JP2967555B2 - 熱硬化性樹脂中に分散した熱可塑性ポリマーを含む熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂中に分散した熱可塑性ポリマーを含む熱硬化性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反応性熱可塑性オリゴ
マーをその中に混入した結果として破壊靱性が強化され
た、硬化可能な熱硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳
細にいえば、本発明は、フッ素を含有する熱硬化性樹脂
を含み、その熱硬化性物質に可溶なフッ素含有熱可塑性
ホモポリマー成分を少なくとも1つ含有する、組成物に
関する。上記の熱可塑性ポリマーを硬化中にその場で相
分離工程にかけると、微相分離多相熱硬化性物質が形成
される。
【0002】さらに、本発明は、フッ素、臭素またはそ
の両方を任意選択で含有する(即ち、含有しても含有し
なくてもよい)熱硬化性樹脂を含み、かつフッ素を含有
し熱硬化性物質に可溶な熱可塑性コポリマー、テルポリ
マーまたは多成分ポリマーを少なくとも1つ含有する組
成物に関する。上記の熱可塑性ポリマーを硬化中にその
場で相分離工程にかけると、ミクロ相分離多相熱硬化性
物質が形成される。
【0003】さらに、本発明は、フッ素、臭素またはそ
の両方を含有しても含有しなくてもよい熱硬化性樹脂を
含み、かつ熱硬化性樹脂に可溶な異なるハロゲンを任意
選択で含有する臭素含有熱可塑性ホモポリマーまたは多
成分ポリマー変性剤を少なくとも1つ含有する組成物に
関する。上記の熱可塑性ポリマーを硬化中にその場で相
分離工程にかけると、ミクロ相分離多相熱硬化性物質が
形成される。
【0004】本樹脂組成物を様々なタイプの補強材中に
含浸すると、制御された熱膨張係数(CTE)または低
い比誘電率あるいはその両方を有する絶縁材が得られ
る。
【0005】さらに、本発明は、高い熱安定性と制御さ
れた熱膨張率を有する熱硬化性物質および無機または金
属粒子を含む、熱または電気の伝導に有用な硬化可能物
質に関する。
【0006】さらに、本発明は電子実装構造、航空機、
航空宇宙、自動車、レクリエーション用品の製造に使用
するプリプレグ層の製作に有用な、また接着剤として有
用な硬化可能物質に関する。
【0007】さらに、本発明は、高い破壊靱性および改
善された機械的性能を有し現存の製造技術で加工処理で
きる熱硬化性物質を必要とする、電子実装の応用分野で
使用される硬化可能物質に関する。
【0008】さらに詳しく言えば、本発明は、プリント
回路板、半導体チップ・キャリヤ、金属コア・ボード、
反応射出成形(RIM)カード、マルチチップ・モジュ
ール、および多層薄膜回路構造の製作に有用な変性熱硬
化性物質に関し、上記多層薄膜回路構造は複数の伝導層
を含むものでもよく、また複数の伝導層間のスルー・ホ
ールまたはバイア・ホールまたは2層間の盲バイア・ホ
ールを含めて、電気的内部接続を組み込んだものでもよ
い。本発明は表面実装電子部品用基板として使用するの
に好適である。
【0009】加えて、本発明は、変性硬化性物質と高い
熱安定性、難燃性および制御された熱膨張係数を有する
補強材とを含む、改良された物質、およびそれから作ら
れたプリント回路板に関する。
【0010】
【従来の技術】ベースとなるハロゲン化された熱硬化性
樹脂は、低い比誘電率、優れた熱安定性、低い吸湿性、
高いガラス転移温度、および良好な融解または溶液加工
処理性など、多数の魅力的な性質を持つ。
【0011】これらの熱硬化性樹脂の上記以外の魅力的
な性質には、(希望するならば)、メチルエチルケトン
(MEK)可溶性、硬化の際に揮発性物質を形成しない
こと、傑出した接着性、光撮像性がある。
【0012】しかし、これらの熱硬化物質は、脆くて、
応力を加えた時や例えばドリル加工によるバイア形成な
どの加工中に亀裂が入りやすいため、これらを電子実装
の応用例(例えばプリプレグ、積層品、回路板)に使用
することには制限がある。この固有の脆さは、網目の架
橋密度が高く、そのために破壊靱性が不十分となるため
である。前述の熱硬化性樹脂の破壊靱性を強化するた
め、かなりの努力が払われてきたが、これらの物質を電
子実装の応用例に有用にするためには、その機械的性質
をさらに改善することが必要である。(本明細書中で
は、「破壊靱性」はプラスチック中での亀裂の伝播に必
要なエネルギーの尺度である。)
【0013】ウェーバー(Weber)等に対する米国特許
第5026789号、およびウェーバー等の論文"Highly Damag
e Tolerant Carbon Fiber Epoxy Composites for Prima
ry Aircraft Structural Applications", SAMPE Quarte
rly, 21 (1), 46-51 (1989)には、反応性ポリエーテル
スルホンを使用してエポキシ樹脂熱硬化性物質の靱性を
強化することが記載されている。上記特許に記載されて
いるエポキシ樹脂および熱可塑性物質の構造は本発明の
ものとは異なる。本発明は、MEKに可溶なまたは電子
応用例で加工可能なあるいはその両方のハロゲン化した
物質を記述する。上記の特許及び論文では、相溶性/可
溶性を高めるためにハロゲン含有化合物を混入すること
を検討していない。
【0014】ウォーレス(Walles)等の米国特許第4853
423号、第4975319号および第5096771号は、少なくとも
1つのビスフェノールポリグリシジルエーテル、少なく
とも1つのエポキシ化ノボラック、および少なくとも1
個の臭素化ビスフェノールをポリフェニレンエーテルと
組み合わせて含有する、硬化可能な組成物を記述してい
る。したがって、これらの参考文献はエポキシ樹脂と熱
可塑性物質を含有する組成物も記載している。ウォーレ
ス等の論文は、ポリフェニレンを臭素化エポキシ樹脂類
に混入することを記述している。本発明は、機械的性質
の改善のため、注意深く設計されたハロゲン化ポリアリ
ーレンエーテル熱可塑性物質を熱硬化性樹脂に混入する
ことを記述している。ウォーレス等が記述している系は
MEK処理可能ではなく、本発明で認められるような強
化された機械的性質を持たない。
【0015】ホールグレン(Hallgren)等の米国特許第
5043367号、第5073605号および第5108842号は、少なく
とも1つのビスフェノールポリグリシジルエーテル、少
なくとも1つのエポキシ化ノボラック、および少なくと
も1個の臭素化ビスフェノールをポリフェニレンエーテ
ルと組み合わせて含有する、硬化可能な組成物を記述し
ている。ホールグレン等の論文は、異なる触媒及び促進
剤を評価したことを除き、上述のウォーレス等のものに
類似している。ホールグレン等はポリフェニレンを臭素
化エポキシ樹脂に混入することを記述している。本発明
は、機械的性質の改善のため、注意深く設計されたハロ
ゲン化ポリアリーレンエーテル熱可塑性物質を熱硬化性
樹脂に混入することを記述している。ホールグレン等が
記述している系はMEK処理可能ではなく、本発明で認
められるような強化された機械的性質を持たない。
【0016】チュー(Chu)等の米国特許第4656208号、
第4822832号および欧州特許第0193082号は、エポキシ樹
脂熱硬化性物質の靱性を高めるため、アミンで終端する
ポリエーテルスルホンを使用することを記述している。
上記特許に記載されているエポキシ樹脂および熱可塑性
物質の構造は、本発明のものと異なる。本発明は、機械
的性質の改善のため、注意深く設計されたハロゲン化ポ
リアリーレンエーテル熱可塑性物質を熱硬化性樹脂に混
入することを記述している。上記特許は、相溶性/可溶
性を高めるためにハロゲン化合物を混入することを論じ
ていない。
【0017】J.E.マックグラス(McGrath)等の論文"Ch
emical Modification of Matrix Resin Networks with
Engineering Thermoplastics", Polymer Bulletin, 13,
201-208 (1985)は、エポキシ樹脂熱硬化性物質の靱性
を高めるために、水酸基で終端するポリエーテルスルホ
ンを使用することを記述している。この論文に記載され
ているエポキシ樹脂および熱可塑性物質の構造は、本発
明のものと異なる。上記論文は、単純なビスフェノール
Aのジグリシジルエーテル(DGEBA)をベースとす
るエポキシ樹脂の熱可塑性変性を記述している。本発明
は、MEKに可溶なまたは電子応用側で加工可能なある
いはその両方のハロゲン化ポリアリーレンエーテル熱可
塑性物質を記述している。上記論文は、相溶性/可溶性
を高めるためにハロゲン化合物を混入することを論じて
いない。
【0018】G.R.アルメン(Alment)等の論文"Semi-IP
N Matrix Systems for Composite Aircraft Primary St
ructures", 33rd International SAMPE Symposium, Mar
ch 7-10, 1988, pp. 979-989,は、エポキシ樹脂の靱性
を改善するため、「ポリ芳香族熱可塑性物質」を混入す
ることを扱っている。上記論文に記載されているエポキ
シ樹脂および熱可塑性物質の構造は、本発明のものと異
なる。上記論文は、相溶性/可溶性を高めるためにハロ
ゲン化合物を混入することを論じていない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上記に引用した従来技
術で開示されているように、ポリアリーレンエーテルは
機械的性質を高めるためのエポキシ樹脂の変性剤として
従来技術で繰り返し特許請求されてきた。しかし、本発
明に関して従来技術を再調査した結果、従来技術によっ
て扱われていない重要な相違点がある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の一態様は、破壊
靱性が強化され、ドリル加工性が改善された、エポキシ
樹脂、ベンゾシクロブテン、ビスマレイミド、アセチレ
ンで終端する樹脂類、プロパルギル、ビスナドイミド
類、ビスマレイミド−トリアジン−エポキシ混合物、お
よびそれらの混合物から成る群から選択した、新規な変
性フッ素含有熱硬化性物質を含む。使用に適する変性剤
は、フッ素含有熱硬化性網目と組み合わせた時に高い温
度安定性が低下しない、比較的高いガラス転移温度(T
g)(即ち、約140℃〜240℃)を有し、強靱で延
性のあるフッ素含有ポリアリーレンエーテル高機能熱可
塑性物質である。この物質は、通常の製造技術で加工す
ることができる。
【0021】本発明は、上記の群から選択したフッ素含
有熱硬化性物質の破壊靱性を改善する。本発明は、特別
に調整した熱可塑性ポリマーを熱硬化性網目に組み込む
ことを含む。
【0022】フッ素含有熱硬化性樹脂との相溶性が高
い、カスタム合成した(非市販の)熱可塑性変性剤を使
用する。ポリアリーレンエーテル熱可塑性物質の骨格に
フッ素を組み込むことにより、高度の相溶性が達成され
た。微層分離および機械的性質の改善を達成するには、
高い相溶性が不可欠である。実際、破壊靱性の強化は形
態(即ち、相分離特性)に直接関係している。
【0023】フッ素含有熱硬化性樹脂の強靱化に使用す
るフッ素含有熱可塑性変性剤はメチルエチルケトン(M
EK)に可溶である。高Tgの高機能熱可塑性物質は一
般に、多くの電子部品の製造に受け入れられない、N−
メチル−2−ピロリジノン、ジメチルアセトアミドなど
の極性非プロトン性溶媒、またはクロロホルム、塩化メ
チレンなどの塩素化溶媒のみに可溶であるので、これは
独特である。熱可塑性変性剤の骨格にフッ素を組み込む
ことにより、熱可塑性物質にMEK可溶性が導入され
る。
【0024】フッ素含有熱可塑性変性剤は本質的に難燃
性であるため、これを本質的に難燃性のフッ素含有熱硬
化性樹脂に混入することができ、難燃剤を加えずにこの
特性を維持することができる。
【0025】要約すると、本明細書に記載するフッ素含
有熱可塑性物質で変性された熱硬化性樹脂系は、特に回
路板および回路カード技術におけるマトリックス樹脂と
して使用したいという電子業界の必要に対処しようとす
るものである。本発明は、上部の群から選択したフッ素
含有熱硬化性樹脂用の、MEK処理可能な、高Tg熱可
塑性変性剤を初めて記述するものである。
【0026】本発明は、フッ素含有熱硬化性樹脂と互い
に反応して、高い熱効率、熱安定性など他の望ましい特
性を犠牲にせずに、破壊靱性、加工性およびドリル加工
性を高めることができる、フッ素含有熱可塑性ポリマー
の設計および合成手順を提供する。フッ素含有熱可塑性
ポリマーの必要条件は、最初にフッ素含有熱硬化性樹脂
融成物に可溶であること、次に網目硬化が進むにつれて
その場での相分離処理を受けることである。さらに、電
子部品の製作に通常の加工技術を使用するには、この熱
可塑性変性剤はメチルエチルケトン(MEK)に可溶で
なければならない。この熱可塑性変性剤の手法は、既存
の樹脂およびパネル製作工程を使用することができ、し
かも加工性および製品の信頼性を改善するため、物質の
機械的性質を強化できないものとなろう。
【0027】架橋反応が完了すると、最終組成物はサブ
ミクロンの規模で熱可塑性相を含むフッ素含有熱硬化性
物質を含有し、その結果破壊靱性が大幅に強化されると
考えられる。プレポリマーを使用する場合、反応は同様
に進行する。任意選択で、低Tgを有するものと高Tg
有するものなど、混和可能な異なる熱硬化性モノマーを
混入することによって、所望の破壊靱性など、高Tg
質の物理的特性を維持した、中間Tg物質が形成され
る。
【0028】本発明の範囲内で実施されるフッ素含有熱
硬化性樹脂の構造は下記の通りである。
【化29】
【0029】上式で、Xはエポキシド、マレイミド、ナ
ドイミド、プロパルギル、アセチレン、またはベンゾシ
クロブテンであり、Rはフッ素を含有する置換基の脂肪
族または芳香族部分である。
【0030】本発明による変性剤として使用されるフッ
素含有熱可塑性ホモポリマーは、下記の式(I)の反復
構造要素を有する。
【化30】
【0031】上式で、Xは、アミン、エポキシド、ナド
イミド、マレイミド、アセチレン、プロパルギル、ベン
ゾシクロブテンと反応することができる任意の基であ
り、nは1〜100である。
【0032】基R1は下記の式(IIa)〜(IIe)の二価芳
香族基を表す。
【化31】
【0033】上式で、Yは−CO−、−S−、−SO−
または−SO2−、−PO(C65)−を表し、pは数
値0、1または2を表し、qは数値2または3であり、
2は下記の式(IIIa) 〜(IIIr) の二価芳香族基を表
す。
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【0034】上式で、Qは直接結合、−CH2−、−O
−または−CO−を表し、Zは−CH2−、−C(C
32 −、−C(CH3)(C65)−、−CH(CH
3)−、−C(CF3)(C65)−、−C(CF3
2−、−S−、−O−、−PO(C65)−、−SO2
または−CO−を表し、式(IIa)〜(IIe)の芳香環
は、非置換のもの、あるいは1個以上のハロゲン原子ま
たはフッ素を含有してもよい(C1−C5)アルキル基も
しくはフッ素を含有してもよい(C1−C5)アルコキシ
基あるいはその両方で置換されたものであり、式(III
a)〜(IIIr)の芳香環は、非置換のもの、あるいは1
個以上のハロゲン原子またはフッ素を含有してもよい
(C1−C5)アルキル基もしくは(C1−C5)アルコキ
シ基あるいはその両方で置換されたものである。
【0035】そのようなアルキル基の例は、メチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、se
c−ブチルまたはtert−ブチル基である。
【0036】アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキ
シ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシま
たはtert−ブトキシ基である。
【0037】式(I)のR1は下記のものを表すと好都
合である。
【化36】
【0038】式(I)のR2は下記のものを表すことが
好ましい。
【化37】
【化38】
【化39】
【0039】上式で、芳香環は、非置換のもの、あるい
は1個以上のハロゲン原子またはフッ素を含有してもよ
い(C1−C5)アルキル基もしくはフッ素を含有しても
よい(C1−C5)アルコキシ基あるいはその両方で置換
されたものである。
【0040】フッ素含有熱可塑性ホモポリマーの特に好
ましい成分においては、R1は式55の基を表し、R2
式56の基を表すことが好ましい。
【化40】
【化41】
【0041】熱可塑性ホモポリマーの置換基のフッ素含
有部分は、フッ素含有熱硬化性樹脂における相溶性およ
び初期(硬化前)可溶性を提供し、熱可塑性変性剤にM
EK可溶性を付与する。
【0042】上述の通り、網目形成に使用される反応に
おいて、フッ素含有熱硬化性樹脂は最初、フッ素含有熱
可塑性変性剤の溶媒として働く。
【0043】フッ素含有熱硬化性樹脂が高度に分岐し架
橋するにつれて、熱可塑性ホモポリマー鎖は、反応が実
質的に完了まで進行する間に、熱力学の原理によって導
かれる領域を形成しはじめる。
【0044】反応の終わりに、これらの領域は、高度に
架橋したフッ素含有熱硬化性樹脂網目のマトリックスに
囲まれた、熱可塑性ホモポリマーに富む、顕微鏡サイズ
(オングストロームないしミクロン)の相に成長した。
【0045】上述の系に導入された有用な特徴には、下
記のものが含まれる。
【0046】1.使用されるフッ素含有熱可塑性ホモポ
リマーは最初、樹脂の融点より約20℃高い温度で、フ
ッ素含有熱硬化性樹脂に可溶である。このフッ素含有熱
可塑性物質は網目形成中にその場での相分離処理を受
け、微相分離多相網目を形成する。これらの基準を達成
するため、相溶性を最大にしようとする意図で、フッ素
含有熱可塑性ホモポリマーの骨格構造が選択され設計さ
れる。
【0047】2.フッ素含有熱可塑性ホモポリマーはメ
チルエチルケトンに可溶であるため、産業環境の要件に
適合する系になる。このことは、本物質がプリント回路
板の製作に現在使用されている既存の技術で処理できる
ために不可欠である。一般に、この種の高Tgフッ素含
有熱可塑性物質は、環境上受け入れられない極性非プロ
トン性溶媒または塩素化溶媒のみに可溶である。
【0048】3.熱可塑性ホモポリマー変性剤の末端へ
の反応性官能基の導入は、特に有益である。これによ
り、フッ素含有熱可塑性物質を網目構造に化学的に組み
込む(共有結合)ことが可能になる。この化学的組み込
みにより、変性剤の相溶性が高まり、その結果さらに均
一な形態が生じる。またこれによって、硬化した網目の
耐溶媒性が維持されることも保証される。
【0049】4.フッ素含有熱可塑性ホモポリマー変性
剤の分子量制御が可能になる。変性フッ素含有熱硬化性
樹脂の可溶性、形態、弾性、および破壊靱性は、フッ素
含有熱可塑性変性剤の分子量の関数である。一般に、最
適の分子量は5,000〜21,000g/モルの範囲
である。この分子量の範囲は、これらのポリマーが絡ま
るための臨界分子量より僅かに上である。融成物の加工
性が望まれる場合、融成物の粘度を低下させるため、こ
れより低い分子量(2,500〜13,000g/モ
ル)が必要となることがある。
【0050】5.フッ素含有熱硬化性樹脂中のフッ素含
有熱可塑性ホモポリマー変性剤の最適組成は5〜40重
量/重量パーセントの範囲である。破壊靱性、形態、弾
性、比誘電率など、その結果生じる特性は全て、フッ素
含有熱可塑性変性剤の化学的性質の関数であり、変性剤
はこの場合、熱硬化性物質の望ましい特性を犠牲にせず
に機械的性能を改善するように設計されている。
【0051】6.熱可塑性ホモポリマー変性剤の骨格構
造は、その比誘電率を低下するように調整されている。
これは、ポリマーの骨格に置換基のフッ素含有部分を組
み込むことによって達成される。
【0052】本発明のもう1つの態様は、破壊靱性が強
化され、操作およびドリル加工性が改善された、エポキ
シ樹脂、ベンゾシクロブテン、ビスマレイミド、アセチ
レンで終端する樹脂類、プロパルギル、ビスナドイミド
類、ビスマレイミド−トリアジン−エポキシ混合物、シ
アネート樹脂類およびそれらの混合物から成る群から選
択した、新規な変性された熱硬化性物質を含む。使用に
適する変性剤は、熱硬化性網目と組み合わせた時に高い
熱安定性を低下しない、比較的高いガラス転移温度(T
g)(即ち、約140〜240℃)を有し、強靱で延性
のある多成分フッ素含有ポリアリーレンエーテル高機能
熱可塑性物質である。この物質は、通常の製造技術で加
工することができる。
【0053】本発明は、上記の群から選択したフッ素を
任意選択で含有する熱硬化性物質の破壊靱性を改善す
る。本発明は、特別に調整したフッ素含有熱可塑性多成
分ポリマーを熱硬化性網目に組み込むことを含む。
【0054】熱硬化性樹脂との相溶性が高い、カスタム
合成した(非市販の)フッ素含有熱可塑性変性剤を使用
する。フッ素含有ポリアリーレンエーテル熱可塑性物質
の適切な多成分ポリマー構造を使用することにより、高
度の相溶性が達成された。本明細書では、「多成分ポリ
マー」という表現は、2個、3個、4個またはそれより
多い反復単位を含む、本発明に従って使用される熱可塑
性変性剤ポリマーを指す。微層分離および機械的性質の
改善を達成するためには、高い相溶性が不可欠である。
実際、破壊靱性の強化は形態(即ち、相分離性)に直接
関係している。
【0055】熱硬化性樹脂の強靱化に使用される多成分
熱可塑性変性剤はメチルエチルケトン(MEK)に可溶
である。高Tg高機能熱可塑性物質は一般に、多くの電
子製品の製造で受け入れられないN−メチル−2−ピロ
リジノン、ジメチルアセトアミドなどの極性非プロトン
性溶媒、またはクロロホルム、塩化メチレンなどの塩素
化溶媒のみに可溶であるので、これは独特である。熱可
塑性変性剤の骨格にフッ素を組み込むことにより、熱可
塑性物質にMEK可溶性が導入される。
【0056】要約すると、特に本明細書に記述する多成
分熱可塑性物質で変性された熱硬化性樹脂系は特に、回
路板および回路カード技術におけるマトリックス樹脂と
して使用したいという電子業界の必要に対処しようとす
るものである。本発明は、上記の群から選択した熱硬化
性樹脂用の、MEK処理可能な、高Tg熱可塑性変性剤
を初めて記述するものである。
【0057】本発明は、フッ素を任意選択で含有する熱
硬化性樹脂と互いに反応して、高い熱効率、熱安定性な
ど他の望ましい特性を犠牲にせずに、破壊靱性、加工性
およびドリル加工性を高めることができる、フッ素含有
熱可塑性多成分ポリマーの設計および合成手順を提供す
る。フッ素含有熱可塑性多成分ポリマーの必要条件は、
最初に熱硬化性樹脂融成物に可溶であり、次に網目硬化
が進むにつれてその場での相分離処理を受けることであ
る。さらに、電子部品の製作に従来の加工技術を使用す
るには、この多成分フッ素含有熱可塑性変性剤はメチル
エチルケトン(MEK)に可溶でなければならない。こ
の熱可塑性変性剤の手法は、既存の樹脂の使用およびパ
ネル製作工程を使用することができ、しかも加工性およ
び製品の信頼性を改善するため、物質の機械的性質を改
善できるものとなろう。
【0058】架橋反応が完了すると、最終組成物はサブ
ミクロン規模で不連続な熱可塑性相を含む熱硬化性物質
マトリックスを含有し、その結果破壊靱性が大幅に強化
されると考えられる。プレポリマーを使用する場合、反
応は同様に進行する。任意選択で、低Tgを有するもの
と高Tgを有するものなど、混和可能な異なる熱硬化性
モノマーを混入することによって、所望の破壊靱性な
ど、高Tg物質の物理的特性を維持した、中間Tg物質が
形成される。
【0059】本発明の範囲内で実施される熱硬化性樹脂
の構造は下記の通りである。
【化42】
【0060】上式で、Xはエポキシド、マレイミド、ナ
ドイミド、プロパルギルアセチレン、またはベンゾシク
ロブテンであり、Rは任意選択でフッ素を含有してもよ
い置換基の脂肪族または芳香族部分である。
【0061】本発明による変性剤として使用される多成
分フッ素含有熱可塑性変性剤は、下記の式(IV)の反復
構造要素を1〜99モル%と、下記の式(V)の反復構造
要素を99〜1モル%と、下記の式(VI)の反復構造要
素を99〜0モル%とを含有する。
【化43】
【化44】
【化45】
【0062】上式で、Xはアミン、エポキシド、ナドイ
ミド、マレイミド、アセチレン、プロパルギル、ベンゾ
シクロブテンと反応することができる任意の基であり、
nは1〜100であり、R1は下記の式(VIIa) 〜(VII
e) の二価芳香族基を表す。
【化46】
【0063】上式で、Yは−CO−、−PO(C65
−、−S−、−SO−または−SO2−を表し、pは数
値0、1または2を表し、qは数値2または3であり、
2、R3、およびR4は下記の式(VIIIa)〜(VIIIr)の
二価芳香族基を表す。
【化47】
【化48】
【化49】
【化50】
【0064】上式で、Qは直接結合、−CH2−、−O
−または−CO−を表し、Zは−CH2−、−C(C
3)(C65)−、−C(CF32−、−C(CH3
2 −、−C(CF3)(C65)−、−PO(C65
−、−S−、−O−、−SO2−または−CO−を表
し、式(VIIa)〜(VIIe)の芳香環は、非置換のもの、
あるいは1個以上のハロゲン原子またはフッ素を含有し
てもよい(C1−C5)アルキル基もしくはフッ素を含有
してもよい(C1−C5)アルコキシ基あるいはその両方
で置換されたものであり、式(VIIIa )〜(VIIIr )の
芳香環は、非置換のもの、あるいは1個以上のハロゲン
原子またはフッ素を含有してもよい(C1−C5)アルキ
ル基もしくは(C1−C5)アルコキシ基あるいはその両
方で置換されたものである。
【0065】そのようなアルキル基の例は、メチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、se
c−ブチルまたはtert−ブチル基である。
【0066】そのようなアルコキシ基の例は、メトキ
シ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−
ブトキシまたはtert−ブトキシ基である。
【0067】式(IV)、(V )及び(VI)のR1は下記の
ものを表すと好都合である。
【化51】
【0068】式(IV)、(V )及び(VII)のR2、R3
4は下記のものを表すことが好ましい。
【化52】
【化53】
【化54】
【0069】上式で、芳香環は、非置換のもの、あるい
は1個以上のハロゲン原子またはフッ素を含有してもよ
い(C1−C5)アルキル基もしくはフッ素を含有しても
よい(C1−C5)アルコキシ基あるいはその両方で置換
されたものである。
【0070】フッ素含有熱可塑性多成分ポリマーの特に
好ましい成分においては、R1は特に式70の基を表
し、特にR2は式71の基を表すことが好ましく、特に
3は式72の基を表すことが好ましい。
【化55】
【化56】
【化57】
【0071】熱可塑性多成分ポリマーの置換基のフッ素
含有部分は、フッ素を任意選択で含有する、熱硬化性樹
脂における相溶性および初期(硬化前)可溶性を提供
し、熱可塑性変性剤にMEK可溶性を付与する。
【0072】上述の通りに、網目形成に使用される反応
において、フッ素を任意選択で含有する熱硬化性樹脂は
最初、フッ素含有熱可塑性多成分ポリマーの溶媒として
働く。
【0073】フッ素含有熱硬化性樹脂が高度に分岐し架
橋するにつれて、熱可塑性多成分ポリマー鎖は、反応が
実質的に完了まで進行する間に、熱力学の原理によって
導かれる領域を形成しはじめる。
【0074】反応の終わりに、これらの領域は、高度に
架橋した熱硬化性樹脂網目のマトリックスに囲まれた、
熱可塑性多成分ポリマーに富む、顕微鏡サイズ(オング
ストロームないしミクロン)の相に成長した。
【0075】上述の系に導入された有用な特徴には、下
記のものが含まれる。
【0076】1.使用されるフッ素含有熱可塑性多成分
ポリマーは、樹脂の融点より約20℃高い温度(100
〜110℃)で、フッ素を任意選択で含有する熱硬化性
樹脂に最初に可溶である。この多成分熱可塑性物質は網
目形成中にその場での相分離処理を受け、微相分離多相
網目を形成する。これらの基準を達成するため、相溶性
を最大にしようとする意図で、多成分熱可塑性変性剤の
骨格構造が選択され設計される。
【0077】2.多成分フッ素含有熱可塑性物質はメチ
ルエチルケトンに可溶であるため、今日の産業環境の要
件に適合する系になる。このことは、本物質がプリント
回路板の製作に現在使用されている既存の技術で処理で
きるために不可欠である。一般に、この種の高Tg多成
分熱可塑性物質は、環境上受け入れられない極性非プロ
トン性溶媒または塩素化溶媒のみに可溶である。
【0078】3.多成分フッ素含有熱可塑性変性剤の末
端への反応性官能基の導入は、特に有益である。これに
より、多成分フッ素含有熱可塑性物質を網目構造に化学
的に組み込む(共有結合)ことが可能になる。この化学
的組み込みにより、変性剤の相溶性が高まり、その結果
さらに均一な形態が生じる。またこれによって、硬化網
目の耐溶媒性が維持されることも保証される。
【0079】4.多成分フッ素含有熱可塑性変性剤の分
子量制御が可能になる。フッ素を任意選択で含有する変
性熱硬化性樹脂の可溶性、形態、弾性、および破壊靱性
は、多成分熱可塑性変性剤の分子量の関数である。一般
に、最適の分子量は5,000〜21,000g/モル
の範囲である。この分子量の範囲は、これらのポリマー
が絡まるための臨界分子量より僅かに上である。融成物
の加工性が望まれる場合、融成物の粘度を低下させるた
め、これより低い分子量(2,500〜13,000g
/モル)が必要となることがある。
【0080】5.フッ素を任意選択で含有する、熱硬化
性樹脂中の多成分フッ素含有熱可塑性変性剤の最適組成
は5〜40重量/重量パーセントの範囲である。破壊靱
性、形態、弾性、比誘電率など、その結果生じる特性は
全て、多成分フッ素含有熱可塑性変性剤の化学的性質の
関数であり、変性剤はこの場合、熱硬化性物質の望まし
い特性を犠牲にせずに機械的性能を改善するように設計
されている。
【0081】本発明のもう1つの態様は、エポキシ樹
脂、ベンゾシクロブテン、ビスマレイミド、アセチレン
で終端する樹脂類、プロパルギル、ビスナドイミド類、
ビスマレイミド−トリアジン−エポキシ混合物、シアネ
ート樹脂類およびそれらの混合物から成る群から選択し
た、新規な変性された臭素含有熱硬化性物質を含む。上
記熱硬化性物質は任意選択で異なるハロゲンを含有す
る。加えて、これらのポリマーは破壊靱性が強化され、
操作およびドリル加工性が改善されている。使用に適す
る変性剤は、臭素含有熱硬化性物質と組み合わせた時に
高い熱安定性を低下しない、比較的高いガラス転移温度
(Tg)(即ち、約140〜240℃)を有し、強靱で
延性のある高機能熱可塑性物質である。本物質は、通常
の製造技術で加工することができる。
【0082】本発明は、上記の群から選択した臭素含有
熱硬化性物質の破壊靱性を改善する。本発明は、特別に
調整した熱可塑性ポリマーを熱硬化性網目に組み込むこ
とを含む。
【0083】ハロゲン化熱硬化性樹脂との相溶性が高
い、カスタム合成した(非市販の)臭素含有熱可塑性変
性剤を使用する。ポリアリーレンエーテル熱可塑性ホモ
ポリマーまたは多成分ポリマーの骨格に臭素を組み込む
ことにより、高度の相溶性が達成された。本明細書で
は、「多成分ポリマー」は少なくとも2個以上の異なる
反復単位を含むポリマーを指す。微層分離および機械的
性質の改善を達成するには、高い相溶性が不可欠であ
る。実際、破壊靱性の強化は形態(即ち、相分離性)に
直接関係している。
【0084】ハロゲン化熱硬化性樹脂の強靱化に使用す
る熱可塑性変性剤はメチルエチルケトン(MEK)に可
溶である。高Tgの高機能熱可塑性物質は一般に、多く
の電子工学品の製造に受け入れられない、N−メチル−
2−ピロリジノン、ジメチルアセトアミドなどの極性非
プロトン性溶媒、またはクロロホルム、塩化メチレンな
どの塩素化溶媒のみに可溶であるので、これは独特であ
る。熱可塑性変性剤の骨格にハロゲンを組み込むことに
より、熱可塑性物質にMEK可溶性が導入される。
【0085】臭素含有熱可塑性変性剤は本質的に難燃性
であるため、これを本質的に難燃性のハロゲン化樹脂に
混入することができ、熱硬化性樹脂の処方を変更せずに
この特性を維持することができる。
【0086】要約すると、本明細書に記述する熱可塑性
の変性エポキシ樹脂系は、特に回路板および回路カード
技術におけるマトリックス樹脂として使用したいという
電子業界の必要に対処しようとするものである。本発明
は、ハロゲン化熱硬化性樹脂用の、MEK処理可能な、
高Tg熱可塑性変性剤を初めて記述するものである。
【0087】本発明は、臭素含有熱硬化性樹脂と互いに
反応して、高い熱効率、熱安定性など他の望ましい特性
を犠牲にせずに、破壊靱性、加工性、およびドリル加工
性を高めることができる熱可塑性多成分ポリマーの設計
および合成手順を提供する。熱可塑性ポリマーの必要条
件は、最初にハロゲン化熱硬化性樹脂融成物に可溶であ
ること、次に網目硬化が進むにつれてその場での相分離
処理を受けることである。さらに、電子製品の製作に通
常の加工技術を使用するには、この熱可塑性変性剤はメ
チルエチルケトンに可溶でなければならない。この熱可
塑性変性剤の手法は、既存の樹脂およびパネル製作工程
を使用することができ、しかも加工性および製品の信頼
性を改善するため、物質の機械的性質を改善できるもの
となろう。
【0088】架橋反応が完了すると、最終組成物はサブ
ミクロン規模で不連続な臭素含有熱可塑性相を含むハロ
ゲン化熱硬化性マトリックスを含有し、その結果破壊靱
性が大幅に強化されると考えられる。プレポリマーを使
用する場合、反応は同様に進行する。任意選択で、低T
gを有するものと高Tgを有するものなど、混和可能な異
なる熱硬化性モノマーを混入することによって、所望の
破壊靱性など、高Tg物質の物理的特性を維持した、中
間Tg物質が形成される。
【0089】本発明の範囲内で実施される臭素含有熱硬
化性樹脂の構造は下記の通りである。
【化58】
【0090】上式で、Xはエポキシド、マレイミド、ナ
ドイミド、アミン、プロパルギル、アセチレン、または
ベンゾシクロブテンであり、Rは臭素を含有する置換基
の脂肪族または芳香族部分である。
【0091】本発明による変性剤として使用される多成
分臭素含有熱可塑性変性剤は、下記の式(IX)の反復構
造要素を1〜99モル%と、下記の式(X)の反復構造要
素を99〜1モル%と、下記の式(XI)の反復構造要素
を99〜0モル%と、含有する反復構造要素を有する。
【化59】
【化60】
【化61】
【0092】上式で、Xは、エポキシド、ナドイミド、
マレイミド、アセチレン、プロパルギル、ベンゾシクロ
ブテンと反応することができる任意の基であり、n=1
〜100である。R1は下記の式(XIIa)〜(XIIe)の二
価芳香族基を表す。
【化62】
【0093】上式で、Yは−CO−、−PO(C65
−、−S−、−SO−、または−SO2−を表し、pは
数値0、1または2を表し、qは数値2または3であ
り、R2、R3およびR4は下記の式(XIIIa)〜(XIIIr)
の二価芳香族基を表す。
【化63】
【化64】
【化65】
【化66】
【0094】上式で、Qは直接結合、−CH2−、−O
−または−CO−を表し、Zは−CH2−、−C(C
32 −、−C(CH3)(C65)−、−C(C
3)(C65)−、−C(CF32−、−C(CH3
2−、−PO(C65)−、−S−、−O−、−SO2
または−CO−を表し、式(XIIa)〜(XIIe)の芳香環
は、非置換のもの、あるいは1個以上のハロゲン原子ま
たはハロゲンを含有してもよい(C1−C5)アルキル基
もしくはハロゲンを含有してもよい(C1−C5)アルコ
キシ基あるいはその両方で置換されたものであり、式
(XIIIa)〜(XIIIr)の芳香環は、非置換のもの、ある
いは1個以上のハロゲン原子またはハロゲンを含有して
もよい(C1−C5)アルキル基もしくは(C1−C5)ア
ルコキシ基あるいはその両方で置換されたものである。
【0095】そのようなアルキル基の例は、メチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、se
c−ブチルまたはtert−ブチル基である。
【0096】アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシまたは
tert−ブトキシ基である。
【0097】式(IX)、(X )及び(XI)のR1は下記の
ものを表すのが好都合である。
【化67】
【0098】式(IX)、(X)及び(XI)のR2、R3、R
4は下記のものを表すことが好ましい。
【化68】
【化69】
【化70】
【0099】上式で、芳香環は、非置換のもの、あるい
は1個以上のハロゲン原子または臭素を含有してもよい
(C1−C5)アルキル基もしくは臭素を含有してもよい
(C1−C5)アルコキシ基あるいはその両方で置換され
たものである。
【0100】臭素含有熱可塑性多成分ポリマーの特に好
ましい成分においては、R1は特に式86の基を表し、
特にR2は式87の基を表すことが好ましく、特にR3
式88の基を表すことが好ましく、特にR4は式89の
基を表すことが好ましい。
【化71】
【化72】
【化73】
【化74】
【0101】熱可塑性ホモポリマーまたは多成分ポリマ
ーの置換基の臭素含有部分は、臭素含有熱硬化性樹脂中
での相溶性および初期(硬化前)可溶性を提供し、熱可
塑性変性剤にMEK可溶性を付与する。
【0102】上述のように、網目形成に使用される反応
において、ハロゲン含有熱硬化性樹脂は最初、臭素含有
熱可塑性変性剤の溶媒として働く。
【0103】臭素含有熱硬化性樹脂が高度に分岐し架橋
するにつれて、熱可塑性ポリマー鎖は、反応が実質的に
完了まで進行する間に、熱力学の原理によって導かれる
領域を形成しはじめる。
【0104】反応の終わりに、これらの領域は、高度に
架橋したハロゲン含有熱硬化性樹脂網目のマトリックス
に囲まれた、熱可塑性ポリマーに富む、顕微鏡サイズ
(オングストロームないしミクロン)の相に成長した。
【0105】上述の系に導入された有用な特徴には、下
記のものが含まれる。
【0106】1.補足的ハロゲン成分、好ましくはフッ
素を任意選択で含有する、臭素含有熱可塑性ホモポリマ
ーまたは多成分ポリマーは、樹脂の融点より約20℃高
い温度で、熱硬化性樹脂に可溶である。以下、このポリ
マーを、「熱可塑性ホモポリマーまたは多成分ポリマ
ー」と言う。この熱可塑性ホモポリマーまたは多成分ポ
リマーは、網目形成中にその場での相分離処理を受け、
微相分離多相網目を形成する。これらの基準を達成する
ため、相溶性を最大にしようとする意図で、熱可塑性ホ
モポリマーまたは多成分ポリマー変性剤の骨格構造が選
択され設計されている。
【0107】2.熱可塑性ホモポリマーまたは多成分ポ
リマーはメチルエチルケトンに可溶であるため、産業環
境の要件に適合する系になる。このことは、本物質がプ
リント回路板の製作に現在使用されている既存の技術で
処理できるために不可欠である。一般に、この種の高T
g 熱可塑性物質は、環境上受け入れられない極性非プロ
トン性溶媒または塩素化溶媒のみに可溶である。
【0108】3.熱可塑性ホモポリマーまたは多成分ポ
リマー熱可塑性変性剤の末端への反応性官能基の導入
は、特に有益である。これにより、熱可塑性ホモポリマ
ーまたは多成分ポリマーを網目構造に化学的に組み込む
(共有結合)ことが可能になる。この化学的組み込みに
より、変性剤の相溶性が高まり、その結果さらに均一な
形態が生じる。これによって、硬化した網目の耐溶媒性
が維持されることも保証される。
【0109】4.熱可塑性ホモポリマーまたは多成分ポ
リマー変性剤の分子量制御が可能になる。変性臭素含有
熱硬化性樹脂の可溶性、形態、弾性、および破壊靱性
は、熱可塑性ホモポリマーまたは多成分ポリマー変性剤
の分子量の関数である。一般に、最適の分子量は5,0
00〜21,000g/モルの範囲である。この分子量
の範囲は、これらのポリマーが絡まるための臨界分子量
より僅かに上である。融成物の加工性が望まれる場合、
融成物の粘度を低下させるため、これより低い分子量
(2,500〜13,000g/モル)が必要となるこ
とがある。
【0110】5.ハロゲン含有熱硬化性樹脂中の臭素化
熱可塑性ホモポリマーまたは多成分ポリマー変性剤の最
適組成は5〜40重量/重量パーセントの範囲である。
破壊靱性、形態、弾性、比誘電率など、その結果生じる
性質は全て、変性剤の化学的性質の関数であり、変性剤
はこの場合、エポキシ熱硬化性物質の望ましい特性を犠
牲にせずに機械的性能を改善するように設計されてい
る。
【0111】本発明のさらに別の実施態様は、高い破壊
靱性を有し、金属または無機粒子の添加率が高い複合物
の製作を可能にする、熱硬化性物質である。金属、無機
粒子、顔料または充填剤を混入すると、一般に熱硬化性
バインダを含む複合物の機械的性質に対して有害な影響
を与えることが多い。充填剤は応力が集中する部位とし
て働き、弾性を増大させ、そのために破壊靱性が低下す
る。熱可塑性物質で変性された熱硬化性樹脂の使用によ
り、この欠点が克服される。
【0112】熱可塑性物質で変性された熱硬化性樹脂及
び伝導性金属粒子、顔料または充填剤を含む複合物質
は、伝導性物品または接着剤あるいはその両方の製作に
有用である。本発明で有用な伝導性金属の例は銅、ニッ
ケル、金、白金、パラジウム、亜鉛など、またはそれら
の合金あるいは混合物である。そのような複合物は、電
子機器の応用側での電気的接触や内部接続の製作、ある
いは遮蔽および静電放電用に有用である。電気伝導性接
着剤は電気伝導性変性熱硬化性樹脂の考えられるもう1
つの用途である。この系を用いれば、機械的性質を犠牲
にせずにより大量に添加できるため、より高い伝導率が
可能である。
【0113】熱可塑性物質で変性された熱硬化性樹脂及
び熱伝導性金属粒子、顔料または充填剤を含む複合物質
は、熱伝導性物品または接着剤あるいはその両方の製作
に有用である。熱伝導性充填剤の例には、窒化ホウ素、
酸化亜鉛、窒化アルミニウムおよびダイアモンドが含ま
れる。
【0114】熱伝導性複合物質は電子実装、配電システ
ム、チップ取付け、ヒートシンク取付けの熱管理に使用
される。抵抗性熱エネルギーを除去したり、大きな表面
積全面に熱を分配して、空気の対流によって、あるいは
液体や固体との接触によって、環境への熱の移動を容易
にするには熱伝導物質が必要である。
【0115】将来の高性能または高密度の回路実装は、
集積回路の密度が増大し、必要電力が増加するために、
より高温で動作するので、熱可塑性物質で変性された熱
硬化性物質によって提供されるような、ガラス転移温度
および破壊靱性が改善された高熱伝導性物質の使用が必
要になる。
【0116】中空ガラス球またはシリカ球充填剤を使っ
てガラス補強複合物の比誘電率を低下できることが確認
されている。例えば、熱可塑性物質で変性された熱硬化
性物質を含むプリプレグに、各球の直径が約5〜25ミ
クロンの範囲の中空ガラス球またはシリカ球を25〜6
5体積パーセントの範囲で混入すると有用である。プリ
プレグおよびこれらの球をプリプレグに組み込むことの
効果ならびに比誘電率の低減に関するより詳細な議論
は、IBM開示EN989020(1990年1月26
日出願の米国特許出願第470453号、対応日本特許
出願平成2年第330957号)に出ており、参照によ
りその内容を本明細書に組み込む。
【0117】表面実装技術および直接チップ取付け技術
の使用の増加に伴い、熱膨張係数(CTE)が低い誘電
物質が必要になっている。典型的なエポキシ/ガラス繊
維布複合物のCTEは樹脂含量に応じて15〜30pp
m/℃の範囲である。シリコンのCTEは3〜5ppm
/℃の範囲である。
【0118】ガラス繊維織物、アラミド繊維などの物質
でできた織布または不織布マット、または銅/インバー
ル/銅複合物などの金属膜の補強材マトリックスに本発
明の組成物を浸漬すると、面CTEを首尾よく低減でき
ることが確認されている。
【0119】本発明の1つの実施態様は、混合複合物を
使用してガラス繊維布補強誘電体を形成することであ
る。長年にわたり、エポキシ/ガラス布複合物の面CT
Eの低減にガラス繊維布が使用されてきた。ガラスは束
縛層として働き、層のCTEを低減する。最も一般的な
ガラス繊維布はE−ガラスである。E−ガラスの欠点は
その比誘電率が高いことであった。ガラス繊維布の使用
により、層の比誘電率は増大する。従って、低比誘電率
の熱硬化性樹脂と、比誘電率がさらに低いガラス繊維織
布の組合せを用いる必要がある。
【0120】
【実施例】本発明は、熱硬化性樹脂に可溶なフッ素含有
熱可塑性ホモポリマーと混合した状態の、フッ素含有熱
硬化性樹脂に関する。このフッ素含有熱可塑性ポリマー
は網目形成中にその場での相分離処理を受けて、微相分
離多相熱硬化性物質を形成する。フッ素含有熱可塑性ホ
モポリマー変性剤の反応性官能基により、変性剤を共有
結合によってポリマー網目構造に組み込むことが可能に
なる。
【0121】この場合のポリマー網目は、熱硬化性樹脂
と下記に示すようなフッ素含有熱可塑性ホモポリマー変
性剤との反応に基づいている。
【化75】
【0122】加えて、本発明は、樹脂に可溶なフッ素含
有多成分熱可塑性ポリマーと混合した状態の、熱硬化性
樹脂に関する。この多成分フッ素含有熱可塑性ポリマー
は網目形成中にその場での相分離処理を受けて、微相分
離多相熱硬化性物質を形成する。多成分フッ素含有熱可
塑性変性剤の反応性官能基により、この変性剤を共有結
合によってポリマー網目構造に組み込むことが可能にな
る。
【0123】この場合のポリマー網目は、熱硬化性樹脂
と下記に示すような多成分フッ素含有熱可塑性変性剤と
の反応に基づいている。
【化76】
【0124】加えて、本発明は臭素化熱硬化性樹脂に可
溶な臭素含有熱可塑性ホモポリマーまたは多成分ポリマ
ーと混合した状態の、ハロゲン含有熱硬化性樹脂に関す
る。この臭素含有熱可塑性ホモポリマーまたは多成分ポ
リマーは網目形成中にその場での相分離処理を受けて、
微相分離多相臭素含有熱硬化性物質を形成される。熱可
塑性ホモポリマーまたは多成分ポリマー変性剤の反応性
官能基により、本変性剤を共有結合によってポリマー網
目構造に組み込むことが可能になる。
【0125】ポリマー網目は、ハロゲン含有熱硬化性樹
脂と下記に示すような熱可塑性ホモポリマーまたは多成
分ポリマー変性剤との反応に基づいている。
【化77】
【0126】本発明で使用する熱可塑性ポリマー変性剤
は、求核芳香族置換反応により都合よく合成することが
できる。ポリアリーレンエーテルは、ビスフェノールを
二ハロゲン化物と反応させることにより合成される。反
応中、カローザス式に従って反応の化学量論比を調節す
ることにより、分子量および末端基の官能性を制御す
る。過剰のビスフェノール反応物を使用して、水酸末端
基および約15,000g/モルの数平均分子量を達成
する。
【0127】硬化積層品の面CTEを低下させる一般的
な方法は、熱硬化性樹脂をガラス繊維織布に溶液浸漬ま
たは融成物浸漬するものである。特定のガラス繊維織布
の選択により、結果として生じる複合物構造の比誘電率
が決定される。E−ガラスは最もよく使用される織布で
あるが、その比誘電率は約5.8である。
【0128】S−ガラス、D−ガラス、K−ガラス、Q
−ガラスなど、他のガラス繊維織布は比誘電率がより低
く、3.2〜3.4の範囲であり、その結果E−ガラス
に比べて比誘電率が低い硬化積層品が得られる。
【0129】本明細書に記述する本発明はまた、熱可塑
性ポリマーで変性された熱硬化性樹脂溶液のアラミド繊
維への溶媒浸漬も含む。デュポン社(商用名Thermount)
および帝人(商用名Technora) は切断アラミド繊維マッ
トを開発した。本発明で使用するのに適する典型的なア
ラミド繊維マットは、「PPODTA」と呼ばれるコポ
リフェニレン−3,4'オキシジフェニレンテレフタル
アミドでできたマットである。PPODTAマットなど
の(樹脂を含まない)マットの面CTEは−6〜−7p
pm/℃(10-6インチ/インチ/℃)程度である。樹
脂含有量が50〜60%のとき、面CTEは3〜8 ppm
/℃の範囲である。これはシリコンのCTEと極めて近
似しており、熱サイクル中チップを安定化するためにカ
プセル材を使用する必要はない。本発明の利益を例示す
ると、PPODTA紙のErは約3.5である。樹脂含
有量が60%のとき、比誘電率は約2.8〜3.5であ
る。
【0130】複合物の面CTEを低下させるもう1つの
方法は、銅/インバール/銅を束縛層として使用し、か
つ電力コアとして利用することである。この種のコアを
製作するには2つの方法がある。最初の方法は、S−ガ
ラス、D−ガラス、Q−ガラス誘電体などの補強誘電シ
ートを積層するものである。この場合の追加的利益は、
銅/インバール/銅も誘電層も共に全面CTEが低いこ
とである。デュポン社のThermountTMまたは帝人のThech
noraTMマットに浸漬した熱可塑性ポリマーで変性された
型熱硬化性樹脂を使用して製作した誘電層は、制御され
たCTEを有するカプセル化電力コア構造の製作にも使
用できる。
【0131】代替法は、連続積層工程を用いて銅/イン
バール/銅芯を被覆するものである。この方法の利点
は、連続的であり、溶媒を使用しないことである。熱硬
化性樹脂中の熱可塑性ポリマー変性剤の特有の相溶性に
より、融成物工程を用いて銅/インバール/銅芯を被覆
することができる。
【0132】銅被覆コアは、酸化物処理した銅ホイルの
間に複数のプリプレグ層を置き、加熱および加圧下で積
層することにより製作することができる。一般に、積層
工程は、銅ホイルおよびプリプレグ・スタックをプラテ
ンの最終設定温度に達するまで5〜10℃/分の速度で
加熱することを含む。プラテン設定温度は、マトリック
ス樹脂の最終Tgで決まる。積層工程中の完全硬化を保
証するため、最終温度を完全に硬化したマトリックスの
gより約25℃高く設定する。圧力は一般に14.1
〜35.2kg/cm2(200〜500ポンド/平方
インチ)の範囲であり、好ましい圧力は21.1kg/
cm2(300ポンド/平方インチ)である。熱可塑性
ポリマーで変性された熱硬化性プリプレグは、周囲圧で
積層してもよいが、好ましい方法は真空積層を用いるこ
とである。真空積層法を用いる場合、スタックの周囲に
真空フレームを使用するか、あるいは真空囲壁中にプラ
テンを封入することにより、プリプレグ/銅スタック付
近の環境を749mmHg(29.5インチHg)の圧
力にまで真空にする。真空法は、十分に一体化された、
空隙のない積層品を製作するための好ましい実施例であ
る。
【0133】銅被覆コアを製作する代替法は、連続積層
工程を用いるものである。この方法の実施例は2つあ
り、第1の実施例では、酸化物で処理した銅ホイルの2
枚の連続移動するロールの間に標準の浸漬塔を用いて製
造したプリプレグを連続的に積層する。積層品の両側
に、高度に研磨したステンレス鋼製ベルトにより、熱お
よび圧力をかける。Simplekamp社またはHeld Corporati
on社から、典型的な二重ベルト積層機が市販されてい
る。この好ましい実施例では、移動ウェブの融成物浸漬
を用いて銅被覆コアを作成する。これにより、大きな浸
漬塔でプリプレグを生産する必要がなくなる。この実施
例では、樹脂を融解し、ドクター・ブレードまたはスリ
ット・ダイ押出ヘッドにより、補強材(E−ガラス、K
−ガラス、D−ガラス、S−ガラス、TechnoraTM紙、Th
ermountTM紙)のロールに塗布する。融解した樹脂の薄
膜を連続移動する酸化物で処理した銅ホイルに貼付し、
補強材の移動ウェブと接触させる。融解した樹脂は、移
動する補強材の上面に塗布することも、酸化物で処理し
た銅ホイルの第2のロールに塗布することもできる。二
重ベルト部分に入る前に、2つの銅ホイルと強化材を接
触させる。二重ベルト積層材の固定ゾーンで融解した樹
脂を補強材に押し込み、一層高い熱および圧力をさらに
かける。この第二の方法では、大量の揮発性溶媒を扱わ
ずに、連続的に高品質の銅被覆コアを製造する。
【0134】もう1つの応用例では、発泡ポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)補強材に浸漬した熱可塑性
ポリマーで変性された型熱硬化性樹脂を使用する。発泡
PTFE繊維織布をドリル加工する問題のため、新しい
発泡PTFEマットが開発された。ある満足できる工程
を用いて、熱硬化性樹脂をこのマットに浸漬させる。
【0135】本発明のもう1つの実施例は、その組成物
を電子回路パッケージに使用することである。電子パッ
ケージの一般的構造および製造工程は、例えば、ドナル
ド P. セラフィム(Donald P. Seraphim)、ロナルド・
ラスキ(Ronald Lasky)、及びチェ=ヨ・リ(Che-Yo L
i)共著、Principles of Electronic Packaging、McGra
w-Hill Book Company, New York, N.Y., (1988) やラー
オ R. タンマラ(RaoR. Tummala)及びユージン J.リマ
シェフスキ(Eugene J. Rymaszewski)の共著、Microel
ectronic Packaging Handbook, Van Nostrand Rienhol
d, New York, N.Y., (1988) に記載されており、参照文
献によりこの両書を本明細書に組み込む。
【0136】ポリマーを主成分とする複合物パッケージ
製作の基本的工程は、以前に参照により本明細書に組み
込んだ、セラフィム等の前掲書Principles of Electro
nicPackaging, page 334-371に所載の、ジョージ P. シ
ュミット(George P. Schmitt)、ベルント K. アッペ
ルト(Bernd K. Appelt)及びジェフリー T. ゴートロ
(Jeffrey T. Gotro)の論文"Polymers and Polymer Ba
sed Composites for Electronic Applications" ならび
に、やはり以前に参照により本明細書に組み込んだ、
タンマラ等の前掲書Microelectronic Packaging Handbo
ok, pp.853-922に所載のドナルド P. セラフィム、ドナ
ルド E. バー(Donald E. Barr)、ウィリアム T. チェ
ン(William T. Chen)、ジョージ P. シュミット(Geo
rge P. Schmitt)及びラーオ R. タンマラの論文"Print
ed Circuit Board Packaging"に記述されている。
【0137】物品は、少なくとも1層が、熱硬化性樹脂
を含む硬化可能物質と硬化される熱可塑性ポリマー物質
とから形成される、複数の層を有するように調製された
電子回路パッケージに使用できる。残りの層のうちの1
層以上が、熱可塑性または熱硬化性樹脂から形成され、
どの樹脂を選択するかは、利用すべき所望の性質に基づ
いて決まる。電子回路パッケージとして効率よく機能す
るために、上述の物品は、その中に埋め込まれた、電気
回路のキャリヤとして働く電気伝導性金属パターンを含
有する。電子回路パッケージのより詳しい議論は、ボナ
フィーノ(Bonafino)等に対する米国特許第51032
93号に出ており、参照によりその内容を本明細書に組
み込む。
【0138】形成される物品は一般に、上記熱硬化性物
質の硬化後に平面化した外面を有する誘電層を提供する
ために、本発明の熱硬化性物質が溶媒溶液または融成物
溶液から電気伝導性回路層の全面に塗布され、上記物品
が上記熱硬化性物質内に1組または複数の交互配線網目
を有することを特徴とする、ポリマー、セラミックまた
は多層基板上にフッ素化した電気伝導性回路層を含む2
〜14層から成る多層品である。
【0139】この物品を含むもう1つの熱可塑性または
熱硬化性層は同一のものでも異なるものでもよく、ポリ
イミド、感光性ポリイミド、エポキシ、ベンゾシクロブ
テンまたは感光性熱硬化性樹脂から形成されたポリシア
ヌレートから成る群から選択される。
【0140】例1 熱可塑性変性剤の合成−ビスフェノールAFポリスルホ
ン 窒素取入口、温度計、撹拌装置、および凝縮器付きのDe
an Starkトラップを備えた5リットルの四口丸底フラス
コに、2,2'−ビス(4−ヒドロキシフェノール)ヘ
キサフルオロプロパン437.11g、ジフルオロジフ
ェニルスルホン319.34g、炭酸カリウム225
g、N−メチル−2−ピロリジノン1775mlおよび
トルエン775mlを入れた。水酸基で終端する、分子
量が制御されたオリゴマーを得るため、カローザス式に
従って反応物の化学量論比を変化させた。反応内容物を
窒素雰囲気中に置き、約140〜155℃でトルエンが
還流し始めるまで加熱した。完全に脱水されるまで(約
4時間)、反応混合物を還流した。フェノキシド形成中
に放出された水を集め、Dean Starkトラップから除去し
た。反応温度が165〜170℃に達するまで、Dean S
tarkトラップからトルエンを抜き取った。この系を10
〜12時間反応させておくと、粘性の暗緑色溶液を生じ
た。約80℃まで冷却した後、反応混合物を濾過して無
機塩を除去した。次に反応溶液を氷酢酸で7未満のpH
まで酸性化し、10倍量のメタノールと水の混合液(体
積比25/75)中に沈澱させた。濾過によって得られ
た沈澱オリゴマー(薄い黄褐色の粉末)をメタノールで
洗浄した後、100〜200℃で真空乾燥した。乾燥
後、このオリゴマーをテトラヒドロフランに再び溶解し
(固形物濃度30%)、沈澱、濾過および洗浄手順を繰
り返した。最後に、沈澱を120℃で一定の重量になる
まで乾燥すると、ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)
で約17,900、水酸化テトラメチルアンモニウムの
メタノール溶液による滴定法で約17,600の分子量
(<Mn>)を有するオリゴマー約700gが得られ
た。このオリゴマーのガラス転移温度は195℃であっ
た。
【0141】例2 強靱化フッ素含有エポキシ樹脂熱硬化性物質の調製 ガス取入口と機械式撹拌装置を備えた100mlの両口
丸底フラスコに、DGEBAF(ビスフェノール−AF
のジグリシジルエーテル)31.5gとビスフェノール
AFポリスルホン13.5g(30重量/重量パーセン
ト)を入れた。この混合物を、撹拌しながら、脱気のた
め真空中で120℃まで加熱する。約0.5〜1.5時
間で、混合物は均質で透明になる。この時点で、機械的
特性の評価に適した形状を含む、予熱したRTVシリコ
ーン・ゴム鋳型に混合物を注入する。充填後、鋳型を
0.01ミルのテフロンシートで覆い、厚さ6.4mm
(0.25インチ)のアルミニウム片で圧迫する。鋳型
を強制空気対流オーブンに入れ、窒素雰囲気中で190
℃で2時間、さらに240℃で1時間硬化させた。
【0142】例3 E−ガラスプリプレグ/積層品/回路板の調製 DGEBAF(ビスフェノールAFのジグリシジルエー
テル)765gをメチルエチルケトン600gと混合す
ることにより、2リットルのビーカで樹脂溶液を調製し
た。完全に混合した後、ビスフェノールAFポリスルホ
ン135g(15重量/重量パーセント)を加え、完全
に溶解するまで機械的に撹拌した。得られたニス状の物
質は、よく透き通った琥珀色の液体であり、全成分がメ
チルエチルケトン中に完全に溶解したことを示してい
る。使用の約1時間前に、上述の樹脂溶液を約0.2p
hrの2−メチルイミダゾールで触媒処理する。浸漬処
理塔を用いて、この樹脂溶液を106型のE−ガラスお
よびK−ガラス補強織布に浸漬する。得られたプリプレ
グを140℃で約4分間加熱処理してメチルエチルケト
ン溶媒を除去し、樹脂を「B段階」まで硬化させる。数
層のプリプレグを重ね合わせ、約300psiの圧力
下、約250℃で2時間硬化することにより、積層品お
よび回路板を製作する。
【0143】例4 熱可塑性変性剤の合成−フッ素含有ポリスルホン・コポ
リマー 窒素取入口、温度計、撹拌装置、および凝縮器付きのDe
an Starkトラップを備えた2リットルの四口丸底フラス
コに、4,4'−イソプロピリデンジフェノール30.
246g、2,2'−ビス(4−ヒドロキシフェノー
ル)ヘキサフルオロプロパン133.654g、ジフル
オロジフェニルスルホン130.130g、炭酸カリウ
ム105g、N−メチル−2−ピロリジノン700ml
およびトルエン35mlを入れた。水酸基で終端する、
分子量が制御されたオリゴマーを得るため、カローザス
式に従って反応物の化学量論比を変化させた。反応内容
物を窒素雰囲気中に置き、約140〜155℃でトルエ
ンが還流し始めるまで加熱した。完全に脱水されるまで
(約4時間)、反応混合物を還流した。フェノキシド形
成中に放出された水を集め、Dean Starkトラップから除
去した。反応温度が165〜170℃に達するまで、De
an Starkトラップからトルエンを抜き取った。この系を
10〜12時間反応させておくと、粘性の暗緑色溶液を
生じた。約80℃まで冷却した後、反応混合物を濾過し
て無機塩を除去した。次に反応物を氷酢酸で7未満のp
Hまで酸性化し、10倍量のメタノールと水の混合液
(体積比25/75)中に沈澱させた。濾過によって得
られた沈澱オリゴマー(薄い黄褐色の粉末)をメタノー
ルで洗浄した後、100〜120℃で真空乾燥した。乾
燥後、このオリゴマーをテトラヒドロフラン(固形物濃
度30%)に再び溶解し、沈澱、濾過および洗浄手順を
繰り返した。最後に、沈澱を120℃で一定の重量にな
るまで乾燥した。
【0144】例5 強靱化ポリシアヌレート熱硬化性物質の調製 ガス取入口と機械式撹拌装置を備えた100mlの両口
丸底フラスコに、ビスフェノール−Aジシアネート樹脂
(Ciba社のArocy B−10TM)31.5gと例4に記載
されているポリスルホン・コポリマー13.5gを入れ
た。この混合物を、撹拌しながら、脱気のため真空中で
120℃まで加熱した。約0.5〜1.5時間で、混合
物は均質で透明になった。この時点で、機械的特性の評
価に適した形状を含む、予熱したRTVシリコーン・ゴ
ム鋳型に混合物を注入した。充填後、鋳型を0.01ミ
ルのテフロンシートで覆い、厚さ6.4mm(0.25
インチ)のアルミニウム片で圧迫した。鋳型を強制空気
対流オーブンに入れ、窒素雰囲気中で175℃で1時
間、250℃で1時間、さらに310℃で45分間硬化
させた。
【0145】ASTM E399標準の試験手順に従っ
て、硬化した熱硬化性物質の純樹脂破壊靱性を評価し
た。破壊靱性の結果を変性剤濃度の関数として図1に示
す。図1から、熱可塑性変性剤の濃度を増大させること
により破壊靱性の大幅な強化が達成されたことが確認で
きる。事実、30%(重量/重量)のとき、3.5倍を
越える強化が達成された。さらに、強靱化熱硬化性物質
の曲げ弾性は(ASTME966で評価する限りでは)
僅かに低下しただけであり、変性剤を含まない対照物質
の弾性は3.0Gpa、10%および20%(重量/重
量)で得られた値は2.95〜2.9Gpaであった。
【0146】例6 E−ガラス・プリプレグ/積層品/回路板の調製 Arocy B−40sTMシアネートエステル樹脂プレポリマ
ー溶液(MEK中の固形物濃度75%)997gをメチ
ルエチルケトン471gと混合することにより、2リッ
トルのビーカで樹脂溶液を調製した。完全に混合した
後、例4に記載されているフッ素含有ポリスルホン・コ
ポリマー132gを加え、完全に溶解するまで機械的に
撹拌した。得られたニス状の物質は、よく透き通った琥
珀色の液体であって、全成分がメチルエチルケトン中に
完全に溶解したことを示した。使用の約1時間前に、約
100ppmのオクタン酸マンガン(MEK中0.00
06溶液12.5g)および1phrのビスフェノール
Aで上述の樹脂溶液を触媒処理した。浸漬処理塔を用い
て、この樹脂溶液をE−ガラス補強織布に浸漬した。得
られたプリプレグを160℃で4分間加熱処理してメチ
ルエチルケトン溶媒を除去し樹脂を「B段階」まで硬化
させた。数層のプリプレグを重ね合わせ、175℃で1
時間、250℃で1時間、さらに310℃で45分間硬
化することにより、積層品および回路板を製作した。
【0147】硬化E−ガラス積層品の様々な特性を評価
し、その結果を表1に示す。表1から、熱可塑性物質で
強靭化したポリシアヌレート熱硬化性物質が、大幅に強
化された銅引剥し強度および非変性ポリシアヌレート物
質を上回る積層間結合強度を有していたことが確認でき
る。このことから、純樹脂の改善された破壊靱性特性
が、複合体構造(即ち、積層品、回路板など)に十分に
移行することが示唆される。
【0148】水分吸収性も熱可塑性変性剤の濃度の関数
として評価し、図2にその結果を示す。図2から確認で
きるように、熱可塑性変性剤の濃度を増大させることに
よって水分吸収力が顕著に減少した。この結果は、特に
水分吸収が誘電体の性能に有害である電子応用分野では
非常に望ましい。
【表1】 特性* ポリシアヌルレート 強靭化ポリシアヌルレート 銅引剥し強度 8−9 10−11** (ポンド/インチ) 積層間結合強度 6 9−10 (ポンド/インチ) 比誘電率 3.7 3.7 ガラス転移温度(℃) 295 295* すべての特性はE−ガラス積層品に基づく** 1オンスのGould Copper Foil で試験を実施、90ピ
ール試験
【0149】例7 熱可塑性変性剤の合成:臭素化ポリスルホンテルポリマ
ー 窒素取入口、温度計、撹拌装置、および凝縮器付きのDe
an Starkトラップを備えた2リットルの四口丸底フラス
コに、4,4'−イソプロピリデンジフェノール(Bi
s−A)39.262g、2−2'ビス(4−ヒドロキ
シフェノール)ヘキサフルオロプロパン(Bis−A
F)72.291g、レゾルシン4.735g、ジフル
オロジフェニルスルホン(DFDPS)104.154
g、炭酸カリウム83g、N−メチル−2−ピロリジノ
ン675mlおよびトルエン235mlを入れた。水酸
基で終端する、分子量が制御されたオリゴマーを得るた
め、カローザス式に従って反応物の化学量論比を変化さ
せた。反応内容物を窒素雰囲気中に置き、約140〜1
55℃でトルエンが還流し始めるまで加熱した。完全に
脱水されるまで(約4時間)、反応混合物を還流した。
フェノキシド形成中に放出された水を集め、Dean Stark
トラップから除去した。反応温度が165〜170℃に
達するまで、Dean Starkトラップからトルエンを抜き取
った。
【0150】この系を10〜12時間反応させておく
と、粘性の暗緑色溶液を生じた。約80℃まで冷却した
後、反応混合物を濾過して無機塩を除去した。次に反応
物を氷酢酸で7未満のpHまで酸性化し、10倍量のメ
タノールと水の混合液(体積比25/75)中に沈澱さ
せた。濾過によって得られた沈澱オリゴマー(薄い黄褐
色の粉末)をメタノールで洗浄した後、100〜120
℃で真空乾燥した。乾燥後、このオリゴマーをテトラヒ
ドロフラン(固形物濃度30%)に再び溶解し、沈澱、
濾過および洗浄手順を繰り返した。最後に、ゲル透過ク
ロマトグラフィで一定の重量になるまで、沈澱を120
℃で乾燥した。
【0151】第二反応段階で、ポリスルホン(PSF)
オリゴマーを臭素化した。機械式撹拌装置、ガス取入口
および添加ロートを備えた、500mlの三口丸底フラ
スコにポリスルホン(75g/0.155モル)を入れ
た。ジクロロエタン(175ml)を撹拌しながら加え
た。PSF/ジクロロエタン溶液を氷水浴で0〜5℃に
冷却し、約25mlのジクロロエタンに溶解した臭素4
0.9g(0.256モル)を、窒素雰囲気中で添加ロ
ートを通してゆっくり加えた。臭素/ジクロロエタン溶
液を加えた後、氷浴を除いたが、温度が25℃を越えな
いように温度を監視した。20〜25℃の温度に到達し
た後、反応を10時間進行させておいた。10倍過剰の
メタノールに沈澱させる前に塩基を加え、反応中に生成
した臭化水素酸を中和した。濾過によりポリマーを単離
し、メタノールで3回洗浄すると、白色のポリマーが得
られた。このポリマーを、120℃の真空オーブンで一
定の重量になるまで乾燥した。
【0152】目的の数平均分子量15,000g/モル
を有するポリマーを得るため、DFDPS濃度を一定に
保ちながらBis−AF、Bis−Aおよびレゾルシン
のモル比を変えることにより、種々のコポリマーおよび
テルポリマー組成物を合成した。上述のようにポリマー
を臭素化し、そのFR−4エポキシ(Ciba8212樹
脂)との相溶性を、下記の例8に記載するように調製し
た硬化サンプルで評価した。走査電子顕微鏡で評価した
とき、ミクロンまたはサブミクロンの相分離を有するも
のを相溶性物質と定義した。10ミクロンより大きいが
20ミクロンより小さい規模の相分離を有するものを部
分的相溶性物質と定義した。非相溶性ポリマーは大きな
相分離(即ち、20ミクロンより大きい規模の相分離)
を示した。表2に、FR−4エポキシ樹脂に15重量/
重量パーセント組み込んだ一連のコポリマーおよびテル
ポリマー熱可塑性変性剤で得られた結果を示す。
【表2】 ポリマー組成(モル%) FR−4エポキシ Bis−AF Bis−A レゾルシン 相溶性 100 0 0 非相溶性 80 20 0 非相溶性 65 35 0 非相溶性 50 50 0 相溶性 35 65 0 部分的相溶性 25 75 0 部分的相溶性 0 100 0 部分的相溶性 50 40 10 相溶性 50 25 25 相溶性
【0153】例8 強靱化臭素含有エポキシ樹脂熱硬化性物質の調製 ガス取入口および機械式撹拌装置を備えた100mlの
両口丸底フラスコに、FR−4エポキシ樹脂(Ciba82
12)31.5gおよび例7に記載されている臭素化テ
ルポリマー13.5gを入れた。この混合物を、撹拌し
ながら、脱気のため真空中で120℃まで加熱した。約
0.5〜1.5時間で、混合物は均質で透明になる。こ
の時点で、機械的特性の評価に適した形状を含む、予熱
したRTVシリコーン・ゴム鋳型に混合物を注入する。
充填後、鋳型を0.01ミルのテフロンシートで覆い、
厚さ6.4mm(0.25インチ)のアルミニウム片で
圧迫する。鋳型を強制空気対流オーブンに入れ、窒素雰
囲気中で177℃で2時間硬化した。
【0154】ASTM E399標準の試験手順に従っ
て、硬化した熱硬化性物質の純樹脂破壊靱性を評価し
た。表2の2つの相溶性熱可塑性ポリマー変性剤の結果
を図3に示す。図3は、50モル%のBis−AFとB
is−Aを有するコポリマー、ならびにBis−AF5
0モル%、Bis−A40モル%およびレゾルシン10
モル%を有するテルポリマー(両者とも、例7および表
2にさらに詳細に記述されている)に関して、熱可塑性
変性剤濃度の増大が破壊靱性に及ぼす影響を示す棒グラ
フである。図3から、熱可塑性変性剤の濃度を増大させ
ることによって破壊靱性の大幅な強化が達成されたこと
が確認できる。事実、臭素化コポリマー変性剤を30%
(重量/重量)組み込んだ場合、靱性は120J/m2
から550J/m2に増大した。さらに、臭素化コポリ
マーは臭素化テルポリマーより有効な強靱化剤であるこ
とが確認された。
【0155】例9 E−ガラス・プリプレグ/積層品/回路板の調製 FR−4エポキシ樹脂(Ciba8212、MEK中の固形
物濃度70%)1127gをメチルエチルケトン334
gと混合することにより、2リットルのビーカで樹脂溶
液を調製した。完全に混合した後、例7に記載されてい
る臭素化ポリスルホン・テルポリマー139gを加え、
完全に溶解するまで機械的に撹拌した。得られたニス状
の物質は、よく透き通った琥珀色の液体であって、全成
分がメチルエチルケトン中に完全に溶解したことを示し
た。使用の約1時間前に、約0.2phrの2−メチル
イミダゾールで上述の樹脂溶液を触媒処理した。浸漬処
理塔を用いて、この樹脂溶液をE−ガラス補強織布に浸
漬する。得られたプリプレグを140℃で約4分間加熱
処理してメチルエチルケトン溶媒を除去し樹脂を「B段
階」まで硬化させた。数層のプリプレグを重ね合わせ、
約300psiの圧力で約177℃で2時間硬化するこ
とにより、積層品および回路板を製作した。
【0156】硬化E−ガラス積層品の様々な特性を評価
し、その結果を表3に示す。強靭化FR−4エポキシ樹
脂熱硬化性物質は、3〜5倍の純樹脂靱性の強化を示
し、非変性FR−4エポキシ樹脂熱硬化性物質と比較し
たとき、その望ましい積層特性を保持していることが表
3から確認できる。実際、強靭化物質で水分吸収の僅か
な減少が確認されたが、これは非常に望ましいことであ
る。
【表3】 特性* FR−4樹脂 強靭化FR−4樹脂 銅引剥し強度** (ポンド/インチ) 8−10 8−10 積層間結合強度 (ポンド/インチ) 6 6−7 比誘電率 3.9−4.2 3.9−4.2 水分吸収(%) 24時間室温 0.24 0.20 16時間煮沸 0.72 0.64 1時間圧力釜 0.41 0.36 ガラス転移温度(℃) 170 170 熱膨張係数(ppm/℃) X−Y(Tg より下) 19 19 Z(Tg より下) 76 76 Z(Tg より上) 320 320* すべての特性はE−ガラス積層品に基づく** 1オンスのGould Copper Foil で試験を実施、90ピ
ール試験
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリシアヌレート樹脂系における熱可塑性変性
剤濃度と靱性強度の関係を示すグラフである。
【図2】熱可塑性変性剤濃度の増大がポリシアヌレート
樹脂の水分吸収に与える影響を示すグラフである。
【図3】熱可塑性変性剤の濃度と強靱化FR−4エポキ
シ樹脂熱硬化性物質の破壊靱性の関係を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェフリー・トマス・ゴトロー アメリカ合衆国13760 ニューヨーク州 エンドウェル フォックスボロー・レー ン1300 (72)発明者 ジェフリー・カーチス・ヘドリック アメリカ合衆国10566 ニューヨーク州 ピークスキル ヴィラ・ドライブ75 (72)発明者 コンスタンティノス・パパトマス アメリカ合衆国13760 ニューヨーク州 エンディコット カヴェントリー・ロー ド75 (72)発明者 ニランジャン・モーハンラール・パテル アメリカ合衆国12590 ニューヨーク州 ワッピンガーズ・フォールズ カーナビ ー・ストリート16エイ (72)発明者 アルフレッド・ヴィーベック アメリカ合衆国12524 ニューヨーク州 フィッシュキル モーラーブルック・ド ライブ31 (72)発明者 ウィリアム・ジョーゼフ アメリカ合衆国55405 ミネソタ州ミネ アポリス ガーフィールド・アベニュ ー・サウス2120 アパートメント101 (56)参考文献 特開 平4−227931(JP,A) 特開 平4−318063(JP,A) 特開 平2−281031(JP,A) 特開 平2−247222(JP,A) 特開 昭64−65184(JP,A) 特開 昭63−22823(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 27/12,71/10,101/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂、ビスマレイミド類、アセチ
    レンで終端する樹脂類、プロパルギル、ビスナドイミド
    類、ベンゾシクロブテン、ビスマレイミド−トリアジン
    −エポキシ混合物、およびそれらの混合物から成る群か
    ら選択したフッ素含有熱硬化性物質と、フッ素含有熱可
    塑性ポリマーとを含む熱硬化性樹脂組成物であって、上
    記組成物が、約100℃から325℃までの温度で熱硬
    化可能であり、 上記組成物が、硬化状態でその中に分散された上記フッ
    素含有熱可塑性ポリマーの複数の不連続相を有するフッ
    素含有ポリマー網目を含み、上記フッ素含有熱可塑性ポ
    リマーの相が、サブミクロン・サイズからミクロン・サ
    イズの範囲である、熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】エポキシ樹脂、ビスマレイミド類、アセチ
    レンで終端する樹脂類、プロパルギル、ビスナドイミド
    類、ベンゾシクロブテン、ビスマレイミド−トリアジン
    −エポキシ混合物、およびそれらの混合物から成る群か
    ら選択した臭素含有熱硬化性物質と、臭素含有熱可塑性
    ポリマーとを含む熱硬化性樹脂組成物であって、 上記組成物が約100℃から325℃までの温度で熱硬
    化可能であり、 上記組成物が、硬化状態でその中に分散された上記臭素
    含有熱可塑性ポリマーの複数の不連続相を有する臭素含
    有ポリマー網目を含み、上記臭素含有熱可塑性ポリマー
    の相が、サブミクロン・サイズからミクロン・サイズの
    範囲である、熱硬化性樹脂組成物。
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