、
縦ガイドパイプ22の下端部に設けられたエアー供給管
部25aからは加圧エアーが供給される。これにより、
集光レンズ23が冷却されるとともに、レーザー光が照
射されて裁断される基材シート51から発生する塵埃等
が集光レンズ23に付着することが防止される。
【0056】このように、レーザー発振器21から連続
的に発振されるレーザー光によって、X−Y方向に連続
移動するシート保持枠75に保持された基材シート51
が切断されるために、基材シート51の開口部の周縁の
切断部分は、円滑になっている。
【0057】なお、基材シート51の裁断に際して、レ
ーザー光の照射によってシートから発生する煙を吸引す
るために、適当な吸引装置の吸引口(図示せず)をレン
ズホルダー25の下方に近接して配置してもよい。
【0058】このようにして、基材シート51に開口部
が形成されると、ミシンヘッド10がスライドされて、
所定色の刺繍糸に対応する針棒31が、ミシンテーブル
61の貫通孔61aの上方に位置される。これと同時に
シート保持枠75が移動されて、その針棒31の下方
に、基材シート51に形成された開口部の周縁における
所定部分が位置される。
【0059】このような状態になると、制御部70は、
刺繍用ROM71に記憶された制御内容に基づく制御を
実施する。この場合、制御部70は、レーザー発振器2
1を停止させた状態で、針棒昇降駆動装置73によって
針棒31を昇降駆動させるとともに、シート保持枠75
を、レーザー光によって形成された基材シート51の開
口部の周縁部とその開口部内のバックシート52との間
にわたって刺繍が形成されるように、X−Y方向に直線
的に移動させる。シート保持枠75は針棒31の昇降に
同期して間欠的に移動され、針棒31が上昇している間
にシート保持枠75がX−Y方向へと直線移動され、針
棒31が下降する間はシート保持枠75の移動は停止さ
れる。これにより、基材シート51の開口部の全周にわ
たって、所定の刺繍糸により、開口部内のバックシート
52と基材シート51の周縁部との間に刺繍が形成され
る。
【0060】このとき、針棒31に対するシート保持枠
75のX−Y方向への間欠移動は、基材シート51をレ
ーザー光によって切断する際のシート保持枠75のX−
Y方向への連続移動に基づいて設定されるために、針棒
31は、基材シート51の開口部に沿って正確に移動す
る。基材シート51に形成された開口部内にはバックシ
ート52が保持されているために、基材シート51と開
口部内のバックシート52との間にわたって刺繍糸が絡
まった状態になり、開口部の周縁部にも確実に刺繍が形
成される。
【0061】このようにして、基材シート51に設けら
れた開口部の周縁部に沿って刺繍が形成されると、基材
シート51の下側に重ねられたバックシート52が取り
除かれる。これにより、基材シート51の中空になった
開口部の周縁部に刺繍が形成される。
【0062】基材シート51とバックシート52とを縫
い合わせるために使用した糸は、基材シート51におけ
る開口部の周縁部に形成された刺繍糸の下に隠れた状態
になり、外部から目視されるおそれがほどんどなく、外
観的には問題がない。しかし、開口部の周縁部に形成さ
れる刺繍が、基材シート51とバックシート52とを縫
い合わせるために使用された糸と同色であれば、縫い合
わせに使用された糸は、より確実に目視されなくなり好
ましい。
【0063】本実施例のレーザーカッター付きミシンで
は、基材シートに形成される開口部に、スカラップ模様
の複雑な刺繍も容易に形成できる。基材シートとして
は、布地に限らず、皮革、合成皮革等の縫製できるもの
であれば、どのようなものであってもよい。
【0064】また、上述した実施例では、複数の針棒を
有する刺繍機について説明したが、本発明は、例えば、
針棒が1本の縫製用ミシンにも適用できる。針棒が1本
のレーザーカッター付き縫製用ミシンでは、例えば、次
のように使用される。まず、2枚の布地を重ねた状態で
シート保持枠に固定してミシンテーブル上にセットし、
次に、両者を、所定形状の縫い目が形成されるように縫
い合わせる。その後に、その縫い目に沿って、上側の布
地のみをレーザー光によって切断する。これにより、布
地上に、所定の形状の布地が縫い付けられた縫製加工物
が得られる。
【0065】なお、上記実施例では、レーザーカッター
付きミシンによって、基材シートの開口部の周縁部とバ
ックシートとの間にわたる刺繍方法、布地の縫製方法に
ついて説明したが、本発明のレーザーカッター付きミシ
ンは、布地、皮革等の基材シートを単に切断することも
でき、また、皮革、厚手の布地のような基材シートの場
合には、レーザー光の出力を調整することにより、基材
シートを切断することなく、その表面にレーザー光の焦
げ目によって、模様、文字等を形成することも可能であ
る。このように、レーザー光の焦げ目によって、模様、
文字等を形成する場合にも、シート保持枠75がX−Y
方向に連続的に移動し、その連続移動にともなって、レ
ーザー発振器21からはレーザー光が連続的に発振され
るために、複雑な形状の模様、文字等も、滑らかな曲線
によって華麗に形成することができる。また、適当な面
積にわたって焦げ目を付ける場合にも、連続発振される
レーザー光および連続移動するシート保持枠によれば、
全体にわたって均一な濃度に仕上げることができる。
【0066】図5は、本発明のレーザーカッター付きミ
シンの他の例を示す要部の一部破断正面図、図6はその
一部破断側面図である。本実施例では、ミシンヘッド1
0のスライドケース19の外側に、それぞれがレーザー
光を案内する一対の縦ガイドパイプ91および92が設
けられている。各縦ガイドパイプ91および92の上端
部は、各上側支持ブロック93によって、スライドケー
ス19の上部にそれぞれ支持されている。一方の縦ガイ
ドパイプ91の中程および他方の縦ガイドパイプ92の
下端部は、下側支持ブロック94によってスライドケー
ス19の中程にそれぞれ支持されている。
【0067】各縦ガイドパイプ91および92の上端部
を支持する各上側支持ブロック93には、前記実施例と
同様に、レーザー発振器から発信されるレーザー光を水
平に案内する一対の横ガイドパイプ95がそれぞれ水平
状態で支持されている。そして、各上側支持ブロック9
3には、各横ガイドパイプ95から縦ガイドパイプ91
および92にレーザー光を案内する各反射ミラー97が
それぞれ取り付けられている。
【0068】下側支持ブロック94にて中程を支持され
た縦ガイドパイプ91の下端部は、ミシンテーブル(図
示ぜす)に近接しており、その下端部にレンズホルダー
81が取り付けられている。このレンズホルダー81に
は、焦点距離が例えば50mmと比較的短い集光レンズ
82が水平状態で保持されている。集光レンズ82の下
方には、レンズホルダー81に鉛直状態で支持されたフ
ード83が設けられている。
【0069】他方の縦ガイドパイプ92の下端部は、下
側支持ブロック94に支持されており、この下側支持ブ
ロック94には、ガイドパイプ92に連結されたレンズ
ホルダー84が支持されている。このレンズホルダー8
4には、前記レンズホルダー81にて保持された集光レ
ンズ82よりも焦点距離が長く、例えば焦点距離が12
7mmの集光レンズ85が水平状態で保持されている。
集光レンズ85の下方には、レンズホルダー84にて支
持されたフード86が鉛直状態で支持されており、フー
ド86の下端部は、ミシンテーブルに近接した状態にな
っている。
【0070】このような構成のレーザーカッター付きミ
シンでは、比較的焦点距離が短い集光レンズ82および
比較的焦点距離が長い集光レンズ85のいずれ一方が、
選択的に、ミシンテーブル61の貫通孔61aに対向さ
れるように、スライドケースがスライドされる。そし
て、ミシンテーブル61の貫通孔61aにいずれか一方
の集光レンズ82または85が対向した状態になると、
その集光レンズ82または85に対応した縦ガイドパイ
プ91または92に対して反射ミラー97を介して対応
した横ガイドパイプ95に、レーザー発振器にて発振さ
れるレーザー光が照射される。レーザー発振器から発振
されたレーザー光は、横ガイドパイプ95内を通って、
反射ミラー97にて縦ガイドパイプ91または92内へ
と反射される。縦ガイドパイプ91または92内に反射
されたレーザー光は、集光レンズ82または85から、
シート保持枠75にて保持されているシートに照射され
る。
【0071】焦点距離が短い集光レンズ82は、レーザ
ー光を比較的小さなスポットに集束することができ、シ
ート上には高強度のレーザー光が集束される。これに対
して、焦点距離が長い集光レンズ85は、レーザー光を
若干大きなスポットに集束することができ、シート上に
は、比較的均一な強度分布でレーザー光を集束すること
ができる。従って、焦点距離が短い集光レンズ82は、
シート保持枠にて保持された厚手の基布、皮革等のシー
トを確実に所定形状に切断するような場合に使用され、
焦点距離が長い集光レンズ85は、シートの表面に一定
の面積にわたって焦げ目を付けるような場合に使用され
る。
【0072】
【発明の効果】本発明のレーザーカッター付きミシン
は、このように、制御部によって切り換えることによっ
て、縫製および刺繍する場合には、シート保持枠を間欠
的に移動させ、レーザー光によって切断する場合には、
シート保持枠を連続的に移動させつつ、レーザー光を連
続的に発振させるようになっているために、シート保持
枠に保持されたシートを、正確に、かつ切断面が円滑な
連続状態となるように切断することができる。また、上
下に重ねられたシートにおける上側のシートのみを、正
確に、かつ確実に切断することもできる。さらに、シー
ト表面にレーザー光によって所定形状に焦げ目を付ける
ことも可能であり、焦げ目によって複雑な形状の模様等
も容易に形成できる。
【0073】また、本発明の刺繍方法では、シートの側
縁部から延出した状態の透かし模様等の刺繍を、効率よ
く、しかも、精密に形成することができる。
【0074】そして、本発明の刺繍方法は、本発明のレ
ーザーカッター付きミシンによって容易に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザーカッター付き刺繍機の一例を
示す要部の側面図である。
【図2】その刺繍機に設けられたミシンヘッドの正面図
である。
【図3】そのミシンヘッドに設けられたガイドパイプの
下端部に連結されたレンズホルダーおよび連結部材の断
面図である。
【図4】本発明のレーザーカッター付き刺繍機の制御系
のブロック図である。
【図5】本発明のレーザーカッター付き刺繍幾の他の実
施例の要部の一部破断正面図である。
【図6】そのレーザーカッター付き刺繍機の他の実施例
の要部の正面図である。
【符号の説明】
10 ミシンヘッド 11 支持フレーム 12 中央フレーム 13 下部フレーム 21 レーザー発振器 22 縦ガイドパイプ 23 集光レンズ 24 連結部材 25 レンズホルダー 26 反射ミラー 28 横ガイドパイプ 31 針棒 33 針棒抱き 37 縫い針 51 シート 52 バックシート 61 ミシンテーブル 61a 貫通孔 70 制御部 75 シート保持枠 82 集光レンズ 85 集光レンズ 91 縦ガイドパイプ 92 縦ガイドパイプ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシンヘッドに針棒が昇降可能に取り付
    けられており、この針棒がミシンテーブル上の所定位置
    にて昇降駆動されるとともに、シートを保持するシート
    保持枠が、前記針棒の昇降に同期してミシンテーブル上
    をX−Y方向へ移動されるミシンであって、 ミシンテーブル上のシートを裁断し得るレーザー光を発
    振するレーザー発振器と、 このレーザー発振器によって発振されるレーザー光をミ
    シンテーブル上のシートに集束するように案内する光学
    系と、 前記レーザー発振器の発振を停止させた状態で、前記針
    棒を昇降駆動させるとともにその針棒の昇降駆動に同期
    して前記シート保持枠を間欠的に移動させる制御と、前
    記針棒の昇降駆動を停止させた状態で、前記シート保持
    枠を連続的に移動させるとともに前記レーザー発振器か
    らレーザー光を連続的に発振させる制御とを、選択的に
    実施する制御部と、 を有することを特徴とするレーザーカッター付きミシ
    ン。
  2. 【請求項2】 前記制御部は、シート保持枠を、直線の
    集合によって構成される軌跡を描くように移動させる構
    成になっており、連続的に移動される際の軌跡を構成す
    る直線が、間欠的に移動される際の軌跡を構成する直線
    よりも短く設定されている請求項1に記載のレーザーカ
    ッター付きミシン。
  3. 【請求項3】 前記レーザー発振器は、シート保持枠に
    て上下に重ねられた状態で保持された複数のシートの少
    なくとも1枚のシートだけを切断し得る出力に、発振す
    るレーザー光を調整できる請求項1に記載のレーザーカ
    ッター付きミシン。
  4. 【請求項4】 前記光学系は、異なる焦点距離を有する
    複数の集光レンズを有しており、前記レーザー発振器か
    ら発振されたレーザー光がいずれかの集光レンズに選択
    的に案内される請求項1に記載のレーザーカッター付き
    ミシン。
  5. 【請求項5】 複数のシートが上下に重ねられており、
    上側の少なくとも1枚のシートを所定出力のレーザー光
    によって裁断する工程と、 最上側のシートのレーザー光によって裁断された側縁部
    と裁断されていない下側のシートとの間にわたって刺繍
    を形成する工程と、 裁断されていない下側のシートをレーザー光によって裁
    断されたシートから取り除く工程と、 を包含することを特徴とする刺繍方法。
  6. 【請求項6】 重ねられた複数のシート同士が予め縫製
    されている請求項5に記載の刺繍方法。
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