JP2971036B2 - ゼリー食品及びその製造法 - Google Patents

ゼリー食品及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内側から外側へ向
けて放射状に組織化された、果肉状、特にパイン様の組
織及び食感を持つゼリー食品及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、果肉状の組織を持ったゼリー食品
の製造法は数多く知られている。例えば、寒天、ゼラチ
ン、カラギーナン、ローカストビーンガムなどのゲル化
剤と果汁、糖液とを混合し、加熱し、得られるゾル状物
をカップ状の容器に充填し、冷却によりゲル化させた
後、凍結、解凍することにより果肉様の組織及び食感を
有するゼリー食品を製造する方法が知られている(特開
昭 63-3768号公報、特開昭57-36950号公報、特開昭 57-
189653号公報、特公平 4-75746号公報など)。又、凍結
解凍しないですり下ろし果実風の食感を持ったゼリーを
調製する方法が種々提案されている。例えば、LMペク
チンとカルシウムイオンでゲルを形成し、これを破砕し
てすり下ろし風の食感を持ったゼリーを製造する方法
(特開平7-31387号公報)、pH4.0 以下に調整した蛋白
質と多糖類とを反応させて繊維状組織を持つゼリーの製
造法(特開平1-231857号公報)等が提案されている。こ
れらの方法は、いずれも性質の異なる二液同士の混合で
繊維状のゲル状食品を製造する方法である。これらの従
来法は、繊維状の組織を調製し、その組織の大きさを機
械的な剪断力で破壊してすり下ろし風あるいはさのう風
など種々の性質のゼリーを製造している。
【0003】又、環状果肉入り氷菓の製造法として、二
段凍結し、固化することにより、解凍速度が早くなり喫
食時に果実の香味、食感を充分満喫させることができる
氷菓の製造法(特公昭59-39100号公報)が提案されてい
る。これらの方法では撹拌条件の相違によって微妙に異
なった繊維状になるとともに、その後の製造工程(均質
化、殺菌など)で受ける剪断により一旦形成した繊維状
物の破壊の程度が異なることから一定品質の繊維状物と
することが難しい。また、繊維状物を混入したゾル状物
を充填することになるため、繊維の方向性はランダムと
なり一定の方向性を持った繊維状組織、例えばパイン様
の組織及び食感を付与することは難しい。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】前述のように、従来
の凍結解凍製法により調製されたゼリー食品は、単なる
ゼリー食品と比較した場合、果肉様食感、あるいは繊維
性を有しているが、その繊維性の方向は制御されていな
かった。繊維の方向性が制御され統一されれば、パイナ
ップル等の果肉と同様の組織となるので全体の果肉様食
感はさらに高まることになる。すなわち、本発明はこの
ような繊維の方向が一定方向に制御されたパイン様の組
織及び食感を有するゼリー食品ならびにその製造法を提
供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな状況に鑑みパイン様の組織及び食感を有するゼリー
食品を提供すべく鋭意研究を行った。その結果、ジェラ
ンガムとその他必要に応じてカラギーナン、キサンタン
ガム、グルコマンナン、ローカストビーンガム等のゲル
化剤を配合し、加熱して混合ゾル状物を形成し、この混
合ゾル状物を冷却してゲル化し、これを凍結方向を制御
して緩慢凍結を行い、解凍することによってパイン様の
組織及び食感を有するゼリー食品が得られることを見い
だして本発明をなすに至った。
【0006】すなわち、本発明は、ジェランガムを 0.1
〜1.0 重量%含有し、内側から外側に向けて放射状に組
織化されてなるパイン様の組織及び食感を有するゼリー
食品に関する。また、本発明は、ジェランガム、さらに
必要に応じてカラギーナン、キサンタンガム、グルコマ
ンナン、ローカストビーンガム等のゲル化剤を配合し、
加熱して混合ゾル状物を形成し、この混合ゾル状物を冷
却してゲル化し、これを凍結方向を制御して緩慢凍結を
行い、解凍することよりなるパイン様の組織及び食感を
有するゼリー食品の製造法である。
【0007】本発明におけるジェランガムはゲル化剤と
して用いられる。ゼリー食品中の使用量はジェランガム
0.1〜1.0 重量%が好ましい。また、カラギーナン、キ
サンタンガム、グルコマンナン、ローカストビーンガム
等を使用するときは、これらのゲル化剤を1種またはそ
れ以上使用し、ゼリー食品中 0.1〜0.5 重量%を配合す
ることが好ましい。また、ジェランガム以外のこれらの
ゲル化剤の総量は0.4〜1.0 重量%配合することが好ま
しい。本発明では通常は、ジェランガムに糖類及び果汁
を配合して用いられる。また、本発明における凍結方向
の制御は、一定方向のみから凍結を行なうことができる
ようにして制御を行なうとよい。このような一定方向の
みから凍結を行なう手段としては、前記混合ゾル状物
を、熱伝導率の高い性質よりなる材料を外側にし、熱伝
導率の低い材料を内側になるようにして形成した二重容
器の外側と内側との間に充填し、この二重容器の上面及
び下面の伝熱を抑えて凍結を行なう手段が好ましい。ま
た、図3に示すような形状の中空二重容器に混合ゾル状
物を充填し、中空二重容器の上面及び下面の伝熱を抑え
て凍結を行なってもよい。
【0008】従来の果肉状の組織や食感は、均一なゲル
の網目構造が凍結時に発生する氷晶の成長により破壊さ
れ、網目構造が疎密状態となって果肉状構造が発現す
る。特にジェランガム主体のゲルを用いた場合には粒状
感を持ったゲルを調製することができ、これが洋梨、す
りおろしたリンゴ様の食感を持ち、配合を工夫すること
によってみかん、オレンジ、グレープフルーツ等のさの
うのような種々の果肉状の組織とすることができる。本
発明では、このジェランガム主体のゲルの凍結方向を制
御し、ゲルを破壊する方向を一定方向に統一させること
によって繊維性をさらに高めることができ、パイン様の
組織と食感を持ったゼリー食品とすることができる。ま
た、本発明のゼリー食品は、再加熱しても組織や食感が
維持される。通常、食品に使用されている寒天、ゼラチ
ン、カラギーナン等で調製したゼリーは加熱するとゾル
(液状)に戻るという性質があるが、本発明のゼリー食
品は耐熱性を有しパイン様の組織が維持される。
【0009】本発明においては、まず、糖類、果汁、ジ
ェランガムあるいはこれにさらに、カラギーナン、キサ
ンタンガム、グルコマンナン、ローカストビーンガム等
のゲル化剤を配合し加熱して混合ゾル状物を調製する。
このゾル状物を冷却してゲル化し、これを凍結方向を制
御して緩慢凍結する。例えば、中空二重容器を用い、こ
の容器の上面と下面の伝熱を抑え、凍結速度を制御する
ことで凍結方法を制御する。すなわち、熱伝導率の高い
材料を外側にし、熱伝導率の低い材料を内側にした二重
容器の内側と外側との間に混合ゾル状物を入れ、冷却し
てゲル化し、この二重容器の上面と下面の伝熱を抑え
て、凍結方向を制御しつつ緩慢凍結してゲル内部に十分
に氷結晶を成長させる。そして、得られた凍結物を解凍
することによってパイン様の組織及び食感を有するゼリ
ー食品を得ることができる。このゼリー食品のパイン様
の組織及び食感を形成させるためには、ゾル状物を凍結
させる速度が重要である。また、本発明のゼリー食品は
耐熱性が付与される。
【0010】ここで緩慢凍結とは、次の式(1)で定義
した冷却速度Vの値が2cm/hr以下で凍結を行うことを意
味する。 V=H/Z (1) V:凍結速度(cm/hr) H:H(cm)=(外側容器の円筒の半径) − (内側中空部
円筒の半径) Z:凍結時間(hr) (二重容器の内側中空部の内筒に接す
る面で容器の中心部の温度が0℃から−5℃に滞在する
時間) 本発明においてはV値が2cm/hrを越える場合、氷晶の発
達が十分でないため目的とする組織の形成を起こしにく
い。V値が2cm/hr以下の条件で凍結方向を制御した上で
成形した二重容器の凍結ゼリーを解凍させると本発明の
パイン様の組織及び食感を持ったゼリー食品を得ること
ができる。
【0011】本発明で用いられるゲル化剤はジェランガ
ムのみで十分であるが、食感を変化させるためにカラギ
ーナン、キサンタンガム、グルコマンナン、ローカスト
ビーンガムの様な各種のゲル化剤を配合することも可能
である。
【0012】本発明ではパイン様の組織及び食感を付与
するために、凍結を行う容器の熱伝導率に差をつける方
法を採った。すなわちゾル状物の入った容器のうち一面
のみを熱伝導率のよい材料を使用することによって、主
にこの面からのみ凍結が進行する。
【0013】また、二重容器に充填した場合、満量充填
でない限りシール蓋とゾル状物の間の空隙には空気が存
在するため、この空隙部は熱伝導率が低いとみなして差
し支えない。従って、本発明において外側の熱伝導率の
高い材料と内側の熱伝導率の低い材質の材料とは、二重
容器に空隙がある限り同一の材料であってもよい。しか
し、通常は、外側の熱伝導率の高い材料としてステンレ
ス、鉄、銅などの金属等が用いられ、内側の熱伝導率の
低い材料として塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂等が用い
られる。また、二重容器の上面及び下面は、アルミ箔、
多層アルミ箔、プラスチック樹脂等通常の包装材で蓋を
形成し、その上面又は下面の伝熱を抑えるには、この両
面を発泡スチロール、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレ
タン等で蓋をすることによって行なうことができる。
【0014】ゲル化剤濃度はジェランガムを 0.1〜1.0
重量%、好ましくは0.15〜0.80重量%、カラギーナン、
キサンタンガム、グルコマンナン、ローカストビーンガ
ムなどのその他のゲル化剤は少なくともその1種を 0.1
〜0.5 重量%、好ましくは 0.1〜0.35重量%を用い、か
つジェランガム以外のゲル化剤の総量は 0.4〜1.0 重量
%、好ましくは 0.4〜0.7 重量%とすることが望まし
い。
【0015】本発明における果汁としては、パイナップ
ル、リンゴ、モモ等の果実の天然あるいは人工果汁を用
いることができる。糖類としては各種の液糖及び固形糖
を用いることができる。これらの糖類としては、例えば
ブドウ糖、果糖、蔗糖、乳糖、麦芽糖等を用いることが
できる。また液糖には、濃厚な砂糖(蔗糖)溶液、転化
糖溶液、砂糖と転化糖との混合濃厚液、ブドウ糖を添加
した濃厚砂糖溶液あるいはブドウ糖と果糖とを添加した
濃厚砂糖溶液等を用いることができる。さらにクエン
酸、リンゴ酸、酒石酸等の酸味料、調味料、着色料、フ
レーバー等を適宜加えてもよい。またジェランガムのゲ
ル化のために各種の塩類、例えば乳酸カルシウム、グル
コン酸カルシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム等
を加えてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例及び比較例
により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0017】
【実施例1】図1に示されるように、内筒に塩化ビニル
樹脂製のパイプ(外径37mm、高さ350mm)、外筒にステン
レス製のパイプ(内径97mm、高さ 295mm) 、上底、下底
はステンレス製のふたを用いて二重円筒を作成した。ま
た発泡スチロール製のふた(厚さ20mm) を上底、下底の
内側に設置して上底、下底からの伝熱を抑えた。尚、熱
伝導率はステンレス16.3W/m ・ K(20℃) 、塩化ビニール
樹脂0.17W/m ・K(20℃) である(熱計算ハンドブック、
日本能率協会、1988年12月1日発行)
【0018】表1に示したミックスの配合でゼリーを調
製した。水にパイナップル果汁、異性化糖、ジェランガ
ムを分散溶解してから約90℃まで湯煎で加熱した。加熱
して得られたゾルを70℃に冷却した時点で、乳酸カルシ
ウム、クエン酸、及び香料を添加してよく撹拌してゼリ
ー液とした。このゼリー液を図1に示す容器のゾル充填
部に1200g 充填し、85℃、30分間加熱殺菌し、冷却して
ゲル化させ、その後−20℃の冷凍庫でV=0.7375で凍結
した。これを容器からとり出し約1cmの厚さに輪切りに
し解凍した。得られたパイン状物の外観を図2に示す。
図に示されるように、見た目にパイン同様の組織が得ら
れた。また実際に試食したところ外側から内側方向への
繊維性が感じられ、パイン組織と似た新規な食感を持っ
たゼリー食品が得られた。
【0019】
【表1】 ミックスの配合 重量(%) ジェランガム 0.7 異性化糖 20.0 乳酸カルシウム 0.3 クエン酸 0.4 パイナップル果汁 30.0 香料 0.1水 48.5 計 100.0
【0020】
【比較例1】内筒を塩化ビニル製パイプからステンレス
製パイプ(外径37mm、高さ 350mm)に交換して実施例1
と同様にしてゼリー食品を製造した。得られたゼリー食
品は、内筒近傍に氷結晶が成長しておらず、固くもろい
ジェランガム独特の物性のあるものとなった。これは内
筒近傍の冷却速度が速すぎたためと考えらる。比較例1
より、パイン様の組織及び食感を有するゼリー食品を得
るには、内筒の熱伝導率は外筒にくらべてはるかに小さ
い方が好ましいことがわかった。
【0021】
【比較例2】図1と同様の凍結容器で実施例1と同時に
内筒に塩化ビニル樹脂製パイプ、外筒にステンレス製パ
イプを用い、表2に示されるゼリー液の配合を用い、実
施例1と同様にゼリー液を調製した。これを実施例1と
同じ条件で緩慢凍結し解凍を行った。このゲル化剤配合
の場合だと凍結方向を制御してもパイン様の組織構造と
ならなかった。すなわち、パイン様の組織の生成はジェ
ランガムをゲル化剤として配合することによって得られ
ることがわかった。比較例2の組織の状態を図5 に示
す。
【0022】
【表2】 ミックスの配合 重量(%) カラギーナン 0.3 ローカストビーンガム 0.4 異性化糖 20.0 クエン酸 0.4 パイナップル果汁 30.0 香 料 0.1水 48.8 計 100.0
【0023】
【実施例2】図3に示されるような容器(底部内径80m
m、高さ60mm)中心部に中空ポリプロピレンのプラスチ
ック製円筒(外径17mm、高さ60mm)を設置し、さらに下
底からの伝熱を防ぐため下底は上げ底の容器で、蓋には
アルミ箔又は塩化ビニル樹脂の蓋をし、中空二重円筒容
器を作製した。これに実施例1と同様に調製したゼリー
液(配合は表1)を 150g充填し、シールした後このゼ
リー液を冷却してゲル化し、その後−20℃の冷凍庫で凍
結を行った。解凍し試食したところ外筒から内筒への繊
維性が感じられ、パイン様の組織及び食感のものが得ら
れた。
【0024】
【比較例3】実施例2の内筒を除去して実施例2と同様
に凍結解凍を行ったところ、外筒から中心に向けて繊維
状構造が生じていたものの、中心付近では各方向からの
繊維状組織が集まったため、組織不明瞭となった。比較
例3より、パイン様の組織及び食感を有するゼリー食品
を得るには、内筒を設置する必要があることがわかっ
た。
【0025】
【実施例3】表3に示すミックスの配合により、実施例
1と同様にゼリー液を調製し、図1に示す容器に充填
し、85℃で30分間加熱殺菌し、このゼリー液を冷却して
ゲル化し、その後−20℃の冷凍庫で凍結し(V=0.65
5)、室温で解凍した。これを約1cmの厚さに輪切りにし
解凍したものは、外筒から内筒方向への繊維が形成さ
れ、パイン組織と似た組織を有し、パイン様の新規な食
感を持ったゼリー食品が得られた。
【0026】
【表3】 ミックスの配合 重量(%) ジェランガム 0.5 カラギーナン 0.1 グルコマンナン 0.1 異性化糖 20.0 乳酸カルシウム 0.3 クエン酸 0.4 パイナップル果汁 30.0 香料 0.1水 48.5 計 100.0
【0027】
【実施例4】表1に示す配合により、実施例1と同様に
ゼリー液を調製し、図1に示す容器に充填し、85℃で30
分間加熱殺菌し、冷却してゲル化させその後−40℃の冷
凍庫で凍結し(V=1.18)、室温で解凍した。これを約
1cmの厚さに輪切りにし解凍したものはパイン組織と似
た組織をもち、パインと同様の新規な食感を持ったゼリ
ー食品が得られた。
【0028】
【実施例5】 (1) 表1に示す配合により、実施例1と同様にゼリー液
を調製した。すなわち、まず水に、果汁、異性化糖及び
ジェランガムを分散溶解し、約90℃まで温煎で加熱し
た。加熱して得られたゾルを70℃に冷却した時点で、乳
酸カルシウム及びクエン酸を添加してよく攪拌してゼリ
ー液とした。このゼリー液を図1に示す容器のゾル状物
充填部に、1200g 充填し、85℃で30分間加熱殺菌し、冷
却してゲル化させその後−20℃の冷凍庫で凍結した(V
=0.6887cm/h) 。この凍結物を解凍し解凍物を輪切りに
してパイン様の組織を有するゼリー食品を得た。 (2) また、−20℃に代えて−40℃の冷凍庫で凍結した
(V=1.017cm/h)。このようにして得られたゼリー食
品の風味についてパネラー10人により官能検査を行なっ
た結果を表4に示した。表に示したように−20℃で(凍
結速度0.6887cm/h) で凍結したときに、組織食感ともに
パインに酷似したものとなった。また、−40℃ (凍結速
度1.017cm/h)で凍結したときは部分的にパイン様の組織
に形成されるものとなった。図4は、−20℃で凍結した
ものである。
【0029】
【表4】
【0030】
【発明の効果】本発明は、ジェランガムさらに必要に応
じてカラギーナン、キサンタンガム、グルコマンナン、
ローカストビーンガム等のゲル化剤を配合し、加熱して
混合ゾル状物を形成し、この混合ゾル状物を冷却してゲ
ル化し、これを一定方向のみからの緩慢凍結を行いその
後解凍することによってパイン様の組織及び食感を有す
る新規なゼリー食品を得ることができる。本発明のゼリ
ー食品はジューシー感があって、のどごしの良い食感を
有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いる凍結容器の斜視透視図。
【符号の説明】
1 内筒 2 外筒 3 上底及び下底の蓋体 4 断熱性蓋体 5 混合ゾル状物充填部
【図2】実施例1で得られたパイン様の組織及び食感を
有するゼリーの平面図。
【図3】実施例2で用いる凍結容器の斜視透視図。
【符号の説明】
1 内筒 2 外筒 3 上底及び下底の蓋体 4 上げ底部 5 混合ゾル状物充填部 6 ゼリー 7 空気層
【図4】実施例5で得られたゼリー様組織の平面を示す
写真。
【図5】比較例2で得られたゼリー様組織の平面を示す
写真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−89185(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/05 - 1/09

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジェランガムを 0.1〜1.0 重量%含有
    し、内側から外側へ向けて放射状に組織化されてパイン
    様の組織及び食感を有するゼリー食品。
  2. 【請求項2】 ジェランガム 0.1〜1.0 重量%を配合し
    加熱して混合ゾル状物を形成し、この混合ゾル状物を冷
    却してゲル化し、これを凍結方向を制御して緩慢凍結
    し、その後解凍することを特徴とするパイン様の組織及
    び食感を有するゼリー食品の製造法。
  3. 【請求項3】 混合ゾル状物が、ジェランガム 0.1〜1.
    0 重量%とカラギーナン、キサンタンガム、グルコマン
    ナン及びローカストビーンガムよりなる群から選択され
    る少なくとも1種のゲル化剤とを配合し、加熱して形成
    されたものである請求項2記載のパイン様の組織及び食
    感を有するゼリー食品の製造法。
  4. 【請求項4】 凍結方向の制御を、混合ゾル状物を、中
    空二重容器に充填し、この中空二重容器の上面及び下面
    の伝熱を抑えて緩慢凍結を行なうことを特徴とする請求
    項2または3記載のパイン様の組織及び食感を有するゼ
    リー食品の製造法。
  5. 【請求項5】 中空二重容器が熱伝導率の高い材料を外
    側にし、熱伝導率の低い材料を内側になるようにして形
    成した二重容器である請求項4記載のパイン様の組織及
    び食感を有するゼリー食品の製造法。
  6. 【請求項6】 緩慢凍結を次の式で示される冷却速度V
    が 2cm/hr 以下で行なう請求項5記載のパイン様の組織
    及び食感を有するゼリー食品の製造法。 V=H/Z (式中、Vは凍結速度(cm/hr) 、H(cm)= (外側容器
    円筒の半径) − (内側中空部円筒の半径) 、Zは凍結時
    間(hr) (二重容器の内側中空部の内筒に接する面で容器
    の中心部の温度が0℃から−5 ℃に滞在する時間))
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