JP2959846B2 - 治療において有用なトリアゾール誘導体 - Google Patents

治療において有用なトリアゾール誘導体

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、治療において(特に、ヒトおよび他の哺乳
動物の真菌感染の治療において)有用なトリアゾール誘
導体、それらの使用方法、それらを含む製剤およびそれ
らの製造方法に関する。
多数のトリアゾール抗真菌性化合物が知られている。
例えば、欧州特許出願第0440372号の実施例7は、臨床
的に重要なアスペルギルス属(Aspergillus)種真菌に
対して特に充分な活性を有する(2R,3S)−2−(2,4−
ジフルオロフェニル)−3−(5−フルオロ−4−ピリ
ミジニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イ
ル)−ブタン−2−オール(ボリコナゾール(voricona
zole)としても知られている)を開示している。しかし
ながら、その化合物は、水性培地への低い溶解性を有
し、静脈内製剤などの納得のいく水性製剤を得るために
錯体形成剤の使用を必要とする。欧州特許出願第044037
2号は、溶解性を向上させるためのシクロデキストリン
誘導体との共製剤を示唆しているが、しかしながら、患
者において起こりうる副作用を最小限にするために、製
剤中の成分の数を最小限にすることが常に望まれる。
英国特許出願第2,128,193号は、植物用の殺真菌剤お
よび殺虫剤として用いるためのリン酸エステルを開示し
ている。
モーリン(Maurin)ら[Int J Pharm,1993,94(1−
3),11−14]は、α−(2,4−ジフルオロフェニル)−
α−[(1−(2−(3−ピリジル)フェニルエテニ
ル)]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノールビ
スメシレートを開示し、これは、高い溶解性を有する抗
真菌性剤であると述べられている。
他のトリアゾール抗真菌性剤は、欧州特許出願第0576
201号および国際特許出願第WO97/01552号から知られて
いる。
欧州特許出願第0413674号は、分子中の遊離ヒドロキ
シ基をリン酸化することによる治療的グリコシダーゼ阻
害剤のプロドラッグの形成を開示している。しかしなが
ら、第三ヒドロキシ基のリン酸化は記載されていない。
ここで、(2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニ
ル)−3−(5−フルオロ−4−ピリミジニル)−1−
(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−ブタン−2
−オールを含めた、第三ヒドロキシ基を含む種類のトリ
アゾール抗真菌性化合物は、大きく増加した溶解性を有
するプロドラッグに変換されうるが、このプロドラッグ
は、所望の活性成分を与えるように容易にin vivoで変
換されることが判明した。
本発明により、式I R1−OP(O)(OH) I (式中、R1は、第三ヒドロキシ基を含む種類のトリアゾ
ール抗真菌性化合物の非ヒドロキシ部分である) を有する化合物; またはその薬学的に許容しうる塩(本明細書中において
「本発明の化合物」と称される)を提供する。
その種類のトリアゾール抗真菌性化合物中の第三ヒド
ロキシ基は、従来、機能化の役目をもっていなかったの
で、本発明の化合物は先行技術と異なる。
挙げることができる薬学的に許容しうる塩には、リン
酸基のアルカリ金属塩、例えば、二ナトリウム塩または
二カリウム塩;およびアミン対イオンとの塩、例えば、
エチレンジアミン塩、グリシン塩またはコリン塩が含ま
れる。
好ましくは、R1は、式I a (式中、R2は、1個またはそれ以上のハロゲン原子で置
換されたフェニルであり; R3は、HまたはCH3であり; R3aは、HであるかまたはR3と一緒になって=CH2であ
ってよく;そして R4は、ハロゲン、=O、フェニル[CNおよび(C6H4
−OCH2CF2CHF2から選択される基で置換された]またはC
H=CH−(C6H4)−OCH2CF2CHF2から選択される1個また
はそれ以上の基で場合により置換されている5員または
6員の窒素含有複素環式環;またはハロゲンおよびメチ
ルピラゾリルから選択される1個またはそれ以上の基で
置換されたフェニルである) を有する基である。
R1が、上に定義の式I aを有する基である場合、R
2は、好ましくは、2,4−ジフルオロフェニルであり、そ
してR3はHまたはメチルである。
R4であってよいしまたはR4が含んでいてよい窒素含有
複素監式環には、トリアゾリル、ピリミジニルまたはチ
アゾリルが含まれる。
R1であってよい好ましい具体的な基には、次のものが
含まれる。
上の基(a)〜(g)に対応するトリアゾール抗真菌
性化合物は、(a)D−0870(ゼネカ(Zeneca)によっ
て開発中。欧州特許出願第0472392号の実施例19も参照
されたい);(b)フルコナゾール(fluconazole)
(ファイザー(Pfizer)によって販売された。英国特許
出願第2099818号も参照されたい);(c)欧州特許出
願第0440372号の実施例7、ボリコナゾールとしても知
られる;(d)米国特許第4,952,232号の実施例35;
(e)本出願の実施例8の化合物;(f)WO95/22973号
の化合物A(29頁を参照されたい),EP567982号の実施
例27において化合物30として最初に開示された;および
(g)ER−30346(Drugs of the Future,1996,21
(1):20〜24,Tetrahedron Letters,37巻,45,8117−81
20頁,1996年および欧州特許出願第0667346号,実施例88
を参照されたい)である。
本発明はまた、上に定義の式Iを有する化合物または
その薬学的に許容しうる塩の製造方法であって、式II R1OH II (式中、R1は上に定義の通りである) を有する化合物をリン酸化し、そして望まれるまたは必
要な場合、得られた化合物を薬学的に許容しうる塩に変
換することまたはその逆を含む上記方法を提供する。
リン酸化は、次の工程(1)〜(3)を用いて行うこ
とができる。
(1)上に定義の式IIを有する化合物を、式III RaRbN−P(ORc)(ORd) III (式中、RaおよびRbは、独立して、C1-6アルキル、フェ
ニル若しくは置換フェニルであるかまたはそれらが結合
している窒素原子と一緒になって、モルホリン環などの
環であってよく;そしてRcおよびRdは、独立して、1個
またはそれ以上のハロゲン原子で場合により置換された
ベンジルから選択されるヒドロキシ保護基である) を有する化合物と反応させて、式IV R1−O−P(ORc)(ORd) IV (式中、R1、RcおよびRdは、上に定義の通りである) を有するホスフィット化合物を与えること。
その反応は、反応に悪影響を与えない溶媒(例えば、
塩化メチレン)中において緩酸(例えば、臭化水素酸テ
トラゾール、臭化水素酸5−メチルテトラゾールまたは
臭化水素酸ピリジニウム)および場合により4−ジメチ
ルアミノピリジンの存在下の室温またはそれ以上で行う
ことができる。
(2)得られた式IVのホスフィット化合物を、酸化体
(例えば、3−クロロペルオキシ安息香酸またはH2O2
どの過酸)と反応させて、式V R1−OP(O)(ORc)(ORd) V (式中、R1、RcおよびRdは、上に定義の通りである) を有するリン酸塩を与えること。その反応は、反応に悪
影響を与えない溶媒(例えば、塩化メチレンまたは酢酸
エチル)中において室温未満(例えば、0〜20℃)で行
うことができる。
(3)式Vの化合物からヒドロキシ保護基を除去して、
上に定義の式Iの化合物を与えること。
工程(1)に代わるものとして、式IVのホスフィット
は、次の工程(1A)および(1B)によって製造すること
ができる。
(1A)式VI R1−O−PCl2 VI (式中、R1は上に定義の通りである) を有する仮定の中間体化合物を与えるための、上に定義
の式IIの化合物とPCl3との塩基の存在下での反応。その
反応は、反応に悪影響を与えない溶媒(例えば、塩化メ
チレンまたは酢酸エチル)中において−20〜+20℃の範
囲の温度(例えば、0℃)で行うことができる。適当な
塩基には、ピリジンおよびN−メチルイミダゾールが含
まれる。
(1B)上に定義の式IVの化合物を与えるための、式VIの
化合物と式RcOHおよび/またはRdOH(式中、RcおよびRd
は上に定義の通りである)を有する化合物との反応。そ
の反応は、式VIの化合物の単離を伴うことなく、ほぼ室
温の温度で行われる。
RcおよびRdでありうるヒドロキシ保護基には、2,6−
ジクロロベンジルおよび2−クロロ−6−フルオロベン
ジルが含まれる。ベンジル基は、接触水素添加(例え
ば、パールマン(Pearlman′s)触媒または炭素上パラ
ジウム)またはブロモトリメチルシランを用いて除去で
きる。工程(3)を酢酸ナトリウムまたは水酸化ナトリ
ウムの存在下で行うならば、その二ナトリウム塩を直接
的に得ることができる。
上の作業工程(3)および式Vを有する中間体化合物
は、本発明のもう一つの態様を形成する。式IIおよびII
Iを有する化合物は、どちらも知られているしまたは既
知の技法を用いて入手可能である。
本発明の合成の際に、感受性の官能基を保護し且つ脱
保護する必要があることは当業者に明らかであろう。こ
れは、慣用的な技法によって、例えば、TWグリーン(Gr
eene)およびPGMウッツ(Wuts)による“Protective Gr
oups in Organic Synthsis",ジョン・ウィリー・アンド
・サンズ・インコーポレーテッド(John Wiley and Son
s Inc.),1991年で記載のように行うことができる。
本発明の化合物は、ヒトを含めた動物において薬理活
性を有するので有用である。特に、それら化合物は、真
菌感染の治療または予防において有用である。例えば、
それらは、数ある微生物の中でも、カンジダ属(Candid
a)、白癬菌属(Trichophyton)、小胞子菌属(Microsp
orum)若しくは表皮菌属(Epidermophyton)の種によっ
て引き起こされるヒトの局所真菌感染またはカンジダ・
アルビカンス(Candida albicans)によって引き起こさ
れる粘膜感染(例えば、鵞口瘡および膣カンジダ症)を
治療する場合に有用である。それらはまた、例えば、カ
ンジダ属(例えば、カンジダ・アルビカンス)、クリプ
トコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoform
ans)、黄色アスペルギルス(Aspergillus flavus)、
アスペルギルス・フミガツス(Aspergillus fumigatu
s)、コクシジオイデス属(Coccidioides)、パラコク
シジオイデス属(Paracoccidioides)、ヒストプラスマ
属(Histoplasma)またはブラストミセス属(Blaystomy
ces)の種によって引き起こされる全身性真菌感染の治
療において用いることができる。
したがって、本発明のもう一つの態様により、真菌感
染の治療または予防の方法であって、治療的有効量の本
発明の化合物を患者に対して投与することを含む上記方
法を提供する。本発明の化合物の医薬品としての使用、
および真菌感染の治療または予防用の薬剤の製造におけ
る本発明の化合物の使用もまた提供する。
本発明の化合物の抗真菌活性についてのin vitro評価
は、最小生育阻止濃度(m.i.c.)を決定することによっ
て行うことができ、これは、適当な培地中において特定
の微生物を成長させることができない試験化合物の濃度
である。実際には、特定の濃度で包含された試験化合物
をそれぞれ有する一連の寒天プレートに、例えば、カン
ジダ・アルビカンスの標準的な培養物を接種した後、各
プレートを37℃で48時間インキュベートする。次に、そ
れらプレートの真菌の成長の存在または不存在について
調べ、そして適当なm.i.c.値を記録する。このような試
験で用いられる他の微生物には、アルペルギルス・フミ
ガツス、白癬菌属種、小胞子菌属種、エピダームフィト
ン・フロッコスム(Epidermophyton floccosum)、コク
シジオイデス・イミティス(Coccidioides immitis)お
よびトルロプシス・グラブラタ(Torulopsis glabrat
a)が含まれうる。
本発明の若干の化合物は、in vivoで活性であるの
に、これらin vitro試験で活性を示さないことがある。
本発明の化合物のin vitro評価は、例えば、カンジダ
・アルビカンスまたはアスペルギルス・フミガツスの菌
株を接種されているマウスに対する腹腔内若しくは静脈
内注射によるまたは経口投与による一連の用量で行うこ
とができる。活性は、未処置群マウスの致死後の処置群
マウスの生存に基づく。感染の致死作用に対して50%保
護を与える用量(PD50)を記録する。アスペルギルス属
種感染モデルについては、規定用量後に感染から治癒し
たマウス数が、活性の評価を更に可能にする。
ヒト使用のために、本発明の化合物は単独で投与でき
るが、概して、予定の投与経路および標準的な薬剤業務
に関して選択された薬学的に許容しうる担体との混合物
で投与されるであろう。例えば、それらは、デンプン若
しくはラクトースなどの賦形剤を含有する錠剤の形でま
たは単独か若しくは賦形剤との混合物でのカプセル剤若
しくは小卵剤で、或いは着香剤または着色剤を含有する
エリキシル剤、液剤または懸濁剤の形で経口投与するこ
とができる。それらは非経口で、例えば、静脈内、筋肉
内または皮下に注射することができる。非経口投与用に
は、それらは、他の物質、例えば、溶液を血液と等張に
するのに充分な塩類またはグルコースを含有しうる滅菌
水性溶液の形で最もよく用いられる。
ヒト患者に対する経口および非経口投与用の本発明の
化合物の日用量は、経口かまたは非経口経路によって投
与される場合、(1回または分割量で)0.01〜20mg/kg
であろう。したがって、それら化合物の錠剤またはカプ
セル剤は、適宜に、1回でまたは1度に2個若しくはそ
れ以上投与するための5mg〜0.5gの活性化合物を含有す
るであろう。医師は、いずれにせよ、個々の患者に最も
適している実際用量を決定するであろうし、そしてそれ
は特定の患者の年齢、体重および応答によって変化する
であろう。上の用量は、平均的な場合を例示するもので
あり、当然ながら、より高いまたはより低い用量範囲が
価値がある個々の場合がありうるし、そしてそれらは本
発明の範囲内である。
或いは、本発明の化合物は、坐剤またはペッサリーの
形で投与できるしまたはそれらは、典型的に、ローショ
ン剤、液剤、クリーム剤(例えば、ポリエチレングリコ
ールまたは流動パラフィンの水性エマルジョンを含む)
の形で適用しうるし;或いは、それらは、要求されうる
安定化剤および保存剤などと一緒に、白ろうまたは白色
ワセリン基剤から成る軟膏中に1〜10%の濃度で包含さ
れうる。
したがって、本発明のもう一つの態様により、好まし
くは、50重量%未満の本発明の化合物を薬学的に許容し
うるアジュバント、希釈剤または担体との混合物で包含
する医薬製剤を提供する。水性静脈内製剤は特に興味深
い。
本発明を次の実施例によって例証する。
実施例1 2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ビス(1H−1,
2,4−トリアゾール−1−イル)−2−プロピルリン酸
二水素塩 (a)ジベンジル 2−(2,4−ジフルオロフェニル)
−1,3−ビス(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−
2−プロピルリン酸塩 2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ビス(1H−
1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン−2−オー
ル(フルコナゾールとしても知られる,10.0g,32.6ミリ
モル)、1H−テトラゾール(6.85g,97.8ミリモル)、ジ
ベンジルジイソプロピルホスホルアミダイト(22.55g,6
5.2ミリモル)の塩化メチレン(100ml)中溶液を、窒素
雰囲気下において室温で2時間撹拌した。次に、その混
合物を0℃まで冷却し、そして3−クロロペルオキシ安
息香酸(13.5g,50〜55%w/w,39.1ミリモル)の塩化メチ
レン(50ml)中溶液を、0℃で温度を維持しながら加え
た。得られた混合物を室温まで1時間暖めた後、水性メ
タ重亜硫酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウムで洗浄し
た。乾燥(MgSO4)後、溶媒を除去し、そしてメチルイ
ソブチルケトン(37ml)およびt−ブチルメチルエーテ
ル(74ml)で置き換えた。−10℃で1時間造粒した後、
その生成物を濾過し且つ氷冷メチルイソブチルケトンお
よびt−ブチルメチルエーテル(1:3,15ml)で洗浄し、
そして真空下において50℃で18時間乾燥させて、副標題
化合物(16.05g,87%),m.p.93℃を与えた。
元素分析実測値:C,57.12;H,4.46;N,14,85。
C27H25F2N6O4Pの計算値:C,57.24;H,4.46,N,14.84%。
m/z567(MH+1 H NMR(300MHz,CDCl3)δ=4.90(d,2H),4.95(d,2
H),5.05(d,2H),5.19(d,2H),6.58−6.73(m,2H),
6.88−6.95(m,1H),7.20−7.30(m,4H),7.32−7.38
(m,6H),7.80(s,2H),8.36(s,2H) 撹拌された酢酸エチル(1530ml)に対して、2−(2,
4−ジフルオロフェニル)−1,3−ビス(1H−1,2,4−ト
リアゾール−1−イル)プロパン−2−オール(フルコ
ナゾールとしても知られる,306g,1.00モル)およびピリ
ジン(237.3g,3.00モル)を加えた後、0℃まで冷却し
た。三塩化リン(137.4g,1.00モル)を、反応混合物に
対して0〜5℃で温度を維持しながら滴加した後、その
反応混合物を15℃まで30分間にわたって暖めた。次に、
ベンジルアルコール(216g,2.00モル)を15〜20℃で30
分間にわたって加えた。更に30分後、過酸化水素(水中
27.5%w/w,373g)を、15〜20℃で温度を維持しながら加
えた。30分後、水性相を除去し、そして有機相を水性メ
タ重亜硫酸ナトリウム、希塩酸および水で洗浄した。溶
媒を減圧下で除去し、そしてメチルイソブチルケトン
(850ml)およびt−ブチルメチルエーテル(1132ml)
で置き換えた。20℃で1時間および0℃で1時間造粒し
た後、その生成物を濾過し且つ氷冷t−ブチルメチルエ
ーテル(2x220ml)で洗浄し、そして真空下において50
℃で18時間乾燥させて副標題化合物(358g,63%)を与
えた。融点および分光分析データは、方法Aで述べられ
たのと一致した。
(b)2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ビス
(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−プロピ
ルリン酸二水素塩 工程(a)の化合物(9.80g,17.3ミリモル)、炭素上
5%パラジウム触媒(50重量%,1.0g)および水酸化ナ
トリウム(1.38g,34.6ミリモル)の水(26ml)中スラリ
ーを室温および414kPa(60p.s.i.)で20時間水素化し
た。その溶液をセライト(商標)のパッドを介して濾過
し且つ水(5ml)で洗浄した。トルエンを分離し、そし
て水性相を0℃まで冷却し、その時点で硫酸(1.70g,1
7.3ミリモル)を加えた。得られたスラリーを0℃で1
時間造粒した後、濾過し、水(2x5ml)で洗浄し、そし
て真空下において50℃で乾燥させて標題化合物(5.80g,
87%),m.p.223〜224℃を与えた。
元素分析実測置:C,40.28;H.3.39;N,21.63。
C13H13F2N6O4Pの計算値:C,40.43;H,3.39;N,21.76%。1 H NMR(300MHz,DMSO)δ=5.07(d,2H),5.24(d,2
H),6.77−6.83(m,1H),7.00−7.18(m,2H),7.75(s,
2H),8.53(s,2H) 実施例2 2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ビス(1H−1,
2,4−トリアゾール−1−イル)−2−プロピルリン酸
二ナトリウム塩 実施例1(a)の化合物(10.0g,17.7ミリモル)およ
び酢酸ナトリウム(2.90g,35.3ミリモル)のエタノール
(160ml)および水(20ml)中溶液を、パールマン触媒
(1.00g)上において室温および345kPa(50p.s.i.)で1
6時間水素化した。その溶液をセライト(商標)のパッ
ドを介して濾過し、そして溶媒を減圧下で除去して濃厚
シロップを残した。これを、音波の助けによってエタノ
ール(100ml)中に溶解させ、そして還流するまで加温
した。得られた溶液を徐々に冷却し、そして室温で1時
間造粒した。生成物を濾過し、エタノール(10ml)で洗
浄し、そして真空下において50℃で乾燥させて標題化合
物(4.48g,59%),m.p.160〜162℃を与えた。1 H NMR(300MHz,D2O)δ=5.01(d,2H),5.40(d,2
H),6.60(m,1H),6.79(m,1H),7.11(m,1H),7.63
(s,2H),8.68(s,2H) 実施例3 ジベンジル (2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニ
ル)−3−(5−フルオロ−4−ピリミジニル)−1−
(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−ブチル
リン酸二水素塩 (a)ジベンジル (2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロ
フェニル)−3−(5−フルオロ−4−ピリミジニル)
−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−
ブチルリン酸塩 (2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−
(5−フルオロ−4−ピリミジニル)−1−(1H−1,2,
4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オール(実
施例7の化合物,EP0440372号,ボリコナゾールとしても
知られる,17.0g,48.7ミリモル)、4−ジメチルアミノ
ピリジン(10.2g,83.5ミリモル)、1H−テトラゾール
(10.2g,146ミリモル)およびジベンジルジイソプロピ
ルホスホルアミダイト(33.6g,97.4ミリモル)の塩化メ
チレン(100ml)中溶液を、還流しながら2時間および
窒素雰囲気下において室温で更に16時間撹拌した。次
に、その反応混合物を塩酸で、続いて重炭酸ナトリウム
で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、そして濃縮した。粗生
成物ホスフィットをカラムクロマトグラフィー(シリカ
ゲル,300g,3:1〜1:1ヘキサン:酢酸エチル勾配で溶離す
る)によって精製して淡黄色油状物を与えた。これを塩
化メチレン(100ml)中に溶解させ、そして−10℃まで
冷却し、その時点で3−クロロペルオキシ安息香酸(1
4.8g,57%w/w,48.9ミリモル)の塩化メチレン(100ml)
中溶液を、0℃未満の温度を維持しながら加えた。得ら
れた混合物を室温まで10分間暖めた後、水性メタ重亜硫
酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウムで洗浄した。乾燥
させ(MgSO4)且つ濃縮した後、粗生成物をカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル,300g,酢酸エチルで溶離す
る)によって精製して、副標題化合物を粘稠なシロップ
(17.86g,60%)として与えた。
m/z610(MH+1 H NMR(300MHz,CDCl3)δ=1.39(d,3H),4.41(q,1
H),4.79(d,2H),4.96(d,2H),5.34(d,1H),5.40
(d,1H),6.59−6.66(m,1H),6.72−6.82(m,1H),7.0
2−7.18(m,3H),7.23−7.37(m,8H),7.79(s,1H),8.
46(d,1H),8.52(s,1H),8.90(d,1H) (b)(2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−
3−(5−フルオロ−4−ピリミジニル)−1−(1H−
1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−ブチルリン酸
二水素塩 工程(a)の化合物(5.0g,8.83ミリモル)のメタノ
ール(100ml)中溶液を、パールマン触媒(1.0g)上に
おいて室温および414kPa(60p.s.i.)で16時間水素化し
た。その溶液をセライト(商標)のパッドを介して濾過
し且つ濃縮した。粗生成物を熱メタノール(20ml)中に
再溶解させ、そして0℃で1時間造粒した。濾過し且つ
メタノール(5ml)で洗浄した後、生成物を真空下にお
いて50℃で乾燥させて標題化合物(1.72g,49%),m.p.1
45〜146℃を与えた。1 H NMR(300MHz,DMSO)δ=1.31(d,3H),4.01(q,1
H),5.31(d,1H),5.42(d,1H),6.90−6.97(m,1H),
7.04−7.14(m,1H),7.20−7.30(m,1H),7.95(s,1
H),8.70(d,1H),8.73(s,1H),8.89(d,1H) 実施例4 (2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−
(5−フルオロ−4−ピリミジニル)−1−(1H−1,2,
4−トリアゾール−1−イル)−2−ブチルリン酸二水
素塩(別の製造) (a)ビス(2−クロロ−6−フルオロベンジル)(2
R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−(5
−フルオロ−4−ピリミジニル)−1−(1H−1,2,4−
トリアゾール−1−イル)−2−ブチルリン酸塩 (2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−
(5−フルオロ−4−ピリミジニル)−1−(1H−1,2,
4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オール(実
施例7の化合物,EP0440372号,ボリコナゾールとしても
知られる,10.0g,28.6ミリモル)および1−メチルイミ
ダゾール(9.40g,114ミリモル)の塩化メチレン(30m
l)中溶液を0℃まで冷却し、その時点で三塩化リン
(4.73g,34.4ミリモル)の塩化メチレン(20ml)中溶液
を10℃未満の温度を維持しながら加えた。15分後、2−
クロロ−6−フルオロベンジルアルコール(12.0g,74.4
ミリモル)の塩化メチレン(40ml)中溶液を0〜10℃で
加えた。30分後、過酸化水素(25ml,水中30%溶液)
を、20℃未満の温度を維持して冷却しながら滴加した。
更に1時間後、その反応混合物を分離し、そして有機相
を水(2x100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、そして
濃縮した。得られた粘稠な油状物を、t−ブチルメチル
エーテル(60ml)と一緒に0℃で2時間造粒した。その
生成物を濾過し、t−ブチルメチルエーテル(20ml)で
洗浄し、そして真空中において50℃で18時間乾燥させ
て、副標題化合物を白色結晶性固体(18.1g,収率88
%),m.p.140〜141℃として与えた。1 H NMR(300MHz,CDCl3)δ=1.39(d,3H),4.33(q,1
H),5.08(d,1H),5.13(d,1H),5.27(d,1H),5.31
(d,1H),5.32(d,1H),5.42(d,1H),6.60−6.75(m,2
H),6.92−7.07(m,2H),7.11−7.37(m,5H),7.81(s,
1H),8.44(d,1H),8.61(s,1H),8.91(s,1H) (b)(2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−
3−(5−フルオロ−4−ピリミジニル)−1−(1H−
1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−ブチルリン酸
二水素塩 工程(a)の化合物(50g,70ミリモル)、水酸化ナト
リウム(8.40g,210ミリモル)および炭素上5%パラジ
ウム触媒(10g)のトルエン(450ml)および水(150m
l)中混合物を室温および414kPa(60p.s.i.)で24時間
水素化した。その反応混合物をセライト(商標)を介し
て濾過し、そしてトルエン層を分離し且つ廃棄した。次
に、水性層を塩化メチレン(2x75ml)およびトルエン
(2x75ml)で洗浄した後、0℃まで冷却し、その時点で
硫酸(10.3g,105ミリモル)を加えた。0℃で1時間造
粒した後、生成物を濾過し、水(60ml)で洗浄し、そし
て真空下において50℃で16時間乾燥させて標題化合物
(20.5g,68%)を与えた。プロトンNMRデータは、実施
例3(b)で得られたものと一致した。
元素分析実測値:C,44.48;H,3.45;N,16.19。
C16H15F3N5O4Pの計算値:C,44.77;H,3.52;N,16.31%。
実施例5 (2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−
(5−フルオロ−4−ピリミジニル)−1−(1H−1,2,
4−トリアゾール−1−イル)−2−ブチル(2−ヒド
ロキシエチル)トリメチルアンモニウムリン酸水素塩二
水和物 実施例3(b)の化合物(214.7g,500ミリモル)のア
セトン(2070ml)中撹拌スラリーに対して、重炭酸コリ
ン(水中75%w/w,110g,500ミリモル)の溶液を10分間に
わたって加えた。そのスラリーを還流するまで20分間加
温し、セライト(商標)のパッドを介して濾過して不溶
性物質を除去した後、20℃まで冷却し、そして1時間造
粒した。得られた生成物を濾過によって集め、アセトン
(2x250ml)で洗浄し、そして真空下において20℃で18
時間乾燥させて標題化合物(233.3g,74%),m.p.114〜1
15℃を与えた。1 H NMR(300MHz,DMSO)δ=1.23(d,3H),3.07(s,9
H),3.38(t,2H),3.60(q,1H),3.78(q,2H),5.50
(s,2H),6.72−6.80(m,1H),6.94−7.02(m,1H),7.3
6−7.42(m,1H),7.82(s,1H),8.59(d,1H),8.78(d,
1H),9.35(s,1H) 実施例6 2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−{3−
[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキ
シ)スチリル]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イ
ル}−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−
2−プロピルリン酸二水素塩 (a)ジベンジル2−(2,4−ジフルオロフェニル)−
1−{3−[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオロ
プロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリアゾール−
1−イル}−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イ
ル)−2−プロピルリン酸塩 塩化メチレン(5ml)中の2−(2,4−ジフルオロフェ
ニル)−1−{3−[(E)−4−(2,2,3,3−テトラ
フルオロプロポキシ)スチリル]−1H−1,2,4−トリア
ゾール−1−イル}−3−(1H−1,2,4−トリアゾール
−1−イル)プロパン−2−オール(実施例19のラセミ
化合物,EP0472392号,475mg,0.88ミリモル)、1H−テト
ラゾール(185mg,2.64ミリモル)およびジベンジルジイ
ソプロピルホスホルアミダイト(607mg,1.76ミリモル)
を、窒素雰囲気下において室温で20時間撹拌した。次
に、その混合物を0℃まで冷却し、そして過酸化水素
(1.0ml,水中30%溶液)を20℃未満の温度を維持しなが
ら滴加した。得られた混合物を20℃で30分間撹拌した
後、有機層を分離し、これを水で洗浄し、乾燥させ(Mg
SO4)、そして溶媒を蒸発させた。得られた淡黄色油状
物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,酢酸エチ
ル/ヘキサンで溶離する)によって精製して、副標題化
合物を粘稠なシロップ(595mg,84%)として与えた。1 H NMR(300MHz,CDCl3)δ=4.37(t,2H),4.91(d,2
H),4.94(d,2H),5.02(d,1H),5.07(d,1H),5.16
(d,1H),5.18(d,1H),6.05(tt,1H),6.59−6.78(m,
2H),6.82(d,1H),6.90(d,2H),6.91−7.00(m,1H),
7.21−7.38(m,10H),7.42(d,2H),7.42(d,1H),7.79
(s,1H),8.28(s,1H),8.39(s,1H) (b)2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−{3−
[(E)−4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキ
シ)スチリル]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イ
ル}−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−
2−プロピルリン酸二水素塩 工程(a)の化合物(298mg,0.37ミリモル)の塩化メ
チレン(5m1)中溶液を0℃まで冷却した後、ブロモト
リメチルシラン(254mg,1.66ミリモル)およびピリジン
(180mg,3.10ミリモル)で処理した。得られた混合物を
0℃で3時間撹拌した後、水酸化ナトリウム(96mg,2.4
1ミリモル)を含有する水(1ml)で急冷した。次に、そ
の混合物を希硫酸で酸性にし、そしてその生成物を酢酸
エチル中に抽出した。ブラインで洗浄後、酢酸エチル相
を乾燥させ(MgSO4)、そして溶媒を蒸発させて標題化
合物を淡黄色泡状物(202mg,88%)として与えた。
実施例7 (2RS,3RS)−3−(4−[4−シアノフェニル]チア
ゾール−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロフェニ
ル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−
2−ブチルリン酸二水素塩 (a)ジベンジル(2RS,3RS)−3−(4−[4−シア
ノフェニル]チアゾール−2−イル)−2−(2,4−ジ
フルオロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール
−1−イル)−2−ブチルリン酢塩 塩化メチレン(10ml)中の3−[4−(4−シアノフ
ェニル)チアゾール−2−イル]−2−(2,4−ジフル
オロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1
−イル)ブタン−2−オール(実施例88,EP0667346号,9
00mg,2.06ミリモル)、1H−テトラゾール(432mg,6.18
ミリモル)、4−ジメチルアミノピリジン(100mg,0.82
ミリモル)およびジベンジルジイソプロピルホスホルア
ミダイト(1.42g,4.12ミリモル)を、窒素雰囲気下にお
いて20時間還流した。次に、その混合物を0℃まで冷却
し、そして過酸化水素(2.5ml,水中30%溶液)を20℃未
満の温度を維持しながら滴加した。得られた混合物を20
℃で30分間撹拌した後、有機層を分離し、これを水で洗
浄し、乾燥させ(MgSO4)、そして溶媒を蒸発させた。
得られた淡黄色油状物をカラムクロマトグラフィー(シ
リカゲル,酢酸エチル/ヘキサンで溶離する)によって
精製して、副標題化合物を粘稠なシロップ(732mg,51
%)として与えた。1 H NMR(300MHz,CDCl3)δ=1.40(d,3H),4.38(q,1
H),4.81−4.96(m,4H),5.40(d,1H),5.43(d,1H),
6.62−6.71(m,1H),6.74−6.82(m,1H),7.15−7.37
(m,10H),7.58(s,1H),7.62(d,2H),7.73(s,1H),
7.97(d,2H),8.48(s,1H) (b)(2RS,3RS)−3−(4−[4−シアノフェニ
ル]チアゾール−2−イル)−2−(2,4−ジフルオロ
フェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イ
ル)−2−ブチルリン酸二水素塩 工程(a)の化合物(310mg,0.44ミリモル)の塩化メ
チレン(5ml)中溶液を0℃まで冷却した後、ブロモト
リメチルシラン(303mg,1.98ミリモル)およびピリジン
(215mg,3.70ミリモル)で処理した。得られた混合物を
0℃で3時間撹拌した後、水酸化ナトリウム(115mg,2.
87ミリモル)を含有する水(1ml)で急冷した。黄色沈
殿が形成され、これを濾過によって単離した後、希硫酸
と塩化メチレンとに分配した。有機相をブラインで洗浄
し、乾燥させ(MgSO4)、そして溶媒を蒸発させて標題
化合物を淡黄色固体(80mg,35%)として与えた。1 H NMR(300MHz,DMSO)δ=1.38(d,3H),4.42(q,1
H),5.37(d,1H),5.41(d,1H),6.88−6.97(m,1H),
7.09−7.19(m,1H),7.31−7.40(m,1H),7.80(s,1
H),7.87(d,2H),8.05(d,2H),8.32(s,1H),8.65
(s,1H) 実施例8 (2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−
[4−(1−メチルピラゾール−5−イル)フェニル]
−1−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−ブチ
ルリン酸二水素塩 (a)O,N−ジメチル−4−ヨードベンゼンヒドロキサ
ム酸 ピリジン(104g,1.32ミリモル)のジクロロメタン(1
50ml)中溶液を、塩化4−ヨードベンゾイル(251g,0.9
4モル)およビN,O−ジメチルヒドロキルアミン塩酸塩
(97g,0.94モル)のジクロロメタン(850ml)中懸濁液
に対して0℃で滴加した。その混合物を室温まで暖め且
つ18時間撹拌した。その溶液を減圧下で蒸発させ、残留
物を酢酸エチル(11)中に溶解させた後、希塩酸(2N,3
x400ml)および飽和重炭酸ナトリウム溶液(300ml)で
洗浄し、そして乾燥させた(Na2SO4)。有機抽出液を減
圧下で蒸発させた。残留物を蒸留によって精製して、副
標題化合物(241g,93%)を黄色油状物,b.p.130℃(0.1
mmHg)として生成し、これを1H NMRによって特性決定
した。
(b)2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(4−
ヨードフェニル)エタノン 臭化2,4−ジフルオロベンジル(23.7ml,0.114モル)
を、マグネシウム削り屑(8.1g,0.183モル)の乾燥エー
テル(300ml)中撹拌混合物に対して窒素下で滴加し
た。その混合物を、最初に、反応が開始するまで加温し
た後、その臭化物を、穏やかな還流を維持するような速
度で加えた。1時間後、得られたグリニャール試薬溶液
を、O,N−ジメチル−4−ヨードベンゼンヒドロキサム
酸[工程(a)を参照されたい](45.7g,0.157モル)
の乾燥エーテル(300ml)中溶液に対して−78℃で滴加
し、そしてその混合物を徐々に室温まで一晩中暖めた。
その混合物を飽和水性塩化アンモニウムと酢酸エチルと
に分配し、そして有機溶液を分離し、乾燥させ(MgS
O4)、そして減圧下で濃縮して、標題化合物を白色固
体,38.71g(69%)として与え、これを1H−N.M.R.分光
分析法によって特性決定した。
(c)2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(4−
ヨードフェニル)プロプ−2−エノン ビス(ジメチルアミノ)メタン(8.78ml,0.075モル)
を、2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(4−ヨ
ードフェニル)エタノン[17.73g,0.04595モル,工程
(b)から]の無水酢酸(23.1ml,0.248モル)の撹拌懸
濁液に対して室温で滴加した。発熱反応があり、混合物
の温度は60℃まで上昇した。添加終了後、混合物を室温
で35分間撹拌した後、氷水を加えて過剰の無水酢酸を加
水分解した。更に30分後、生成物を酢酸エチル中に抽出
し、そして抽出物を希塩酸、飽和水性重炭酸ナトリウム
で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、そして減圧下で濃縮し
て、標題化合物を白色固体(17.03g,93%)として与
え、これを1H−N.M.R.分光分析法によって特性決定し
た。
(d)2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(4−
ヨードベンゾイル)オキシラン 水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(3.44ml,40
%水性溶液,8.2ミリモル)を、2−(2,4−ジフルオロ
フェニル)−1−(4−ヨードフェニル)プロプ−2−
エノン[37.3g,100.8ミリモル,工程(c)から]およ
びt−ブチルヒドロペルオキシド(36.6ml,トリメチル
ペンタン中3M,109ミリモル)のトルエン(550ml)中溶
液に対して、室温で一度に加えた。2時間後、その混合
物を水(2x500ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、そし
て減圧下で濃縮して、標題化合物を白色固体(37.46g,9
6%)として与え、これを1H−N.M.R.分光分析法によっ
て特性決定した。
(e)(2,4−ジフルオロフェニル)−2−[1−(4
−ヨードフェニル)エテニル]オキシラン n−ブチルリチウム(50ml,ヘキサン中2.5M,125ミリ
モル)を、臭化メチルトリフェニルホスホニウム(45.0
g,126ミリモル)の乾燥THF(600ml)中の撹拌懸濁液に
対して窒素下において−70℃で10分間にわたって滴加し
た。その混合物を−20℃まで20分間にわたって暖めた
後、2−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−(4−ヨ
ードベンゾイル)オキシラン[37.46g,97ミリモル,工
程(d)から]の乾燥THF(200ml)中溶液を5分間にわ
たって加えた。その混合物を室温まで暖め且つ84時間撹
拌した。10%水性塩化アンモニウム(500ml)を加え、
そしてその混合物を減圧下で濃縮した。生成物を酢酸エ
チル中に抽出し、そして合わせた抽出物を乾燥させ(Mg
SO4)、そして減圧下で濃縮した。固体残留物を沸騰ヘ
キサン(3x500ml)で処理し、そして残留固体を捨て
た。ヘキサン溶液を合わせ、シリカゲルの短パッドを介
して濾過し、そして減圧下で濃縮して、標題化合物を黄
色油状物(34.3g,92%)として与え、これを1H−N,M.R.
分光分析法によって特性決定した。
(f)2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−(4−
ヨードフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−
1−イル)−3−ブテン−2−オール ナトリウム1,2,4−トリアゾール(12.15g,133ミリモ
ル)を、(2,4−ジフルオロフェニル)−2−[1−
(4−ヨードフェニル)エテニル]オキシラン[34.3g,
89ミリモル,工程(e)から]の乾燥DMF(350ml)中溶
液に対して窒素下において70℃で加えた。その混合物を
5時間撹拌し、冷却し、そして溶媒を減圧下で除去し
た。残留物をエーテル(800ml)と水(2x500ml)とに分
配した。有機溶液を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そし
てシリカゲル(60〜200μ,75g)を加えた。エーテルを
減圧下で除去し、そして残留固体をシリカゲルカラム
(40〜60μ,300g)の上部に加え、そして生成物を、ヘ
キサンおよび増加量の酢酸エチル(0〜75%)を用いて
溶離した。生成物は白色泡状物(23.8g,61%)として得
られ、これを1H−N.M.R.分光分析法によって特性決定し
た。
(g)(R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3
−(4−ヨードフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリア
ゾール−1−イル)−3−ブテン−2−オール(+)−
3−ブロム樟脳−10−スルホネート (+)−3−ブロム樟脳−10−スルホン酸(36.3g,0.
110モル)のIMS(40ml)中溶液を、工程(f)の生成物
(50g,0.110モル)のIMS(300ml)中溶液に対して加え
た。種結晶を入れた後、得られたスラリーを室温で20時
間造粒した。低温で更に1時間造粒した後、白色固体
(22g,0.03モル)を濾過によって集めた。キラル純度
は、キラルセル(Chiralcel)TMODカラムを用い且つエ
タノール/ヘキサン[40:60]で溶離するキラルHPLCに
よって95%eeとして評価された。
(h)(R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3
−(4−ヨードフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリア
ゾール−1−イル)−3−ブテン−2−オール 工程(g)の生成物(206.5g,0.27モル)を塩化メチ
レン(620ml)に対して加え、そして40%NaOHで塩基性
にした。その混合物を室温で15分間撹拌し、そして分離
した。水性相を塩化メチレン(310ml)で再抽出した。
有機生成物溶液を水(620ml)で洗浄し、そして245mlの
容量まで濃縮した。室温で撹拌され且つ種結晶を入れら
れた濃縮物に対して、ヘキサン(2450ml)を一定速度で
加えた。得られたスラリーを5℃で1時間造粒した。濾
過は白色固体(117.4g,0.26モル)を与え、これを1H N
MR分光分析法によって特性決定した。
(i)(2R)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3
−[4−(1−メチルピラゾール−5−イル)フェニ
ル]−1−(1,2,4−トリアゾール)1−イル)−3−
ブテン−2−オール nBuLi(1.6N,24.1ml,0.04モル)を、1−メチルピラ
ゾール(3.28g,0.04モル)の−70℃のTHF(370ml)中溶
液に対して−60℃未満の温度を維持しながら加え且つ30
分間撹拌した。−40℃未満の温度を維持しながら、塩化
亜鉛(0.5N,77.1ml,0.04モル)の溶液に続いてテトラキ
ス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(15%w/w,0.
9g)を加えた。−40℃未満の温度をなお維持しながら、
工程(h)の生成物(6g,0.013モル)のTHF(36ml)中
溶液を一定速度で加えた。その反応を室温まで暖めた
後、2時間還流した。室温まで冷却後、その反応を酢酸
(12ml)および水(120ml)で急冷して25℃未満の温度
を維持した。反応混合物を減圧下で蒸発させてTHFを除
去した。その生成物を塩化メチレン(120ml)で抽出
し、そして水性相を塩化メチレン(50ml)で更に抽出し
た。合わせた有機抽出物を水(2x120ml)で洗浄し、そ
して濃縮して油状物を与えた。その油状物の酢酸エチル
(100ml)中撹拌濾過溶液に対して、IPA(10ml)中の5
−スルホサリチル酸(3.3g,0.13モル)を加えた。得ら
れた混合物を室温で1/2時間撹拌した。得られた濾過固
体を酢酸エチル(50ml)中で再度パルプ状にし、そして
IPA(60ml)から再結晶させて白色固体(7.2g,0.01モ
ル)を与えた。その固体を塩化メチレン(35ml)および
水(50ml)に対して加え、そして40%NaOHで塩基性にし
た。その混合物を室温で15分間撹拌し、そして分離し
た。水性相を塩化メチレン(25ml)で再抽出し、そして
合わせた有機抽出物を水(35ml)で洗浄した。有機生成
物溶液を濃縮して泡状物にし、そして特性決定した。
[α]=−25.6゜ C22H19F2N5O.0.5H2Oの計算値:C,63.45;H,4.84;N,16.8
2。実測値:C,63.92;H,4.86;N,16.64。
(j)(2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−
3−[4−(1−メチルピラゾール−5−イル)フェニ
ル]−1−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン
−2−オール 工程(i)の生成物(2.0g,5ミリモル)のエタノール
(50ml)中溶液を、炭上5%パラジウム(0.2g)上にお
いて50℃、50psi(333KPa)圧力で18時間水素化した。
触媒のバッチ(0.2g)を更に加え、そして水素化を更に
18時間続けた。その混合物を、アーボセル(Arbocel)
TMを介して濾過し、そしてその濾液を減圧下で蒸発させ
た。残留物を、シリカ上において酢酸エチル/ヘキサン
/ジエチルアミン(0:95:5→65:33:2)を用いる勾配溶
離によるクロマトグラフィーによって分離した。所望の
生成物を含有する画分を合わせ、そして減圧下で蒸発さ
せた。残留物を、酢酸エチル(x3)に続いてエーテル
(x3)から溶解および再蒸発を行って無色固体を生じ
た。その固体を水性エタノールから再結晶させて、副標
題化合物(1.25g,62%)を無色固体,m.p.144〜145℃,
[α]=−107゜(c=0.1%,CH2Cl2,25℃)として与
えた。
元素分析(%) 実測値:C,64,26;H,5.13;N,17.07 C22H21F2N5Oの計算値:C,64.54;H,5.17;N,17.10 [この化合物は、同時係属国際特許出願PCT/EP96/02470
号の実施例67としても開示される]。
(k)ジベンジル (2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロ
フェニル)−3−[4−(1−メチルピラゾール−5−
イル)フェニル]−1−(1,2,4−トリアゾール−1−
イル)−2−ブチルリン酸塩 工程(j)の生成物(2.0g,4.4ミリモル)、ジベンジ
ルジイソプロピルホスホルアミダイト(2.28g,6.6ミリ
モル)、テトラゾール(0.92g,13.2ミリモル)および4
−ジメチルアミノピリジン(50mg)のジクロロメタン
(30ml)中溶液を還流下で13時間加熱した。その反応混
合物を冷却し(0℃)、そしてm−クロロ過安息香酸
(1.52g,8.8ミリモル)を加えた。その溶液を0℃で更
に1時間撹拌した後、室温まで暖めた。反応混合物を、
水性亜硫酸ナトリウム溶液(10%,30ml)、飽和重炭酸
ナトリウム溶液(30ml)およびブライン(30ml)で洗浄
した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、そして溶媒を真空
中で蒸発させて油状物を与えた。カラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲル,45g,トルエン〜トルエン中3.5%ジエ
チルアミン勾配で溶離する)による精製は、必要な生成
物を無色油状物(0.8g,27%),m/z671(M++1)として
を与えた。1 H N.M.R.(CDCl3)δ=1.3(d,3H);3.8(s,3H);3.8
5(q,1H);4.8(m,2H);4.9(m,2H);5.2(s,2H);6.25
(s,1H);6.6(m,1H);6.8(m,1H);7.05(m,1H);7.15
(m,2H);7.2−7.35(m,12H);7.5(s,1H);7.8(s,1
H);8.23(s,1H)。
(l)(2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−
3−[4−(1−メチルピラゾール−5−イル)フェニ
ル]−1−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−
ブチルリン酸二ナトリウム塩 工程(k)の生成物(0.5g,0.75ミリモル)および酢
酸ナトリウム(0.14g,1.65ミリモル)のエタノール(20
ml)中懸濁液を、炭素上5%パラジウム(75mg)上にお
いて室温および333KPa(50p.s.i.)で24時間水素化し
た。薄層クロマトグラフィー分析は不完全な反応を示
し、そして触媒を濾過助剤(アーバセル(Arbacel),
商標)のパッドを介して濾去した。次に、パールマン触
媒(75mg)を加え、そして水素化を更に72時間続けた。
その触媒をアーバセルのパッドを介して濾去し、そして
溶媒を真空中で除去した。残留物をジクロロメタン(20
ml)中に溶解させ、そして濾過助剤(ハイフロー(Hifl
ow),商標)を介して濾過して過剰の酢酸ナトリウムを
除去した。溶媒を真空中で蒸発させ、そしてジエチルエ
ーテルでの研和後、標題化合物を白色固体(0.250g,68
%)として得た。
元素分析実測値:C,46.66;H,4.87;N,11.82; C22H22F2N5Na2O4P.0.09Et2Oの計算値;C,46.62;H,4.36;
N,12.16%。1 H N.M.R.(DMSO)δ=1.2(d,3H);3.75(q,1H);3.8
(s,3H);5.1,5.5(AB系,2H);6.3(s,1H);6.6(m,1
H);6.9(m,1H);7.2,7.4(AB系,4H);7.4(m,3H);7.4
5(m,1H);7.6(s,1H);9.1(s,1H)。
実施例9 実施例1、3および8の化合物(それらの二ナトリウ
ム塩の形)の水性溶解度を、それぞれの親(非リン酸
化)化合物(遊離塩基の形)の溶解度と比較した。結果
を次の表で示す。
フロントページの続き (72)発明者 スティーヴンソン,ピーター・ティー イギリス国 ケント シーティー13・9 エヌジェイ,サンドウィッチ,ラムズゲ ート・ロード,ファイザー・セントラ ル・リサーチ内 (72)発明者 マーティアショー,チャールズ・ダブリ ュー アメリカ合衆国 コネチカット州06340, グロートン,イースタン・ポイント・ロ ード,ファイザー・セントラル・リサー チ内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 9/6518 A61K 31/675 A61K 31/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式I R1−OP(O)(OH) I {式中、R1は式I a (式中、R2は、1個またはそれ以上のハロゲン原子で置
    換されたフェニルであり; R3は、HまたはCH3であり; R3aは、HであるかまたはR3と一緒になって=CH2であっ
    てよく;そして R4は、ハロゲン、=O、フェニル[CNおよび(C6H4)−
    OCH2CF2CHF2から選択される基で置換されている]また
    はCH=CH−(C6H4)−OCH2CF2CHF2から選択される1個
    またはそれ以上の基で場合により置換されている5員ま
    たは6員の窒素含有複素環式環;またはハロゲンおよび
    メチルピラゾリルから選択される1個またはそれ以上の
    基で置換されたフェニルである) を有する基である} を有する化合物;またはその薬学的に許容しうる塩。
  2. 【請求項2】R2が2,4−ジフルオロフェニルである請求
    項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】R3がHまたはメチルである請求項1または
    2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】R4が、トリアゾリル基、ピリミジニル基ま
    たはチアゾリル基であるかまたはそれらを含む請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. 【請求項5】2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−
    ビス(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−プ
    ロピルリン酸二水素塩;または (2R,3S)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−
    (5−フルオロ−4−ピリミジニル)−1−(1H−1,2,
    4−トリアゾール−1−イル)−2−ブチルリン酸二水
    素塩; またはその薬学的に許容しうる塩である請求項1〜4の
    いずれか1項に記載の化合物。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の式Iを有する化合物また
    はその薬学的に許容しうる塩を、薬学的に許容しうるア
    ジュバント、希釈剤または担体との混合物で含む医薬製
    剤。
  7. 【請求項7】真菌感染の治療または予防のための請求項
    6に記載の医薬製剤。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の式Iを有する化合物また
    はその薬学的に許容しうる塩の製造方法であって、式II R1OH II (式中、R1は請求項1に定義の通りである) を有する化合物をリン酸化し、そして望まれるまたは必
    要な場合、得られた化合物を薬学的に許容しうる塩に変
    換することまたはその逆を含む上記方法。
  9. 【請求項9】式V R1−OP(O)(ORc)(ORd) V (式中、R1は請求項1に定義の通りであり、そしてRc
    よびRdは、独立して、1個またはそれ以上のハロゲン原
    子で場合により置換されたベンジルから選択されるヒド
    ロキシ保護基である) を有する化合物からヒドロキシ保護基を除去する工程を
    含む請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の式Vを有する化合物。
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